JP4066669B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体像を撮像して得られる画像信号に対して黒レベル補正を行う撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子カメラには、撮像素子の出力信号に含まれる光学的黒(OB:Optical Black)の領域(以下、OB領域と称する)に対する信号レベル(以下、OBレベルと称する)を用いて黒レベル補正を行うものや、空転送時における撮像素子の出力信号のDCレベルを用いて黒レベル補正を行うものがある。
【0003】
図4は、電子カメラの機能ブロック図である。
図4において、電子カメラ100は、CPU111、レンズ112、ミラーやシャッターなどの機構部113、モータ114、撮像素子115、コンデンサ116、CDS(corelated double sampling:相関二重サンプリング回路)117、PGA(programable gain amplifier:プログラマブルゲインアンプ)118、A/D変換器119、比較器120、D/A変換器121、積分器122、TG(timing generator:タイミングジェネレータ)123、ディジタル信号処理部124、圧縮記録部125、電源スイッチやレリーズボタン等に相当する操作部126を備えている。また、電子カメラ100には、着脱可能なメモリカード(カード状のリムーバブルメモリ)127が装填されている。
【0004】
CPU111は、モータ114とTG123とディジタル信号処理部124と圧縮記録部125と操作部126とに接続される。レンズ112と機構部113とは、モータ114に接続されて、CPU111による指示に基づきモータ114によって駆動される。撮像素子115とCDS117とPGA118とA/D変換器119とは、TG123に接続されて、CPU111による指示に基づきTG123によって駆動のタイミングが制御される。ディジタル信号処理部124と圧縮記録部125とは、CPU111による指示に基づいて駆動される。
【0005】
撮像素子115の結像面には、レンズ112と機構部113とを介して被写体像が結像し、撮像素子115内の各々の画素(有効画素およびOB領域の画素)では、被写体像に対する信号電荷が生成される。このような信号電荷は、各ライン毎に読み出されて画像信号として出力される。
図5は、撮像素子115における有効画素領域とOB領域との配置を説明する図である。
【0006】
図5に示すように、OB領域は、有効画素領域の周囲に配置されており、撮像素子115の各ラインにはOB領域の画素が存在することになる。
撮像素子115から出力される画像信号は、コンデンサ116を介してCDS117に供給される。
CDS117は、このようにして供給された画像信号に相関2重サンプリングを施して、PGA118に供給する。
【0007】
PGA118は、CDS117によって相関2重サンプリングが施された画像信号のゲインを制御し、A/D変換器119に供給する。
A/D変換器119では、画像信号がディジタル化される。A/D変換器119から出力される画像信号は、比較器120、D/A変換器121、積分器122を介してリファレンス値と差分がとられ、負帰還にかけられて補正される。そして、このようにして補正された画像信号は、ディジタル信号処理部124に供給される。
【0008】
ディジタル信号処理部124は、このような画像信号に対して所定の画像処理を施し、圧縮記録部125に供給する。
圧縮記録部125は、ディジタル信号処理部124によって画像処理が施された画像信号に相当する画像データを所定の形式に圧縮して、メモリカード127に記録する。
【0009】
図6は、電子カメラ100によって実現可能な動作シーケンスの例を示す図である。
図6に示す動作シーケンスによれば、電子カメラ100では、電源が投入されてレリーズボタンが押下されると、撮像素子115によって不要電荷の高速掃き出しが行われ、その後、予備撮影が行われる。
【0010】
このような予備撮影に対する読み出しにより、撮像素子115から出力される画像信号は、コンデンサ116、CDS117、PGA118を介してA/D変換器119に供給され、ディジタル化される。そして、A/D変換器119から出力される画像信号は、上述したように負帰還にかけられて補正される。
その結果、A/D変換器119から出力されるOBレベルは、所定のレベル(図6では、100LSB)に収束する。なお、OB領域におけるノイズを平均化して画像信号のノイズを低減するためには、積分器122の時定数をある程度遅くする必要がある。そのため、例えば、OBレベルの収束は、図6に示すように、数十msかけて行われることが望ましい。
