JP4067111B2 - His−Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を用いた固定化酵素チップによるL−フェニルアラニンの定量方法 - Google Patents
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Description
本発明は、生体試料中に含まれるL-フェニルアラニンを、煩雑な前処理や多量の試薬を必要とせずに簡便かつ微量で定量可能な測定方法に関する。特に、先天性代謝異常症であるフェニルケトン尿症の疾患において、早期発見のための新生児マススクリーニング、あるいは当該患者の定期診断について利用可能な検査方法である。
先天性代謝異常症の早期発見を目的とする新生児マススクリーニングの世界的な普及は、フェニルケトン尿症(Phenylketonuria; PKU)の治療法の発見と、乾燥ろ紙血液中のL-フェニルアラニン(L-Phe)の半定量法が開発されたことに始まる。先天性代謝異常症がマススクリーニングの対象疾患となった最大の理由は、早期発見により患児に正常な発達が期待されるなどの医学的なメリットと、その経済的効率が有効であることが明らかにされたためである。発見が遅れて障害児となり、収容施設を整備し、患児のケアのために高額な医療費を支払う場合と、早期に発見し治療することにより健全な成人として生育した場合とを比較すると、後者の方が極めて経済効率が高く患児の生活の質も向上する。そのため、各国では先天性代謝異常症による精神遅滞や発達障害の予防が、公衆衛生領域の課題と認識され、国家レベルや行政的支持のもと新生児マススクリーニングが展開されている。
先天性代謝異常症を代表するPKUとは、必須アミノ酸であるL-Pheをチロシンに転換するL-Phe水酸化酵素の先天的な遺伝子の欠損もしくは、その活性の低下が原因で生じる疾患であり、体内においてL-Pheの異常な蓄積が確認され、尿中においてはL-Pheのほか多量のフェニルピルビン酸が排泄される。臨床症状としては、精神薄弱などの知能障害、神経障害、メラニン色素欠乏症などが認められる。本症の治療には、L-Pheの摂取量を制限した食事療法を必要とし、少なくとも成人期まで、好ましくは一生涯にわたり、治療を継続しなければならない。なお、L-Pheは人体にとって必須アミノ酸の一つであることから、摂取量は、脳障害等を引き起こさないとされる最大量と、身体発育に必要な最小量の範囲内において医師の指導のもと厳密に維持されなければならない。また、母性PKUは、PKUの女性が妊娠すると母体の血液中のL-Phe量が高くなるため、胎児に発育障害、知能障害、小頭症、心奇形などを発生させる。しかし、妊娠前から血液中L-Phe濃度をコントロールすることで予防が可能となる。
ここで、診断のためのスクリーニング検査方法は、新生児の足かかとを穿刺し採血ろ紙へ染み込ませた乾燥ろ紙血液を検体として、枯草菌と代謝拮抗阻害剤を用いた細菌成長阻止法(bacterial inhibition assay; BIA)がGuthrieら(Pediatrics, Vol. 32, p. 338 (1963)、非特許文献1)により開発され、スクリーニングが開始された。現在のマルチプルスクリーニングのシステムは、BIA法あるいは大腸菌とファージを用いたPaigen法(Journal of Lab. Clin. Med., Vol. 99, p. 895 (1982)、非特許文献2)により、1960年代に基礎が確立されたものである。これらの検査方法は、乾燥ろ紙血液を検体として、パンチャーにより打ち抜いた血液ディスクを寒天培地上に並べ一晩培養した後、細菌生育円の大きさを判定する非常に簡便な方法であり、高価な機器を必要とせずに試薬コストにも優れ、大量検体の多項目検査処理が可能な方法である。しかし、最終的な検査結果は目視による判定のため、判定結果の客観性や記録化が困難である。
その改善としてカメラによる画像化(日本マス・スクリーニング学会誌、Vol. 6, p. 23 (1996)、非特許文献3)が挙げられ、定量化と記録化を試みているが、変動の大きい細菌の生育の定量化は困難を極め、さらに簡便性も損なわれている。一方、高速液体クロマトグラフィ(Journal of Chromatography, Vol. 274, p. 318 (1983)、非特許文献4、日本マス・スクリーニング学会誌、Vol. 5, p. 86 (1995)、非特許文献5)や自動分析装置(Clinical Chemistry, Vol. 30, p. 287 (1984)、非特許文献6)の応用もあるが、対象疾患がアミノ酸代謝異常症のみであることや、高額な測定装置を用いること、簡便性、迅速性についても疑問がある。
そのような中、最近、酵素法(Screening, Vol. 1, p. 63 (1992)、非特許文献7、医学と薬学、Vol. 31, p. 1237 (1994)、非特許文献8)あるいはマイクロプレート蛍光法(Clinical Chemistry, Vol. 35, p. 1962 (1989)、非特許文献9)と呼ばれる酵素反応とそれに続く蛍光反応をマイクロプレートで行い、蛍光強度から検体中のL-Pheを定量するキットが開発された(医学と薬学、Vol. 37, p. 1211 (1997)、非特許文献10)。当キットは検体処理能力の高さに加え、従来の方法では困難であった検査結果の客観的判定である定量化や、記録化が実現されている。さらに3時間程度で検査結果を得ることが可能であり、迅速性も大幅に向上している。以上、新生児マススクリーニングにおける大量検体処理方法については確立されつつある。
ところが、上記酵素法で用いるキットでは、酵素反応に用いるフェニルアラニン脱水素酵素を含む溶液を、所定量、他の試薬とともにマイクロプレートの各ウェルに分取する必要があった。マイクロプレートを用いることで、検査効率は向上しているが、上記分取作業は依然として、人でのかかるものであった。
そこで本発明は、マイクロプレートの各ウェルにフェニルアラニン脱水素酵素を含む溶液を分取することなしに酵素法を実施できる手段を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明の目的は、フェニルアラニン脱水素酵素をマイクロプレートの各ウェルに固定化した、固定化チップを提供するとともに、このチップを用いたフェニルアラニンの分析方法を提供することにある。
さらに本発明は、固定化に適したフェニルアラニン脱水素酵素を提供することも目的とする。
さらに本発明は、固定化に適したフェニルアラニン脱水素酵素を提供することも目的とする。
上記目的を達成する本発明は以下のとおりである。
[1]基板表面に複数のウェルを有し、これらのウェル中に、6〜9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素をNi-キレートを介して固定化したL-フェニルアラニン分析用固定化酵素チップ。
[2]前記フェニルアラニン脱水素酵素が6個または9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したものである[1]に記載の固定化酵素チップ。
[3][1]〜[2]のいずれか1項に記載の固定化酵素チップのウェル中で、被検試料をレサズリン、ジアホラーゼ、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を含む反応液とともにインキュベーョンし、反応液の発色を検出することを含む、被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの分析方法。
[4]反応液の発色の検出を、DNAマイクロアレイスキャナを用いて行う[3]に記載の方法。
[5]被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの定量を行う[3]または[4]に記載の方法。
[6]被検試料が血液試料であり、フェニルケトン尿症の検査に用いられる[3]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[1]基板表面に複数のウェルを有し、これらのウェル中に、6〜9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素をNi-キレートを介して固定化したL-フェニルアラニン分析用固定化酵素チップ。
[2]前記フェニルアラニン脱水素酵素が6個または9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したものである[1]に記載の固定化酵素チップ。
[3][1]〜[2]のいずれか1項に記載の固定化酵素チップのウェル中で、被検試料をレサズリン、ジアホラーゼ、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を含む反応液とともにインキュベーョンし、反応液の発色を検出することを含む、被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの分析方法。
