JP2004154851A - 遊星形傾斜ロール圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延において、次式に示す関係を満足するような、略円錐形状ロールとその配置を用いて圧延する。
K=Dr/{α×(β−α2)}≧0.02
ここで、Dr:略円錐形ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比(Dr=Df,min/DM,out)、α:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのオフセット角(単位:°)、α2:略円錐形ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす傾き角度(単位:°)、β:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのロールシャフト傾斜角(単位:°)とする。当該圧延方法を適用することにより、スパイラルマークの発生を実用上問題のない程度にまで防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒材ならびに管材の、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、圧延後の被圧延材の外表面に生じる螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークの防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
棒鋼および鋼管の粗圧延機の一つとして、遊星形傾斜ロール圧延機が用いられる。遊星形傾斜ロール圧延機は、3個の円錐形傾斜ロールを持った遊星形圧延機で1パスで80〜90%の面積減少率の高圧下が可能である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
以下に、図を用いて遊星形傾斜ロール圧延機の特徴を説明する。図1には、遊星形傾斜ロール圧延機に用いられるロールの側面図および被圧延材の中心軸に垂直な平面への投影図として示した正面図ならびに被圧延材の中心軸を含む平面内での断面図として示した側面図として図示した遊星形傾斜ロール圧延機の概略図を示す。図1(a)に示すように、遊星形傾斜ロール圧延機に用いられるロールは、一つの円筒形状と複数の円錐台形状が結合された略円錐形形状を有する。図1(a)では、これら遊星形傾斜ロール圧延機に用いられるロールの一例として、一つの円筒形状と二つの円錐台形状が結合された形状のロールを示す。一般に、2つの円錐台形状のうち、端部に位置する部分は「矯正部」残る一方の部分は、「圧延部」と呼ばれる。円筒形状の部分は、圧延中に材料とは接触することはなく、圧延には使用されない。この略円錐台形状のロールの圧延機内における配置についてみると、図1(b)の正面図に示されるように、ロールは、3個のロールが、被圧延材の周方向に120°おきに対称に配置される。個々のロールは、ロールの軸芯線が、図1(c)の側面図、すなわち、被圧延材の中心軸を含む平面内での断面図において、被圧延材の中心軸との間のなす角度が所定のロールシャフト傾斜角βとなるように、さらに、図1(b)の正面図、すなわち、被圧延材の中心軸に垂直な平面への投影図において、所定のオフセット角αを有するように配置される。
【0004】
このように配置されたロールが自転しつつ被圧延材の周囲を公転することにより、被圧延材はロールから所定の圧下を受けつつ、圧延方向の速度を生じながら、圧延方向に前進しつつ圧延される。ロールを被圧延材の周囲に公転させるのは、材料の回転を防止するためであり、ロールが被圧延材の周囲を公転せずに自転するのみであれば、被圧延材は3個のロール間を回転しつつ圧延方向に前進し、螺旋状に運動しながらロールから圧下を受ける。遊星形傾斜ロール圧延機では、前者のようにロールが被圧延材の周囲を公転して、被圧延材に回転を生じさせずに圧延が行われることが一般的である。
【0005】
オフセット角αが0°の場合、ロールとの接触により被圧延材に圧延方向速度を生じさせることはできず、圧延を進めることが不可能となる。なお、本明細書中では、以下、被圧延材の周方向を「回転方向」、中心軸方向を「圧延方向」と呼ぶこととする。実際の圧延では、オフセット角を0°より大きな値に設定し、被圧延材に圧延方向速度を生じさせることにより圧延を進める。このように、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延においては、被圧延材は、ロールから回転方向に圧下を受けながら、被圧延材自身が圧延方向速度成分を有することになり、結局、ロールから螺旋状に圧下を受けながら、外径が縮小するような圧下を受ける。
【0006】
以上のように被圧延材がロールから螺旋状に圧下を受けながら圧延が行われる、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延においては、被圧延材は、ロールバイト内で3個のロールとの接触を繰り返しつつ圧延され、一台の圧延機で、あたかも複数台の圧延機列を用いた多パス圧延と良く似た変形を受けることとなる。圧延機構にこのような特徴を有する遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延には、一台の圧延機で複数台の圧延機列を用いた圧延と同等の大きな加工量を確保できるという利点がある。
【0007】
一方で、上述したような機構で圧延が行われる遊星傾斜ロール型圧延機には、以下のような問題点もある。その問題点を、図を用いて説明する。
【0008】
図2には、圧延中の被圧延材の流線の説明図を示す。ここで、流線とは、ロールから圧下を受けた被圧延材中の任意の点の圧延中の進行経路と定義する。図2では、圧延前の任意の二点を例に、被圧延材を周方向に展開した図を用いて、圧延中の被圧延材の流線について説明する。
【0009】
図2より明らかなように、被圧延材とロールとの圧延方向でみた接触位置は、圧延前の材料位置によって異なる。例えば、図2において、圧延開始前のA0点は、螺旋状に進行した後、まずA1点でロールと接触する。その後、ロールに対して螺旋状に進行し、一度ロールから離脱した後に、再度A2点でロールと接触し、以後同様にA3点でロールと接触し、この図の場合はロールと三回接触する。圧延開始前のB0点についても、A0点と同様に螺旋状に進行しながら、ロールとの接触離脱を繰り返す。そして、その場合、例示した二つの流線とロールとの接触位置は、A1点とB1点、A2点とB2点、A3点とB3点、それぞれの点毎に異なる。この場合、図1(c)の遊星形傾斜ロール圧延機の概略図の側面図からわかるように、ロールの圧延部におけるロール隙は、圧延方向位置によって異なる。ここで、ロール隙は、図1(c)に一例を例示した、パスラインとロール表面との間の距離Rと定義する。