【0011】
このようにしてOBレベルが所定レベルに収束した状態では、OBレベルにオフセットが存在しており、十分な黒レベル補正が実現されているとは言えない。例えば、このような状態でA/D変換器119から出力される画像信号に対し、ホワイトバランス調整などのような乗算を伴う信号処理を行っても、適切な結果が得られない。
【0012】
そのため、オフセット量を除去する処理が必要であり、従来の電子カメラ100では、オフセット量を除去する処理を、ディジタル信号処理部124で行っていた。
図7は、ディジタル信号処理部124の構成例を示す図である。
図7に示すように、ディジタル信号処理部124には、OBレベル積算部128とASIC(application specific IC:特定用途向けIC)129とが設けられている。
【0013】
OBレベル積算部128では、前フレームにおけるOBレベルの積算および平均が行われる。そして、その結果として得られる値が、現フレームの画像信号から減算され、上述したオフセット量が除去されて、黒レベル補正が完了する。そして、このようにして黒レベル補正が完了した画像信号は、ASIC129によって、ホワイトバランス調整、γ補正、補間処理、色変換、エッジ強調等の画像処理が施される。
【0014】
図8は、電子カメラ100によって実現可能な動作シーケンスの他の例を示す図である。
図8に示す動作シーケンスによれば、電子カメラ100では、電源が投入されてレリーズボタンが押下されると、撮像素子115によって不要電荷の高速掃き出しが行われ、その後、空転送が行われる。
【0015】
このような空転送時において、DCレベルとOBレベルとは等レベルであり、上述した負帰還によってDCレベルを所定のレベル(図8では、100LSB)に収束させることは、A/D変換器119から出力されるOBレベルを所定のレベルに収束させることになる。
そして、本読み出しが開始されると、ディジタル信号処理部124では、空転送時におけるDCレベルが、画像信号から減算されて、オフセット量の除去が実現されていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本撮影のための露光が完了して本読み出しが行われる状態では、DCレベルとOBレベルとには、電位差が生じる。そのため、図8に示す動作シーケンスによって動作する電子カメラ100では、本読み出しが開始されると、OBレベルは、所定のレベルから大幅に外れてしまうことになり、正確な黒レベル補正が行えないという問題が発生していた。
【0017】
一方、図6に示す動作シーケンスによって動作する電子カメラ100では、高精度の黒レベル補正が行えるが、図8に示す動作シーケンスでは不要であった予備撮影が必須である。そのため、レリーズボタンが押下されてから本撮像が行われるまでにタイムラグが生じ、このようなタイムラグによって、シャッターチャンスを逃してしまうという問題が発生するおそれがあった。また、本撮影が開始されるまでに時間がかかるため、多くの電力を消費するという問題が発生していた。
【0018】
そこで、本発明は、黒レベル補正を速やかに、かつ、精度良く行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の撮像装置は、各々の画素で生成される被写体像に対する信号電荷を読み出して画像信号を出力する撮像素子と、前記信号電荷の読み出しが行われる前における撮像素子からの出力信号の直流レベルを検出して保持し、該撮像素子から前記画像信号が出力されると、該画像信号から前記直流レベルを減算して該画像信号の補正を行う第1の補正手段と、前記第1の補正手段によって補正が行われた画像信号を用い、各々のラインにおける光学的黒の領域の平均的な信号レベルを示す「ライン内平均黒レベル」を順次算出するライン内平均黒レベル算出手段と、前記ライン内平均黒レベル算出手段によって「ライン内平均黒レベル」が順次算出される過程で、平均化の対象の数を変えつつ「ライン内平均黒レベル」を平均して、各々のラインに対する画像信号の基準レベルを算出する基準レベル算出手段と、前記第1の補正手段によって補正が行われた各々のラインに対する画像信号から、前記基準レベル算出手段によって算出された当該ラインに対する基準レベルを減算して、該画像信号の補正を行う第2の補正手段と、を備え、前記基準レベル算出手段は、前記ライン内平均黒レベル算出手段によって算出される「ライン内平均黒レベル」の個数が所定数に達するまでは、基準レベルを算出する際に平均する「ライン内平均黒レベル」の個数を順次増やし、該ライン内平均黒レベル算出手段によって前記所定数を上回る個数の「ライン内平均黒レベル」が算出されると、前記平均化の対象の数を前記所定数に維持しつつ、その対象を順次変えながら「ライン内平均黒レベル」を平均して基準レベルを算出することを特徴とする。