[4]反応液の発色の検出を、DNAマイクロアレイスキャナを用いて行う[3]に記載の方法。
[5]被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの定量を行う[3]または[4]に記載の方法。
[6]被検試料が血液試料であり、フェニルケトン尿症の検査に用いられる[3]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
本発明によれば、生体試料中に含まれるL-フェニルアラニンを、煩雑な前処理や多量の試薬を必要とせずに簡便かつ微量で定量可能な測定方法に使用するフェニルアラニン脱水素酵素及びそれを固定化した固定化酵素チップを提供できる。さらに、本発明によれば、生体試料中に含まれるL-フェニルアラニンを、煩雑な前処理や多量の試薬を必要とせずに簡便かつ微量で定量可能な分析方法を提供できる。これらの酵素、キット及び分析方法は、先天性代謝異常症であるフェニルケトン尿症の疾患において、早期発見のための新生児マススクリーニング、あるいは当該患者の定期診断において極めて有用である。
発明を実施するための最良の形態
発明を実施するための最良の形態
[His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素]
本発明は、3〜12個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素及び3〜12個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをC末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素に関する。以下、ヒスチジンからなるオリゴペプチドを融合したフェニルアラニン脱水素酵素をHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素と言うことがある。
本発明のHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素は、ヒスチジンからなるオリゴペプチド(His-Tag)をフェニルアラニン脱水素酵素の、N末端またはC末端に融合した酵素である。
本発明は、3〜12個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素及び3〜12個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをC末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素に関する。以下、ヒスチジンからなるオリゴペプチドを融合したフェニルアラニン脱水素酵素をHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素と言うことがある。
本発明のHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素は、ヒスチジンからなるオリゴペプチド(His-Tag)をフェニルアラニン脱水素酵素の、N末端またはC末端に融合した酵素である。
本発明におけるフェニルアラニン脱水素酵素(EC. 1.4.1.20)は、L-フェニルアラニンのアミノ基に対して、特異的に酸化的脱アミノ化する酵素であり、種々の生物起源の酵素が知られている。同様の反応を触媒する酵素であれば、特にフェニルアラニン脱水素酵素の名称に限定しない。また、本酵素は、補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型;NAD+)を要求する。本酵素による酸化反応は可逆的であり、中性付近から弱アルカリ性のpH領域においてアンモニウムイオンおよびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(還元型;NADH)の存在下で還元的アミノ化反応を触媒する。
ヒスチジンからなるオリゴペプチド(His-Tag)は、フェニルアラニン脱水素酵素を、金属キレートを介して基板表面に固定化する際に用いられる。His-Tagにおけるヒスチジンの数は、金属キレートとの親和性や固定化後の酵素活性を考慮して適宜決定でき、本発明では、これらの点を考慮して、3〜12個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをHis-Tagとして用いる。但し、His-Tagのヒスチジン数により、金属キレートとの親和性や固定化後の酵素活性は変化するので、使用する金属キレートの種類や酵素反応系に応じて、適宜変化させることができる。
また、ヒスチジンからなるオリゴペプチド(His-Tag)は、フェニルアラニン脱水素酵素のN末端またはC末端に融合させる。His-Tagをいずれの末端に融合させるかよって、金属キレートとの親和性や固定化後の酵素の活性が変化する。従って、いずれの末端にHis-Tagを融合させたフェニルアラニン脱水素酵素を用いるかは、使用する金属キレートの種類や酵素反応系に応じて、適宜変化させることができる。
[固定化酵素チップ]
本発明の固定化酵素チップは、基板表面に複数のウェルを有し、これらのウェル中に、上記本発明のHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を固定化したものである。His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を固定化するために用いられる複数のウェルを有する基板には、特に限定は無いが、例えば、後述する実施例で説明するポリジメチルシロキサン製マイクロウェルアレイシートを挙げることができる。但し、ポリジメチルシロキサン以外の材料で作製したものでもよく、例えば、特殊インク(無蛍光性やフッ素樹脂インクなど)を用いた印刷タイプのマイクロウェルアレイシートでも良い。
本発明の固定化酵素チップは、基板表面に複数のウェルを有し、これらのウェル中に、上記本発明のHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を固定化したものである。His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を固定化するために用いられる複数のウェルを有する基板には、特に限定は無いが、例えば、後述する実施例で説明するポリジメチルシロキサン製マイクロウェルアレイシートを挙げることができる。但し、ポリジメチルシロキサン以外の材料で作製したものでもよく、例えば、特殊インク(無蛍光性やフッ素樹脂インクなど)を用いた印刷タイプのマイクロウェルアレイシートでも良い。
マイクロウェルアレイシートにおけるマイクロウェルの形状及び寸法、さらに、マイクロウェルの配列や個数には特に制限はない。例えば、予め特殊インクをスライドグラス表面上へ直接的に印刷し、そこに形成されたマイクロウェル中に酵素を固定化するタイプのマイクロウェルアレイシートや、ポリジメチルシロキサン製マイクロウェルアレイシートを酵素固定化後のスライドグラス表面上に被覆するタイプのものなどがある。
本発明の固定化酵素チップは、例えば、L-フェニルアラニンの分析に用いられる。L-フェニルアラニンの分析としては、ろ紙血液中のL-フェニルアラニンの定量が挙げられる。それ以外に、食品成分分析(L-フェニルアラニン)などにおけるL-フェニルアラニンの分析に対しても応用できる。
固定化されるHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素は、使用する金属キレートの種類や酵素反応系に応じて、適宜決定できる。His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素がNi-キレートを介してウェル中に固定化される場合には、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素は、6〜9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素であることが、固定化酵素チップをL-フェニルアラニン分析用とする場合、特に好ましい。
本発明の固定化酵素チップは、複数のウェルを有する基板の各ウェルの底に、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を固定化するための金属キレート、例えば、Ni-キレートを塗布しておき、その上にHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素含有溶液を滴下する、あるいは、基板全体をHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素含有溶液に浸漬することで作製することができる。
