JP4064593B2 - 難燃性を有し発生ガス量の少ない積層用シート及び濾材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性繊維と熱接着性繊維を含有した難燃性で発生ガス量の少ない積層用シートに関する。更に詳しくは、多孔質膜との積層又は貼り合わせをして濾材とした場合にも難燃性で発生ガス量の少ない濾材に関するものである。
さらに、焼却時に発生する有害ガスが大気中に放出されることを抑制する為の吸着剤を含有した積層用シート、濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クリーンルーム等のHEPA、ULPAフィルターに用いられる高性能エアフィルター濾材は、チョップドストランドガラス繊維およびマイクロガラス繊維を混合して湿式抄紙法で抄造した後、バインダーを付与して強度を強くする方法で作られていたが、この方法で作製された濾材はガラス繊維で構成されている為に半導体産業などで使用された場合、微量の酸、アルカリとの接触によりガラス繊維表面が侵食され、濾材から微量の重金属(ホウ素、リンなど)が発生し、半導体等の電子分野における製品やバイオ系製品の性能悪化を招くことが問題視されている。また、濾材に弾性がなく、折り加工時や衝撃が加わった際にガラス繊維が折れて脱落するという欠点がある。また、使用済みの濾材を廃棄する場合、焼却してもほとんど減容しないことから不燃ゴミ問題も深刻である。
【0003】
この問題を解決するために、ガラス繊維を一切使用せずにポリプロピレン等を原料としてメルトブロー法で作製した不織布に、直流高電圧を印加してエレクトレット化することにより捕集効率を高めたエレクトレット濾材が特開平5−7713号公報、特開平6−128858号公報、特公平5−10962号公報に開示されている。この方法で作成されたエレクトレット濾材は、静電気引力により捕集効率を高めていることから圧力損失を低く押さえることが可能であり、燃焼可能というメリットもある。しかし、初期の捕集効率をクリアーできたとしても、次に示すような条件下では捕集効率の低下が懸念されている。
▲1▼高温高湿度条件下
▲2▼アルコールなどの有機溶剤に晒された場合
▲3▼濾材に粉塵が堆積した場合
そのため半導体産業などにおいては、重要な部位に使用されるには至っていない。
【0004】
その問題を解決するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を用いた濾材が開発されている。しかし、PTFE多孔質膜の厚みは1〜50μmと非常に薄く柔軟であるために単独で濾材として使用することは非常に困難である為、通常補強用の支持体層を貼り合わせ、もしくは積層して使用している。特開平9−206568号公報、特開平10−211409号公報ではPTFE多孔質膜に補強材、補強用支持体層を積層している。しかし、両発明共に難燃性、補強材からの発生ガス量を押さえる事には全く触れずに通気性を悪化させないことと、フィルターとして加工する際の折り適性のために使用しており、その結果難燃性がないと共にフィルターからの発生ガス量も多いものである。
そこで特開平11−137931号公報では不織布から成る補強材を使用してそれらを熱処理する事により発生ガス量を押さえることを特徴としているが、難燃性については全く触れておらず実施例のエアフィルター濾材では難燃性は得られていない。一方、特開平11−169617号公報には厨房用のレンジフードや換気扇フィルター用として難燃性繊維を使用して難燃剤を含浸付与した難燃性のフィルターが示されているが用途が全く異なるものであり発生ガスについては触れていない。
そのために、難燃性で発生ガス量の少ない濾材は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる問題に鑑み、本発明はフィルターとして加工する際の折り適性が良好で、難燃性を有し、半導体製造の際に悪影響を及ぼすと言われている2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール(以降、BHTと略することがある)やフタル酸ジブチル(以降、DBPと略することがある)等のガスの発生量が少ない積層用シートを提供することである。また、多孔質膜との積層及び貼り合わせすることにより同様の濾材を提供することを課題とする。さらには、焼却処分する際に発生する有害ガスが大気中に放出されることを抑制することを課題とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
