JP4099705B2 - 表面プラズモン共鳴測定用バイオチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
表面プラズモン共鳴によって物質間の相互作用を評価できるバイオチップに関する。特には、ヒスチジンタグを有する生体分子もしくは生物分子集合体を効率よく吸着させることにより、表面プラズモン共鳴を測定した際にバックグランドとの差が明白になるバイオチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DNAや蛋白質などの生体分子の機能を調べるあるいは、発現遺伝子、蛋白質を明らかにする手段として、生体分子間の相互作用を評価する試みがなされている。その一つとして表面プラズモン共鳴(SPR)法による相互作用解析法が挙げられる。SPRは分析体を固定化した金属薄膜に光を照射して反射光をモニターし、サンプルとの相互作用を共鳴角の変化で測定する方法である。
【0003】
SPRの利点は、相互作用分析に蛍光やラジオアイソトープなどのラベル物質が不要な点とリアルタイムでの測定が可能な点である。ラベル物質を物質に導入するのは非常に煩雑かつ困難な場合があり、ラベル操作により物質の本来の機能、活性が失われる場合がある。
【0004】
SPRで相互作用を観察するには分子を金属薄膜表面に固定化する必要がある。固相に生体分子を固定化する方法として、表面に導入した官能基を起点とし、共有結合、イオン結合によって固定化する手段などが挙げられる。
【0005】
従来の技術では基板上の一点を測定するものがほとんどであるが、文献等にあるようにSPR技術を応用したSPRイメージング法によって基板表面の局在部位におけるSPR変化を検出することが可能である(例えば、非特許文献1)。すなわち、基板上の異なる場所に複数の物質を固定化すれば、複数の物質の相互作用解析が同時に可能である。
【0006】
SPRに用いられるチップも、基板全体に官能基を導入するものがほとんどであり、生体分子を固定化していない状態では固定化部位とバックグラウンド部の区別がない。そのため、SPRイメージング法に適用すると、バックグラウンド部に存在する官能基へサンプルが非特異的吸着するのを無視できない場合がある。また、微少量だけ特定の位置に生体分子溶液をスポットする技術も必須であり、高価なスポッティング装置が必要となる。
【0007】
米国特許では、固定化部位に生体分子を固定化し、バックグラウンド部に起点となる官能基あるいは結合分子が存在しない親水性高分子を固定化したアレイを作製する手段が開示されている例えば、特許文献1)。この発明では、生体分子もしくは生物分子集合体を表面に固定化する際にはバックグラウンド部は可逆性疎水性保護基が固定化されており、スポッティングが容易である。しかし、生体分子もしくは生物分子集合体を表面に固定化したのちに塩基性有機溶媒を用いて疎水性保護基を除去し、親水性高分子を固定化する操作が必要であり、非常に煩雑かつ、塩基性有機溶媒が生体分子もしくは生物分子集合体に悪影響を与えることが懸念される。また、親水性高分子を固定化する際に固定化した生体分子もしくは生物分子集合体に悪影響を与えることが懸念される。具体的には親水性高分子が固定化生体分子に結合し、生体分子の機能が損なわれる点である。
【0008】
そこで、バックグラウンド部には非特異的吸着がほとんどなく、固定化部位に生体分子もしくは生物分子集合体を、活性を保ったまま固定化できるバイオチップが望まれている。
【0009】
生体分子を活性・機能を保ったまま固定化する方法としてヒスチジンタグを有する蛋白質・ペプチドをニッケルキレートによって固定化し、SPRで解析する方法が特表平10−505910に提案されている。この方法は金属キレートによって(ポリ)ペプチドを表面に固定化しSPRで相互作用を研究する方法が開示しており、蛋白・ペプチドの活性、機能を保ったまま表面に固定化し、解析することが可能である。しかし、ここでは(ポリ)ペプチドは一検体ずつ、チップを再生して使用する方法が用いられており、複数の蛋白質・ペプチドを同一表面上に固定化して相互作用を解析する概念は示されていない。
【0010】
