JP4065177B2 - 個別に収容した２つの製品を同時に分配するための装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な用途が考えられるが例えば髪染めの分野で使用される化粧製品などの組成物を生成する目的で、個別に収容した２つの製品を同時に分配するための装置に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
毛染めの分野では、安定性の理由により使用する時点まで個別に保存しておかなければならず、２つの製品（染料および酸化剤）を使用時に混合して準備しなければならない毛染め用組成物が非常に多い。
当該分野において、ここ数年で、個別に収容した２つの製品を使用時にその場で混合することがほぼ自動的にできる装置が出現するようになったが、そういったシステムの製造はコストが高く、かつ複雑な場合がほとんどである。各製品を収容する２つの区画部の間にシール部を形成することが困難であったり、さらには、収容する複合物のなかには攻撃性が非常に高いものもあるため、それらの複合物と適合できる材料を見つけることが困難であったりする。
【０００３】
より「手動で」作動するシステムもあり、そのシステムでは、混合すべき各製品が特にチューブまたは袋の形状のパッケージ内に収容される。使用者は一方のパッケージの内容物をもう一方のパッケージに流し込む、または、両方のパッケージの内容物を第３のパッケージに流し込むと、内部で混合される。
こういった作業は面倒であり、製品を扱っているときに使用者が汚れてしまうおそれがある。また、使用者が精確に製品量を計測しなかったり、一回の使用分を２回以上にわたって使用しようとする危険性もある。その結果、期待どおりの毛染めができなくなる。
【０００４】
よって、本発明の目的の１つは、個別に収容した２つの製品を同時に分配するための装置を提供し、従来のシステムを参照して上述した問題を完全にまたは部分的に解決することである。
【０００５】
本発明は特に、使用が簡単で、製造コストが低い装置を提供することを目的とする。
【０００６】
また別の目的は、不適当に使用する危険性を抑え、よって混合物が予期せぬ性質のものになる危険性を低減するような装置を提供することである。
【０００７】
さらなる目的は、以下の詳細な説明で明らかにする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、これらの目的は、
ａ）第１の変形可能な壁を備えた、第１製品を収容する容器と、
ｂ）第１容器の外部に第２の変形可能な壁を備えた、第２製品を収容する容器と、
ｃ）第１および第２容器に取り付けられた取付部材と、
ｄ）取付部材に対して動作可能な分配用部材であって、第１および第２容器が、該分配用部材によって形成された少なくとも１つの分配口と隔離される第１の構成から、第１および第２容器が少なくとも１つの分配口と連通する第２の構成に、不可逆的に装置を切り替えることができる分配用部材と
を具備した、個別に収容した第１および第２製品を同時に分配するための装置を提供することによって達成される。
よって、装置が第２の構成にあるとき、互いに隣接して設置された第１および第２容器の変形可能な壁を加圧すると、第１および第２製品を同時に分配することができる。
【０００９】
化粧製品などの組成物を生成するために、２つの製品を１つの分配口から同時に吐出させることができ、該１つの分配口の上流側には、混合して分配される前に２つの製品が接触する混合域があってもよい。
【００１０】
好適には、用語「不可逆的」とは、分配用部材の取り扱い方法に関わらず、第２の構成から第１の構成に戻ることができないことを意味し、分配用部材自体は、装置を第１の構成から第２の構成に切り替える動作と逆の動作を行うことができるが、この逆の動作が容器と分配口との連通に影響することはなく、よって装置が第１の構成に戻ることはないことが理解されるであろう。
【００１１】