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の補正手段は、前記撮像素子に電源が投入された後、一定の時間が経過した時点からの所定の期間内に、該撮像素子からの出力信号の直流レベルを検出することを特徴とする。
なお、第2の発明において、撮像素子に電源が投入された後、一定の時間が経過した時点からの所定の期間としては、例えば、撮像素子の電源投入後に不要電荷の掃き出しが完了してから露光が開始されるまでの期間や、撮像素子の電源投入後に撮像素子の出力信号が安定するまでに要する時間(例えば、数十ms)が経過した時点から出力信号の検出が完了するまでの期間などが挙げられる。
【0022】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、外気の温度を検出する温度検出手段を備え、前記基準レベル算出手段は、前記温度検出手段によって検出された温度に応じて、前記所定数を設定することを特徴とする。
なお、第3の発明において、温度に応じた所定数の設定の仕方としては、例えば、温度の上昇に応じて所定数を大きくすることなどが挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
ただし、以下では、本発明の撮像装置の一例として、電子カメラを用いて説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に対応する電子カメラの機能ブロック図である。
【0024】
図1において、図4に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を示し、ここではその説明を省略する。
図1に示す電子カメラ1と図4に示す電子カメラ100との相違点は、図4のCPU111に代えて図1のCPU11が設けられ、図4のディジタル信号処理部124に代えて図1のディジタル信号処理部12が設けられ、図1の温度センサ13が新たに設けられた点である。なお、温度センサ13は、CPU11に接続される。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に対応する電子カメラの動作シーケンスを示す図である。
図2に示す動作シーケンスによれば、電子カメラ10では、図8に示す動作シーケンスと同様に、電源が投入されてレリーズボタンが押下されると、撮像素子115によって不要電荷の高速掃き出しが行われ、その後、空転送が行われる。
【0026】
空転送時には、撮像素子115からの出力信号のDCレベルが検出され、比較器120におけるリファレンス値として保持される。なお、DCレベルの検出は、空転送時に限らず、例えば、撮像素子115に電源が投入されて、50ms程度経過してから行われても良い。
このようにしてDCレベルが保持された状態では、A/D変換器119から出力されるOBレベルは、負帰還によって、所定のレベル(図2では、100LSB)に収束させることになる。
【0027】
したがって、本読み出しが開始されると、撮像素子115から出力される画像信号は、空転送時におけるDCレベルによって補正され、ダイナミックレンジを有効に利用したディジタル化が実現される。そして、このようにして補正された画像信号は、ディジタル信号処理部14に供給される。
すなわち、本実施形態では、空転送時におけるDCレベルによって補正された画像信号を、ディジタル信号処理部14によって更に補正することにより、黒レベル補正が実現される。
【0028】
図3は、ディジタル信号処理部12における動作フローチャートである。
以下、図3を参照してディジタル信号処理部12の動作を説明する。
ステップS1:ディジタル信号処理部12は、温度センサ13によって検出された外気の温度をCPU11を介して取得し、その温度に応じて「最大平均ライン数LMAX」を設定する。
【0029】
ここで、「最大平均ライン数LMAX」は、後述する画像信号の基準レベルの算出時に用いる「ライン内平均OBレベルLOB」の個数の最大値であり、「ライン内平均OBレベルLOB」は、有効画素を含む各ライン毎の有効画素前のOB領域における1画素当たりのOBレベルの平均値である。また、「最大平均ライン数LMAX」に設定する値は、撮像素子115の特性に基づき、外気の温度に対応付けて予め決められているものとする。
【0030】
ステップS2:ディジタル信号処理部12は、iに1を代入して初期化する。
ここで、iは、有効画素を含むラインのうち、処理対象のラインを示す変数である。