上記問題点を解決すべく、主に多孔質膜と貼り合わせもしくは積層する為の補強材の設計を中心に鋭意検討した結果、ホウ素等を含まない難燃性繊維と熱接着性繊維を必須成分とし、全繊維を水中に分散及び撹拌することにより発生ガスの根源となる繊維表面付近に残存する油剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤等を繊維から分離し洗浄して湿式抄紙した後にシート温度が90℃〜150℃になるように乾燥させ、JIS L1091A−1法の難燃性が区分3であり、ガスクロマトグラム質量分析法による発生ガス量の定量分析でBHTとDBPの両ガスの総量が10μg/g以下のシートを多孔質膜の補強材用として使用し、更に吸着剤を含有させることにより難燃性、発生ガス量の少ない濾材、エアフィルター、高性能エアフィルターが得られることを見いだした。
また、BET比表面積1m2/g以上の吸着剤を積層用シートに含有させることにより、塩化ビニル塩化ビニリデン等の塩素含有樹脂と一緒に焼却した場合に発生する有害な塩化水素ガスおよびそれに由来するダイオキシンが大気中に放出されることを抑制出来ることを見いだした。
さらには、光触媒機能を有する酸化チタンを吸着剤と併用して水切り袋に含有させた場合、焼却時に集塵機に捕集されたり焼却灰として残った有害ガスを吸着した吸着剤と共に光触媒機能を有する酸化チタンが存在することにより、太陽光等の紫外線を照射することにより有害ガスを分解することが出来ることを見いだした。
【0007】
即ち、本発明の難燃性を有し発生ガス量の少ない積層用シートおよび濾材は、以下に示す構成態様がある。1.本発明のシートは、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを共重合させた難燃性アクリル繊維、ポリクラール、ポリ塩化ビニールの群から選ばれる1種以上である難燃性繊維と熱接着性繊維を必須成分とし、水中に分散し湿式抄紙後シート温度が90℃〜150℃になるように乾燥され、JISL1091A−1法の難燃性が区分3であり、ガスクロマトグラフィーによる発生ガス量の定量分析でBHTとDBPの両ガスの総量が10μg/g以下であることを特徴とするものである。全繊維を水中に分散するときの濃度は、繊維の固形分濃度で2%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。繊維を水中に分散し撹拌することは集束している繊維を開繊する目的も有るが、同時にBHTやDBP等の発生ガスの根源となる繊維表面付近に残存する油剤、可塑剤、酸化防止剤等を繊維から離脱させることができる。そのために分散濃度が2%を超えている場合、十分な撹拌が出来ずに繊維の開繊が進まないだけでなく、各繊維表面に十分なシェアーがかからないことから油剤、可塑剤等を繊維から離脱させる事が出来ない。分散後、湿式抄紙する場合には、水中に分散した繊維を更に水で約0.01〜0.04%に希釈してからプラスチック、又は金属メッシュ上で繊維を抄き上げ、余分な水分を脱水して乾燥させる。更に希釈することにより繊維の洗浄効果を高めるものであり、0.01%で抄造した場合は未処理の場合と比較して約10000倍の水で洗浄していることになり繊維表面付近の離脱し易い油剤、可塑剤等は洗い流される。抄造する場合、通常白水(脱水した水)は循環して使用するものであるが循環により白水中の油剤、可塑剤、酸化防止剤等の濃度が上昇し繊維に再度付着することもあるため、この場合、極力新水を使用することが望ましい。
【0008】
抄造した後の乾燥は、シートに配合した熱接着性繊維の融点以上に加熱して接着させシート強度を高めることが目的であるが、乾燥後にシートから発生するガスの量を低減させる役割も果たす。シートが濾材やフィルターに加工されて使用される場合の温度条件、たとえば、クリーンルーム等であれば極端に過酷な条件であっても80℃以下であると考えられる。その場合、シートを80℃を超える温度まで予め加熱することにより繊維内部に残存する油剤、可塑剤、酸化防止剤等を予めこの段階でガスとして放出させることにより、実際に使用する条件下での発生ガス量を少なくする役割を果たすものである。乾燥する温度は、熱接着性繊維の融点以上であることが必須であり、シートの温度が90℃〜150℃である。しかし、エアフード型のドライヤー等の場合や抄造速度が非常に速くシートに十分な熱量を与えられない場合等は熱風温度が150℃を超えても何ら差し支えない。
【0011】
.本発明のシートは、繊維径10μm以下の繊維を含有することを特徴とするものである。
【0015】
.本発明の濾材は、上記の発明のシートからなる濾材である。
【0016】