あるいは、互いに隣接して設置した２つの分配口から製品を吐出させて、分配用部材をアプリケータノズルとして使用する場合は２つの製品を直接処理表面上で接触させ、また、補助容器を使う場合は該補助容器内で製品を混合し手動で均質化してもよい。いずれの構造を採用するかは、特に製品の粘性および混合速度によって決定する。
【００１２】
第１の構成から第２の構成への切り替えが不可逆的であるため、使用者が装置の内容物の一部のみを使用する危険性が低減される。装置を一旦第２の構成へと切り替えてしまうと、当該装置を一度で使い切らずに複数回にわたって使用し続けようとすることは困難である。
【００１３】
２つの容器を１つの取付部材に取り付けることによって、該取付部材に対して分配用部材を一度動作させるだけで、特に軸方向に押し込むまたは回転させるだけで、２つの容器を同時に開けることが可能になる。このように、動作が非常に簡略化される。
【００１４】
２枚のシートを周縁端に沿って溶着して形成される袋状の容器の場合は特に、２つの容器は、第１の袋の面（第１面）ともう一方の袋の面（第２面）とを接触させて（または実質的に接触させて）配置することが好ましい。第１および第２面は、相互に直接対向していてもよく、薄板状の隔離手段によって隔離されていてもよい。
【００１５】
２つの製品を同時に分配するためには、２つの容器の変形可能な壁を同時に加圧するだけでよく、それによって２つの製品が共に分配口または開口部から吐出する。
よって、厚みが比較的薄い袋状の容器の場合は特に、取付部材は、２つの袋からなる容器を好適には片手で圧迫し内容物を吐出させることができるように、該２つの袋を重ね合わせるような構造であることが好ましい。
あるいは、重ね合わせた２つの袋の片面に例えば板状体が１つずつ設けられていてもよく、これによって各容器に収容されている２つの製品を同時に吐出することが容易になる。こういった板状体の寸法は、袋の寸法と同一であることが好ましい。
【００１６】
好適には、分配用部材は、例えば分配用部材を取付部材に対して軸方向に相対的に動かすことによって、少なくとも１つの分配口のかなり上流側の位置にあって第１および第２容器の流入／流出路に対応する閉鎖要素を不可逆的に解除して、第１および第２容器を少なくとも１つの分配口（３２）と連通させることができる第１および第２開口部を備える。
このように、前記解除は、例えば分配用部材を取付部材に対して押し込むことによって達成される。分配用部材が前記取付部材に対して押し込む方向と反対方向に動かすことができるものであったとしても、前記解除は一旦達成されると元に戻らない一方向性のものであるため、前記のように反対方向に動かしても閉鎖部材は影響を受けない。
【００１７】
好ましくは、第１（または第２）開口部は、分配用部材によって形成された第１（または第２）管状要素の自由端からなり、少なくとも１つの分配口と連通する。
こういった管状部分は、閉鎖要素と契合できる程度に十分長く、各容器の内部に設置されるのが好ましい。
【００１８】
第１および第２管状要素の自由端は、装置が第２の構成にあるとき第１（または第２）容器と少なくとも１つの分配口との連通が促進されるように、波型になっていることが好ましい。この特徴は、装置が第１の構成にあるときの位置に戻ろうとする弾性を本質的に有する結合ストリップと、閉鎖要素が繋がっている場合（これに関しては後で詳述する）特に有利である。
【００１９】
分配用部材は、取付部材の対応する部分と嵌合可能なロック手段を備え、それによって、装置が第２の構成にあるとき分配用部材を取付部材に対して少なくとも軸方向に固定することができる。これは、該手段が、装置の第１から第２の構成への切り替えの不可逆性を確実にするために用いることができるものの１つであるという点で、有利である。またこれは、分配用部材の開口部と閉鎖要素との一方向性の当接によって不可逆性が得られる場合にも有利である。こういったロック手段がなければ、分配用部材が装置のその他の部分から外れてしまう可能性があり、それによって２つの製品を同時に分配するために装置を扱うことが困難になる危険性が出てくる。
【００２０】
