JP4942975B2 - 難燃性を有する除塵フィルタ用濾材とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビルディングなどの建築物や列車、自動車、航空機などの乗り物などに用いられる除塵フィルタにおいて、気体中の粉塵等の異物を濾過するために使用される難燃性を有する除塵フィルタ用濾材に関する。
近年、生活環境の変化や健康志向の高まりにより、家庭や職場などの生活空間における空気の清浄が求められている。空気中の浮遊塵を除去する方法として、除塵フィルタを用いる方法が有り、種々の除塵フィルタが大きいものでは工場の吸排気装置やビルディングのシステム空調などから、小さいものは家庭用の空気清浄機やルームエアコン、分煙機に搭載されるなど、広く普及している。
除塵フィルタは、ビルディングなどの建築物や列車、自動車、航空機などの乗り物に搭載され、このような用途では、火災の発生および延焼を防ぐために法規または業界団体の自主規制などにより難燃性が要求される場合がある。また、分煙機用、厨房機器用またはファンヒータ等の加熱暖房器具用など火や炎と接する、あるいは高温に曝されるおそれがある用途や電気装置内等で火花が及ぶおそれがあるフィルタは基本的には難燃性である事が要求されている。
しかし、難燃性を有する除塵フィルタ用濾材は、難燃性または不燃性素材を用いて作製することができるが、素材によっては燃焼後に有害ガスが出ることや集塵性、通気性または加工性などの各種性能が制約を受け、自在に調整することが困難であった。
また、既存の有機繊維の除塵フィルタ用濾材は、粉塵を機械的濾過によって捕集する濾過式フィルタ濾材と、主に静電気的な吸着力によって粉塵を捕集するエレクトレットフィルタ濾材の2種類に大別されている。
低圧力損失で集塵性の指標である捕集効率を向上させるには、吸着作用によって粉塵を捕集するエレクトレットフィルタを使用することが一般的であった。例えば、除塵性濾材と通気性濾材とを積層し、難燃剤を塗布したエレクトレットフィルタが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
一方、濾過式フィルタ濾材に難燃性を付与する方法として、ガラス繊維に自己消火性有機繊維を混抄させ、アクリル樹脂系バインダーで繊維間を接着する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。これは同時にフィルタ性能(PF値)を向上させ、濾材を低圧力損失とし、高効率化するものであった。これら自己消火性有機繊維としては、ハロゲンを分子鎖内に導入した塩化ビニル繊維、モダクリル繊維、ポリクラール繊維、難燃ビニロン繊維、PVCアセテート繊維等、燐化合物を樹脂に練りこんだ難燃繊維、分子鎖内に導入した難燃ポリエステル繊維、難燃アクリル繊維または難燃ポリノジック繊維等の無機系の難燃剤を樹脂に練りこんだ難燃繊維がある。
また、平均繊維径0.65μm以下のガラス繊維10〜50重量%に自己消火性有機繊維50〜90重量%を配合し、この基材100重量%に対し、繊維状バインダー1〜10重量%を配合する方法が提案されている(例えば特許文献3を参照。)。
特開2002−292214号公報 実公平6−22417号公報 特開平10-180020号公報
しかし、特許文献1をはじめとするエレクトレットフィルタ濾材では、有機繊維の除塵フィルタ用濾材をエレクトレットフィルタ濾材にするには、帯電させることが必要であり、高電圧の設備で帯電させるため、コストと時間がかかってしまう。また、一旦エレクトレット化したフィルタ濾材も、空気中の湿度の影響により、帯電状態が失われ、捕集効率が極端に落ちるなどの問題点があった。また、特許文献1に記載された係るフィルタユニットは積層品であるため、フィルタユニット加工時に層間剥離を起こす等の問題が有る。
また、近年では塩素化合物等のハロゲン系化合物は焼却の際、有害なダイオキシン類を発生させる可能性があることから、脱ハロゲン化の市場要望が強まっている。特許文献2又は特許文献3をはじめとする濾過式フィルタ濾材で使用しているハロゲン系自己消火性有機繊維は、有害なダイオキシンを発生する。そこで、特許文献2又は特許文献3の濾過式フィルタ濾材で使用しているハロゲン系自己消火性有機繊維を使用せずに濾材を作る必要が出てきた。
また、特許文献2の濾過式フィルタ濾材で使用している燐系自己消火性有機繊維や無機系自己消火性有機繊維は、ハロゲン系自己消火性有機繊維に比べ難燃性が弱く、特に燐系はガラス繊維の配合により燃焼の際の炭化層形成が阻害され、難燃性を失う場合が有り、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法による燃焼性の区分3を満足させる難燃性を得るためには不十分であった。
さらに、本発明者らの実験によると、濾過式フィルタ濾材では、難燃性と粉塵の高捕集効率を得るために難燃性であるガラス繊維等の無機繊維を配合して濾材を作製するが、驚くべきことに、無機繊維が10質量%より多く配合されるとその無機繊維が核となり、濾材全体に配合した無機繊維を通じて炎が走り、難燃性を失うといった問題点があることがわかった。