【0010】
このような特徴的な材料の進行形態でロールとの接触を繰り返し圧延が行われる結果として、圧延方向のロールの圧延部に含まれる位置において、圧延中の被圧延材の中心軸に垂直な断面での被圧延材の断面図は、図3に示すような「おむすび」状の略三角形形状となる。これは、上述した特徴的なロールとの接触形態により、図3の断面図の被圧延材の周方向各位置における外表面が最後に接触した位置でのロール隙が場所毎に異なることに起因する。略「三」角形となるのは、パスラインまわりに120°毎に、回転方向に対称配置された3個のロールを用いた圧延であるために、被圧延材の形状も、回転方向120°毎の対称形状となるためである。
【0011】
以上のような機構で圧延が行われるため、圧延部のみの加工では、最終製品の断面形状は、略三角形形状のままとなり、所定の円形断面形状とはならない。図1(a)に示したロールの矯正部は、この略三角形の断面形状を円形断面形状に修正するために用いられる。以下に矯正部における断面形状の修正機能について説明する。図1(c)の側面図からわかるように、前述の圧延部においては、圧延方向位置に応じてロール隙Rが変化するのに対して、矯正部においては圧延方向位置によらず、ロール隙Rはほぼ一定となる。ロール隙が圧延方向位置によらずほぼ一定となる場合、螺旋状の流線を有する被圧延材が、図2に示すように、被圧延材の場所によって圧延方向の異なる位置でロールと接触したとしても、前述した圧延部の場合とは異なり矯正部においては、被圧延材の各部位は、ほぼ一定のロール隙でロールと接触する。従って、被圧延材が回転方向の全周にわたって、矯正域でロールと接触した場合、理想的にはその外径は、全周でほぼ一定となる。
【0012】
以上に述べたように、遊星形傾斜ロール圧延機は、圧延部において必要加工量を確保し、圧延部で生じた断面形状不良を矯正部で修正し、必要加工量を確保しつつ所定の断面形状の被圧延材を得る圧延機である。
【0013】
しかしながら、実際の圧延においては、圧延部での形状不良が矯正部において十分に矯正されずに、圧延後の被圧延材の表面には、図4に示すような螺旋状の凹凸模様、いわゆるスパイラルマークが残存する場合が多々ある。このスパイラルマークは、遊星形傾斜ロール圧延機で圧延後の被圧延材の寸法精度不良を引き起こし、かつ被圧延材表面の外観を損なうものとなる。
【0014】
さらに、一般に遊星形傾斜ロール圧延機は、最終圧延工程として用いられることは少なく、当該圧延機を用いた圧延に引き続き、孔型圧延機等を用いた圧延が行われることが多々ある。この場合、遊星形傾斜ロール圧延機で生じたスパイラルマークが、後続する圧延機列での圧延における表面疵の原因となる場合があり、その改善が望まれている。
【0015】
このような問題に対して、遊星形傾斜ロール圧延機出側の至近距離にローラー型張力付加装置を設け、圧延中の被圧延材に圧延方向の張力を付加することにより、引張り張力によってスパイラルマークを修正する方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、付加する引張り張力は、被圧延材の降伏応力以内に限定されている。これは、付加した引張り張力による材料の寸法変動を回避するための措置と考えられるが、表面の局部的な凹凸をこの程度の張力で修正することは、現実的には困難である。
【0016】
一方で、オフセット角αとロール軸傾斜角βとの組み合わせで、幾何学的に複雑に配置されたロールの矯正部におけるロール隙を、より一定に近づけ、矯正域におけるスパイラルマークの修正能力を向上させる方法として、圧延方向断面でみた、ロール矯正部の外表面形状を凹断面形状とする方法がある(例えば、特許文献2参照)。理想的には、この方法は矯正域におけるロール隙を一定に近づけるためには有効と考えられる。しかしながら、実際の圧延においては、ロールは一度圧延機に組み込まれると、その後1000本以上の数多くの被圧延材の圧延に供される場合も多々ある。この場合、ロール表面には圧延本数の増大に伴う摩耗が生じるため、該特許文献2で示されているような微妙な凹断面形状は早期に摩滅し、その形状を保つことは実用上困難である。
【0017】
【非特許文献1】
日本塑性加工学会編「棒線・形・管圧延」コロナ社、1991年8月20日、第65頁
【特許文献1】
特公昭58−23801号公報(第1頁)
【特許文献2】
特公平2−38281号公報(第1頁)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に対し、スパイラルマークの発生を防止可能な遊星形傾斜ロール圧延方法を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スパイラルマークの発生形態やそれを防止するためのロール形状について詳細に検討を行った結果、完成された。
【0020】
本発明は、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた棒材の圧延において、次式に示す関係を満足する、略円錐形状ロールおよびその配置条件を用いて圧延することを特徴とする、遊星形傾斜ロール圧延方法である。
K=Dr/{α×(β−α2)}≧0.02
ここで、Dr:略円錐形ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比(Dr=Df,min/DM,out)、α:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのオフセット角(度)、α2:略円錐形ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす傾き角度(度)、β:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのロールシャフト傾斜角(度)とする。
【0021】
