JP7117174B2 - ガラスフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスフィルタに関する。
従来から、精密工業、電子工業、医薬工業、医療、介護福祉及びビル空調などの分野、集塵装置及び集塵設備、家庭電化製品やOA機器分野、ならびに車両や航空機などの輸送運搬分野での空気浄化及び集塵に使用されるフィルタとして、構成繊維としてガラス繊維を含有する主濾過層を備えたガラスフィルタが使用されている。そして、この主濾過層を備えたガラスフィルタは、捕集率が高く圧力損失が低いフィルタユニットを提供するため、例えば、プリーツ形状に加工され枠内に収められ使用されている。
このような主濾過層を備えたガラスフィルタには高い捕集率が求められている(具体的には、後述する測定における直径0.3μmの粒子捕集率が99%以上)と共に、圧力損失とのバランスに優れフィルタ性能が向上してなる(具体的には、後述するQF値が向上してなる)ことが求められている。
このような主濾過層を備えたガラスフィルタとして、例えば、特開平10-156116号公報(特許文献1)や特開2003-071219号公報(特許文献2)などに開示のガラスフィルタが知られている。なお、特許文献1および2には、以下のことが開示されている。
(1)ガラスフィルタの目付が低下すると強度物性が低下するため、ガラス繊維の配合を工夫してガラスフィルタの低圧力損失化・高捕集率化を図るのが得策であること。(特許文献1:0016、特許文献2:0027)
(2)平均繊維径が0.55μm以下と平均繊維径1.0μm以上のような、繊維径差の大きい2種類以上のガラス繊維を配合することで、低圧力損失化・高捕集率化のガラスフィルタを実現できること。(特許文献1:0017、特許文献2:0028)
(3)実施例1~2、比較例1~4において、平均繊維径0.65μmの細ガラス繊維60重量%と2.7μm以上の太ガラス繊維40重量%を配合してなる、目付70g/mのガラスフィルタを製造したこと。(特許文献1)
(4)実施例1~2、比較例1~2において、平均繊維径0.65μmの細ガラス繊維70重量%と2.7μm以上の太ガラス繊維30重量%を配合してなる、目付70g/mのガラスフィルタを製造したこと。(特許文献2)
(5)実施例3において、平均繊維径0.50μmの細ガラス繊維38重量%と2.7μm以上の太ガラス繊維62重量%を配合してなる、目付70g/mのガラスフィルタを製造したこと。(特許文献1、特許文献2)
また、ガラスフィルタは有機繊維フィルタと比べて重量が重いことから、主濾過層が軽量でありながらも(具体的には、30g/m以下)高い捕集率を有すると共に、フィルタ性能が高いガラスフィルタの実現も求められている。
特開平10-156116号公報 特開2003-071219号公報
本出願人らは市販されている単層のガラス不織布フィルタをベンチマークとして、粒子捕集率が99%以上であると共に該フィルタよりもフィルタ性能に優れる(QF値が、該フィルタのQF値である0.0313よりも高い)、目付が30g/m以下と軽量な主濾過層を備えたガラスフィルタの提供を試みた。しかし、特許文献1~2にかかる発明は、主濾過層を軽量(具体的には、30g/m以下)とした際のガラスフィルタにおける、捕集率とQF値の向上化について検討した発明ではない。そのため、特許文献1~2などの従来技術を参照するだけでは、主濾過層が軽量でありながらも(具体的には、30g/m以下)高い捕集率を有すると共にQF値が更に向上したガラスフィルタを実現し得るものではなかった。
本発明では、目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタであって、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したガラスフィルタの提供を目的とする。
前記課題は、本発明による、
[1]構成繊維としてガラス繊維を含有する目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタであって、
前記主濾過層は平均繊維径が0.50μm以下の細ガラス繊維と、前記細ガラス繊維よりも平均繊維径が太い太ガラス繊維を含んでおり、
前記細ガラス繊維および前記太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率は、40質量%よりも多い、
ガラスフィルタ、
[2]凝集剤を備えている、[1]のガラスフィルタ
により、解決できる。
目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタにおいて、下記効果(1)及び(2)を有する:
(1)主濾過層は平均繊維径が0.50μm以下の細ガラス繊維を含んでいるため、粒子捕集率が99%以上かつQF値(フィルタ性能)が高い(具体的には、0.0313よりも高い)ガラスフィルタを実現できる。
