JP4063484B2 - ショーケースの本体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ショーケースの本体構造に関し、更に詳細には、ケース本体における下部の前側に一対の固定脚を配設すると共に後側に一対のキャスタを配設し、前記固定脚を設置床面から浮かすことでキャスタを介して移動可能に構成されたショーケースの本体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や飲料品等の被保存物を冷蔵して保存するショーケースが、ショッピングセンタやコンビニエンスストア等に設置されている。このショーケースにおけるケース本体には、内箱と外箱とで画成される空間部分に断熱材を充填した断熱箱体が配設されると共に、該断熱箱体の下方に、圧縮機、凝縮器および電装盤等からなる冷却ユニットを収納する機械室が画成されている。そして、冷却ユニットの冷却運転を開始することで、前記断熱箱体の所要位置に配設した冷却器を介して熱交換した冷気が、該断熱箱体に内部画成した収納室を循環して、該収納室内が所定温度にまで冷却されるようになっている。
【0003】
前記ショーケースでは、そのケース本体におけるベース下面の4つのコーナー部の夫々にキャスタを配設することで、該ショーケースの設置等に際して移動を容易にするよう構成されている。しかし、この構成ではショーケースを所定位置に設置した状態での移動を阻止するためのストッパ脚が別途必要となり、製造コストが嵩む問題がある。そこで、ベースにおける前側あるいは後側の2つのコーナー部にのみキャスタを配設し、他の2つのコーナー部には固定脚を配設することが行なわれている。この構成のショーケースでは、キャスタを支点としてケース本体を傾動して固定脚を設置床面から浮かせることで、該ケース本体を移動することができると共に、固定脚を設置床面に着地させればストッパとして機能する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
全高を抑えた小型タイプのショーケースでは、前記収納室の容積を減少させることなく機械室の容積を充分に確保するために、前記ベースにおけるキャスタが配設されるキャスタ取付部以外の部位を、設置床面に近接する位置まで下げる構成が採られている。この場合、キャスタが配設される後側のベース下端部が、キャスタの上端から所定長さで垂下して設置床面との隙間が小さくなるため、該キャスタを支点としてケース本体を傾動させると、ベースの後側下端部が設置床面に当ってしまい、固定脚を設置床面から浮かすことができなくなる問題があった。すなわち、ベースの下げる長さを短かく設定しなければならず、その分だけ収納室や機械室の容積が減少したり、あるいはショーケースの全高が高くなる難点がある。なお、キャスタ自体を小型化することで、全高を抑えたまま機械室容積を確保することも考えられるが、小型のキャスタでは耐荷重が小さく、またベースの後側下端部と設置床面との隙間も小さくなるから、前述した問題を解消することはできない。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、ケース本体の下面と設置床面との隙間を小さくしても、キャスタを支点としてケース本体を傾動して固定脚を設置床面から浮かすことができるショーケースの本体構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るショーケースの本体構造は、
ケース本体の下部における前側左右または後側左右にキャスタが配設されると共に、該キャスタが配設されない後側左右または前側左右に固定脚が配設され、該固定脚を設置床面から浮かすことで移動可能なショーケースにおいて、
前記ケース本体の下部を構成して機械室を画成するベースにおける水平な底板の左右両側から立上がる両側板の上端縁に、外方に向けて水平に延出するキャスタ取付板が形成され、
前記キャスタ取付板に前記固定脚およびキャスタが垂設され
前記キャスタが配設される前または後側のケース本体下端部が該キャスタの上端より下方に延在し、この下端部が前記キャスタに向けて下方傾斜していることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るショーケースの本体構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図1および図2に示すように、実施例に係るショーケース10は、内箱12と外箱14との間にウレタン等の発泡断熱材16を充填してなる断熱箱体18と、該箱体18が載置されるシャーシ20とを組み合わせたケース本体22から基本的に構成される。またシャーシ20の内部に画成される機械室24には、圧縮機26や凝縮器28およびこれらを制御するための各種電装品を収納した電装箱等を備える冷却ユニット30が配設されている。なお機械室24の下部には、左右の固定脚46(後述)と干渉しない位置に、機械室24等で発生する結露水や除霜水等を集水するドレンパン32が、ケース本体22の前側から出し入れ可能に配置されている。
【0008】
また前記断熱箱体18の内部下方には、図1に示すように、冷却室34が画成されており、この冷却室34の内部に前記冷却ユニット30を構成する冷却器36や冷気循環用のファンモータ37が配設され、該ファンモータ37の回転により送給される冷気によって断熱箱体18の内部に画成した収納室38を冷却するよう構成されている。更に収納室38の内部には、略水平に配設した棚部材40が上下方向に所要間隔離間して適宜数配設され、該棚部材40に被保存物が載置されるようになっている。なお符号42は、断熱箱体18の開口部18aを開閉する扉を示す。
【0009】