本発明の固定化酵素チップにおける、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の固定化量は、予めスライドグラス上に固定化した酵素を500 mMイミダゾールおよび0.5 M NaClを含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0にて解離させ、回収した解離液中の活性およびタンパク質量を求めて単位面積あたりの活性(U/cm2)または比活性(U/mg/cm2)にて表すことができる。なお、固定化される酵素量は、スライドグラス表面のアミノ基の密度あるいはN-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノジ酢酸(AB-NTA)の結合容量によっても影響される。
本発明の固定化酵素チップにおける、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の固定化量は、活性(U/cm2)または比活性(U/mg/cm2)で表して、例えば、0.01 U/mg/cm2〜1000 U/mg/cm2の範囲とすることが、固定化酵素チップ調製時において、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素および固定化用スライドグラスの調製にかかるコストを削減できるとともに、定量精度を維持するという観点から好ましい。
本発明の固定化酵素チップにおける、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の固定化量は、活性(U/cm2)または比活性(U/mg/cm2)で表して、例えば、0.01 U/mg/cm2〜1000 U/mg/cm2の範囲とすることが、固定化酵素チップ調製時において、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素および固定化用スライドグラスの調製にかかるコストを削減できるとともに、定量精度を維持するという観点から好ましい。
[L-フェニルアラニンの分析方法]
本発明は、上記本発明の固定化酵素チップのウェル中で、被検試料をレサズリン、ジアホラーゼ、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を含む反応液とともにインキュベーョンし、反応液の発色を検出することで、被検試料に含まれるL-フェニルアラニンを分析する方法を包含する。この酵素反応自体は、先に説明した酵素法として知られた方法である。本発明では、フェニルアラニン脱水素酵素として、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を用いる以外、L-フェニルアラニンの分析方法において、酵素法として知られている通常の方法の条件をそのまま用いることができる。
本発明は、上記本発明の固定化酵素チップのウェル中で、被検試料をレサズリン、ジアホラーゼ、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を含む反応液とともにインキュベーョンし、反応液の発色を検出することで、被検試料に含まれるL-フェニルアラニンを分析する方法を包含する。この酵素反応自体は、先に説明した酵素法として知られた方法である。本発明では、フェニルアラニン脱水素酵素として、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素を用いる以外、L-フェニルアラニンの分析方法において、酵素法として知られている通常の方法の条件をそのまま用いることができる。
通常の酵素法では、ろ紙血液からのL-フェニルアラニンの抽出において溶出液(0.1 M グリシン・KCl・KOH緩衝液、pH 9.6)が用いられる。しかし、本発明では、溶出液の代わりに40μM レサズリンを含む50 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.9を用いてL-フェニルアラニンの抽出を行うことが、煩雑な分注操作を減らすことによる定量精度の向上、汚染防止、抽出工程の短縮化、および使用される試薬コストの軽減等が図られるという観点から好ましい。但し、通常の酵素法で用いられる溶出液でL-フェニルアラニンを抽出し、40μM レサズリンを含む50 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.9を酵素反応用緩衝液として用いる事もできる。
より具体的には、L-フェニルアラニンを含み得る血液試料を、第1の酵素(His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素タンパク質)を固定化したマイクロウェルアレイチップのウェル中で、補酵素還元体(NADH)と第2の酵素(ジアホラーゼ)の基質酸化体(レサズリン)より基質還元体(レゾルフィン)と補酵素酸化体(NAD+)を生成する第2の酵素(ジアホラーゼ)、及び第2の酵素(ジアホラーゼ)の基質酸化体(レサズリン)を含む反応系においてインキュベーションして、第2の酵素の基質還元体(レゾルフィン)を生成させ、生成した基質還元体(レゾルフィン)の蛍光発光を検出する。この検出は、光学的検出法を用いて行うことができ、例えば、DNAマイクロアレイスキャナを用いて行うことができる。蛍光の発光強度とL-フェニルアラニンとの検量線を予め作成しておけば、L-フェニルアラニンの定量も可能であり、本発明の方法は、通常は、L-フェニルアラニンの定量に用いられる。
このように、被検試料が血液試料である場合、血液試料中のL-フェニルアラニンを定量することで、その結果は、フェニルケトン尿症の診断に用いることができる。
1.フェニルアラニン脱水素酵素活性の測定方法
フェニルアラニン脱水素酵素活性は、浅野らの方法(Eur J Biochem. 168(1):153-9 (1987))に従ってダブルビーム分光光度計(モデルU-3210、日立(株)社製)を用い、光路長1 cmのPMMA製キュベット(BRAND社製)で測定した。反応液の組成は、以下の通りとした。1 M グリシン-KCl-KOH緩衝液、pH 10.4を0.1 ml、25 mM NAD+(オリエンタル酵母(株)社製)溶液を0.1 ml、0.1 M L-フェニルアラニン(日本理化学薬品(株)社製)水溶液を0.1 mlおよび適量の酵素溶液を加えて総量1.0 mlとした。補酵素NAD+の分子吸光係数(ε)は、6,220 L・mole-1・cm-1とした。本酵素活性1単位(U)は、1分間に1μmoleのNADHを生成する酵素量とした。比活性(U/mg)は、タンパク質1 mgあたりの酵素活性(U)とした。
フェニルアラニン脱水素酵素活性は、浅野らの方法(Eur J Biochem. 168(1):153-9 (1987))に従ってダブルビーム分光光度計(モデルU-3210、日立(株)社製)を用い、光路長1 cmのPMMA製キュベット(BRAND社製)で測定した。反応液の組成は、以下の通りとした。1 M グリシン-KCl-KOH緩衝液、pH 10.4を0.1 ml、25 mM NAD+(オリエンタル酵母(株)社製)溶液を0.1 ml、0.1 M L-フェニルアラニン(日本理化学薬品(株)社製)水溶液を0.1 mlおよび適量の酵素溶液を加えて総量1.0 mlとした。補酵素NAD+の分子吸光係数(ε)は、6,220 L・mole-1・cm-1とした。本酵素活性1単位(U)は、1分間に1μmoleのNADHを生成する酵素量とした。比活性(U/mg)は、タンパク質1 mgあたりの酵素活性(U)とした。
また、簡易酵素活性測定法として、上記反応液組成で総量200μlとし、96穴UVプレート(グライナー社製)を用い、蛍光・吸光・発光マイクロプレートリーダー(ジェニオス、テカン・ジャパン社製)装置により340 nmにおける吸光値の増加から酵素活性を求めた。
タンパク質濃度の定量は、バイオ・ラッド社製のプロテインアッセイ・キット用いて行った。標準タンパク質として牛血清アルブミンを用いた。
2.N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素プラスミドの構築
PCR反応によるN末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片の調製を以下の通り行った。Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素遺伝子(pdh;Asano Y. et al., Eur J Biochem. 168(1). 153-9.(1987), Yamada A. et al., Biosci Biotechnol Biochem. 59(10). 1994-5.(1995))を組込んだプラスミドDNA(pBBPDH1)を鋳型DNAとして用いた。His-Tag配列(3個、6個、9個、12個)をそれぞれ含む合成オリゴヌクレオチド(センスプライマー;fBBn3h:5'-gctcatatgcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、 fBBn6h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、 fBBn9h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、fBBn12h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'およびアンチセンスプライマーrBBnh2, 5'- taatctcgaggattagttgcgaatatccca-3':北海道システムサイエンス社製)をそれぞれ作製した。前記鋳型DNAと合成オリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。PCRの反応液組成は以下の通りとした。10 ngの鋳型DNA(pBBPDH1)、100 pmol/μlの前記合成オリゴヌクレオチドを各1μl、10x Ex-Taq buffer(宝酒造(株)社製)を5μl、2.5 mM dNTP mixture(宝酒造(株)社製)を5μl、およびTakara Ex-Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造(株)社製)0.5μlを加えて全量を50μlとした。PCRの反応条件は、94℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分の反応サイクルを30回繰り返した。PCRの反応は、PTC-200(MJリサーチ・ジャパン(株)社製)を用いて行った。