(2)主濾過層が細ガラス繊維よりも平均繊維径が太い太ガラス繊維を含んでいると共に、細ガラス繊維および太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率が、40質量%よりも多いため、QF値(フィルタ性能)が更に向上したガラスフィルタを実現できる。
また、本出願人らは凝集剤を備えるガラスフィルタは、バインダによる接着作用が効果的に発揮されたガラスフィルタであることを見出した。そのため、バインダを用いて本発明にかかるガラスフィルタを調製することで、プリーツ形状にした際のプリーツ山部分や谷部分で繊維のモモケや破損が発生するのが防止された、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したガラスフィルタを提供できる。
《主濾過層》
主濾過層は構成繊維として細ガラス繊維と、該細ガラス繊維よりも平均繊維径が太い太ガラス繊維を含んだ布帛(織物、編み物、不織布、繊維ウェブなど)である。高い捕集率を有すると共にQF値が更に向上したガラスフィルタを実現できるよう、また、柔軟性が高いことでプリーツ形状にしたガラスフィルタを提供できるよう、構成繊維がランダムに絡合してなる不織布あるいは繊維ウェブであるのが好ましい。
主濾過層を構成する細ガラス繊維および太ガラス繊維は、例えば、スピニング法、火炎挿入法又はロータリー法で製造されるガラス繊維であることができる。
主濾過層において、細ガラス繊維は主として濾過層を備えたフィルタの捕集率向上に寄与し、太ガラス繊維は主として濾過層を備えたフィルタのQF値向上に寄与する。
細ガラス繊維の平均繊維径は本発明の目的を達成できるよう、0.50μm以下であるが、捕集率に優れるガラスフィルタを提供し得ることから、0.50μm未満であるのが好ましく、0.40μm以下であるのが好ましく、0.40μm未満であるのが好ましい。下限値は適宜調整するが、現実的には0.1μm以上である。
太ガラス繊維の平均繊維径は、本発明の目的を達成できるよう、細ガラス繊維の平均繊維径よりも太い。平均繊維径の範囲はQF値が優れるガラスフィルタを提供できるよう調整するが、0.50μmよりも太く1.00μm以下であるのが好ましい。
繊維径は、繊維や布帛などの測定対象物を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真に写る繊維の直径方向の長さを指す。なお、繊維の断面形状が非円形である場合には、繊維の断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。なお、繊維径が細過ぎて測定が困難である場合には、5000倍よりも高い倍率の電子顕微鏡写真をもとに測定してもよい。
電子顕微鏡写真から測定対象となる繊維を800本選出し、上述のようにして測定した繊維径の平均値を算出することで、測定対象の平均繊維径を求めることができる。
主濾過層を構成する細ガラス繊維および太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率は、フィルタの捕集率が向上したガラスフィルタを実現できるよう40質量%よりも多いが、QF値がより向上したガラスフィルタを実現できるよう50質量%以上であるのが好ましい。該百分率の上限値は適宜選択できるが、QF値がより向上したガラスフィルタを実現できるよう90%以下であるのが現実的である。
主濾過層は、セルロース繊維や有機繊維などガラス繊維以外の繊維を含有できるが、本発明の目的を達成できるよう構成繊維はガラス繊維のみであるのが好ましい。
主濾過層の構成繊維同士はバインダで接着されているのが好ましい。特に、プリーツ形状にした際のプリーツ山部分や谷部分で繊維のモモケや破損が発生するのを防止できること、プリーツ間にアルミ箔などのセパレータを挿入していてもガラスフィルタとセパレータの接触部分に破損が生じ難くなることで、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したフィルタおよびフィルタユニットを提供できる。
バインダの種類は適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体などのエチレン-アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体[スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)など]、セルロース誘導体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などを使用できる。
主濾過層が備えるバインダの固形分質量は、上述の効果が効果的に発揮されるよう、適宜調整するが、0.1g/m~3g/mであることができ、0.3g/m~2.5g/mであることができ、0.5g/m~2g/mであることができる。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