ステップS3:ディジタル信号処理部12は、有効画素を含むラインに対する画像信号の供給が開始されたか否かを判定する。そして、ディジタル信号処理部12は、有効画素を含むラインに対する画像信号の供給が開始されるまでステップS3の動作を繰り返し、このような画像信号が供給された場合にはステップS4に動作を移行する。
【0031】
ステップS4:ディジタル信号処理部12は、有効画素を含むラインに対する画像信号に基づき、iライン目の「ライン内平均OBレベルLOB」を算出する。すなわち、ディジタル信号処理部12は、iライン目の有効画素前のOB領域における1画素当たりのOBレベルの平均値を算出する。
ステップS5:ディジタル信号処理部12は、「i≦LMAX」が成り立つか否かを判定する。
【0032】
ここで、「i≦LMAX」が成り立つか否かを判定することは、既に算出した「ライン内平均OBレベルLOB」の個数が「最大平均ライン数LMAX」以下であるか否かを判定していることに相当する。ディジタル信号処理部12は、「i≦LMAX」が成り立つ場合にはステップS6に動作を移行し、「i≦LMAX」が成り立たない場合にはステップS7に動作を移行する。
【0033】
ステップS6:ディジタル信号処理部12は、1ライン目からiライン目までの「ライン内平均OBレベルLOB」を平均して、iライン目の画像信号の基準レベルを算出する。そして、ディジタル信号処理部12は、ステップS8に動作を移行する。
例えば、「LMAX=128」である場合、ステップ6において、1ライン目の画像信号の基準レベルは1ライン目の「ライン内平均OBレベルLOB」となり、2ライン目の基準レベルは1ライン目と2ライン目との「ライン内平均OBレベルLOB」の平均値となり、3ライン目の画像信号の基準レベルは1ライン目から3ライン目までの「ライン内平均OBレベルLOB」の平均値となる。
【0034】
すなわち、1ライン目からLMAXライン目までは、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均OBレベルLOB」の個数は、1つずつ増やされることになる。
【0035】
ステップS7:ディジタル信号処理部12は、(i−LMAX+1)ライン目からiライン目までのLMAX分の「ライン内平均OBレベルLOB」を平均して、iライン目の画像信号の基準レベルを算出する。そして、ディジタル信号処理部12は、ステップS8に動作を移行する。
例えば、「LMAX=128」である場合、ステップ7において、129ライン目の画像信号の基準レベルは、2ライン目から129ライン目までの128ライン分の「ライン内平均OBレベルLOB」の平均値となり、130ライン目の画像信号の基準レベルは、3ライン目から130ライン目までの128ライン分の「ライン内平均OBレベルLOB」の平均値となる。
【0036】
すなわち、LMAXライン目から最終ライン目までは、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均OBレベルLOB」の個数は、「最大平均ライン数LMAX」に保たれることになる。
したがって、ディジタル信号処理部12では、iの値によって基準レベルは、以下の式1、式2によって算出されることになる。
【数1】
ただし、式1、式2において、ynは、nライン目の「ライン内平均OBレベルLOB」を示す。
ステップS8:ディジタル信号処理部12は、iライン目の有効画素に対する画像信号から基準レベルを減算して出力する。
ステップS9:ディジタル信号処理部12は、iをインクリメントする。
【0037】
ステップS10:ディジタル信号処理部12は、「i>iLIM」が成り立つか否かを判定する。ここで、iLIMは、有効画素を含むラインの総数であり、「i>iLIM」が成り立つか否かを判定することは、有効画素を含む全てのラインに対する処理が完了したか否かを判定することに相当する。ディジタル信号処理部12は、「i>iLIM」が成り立つ場合には処理を終了し、「i>iLIM」が成り立たない場合にはステップS4に動作を移行する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、空転送時における撮像素子115からの出力信号のDCレベルによって補正された画像信号は、各ライン毎に算出された基準レベルの減算により補正される。その結果、このような補正後のOBレベルは、図2のように、本読み出し前の状態に維持される。
したがって、本実施形態に対応する電子カメラ10による黒レベル補正は、図8に示す動作シーケンスによって動作する電子カメラ100による従来の黒レベル補正(空転送時におけるDCレベルのみによって実現される黒レベル補正)と比べて高精度である。また、図6に示す動作シーケンスによって動作する電子カメラ100による従来の黒レベル補正(予備撮像を行うことによって実現される黒レベル補正)と比べて短時間で完了する。