PCR反応によるN末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片の調製を以下の通り行った。Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素遺伝子(pdh;Asano Y. et al., Eur J Biochem. 168(1). 153-9.(1987), Yamada A. et al., Biosci Biotechnol Biochem. 59(10). 1994-5.(1995))を組込んだプラスミドDNA(pBBPDH1)を鋳型DNAとして用いた。His-Tag配列(3個、6個、9個、12個)をそれぞれ含む合成オリゴヌクレオチド(センスプライマー;fBBn3h:5'-gctcatatgcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、 fBBn6h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、 fBBn9h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'、fBBn12h:5'-gctcatatgcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatcatgcgatgagcttagtagaaaaaaca-3'およびアンチセンスプライマーrBBnh2, 5'- taatctcgaggattagttgcgaatatccca-3':北海道システムサイエンス社製)をそれぞれ作製した。前記鋳型DNAと合成オリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。PCRの反応液組成は以下の通りとした。10 ngの鋳型DNA(pBBPDH1)、100 pmol/μlの前記合成オリゴヌクレオチドを各1μl、10x Ex-Taq buffer(宝酒造(株)社製)を5μl、2.5 mM dNTP mixture(宝酒造(株)社製)を5μl、およびTakara Ex-Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造(株)社製)0.5μlを加えて全量を50μlとした。PCRの反応条件は、94℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分の反応サイクルを30回繰り返した。PCRの反応は、PTC-200(MJリサーチ・ジャパン(株)社製)を用いて行った。
前記PCR反応液を1.5%アガロースゲルにて泳動し、得られた目的増幅産物(約1.2 kb)を切り出し、ゲル抽出キット(Gel-MTM Gel Extraction System、VIOGENE社製)にて目的増幅産物の抽出・精製を行った。前記抽出液29μl、10x H buffer(宝酒造(株)社製)3.5μl、NdeI(NewEngland BioLabs社製)0.8μl、XhoI(MBI Fermentas社製)0.8μlを加えて全量を35μlとし、37℃で3時間反応させて両端の制限酵素処理を行った。得られたそれぞれの制限酵素処理断片をN末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素インサートとして用いた。
N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片挿入用ベクタープラスミドの調製を以下の通り行った。前記融合タンパク質の発現には、T7プロモーターを有するpRSET-BベクターDNA(インビトロジェン社製)を用いた。10μgのpRSET-BベクターDNA、10x H buffer(宝酒造(株)社製)を2μl、NdeI(NewEngland BioLabs社製)を1μl、XhoI(MBI Fermentas社製)を1μlおよび滅菌水を加えて全量を20μlとして37℃で3時間反応させ、制限酵素処理を行った。
前記制限酵素処理済みベクターの脱リン酸化処理を以下の通り行った。制限酵素処理済みベクターDNA 20μl、10x SAP buffer(ベーリンガーマンハイム社製)5μl、シュリンプ由来アルカリフォスファターゼ(ベーリンガーマンハイム社製)2μlおよび滅菌水を加えて全量を50μlとし、37℃で1時間反応させ、さらに1μlのアルカリフォスファターゼを加えて50℃にて30分間反応させた。その後、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿処理を行い、ベクターDNAの精製を行った。インサートをpRSET-BベクターDNAのT7プロモーター下流に連結した。
連結反応は、以下の通り行った。脱リン酸化処理ベクターDNA 1μl、インサートDNA 5μl、T4 DNAリガーゼ(New England BioLabs社製)1μl、10x Reaction buffer 2μlおよび滅菌水11μlを加えて全量20μlとし、16℃で一晩反応させてN末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素発現用プラスミドを構築した。前記で構築された発現用プラスミドを大腸菌(E. coli JM109(ノバジェン社製))にヒートショック法によって形質転換した。形質転換体を50μg/mlのアンピシリン(ナカライテスク(株)社製)を含むLuria-Bertani寒天培地(1%Bactoトリプトン(Difco社製)、0.5%Bacto酵母(Difco社製)、1%NaCl(純正化学(株)社製)および1.5%寒天(ナカライテスク(株)社製)、pH 7.5)に塗布し、37℃で10時間培養して得られたコロニーをLB培地にて37℃で10時間培養し、フェニルアラニン脱水素酵素活性を示し、抽出したプラスミドに目的のインサートDNAを含むコロニーを選抜した。前記で得られたそれぞれの形質転換体(E. coli JM109/pBBPDHNH3, pBBPDHNH6, pBBPDHNH9, pBBPDHNH12)から抽出したそれぞれのプラスミドを、発現用宿主大腸菌(E. coli BL21(DE3)、インビトロジェン社製)に形質転換した。以下にその手順を記述する。
形質転換体(E. coli JM109/pBBPDHNH3, pBBPDHNH6, pBBPDHNH9, pBBPDHNH12)を50μg/mlのアンピシリンを含む3 mlのLB試験管培地で37℃、12時間培養し、プラスミドをアルカリ・ミニ・プレップ法にてそれぞれ抽出し、100μlのTE bufferに溶解した。前記抽出プラスミド溶液に対し、5 mg/mlのリボヌクレアーゼ(シグマ・アルドリッチ社製)溶液5μlを添加し、37℃にて3時間反応させた。フェノール・クロロホルム抽出を行い、エタノール沈殿させたプラスミドDNAを100μlのTE bufferに溶解させ、ポリエチレングリコール沈殿処理を行った。すなわち、抽出したプラスミド100μlに対し、等量の2 M NaClを含む20%(w/v)ポリエチレングリコール6000(PEG 6000:ナカライテスク(株)社製)溶液を加えて4℃にて1時間静置した後、遠心分離(15,000 rpm、20分、4℃;himac CF15D、日立(株)社製)して上澄み液を除去し、沈殿を30μlのTE bufferで溶解させた。得られたそれぞれの精製プラスミドをT7発現系大腸菌(E. coli BL21(DE3))にヒートショック法により形質転換した。形質転換体をLB寒天培地に塗布し、37℃で10時間培養した後、得られたコロニーを300μlのLB培地(50μg/mlのアンピシリンを含む)が充填された1 ml容量ディープウェルプレートに移植し、37℃にて12時間振とう培養した。得られた培養液を遠心分離(1,890×g、15分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)し菌体を沈殿させ、リゾチーム(5 mg/ml リゾチーム(卵白由来;生化学工業(株)社製)と5 mM MgCl2を含む0.1 M リン酸緩衝液、pH 7.5)溶液を加えて37℃、30分間処理を行った後、凍結融解法により酵素液を抽出した。フェニルアラニン脱水素酵素活性をマイクロプレートリーダー(ジェニオス、テカン社製)により測定し、活性の高いコロニーを選抜した。得られたコロニーをそれぞれN末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素形質転換体(E. coli BL21(DE3)/pBBPDHNH3、pBBPDHNH6、pBBPDHNH9、pBBPDHNH12)として用いた。