また、主濾過層は、例えば、活性炭やチャコールブラックなどの炭素素材、難燃剤、香料、顔料(無機顔料および/または有機系顔料)、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、撥水剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。また添加剤を混合したバインダを採用することで、添加剤を含有する主濾過層を提供できる。
主濾過層の目付は軽量であるよう30g/m以下であり、その目付は適宜調整するが、より軽量な主濾過層を備えたガラスフィルタを提供できるよう、30g/m未満であることができ、25g/m以下であることができ、25g/m未満であることができる。下限値は適宜調整するが、捕集率に優れるガラスフィルタを提供できるよう、1g/m以上であるのが現実的であり、10g/m以上であるのが好ましく、15g/m以上であるのが好ましい。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。なお、本発明において目付とは、測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1mあたりの質量をいう。
主濾過層の厚さは適宜調整するが、0.01mm~0.5mmであることができ、0.02mm~0.3mmであることができ、0.04mm~0.2mmであることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ0.55kgf/cm圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいう。
《基材》
本発明にかかる主濾過層は単体でガラスフィルタとして使用できるが、
・捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したガラスフィルタを提供できるように、
・剛性が高く取り扱い性に優れるガラスフィルタを提供できるように、
・プリーツ形状にした際のプリーツ山部分や谷部分で繊維のモモケや破損が発生するのを防止できるように、
・プリーツ間にアルミ箔などのセパレータを挿入していても、主濾過層とセパレータの接触部分に破損が生じ難くなるように、
主濾過層の少なくとも一方の主面上に基材を積層してなるガラスフィルタであるのが好ましく、両面に基材を積層してなるガラスフィルタであるのがより好ましい。
特に、両面に基材を積層してなるガラスフィルタである場合、プリーツ形状にした際のフィルタの両主面側の態様が均一になることで上述した効果が両主面において発揮されたガラスフィルタを提供でき好ましく、更に、主濾過層の両主面に設けられている基材は同一の構成を備えているのが最も好ましい。
基材の種類は適宜選択できるが、多孔フィルムや布帛(織物、編み物、不織布、繊維ウェブなど)であることができる。高い捕集率を有すると共にQF値が更に向上したガラスフィルタを実現できるよう、また、柔軟性が高いことでプリーツ形状にしたガラスフィルタを提供できるよう、基材は構成繊維がランダムに絡合してなる不織布あるいは繊維ウェブであるのが好ましい。
基材を構成する繊維の種類は適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体などのエチレン-アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体[スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)など]、セルロース誘導体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などからなる有機繊維であってもガラス繊維であっても良い。主濾過層をより効果的に補強および保護することで、上述の効果が効率良く発揮されるよう、基材の構成繊維はガラス繊維を含有しているのが好ましく、構成繊維がガラス繊維のみであるのがより好ましい。
基材の構成は、上述の効果が効率良く発揮されるよう適宜調整する。
具体的には、主濾過層を効率良く補強できるよう、基材は主濾過層の構成繊維よりも平均繊維径の大きい繊維で構成された繊維層であるのが好ましい。
また、基材は平均繊維径の小さい繊維Aと該繊維よりも平均繊維径の大きい繊維Bが存在してなる布帛(より好ましくは、不織布または繊維ウェブ)であるのが好ましい。
繊維Aや繊維Bの平均繊維径は適宜調整するが、0.5μm~6μmであることができ、繊維Bの平均繊維径は2μm~6μmであることができる。
また、基材に含まれている繊維Aおよび繊維Bの質量に占める繊維Aの質量の百分率は、1質量%~50質量%であることができ、3質量%~45質量%であることができ、5質量%~40質量%であることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