従って、本発明の課題は、使用される雰囲気に左右されずに使用でき、且つ、難燃剤の添加の有無に関らず、所定レベルの難燃性を有する濾過式の除塵フィルタ用濾材とその製造方法を提供することである。
本発明に係る難燃性を有する除塵フィルタ用濾材は、濾材の繊維として、平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は該ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維を混合したガラス繊維混合物が0.1〜7.0質量%と、有機系繊維が99.9〜93.0質量%とが配合されてなり、前記有機系繊維は、ポリエステル繊維であり、且つ、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有せず、且つ、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有することを特徴とする。前記有機系繊維が、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有しないことによって、フィルタ濾材の焼却時に有害物質が発生することがない。また、本発明は自己消火性有機繊維を含有させなくても、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有する。
本発明に係る難燃性を有する除塵フィルタ用濾材では、前記有機系繊維の一部又は全部が繊維状バインダーであることが好ましい。ここで繊維状バインダーはフィルタ濾材の繊維の一部を構成する。これにより、無機繊維が核となって濾材全体に配合した無機繊維を通じて炎が走り、難燃性が失われるという現象を繊維状バインダー自体が無機繊維同士の接触を減らすことで抑制し、また、この繊維状バインダーが濾材の繊維の一部を構成するために、捕集効率が高まる。
本発明に係る難燃性を有する除塵フィルタ用濾材の製造方法は、平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は該ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維を混合したガラス繊維混合物と、有機系主体繊維及び繊維状バインダー、又は、有機系主体繊維及び粉状バインダー、又は、有機系主体繊維、繊維状バインダー及び粉状バインダー、又は、繊維状バインダー、とを少なくとも含有する原料スラリーを調製する工程と、該原料スラリーを用いて湿式抄紙法で抄紙を形成する工程と、該抄紙を乾燥する工程と、を有し、濾材の繊維として、前記平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は前記ガラス繊維混合物が0.1〜7.0質量%と、前記有機系主体繊維及び前記繊維状バインダーを合わせた有機系繊維が99.9〜93.0質量%とが配合されてなり、前記有機系繊維は、ポリエステル繊維であり、且つ、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有せず、
且つ、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有する除塵フィルタ用濾材を得ることを特徴とする。
本発明に係る除塵フィルタ用濾材は、使用される雰囲気に左右されずに使用でき、且つ、難燃剤の添加の有無に関らず、所定レベルの難燃性を有している。このような除塵フィルタ用濾材は、ビルなどの建築物や列車、自動車、航空機などの乗り物に搭載されるなど防火を必要とする場合、および分煙機用や厨房機器用など火や炎、火花と接触する、あるいは高温で曝される危険性のある場合等、難燃性が求められる各種用途における除塵フィルタ用濾材として特に有用である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
本実施形態に係る難燃性を有する除塵フィルタ用濾材は、濾材の繊維として、平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は該ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維を混合したガラス繊維混合物が0.1〜7.0質量%と、有機系繊維が99.9〜93.0質量%とが配合されてなり、前記有機系繊維は、ポリエステル繊維であり、且つ、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有せず、且つ、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有する。
本実施形態で使用されるガラス繊維は、火焔延伸法やロータリー法で製造されるウール状のガラス繊維であり、濾材の圧力損失を所定の値に保ち、適正な捕集効率とするための必須成分である。繊維径が細くなるほど捕集効率は高くなるため、平均繊維径3.0μm以下の極細ガラス繊維を配合する必要がある。しかし、繊維径が細いガラス繊維を使用すると、濾材自体の圧力損失が高くなりすぎる。このため、平均繊維径0.3μm以上の極細ガラス繊維を使用することが好ましいが、それ未満の平均繊維径を有する極細ガラス繊維の使用を制限するものではない。適正な圧力損失を得るためには、適正な繊維径のガラス繊維を選択することが必要である。なお、数種類の繊維径のガラス繊維を配合することはなんら問題ない。すなわち、本実施形態で使用されるガラス繊維として、平均繊維径3.0μm以下の極細ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維、例えば、平均繊維径が3.0μmより大きいガラス繊維を混合したガラス繊維混合物を用いても良い。