前記シャーシ20は、ケース本体22の下部を構成して前記機械室24を画成するトレイ状のベース44を備え、該ベース44における水平な底板44aの左右両側から立上がる両側板44c,44cの上端縁には、図3に示す如く、所定幅寸法で外方に向けて水平に延出するよう折曲されたキャスタ取付板44bが夫々形成されている。そして、各キャスタ取付板44bの前側に固定脚46が垂設されると共に、後側にキャスタ48が垂設される。すなわち、ベース44(ケース本体22の下部)には、前側における左右両側に固定脚46が夫々配設されると共に、後側の左右両側に固定脚46と高さを略同一にしたキャスタ48が夫々配設され、ケース本体22は固定脚46,46およびキャスタ48,48が設置床面に接した状態で設置される。
【0010】
前記ベース44の後板(ケース本体下端部)44dは、前記キャスタ取付板44bに配設されたキャスタ48の上端より下方に延在すると共に、その上方から下方に向かうにつれて該キャスタ48に向けて下方傾斜するよう構成される。これにより、キャスタ48を支点としてケース本体22を、前記固定脚46を設置床面から浮く方向(後方)に傾動した場合に、該後板44dの下端が設置床面に当たるのが防止されるようになっている。
【0011】
前記ベース44における一方の側板44cには、前記凝縮器28を空冷する外気を取入れるための吸気口50が開設され、また他方の側板44cには、該吸気口50と対応する排気口52が開設されている。吸気口50および排気口52は、前記キャスタ取付板44b,44bの延出分だけショーケース10の側面部10aよりも内側に位置しており、各側面部10aを壁面等に当接した状態であっても、外気の吸排気がスムーズになされるよう構成されている。なお、壁面と側板44cとで画成される空間は、ショーケース10の図示しない電源コードの配設スペースとしても利用し得るようになっている。
【0012】
【実施例の作用】
次に、前述した実施例に係るショーケースの本体構造の作用につき説明する。前記ショーケース10では、ベース44のキャスタ48が配設される後側に位置する後板44dは、キャスタ48に向けて所定角度で下方傾斜している。従ってショーケース10を移動させる際に、図4に示すように、前記キャスタ48を支点として、ケース本体22を後方に傾動させても後板44dの下端が設置床面に当接することなく、前側に配設されている固定脚46を設置床面から浮かすことができ、キャスタ48による移動を支障なく行ない得る。すなわち、底板44aの下面と設置床面との隙間を小さくすることができ、前記収納室38や機械室24の容積を充分に確保したもとで、ショーケース10の全高を低く抑えることができる。またキャスタ取付板44dは底板44aの下面から所定高さだけ上方に位置しているから、キャスタ48として大型で強度の高いものを使用することができる。なお、固定脚46は設置床面に着地した状態でストッパとして機能するから、別途ストッパ脚を設ける必要はない。
【0013】
またベース44の底板44aに対して前記キャスタ取付板44bが外方に延出しており、前記吸気口50および排気口52が形成される側板44c,44cの外方には、該キャスタ取付板44bの延出分の空間が画成されるから、両口50,52が壁等で塞がれることなく、機械室24に対する吸排気等をスムーズに行なうことができる。
【0014】
なお実施例では、ベースの後側にキャスタを配設した場合で説明したが、該ベースの前側にキャスタを配設すると共に後側に固定脚を配設した構成においては、ベースの前板をキャスタに向けて下方傾斜させるようにすればよい。また実施例では、前記収納室を冷却するショーケースを例に挙げたが、該ショーケースとしては収納室を加温する形式のものや、収納室を冷却も加温もしない形式であってもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るショーケースの本体構造では、ケース本体の下部におけるキャスタが配設される前側または後側の下端部を傾斜させたので、該ケース本体の下面と設置床面との隙間を小さくしても、該下端部が設置床面に当接することなくケース本体をキャスタを支点として固定脚を設置床面から浮かせる方向に傾動することができる。従って、ショーケースに内部画成される収納室や機械室の容積を充分に確保したもとで、該ショーケースの全高を低く抑えることができる。また、キャスタ取付板は底板の下面から所定高さだけ上方に位置しているから、キャスタとして大型で強度の高いものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に係る本体構造を採用したショーケースの縦断側面図である。
【図2】 実施例に係る本体構造を採用したショーケースを示す正面図である。
【図3】 実施例に係るベースを示ものであって、(a)は平面図および左右両側面図であり、(b)は正面図である。
【図4】 実施例に係るショーケースの傾動状態図である。
【符号の説明】
22 ケース本体,44d 後板(ケース本体下端部),46 固定脚
48 キャスタ

Claims (1)

  1. ケース本体(22)の下部における前側左右または後側左右にキャスタ(48)が配設されると共に、該キャスタ(48)が配設されない後側左右または前側左右に固定脚(46)が配設され、該固定脚(46)を設置床面から浮かすことで移動可能なショーケースにおいて、
    前記ケース本体 (22) の下部を構成して機械室 (24) を画成するベース (44) における水平な底板 (44a) の左右両側から立上がる両側板 (44c,44c) の上端縁に、外方に向けて水平に延出するキャスタ取付板 (44b,44b) が形成され、
    前記キャスタ取付板 (44b,44b) に前記固定脚 (46) およびキャスタ (48) が垂設され
    前記キャスタ(48)が配設される前または後側のケース本体下端部(44d)が該キャスタ(48)の上端より下方に延在し、この下端部(44d)が前記キャスタ(48)に向けて下方傾斜している
    ことを特徴とするショーケースの本体構造。
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