また、剛性に優れた基材を提供できるよう、チョップドストランドを配合してなる基材であるのが好ましい。なおここでいうチョップドストランドとは、紡糸された繊維を特定長に切断してなる短繊維を指し、本発明にかかるガラス繊維よりも繊維径および繊維長が均一に制御されて製造された繊維のことを指す。なお、剛性に優れた基材を提供できるよう、チョップドストランドはガラス製のチョップドストランドであるのが好ましい。
チョップドストランドの平均繊維径は適宜調整するが、2μm~30μmであることができ、3μm~25μmであることができ、5μm~20μmであることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
チョップドストランドの平均繊維長は適宜調整するが、5mm~20mmであることができる。なお、平均繊維長が3mmよりも長いチョップドストランドを含有してなる布帛の基材であることで、より剛性に優れた基材を提供でき好ましい。そのため、チョップドストランドの平均繊維長は5mm以上であるのが好ましい。一方、チョップドストランドが均一に存在することでより剛性に優れた基材を提供できるよう、チョップドストランドの平均繊維長は20mm以下であるのが好ましい。
また、基材の構成繊維に占めるチョップドストランド質量の百分率は、1質量%~50質量%であることができ、3質量%~45質量%であることができ、5質量%~40質量%であることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
基材は主濾過層と同様に、その構成繊維同士はバインダで接着されているのが好ましい。特に、プリーツ形状にした際のプリーツ山部分や谷部分で繊維のモモケや破損が発生するのを防止できること、プリーツ間にアルミ箔などのセパレータを挿入していてもガラスフィルタとセパレータの接触部分に破損が生じ難くなることで、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したフィルタユニットを提供できる。
また、基材は主濾過層と同様に、添加剤を含有していてもよい。
基材の目付は適宜調整するが、1g/m~100g/mであることができ、5g/m~90g/mであることができ、10g/m~80g/mであることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
また、基材の厚さは適宜調整するが、0.01mm~1mmであることができ、0.03mm~0.7mmであることができ、0.05mm~0.5mmであることができる。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
《ガラスフィルタ》
ガラスフィルタの構成は適宜選択できる。
ガラスフィルタが主濾過層と基材を備えている場合、バインダを付与し両材料を接着してもよい。
特に、撥水剤を含有したガラスフィルタであると、ガラスフィルタの少なくとも一方の主面上に溶融した樹脂を線状あるいは網目状に付与してスペーサーを設けたときに、ガラスフィルタ主面と該溶融した樹脂の接触角を大きくできる。その結果、スペーサーの高さが高くなることでガラスフィルタをプリーツ形状とした際でも、スペーサーの存在によって隣接するプリーツ山同士が接触するのを防止して、捕集率が高いと共にフィルタ性能がより向上したプリーツ形状のガラスフィルタを提供でき好ましい。
撥水剤の種類は適宜選択するが、例えば、炭化水素系撥水剤、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤などを採用できる。ガラスフィルタの含有する撥水剤の固形分質量は適宜調整するが、バインダの固形分質量に占める撥水剤の固形分百分率が0.1質量%~50質量%となるように、調整するのが好ましい。
また、界面活性剤を含有したガラスフィルタであると、バインダにより主濾過層および/または基材の構成繊維同士の空隙が閉塞されるのを防止できる。その結果、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したガラスフィルタを提供でき好ましい。
界面活性剤の種類は適宜選択するが、例えば、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などを採用できる。ガラスフィルタの含有する界面活性剤の固形分百分率は適宜調整するが、バインダの固形分質量に占める界面活性剤の固形分百分率が0.01質量%~10質量%となるように、調整するのが好ましい。
このような、撥水剤および/または界面活性剤を備えたガラスフィルタは、ガラスフィルタに撥水剤および/または界面活性剤を含有したバインダ液を付与することで、調製できる。
プリーツ形状のガラスフィルタである場合、そのプリーツ山の高さやプリーツ山同士の間隔、プリーツ角度やプリーツ折の態様(コルゲート折りでもよい)は適宜調整できる。