3.C末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素プラスミドの構築
PCR反応によるC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片の調製を以下の通り行った。Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素遺伝子を組込んだプラスミドDNA(pBBPDH1)を鋳型DNAとして用いた。His-Tag配列(3個、6個、9個、12個)をそれぞれ含む合成オリゴヌクレオチド(センスプライマー;fBBnch1, 5'- aaggatccgatgagcttagtagaaaaaaca-3'およびアンチセンスプライマー;rBBc3h, 5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggttgcgaatatcccattt -3',rBBc6h,5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3', rBBc9h, 5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3', rBBc12h,5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3':北海道システムサイエンス社製)をそれぞれ作製した。前記鋳型DNAと合成オリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。PCRの反応液組成は以下の通りとした。10 ngの鋳型DNA(pBBPDH1)、100 pmol/μlの前記合成オリゴヌクレオチドを各1μl、10x Ex-Taq buffer(宝酒造(株)社製)を5μl、2.5 mM dNTP mixture(宝酒造(株)社製)を5μl、およびTakara Ex-Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造(株)社製)0.5μlを加えて全量を50μlとした。PCRの反応条件は、94℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分の反応サイクルを30回繰り返した。PCRの反応は、PTC-200(MJリサーチ・ジャパン(株)社製)を用いて行った。
PCR反応によるC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片の調製を以下の通り行った。Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素遺伝子を組込んだプラスミドDNA(pBBPDH1)を鋳型DNAとして用いた。His-Tag配列(3個、6個、9個、12個)をそれぞれ含む合成オリゴヌクレオチド(センスプライマー;fBBnch1, 5'- aaggatccgatgagcttagtagaaaaaaca-3'およびアンチセンスプライマー;rBBc3h, 5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggttgcgaatatcccattt -3',rBBc6h,5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3', rBBc9h, 5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3', rBBc12h,5'- cgtaatctcgagtcagtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggtggttgcgaatatcccattt-3':北海道システムサイエンス社製)をそれぞれ作製した。前記鋳型DNAと合成オリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。PCRの反応液組成は以下の通りとした。10 ngの鋳型DNA(pBBPDH1)、100 pmol/μlの前記合成オリゴヌクレオチドを各1μl、10x Ex-Taq buffer(宝酒造(株)社製)を5μl、2.5 mM dNTP mixture(宝酒造(株)社製)を5μl、およびTakara Ex-Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造(株)社製)0.5μlを加えて全量を50μlとした。PCRの反応条件は、94℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分の反応サイクルを30回繰り返した。PCRの反応は、PTC-200(MJリサーチ・ジャパン(株)社製)を用いて行った。
前記PCR反応液を1.5%アガロースゲルにて泳動し、得られた目的増幅産物(約1.2 kb)を切り出し、ゲル抽出キット(Gel-MTM Gel Extraction System、VIOGENE社製)にて目的増幅産物の抽出・精製を行った。前記抽出液29μl、10x K buffer(宝酒造(株)社製)3.5μl、BamHI(TOYOBO社製)0.8μl、XhoI(MBI Fermentas社製)0.8μlを加えて全量を35μlとし、37℃で3時間反応させて両端の制限酵素処理を行った。得られたそれぞれの制限酵素処理断片をC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素インサートとして用いた。
C末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素断片挿入用ベクタープラスミドの調製を以下の通り行った。前記融合タンパク質の発現には、T7プロモーターを有するpET21(+)ベクターDNA(インビトロジェン社製)を用いた。5μgのpET21(+)ベクターDNA、10x K buffer(宝酒造(株)社製)を2μl、BamHI(TOYOBO社製)を1μl、XhoI(MBI Fermentas社製)を1μlおよび滅菌水を加えて全量を20μlとして37℃で3時間反応させ、制限酵素処理を行った。
前記制限酵素処理済みベクターの脱リン酸化処理を以下の通り行った。制限酵素処理済みベクターDNA 20μl、10x SAP buffer(ベーリンガーマンハイム社製)5μl、シュリンプ由来アルカリフォスファターゼ(ベーリンガーマンハイム社製)2μlおよび滅菌水を加えて全量を50μlとし、37℃で1時間反応させ、さらに1μlのアルカリフォスファターゼを加えて50℃にて30分間反応させた。その後、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿処理を行い、ベクターDNAの精製を行った。インサートをpET21(+)ベクターDNAのT7プロモーター下流に連結した。
連結反応は、以下の通り行った。脱リン酸化処理ベクターDNA 1μl、インサートDNA 5μl、T4 DNAリガーゼ(New England BioLabs社製)1μl、10x Reaction buffer 2μlおよび滅菌水11μlを加えて全量20μlとし、16℃で一晩反応させてC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素発現用プラスミドを構築した。前記で構築された発現用プラスミドを大腸菌(E. coli JM109(ノバジェン社製))にヒートショック法によって形質転換した。形質転換体を50μg/mlのアンピシリン(ナカライテスク(株)社製)を含むLuria-Bertani寒天培地(1%Bactoトリプトン(Difco社製)、0.5%Bacto酵母(Difco社製)、1%NaCl(純正化学(株)社製)および1.5%寒天(ナカライテスク(株)社製)、pH 7.5)に塗布し、37℃で10時間培養して得られたコロニーをLB培地にて37℃で10時間培養し、フェニルアラニン脱水素酵素活性を示し、抽出したプラスミドに目的のインサートDNAを含むコロニーを選抜した。前記で得られたそれぞれの形質転換体(E. coli JM109/pBBPDHCH3, pBBPDHCH6, pBBPDHCH9, pBBPDHCH12)から抽出したそれぞれのプラスミドを、発現用宿主大腸菌(E. coli BL21(DE3)、インビトロジェン社製)に形質転換した。以下にその手順を記述する。