本発明はバックグラウンド部に非特異的吸着を抑制する物質が固定化され、固定化部位にはヒスチジンタグを有する物質を固定化させるための起点となるNTA基をもつ官能基導入されているバイオチップを得ることを可能とする。
【0011】
【非特許文献1】
Anal. Chem. 1997年,69巻,1449−1456
【特許文献1】
米国特許6127129号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、バックグラウンド部には非特異的吸着がほとんどなく、結合部位に生体分子もしくは生物分子集合体、特には、ヒスチジンタグを有する生体分子もしくは生物分子集合体を、活性を保ったまま固定化できるSPR測定用バイオチップを得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出した。
【0014】
1.生体分子もしくは生物分子集合体を固定化する部分(固定化部位)と固定化部位以外のバックグラウンド部を有する表面プラズモン共鳴(SPR)測定用バイオチップであり、2.5mM塩化ニッケル(II)溶液と接触させたのちに、分子量が20kDa以上50kDa以下のヒスチジンタグを有する蛋白質が濃度0.1μg/mlで溶解しているpH7.2のHepes緩衝液が30℃にてチップ表面に5分間接触させた後に、該緩衝液で3分間洗浄した場合において、固定化部位に結合するニッケルとヒスチジンタグ付蛋白質によって得られるSPRによるシグナルと、固定化部位以外のバックグラウンド部への非特異吸着によるシグナルのシグナル比が2以上であることを特徴とするSPR測定用バイオチップ
【0015】
2.固定化部位に導入されている官能基がニトリロ三酢酸(NTA)基であることを特徴とする1に記載のバイオチップ
【0016】
3.バックグラウンド部に非イオン性物質が固定化されていることを特徴とする1もしくは2記載のバイオチップ
【0017】
4.固定化部位にポリマーが固定化されており、該ポリマーにNTA基が結合していることを特徴とする1〜3いずれかに記載のバイオチップ
【0018】
5.金を蒸着した透明ガラスもしくは透明プラスチックを基板として用いることを特徴とする1〜4のいずれかに記載のバイオチップ。
【0019】
6.表面プラズモン共鳴がSPRイメージングであることを特徴とする1〜5のいずれかに記載のバイオチップ
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明はSPR測定用のバイオチップであり、生体分子を表面に固定化し、相互作用解析や発現遺伝子、蛋白質などのスクリーニングに有効である。本発明では生体分子の固定化部位と、固定化部位以外のバックグラウンド部は明確に区別されており、固定化部位には好ましくは固定化させるための起点となるNTA基を有する物質が固定化されている。ヒスチジンタグを有する生体分子は例えばニッケル−NTA基を介して、キレート結合によって表面に固定化することができる。
【0021】
本発明のバイオチップはSPRイメージングなどの基板表面を解析する方法に適しており、複数の固定化部位に複数の物質を固定化し、同時に相互作用解析することが可能である。SPRで解析できるよう、基板は透明プラスチックあるいはガラスが好ましく、その表面には金属薄膜が形成されている。金属薄膜は金を蒸着した表面が特に好ましい。
【0022】
NTA基を導入する方法は特に限定されるものではないが、NTA基を有するアルカンチオールを直接的に金表面に導入する方法や、カルボキシル基を有するアルカンチオールを金表面に導入しておき、アミンカップリング法によってアミノ基末端のNTA化合物を導入する方法や、官能基を有する物質(好ましくはポリマー)を表面に導入しておき、官能基を有する物質にNTA基を有する化合物を結合させる方法などが挙げられる。金−硫黄結合を利用した上記方法だけでなく、官能基をもつ物質(好ましくはポリマー)を表面にコーティングして、NTA基を導入する手法なども可能である。
【0023】
中でも、官能基を有するポリマーを表面に固定化しておき、NTA基を有する化合物を導入する方法はポリマーがスペーサーとして働き、非特異的結合を抑制するため好ましい。
【0024】