これにより、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた棒材の圧延において、後続する圧延機列での圧延での表面疵の発生原因となるスパイラルマークを、実用上問題ない程度に低減することが可能となった。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図を用いて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた丸棒鋼の熱間圧延実験を行い、実際にスパイラルマークを発生させて、その改善方法について詳細に調査した。
【0023】
まず、本発明者らは、直径100mmのSS400(JIS G 3101)炭素鋼の丸棒を、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が33.5°、圧延部の最小直径Df,minが180mmである略円錐形ロールを用いて、ロールのオフセット角αが9°、ロールのロールシャフト傾斜角βが55°となるように配置して、外径80mmまで圧延した。その結果、圧延終了後の被圧延材の表面には、深さ5mm程度のスパイラルマークが残存した。ここで、本明細書では、スパイラルマークの深さは、図4のdと定義する。この被圧延材を、さらに、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径45mmまで圧延した。その結果、孔型圧延後の被圧延材表面には、遊星形傾斜ロール圧延機で残存したスパイラルマークに沿うように、ヘゲ状の表面疵が発生した。
【0024】
次に、本発明者らは、スパイラルマークを改善するために、種々の圧延条件の変更を試みた。まず、本発明者らは、ロールのオフセット角αの変更を行った。ロールのオフセット角αに着目したのは、以下の理由による。
【0025】
従来の技術で前述したように、遊星形傾斜ロール圧延機では、オフセット角αが0よりも大きな値となるように、ロールを設置し圧延を行う。このとき、オフセット角αの値が大きくなるにつれて、ロールが被圧延材の周囲を一回公転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が大きくなる。本発明者らは、ロールが被圧延材の周囲を一回転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離とスパイラルマークとの間の関係について考察した。
【0026】
ロールが被圧延材の周囲を一回転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が変化した場合、ロールと接触した被圧延材表面の任意の接触点が、次回ロールと接触する位置も変化する。図5には、ロールが被圧延材の周囲を一回公転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が変わった場合の被圧延材表面の任意のロールとの接触点P0が次回ロールと接触する位置の変化の概略図を示す。
【0027】
図5より、ロールオフセット角αが大きい場合、即ち、ロールが被圧延材の周囲を一回公転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が大きい場合、被圧延材表面の任意のロールとの接触点P0のロールとの次回接触点P1は、ロールオフセット角αが小さい場合、即ち、ロールが被圧延材の周囲を一回転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が小さい場合の次回接触点P2と比較して、圧延方向のロールバイト出口側でP0から遠方で、ロールとの次回接触を行う。この場合、点P1および点P2を含むパスラインに垂直な断面C1、C2における被圧延材の断面形状に関して、以下のことがいえる。
【0028】
従来の技術で前述したように、断面C1−C1、C2−C2における被圧延材の断面形状は、略三角形の「おむすび」状の形状となる。この「おむすび」状の形状の被圧延材断面の半径分布に関して、以下のことがいえる。ここで、「半径」は、図6に示す被圧延材中心軸から材料表面までの距離rと定義する。
【0029】
図2で説明したように、遊星形傾斜ロール圧延機においては、圧延中の被圧延材は螺旋状の流線を有することから、断面C1−C1、C2−C2における被圧延材表面の周方向の各位置が、最後にロールと接触した点は、それぞれの点の位置に応じて異なった位置となる。これを、図5を用いて説明する。断面C1−C1の場合は、断面上の周方向の各位置は、概略、図5の断面C0−C0と断面C1−C1との間の範囲で、ロールと最後に接触する。断面C2−C2の場合は、断面上の周方向の各位置は、概略、図5の断面C0−C0と断面C2−C2との間の範囲で、ロールと最後に接触する。この場合の断面C1−C1および断面C2−C2、それぞれの断面における被圧延材の周方向の半径分布範囲について、図7を用いて説明する。
【0030】
図7には、圧延中の被圧延材とロールの被圧延材の中心軸を含む平面での断面図を示す。前述の図5を用いた説明より、断面C1−C1の場合は、被圧延材の断面上の半径は、概略、断面C0−C0と断面C1−C1との間のロール隙、r0とr1′との間で変化し、その半径分布範囲は、r0−r1′=Δr1となる。断面C2の場合は、被圧延材の断面上の半径は、概略、断面C0−C0と断面C2−C2との間のロール隙、r0とr2′との間で変化し、その半径分布範囲は、r0−r2′=Δr2となる。この場合、図7より明らかなように、Δr1>Δr2となる。以上のことから、オフセット角αが小さく、ロールが被圧延材の周囲を一回転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が小さな圧延条件の方が、被圧延材のパスラインに垂直な断面内における半径の分布範囲は小さくなる。半径の分布範囲が小さいということは、断面内における被圧延材半径の最大値と最小値との間の差が小さい、即ち、断面形状が真円に近いということであり、オフセット角αが小さい圧延条件の方が、オフセット角αが大きい圧延条件よりも、圧延途中の被圧延材のパスラインに垂直な断面の形状が略三角形の「おむすび」状になることを抑制しながら、真円に近い状態に保ちながら圧延できるということになる。
【0031】
さらに、本発明者らは、圧延中の被圧延材の略三角形の「おむすび」状の形状とスパイラルマークとの関係について、考察を行った。従来の技術で前述したように、遊星形傾斜ロール圧延機では、ロールの圧延部において、被圧延材に、断面が縮小するような加工を加える。その時点で、略三角形の「おむすび」状のパスラインに垂直な断面上の断面形状となった、被圧延材の形状をロールの矯正部において、所定の直径寸法の略真円形状のパスラインに垂直な断面上の断面形状に修正する。この場合、従来の技術に前述したように、ロールの矯正部においては、圧延方向の位置によらずロール隙は一定の値となるため、幾何学的には、矯正部においてロールと接触した被圧延材のパスラインに垂直な断面上の断面形状は、この一定のロール隙の半径を有する真円形状となる。