またプリーツフィルタのプリーツ山間に、プリーツ山同士が接触するのを防止可能なセパレータを挿入しても、溶融した樹脂を線状あるいは網目状に付与してスペーサーを設けることで、隣接するプリーツ山同士が接触するのを防止してなるフィルタであってもよい。
本発明にかかる主濾過層を備えたフィルタによって、HEPAグレードやULPAグレードのフィルタユニットを提供し得る。
《ガラスフィルタの製造方法》
主濾過層を備えたガラスフィルタの製造方法は適宜選択できるが、一例として以下の製造方法を採用できる。
(第一方法)
1.ワイヤーなどの支持体上に、水など分散媒に細ガラス繊維および太ガラス繊維を分散させてなる分散液を抄き上げ脱水することで、支持体-主濾過層の積層構造物を形成する工程、
2.積層構造物へバインダ液を付与し、不要な溶媒および/または分散媒を除去する工程、
3.支持体を除くことで、ガラスフィルタ(主濾過層単体)を調製する工程、
を含むガラスフィルタの製造方法。
(第二方法)
1.ワイヤーなどの支持体上に、水など分散媒に基材の構成繊維を分散させてなる分散液を抄き上げ脱水することで、支持体-基材の積層構造物を形成する工程、
2.積層構造物の基材側主面上に、水など分散媒に細ガラス繊維および太ガラス繊維を分散させてなる分散液を抄き上げ脱水することで、支持体-基材-主濾過層の積層構造物を形成する工程、
3.積層構造物へバインダ液を付与し、不要な溶媒および/または分散媒を除去する工程、
4.支持体を除くことで、基材-主濾過層の積層構造を有するガラスフィルタを調製する工程、
を含むガラスフィルタの製造方法。
(第三方法)
1.第二方法の工程2に続き、積層構造物の主濾過層側主面上に、第二方法の工程1で調製した、新たな支持体-基材の積層構造物を積層して、支持体-基材-主濾過層-基材-支持体の積層構造物を形成する工程、
2.積層構造物へバインダ液を付与し、不要な溶媒および/または分散媒を除去する工程、
3.支持体を除くことで、基材-主濾過層-基材の積層構造を有するガラスフィルタを調製する工程、
を含むガラスフィルタの製造方法。
(第四方法)
1.第二方法の工程2に続き、積層構造物における主濾過層側主面上に、水など分散媒に基材の構成繊維を分散させてなる分散液を抄き上げ脱水することで、支持体-基材-主濾過層-基材の積層構造物を形成する工程、
2.積層構造物へバインダ液を付与し、不要な溶媒および/または分散媒を除去する工程、
3.支持体を除くことで、基材-主濾過層-基材の積層構造を有するガラスフィルタを調製する工程、
を含むガラスフィルタの製造方法。
(第五方法)
1.上述した各方法で調製したガラスフィルタに、更に基材を積層してガラスフィルタを調製する工程、
を含むガラスフィルタの製造方法。
バインダが付着し易い主濾過層および/または基材を提供できるよう、分散液には凝集剤を添加して主濾過層および/または基材を調製してもよい。凝集剤の種類は適宜選択するが、ポリアクリル酸エステル系凝集剤、ポリアクリルアミド系凝集剤、無機系凝集剤などを採用できる。分散液に含まれる凝集剤の割合は適宜調製するが、バインダの固形分質量に占める凝集剤の固形分濃度は、10ppm~1000ppmであることができる。
なお、凝集剤の存在によりバインダが付着し易くなることから、主濾過層の構成繊維間に形成される空隙をバインダが閉塞し難いよう、主濾過層は凝集剤を含有していないのが好ましく、該主濾過層を調製するためには、該主濾過層の調製過程において主濾過層を形成する分散液には凝集剤を添加しないのが好ましい。また、基材と少なくともその一方の主面上に、主濾過層を備えた積層フィルタを調製するにあたり、基材層のみが凝集剤を含有しているのが好ましく、該基材を調製するためには、該基材層の調製過程において該基材を形成する分散液のみに凝集剤を添加するのが好ましい。このようにして、凝集剤を備えた基材とその主面上に、凝集剤を備えていない主濾過層とを備えた積層フィルタを調製できる。本構成の積層フィルタは、バインダによる接着作用が効果的に発揮された基材を備えることによって、上述した基材の存在により示される機能が効果的に発揮された積層フィルタである。
繊維間にバインダの被膜が形成されるのを防止して、QF値が更に向上したガラスフィルタを実現できるよう、バインダ液には界面活性剤を添加するのが好ましい。バインダ液に含まれる界面活性剤の割合は適宜調整するが、少なすぎると上述の効果が発揮され難くなり、多過ぎるとバインダによる繊維同士の固定が弱くなり剛性に優れた基材を提供し難くなる恐れがあることから、バインダの固形分質量に占める界面活性剤の固形分百分率が0.01質量%~10質量%となるように、調整するのが好ましい。
