JP4067768B2 - 継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪矯正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪み矯正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラインコンタクトタイプの継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を図5に示す。すなわち、図5(a)は斜視図であり、図5(b)は横断面図である。この図5(a)および(b)に示すように、例えば2ロールラインコンタクトタイプ矯正機においては、ラインコンタクトタイプロール1は、その形状を凹凸とし、上面に凹ロール2および下面に凸ロール3から構成され、その形状を有するラインコンタクトタイプロール1間によって成品である継目無鋼管4を長手方向にベンディングをかけ、しかも送りに合わせて曲げ面を回転させることにより、曲がり矯正を行うものである。また、成形中に成品がロールから外れないように上下にガイドシュー5を配置する構造を取っている。
【0003】
一方、図6は従来のエアーベントタイプの継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を示す図である。すなわち、図6(a)は横断面図であり、図6(b)は正面断面図である。この図6(a)、および(b)に示すように、例えばエアーベントタイプ矯正機においては、凹ロール2および凸ロール3から構成され、その形状を有するエアーベントタイプロールは凹ロール2および凸ロール3並びにガイドシュー5の3点支持により、凹ロールの2箇所と凸ロールの1箇所による点接触面によって成品である継目無鋼管4を長手方向にベンディングをかけ、低速度の曲がり矯正を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のラインコンタクトタイプ矯正機は高速矯正が可能であるが、このラインコンタクトタイプ矯正機で継目無鋼管4の矯正を行う場合、凹ロール2と凸ロール3との接触面が全面に接触して矯正される関係から、この凹凸ロール間の圧下のため継目無鋼管4には高レベルの残留歪が多量に発生する。このような状態で、矯正後に2次加工としてリング切断や内外面の切削工程に送られ、そこで2次加工が行われると鋼管中に高レベルの残留歪があるために、この残留歪が開放されて矯正前の状態に戻り、真円度、伸直度等の形状の悪化となると言う問題がある。一方、3点支持方式のエアーベントタイプ矯正機は残留歪の発生は少ないが低速矯正であると言う問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述したような問題を解消するべく、発明者らは鋭意開発を進めた結果、被矯正材である鋼管とロールとの接触面を制御することにより局部的な残留歪が発生するのを防止し、高速矯正が可能な低残留歪の継目無鋼管の矯正方法を提供するものである。その発明の要旨とするところは、
(1)凹ロールと凸ロールを対向に配置した2ロールにおいて、凹ロールと凸ロールのロール面の曲率を1〜7°とすると共に、凹ロールのロールカーブ形状をb/c=0.25〜0.35、a/b=0.008〜0.012なる条件を満たす凹ロール形状とすることにより、該凹ロールと凸ロールへの接触面を3点接触が確保できるように構成してなるロールを使用することを特徴とする継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪矯正方法。ただし、a:中央部逃がし代、b:中央部逃がし幅、c:ロール面長
(2)前記(1)記載の方法において、凹ロール角度18〜24°、凸ロール角度15〜18°とし、ロール圧下量0.10〜3.00mmの3点接触面で矯正することを特徴とする継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪矯正方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明に係る継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を示す図である。図1(a)は正面断面図であり、図1(b)は横断面図である。この図に示すように、ロール面は曲率を持たせ、しかも滑らかな曲線を描き各々の凹と凸のプロフィールを持った筒状ロールを1対とする。すなわち、凹ロール2と凸ロール3を対向に配置した2ロールとし、凹ロールと凸ロールのロール面の曲率を1〜7°とすると共に凹ロールのロールカーブ形状をb/c=0.25〜0.35、a/b=0.008〜0.012なる条件を満たす凹ロール形状とし、これによって凹ロールと凸ロールへの接触面を3点接触が確保できるように構成するものである。
【0007】