【0032】
しかしながら、圧延においては、圧下を受けた被圧延材内部には、ロールの圧下方向のみならず、ロールの圧下方向に垂直な方向の材料の流れ、いわゆる「幅広がり」の現象が生じることが知られている。遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で、この「幅広がり」が生じた場合、図8に示すように、その半径が、一度ロールとの接触位置におけるロール隙dに成形された被圧延材は、「幅広がり」の影響で、ロール表面に沿うような若干の「盛り上がり」を生じた後に、ロールから離脱する。その結果、ロールから離脱した時点での被圧延材の半径はロール隙dよりも若干大きな値となる。
【0033】
また、「幅広がり」の程度は、被圧延材がロールから受ける圧下量に応じて変化することも一般に知られている。遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延では、前述したようにロールの矯正部より前の圧延部における被圧延材のパスラインに垂直な断面上の断面形状は、略三角形の「おむすび」状であり、周方向の位置により被圧延材の半径が異なるため、ロール隙が一定のロールの矯正部において被圧延材がロールから受ける圧下量は、被圧延材の周方向の位置によって異なる。従って、圧延後の被圧延材の周方向の位置によって、被圧延材がロールの矯正部でロールから受けた圧下量は異なることとなり、前述の「幅広がり」の程度と圧下量との関係から、被圧延材の周方向の位置によって、「幅広がり」に伴う被圧延材表面の「盛り上がり」の程度が異なり、その結果、被圧延材には圧延後も周方向の半径分布がロールの矯正部で解消されずに残存することとなる。
【0034】
以上に説明したような機構で発生した被圧延材の周方向の半径分布が、前述した遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延の材料変形の特徴である螺旋状の材料の流線に沿って圧延方向に分布し、材料表面の螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークが形成される。以上のスパイラルマークの発生機構の考察に基づいて、本発明者らはスパイラルマークを低減するためには、オフセット角αを小さく設定し、ロールの圧延部における被圧延材のパスラインに垂直な断面上での断面形状が略三角形の「おむすび」状となることを極力抑制し、ロールの矯正部において、被圧延材がロールから受ける圧下量の被圧延材の周方向のばらつきを小さくすることが有効であるとの結論に至った。
【0035】
以上に述べたオフセット角αとスパイラルマークとの関係を調べるために、本発明者らは、直径100mmのSS400炭素鋼の丸棒を、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が33.5°、圧延部の最小直径Df,minが180mmである略円錐形ロールを用いて、ロールのロールシャフト傾斜角βが55°となるように配置して、7°および5°の二通りのロールのオフセット角αの条件で、外径80mmまで遊星形傾斜ロール圧延機を用いて圧延した。その結果、オフセット角αが7°の場合は、圧延終了後の被圧延材の表面には、深さ4mm程度のスパイラルマークが残存したのに対して、オフセット角αが5°の場合のスパイラルマークは深さが0.3mmにまで低減された。
【0036】
この二通りの被圧延材を、さらに、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径45mmまで圧延した。その結果、遊星形傾斜ロール圧延機でのオフセット角αが7°の場合、孔型圧延後の被圧延材表面には、遊星形傾斜ロール圧延機で残存したスパイラルマークに沿うように、ヘゲ状の表面疵が発生したが、遊星形傾斜ロール圧延機でのオフセット角αが5°の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面はヘゲ疵等が皆無の美麗な表面となった。以上の結果から、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で、スパイラルマークを低減するためには、ロールのオフセット角αを小さく設定することが有効であることが確認された。
【0037】
次に、本発明者らは、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2の変更を行った。ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2に着目したのは、以下の理由による。図9には、被圧延材の中心軸を含む平面上でのロールバイト内でのロールと被圧延材の断面図を示す。図9より、圧延方向の位置が同じだけ変化した場合の、ロール隙の変化は、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)に応じて直線的に変化する。厳密には、ロールのオフセット角αの影響で、ロール隙は必ずしも直線的には変化しないが、少なくとも途中で増減の向きが変わることなく、単調に変化する。
【0038】
図10には、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が異なる場合の、圧延方向の位置が同じだけ変化した場合の、ロール隙の変化量の説明図を示す。圧延方向の位置が同じ距離ΔLだけ変化した場合の、ロール隙の変化量Δrは、図10(a)のロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が大きい場合と比較して、図10b)のロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が小さい場合の方が小さくなる。このことは、被圧延材の任意の被圧延材の中心軸に垂直な一断面の外表面上の各点が、最後にロールと接触した圧延方向の位置でみた範囲が同じ場合、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が小さいほど、その断面における被圧延材半径の分布幅が小さくなる、即ち、半径の最大値と最小値との差が小さくなることを示している。従って、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が小さいほど、ロールのオフセット角αとスパイラルマークとの関係に関する考察で述べた、被圧延材の周方向の半径分布に起因する、ロールの圧延部における被圧延材のパスラインに垂直な面上における断面の略三角形の「おむすび」状の形状が抑制されることが推察される。