また、ガラスフィルタの少なくとも一方の主面上に溶融した樹脂を線状あるいは網目状に付与してスペーサーを設けたときに、ガラスフィルタ主面と該溶融した樹脂の接触角を大きくできるよう、撥水剤を添加してなるバインダ液を用いるのが好ましい。バインダの固形分質量に占める撥水剤の固形分百分率は適宜調整するが、バインダの固形分質量に占める撥水剤の固形分百分率が0.1質量%~50質量%となるように、調整するのが好ましい。
バインダ液を付与する方法は適宜選択でき、スプレーや含浸ロールなどを用いてバインダ液を散布あるいは塗布して付与する方法、バインダ液中に浸漬する方法などを採用することができる。また、バインダ液は撥水剤および/または界面活性剤を含有していてもよい。
基材および主濾過層における層間はバインダ接着や接着繊維の融着により積層一体化していても良い。また、ニードルパンチ処理などへ供することで、基材および主濾過層の構成繊維同士を絡合させ積層一体化しても良く、絡合と共に更にバインダ接着および/または接着繊維による融着を行っても良い。
溶媒および/または分散媒を除去する方法は適宜選択でき、自然乾燥へ供する方法、サクション装置へ供する方法、減圧雰囲気下の乾燥へ供する方法、乾燥機(100℃~200℃に加熱可能)へ供する方法、などを単独あるいは複数組み合わせて使用出来る。なお、乾燥機へ供することでバインダを軟化あるいは溶解させ、構成繊維同士をバインダで接着しても良く、接着繊維による融着を行っても良い。
上述のようにして調製したガラスフィルタを折り曲げ、プリーツ形状を有するフィルタを調製してもよい。また、プリーツ山同士の間にセパレータを挿入してもよい。更に、溶融した樹脂を線状あるいは網目状に付与することで、スペーサーを備えるフィルタユニットを形成してもよい。
更に、ガラスフィルタはフレームに収めフィルタユニットとすることができる。フレームの形状や、フレームとガラスフィルタとの接着方法は、従来から知られている方法を採用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例、比較例、参考例では、主濾過層の構成繊維として、表1に示すガラス繊維A~Eを、基材の構成繊維として、同表に示すガラス繊維F~Gおよびガラスチョップドストランドを使用した。なお、ガラスチョップドストランドの平均繊維長は6mmである。
Figure 0007117174000001
(参考例1)
市販されている単層のガラス不織布フィルタ(目付:70g/m)を用意した。
(参考例2)
水1.0L中に、ガラス繊維Fを20質量部、ガラス繊維Gを50質量部、ガラスチョップドストランドを30質量部、ポリアクリル酸エステル系凝集剤を混合し分散させて基材調製用スラリーを用意した。なお、基材調製用スラリー中のポリアクリル酸エステル系凝集剤の濃度は、後述する実施例17の積層構造を有するガラスフィルタにおいて、バインダの固形分質量に占める凝集剤の固形分濃度が250ppmとなるように調整した。
ワイヤー上に基材調製用スラリーを抄き上げ脱水することで、ワイヤー上に繊維ウェブaを備えた積層構造物を形成した。
積層構造物を乾燥機へ供することで分散媒である水を除去し、ワイヤーを取り除くことで、ガラスフィルタ(目付:50g/m)を調製した。
(参考例3)
水1.0L中に、ガラス繊維Aを分散させて主濾過層調製用スラリーを用意した。
参考例2で調製した積層構造物における繊維ウェブa上に、主濾過層調製用スラリーを抄き上げ脱水することで、ワイヤー-繊維ウェブa-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブの積層構造物を形成した。
積層構造物を乾燥機へ供することで分散媒である水を除去し、ワイヤーを取り除くことで、繊維ウェブa(基材)-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブ(主濾過層)の積層構造を有するガラスフィルタ(目付:15g/m)を調製した。
(参考例4~5)
繊維ウェブa上に抄き上げる主濾過層調製用スラリーの量を表2に記載の主濾過層の目付になるよう変更したこと以外は、参考例3と同様にして、積層構造を有するガラスフィルタを各種調製した。
(参考例6~9)
ガラス繊維Aの代わりにガラス繊維Bを用いたこと、および、積層構造物における繊維ウェブa上に抄き上げる主濾過層調製用スラリーの量を表2に記載の主濾過層の目付になるよう調整したこと以外は、参考例3と同様にして、積層構造を有するガラスフィルタを各種調製した。
(参考例10~13)
ガラス繊維Aの代わりにガラス繊維Cを用いたこと、および、積層構造物における繊維ウェブa上に抄き上げる主濾過層調製用スラリーの量を表2に記載の主濾過層の目付になるよう調整したこと以外は、参考例3と同様にして、積層構造を有するガラスフィルタを各種調製した。
(参考例14~17)
ガラス繊維Aの代わりにガラス繊維Eを用いたこと、および、積層構造物における繊維ウェブa上に抄き上げる主濾過層調製用スラリーの量を表2に記載の主濾過層の目付になるよう調整したこと以外は、参考例3と同様にして、積層構造を有するガラスフィルタを各種調製した。