当該装置は、例えば取り去り型ストリップなどの再取付が不可能な要素からなる開封表示部材を備えるのが好ましい。こうすると、該開封表示部材を取り外さない限り、２つの容器を開けるために分配用部材を取付部材に対して動かすことができない。
【００２１】
好適には、第１および第２容器の流入／流出路と連結した閉鎖要素は、分配用部材の固定前に、第１および第２閉鎖要素を、第１および第２容器が外部と連通する位置から容器が外部と遮断される位置まで動かすことができるツールの対応する部分と、例えばスナップ留めによって嵌合することができる結合手段を備える。こうすると、流入／流出路を介して容器を充填した後、当該結合手段によって、閉鎖要素で流路を塞ぎ、その後分配用部材を取り付けることが可能になる。
【００２２】
好ましくは、当該ツールは、容器を満たすために少なくとも一部分が容器の流入／流出路内に差し込まれる注入管からなる。充填前、第１および第２容器が閉鎖要素によって外部と遮断されていても、該注入管を閉鎖要素と契合するように差し込んで、第１および第２容器が外部と連通するように該閉鎖要素を押し動かすことができる。充填後、その引き抜き作業の間に、注入管は閉鎖要素を、第１および第２容器を外部と遮断する位置に戻す。
【００２３】
第１および第２容器は袋状であり、その壁は熱可塑性物質または金属物質の少なくとも１つの層で形成されていることが好ましい。こういった袋は、一般的にほぼ長方形である。目安として、長さを１０ｃｍのオーダーとし、幅を５ｃｍのオーダーとすることができる。
【００２４】
好適には、第１および第２容器の流入／流出路、およびそれに連結した閉鎖要素は、特にスナップ留めで取付部材に取り付けられた第１および第２挿入部材によって形成される。この種の挿入部材は、特に国際公開公報第９９／０５４４６号で開示されている。
【００２５】
第１および第２の袋の流入／流出路と連結した閉鎖要素は、少なくとも２つの変形可能な結合ストリップによって各挿入部材と繋がっていることが好ましい。これらの結合ストリップは、充填前に閉鎖要素を取り外し、充填後にそれらを元の位置に戻せることが望ましい場合、充填時に有利である。
【００２６】
第１および第２容器は、特に接着または溶着によって、それぞれ第１および第２挿入部材に取り付けてもよい。
【００２７】
第１製品を染料、第２製品を酸化剤とし、それらを混合した後に生成される組成物を髪染め用組成物とすることができる。
【００２８】
上記の特徴とは別に、本発明は、添付の図面を参照して説明する非限定的な実施形態に関して以下に記載する特徴を有する。
【００２９】
図１および図２に斜視図を、図３（ａ）−３（ｂ）および図４（ａ）−４（ｂ）に断面図を示した軸Ｘを有する装置１は一般的に、互いに隣り合って設置され、取付部材１０に取り付けられた２つの同一の袋２，２’を備える。
第１の袋２は酸化染料を含み、第２の袋２’は酸化剤を含む。
取付部材１０上の設置されているのは、最初に使用するときに取り外さなければならない不正開封防止ストリップ３１を備えた分配用部材３０である。分配用部材３０は、横断面が細長い分配口３２を備える。
【００３０】
袋２および２’は、２枚の同一のシートを重ね合わせ、その底端および２つの長手方向の端に沿って溶着することによって形成される。各袋の底端の反対側の端は、袋２および２’のそれぞれを画定する２枚のシートの間に接着または溶着することができる挿入部材５０，５０’によって閉じられる。袋を形成するシートは、それ自体が融着可能なアルミニウムおよびプラスチック複合体から形成することもできる。
【００３１】
挿入部材５０は、射出成形によって得られる一体の熱可塑性材料からなる部材である。
挿入部材５０は、内部に軸方向の流路５２が形成されている円筒形スカート５１を備える。円筒形スカート５１の外表面の挿入部材５０の上部端近くには、留めビード５３が形成されている。実質的には挿入部材５０の全長の上部４分の１のところに、円筒形スカート５１の全周囲を囲むようにして、両端の丸い長方形の横壁５４が形成されている。壁５４の下方で、円筒形スカート５１は、挿入部材５０の長手方向の軸を中心として左右対称に設置された２つのフランジ５５，５６と結合されている。フランジ５５および５６の厚さは、スカート５１から離れるにつれ徐々に減少する。