【0039】
この推察と上述のスパイラルマークの発生機構に関する考察に基づいて、本発明者らはスパイラルマークを低減するためには、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が小さくなるように、ロールシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2とを設定し、ロールの圧延部における被圧延材のパスラインに垂直な平面上での断面形状が略三角形の「おむすび」状となることを極力抑制し、ロールの矯正部において、被圧延材がロールから受ける圧下量の被圧延材の周方向のばらつきを小さくすることが有効であるとの結論に至った。
【0040】
以上に述べたロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)と、スパイラルマークとの関係を調べるために、本発明者らは、直径100mmのSS400炭素鋼の丸棒を、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が33.5°、圧延部の最小直径Df,minが180mmである略円錐形ロールを用いて、ロールのオフセット角が7°となるように配置して、55°および45°の二通りのロールシャフト傾斜角βの条件で、外径80mmまで遊星形傾斜ロール圧延機を用いて圧延した。その結果、ロールシャフト傾斜角βが55°の場合は、圧延終了後の被圧延材の表面には、深さ4mm程度のスパイラルマークが残存したのに対して、ロールシャフト傾斜角βが45°の場合のスパイラルマークは深さが0.2mmにまで低減された。
【0041】
この二通りの被圧延材を、さらに、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径45mmまで圧延した。その結果、遊星形傾斜ロール圧延機でのロールシャフト傾斜角βが55°の場合、孔型圧延後の被圧延材表面には、遊星形傾斜ロール圧延機で残存したスパイラルマークに沿うように、ヘゲ状の表面疵が発生したが、遊星形傾斜ロール圧延機でのロールシャフト傾斜角βが45°の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面はヘゲ疵等が皆無の美麗な表面となった。以上の結果から、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で、ロールのシャフト傾斜角βを小さく設定してロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)を小さくすることが、スパイラルマークの低減に対して有効であることが確認された。
【0042】
さらに、本発明者らは、直径100mmのSS400炭素鋼の丸棒を、圧延部の最小直径Df,minが180mmである略円錐形ロールを用いて、ロールのオフセット角が7°、のロールシャフト傾斜角βが50°となるように配置して、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が32.5°、35.5°の二通りの条件で、の外径80mmまで遊星形傾斜ロール圧延機を用いて圧延した。その結果、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が32.5°の場合は、圧延終了後の被圧延材の表面には、深さ3.5mm程度のスパイラルマークが残存したのに対して、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が35.5°の場合はスパイラルマークは深さが0.25mmにまで低減された。
【0043】
この二通りの被圧延材を、さらに、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径45mmまで圧延した。その結果、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が32.5°の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面には、遊星形傾斜ロール圧延機で残存したスパイラルマークに沿うように、ヘゲ状の表面疵が発生したが、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が35.5°の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面はヘゲ疵等が皆無の美麗な表面となった。
【0044】
以上の結果から、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2を大きく設定してロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)を小さくすることが、スパイラルマークの低減に対して有効であることが確認された。以上の結果より、スパイラルマークを低減するためには、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)を小さくすることが有効であることが確認された。
【0045】
次に、本発明者らは、ロール直径の変更を行った。ロール直径に着目したのは、以下の理由による。図11には、ロール直径によるロールと被圧延材との接触面形状の比較を被圧延材の中心軸に垂直な平面上の断面でも模式図として示す。図11より、被圧延材がロールから同じ量の圧下rを受けた場合であっても、ロール径によって、ロールと被圧延材との接触部の形状は異なり、図11(a)に示すように、ロール半径が小さい場合は、ロールが被圧延材表面に押し込まれたような凹み状の形状となるのに対して、ロール径が大きい方場合は、ロールと被圧延材との接触部はなだらかな形状となる。ロールの矯正部においてスパイラルマークを平滑な表面に修正する場合、圧延部でロールから圧下を受けた後の被圧延材の表面形状は、極力平滑であることが望ましいとの考えに基づき、本発明者らは、径の大きなロールを使用し、ロールの圧延部における被圧延材の中心軸に垂直な平面上での断面における被圧延材の断面形状が部分的に凹み状の形状となることを極力回避することが、スパイラルマーク低減のため有効であるとの結論に至った。