.本発明の濾材は、上記発明1〜2に記載のシートに関し、多孔質膜と積層又は貼り合わせする事を特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシート及び濾材について詳細に説明する。本発明に用いられる難燃性繊維とは、難燃性試験法JIS K7201 A−1法に従ってLOI値26以上である繊維である。シート中の難燃繊維の配合比率は30〜90質量%、好ましくは50〜85質量%の範囲である。配合比率が30%未満では良好な難燃性が得られない。難燃性繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3、4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドの群から選ばれる1種以上、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを共重合させた難燃性アクリル繊維、ポリクラール、ポリ塩化ビニールの群から選ばれる1種以上である。特に好ましくは、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを共重合させた難燃性アクリル繊維、ポリクラール、ポリ塩化ビニール繊維である。塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを共重合させた難燃性アクリル繊維は、アンチモン系化合物及び/又はハロゲン原子を含んだものがさらに好ましい。その理由として、ポリマー中に塩素原子が存在するとポリマー自身の加熱分解によって塩酸を発生し、この塩酸がOHラジカルをトラップして難燃効果を発現すると同時に発生する水により難燃性が高まる。更に五酸化アンチモンが存在するとポリマーの反応によって生成する二酸化炭素が難燃性を更に向上させる。このため可燃性の熱融着性繊維と併用しても難燃性を保つことが出来る。
【0018】
熱接着性繊維は通常シートの引張強度、引き裂き強度、腰(硬さ)を向上させる為に用いられるが、本発明では多孔質膜等との積層や貼り合わせする場合の接着強度を高める役割も同時に果たす。
シートを作製する段階では、乾燥工程にて熱接着性繊維同士及びその他の繊維との交点を接着する事により各種強度を高める働きをする。乾燥工程では熱接着性繊維の融点以上に加温する必要があり、シリンダードライヤーを使用した乾燥機では通常90〜150℃の範囲内である。しかし、エアドライヤー方式の乾燥機の場合は、熱風温度が200℃以上に達する装置もあるが、シート全体の温度が90〜150℃になるようにコントロールできれば何ら差し支えない。
下記に示すメルティー4080の場合、芯の融点が約260℃、鞘の融点が約110℃である。よって110℃以上の温度で鞘部の低融点ポリエステルが軟化し溶融する。軟化や溶融した鞘部に接する繊維が接着する事によりシートの強度を向上させるものである。シートの生産性や経済性を考慮すると乾燥用のシリンダードライヤー温度は融点プラス10〜20℃が好ましく、この場合120〜130℃が望ましい。
熱融着性繊維の融点はドライヤーへの負荷を小さく、少ない熱エネルギーで融着することが望ましいことから融点はおおむね70〜130℃であるため、ドライヤーの温度は90〜150℃の範囲が好ましい。150℃を超えた過剰な加熱は熱エネルギーの無駄になるばかりでなく、熱接着性繊維から溶融した部分が滴下して繊維の交点に留まりにくくなり逆にシートの強度低下を招く場合がある。また、過剰な溶融によりシートがシリンダードライヤーに貼り付いたり、ドライヤー直後のロールに溶融物が貼り付くトラブルが発生する。
熱接着性繊維は、シートの強度等を向上させる役割ばかりでなく、多孔質膜等との貼り合わせや積層する際に行う熱ラミネート、熱エンボス加工時に熱接着性製繊維が軟化、溶融し多孔質膜との接着力を高める働きをする。
熱接着性繊維としては、芯鞘タイプ(コアシェルタイプ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−H:大和紡績社製)、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−E:大和紡績社製)、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名:チッソESC:チッソ社製)、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ(商品名:メルティー4080:ユニチカ社製)などが挙げられる。
また、ビニロンバインダー繊維(VPB107−1:クラレ社製)などの熱水溶融タイプなども使用できる。
【0019】
熱接着性繊維の繊維径は特に限定されないが0.3〜5デニールであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2デニールである。繊維径が0.3デニール未満ではシートの圧力損失が高くなり、フィルターのライフが短くなってしまう。また、繊維径が5デニールを超えるとシート中の繊維の段階的な繊維径分布に空洞部が出来、濾材の圧力損失は低くなるものの、捕集効率が低下してしまう。また、その他の繊維との融着面積が少なくなりシートの強度向上が少ない。シート中の熱接着性繊維の配合比率は5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲である。配合比率が5%未満では良好な引張強度、腰が得られない。
【0020】