【００３２】
下端付近で、円筒形スカート５１の横断面は小さくなり、中空ストッパ５９の外表面に形成された環状ビード５８とスナップ留めによって嵌合することができる環状溝５７が内表面に形成されている。中空ストッパ５９は、軸方向の流路５２に挿入して該流路を塞ぐためのものである。ストッパの内表面にもまた、環状溝６０（機能に関しては後で詳述する）が形成されている。ストッパは、２つの変形可能な結合ストリップ６１および６２のそれぞれによって挿入部材のフランジ５５および５６と繋がっている。
【００３３】
挿入部材５０’は挿入部材５０と同一なので、再度の説明は避ける。挿入部材５０’の各部に付した参照番号は、挿入部材５０のそれに「ダッシュ（’）」を加えたものである。
【００３４】
閉位置にある挿入部材の断面図を図３（ａ）および図３（ｂ）に示した。開位置にある挿入部材の断面図を図４（ａ）および図４（ｂ）に示した。
図２にも、開位置にある挿入部材５０および５０’を示した。
【００３５】
横断面がほぼ長方形の取付部材１０は、挿入部材５０および５０’の横壁５４および５４’の形状に一致する形状の２つの凹部１２および１３が一方の表面に形成されている横壁１１を備える。壁１１は、凹部１２および１３それぞれの中心を貫通する流路１４および１５を有し、該流路は円の弧の形状をした４つのスカート部１６によって画定され、壁１１の反対側では、挿入部材５０および５０’のビード５３および５３’とスナップ留めによって嵌合することができる留めビード１７が流路の内表面に形成されている。
【００３６】
取付部材１０の横壁１１の縁には、流路１４および１５が延びる方向と同一の方向に延びる４つのスカート部１８が形成されており、該スカート部は、後で説明するが、分配用部材３０を取り付けるためのものである。このため、各スカート部１８の外表面には、横壁１１に隣接して第１のスナップ留め型ビード１９と、スカート部１８の自由端付近に第２のスナップ留め型ビード２０とが形成されている。
【００３７】
横壁１１は、流路１４および１５が延びる方向と反対側の表面に、その横断面の長軸に沿って左右に溝付きゾーン２０および２１を１つずつ有する。これらの機能に関しては、後で詳述する。
取付部材１０もまた、熱可塑性物質を射出成形することによって得られる。
【００３８】
分配用部材３０の底付近の横断面は、取付部材１０の横断面と類似している。分配用部材３０の、実質的にその全長の中間より上の部分には、長方形をした底面の横断面の長軸に沿って左右に１つずつ肩部３３および３４が形成されている。肩部３３および３４の外表面には畝がある。肩部３３および３４を越えると、分配用部材３０の横断面は分配口３２の方向に向かって徐々に小さくなる。
【００３９】
分配口３２の反対側で分配用部材３０は不正開封防止ストリップ３２と繋がっている。該ストリップ３２の横断面は、取付部材１０の横断面と類似している。分配口３２は、分配用部材３０の底部の横断面の短軸に沿って並ぶ２つの管状要素３５，３６の第１端と連通している。
管状要素３５および３６は、その自由端に波型の縁部３７および３８を備える。管状要素３５および３６は、挿入部材５０および５０’の流路５２および５２’内に差し込めるような横断面外周および全長であって、且つ、不正開封防止ストリップ３１を取り外すと、流路５２および５２’が開放されるようにその波型縁部３７および３８がストッパ５９および５９’の上部端と当接できるような横断面外周および全長である。
【００４０】
分配用部材３０の側壁の内表面には、不正開封防止ストリップ３１付近の縁の近くに、周縁ビード３９が形成されており、これは図３（ａ）に示したように、不正開封防止ストリップを取り外すと取付部材１０の周縁ビード２０とスナップ留めによって嵌合することができる。当該構成において、不正開封防止ストリップ３１の下部端付近に形成されたビード４０は、取付部材のビード１９とスナップ留めによって嵌合している。