【0046】
なお、遊星形傾斜ロール圧延機に用いられるロールは、図1(a)に示したような複数の略円錐台形状を繋ぎ合わせた形状であり、その直径はロールの軸芯方向で変化するため、ここでは、ロール径の代表寸法としてロール圧延部の最小直径Df,minを用いることとした。さらに、図11の被圧延材とロールとの接触部分の形状は、ロール直径と被圧延材の直径との比によっても変化し、ロール直径が被圧延材の直径に対して大きくなるほど、当該接触部分の形状はなだらかになるため、ここでは、ロール直径を示す指標として、前述のロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr=Df,min/DM,outを用いることとした。
【0047】
以上に述べたロール直径と、スパイラルマークとの関係を調べるために、本発明者らは、直径100mmのSS400炭素鋼の丸棒を、圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角度α2が33.5°である略円錐形ロールを用いて、ロールのオフセット角が7°、ロールシャフト傾斜角50°となるように配置して、160mmおよび200mmの二通りの圧延部の最小直径Df,minの条件、すなわちDr=Df,min/DM,out=160/80=2.0およびDr=Df,min/DM,out=200/80=2.5の二通りの条件で、外径80mmまで遊星形傾斜ロール圧延機を用いて圧延した。その結果、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Drが2.0の場合は、圧延終了後の被圧延材の表面には、深さ3mm程度のスパイラルマークが残存したのに対して、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Drが2.5の場合のスパイラルマークは深さが0.25mmにまで低減された。
【0048】
この二通りの被圧延材を、さらに、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径45mmまで圧延した。その結果、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Drが2.0の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面には、遊星形傾斜ロール圧延機で残存したスパイラルマークに沿うように、ヘゲ状の表面疵が発生したが、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Drが2.5の場合は、孔型圧延後の被圧延材表面はヘゲ疵等が皆無の美麗な表面となった。
【0049】
以上の結果から、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr=Df,min/DM,outを大きくする、すなわちロール直径を大きくすることが、スパイラルマークの低減に対して有効であることが確認された。
【0050】
これらのことから、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延において、圧延後の非圧延材表面のら線上の凹凸、いわゆるスパイラルマークの発生を防止するためには、ロールのオフセット角αを小さく設定すること、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)を小さくすること、およびロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr(=Df,min/DM,out)を大きくする、すなわちロール直径を大きくすることが有効であることがわかった。
【0051】
以上の整理では、目的とするスパイラルマークの防止に対して、着目すべき指標が、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)、およびロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr(=Df,min/DM,out)の3個であり、これらは独立した指標である。実際の圧延条件の設定において、独立した3個の指標を、個々管理することは、煩雑であり実用的ではない。そこで、本発明者らは、これら3個の指標を用いた1つの指標で管理することを検討した。これら3個の指標を用いた指標としては、(1)式の指標を用いた。
K=Dr/{α×(β−α2)}・・・(1)
【0052】
指標を(1)式のような形としたのは、以下の理由による。上述までの検討で、スパイラルマークを防止するために管理すべき3個の指標については、ロールのオフセット角αおよびロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)については、その値を小さく、ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr(=Df,min/DM,out)については大きくすることがスパイラルマークを防止するためには有利であることが判明した。これら、スパイラルマーク防止に対する、それぞれの指標の特徴を考慮して、個々の指標に関して、スパイラルマーク防止に対して、小さな値とする方が有利な指標を分母に、大きな値とする方が有利な指標を分子に、積の形で配置することにより、その値が大きくなるとスパイラルマーク防止に有利であることを示す1つの指標とした。
【0053】
(1)式の指標を用いて、スパイラルマークを防止するための圧延条件を管理する場合、その管理基準値を明確にする必要がある。そこで、次に、本発明者らは、(1)式の指標を用いて、スパイラルマークを防止するための圧延条件を管理する場合の管理基準値について検討した。検討にあたり、本発明者らは、上述したスパイラルマーク防止に関する、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)、およびロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比Dr(=Df,min/DM,out)の3個の指標の検証に用いた実験について、各条件におけるスパイラルマークの高さおよび次工程の孔形圧延でのヘゲ疵の発生状況と(1)式で定義した指標との相関関係について調査した。調査結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1の結果から、本発明者らは、(1)式の指標K=Dr/{α×(β−α2)}の値を0.02以上の値とすれば、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で生じる、圧延後の被圧延材表面の螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークを実用上問題ない程度にまで低減できることを見いだした。