形質転換体(E. coli JM109/pBBPDHCH3, pBBPDHCH6, pBBPDHCH9, pBBPDHCH12)を50μg/mlのアンピシリンを含む3 mlのLB試験管培地で37℃、12時間培養し、プラスミドをアルカリ・ミニ・プレップ法にてそれぞれ抽出し、100μlのTE bufferに溶解した。前記抽出プラスミド溶液に対し、5 mg/mlのリボヌクレアーゼ(シグマ・アルドリッチ社製)溶液5μlを添加し、37℃にて3時間反応させた。フェノール・クロロホルム抽出を行い、エタノール沈殿させたプラスミドDNAを100μlのTE bufferに溶解させ、ポリエチレングリコール沈殿処理を行った。すなわち、抽出したプラスミド100μlに対し、等量の2 M NaClを含む20%(w/v)ポリエチレングリコール6000(PEG 6000:ナカライテスク(株)社製)溶液を加えて4℃にて1時間静置した後、遠心分離(15,000 rpm、20分、4℃;himac CF15D、日立(株)社製)して上澄み液を除去し、沈殿を30μlのTE bufferで溶解させた。得られたそれぞれの精製プラスミドをT7発現系大腸菌(E. coli BL21(DE3))にヒートショック法により形質転換した。形質転換体をLB寒天培地に塗布し、37℃で10時間培養した後、得られたコロニーを300μlのLB培地(50μg/mlのアンピシリンを含む)が充填された1 ml容量ディープウェルプレートに移植し、37℃にて12時間振とう培養した。得られた培養液を遠心分離(1,890×g、15分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)し菌体を沈殿させ、リゾチーム(5 mg/ml リゾチーム(卵白由来;生化学工業(株)社製)と5 mM MgCl2を含む0.1 M リン酸緩衝液、pH 7.5)溶液を加えて37℃、30分間処理を行った後、凍結融解法により酵素液を抽出した。フェニルアラニン脱水素酵素活性をマイクロプレートリーダー(ジェニオス、テカン社製)により測定し、活性の高いコロニーを選抜した。得られたコロニーをそれぞれC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素形質転換体(E. coli BL21(DE3)/pBBPDHCH3、pBBPDHCH6、pBBPDHCH9、pBBPDHCH12)として用いた。
4.N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の発現と精製
N末端およびC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の発現は、形質転換体のコロニーをそれぞれ3 mlの50μg/mlのアンピシリンを含むLB試験管培地に移植し、37℃で10時間培養した後、500mlのLB培地(50μg/mlのアンピシリンおよび0.5 mM のイソプロピル-β-D-ガラクトシド(IPTG;ナカライテスク社製)を含む)が入った2 Lの三角フラスコに移植して30℃で18時間培養(C末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の発現は、30℃で12時間の培養とした。)することにより行った。得られたそれぞれの培養液を遠心分離(6,760×g、10分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)し、沈殿した菌体を生理的食塩水(0.85%(w/v)濃度)にて洗浄した。得られたそれぞれの洗浄菌体の湿重量に対し、5倍容量の結合用緩衝液(0.5 M NaClおよび2 mM 2−メルカプトエタノール(純正化学(株)社製)を含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0)に懸濁させ、恒温循環水装置(TATEC COOLNIT BATH EL-15、(株)タイテック社製)にて4℃に冷却しながら超音波破砕装置(INSONATOR Model 201M 19 kHz、(株)クボタ社製)により破砕し、遠心分離(28,400×g、20分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)により上澄み液(無細胞抽出液)を得た。
N末端およびC末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の発現は、形質転換体のコロニーをそれぞれ3 mlの50μg/mlのアンピシリンを含むLB試験管培地に移植し、37℃で10時間培養した後、500mlのLB培地(50μg/mlのアンピシリンおよび0.5 mM のイソプロピル-β-D-ガラクトシド(IPTG;ナカライテスク社製)を含む)が入った2 Lの三角フラスコに移植して30℃で18時間培養(C末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の発現は、30℃で12時間の培養とした。)することにより行った。得られたそれぞれの培養液を遠心分離(6,760×g、10分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)し、沈殿した菌体を生理的食塩水(0.85%(w/v)濃度)にて洗浄した。得られたそれぞれの洗浄菌体の湿重量に対し、5倍容量の結合用緩衝液(0.5 M NaClおよび2 mM 2−メルカプトエタノール(純正化学(株)社製)を含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0)に懸濁させ、恒温循環水装置(TATEC COOLNIT BATH EL-15、(株)タイテック社製)にて4℃に冷却しながら超音波破砕装置(INSONATOR Model 201M 19 kHz、(株)クボタ社製)により破砕し、遠心分離(28,400×g、20分、4℃;himac CR20、日立(株)社製)により上澄み液(無細胞抽出液)を得た。
アフィニティークロマトグラフィーによるHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素の精製は、以下の通り行った。予め0.1 M NiSO4・6H2O(和光純薬工業(株)社製)水溶液を樹脂量に対して半分の容量を充填し、結合用緩衝液で平衡化したキレーティング・セファロースFF樹脂カラム(5 ml;アマシャムファルマシア社製)に対し、前記無細胞抽出液を添加した。洗浄用緩衝液(0.5 M NaCl、2 mM 2−メルカプトエタノールおよび5 mM イミダゾールを含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0)にて十分に洗浄した後、溶出用緩衝液(0.5 M NaCl、2 mM 2−メルカプトエタノールおよび500 mM イミダゾール(純正化学(株)社製)を含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0)にて吸着したタンパク質の溶出を行った。得られた活性画分を遠心式濃縮装置(セントリプレップYM-10、アミコン社製)にて濃縮し、脱塩カラム(AmpureTM SA、アマシャム・ジャパン社製)にて50 mM リン酸カリウム緩衝液、pH 7.0に置換した。溶出されたタンパク質画分をまとめて遠心式濃縮装置にて2 mlまで濃縮し、AKTA FPLCシステム(アマシャムファルマシアバイオテック社製)を用いて予め50 mM リン酸カリウム緩衝液、pH 7.0にて平衡化したMono Q( HR 5/5カラム(Pharmacia Biotech社製)に添加した。同緩衝液にて10カラム体積分洗浄した後、同緩衝液中のNaCl濃度を0から1 Mまで40カラム体積分の容量にて直線濃度勾配法で溶出を行った。活性画分を集めてそれぞれ精製酵素とした。
5.ポリジメチルシロキサン製マイクロウェルシートの作製
マイクロウェルアレイシートは、シリコーン系樹脂であるポリジメチルシロキサン(PDMS;DOW CORNING社製)を用いて作製した。前記マイクロウェルアレイシートを作製するにあたり、まずマイクロウェルの鋳型を厚膜レジスト(NANOTM XP SU-8 50、MicroChem社製)にて作製した。厚膜レジスト(MicroChem社製)によるマイクロウェル鋳型の作製は、以下に示す手順により行った。基板として、予めアセトン(和光純薬工業(株)社製)洗浄を施し、超純水による超音波洗浄を行った市販のスライドグラスをカットしたもの(38mm x 26mm)を用いた。前記処理を施したスライドグラスをスピナー回転台(KYOWARIKEN モデル K-359S-1、共和理研社製)に載せ、レジスト接着樹脂Ommnicoat(MicroChem社製)を塗布し、回転速度2,500 rpm、回転時間15秒の条件にて回転させ、レジスト接着樹脂を塗り広げた。前記接着樹脂を塗布したスライドグラス上に、ネガ型厚膜レジストNANOTM XP SU-8 50 (MicroChem社製)を数滴滴下し、回転速度2,500 rpm、回転時間15秒の条件にてスピナー回転台を回転させて厚膜レジストを塗り広げた。これを100oCのオーブンに入れ、30分間ソフトベーキングした。上記操作を6回繰り返し、高さ0.6 mmの厚膜レジスト層を形成せしめた。