繊維径10μm以下の繊維は湿式抄紙の際にその他の繊維とのネットワークを形成する事により湿式抄紙後の未乾燥のシートに適度な引張強度を与えスムーズに乾燥ゾーンへと送ることが可能となるばかりでなく、乾燥後のシートの捕集効率を高める効果がある。特にポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3、4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド、ポリテトラフルオロエチレン等から成る繊維は、非常に剛直であるために均質化装置等で叩解した場合でも繊維が寸断されることなく縦方向に裂かれて細繊化(フィブリル化)が進むため濾材に適用した場合に圧力損失を低く押さえつつ捕集効率を高めることが可能となる。また素材が難燃性であるために難燃性濾材には好適である。
また、難燃性はないものの捕集効率を高めるために繊維径10μm以下のレーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、ナイロン、木材パルプ等からなる繊維であっても難燃性を阻害しない範囲内で配合できる。
【0021】
繊維径10μm以下の繊維の具体的な例としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−400S(ダイセル化学工業製)、パルプを均質化装置でフィブリル化したセリッシュKY−100S(ダイセル化学工業製)、リンターを均質化装置でフィブリル化したPC−310S(ダイセル化学工業製)、アクリル繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−410S(ダイセル化学工業製)、ポリエチレン繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−420S(ダイセル化学工業製)、ポリプロピレン繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−430S(ダイセル化学工業製)などが挙げられる。
また、コートルズ社のセルロースステープル(商品名:リヨセル)をビーターやディスクリファイナー、PFIミルなどの叩解機でフィブリル化した繊維などが挙げられる。
【0022】
本発明のシート中に繊維径10μm以下、特に1μm以下の繊維を配合して濾材とした場合は、捕集効率が繊維径10μmを超えた繊維を用いたシートに比較して高く、単独でフィルターとして加工することが可能であり、難燃性やフィルターからの発生ガス量が少ないことを要求されるクリーンルーム等の外気取り入れ口に使用されるプレフィルター、またビルやオフィスの空調用の中性能エアフィルターとして使用できる。
【0023】
シート中の繊維径10μm以下の繊維の配合比率は、1〜40質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、3〜35質量%である。
【0024】
吸着剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、天然および合成ゼオライト、セピオライト、シリカ、シリカ−酸化亜鉛化合物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケイ酸塩、活性炭、活性白土、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。水酸化アルミニウムの平均粒子は0.100μm以下であり、好ましくは0.1〜50μmである。さらに300℃以上に加熱した際に水を放出して活性アルミナに遷移するものが好ましい。酸化アルミニウムは通称アルミナと称されるα結晶粒径が0.1〜10μm、平均粒子径が0.5〜100μmのものでもよいが、好ましくはギブス石、ボーキサイト、水和酸化アルミニウム等を加熱脱水(約450℃)して得られるγ型活性アルミナやρ、χ、η、δ型活性アルミナが好ましい。ゼオライトは、Wmn2n・sH2Oで示されら含水ケイ酸塩であり天然および合成のものである(WはNa、Ca、K、Ba、Srであり、ZはSi+Alである)。シート中に含有させる吸着剤の比率は1〜50質量%、好ましくは3〜30質量%である。1%未満では十分な吸着効果が得られず、50%を超えた場合には繊維分が少なくなり強度低下や破れ等の問題を起こす。これらの吸着剤のBET比表面積は1m2/g以上が好ましく、より好ましくは30〜1500m2/gであり、さらに好ましくは200〜1500m2/gである。1m2/g未満の場合、十分な吸着効果が得られない。また、1500m2/gを超えた場合には嵩が高くシートに固定させることが困難となる。これらの吸着剤は濾材から発生する有機ガス、更にはクリーンルームから発生する有機ガスをも吸着固定化するものである。更に、重金属イオンをも捕捉可能であり、クリーンルーム用フィルターの濾材や積層用シートに適用した場合、優れた効果を発揮する。また、廃棄処分時に焼却する場合に、発生する有害ガスを吸着することにより大気への有害ガスの放出を抑えることがである。