【0039】
すなわち、本実施形態に対応する電子カメラ10では、精度の良い黒レベル補正を速やかに行うことができる。
また、本実施形態に対応する電子カメラ10では、上述したように、1ライン目からLMAXライン目では、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均OBレベルLOB」の個数は1つずつ増やされる。
【0040】
すなわち、2ライン目からLMAXライン目では、処理対象のラインに対する「ライン内平均OBレベルLOB」と、既に算出された「ライン内平均OBレベルLOB」とが平均されて、画像信号の基準レベルが算出される。そのため、ノイズによって生じる「ライン内平均OBレベルLOB」のバラツキによる影響を抑制しつつ、各々のラインに対する画像信号の基準レベルを算出することができる。
【0041】
さらに、(LMAX+1)ライン目から最終ライン目では、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均OBレベルLOB」の個数は「最大平均ライン数LMAX」に保たれ、必要以上に増やされることがない。そのため、OBレベルの変動に追従しつつ、各々のラインに対する画像信号の基準レベルを算出することができると共に、画像信号の基準レベルの算出に要する時間を最小限に抑えることができる。
【0042】
したがって、本実施形態に対応する電子カメラ10によれば、黒レベル補正の精度が向上され、かつ、高速化が図られる。
ところで、撮像素子115からの出力信号は、電源の投入直後には不安定であるが、不要電荷の掃き出しが完了するまでに安定する。しかし、その後、露光が開始されると、光の漏れ等によって変動する可能性がある。本実施形態に対応する電子カメラ10では、不要電荷の掃き出しが完了してから露光が開始されるまでの空転送時に、撮像素子115からの出力信号のDCレベルを検出するため、安定した状態のDCレベルをリファレンス値とすることができる。
【0043】
したがって、本実施形態に対応する電子カメラ10では、安定した状態のDCレベルによって補正された画像信号を、ディジタル信号処理部12による補正の対象とすることができるため、黒レベル補正の精度が向上される。
また、本実施形態に対応する電子カメラ10では、温度センサ13によって検出された温度に応じて「最大平均ライン数LMAX」を設定するので、温度の上昇に応じて「最大平均ライン数LMAX」に設定する値を大きくし、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均OBレベルLOB」の個数を増やすことができる。そのため、温度の上昇に伴う暗電流の増加により「ライン内平均OBレベルLOB」にバラツキが生じる場合であっても、黒レベル補正の精度を高く維持することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、iライン目の「ライン内平均OBレベルLOB」として、iラインの有効画素前のOB領域における1画素当たりのOBレベルの平均値が用いられることになるが、iライン目の「ライン内平均OBレベルLOB」は、(i−1)ラインの有効画素後のOB領域における1画素当たりのOBレベルの平均値であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明では、信号電荷の読み出しが行われる前における撮像素子の出力信号の直流レベルによって補正された画像信号から、基準レベルを減算して黒レベル補正が行われるが、このような基準レベルは、「ライン内平均黒レベル」が順次算出される過程で、平均化の対象の数を変えつつ「ライン内平均黒レベル」を平均することによって算出される。したがって、請求項1に記載の発明によれば、予備撮像を行うことなく、高精度の黒レベル補正を速やかに行うことができ、省電力化が可能となる。
【0046】
また、算出済みの「ライン内平均黒レベル」の個数が所定数に達するまでは、基準レベルを算出する際に平均する「ライン内平均黒レベル」の個数が増やされ、所定数を上回る個数の「ライン内平均黒レベル」が算出されると、所定数の「ライン内平均黒レベル」を平均して基準レベルが算出される。そのため、ノイズによって生じる「ライン内平均黒レベル」のバラツキによる影響を抑制し、かつ、光学的黒の領域における信号レベルの変動に追従しつつ、各々のラインに対する画像信号の基準レベルを算出することができ、画像信号の基準レベルの算出に要する時間を最小限に抑えられる。したがって、黒レベル補正の精度が向上されると共に、黒レベル補正の高速化も図られる。
【0047】