【0056】
次に、本発明者らは、上記までの検討は、炭素鋼を用いた検討に限定されていることから、被圧延材の鋼種が異なる場合も、同様の管理基準でスパイラルマークを防止することが可能であるか否かを確認するために、1150℃に加熱したSUS304ステンレス鋼を用いて、炭素鋼での実験と同様に、遊星形傾斜ロール圧延を行い、圧延後の被圧延材表面に生じたスパイラルマークの深さを確認した後、孔型圧延を行い、圧延後の被圧延材表面でのヘゲ疵の発生有無について確認した。実験条件と結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
表2の結果から、ステンレス鋼の場合も、(1)式の指標K=Dr/{α×(β−α2)}の値を0.02以上の値とすれば、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で生じる、圧延後の被圧延材表面の螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークを実用上問題ない程度にまで低減できることが明らかとなった。
【0059】
以上の本発明者らの検討の結果、(1)式の指標K=Dr/{α×(β−α2)}の値を0.02以上の値とすれば、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で生じる、圧延後の被圧延材表面の螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークを実用上問題ない程度にまで低減できることが明らかとなった。
【0060】
なお、(1)式の指標K=Dr/{α×(β−α2)}の上限値については、上述のスパイラルマークに関する考え方より、スパイラルマーク低減に関しては、(1)式の指標K=Dr/{α×(β−α2)}が大きいほど、スパイラルマークは低減されることとなり、特に上限値は存在しない。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
1250℃に加熱した直径150mmのS45C炭素鋼丸棒を、遊星形傾斜ロール圧延機を用いて、直径110mmの丸棒に圧延した後、各スタンドが一対の孔型ロールを有する6スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径55mmまで圧延した。遊星形傾斜ロール圧延機の圧延は、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角β、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2、およびロールの圧延部の最小直径Df,minの組み合わせを種々変更して行った。後続する孔型圧延は、条件を変更せず一条件で圧延を行った。遊星形傾斜ロール圧延後の被圧延材表面のスパイラルマーク深さと孔型圧延後の被圧延材表面のヘゲ疵発生有無を確認し、遊星形傾斜ロール圧延機の圧延条件の良否を判断した。圧延条件と圧延結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
本発明例の圧延方法を遊星形傾斜ロール圧延機での圧延に適用した場合、スパイラルマークの高さを実用上問題のない程度に低減することが可能であることがわかる。
【0064】
(実施例2)
1200℃に加熱した直径180mmのSUS304ステンレス鋼丸棒を、遊星形傾斜ロール圧延機を用いて、直径145mmの丸棒に圧延した後、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径82mmまで圧延した。遊星形傾斜ロール圧延機の圧延は、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角β、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2、およびロールの圧延部の最小直径Df,minの組み合わせを種々変更して行った。後続する孔型圧延は、条件を変更せず一条件で圧延を行った。遊星形傾斜ロール圧延後の被圧延材表面のスパイラルマーク深さと孔型圧延後の被圧延材表面のヘゲ疵発生有無を確認し、遊星形傾斜ロール圧延機の圧延条件の良否を判断した。圧延条件と圧延結果を表4に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
本発明例の圧延方法を遊星形傾斜ロール圧延機での圧延に適用した場合、スパイラルマークの高さを実用上問題のない程度に低減することが可能となることがわかる。
【0067】
(実施例3)
1100℃に加熱した直径350mmのSUS430ステンレス鋼丸棒を、遊星形傾斜ロール圧延機を用いて、直径175mmの丸棒に圧延した後、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径100mmまで圧延した。遊星形傾斜ロール圧延機の圧延は、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角β、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2、およびロールの圧延部の最小直径Df,minの組み合わせを種々変更して行った。後続する孔型圧延は、条件を変更せず一条件で圧延を行った。遊星形傾斜ロール圧延後の被圧延材表面のスパイラルマーク深さと孔型圧延後の被圧延材表面のヘゲ疵発生有無を確認し、遊星形傾斜ロール圧延機の圧延条件の良否を判断した。圧延条件と圧延結果を表5に示す。
【0068】
【表5】
【0069】
本発明例の圧延方法を遊星形傾斜ロール圧延機での圧延に適用した場合、スパイラルマークの高さを実用上問題のない程度に低減することが可能となることがわかる。
【0070】
(実施例4)