マイクロウェルアレイシートは、シリコーン系樹脂であるポリジメチルシロキサン(PDMS;DOW CORNING社製)を用いて作製した。前記マイクロウェルアレイシートを作製するにあたり、まずマイクロウェルの鋳型を厚膜レジスト(NANOTM XP SU-8 50、MicroChem社製)にて作製した。厚膜レジスト(MicroChem社製)によるマイクロウェル鋳型の作製は、以下に示す手順により行った。基板として、予めアセトン(和光純薬工業(株)社製)洗浄を施し、超純水による超音波洗浄を行った市販のスライドグラスをカットしたもの(38mm x 26mm)を用いた。前記処理を施したスライドグラスをスピナー回転台(KYOWARIKEN モデル K-359S-1、共和理研社製)に載せ、レジスト接着樹脂Ommnicoat(MicroChem社製)を塗布し、回転速度2,500 rpm、回転時間15秒の条件にて回転させ、レジスト接着樹脂を塗り広げた。前記接着樹脂を塗布したスライドグラス上に、ネガ型厚膜レジストNANOTM XP SU-8 50 (MicroChem社製)を数滴滴下し、回転速度2,500 rpm、回転時間15秒の条件にてスピナー回転台を回転させて厚膜レジストを塗り広げた。これを100oCのオーブンに入れ、30分間ソフトベーキングした。上記操作を6回繰り返し、高さ0.6 mmの厚膜レジスト層を形成せしめた。
作製した厚膜レジストコーティング基板上に、レーザープリンター(EPSON LP-9500C、エプソン(株)社製)で印刷したウェル領域以外が黒いOHPシート・フォトマスクを重ねて露光装置(KYOWARIKEN K-307PS、共和理研社製)に設置し、90秒間露光させた。露光させたガラス基板を100oCのオーブンに入れ、10分間加熱してPEB処理した。その後、ガラス基板を厚膜レジスト現像液SU-8 developer(MicroChem社製)に浸漬し、未露光部分(フォトマスクの黒地の領域)の厚膜レジスト樹脂を除去した。前記処理により、高さ0.6 mmの円筒形の厚膜レジストパターンを有する鋳型を得た。
PDMS製マイクロウェルアレイシートは、以下に示す手順により作製した。シリコーン系樹脂(ポリジメチルシロキサン:PDMS)を主成分とするSYLGARD 184 base(DOW CORNING社製)とSYLGARD 184 curing agent(DOW CORNING社製)をそれぞれ10:1の割合で混合し、15〜20分間アスピレーターにて脱気した。金属板の上にシリコーンゴムシート(厚さ0.5 mm)と鋳型を重ね、その上にPDMSを1滴滴下した。OHPシート上にもPDMSを1滴滴下し、鋳型上のPDMSとOHPシート上のPDMSを気泡が入らないようにしながら、貼り合わせるようにして重ねた。前記貼り合わせた鋳型とOHPシート上にシリコーンゴムシート、スライドグラス(S-1111、松浪ガラス社製)、シリコーンゴムシート、金属板の順に重ね合わせた。その後、クランプで固定し、60oCのオーブン(Iuchi DRYING OVEN DO-300、井内社製)に入れて50分間加熱処理した。室温に戻した後、クランプを外し、99.5%エタノール(和光純薬工業(株)社製)に浸漬して鋳型上にできたPDMSシートを破らないように剥がした。作製したPDMSマイクロウェルアレイシートは直径1 mm、深さ0.6 mmとした。さらに、各ウェル周辺を覆うPDMS格子(1.6 mm x 1.6 mm)のシートを上記同様の手順に従って作製し、前記PDMSマイクロウェルシートと重ね合わせて圧搾し、貼り合わせてマイクロウェルシートを作製した。作製した格子付きPDMSマイクロウェルアレイシートを、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素固定化スライドグラス上表面に被覆し、L-フェニルアラニン定量用マイクロウェルアレイ酵素固定化チップとした。
6.His-Tag融合酵素タンパク質固定化用スライドグラスの調製
His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素タンパク質固定化用Ni2+錯形成スライドグラスの作製について以下に示す。スライドグラス基板として、DNAマイクロアレイ用コートスライドグラスTYPE2高密度アミノ基導入タイプ(26 mm x 76 mm:松浪硝子社製)を用いた。前記スライドグラスを、12.5%(v/v)グルタルアルデヒド(純正化学(株)社製)溶液に1時間浸漬し、アミノ基とアルデヒドを反応させて活性化させた。活性化させたスライドグラスを、2 mM N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノジ酢酸(AB-NTA;同仁化学研究所(株)社製)水溶液の入ったシャーレに浸し、1時間撹拌した後、超純水に浸漬し、未反応のAB-NTAを除去した。未反応の活性化官能基を保護するために、前記スライドグラスを50 mM L-Lysine(日本理化学薬品(株)社製)水溶液に1時間浸漬し、超純水にて洗浄した。その後、スライドグラスを1% (w/v) NiSO4・6H2O(和光純薬工業(株)社製)水溶液中に1時間浸漬し、Ni2+金属を錯形成させた。その後、前記スライドグラスを超純水にて十分に洗浄し、His-Tag融合酵素タンパク質固定化用スライドグラスとして用いた。
His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素タンパク質固定化用Ni2+錯形成スライドグラスの作製について以下に示す。スライドグラス基板として、DNAマイクロアレイ用コートスライドグラスTYPE2高密度アミノ基導入タイプ(26 mm x 76 mm:松浪硝子社製)を用いた。前記スライドグラスを、12.5%(v/v)グルタルアルデヒド(純正化学(株)社製)溶液に1時間浸漬し、アミノ基とアルデヒドを反応させて活性化させた。活性化させたスライドグラスを、2 mM N-(5-アミノ-1-カルボキシペンチル)イミノジ酢酸(AB-NTA;同仁化学研究所(株)社製)水溶液の入ったシャーレに浸し、1時間撹拌した後、超純水に浸漬し、未反応のAB-NTAを除去した。未反応の活性化官能基を保護するために、前記スライドグラスを50 mM L-Lysine(日本理化学薬品(株)社製)水溶液に1時間浸漬し、超純水にて洗浄した。その後、スライドグラスを1% (w/v) NiSO4・6H2O(和光純薬工業(株)社製)水溶液中に1時間浸漬し、Ni2+金属を錯形成させた。その後、前記スライドグラスを超純水にて十分に洗浄し、His-Tag融合酵素タンパク質固定化用スライドグラスとして用いた。
His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素タンパク質の固定化は、以下に示す手順に従って行った。Ni2+金属錯形成スライドグラスを、結合用緩衝液(0.5 M NaClおよび2 mM 2−メルカプトエタノールを含む20 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.0)で希釈した酵素溶液の入ったシャーレに浸漬し、4oCにて1時間緩やかに撹拌した。その後、未反応のHis-Tag融合酵素を除去するため、同上緩衝液にて前記スライドグラスを洗浄した。作製されたHis-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素タンパク質固定化スライドグラスは、使用直前まで4oCにて保存した。
7.ろ紙血液中L-フェニルアラニンの定量
標準物質として、規定濃度のL-フェニルアラニンを染み込ませた標準ろ紙血液(札幌イムノダイアグノスティック・ラボラトリー(株)社製)から抽出したものを用いた。標準ろ紙血液からの抽出は、以下に示す手順によって行った。ろ紙血液上の各スポットを直径3 mmのディスク状に打ち抜き、96穴マイクロプレート(コーニング社製)の各ウェル内に設置した。各ウェルに対し、固定化液(アセトン:エタノール:超純水=7:7:2(v/v))10μLを加えてろ紙に染み込ませ、37℃の恒温装置(ADVANTEC INCUBATOR CI-410、アドバンテック(株)社製)に1時間静置した。その後、各ウェルに対し緩衝液(40μM レサズリン(和光純薬工業(株)社製)を含む50 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.9)100μLを加えて室温にて1時間静置し、抽出を行った。
標準物質として、規定濃度のL-フェニルアラニンを染み込ませた標準ろ紙血液(札幌イムノダイアグノスティック・ラボラトリー(株)社製)から抽出したものを用いた。標準ろ紙血液からの抽出は、以下に示す手順によって行った。ろ紙血液上の各スポットを直径3 mmのディスク状に打ち抜き、96穴マイクロプレート(コーニング社製)の各ウェル内に設置した。各ウェルに対し、固定化液(アセトン:エタノール:超純水=7:7:2(v/v))10μLを加えてろ紙に染み込ませ、37℃の恒温装置(ADVANTEC INCUBATOR CI-410、アドバンテック(株)社製)に1時間静置した。その後、各ウェルに対し緩衝液(40μM レサズリン(和光純薬工業(株)社製)を含む50 mM トリス塩酸緩衝液、pH 8.9)100μLを加えて室温にて1時間静置し、抽出を行った。