すなわち、凹ロール2と凸ロール3のロール面の曲率を1〜7°の範囲で変更し、かつ凹ロールのロールカーブ形状をb/c=0.25〜0.35、a/b=0.008〜0.012なる条件を満たす凹ロール形状にすることにより、該凹ロール2と凸ロール3への接触面6を凹ロール2においては2箇所、凸ロール3においては1箇所の3点接触が確保できるようになる。このようなロール面の曲率および凹ロールのロールカーブ形状としたロールを用いて矯正することにより良好な真円、真直度を得ることができる。
【0008】
図2は本発明に係る矯正機のロール角度を定める説明図である。図2(a)は矯正機の上面図であり、図2(b)は断面図である。この図に示すように凹ロール2と凸ロール3は鋼管の進行方向に対してそれぞれθ 2 、θ 1 の角度を示している。このθ1 を凸ロール角度、θ2 を凹ロール角度とする。また、図2(b)から判るように凹ロールおよび凸ロールは鋼管の進行方向と角度を有していない平行状態にある。
【0009】
【実施例】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
被矯正材として外径:15.0〜114.0mm、肉厚:2.0〜20.0mmの熱間圧延材を冷間圧延後熱処理した後凹ロール角度調整並びに凸ロール角度調整を行った後ロール圧下量の調整を行って矯正した。その時のロール角度としては、凹ロール角度18〜24°、凸ロール角度15〜18°とし、ロール圧下量としては、0.10〜3.00mmでの3点接触面での矯正を行った。なお、残留歪の評価方法としてはスリット試験法によって行った。このスリット試験法とは、矯正後の被矯正材の端部から長手方向の中心側に、例えば1000mm程度入った箇所から60mm長さの試験片を採取し、この採取した試験片をカッター幅3mmのシーリングで軸方向に縦割し、この縦割りにより矯正による歪で内在していたものが現われて増大したスリット幅となる。この時のスリット幅の増大値を残留歪として定義するものである。その結果を残留歪の評価として示す。
【0010】
図3は従来法と本発明におけるスリット開度の推移を示す図である。この図に示すように、従来法であるラインコンタクトタイプ約3.5%、エアーベントタイプ3.15〜3.3%に対し、本発明による改善後のスリット開度(%)は、約3.2%と従来法でのスリット開度は、小さくなっていることが判る。
図4は従来法と本発明による矯正速度の推移を示す図である。この図に示すように、従来法であるラインコンタクトタイプの場合は3〜22m/分であり、また、従来法であるエアーベントタイプの場合は、3〜18m/分と低速度であるに対し、本発明の場合は、40〜75m/分と高速度で矯正することが可能となった。これによって、高速度矯正にもかかわらず残留歪が大きく改善されたことが判る。
【0011】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による被矯正材と矯正ロールとの接触面を制御することにより局部的な残留歪の発生するのを防止し、低残留歪の鋼管を製造することが出来、その結果2次加工後の形状悪化を防止することが可能となり、しかも高速度で極めて形状の優れた製品を製造することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を示す図、
【図2】本発明に係る矯正機のロール角度を定める説明図、
【図3】従来法と本発明におけるスリット開度の推移を示す図、
【図4】従来法と本発明による矯正速度の推移を示す図、
【図5】従来のラインコンタクトタイプの継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を図、
【図6】従来のエアーベントタイプの継目無鋼管の矯正に使用する矯正機を図である。
【符号の説明】
1 ラインコンタクトタイプロール
2 凹ロール
3 凸ロール
4 継目無鋼管
5 ガイドシュー
6 接触面
Claims (2)
- 凹ロールと凸ロールを対向に配置した2ロールにおいて、凹ロールと凸ロールのロール面の曲率を1〜7°とすると共に、凹ロールのロールカーブ形状をb/c=0.25〜0.35、a/b=0.008〜0.012なる条件を満たす凹ロール形状とすることにより、該凹ロールと凸ロールへの接触面を3点接触が確保できるように構成してなるロールを使用することを特徴とする継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪矯正方法。
ただし、a:中央部逃がし代、b:中央部逃がし幅、c:ロール面長 - 請求項1記載の方法において、凹ロール角度18〜24°、凸ロール角度15〜18°とし、ロール圧下量0.10〜3.00mmの3点接触面で矯正することを特徴とする継目無鋼管の2ロールにおける低残留歪矯正方法。
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