参考例1~17で調製したガラスフィルタを、以下に説明する(フィルタ性能の評価方法)へ供することで、フィルタの圧力損失(Pa)、捕集率(%)、QF値を求め表2にまとめた。
(フィルタ性能の評価方法)
試験ダクトに試験対象物(ガラスフィルタ)を設置して計数法により捕集率(%)を算出した。つまり、平面状の試験対象物(試験対象物がプリーツ形状を備えている場合には、折り曲げ形状を伸ばし平面状にする)を有効間口面積0.04mの試験ダクトのホルダーにセットした後、粒子径0.3μmのPAO粒子(ポリアルファオレフィン粒子、PAO粒子数:U)を試験対象物の上流側に供給し、面風速5.3cm/sで空気を通過させた時の、下流側における粒子径0.3μmのPAO粒子数(D)をパーティクルカウンタで測定し、次式より算出した値を捕集率(%)とした。なお、試験対象物が積層構造を有する場合には、試験対象物のうち最も平均繊維径の小さい繊維層が下流側に存在するようにして設置した。
捕集率(%)=[1-(D/U)]×100
また、圧力損失(Pa)は、上記捕集率測定時における、試験対象物の初期の圧力損失(Pa)をいう。
上述のようにして算出された圧力損失(Pa)および捕集率(%)を次式へ代入することでQF値を算出した。なお、「Ln」は自然対数を表す。
QF値=-Ln(1-捕集率[%]/100)/圧力損失[Pa]
Figure 0007117174000002
表2の結果から、参考例3~13のガラスフィルタは粒子捕集率が99%以上かつQF値(フィルタ性能)が0.0313(参考例1の市販のガラス不織布フィルタのQF値)よりも高いのに対し、参考例14~17のガラスフィルタは上述の性能を満足するものではなかった。
以上から、目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタにおいて、平均繊維径が0.50μm以下の細ガラス繊維を含有する主濾過層であることで、粒子捕集率が99%以上かつフィルタ性能に優れる(QF値が0.0313よりも高い)ガラスフィルタを提供し得ることが判明した。
(比較例1~2および実施例1~7)
水1.0L中に、ガラス繊維A、および、ガラス繊維Dあるいはガラス繊維Eを表3に記載の質量部で混合し分散させて主濾過層調製用スラリーを用意した。
参考例2で調製した積層構造物における繊維ウェブa上に、主濾過層調製用スラリーを抄き上げ脱水することで、ワイヤー-繊維ウェブa-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブの積層構造物を形成した。
積層構造物を乾燥機へ供することで分散媒である水を除去し、ワイヤーを取り除くことで、繊維ウェブa(基材)-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブ(主濾過層)の積層構造を有するガラスフィルタを調製した。
比較例1~2および実施例1~7で調製したフィルタの、圧力損失(Pa)、捕集率(%)、QF値を求め、参考例3~5の結果と共に、表3にまとめた。
Figure 0007117174000003
表3の結果から、参考例3と実施例1、4、7を比較した結果、また、参考例4と実施例2、5を比較した結果、さらに、参考例5と実施例3、6を比較した結果から、実施例のガラスフィルタの主濾過層はガラス繊維A(細ガラス繊維)よりも平均繊維径が太いガラス繊維DまたはE(太ガラス繊維)を含んでいると共に、細ガラス繊維および太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率が、40質量%よりも多いときに、QF値(フィルタ性能)が更に向上したガラスフィルタを実現できることが判明した。
一方、参考例3と比較例1、また、参考例4と比較例2を比較した結果から、比較例のガラスフィルタの主濾過層はガラス繊維A(細ガラス繊維)よりも平均繊維径が太いガラス繊維D(太ガラス繊維)を含んでいるにも関わらず、細ガラス繊維および太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率が、40質量%以下であるため、ガラスフィルタのQF値(フィルタ性能)が低下するものであった。
以上から、本発明の構成を備える主濾過層を備えたガラスフィルタによって、捕集率が高いと共に、フィルタ性能がより向上したガラスフィルタを提供できることが判明した。
(実施例8~16)
水1.0L中に、ガラス繊維A、および、ガラス繊維Dを表4に記載の質量部で混合し分散させて主濾過層調製用スラリーを用意した。
ワイヤー上に主濾過層調製用スラリーを抄き上げ脱水することで、ワイヤー上に濾過層を構成する繊維ウェブが堆積した積層構造物を形成した。
積層構造物を乾燥機へ供することで分散媒である水を除去し、ワイヤーを取り除くことで、濾過層を構成する繊維ウェブのみからなる、ガラスフィルタを調製した。