1100℃に加熱した直径180mmのSUS430ステンレス鋼丸棒を、遊星形傾斜ロール圧延機を用いて、直径120mmの丸棒に圧延した後、各スタンドが一対の孔型ロールを有する5スタンドの2−Hi孔型圧延機列を用いて、外径68。0mmまで圧延した。遊星形傾斜ロール圧延機の圧延は、ロールのオフセット角α、ロールのシャフト傾斜角β、ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2、およびロールの圧延部の最小直径Df,minの組み合わせを種々変更して行った。後続する孔型圧延は、条件を変更せず一条件で圧延を行った。遊星形傾斜ロール圧延後の被圧延材表面のスパイラルマーク深さと孔型圧延後の被圧延材表面のヘゲ疵発生有無を確認し、遊星形傾斜ロール圧延機の圧延条件の良否を判断した。圧延条件と圧延結果を表6に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
本発明例の圧延方法を遊星形傾斜ロール圧延機での圧延に適用した場合、スパイラルマークの高さを実用上問題のない程度に低減することが可能となることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延で発生する、被圧延材表面の螺旋状の凹凸、いわゆるスパイラルマークを実用上問題ない程度にまで低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、遊星形傾斜ロール圧延機を説明する図で、(a)は、遊星形傾斜ロール圧延機に用いられるロールの側面図、(b)は、被圧延材の中心軸に垂直な平面への投影図として示した正面図、(c)は、被圧延材の中心軸を含む平面内での断面図として示した側面図として図示した遊星形傾斜ロール圧延機の概略図である。
【図2】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、圧延中の材料の流線について説明する図で、圧延前の任意の二点を例に、被圧延材を周方向に展開した図を用いて、圧延中の被圧延材の流線について説明した図である。
【図3】圧延方向のロールの圧延部に含まれる位置にける、圧延中の被圧延材の中心軸に垂直な断面での被圧延材の断面形状の一例を示した図である。
【図4】本発明が、防止することを目的とする、遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における問題点である圧延後の被圧延材表面のスパイラルマークを説明する図である。
【図5】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延において、ロールが被圧延材の周囲を一回公転する間の被圧延材の圧延方向の前進距離が変わった場合に、被圧延材表面の任意のロールとの接触点P0が次回ロールと接触する位置の変化を示す概略図である。
【図6】本発明における、被圧延材の「半径」の定義を説明する図である。
【図7】傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、圧延中の被圧延材とロールの被圧延材の中心軸を含む平面での断面図を示した図である。
【図8】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、被圧延材の「幅広がり」の影響によるロール表面に沿うような若干の「盛り上がり」を説明する図であり、(a)は「幅広がり」が生じない場合について説明した図であり、(b)は「幅広がり」が生じた場合について説明した図である。
【図9】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)による、圧延方向の位置が同じだけ変化した場合の、ロール隙の変化を、被圧延材の中心軸を含む平面上でのロールバイト内でのロールと被圧延材の断面図上で説明した図である。
【図10】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、ロールのシャフト傾斜角βとロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角α2との差(β−α2)が異なる場合に、圧延方向の位置が同じだけ変化した場合の、ロール隙の変化量の差異を説明する図である。
【図11】遊星形傾斜ロール圧延機を用いた圧延における、ロール直径によるロールと被圧延材との接触面形状の比較を、被圧延材の中心軸に垂直な平面上の断面でも模式図として示した図である。
【符号の説明】
1.ロール
2.被圧延材
3.ロールの軸芯線
4.ロールと被圧延材との接触部分
5.圧延中の被圧延材内の材料の流線
α:ロールのオフセット角
β:ロールのシャフト傾斜角
α2:ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす角
R:ロール隙
c:被圧延材の中心軸
d:スパイラルマークの深さ
r:被圧延材の半径
A0、A1、A2、A3:被圧延材内の材料の流線を説明する図中の流線上の点
B0、B1、B2、B3:被圧延材内の材料の流線を説明する図中の流線上の点
P0、P1、P2:被圧延材表面のロールとの接触部分上の点
C0、C1、C2:被圧延材の中心軸に垂直な平面上の断面の識別符号
d1、d2:幅広がりによるロールから圧下を受けた後の、被圧延材の中心軸に垂直な平面上での断面形状の説明図における、被圧延材の半径
r0:被圧延材の中心軸に垂直な平面上での断面C0−C0におけるロール隙
r1′:被圧延材の中心軸に垂直な平面上での断面C1−C1におけるロール隙
r2′:被圧延材の中心軸に垂直な平面上での断面C2−C2におけるロール隙
Δr1:ロール隙r0とr1′との差
Δr2:ロール隙r0とr2′との差
ΔL:圧延方向の任意の距離
Δr:圧延方向の距離ΔLに対するロール隙の変化量
rd:ロールによる被圧延材の半径圧下量
Claims (1)
- 遊星形傾斜ロール圧延機を用いて圧延するに際し、略円錐形状ロールおよびその略円錐形状ロールと被圧延材の位置関係を設定し、次式を満足するように圧延することを特徴とする、遊星形傾斜ロール圧延方法。
Dr/{α×(β−α2)}≧0.02
ここで、Dr:略円錐形ロールの圧延部の最小直径Df,minと圧延後の被圧延材の外径DM,outとの比(Dr=Df,min/DM,out)、α:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのオフセット角(度)、α2:略円錐形ロールの圧延部の稜線とロール軸芯線とのなす傾き角度(度)、β:遊星形傾斜ロール圧延機に配置されたロールのロールシャフト傾斜角(度)とする。
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