バックグラウンド部は非特異的吸着を抑制するため非イオン性物質が固定化されることが好ましい。例えば末端に水酸基あるいはポリエチレングリコールなどの親水性高分子をもつアルカンチオールを直接金表面に固定化する方法が挙げられる。また、官能基を末端にもつアルカンチオールを導入しておき、該官能基を利用して間接的に非イオン性物質を表面に固定化する方法も挙げられる。
【0025】
固定化部位とバックグラウンド部を分ける手段としては光照射によるパターン化技術や、スタンプ技術などが挙げられる。例えば、光を照射してパターン化する手法では、紫外線により金−硫黄結合を酸化して洗浄除去し、新たにアルカンチオールを金表面に結合させることができる。
【0026】
以下に例を挙げる。
バイオチップはSPR装置にセットされ、緩衝液中にて観察される。緩衝液の屈折率によってSPR共鳴角が変化するため、測定は同一の緩衝液で実施される。緩衝液を導入した段階で、撮影する角度が設定される。バイオチップがSPR共鳴を起こし、反射光強度が極小となる入射角(SPR共鳴角)から0.5度から1度小さい角度にて測定は実施されることが好ましい。測定対象は固定化部位であるため、固定化部位の共鳴角を対象として角度は設定する。本発明のバイオチップに対して、2.5mM塩化ニッケル(II)溶液と1分前後接触させて、NTA−ニッケルキレートを形成させる。次に分子量が20kDa以上50kDa以下のヒスチジンタグを有する蛋白質が濃度0.1μg/mlで溶解しているpH7.2のHepes緩衝液が30℃にてチップ表面に接触させると、ヒスチジンタグ−ニッケル−NTA錯体形成により、蛋白質が固定化部位に結合し、SPR共鳴角が広角側にシフトするため、反射光強度が増大する。ヒスチジンタグを有する蛋白質を接触させる時間は3分以上10分以内程度が好ましい。その後3分から10分間緩衝液で洗浄したときに、ヒスチジンタグ蛋白が固定化部位に多く吸着される。バックグラウンド部には非イオン性物質が固定化されているため、蛋白の吸着量が少ない。このように固定化部位のみに蛋白が吸着され、その周囲にはできるだけ吸着されないようなチップが測定上好ましい。
【0027】
SPR装置にはスライド表面の解析が可能である白色光源を用いたSPRイメージング装置を使用する。スライドからの反射像はCCDカメラによって撮影するSPRイメージングにより、経時的に画像が取り込まれる。取り込まれた画像から高分子を接触させる前の画像の差を演算処理によって得ることができる。
【0028】
分子量が20kDa以上50kDa以下のヒスチジンタグを有する蛋白質が濃度0.1μg/mlで溶解しているpH7.2のHepes緩衝液を30℃にてチップ表面に5分間接触させて、蛋白質が固定化部位に結合させ、その後該緩衝液にて3分間洗った場合に、その結合によって得られるSPRによるシグナル増加と、固定化部位以外のバックグラウンド部への非特異吸着によるシグナル増加を比較する。比較対照は塩化ニッケル(II)を接触させる前の画像となる。この操作によって、塩化ニッケルと蛋白質を接触させる前後のシグナル変化を知ることができる。固定化部位に結合するニッケルと蛋白質によって得られるSPRによるシグナルと、固定化部位以外のバックグラウンド部への非特異吸着によるシグナルのシグナル比が2以上であると、固定化部位に生体分子もしくは生物分子集合体を導入するのが容易となるため好ましい。なお、シグナル比を得る場合、比較される固定化部位とバックグラウンド部は基板上1mm以上離れないように設定する。画像をコンピュータで解析する方法として、例えば画像処理ソフトV++(Digital Optics社)を用いてリアルタイムでシグナル変化を捉えることができる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0030】
[実施例]
厚さ1mm、18mm×18mmのSF10製透明ガラス基板上にクロム1nmを蒸着した後、金を45nm蒸着した。蒸着の厚みは水晶発振子にてモニターした。金が表面に蒸着された基板を8−Amino−1−Octanethiol, Hydrochrolide(8−AOT,同仁化学研究所製)の1mMエタノール溶液に16時間浸漬し、8−AOTの自己組織化表面を形成させた。Fmoc−OSu(Nova Biochem社製)1mgを300μlのジメチルスルホキシド(DMSO:ナカライテスク社製)に溶解し、200μlの200mMトリエタノールアミン(アルドリッチ社製)水溶液pH7.0を加え、混合してから8−AOTの自己組織化表面に反応させ、Fmocを表面全体に固定化した。次に水晶上にクロムでパターンを描いたフォトマスクを基板上に置き、ウシオ電機製1000W高圧水銀ランプにて一時間照射してパターン化を行った。フォトマスクのパターンは500μm×500μmの四角形が100個並んだものである。