【0025】
光触媒機能を有する酸化チタンを含有させた場合、焼却灰の一部として酸化チタンが残存するため、太陽光等の紫外線を照射することにより焼却灰に残存する有害ガスを分解することが出来る。さらに、光触媒機能を有する酸化チタンを吸着剤と併用して含有させた場合、焼却時に集塵機に捕集されたり焼却灰として残った有害ガスを吸着した吸着剤と共に光触媒機能を有する酸化チタンが存在することにより、太陽光等の紫外線を照射することにより酸化チタン単独と比較してより多くの有害ガスを分解することが出来る。使用される酸化チタンは触媒用酸化チタンが好ましく、平均粒子が0.001〜1μm、より好ましくは0.01〜0.5μmである。BET比表面積が1m2/g以上の吸着性能を有する光触媒機能を有する酸化チタンの場合を使用した場合には、吸着剤との併用なしでも同様の効果が得られる。
【0026】
また、本発明のシートを多孔質膜等と貼り合わせもしくは積層して使用する場合に難燃性で発生ガスの少ない濾材となりうる。積層する枚数は限定されるものではなく、用途に応じて2層以上で積層出来る。たとえば超高性能エアフィルター(ULPA)用濾材の場合、本発明のシート/多孔質膜/本発明のシート/多孔質膜/本発明のシートとで5層を積層して使用できる。積層方法としては、接着剤を使用する方法もあるが、接着剤を使用した場合、濾材のミクロポアを埋めてしまい、その結果圧力損失が上昇しライフが短くなってしまう。そのため、熱ラミネート法が好ましい。本発明のシートに配合されている熱接着性繊維はシート作製時の乾燥工程(90〜150℃)で一度軟化、溶融して繊維同士またはその他の繊維との交点が接着しているが、熱ラミネートの際に乾燥工程で加熱された以上の温度が加わると再度軟化、溶融することから熱融着繊維と多孔質膜との交点で接着する。そのため、熱ラミネートの温度は、シート作製時の乾燥工程の温度より高くする必要がある。熱エネルギーコストと接着性を考慮し、150〜180℃が好ましい。しかし、接着性が不良の場合やラミネート速度が非常に早くシートに熱が伝導しにくい場合は180℃を超えた温度で処理する必要がある。
【0027】
多孔質膜の素材となる有機重合体は特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、酢酸セルロース、硝酸セルロース等のセルロースエステル類、ポリエチレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ−α−メリルスチレン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコン系ポリマー、ポリフェニレンオキサイド等の重合体、あるいはこれらの共重合体を挙げることができるが、難燃性の観点から特にポリフッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のフッ素系重合体が好ましい。
この濾材を使用した中性能エアフィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルター等のエアフィルターは、難燃性で発生ガスが少なくクリーンルーム等に使用可能である。
【0028】
本発明のシート及び濾材に配合できる繊維は、難燃性繊維、熱接着性繊維に限定されず、一般的な不織布に用いられる繊維を性能を阻害しない範囲であれば配合しても何等差し支えない。
【0029】
本発明のシートを湿式抄紙法で製造する際、地合を良好にするためには、難燃性繊維、熱接着性繊維、吸着剤をパルパーなどの分散タンク内で分散水に均一に分散する必要があり、そのために界面活性剤を用いることが望ましいが、シート作成後の発生ガスへの影響を考慮して使用量、種類を選択する必要がある。
【0030】
均一に混合分散した繊維の分散安定性を向上させるためにアニオン性のポリアクリルアミド系粘剤を繊維分散液、または抄紙ヘッドに添加することにより、湿式抄造後のシートの地合はさらに向上する。
【0031】
本発明のシートは、一般紙や湿式不織布を製造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造できる。抄造に使用する水は河川から引水して濾過した水や水道水、井戸水、蒸留水、イオン交換水等を使用できるが、発生ガス量を考慮すると薬液処理していない水や少ない薬液で処理した水、飲料水に適した井戸水、蒸留水、イオン交換水が好ましい。
乾燥には、シリンダードライヤー、スルードライヤー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができるが、いずれの場合でも、乾燥温度は熱接着性繊維の融点以上にする必要がある。
【0032】
本発明のシートは用途によりさらに強度、腰を向上させるために、湿式抄紙し、乾燥した後、難燃性、発生ガスへの影響を考慮した上で各種バインダーを付与することが可能である。吸着剤は抄造工程で含有させる方法でも可能であるが、各種バインダー付与工程にてバインダーと一緒に付与させる方法でも良い。