測定にあたっては、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素固定化スライドグラスの表面上にPDMSマイクロウェルアレイシートを被せて密着させた各ウェルに対し、前記抽出液75μL、25 mM NAD+水溶液15μLとジアホラーゼ溶液(0.1 M リン酸カリウム緩衝液、pH 7.5で0.3 mg/mLに調整、オリエンタル酵母(株)社製)10μLの混合液をピペットマンP-2(ギルソン社製)を用いて0.2μLずつ分注した。PDMSシート表面にカバーグラス(松浪ガラス社製)を被せて、反応液の蒸発を防いだ。前記スライドグラスを25oCの恒温装置に設置し、1時間反応させた後、発色した蛍光画像をDNAマイクロアレイスキャナー(CRBIO II、日立ソフトウェア(株)社製)にて取り込んだ(蛍光波長、585 nm;励起波長、532 nm)。得られた蛍光画像データを、解析ソフトウェア(DNASIS(R) Array ver. 2.6.0.4、日立ソフトウェア(株)社製)にて解析した。
[結果]
1.各種His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素組換え体の構築と発現
Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素のN末端(図1)あるいはC末端(図2)側にそれぞれ3個、6個、9個、12個のHisを融合させるために、合成オリゴヌクレオチドを用いたPCRによって各種プラスミドをそれぞれ構築した。得られたそれぞれの組換え体の無細胞抽出液の比活性を表1に示した。N末端側にHisを融合させた場合、6個および9個で比活性の低下が認められた。一方、C末端側にHisを融合させた場合、6個のHisを融合させたときに最も比活性が高い結果が得られた。
1.各種His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素組換え体の構築と発現
Bacillus badius IAM11059由来フェニルアラニン脱水素酵素のN末端(図1)あるいはC末端(図2)側にそれぞれ3個、6個、9個、12個のHisを融合させるために、合成オリゴヌクレオチドを用いたPCRによって各種プラスミドをそれぞれ構築した。得られたそれぞれの組換え体の無細胞抽出液の比活性を表1に示した。N末端側にHisを融合させた場合、6個および9個で比活性の低下が認められた。一方、C末端側にHisを融合させた場合、6個のHisを融合させたときに最も比活性が高い結果が得られた。
2.各種His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素組換え体のNi2+アフィニティーによる精製
それぞれの組換え体から調整した無細胞抽出液を、Ni2+アフィニティークロマトグラフィーに供した。その結果を、表2に示した。
それぞれの組換え体から調整した無細胞抽出液を、Ni2+アフィニティークロマトグラフィーに供した。その結果を、表2に示した。
その結果、N末端His-Tag融合酵素においてHis6個および9個でそれぞれ90%以上の吸着率(結合能力)が得られ、C末端His-Tag融合酵素ではHis12個で80%以上の吸着率が認められた。これら以外のHis-Tag融合酵素では、ほとんど吸着(結合)しないことが明らかとなった。したがって、His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素固定化マイクロアレイチップの作製には、N末端His-Tag融合酵素では6個および9個、C末端His-Tag融合酵素では12個がそれぞれ適切であると考えられた。また、結果には示していないが、Ni2+に代えてCo2+のアフィニティーにおいても同様に結合能力を調べた。しかし、Co2+を使用した場合、いずれのHis-Tag融合酵素においても酵素活性の著しい低下が認められたため、以後の実験では用いなかった。そこで、BD Biosciences社製のBDバイオコートNi-キレートアッセイプレートを用いて、それぞれのHis-Tag融合酵素の無細胞抽出液の固定化後の酵素活性について酵素の希釈率を変えて調べた結果を図3に示した。この結果、C末端His-Tag融合酵素(図3B)はHis9個で活性が認められたものの、N末端His-Tag融合酵素の結果(図3A)に比べて極めて低い活性しか保持しておらず、固定化後の活性保持に問題があることがわかった。したがって、これ以降の実験では、N末端His-Tag融合酵素の固定化について行った。
3.BDバイオコートNi2+キレートアッセイプレートを用いた条件検討
N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素のHis6個および9個のそれぞれの無細胞抽出液をBDバイオコートNi2+キレートアセイプレートに固定化し、標準ろ紙血液中に含まれるL-フェニルアラニンの定量を行った結果を、図4に示した。その結果、12.8 mg/dlの濃度まで両酵素ともに定量性が確認された。また、NADおよびジアホラーゼの添加量の条件についても検討を行った(図5)。この結果、酵素反応時のNADおよびジアホラーゼの添加量を、それぞれ25 mMおよび0.2 mg/mlとした。
N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素のHis6個および9個のそれぞれの無細胞抽出液をBDバイオコートNi2+キレートアセイプレートに固定化し、標準ろ紙血液中に含まれるL-フェニルアラニンの定量を行った結果を、図4に示した。その結果、12.8 mg/dlの濃度まで両酵素ともに定量性が確認された。また、NADおよびジアホラーゼの添加量の条件についても検討を行った(図5)。この結果、酵素反応時のNADおよびジアホラーゼの添加量を、それぞれ25 mMおよび0.2 mg/mlとした。
4.His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素固定化マイクロアレイチップによるL-Pheの定量
N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素のHis6個(図6A)および9個(図6B)をそれぞれマイクロウェルアレイチップ上に固定化し、標準ろ紙血液から抽出したL-フェニルアラニンを定量した結果を図6に示す。この結果、反応液0.2μlのとき反応1時間で12.8 mg/dlの濃度までろ紙血液中のL-フェニルアラニンを定量することができた。
N末端His-Tag融合フェニルアラニン脱水素酵素のHis6個(図6A)および9個(図6B)をそれぞれマイクロウェルアレイチップ上に固定化し、標準ろ紙血液から抽出したL-フェニルアラニンを定量した結果を図6に示す。この結果、反応液0.2μlのとき反応1時間で12.8 mg/dlの濃度までろ紙血液中のL-フェニルアラニンを定量することができた。
本発明の固定化酵素チップは、先天性代謝異常症であるフェニルケトン尿症の疾患において、早期発見のための新生児マススクリーニング、あるいは当該患者の定期診断について利用可能な検査方法に利用可能である。
Claims (6)
- 基板表面に複数のウェルを有し、これらのウェル中に、6〜9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したフェニルアラニン脱水素酵素をNi-キレートを介して固定化したL-フェニルアラニン分析用固定化酵素チップ。
- 前記フェニルアラニン脱水素酵素が6個または9個のヒスチジンからなるオリゴペプチドをN末端に融合したものである請求項1に記載の固定化酵素チップ。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載の固定化酵素チップのウェル中で、被検試料をレサズリン、ジアホラーゼ、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を含む反応液とともにインキュベーョンし、反応液の発色を検出することを含む、被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの分析方法。
- 反応液の発色の検出を、DNAマイクロアレイスキャナを用いて行う請求項3に記載の方法。
- 被検試料に含まれるL-フェニルアラニンの定量を行う請求項3または4に記載の方法。
- 被検試料が血液試料であり、フェニルケトン尿症の検査に用いられる請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
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