【0031】
照射後、ミリQ水とエタノールで洗浄したのち、8−AOTの1mMエタノール溶液に1時間浸漬し、光を照射した部分に8−AOTの自己組織化表面を形成させた。1mg/mlポリグルタミン酸3000−15000(シグマ社製)、0.2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(ナカライテスク社製)、0.05M N−ヒドロキシスクシンイミド(ナカライテスク社製)をリン酸緩衝液に溶解させて、光を照射して8−AOTを固定化した部分に一時間反応させ、ポリグルタミン酸のカルボキシル基を活性化して表面へ固定化した。水で洗浄後すぐに1mMのAB−NTA(同仁化学研究所製)を16時間反応させ、ニトリロ三酢酸(NTA)基をポリグルタミン酸に導入した。これで固定化部位にはNTA基が存在し、バックグラウンド部にはFmocが固定化されたチップとなる。
【0032】
ポリグルタミン酸はFmocに非特異的に吸着するため、Fmocを化学的に除去しバックグラウンドにはポリエチレングリコールを固定化する。Tris(2−aminoethyl)amine(アルドリッチ製)0.9mlとジメチルホルムアミド(ナカライテスク社製)5.1mlの混合液を3回繰り返して10分ずつ反応させ、Fmocを表面から除去し、水とエタノールで洗浄する。こうしてFmocを除去したバックグラウンドは8−AOTが存在しており、分子量2000のスクシンイミド基末端ポリエチレングリコール(mPEG−SPA,Sheawater Polymers社製)をリン酸緩衝液に10mg/mlで溶解して2時間反応させ、PEGをバックグラウンドに固定化した。
【0033】
こうして作製したバイオチップは固定化部位にポリグルタミン酸を介してNTA基をもち、バックグラウンド部に非イオン性のPEGが固定化されている。
このバイオチップをSPRイメージング機器(SPRImager:GWC instruments社製)にセットし、固定化部位のSPR共鳴角から1度入射角が小さい角度で観察した。
【0034】
観察は10mMHepes(同仁化学研究所社製)、150mM NaCl、pH7.2、30℃で実施した。2.5mMの塩化ニッケル(II)と23kDaのヒスチジンタグ付き蛋白質0.1μg/mlを接触させる過程の写真を5秒おきに撮影し、固定化部位とバックグラウンドのシグナル変化を解析した結果を図1に示す。図1において、0-150秒は緩衝液を流し、150-300秒は塩化ニッケル(II)を流して300-400秒は緩衝液を流してNTA基をニッケルキレートとし、さらに400-750秒はヒスチジンタグ付き蛋白を流し固定化した後、750-900秒では緩衝液を流した。900秒の時点での固定化部位とバックグランドの6点の反射光強度の経時変化を求め、3点でシグナル比を得た。結果は4.21、3.78、3.64で、平均は3.88であり、2を上回っていた。
【0035】
なお、バイオチップとの接触・洗浄はフローセルを用い、フローセルはPOM製で図4で示したものを用いた。具体的にはフローセルの溝部に線径1.5mm、内径15.5mmのシリコンゴム製Oリングをセットし、さらにこの上にバイオチップを金蒸着面がフローセルと向き合うようにして重ね、フーローセル−バイオチップの間隔が200μ程度になるようにして固定した。フローセルの注入部および排出部にチューブを接続し、緩衝液ポンプにてポリ−L−グルタミン酸溶液および緩衝液を導入した。導入流量はいずれも200μl/minで行った。
測定温度は25℃で行った。
【0036】
ここで用いたヒスチジンタグ付き蛋白質はNature Biotech,1999,17,1030−1032に記載されたTAPであり、TAPにヒスチジンタグを導入した。この蛋白質のSDS−PAGEの結果を図2に示す。右ラインのマーカーからわかるようにこの蛋白質の分子量は23kDaである。