【0033】
バインダーとしては、例えば、アクリル系ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテックス、エポキシ系ラテックス、ポリエステル系ラテックス、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス、エポキシ系バインダー、フェノール系バーンダー、PVA、デンプン、一般的に製紙工程で使用される紙力剤などが挙げられ、これらを単独、もしくは架橋剤と併用して使用できる。
【0034】
湿式抄紙して乾燥した後、付与するバインダー量は、シートの坪量に対して20質量%以下である。20質量%を超えると、強度、腰は強くなるものの捕集性能が低下するばかりでなく、圧力損失が高くなってしまいライフを短くしてしまう。
【0035】
また、用途に応じてさらにシートに撥水性、さらなる難燃性を付与させるために、撥水剤、難燃剤を付与しても良い。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0037】
実施例1
ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維(日本アラミド社製:トワロン1080 繊維径約16μm×6mm)、難燃性アクリル繊維(スーパーバルザー:三菱レイヨン社製)、芯鞘型熱接着性繊維(商品名:メルテイ4080、2d×5mm:ユニチカ社製、鞘部の融点:110℃)、ビニロンバインダー型熱接着性繊維(VPB107−1:クラレ社製、水中溶解温度:70℃)を各々10:65:20:5の比率で配合し、分散水に対する繊維の固型分濃度0.2%で30分間分散した後、更に0.04%に水で希釈した後、乾燥質量で40g/m2になるように25cm角の角型手抄き器で抄紙後、温度115℃のシリンダードライヤーで乾燥させて積層用シートを得た。
【0038】
実施例2
ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を均質化装置で平均繊維径約0.4μmにフィブリル化したKY−400S(ダイセル化学工業社製)、難燃性アクリル繊維(スーパーバルザー:三菱レイヨン社製)、熱接着性繊維(商品名:メルテイ4080、2d×5mm:ユニチカ製)、ビニロンバインダー繊維(VPB107−1:クラレ社製)を各々3:72:20:5の比率で配合し、分散水に対する繊維の固型分濃度0.2%で30分間分散した後、更に0.04%に水で希釈して乾燥質量で30g/m2になるように25cm角の角型手抄き器で抄紙後、温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥させて積層用シートを得た。
【0039】
実施例3
実施例2で得た積層用シート2枚の間に製造例1で作製した多孔質膜を挟み、温度:180℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートして濾材を得た。
【0040】
製造例1
多孔質膜は以下の様に製造した。
テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデンが20/80(mol/mol)からなる共重合体40部をメチルメタクリレート60部に溶解させ、さらに2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.03部を加え、60℃で15時間保持し、次いで120℃で2時間保持してメチルメタクリレートを重合し、重合体組成物を得た。この重合体組成物70部をメチルエチルケトン930部に溶解することによって重合体溶液を調整し、続いてフィルム作成用アプリケーターを用いてガラス板上に厚み250μmで約20cm四方に流延し、重合体溶液の薄膜状物を形成した。
次いで3kg/cm2の飽和水蒸気を有する配管のバルブを開き、水蒸気流量38.0kg/hrに設定し、水蒸気ノズルから20cmの位置に該薄膜状物を置き、表面に水蒸気流を2分間接触させて重合体を凝固させた。次に該薄膜状物をガラス板より剥離し、流水中に1時間浸漬して洗浄を行った。さらに、該薄膜状物を60℃の真空乾燥機に1時間入れ乾燥させて多孔質膜を得た。
【0041】
実施例4
繊維分散液に吸着剤としてBET比表面積260m2/gの活性アルミナ(AA−101、日本軽金属社製)を固形分で6g/m2になるように加えて、乾燥質量で36g/m2にとした以外は実施例2と同じ方法で積層用シートを得た。
【0042】
実施例5
BET比表面積260m2/gの活性アルミナ(AA−101、日本軽金属社製)の代わりにBET比表面積62m2/gのアナタース型酸化チタン(MC−50:石原産業社製)を用いた以外は実施例4と同じ方法で積層用シートを得た。
【0043】
実施例6