第2の発明では、撮像素子に電源が投入された後、一定の時間が経過した時点からの所定の期間内に、撮像素子の出力信号の直流レベルが検出され、その直流レベルによって画像信号の補正が行われる。そのため、例えば、不要電荷の掃き出しが完了してから露光が開始されるまでの期間のように、撮像素子の出力信号が安定した状態で検出される直流レベルによって画像信号の補正を行うことが可能である。したがって、請求項2に記載の発明によれば、黒レベル補正の精度が向上される。
【0048】
第3の発明では、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均黒レベル」の個数の最大値を、温度に応じて設定することができる。そのため、例えば、温度の上昇に伴って暗電流が増加する場合のように、温度の変化により「ライン内平均黒レベル」にバラツキが生じる場合には、画像信号の基準レベルの算出時に平均される「ライン内平均黒レベル」の個数を増やすことができ、「ライン内平均黒レベル」のバラツキによる影響を抑制しつつ画像信号の基準レベルを算出することができる。したがって、請求項4に記載の発明によれば、黒レベル補正の精度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に対応する電子カメラの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に対応する電子カメラの動作シーケンスを示す図である。
【図3】ディジタル信号処理部における動作フローチャートである。
【図4】電子カメラの機能ブロック図である。
【図5】撮像素子における有効画素領域とOB領域との配置を説明する図である。
【図6】電子カメラによって実現可能な動作シーケンスの例を示す図である。
【図7】ディジタル信号処理部の構成例を示す図である。
【図8】電子カメラによって実現可能な動作シーケンスの他の例を示す図である。
【符号の説明】
10、100 電子カメラ
11、111 CPU
12、124 ディジタル信号処理部
13 温度センサ
112 レンズ
113 機構部
114 モータ
115 撮像素子
116 コンデンサ
117 CDS
118 PGA
119 A/D変換器
120 比較器
121 D/A変換器
122 積分器
123 TG
125 圧縮記録部
126 操作部
127 メモリカード
128 OBレベル積算部
129 ASIC
Claims (3)
- 各々の画素で生成される被写体像に対する信号電荷を読み出して画像信号を出力する撮像素子と、
前記信号電荷の読み出しが行われる前における撮像素子からの出力信号の直流レベルを検出して保持し、該撮像素子から前記画像信号が出力されると、該画像信号から前記直流レベルを減算して該画像信号の補正を行う第1の補正手段と、
前記第1の補正手段によって補正が行われた画像信号を用い、各々のラインにおける光学的黒の領域の平均的な信号レベルを示す「ライン内平均黒レベル」を順次算出するライン内平均黒レベル算出手段と、
前記ライン内平均黒レベル算出手段によって「ライン内平均黒レベル」が順次算出される過程で、平均化の対象の数を変えつつ「ライン内平均黒レベル」を平均して、各々のラインに対する画像信号の基準レベルを算出する基準レベル算出手段と、
前記第1の補正手段によって補正が行われた各々のラインに対する画像信号から、前記基準レベル算出手段によって算出された当該ラインに対する基準レベルを減算して、該画像信号の補正を行う第2の補正手段と、を備え、
前記基準レベル算出手段は、前記ライン内平均黒レベル算出手段によって算出される「ライン内平均黒レベル」の個数が所定数に達するまでは、基準レベルを算出する際に平均する「ライン内平均黒レベル」の個数を順次増やし、該ライン内平均黒レベル算出手段によって前記所定数を上回る個数の「ライン内平均黒レベル」が算出されると、前記平均化の対象の数を前記所定数に維持しつつ、その対象を順次変えながら「ライン内平均黒レベル」を平均して基準レベルを算出することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記第1の補正手段は、
前記撮像素子に電源が投入された後、一定の時間が経過した時点からの所定の期間内に、該撮像素子からの出力信号の直流レベルを検出する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1又は2に記載の撮像装置において、
外気の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記基準レベル算出手段は、
前記温度検出手段によって検出された温度に応じて、前記所定数を設定する
ことを特徴とする撮像装置。
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