【００４１】
図４（ａ）に示したように、不正開封防止ストリップ３１をすべて取り去り、分配用部材３０に軸方向の外圧を加えると、該分配用部材は軸方向に移動し、そのビード３９が取付部材１０のビード１９と嵌合する。ビード３９とビード１９との間の固定力は、通常の使用では考えられない程の力が加えられなければ、ビード３９とビード１９とのスナップ留めが外れないような強さであることが好ましい。
【００４２】
閉位置にある装置１の断面図を図３（ａ）に示した。この位置にあるときの挿入部材５０（および５０’）の様子を図３（ｂ）に示した。
開位置にある装置１の断面図を図４（ａ）に示した。この位置にあるときの挿入部材５０（および５０’）の様子を図４（ｂ）に示した。
【００４３】
以下で参照する図５ないし図９は、図１ないし図４（ｂ）を参照して説明した装置の充填時の主な段階を示した図である。
【００４４】
図５には、挿入部材５０および５０’が装填された袋２および２’に取付部材１０が取り付けられている状態を示した。この段階で、挿入部材５０および５０’は、ストッパ５９および５９’が流路５２および５２’を塞いでいる図３（ｂ）に示した構成にある。よって、流路は袋２および２’と連通していない。
【００４５】
図６には、隔離体８５によって適切に離間された２本の管８３，８４を備えた充填ツール８０が、装置１に嵌め込まれた状態を示した。この嵌め込み作業中、管８３および８４は、その先端がストッパ５９および５９’に嵌まるまで、つまり注入管に形成されたビード８１，８２がストッパ５９および５９’の溝６０および６０’とスナップ留めによって嵌合するまで、流路５２および５２’内に差し込まれる。
注入管によって軸方向の圧力を加え続けると、ストッパ５９および５９’が流路５２および５２’から外れ、注入管８３および８４と袋２および２’とが連通する。
【００４６】
図７には、製品が、注入管８３および８４内を流れ、その開口部８６および８７を通って袋２および２’内に充填されている様子を示した。充填作業は、袋が完全に満たされるまで続く。
【００４７】
充填が終わると、注入管８３および８４は、袋の方向と反対の軸方向へ動かして引き抜かれる。このとき、注入管のビード８１および８２と、ストッパ５９および５９’の溝６０および６０’とがスナップ留めされているため、ストッパが挿入部材５０および５０’の流路５２および５２’に差し込まれるまで、引き上げられる。こうして、流路５２および５２’と袋２および２’との連通が遮断される。この様子を図８に示した。
【００４８】
図９には、ビード３９および４０をビード１９および２０にスナップ留めすることによって、分配用部材３０が取付部材１０に取り付けられている状態を示した。
【００４９】
以下で参照する図１０ないし図１２は、上述した装置１の使用段階を示した図である。
【００５０】
図１０には、分配用部材３０の不正開封防止ストリップ３１が取り去られた状態を示した。
【００５１】
図１１には、使用者が分配用部材の畝のあるゾーン３３，３４と取付部材１０の畝のあるゾーン２１，２２とを両手でつかんで、ビード３９が取付部材１０のビード１９と嵌合するまで分配部材３０を押し込んだ状態を示した。
このとき、分配用部材の管状部分３５および３６の波型縁部３７および３８が、ストッパ５９および５９’の自由端と当接して押し動かし、それによってストッパが流路５２および５２’から外れる。こうして、分配口３２と袋２および２’とが連通する。このときの装置の構成は、図４（ａ）に示したものと一致する。
この構成で、分配用部材３０の管状部分３５および３６の外表面と、袋２，２’の流入／流出路５２，５２’の内壁との間の環状シール部は、ビード／溝構造によって作られる。
【００５２】
管状部分３５および３６とストッパ５９および５９’との当接して押し動かす作用は一方向性のものであるため、ストッパ５９および５９’が、袋２および２’を分配口３２から隔離する位置に戻ることは不可能となる。実際に、使用者が分配用部材のビード３９を取付部材１０のビード１９から外そうとした場合、分配用部材３０を取付部材１０から外すことは可能であっても、ストッパ５９および５９’は元の位置には戻らない。