ガラス繊維の配合率は、0.1〜7.0質量%が適当であり、0.5〜7.0質量%がより好ましい。0.1質量%よりも少ない場合は、ガラス繊維の絶対量が不足するため、捕集効率を低下させてしまう。また、7.0質量%よりも多い場合、除塵フィルタ用濾材は、捕集効率については満足するものができるが、難燃性が低下し、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法での燃焼性の区分3を満足する難燃性を有することができなくなる。この難燃性の低下は、主として、無機繊維が核となって濾材全体に配合した無機繊維を通じて炎が走り、難燃性が失われることにより生ずる。有機系繊維が無機繊維同士の接触箇所を減らすことで、難燃剤の添加の有無にかかわらず、燃焼性の区分3を満足させることができる。
なお、濾材の難燃性については、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法(45°ミクロバーナー法)で、濾材の面を45°傾斜させた下方から、ミクロバーナーで1分間加熱した後の炭化面積が30cm以下、炭化距離20cm以下、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下、又は、1分間加熱中に着炎するものについては、ミクロバーナーで着火3秒加熱した後の炭化面積が30cm以下、炭化距離20cm以下、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下を満たしていれば、前記規格に基づく等級が「燃焼性の区分3」であり、難燃性の良好な濾材としてみなすことができる。
また、本実施形態で使用される有機系繊維は、有機系主体繊維と繊維状バインダーの2種類に大別される。
有機系主体繊維は、ポリエステル繊維の耐熱性繊維である。除塵フィルタ用濾材がJIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法での燃焼性の区分3を満足させる難燃性を有し、且つ、所望の濾材性能を満足するように選択されることが必要である。ただし、有機系主体繊維は、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維でないことが好ましい。フィルタ濾材の焼却時に有害物質が発生することがない。
次にガラス繊維と有機系主体繊維は、それ自体に接着性が無いので、濾材の強度保持のために、有機系繊維の一部として、繊維状バインダーが付与されることが好ましい。あるいは、前記有機系主体繊維を配合する代わりに、有機系繊維の全部を繊維状バインダーとしても良い。繊維状バインダーはフィルタ濾材の繊維の一部を構成する。これにより、無機繊維が核となって濾材全体に配合した無機繊維を通じて炎が走り、難燃性が失われるという現象を繊維状バインダー自体が無機繊維同士の接触を減らすことで抑制し、また、この繊維状バインダーが濾材の繊維の一部を構成するために、捕集効率が高まる。
また、濾材の強度保持のために、繊維状バインダーを配合せずに、有機系繊維として有機系主体繊維とバインダーとして粉状バインダーを配合しても良い。この場合、粉状バインダーは、ガラス繊維同士、有機主体繊維同士又はガラス繊維と有機主体繊維とをそれぞれ接着する。あるいは、有機系主体繊維と繊維状バインダーと粉状バインダーとを配合して使用しても良い。
繊維状バインダーとしては、芯鞘タイプ(コアシェルタイプ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイプ)が挙げられるが、これに限定されるものではない。繊維状バインダーとしては、ポリエステル繊維(芯鞘繊維)が好ましい。繊維状バインダーは、難燃剤を含有しているものを使用しても何ら問題はない。繊維状バインダーを起点として燃焼することをより抑制することができる。ここで含有される難燃剤は、ハロゲン系又は燐系の難燃剤でないことが好ましい。
粉状バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエステルなどが挙げられる。また、粉状バインダーは、基材100質量%に対し配合する。限定するものではないが、粉状バインダーを添加する場合、例えば1〜5質量%である。
これらの有機系主体繊維と繊維状バインダーの使用は、濾材の性能要求により有機系主体繊維と繊維状バインダーの繊維比率を変更して使用する。
また、難燃性や濾材適性に支障の無い範囲で、合成樹脂系液体バインダー、難燃剤、撥水剤、撥油剤などの薬剤を単独、あるいは混合して塗布することはなんら問題ない。