実施例8~16で調製したガラスフィルタの、圧力損失(Pa)、捕集率(%)、QF値を求め表4にまとめた。
Figure 0007117174000004
表3の結果から、本発明によって、目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタにおいて、粒子捕集率が99%以上かつフィルタ性能に優れる(QF値が0.0313よりも高い)ガラスフィルタを提供できた。
(実施例17)
水1.0L中に、ガラス繊維A、および、ガラス繊維Dを表5に記載の質量部で混合し分散させて主濾過層調製用スラリーを調製した。
参考例2で調製した積層構造物における繊維ウェブa上に、主濾過層調製用スラリーを抄き上げ脱水することで、ワイヤー-繊維ウェブa-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブの積層構造物を形成した。
調製した積層構造物における、主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブの主面上に、参考例2で調製した積層構造物を新たに積層して、ワイヤー-繊維ウェブa-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブ-繊維ウェブa-ワイヤーの積層構造物を形成した。
次いで、酢酸ビニル系樹脂バインダ分散液(分散媒:水)、フッ素系撥水剤、フッ素系界面活性剤を配合したバインダ液を用意した。
積層構造物をバインダ液中に浸漬した後、引き上げた積層構造物を乾燥機へ供することで分散媒である水を除去し、ワイヤーを取り除くことで、繊維ウェブa(基材)-主濾過層調製用スラリー由来の繊維ウェブ(主濾過層)-繊維ウェブa(基材)の積層構造を有するガラスフィルタを調製した。
なお、ガラスフィルタの構成繊維同士はバインダで接着されていた。また、バインダの固形分質量に占める酢酸ビニル系樹脂バインダ、ポリアクリル酸エステル系凝集剤(基材のみに含有されている)、フッ素系撥水剤、フッ素系界面活性剤の存在割合は表5に記載の通りであった。
(実施例18~25)
ガラスフィルタが含有するバインダの固形分質量に占める酢酸ビニル系樹脂バインダ、ポリアクリル酸エステル系凝集剤(基材のみに含有されている)、フッ素系撥水剤、フッ素系界面活性剤の存在割合を表5に記載の通りとなるよう調整したこと以外は、実施例17と同様にして、積層構造を有するガラスフィルタを調製した。
Figure 0007117174000005
表5の結果から、本発明によって、目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタにおいて、粒子捕集率が99%以上かつフィルタ性能に優れる(QF値が0.0313よりも高い)ガラスフィルタを提供できた。
また、濾過層の両主面上に同一構成の基材を備えてなる実施例17~25のガラスフィルタは、剛性が高く取り扱い性に優れていた。
そして、実施例17~25のガラスフィルタをプリーツ加工機へ供することでプリーツ形状を付与した。
・プリーツ山の高さ:60mm
・プリーツ山同士の間隔:4mm
このようにして調製したプリーツ形状に加工したガラスフィルタには、プリーツ山部分や谷部分で繊維のモモケや破損が発生していなかった。また、プリーツ山とプリーツ谷の折り目は、くっきりと付いたものであった。
更に、プリーツ形状に加工したガラスフィルタのプリーツ山間に、セパレータとしてアルミ箔を挿入した後、額縁状の枠内へ配置した。そして、フィルタと枠の接触部分をウレタン系樹脂バインダで一体化することでフィルタユニットを調製した。このようにして調製したフィルタユニットにおけるガラスフィルタには、ガラスフィルタとアルミ箔の接触部分に破損は発生していなかった。
本発明のガラスフィルタは、例えば、精密工業、電子工業、医薬工業、医療、介護福祉及びビル空調などの分野、集塵装置及び集塵設備、家庭電化製品やOA機器分野、ならびに車両や航空機などの輸送運搬分野での空気浄化及び集塵に使用されるフィルタとして使用できる。

Claims (3)

  1. 構成繊維としてガラス繊維を含有する目付が30g/m以下の主濾過層を備えたガラスフィルタであって、
    前記主濾過層は平均繊維径が0.50μm以下の細ガラス繊維と、前記細ガラス繊維よりも平均繊維径が太い太ガラス繊維を含んでおり、
    前記細ガラス繊維および前記太ガラス繊維の質量に占める細ガラス繊維の質量の百分率は、40質量%よりも多いものであり、
    前記主濾過層の両主面に、前記主濾過層の構成繊維よりも平均繊維径の大きい繊維で構成された繊維層を備えている
    ガラスフィルタ。
  2. 前記主濾過層の両主面に設けられている前記繊維層は、同一の構成を備えている、請求項1に記載のガラスフィルタ
  3. 凝集剤を備えている、請求項1又は2に記載のガラスフィルタ。
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