【００５３】
図１２には、使用者が、混合が達成されるように装置を逆さにして容器を上にし、２つの袋の中が完全に空になるまで、２つの製品が分配用部材の管状部分３５および３６を流れ分配口３２を通って同時に吐出されるように、袋２および２’を手で圧迫している状態を示した。
あるいは、分配用部材３０をアプリケータノズルとして使用し、２つの製品を、染めるべき毛髪または毛束に直接同時に塗布してもよい。
【００５４】
上述の詳細な説明ではいくつかの本発明の好適な実施形態を説明した。特許請求の範囲に記載された発明の技術思想から逸脱することなく、これらを修正することができることは明らかである。特に、上述した実施形態では、取付部材１０の横断面の長軸を中心として左右に平行して設置されているが、あるいは、取付部材の横断面の短軸を中心として左右に平行して設置することもできる。後者には、袋２および２’を開放するために分配用部材３０を移動させるのが容易になるという利点がある。また、取付部材１０の横断面と分配用部材３０底部の横断面が、長方形ではなく、例えば円形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明の１つの好ましい実施形態による装置を示した斜視図である。
【図２】 図２は、図１に示した装置の分解斜視図である。
【図３】 図３（ａ）および図３（ｂ）は、保存位置にある図１および図２に示した装置の断面図である。
【図４】 図４（ａ）および図４（ｂ）は、分配位置にある図１および図２に示した装置の断面図である。
【図５】 図５は、図１および図２に示した装置の充填時の様々な段階を示した図である。
【図６】 図６は、図１および図２に示した装置の充填時の様々な段階を示した図である。
【図７】 図７は、図１および図２に示した装置の充填時の様々な段階を示した図である。
【図８】 図８は、図１および図２に示した装置の充填時の様々な段階を示した図である。
【図９】 図９は、図１および図２に示した装置の充填時の様々な段階を示した図である。
【図１０】 図１０は、図１および図２に示した装置の使用時の様々な段階を示した図である。
【図１１】 図１１は、図１および図２に示した装置の使用時の様々な段階を示した図である。
【図１２】 図１２は、図１および図２に示した装置の使用時の様々な段階を示した図である。
【符号の簡単な説明】
１ 装置
２，２’ 袋
１０ 取付部材
１１ 横壁
１２，１３ 凹部
１４，１５ 流路
１６ ４つのスカート部
１７ 留めビード
１８ ４つのスカート部
１９ 第１のビード
２０ 第２のビード
２１，２２ 溝付きゾーン
３０ 分配用部材
３１ 不正開封防止ストリップ
３２ 分配口
３３，３４ （畝のある）肩部
３５，３６ 管状要素
３７，３８ 波型縁部
３９ 周縁ビード
４０ ビード
５０，５０’挿入部材
５１ 円筒形スカート
５２ 流路
５３ 留めビード
５４ 横壁
５５，５６ フランジ
５７ 環状溝
５８ 環状ビード
５９，５９’中空ストッパ
６０，６０’溝
８０ 充填ツール
８１，８２ ビード
８３，８４ 注入管
８６，８７ 開口部

Claims (13)

1. 個別に収容した第１および第２製品を同時に分配するための装置（１）であって、
   ａ）第１の変形可能な壁を備えた、第１製品を収容する容器（２）と、
   ｂ）第１容器の外部に設けられた、第２の変形可能な壁を備えた、第２製品を収容する容器（２’）と、
   ｃ）第１および第２容器（２，２’）に取り付けられた取付部材（１０）と、
   ｄ）取付部材（１０）に対して動作可能な分配用部材（３０）であって、第１および第２容器（２，２’）が、該分配用部材によって形成された少なくとも１つの分配口（３２）と隔離される第１の構成から、第１および第２容器が少なくとも１つの分配口（３２）と連通する第２の構成に、不可逆的に装置を切り替えることができる分配用部材（３０）と