合成樹脂系バインダーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンブタジエンラバー系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、固体状のものと液状のものが有り、トリフェニルホスフェート系の非ハロゲン系燐酸エステルなどの燐酸系難燃剤、三酸化アンチモンなどのアンチモン酸化物、水酸化アルミニウムまたはスルファミン酸グアニジンなどの無機系難燃剤などが挙げられる。
撥水剤、撥油剤としては、フッ素系、シリコーン系、ワックス系などが挙げられる。
本実施形態に係る難燃性を有する除塵フィルタ用濾材は、濾材の繊維として、ガラス繊維と有機系繊維とが配合されてなるが、本発明の作用効果を奏する範囲において、無機繊維等の他の繊維が含有されていても差し支えない。
本実施形態に係る除塵フィルタ用濾材は、以下のように製造される。まず、ガラス繊維と有機系繊維である有機系主体繊維と繊維状バインダーの原料繊維を水中でパルパー等を用いて離解、分散させ、原料スラリーとする。これに粉状バインダーを添加しても良い。なお、スラリーに分散させる組み合わせはこれに限られず、ガラス繊維と繊維状バインダーの組み合わせ、ガラス繊維と有機系主体繊維と粉状バインダーの組み合わせとしても良い。
ここで、ガラス繊維の分散性を向上するために硫酸や塩酸などを添加してpHを2〜4にすることはなんら問題ない。また、固体状の難燃剤を使用する場合は、この離解、分散工程で、原料スラリーと混合される、いわゆる内添法で使用することが必要である。
この原料スラリーを抄紙機において抄紙し、湿紙を形成させる。合成樹脂系液状バインダーや液状の難燃剤、撥水剤、撥油剤などは、前述の内添法、あるいは湿紙を形成後、一旦乾燥したシートにバインダーを付与する方法(以下、外添法)などがあり、製造装置の使用に応じて選択することができる。なお、外添法としては、バインダー液をシートに対して浸漬して付与する方法、シートに対して塗布や霧吹きすることにより付与する方法などが挙げられる。
以上の処理を施した後、熱風乾燥機やロータリードライヤー等を用いてシートを乾燥し、除塵フィルタ用濾材を得る。乾燥の際に、バインダーが繊維同士を接着する。このときの乾燥温度としては、例えば110〜140℃とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
有機系主体繊維の繊維径1.7Dtex(デシテックス)、繊維長5mmのポリエステル繊維(テピルス(登録商標)、帝人製)60質量%、有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)35質量%、平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維5質量%を配合し、濃度0.5質量%で中性にてパルパーで離解した。次いで手抄筒を用いて抄紙して湿紙を得た。この湿紙を130℃のドライヤーで乾燥し、目付質量70g/mの濾材を得た。
(実施例2)
実施例1において、乾燥前の湿紙状態に固形分濃度0.1質量%の撥水剤(ライトガードFRG−1:共栄社化学製)水溶液で含浸処理した以外は実施例1と同様にして、目付質量70g/mの濾材を得た。
(実施例3)
有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)95質量%、平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維5質量%を配合し、濃度0.5質量%で中性にてパルパーで離解した。次いで手抄筒を用いて抄紙して湿紙を得た。この湿紙を130℃のドライヤーで乾燥し、目付質量70g/mの濾材を得た。
(実施例4)
有機系主体繊維の繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(テピルス(登録商標)、帝人製)60質量%、有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)35質量%、平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維5質量%を配合し、さらにこれら100質量%に対して粉状バインダー(ポリビニルアルコール デンカポバールK−17C 電気化学工業製)2質量%を配合した以外は、実施例1と同様にして、目付質量70g/mの濾材を得た。
(比較例1)
実施例1の原料配合において、有機系主体繊維の繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(テピルス(登録商標)、帝人製)を65質量%に、また、有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)を35質量%に配合した以外は実施例1と同様にして、目付質量70g/mの濾材を得た。
(比較例2)
実施例1の原料配合において、有機系主体繊維の繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(テピルス(登録商標)、帝人製)を50質量%に、また、有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)を35質量%に、また、平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維を15質量%に配合した以外は実施例1と同様にして、目付質量70g/mの濾材を得た。