BET比表面積260m2/gの活性アルミナ(AA−101、日本軽金属社製)を固形分で6g/m2、BET比表面積62m2/gのアナタース型酸化チタン(MC−50:石原産業社製)を固形分で6g/m2になるように加えて、乾燥質量で42g/m2とした以外は実施例2と同じ方法で積層用シートを得た。
【0044】
比較例1
市販のポリエステル/ポリエチレンの芯鞘繊維(芯:ポリエステル、鞘:ポリエチレン)からなるスパンボンド不織布(エルベスS0303WDO、坪量30g/m2)2枚の間に製造例1で作製した多孔質膜を挟み、温度:180℃、圧力5kg/cm2の条件で熱ラミネートして濾材を得た。
【0045】
上記の実施例1〜4および比較例1で作製した積層用シート及び濾材について、下記の評価方法により評価し、その結果を下記表1に示した。
【0046】
<難燃性>
繊維製品の燃焼性試験方法(JIS L 1091)のA−1法(45゜ミクロバーナ法)に則り、炭化面積、残炎時間、残じん時間を測定して区分1、区分2,区分3を判定した。(区分1が難燃性が不良であり、区分3が難燃性が最も良い)
【0047】
<発生ガス量分析>
▲1▼発生ガスサンプリング方法
加熱装置には日本分析工業製JHS−100パージ&トラップ式キューリーポイントヘッドスペースサンプラーを用い120℃×20分間試料を加熱して発生させたガスを吸着剤(テナックスTA)に吸着させ、吸着したガスを358℃×10秒間加熱して離脱したガスをGC(HP社製GC6890及び5890)を用いて分析し、BHTとDBPのトータル量(μg/g)を算出した。
▲2▼GC測定条件
カラム:J&W社製DB−1 0.25mmφ×30m
カラム温度:45℃(3分)→10℃(1分)→260℃(10分)
注入口温度:200℃
検出器:FDI
パージガス:ヘリウム
【0048】
<圧力損失>
圧力損失(Pa)は、濾材に空気を風速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を水中マノメーターで測定した。
【0049】
<捕集効率>
捕集効率(%)は、DOPエアロゾル(フタル酸ジオクチル、粒径0.3〜0.5μm)粒子を発生させ、この粒子を含有する空気を風速5.3cm/秒で通気させ、濾材の前後で空気をサンプリングし、それぞれの粒子濃度をマルチダストカウンターで測定し下記数式1より算出した。
【0050】
【数1】
A={(B−C)/B}×100 ・・・(数式1)
A:捕集効率
B:濾過前の粒子数
C:濾過後の粒子数
【0051】
【表1】
Figure 0004064593
※1:シート化出来なかったため、未測定。
【0052】
<塩化水素ガス量の測定>
実施例で得た積層用シート1gに対して、ポリ塩化ビニリデンを2μmの厚さにコーティングしたポリプロピレンフィルム0.1gを混合してガス量の測定用サンプルとした。ついで、該サンプルを石英管に入れ、石英管中で600℃、空気流通量200ml/分で燃焼させ、得られた燃焼ガスを回収し検知管で塩化水素ガス量を測定し、結果を表2に示す。
【0053】
<UV照射後の塩化水素ガス量の測定>
実施例で得た積層用シート1gに対して、ポリ塩化ビニリデンを2μmの厚さにコーティングしたポリプロピレンフィルム0.1gを混合してガス量の測定用サンプルとした。ついで、該サンプルを石英管に入れ、石英管中で600℃、空気流通量200ml/分で燃焼させた後、10Wブラックライトを光源とする紫外線(UV)を石英管からの距離20cmで1時間照射してから得られた燃焼ガスを回収し検知管で塩化水素ガス量を測定し、結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0004064593
【0055】
上記実施例1及び2で作製した積層用シートは、繊維状態の段階で湿式抄紙の特徴である水への分散工程があるため、ここで約500倍の水で分散することにより希釈洗浄され、更に5倍(トータル2500倍)に希釈されてシート化されていることから、繊維表面付近の離脱し易い油剤、可塑剤等は洗い流される。更に乾燥工程で水分の蒸発と共にBHT、DBP等のガスもシート内から放出され、出来たシート内に残存するBHT、DBP等が減少していると考えられる。また、両シート共に難燃性が区分3で良好であった。
更に実施例2で作製した積層用シートの場合、繊維の一部が繊維径10μm以下にフィブリル化しているポリ−p−フェニレンテレフタルアミドのパルプ状繊維を配合しているため、シートの地合が均一でミクロポアが構成され捕集効率が高まっており、発生ガス量が少なく難燃性が必要とされるクリーンルーム用のプレフィルターに好適である。
実施例2、4、5または6のシートは、捕集効率が40%を超えておりクリーンルーム用の外気取り入れ口に設置される中性能エアフィルター用濾材として使用可能である。さらに、実施例4、5または6のシートを用いた場合、吸着剤の作用により外気から供給させる有機ガスを吸着することにより、クリーンルームに供給させる空気の有機ガス量を減らすことが出来る。