【0037】
また、塩化ニッケルとヒスチジンタグ付き蛋白が接触する前後の画像の差をとった結果を図3に示す。色が濃くなっている部分は反射光強度が上がっていることを示す。
【0038】
この画像の差の濃淡を、点線で観察したグラフを図4に示す。この図からもバックグラウンド部のシグナルと固定化部位のシグナルのシグナル比が2以上であることを察することができる。
【0039】
[比較例]
実施例と同様の金蒸着基板を8−AOTの1mMエタノール溶液に16時間浸漬し、全面に8−AOTの自己組織化表面を形成させ、基板全体にアミノ基を導入した。この表面に1mg/mlポリグルタミン酸3000−15000、0.2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、0.05M N−ヒドロキシスクシンイミドをリン酸緩衝液に溶解させて、表面の8−AOTに一時間反応させ、ポリグルタミン酸のカルボキシル基を活性化して表面へ固定化した。水で洗浄後すぐに1mMのAB−NTAを16時間反応させ、ニトリロ三酢酸(NTA)基をポリグルタミン酸に導入した。
この場合のバイオチップは固定化部位とバックグラウンド部の区別がなく、ニッケルとヒスチジンタグ付き蛋白を接触させると、全面に一様に吸着する。どこをとってもシグナル比は限りなく1.00に近い数値をとった。
【0040】
【発明の効果】
本発明のSPR用バイオチップはヒスチジンタグを有する生体分子もしくは生物分子集合体がバックグラウンド部には非特異的吸着することががほとんどなく、効率よく活性を保ったまま結合部位には吸着し、SPRを測定した際にバックグランドとの差が明白になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた、SPRにて固定化部位とバックグラウンドのシグナル変化を解析した結果の図
【図2】実施例で用いたヒスチジンタグ付き蛋白質(Nature Biotech,1999,17,1030−1032に記載されたTAPにヒスチジンタグを導入したもの)のSDS−PAGEの結果図
【図3】実施例でのヒスチジンタグ付き蛋白質接触前と緩衝液流入後の画像の差をとった結果の概略図
【図4】図2の画像の差の濃淡を点線部で観察したグラフ
【図5】実施例で用いたフローセルの上面および断面(上面図の点線部分の断面)図
Claims (6)
- 生体分子もしくは生物分子集合体を固定化する部分(固定化部位)にニトリロ三酢酸(NTA)基を有しかつ固定化部位以外のバックグラウンド部に親水性高分子を有する該生体分子もしくは該生体分子集合体を固定化するための表面プラズモン共鳴(SPR)測定用バイオチップであり、
該バイオチップを、2.5mM塩化ニッケル(II)溶液と接触させたのちに、分子量が20kDa以上50kDa以下のヒスチジンタグを有する蛋白質が濃度0.1μg/mlで溶解しているpH7.2のHepes緩衝液が30℃にてチップ表面に5分間接触させた後に、該緩衝液で3分間洗浄した場合において、
固定化部位に結合するニッケルとヒスチジンタグ付蛋白質によって得られるSPRによるシグナルと、固定化部位以外のバックグラウンド部への非特異吸着によるシグナルのシグナル比が2以上であることを特徴とするSPR測定用バイオチップ。 - 固定化部位にポリマーが固定化されており、該ポリマーにNTA基が結合していることを特徴とする請求項1に記載のバイオチップ。
- ポリマーが、ポリグルタミン酸であることを特徴とする請求項2に記載のバイオチップ。
- 親水性高分子がポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項 1 〜3のいずれかに記載のバイオチップ。
- 金を蒸着した透明ガラスもしくは透明プラスチックを基板として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバイオチップ。
- 表面プラズモン共鳴がSPRイメージングであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバイオチップ。
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