(比較例3)
有機系主体繊維の繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(テピルス(登録商標)、帝人製)を60質量%、有機系繊維状バインダーの繊維径1.7Dtex、繊維長5mmのポリエステル繊維(エステル4080 芯鞘繊維 ユニチカ製)を35質量%、平均繊維径6.0μmのガラス繊維を5質量%配合し、濃度0.5質量%で中性にてパルパーで離解した。次いで手抄筒を用いて抄紙して湿紙を得た。この湿紙を130℃のドライヤーで乾燥し、目付質量70g/mの濾材を得た。
各実施例及び各比較例の分析は下記の方法で行った。難燃性は、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に基づき試験を行い、燃焼性の区分3(濾材の面を45°傾斜させた下方から、ミクロバーナーで1分間加熱した後の炭化面積が30cm以下、炭化距離20cm以下、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下、又は、1分間加熱中に着炎するものについては、ミクロバーナーで着火3秒加熱した後の炭化面積が30cm以下、炭化距離20cm以下、残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下)に適合したものを○、しないものを×とした。圧力損失は、有効面積100cmの濾紙に面風速5.3cm/sで通過させたときの差圧を、マノメーターを用いて測定した。DOP捕集効率は、ラスキンノズルで発生させた多分散DOP粒子を含む空気を有効面積100cmの濾紙に面風速5.3cm/sで通過させ、このときのDOP捕集効率を、レーザーパーティクルカウンターを用いて測定した。なお、対象粒径は0.3μmとした。
各実施例及び各比較例について、濾材の繊維の配合、撥水剤の有無、繊維及び分析結果を表1に示した。

Figure 0004942975
実施例1〜実施例4の除塵フィルタ用濾紙は、難燃性、圧力損失及びDOP捕集効率のいずれも良好であった。それに対して比較例1は、難燃性は良好であったが、ガラス繊維が含有されていないため、圧力損失が低く、DOP捕集効率が低く、劣る結果となった。また比較例2は、ガラス繊維の含有量が多いため、圧力損失は高く、DOP捕集効率も高く、良好であったが、その一方で、難燃性が燃焼性の区分3に満たないものであった。また、比較例3は、ガラス繊維の繊維径が3μmより大きいため、難燃性は良好であったが、圧力損失が低く、DOP捕集効率も低く、劣る結果となった。なお、実施例1〜実施例4のいずれも湿度等の使用環境に左右されず、フィルタ性能を発揮することが確認できた。

Claims (3)

  1. 濾材の繊維として、平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は該ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維を混合したガラス繊維混合物が0.1〜7.0質量%と、有機系繊維が99.9〜93.0質量%とが配合されてなり、
    前記有機系繊維は、ポリエステル繊維であり、且つ、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有せず、
    且つ、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有することを特徴とする難燃性を有する除塵フィルタ用濾材。
  2. 前記有機系繊維の一部又は全部が繊維状バインダーであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性を有する除塵フィルタ用濾材。
  3. 平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は該ガラス繊維を主とし、異なる平均繊維径のガラス繊維を混合したガラス繊維混合物と、有機系主体繊維及び繊維状バインダー、又は、有機系主体繊維及び粉状バインダー、又は、有機系主体繊維、繊維状バインダー及び粉状バインダー、又は、繊維状バインダー、とを少なくとも含有する原料スラリーを調製する工程と、
    該原料スラリーを用いて湿式抄紙法で抄紙を形成する工程と、
    該抄紙を乾燥する工程と、を有し、
    濾材の繊維として、前記平均繊維径3.0μm以下のガラス繊維又は前記ガラス繊維混合物が0.1〜7.0質量%と、前記有機系主体繊維及び前記繊維状バインダーを合わせた有機系繊維が99.9〜93.0質量%とが配合されてなり、
    前記有機系繊維は、ポリエステル繊維であり、且つ、ハロゲン系又は燐系の自己消火性有機繊維を含有せず、
    且つ、JIS L 1091:1999「繊維製品の燃焼性試験方法」A−1法に記載されている方法で、燃焼性の区分3を満足する難燃性を有する除塵フィルタ用濾材を得ることを特徴とする難燃性を有する除塵フィルタ用濾材の製造方法。
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