   を具備した装置（１）であって、
   前記分配用部材（３０）が、分配用部材を取付部材に対して軸方向にスライド移動することによって、第１および第２容器（２，２’）の各流入／流出路（５２，５２’）にスナップ留めされた閉鎖要素（５９，５９’）を解除して、第１および第２容器を少なくとも１つの分配口（３２）と連通させることができる第１および第２開口部（３５−３８）を備えたことを特徴とする装置（１）。
2. 前記連通は不可逆的に行われることを特徴とする請求項１に記載の装置（１）。
3. 第１（または第２）開口部（３５−３８）が、分配用部材（３０）によって形成された第１（または第２）管状要素（３５，３６）の自由端（３７，３８）からなり、少なくとも１つの分配口（３２）と連通することを特徴とする請求項１又は２に記載の装置（１）。
4. 第１および第２管状要素（３５，３６）の自由端（３７，３８）が、装置が第２の構成にあるとき第１および第２容器（２，２’）と少なくとも１つの分配口（３２）との連通が促進されるように、波型であることを特徴とする請求項３に記載の装置（１）。
5. 分配用部材（３０）が、装置（１）が第２の構成にあるとき分配用部材（３０）を取付部材（１０）に対して少なくとも軸方向に固定することができるように、取付部材（１０）の対応する部分（１９）と嵌合可能なロック手段（３９）を備えたことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載の装置（１）。
6. 取り去り型ストリップ形状の再取付が不可能な要素からなる開封表示部材（３１）を備えたことを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１項に記載の装置（１）。
7. 第１および第２の容器の流入／流出路（５２，５２’）と連結した閉鎖要素（５９，５９’）が、分配用部材（３０）の固定前に、第１および第２閉鎖要素（５９，５９’）を、第１および第２容器（２，２’）が外部と連通する位置から容器（２，２’）が外部と遮断される位置まで動かすことができるツール（８０）の対応する部分（８１，８２）と、スナップ留めなどによって嵌合することができる結合手段（６０，６０’）を備えたことを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１項に記載の装置（１）。
8. ツール（８０）が、第１および第２容器（２，２’）を満たすために少なくとも一部分（８３，８４）が流入／流出路（５２，５２’）内に差し込まれる注入ツールからなることを特徴とする請求項７に記載の装置（１）。
9. 第１および第２容器（２，２’）が袋状であり、その壁が熱可塑性物質または金属物質の少なくとも１つの層で形成されたことを特徴とする請求項１ないし８のいずれか１項に記載の装置（１）。
10. 流入／流出路（５２，５２’）、およびそれに連結した閉鎖要素（５９，５９’）が、スナップ留めなどで取付部材（１０）に取り付けられた第１および第２挿入部材（５０，５０’）によって形成されたことを特徴とする請求項１ないし９のいずれか１項に記載の装置（１）。
11. 第１および第２の袋（２，２’）の流入／流出路と連結した閉鎖要素（５９，５９’）が、少なくとも２つの変形可能な結合ストリップ（６１，６２，６１’，６２’）によって各挿入部材（５０，５０’）と繋がっていることを特徴とする請求項１０に記載の装置（１）。
12. 第１および第２容器（２，２’）が、接着または溶着などによって、それぞれ第１および第２挿入部材（５０，５０’）に取り付けられたことを特徴とする請求項１０または１１のいずれか１項に記載の装置（１）。
13. 第１製品として染料を収容し、第２製品として酸化剤を収容し、第１製品と第２製品からなる組成物が髪染め用組成物であることを特徴とする請求項１ないし１２のいずれか１項に記載の装置（１）。

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