実施例3は実施例2で作製した積層用シート2枚の間に多孔質膜を挟み熱ラミネートした濾材である。難燃性に優れ、発生ガス量の少ない積層用シートに挟まれているため、この濾材も難燃性が区分3であり、発生ガス量も非常に少なかった。
実施例4はBET比表面積が各々260m2/gの吸着剤を含有しているため燃焼時の塩化水素ガス量が実施例2と比較して非常に少なく、塩化水素に起因するダイオキシンも吸着する事が分かる。
実施例5はBET比表面積62m2/gの酸化チタンを配合しているため、実施例2と比較して塩化水素ガス量が少ない。また、紫外線を照射した場合、残留している塩化水素ガスが酸化チタンの光触媒により分解されることにより塩化水素ガス量が極めて少ないことが分かる。
実施例6はBET比表面積が各々260m2/gの吸着剤とBET比表面積62m2/gの酸化チタンを併用している。紫外線を照射しない場合は、BET比表面積が大きい吸着剤が燃焼時の塩化水素ガスの吸着に大きく寄与し、紫外線を照射した場合、酸化チタンの光触媒によって塩化水素ガス量が極めて少ないことが分かる。
すなわち、廃棄処分となり焼却させた場合に塩化水素ガスやそれに起因するダイオキシン等の有害ガスを吸着した吸着剤や酸化チタンが焼却灰として集められた時、太陽光等の紫外線をその焼却灰に照射することにより有害ガスを分解できるものである。
比較例1の濾材は、市販のポリエステル/ポリエチレン繊維からなるスパンボンド不織布2枚の間に多孔質膜を挟み熱ラミネートした濾材である。難燃性は区分1で非常に悪かった。また、スパンボンド不織布は水への分散工程がないため、発生ガス量が多かった。
【0056】
参考例1
10リットルのステンレス製容器に、実施例1と同じ繊維配合になるように、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維(日本アラミド社製:トワロン1080、6mm)、難燃性アクリル繊維(スーパーバルザー:三菱レイヨン社製)、芯鞘型熱接着性繊維(商品名:メルテイ4080、2d×5mm:ユニチカ社製、鞘部の融点:110℃)、ビニロンバインダー型熱接着性繊維(VPB107−1:クラレ社製、水中溶解温度:70℃)を各々10:65:20:5の比率でトータル100g投入し全く水を使用しないで全繊維を混合して繊維混合物を作製し、発生ガス量を測定した。
その結果、この繊維混合物は水による分散と乾燥工程を経ていないため繊維表面に油剤、可塑剤、酸化防止剤等が多く残存しているため発生ガス量は多かった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の積層用シート及び濾材は、繊維状態の段階で湿式抄紙の特徴である水への分散工程、抄紙工程トータルで約2500〜10000倍に希釈されてシート化されていることから、繊維表面付近の離脱し易い油剤、可塑剤等は洗い流される。更に乾燥工程で水分の蒸発と共にBHT、DBP等のガスもシート内から放出され、出来たシート及び濾材内に残存するBHT、DBP等が減少する。更に、吸着剤をシートに含有することにより更にBHT、DBP等が減少する。
また、光触媒機能を有する酸化チタンを含有させることにより、酸化チタンの光触媒によって廃棄処分となり焼却された場合、塩化水素ガスやそれに起因するダイオキシン等の有害ガスを吸着した吸着剤や酸化チタンが焼却灰として集められた時、太陽光等の紫外線をその焼却灰に照射することにより有害ガスを分解できるものである。

Claims (4)

  1. ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリアミドヒドラジン、ポリヒドラジン、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを共重合させた難燃性アクリル繊維、ポリクラール、ポリ塩化ビニールの群から選ばれる1種以上である難燃性繊維と熱接着性繊維を必須成分とし、ガラス繊維を使用せず、水中に分散し、濃度0.01〜0.04%に希釈してから、湿式抄紙後シート温度が90℃〜150℃になるように乾燥され、JISL1091A−1法の難燃性が区分3であり、ガスクロマトグラム質量分析法による発生ガス量の定量分析で2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールとフタル酸ジブチルの両ガスの総量が10μg/g以下であることを特徴とするエアフィルター用シート。
  2. 繊維10μm以下の繊維を含有することを特徴とする請求項1記載のエアフィルター用シート。
  3. 請求項2記載のエアフィルター用シートからなるエアフィルター用濾材。
  4. 請求項1〜2のいずれか1項に記載のエアフィルター用シートと多孔質膜とを積層又は貼り合わせする事を特徴とするエアフィルター用濾材。
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