JP4062193B2 - 自動伴奏再生位置検出装置、自動伴奏装置及び自動伴奏再生位置検出プログラム並びに自動伴奏制御プログラム - Google Patents

自動伴奏再生位置検出装置、自動伴奏装置及び自動伴奏再生位置検出プログラム並びに自動伴奏制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器などにおいて伴奏スタイルデータを用いて自動伴奏を行うのに適した自動伴奏再生位置検出装置、自動伴奏装置及びコンピュータに実行させるための自動伴奏再生位置検出プログラム並びに自動伴奏制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子楽器やシーケンサなどにおいて、曲データに自動伴奏を付加して再生する際に伴奏スタイルデータを使用している。伴奏スタイルデータは、バッキングパート、ベースパート、ドラムパートなどの複数のパートそれぞれについて、音高や発音タイミングの情報から成る伴奏パターンデータを記憶しており、伴奏パターンデータ中の各データを、所定のテンポに従ってメモリから読み出し、その時点での和音情報に合うように音高変換して自動伴奏音を生成する。
【0003】
また、特許第3208799号公報には、電子楽器等で自動伴奏を開始する技術として、シンクロ待機でないときは、スイッチなどをユーザが操作すると選択されている伴奏スタイルデータによる自動伴奏を直ぐに開始し、シンクロ待機のときは、鍵盤で押鍵操作がなされると、すなわち最初のノート情報が入力されると、選択されている伴奏スタイルデータによる自動伴奏を直ぐに開始する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3208799号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、伴奏スタイルデータによる自動伴奏を開始するために、ユーザ自身がスイッチなどを操作する場合は、適切な位置から自動伴奏を開始させることができるが、スイッチを操作するタイミングをうまく取らなければならない。また、ユーザがメロディ部分も合わせて演奏する状態であるとすると、操作が増えてしまい、特に初心者にとっては難しい操作となる。一方、最初のノート情報で自動伴奏を開始する場合は、ユーザの操作に対しては問題はなくなるが、例えばアウフタクトの曲の場合、まだ伴奏を行って欲しくない部分から自動伴奏が付加されてしまうという状況が起こりうる。
【0006】
本発明は、自動伴奏を行う際に特別な操作を必要としないで、曲データに適した位置から自動伴奏を開始できるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の自動伴奏再生位置検出装置は、曲データを分析して曲データに適した伴奏再生開始位置を検出し、この検出した伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始できるように、例えば曲データとともに伴奏再生開始位置を記憶して設定しておく。そして、曲データの再生時に伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始することができる。
【0008】
請求項2の自動伴奏再生位置検出装置は、請求項1に加えて、曲データの分析により伴奏再生終了位置も検出する。そして、この伴奏再生終了位置で自動伴奏を停止できるように、例えば曲データとともに伴奏再生終了位置を記憶して設定しておき、曲データの再生時に伴奏再生終了位置に基づいて自動伴奏を停止する。
【0009】
なお、曲データの再生に対応して伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始できるように設定する位置設定手段(請求項1,請求項2)、検出した伴奏再生終了位置で自動伴奏を停止できるように設定する位置設定手段(請求項2)は、曲データと、伴奏再生開始位置及び伴奏再生終了位置とを対応付けて記憶しておくものでもよく、再生時にこの対応関係から伴奏再生開始位置や伴奏再生終了位置を認識できる。
【0010】
請求項3の自動伴奏再生位置検出装置は、請求項1または請求項2において、和音情報に基づいて、最初のコードイベントの出現位置に応じて伴奏再生開始位置を検出する。なお、この明細書において「和音」を適宜「コード」とも表記する。例えば、コードはイントロ(イントロダクション)直後の楽曲の主題部分から決定することが多いので、この最初のコードイベントの出現位置(コードの頭)を伴奏再生開始位置とすると曲データに適した伴奏開始位置となる。
【0011】
請求項4の自動伴奏再生位置検出装置は、請求項1または請求項2において、メロディがアウフタクト(弱起)で始まるかどうかを検出する。アウフタクトで始まれば、最初のノートイベントを含む小節の次の小節の頭を伴奏再生開始位置とする。なお、曲データにイントロが含まれていてそのイントロ後にアウフタクトで始まる場合は、イントロ部分のノートイベントは上記最初のノートイベントとはしない。
【0012】
請求項5の自動伴奏装置は、請求項1、2、3、または4と同様に伴奏再生開始位置を検出して伴奏再生開始位置を設定し、この設定された伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始するので、曲データに適した位置から自動伴奏を開始することができる。
【0013】
請求項6の自動伴奏再生位置検出プログラムまたは請求項7の自動伴奏制御プログラムを電子楽器やコンピュータに実行させることにより、請求項1と同様な作用効果が得られる。
【0014】
なお、請求項3の開始位置検出手段、請求項4の開始位置検出手段を、それぞれ切換選択できるようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1は本発明を適用した電子楽器のハード構成ブロック図であり、CPU1はROM2に格納されている制御プログラムに基づいてRAM3のワーキングエリアを使用して電子楽器全体の制御を行う。通常の電子楽器の基本的な機能として、CPU1は入力操作部4の鍵盤等の操作イベントを検出してマニュアル演奏の制御を行う。また、入力操作部4のパネル操作子等の操作イベントを検出し各種操作子の操作に応じた処理を行う。また、CPU1は表示部5を介してディスプレイ6における表示の制御を行う。
【0016】
音源7は複数の音源チャンネルで時分割多重処理を行って複数音を実質的に同時発音可能としたものであり、CPU1から各音源チャンネル毎にキーコード、音色データ、音量データなどが設定され、各音源チャンネル毎に楽音信号をサウンドシステム8に出力する。そして、サウンドシステム8は楽音信号のD/A変換や増幅等を行ってスピーカー等で発音する。
【0017】
外部記憶装置9はハードディスク装置(HDD)、フロッピィ(商標)ディスク装置(FDD)、CD−ROM装置、光磁気ディスク(MO)装置、デジタル多目的ディスク(DVD)装置等であり、例えばこの外部記憶装置9から本発明の自動伴奏再生位置検出プログラム、曲データ、自動伴奏の伴奏スタイルデータを供給したり、各種データを保存するために用いられる。なお、プリセットの伴奏スタイルデータやデモの曲データはROM2に記憶されている。
【0018】
さらに、通信インターフェース(I/F)10を介して他のMIDI機器などの外部機器11との間で各種データの授受を行う。そして、例えば曲や伴奏の再生時の各種楽音制御データをMIDIデータとして出力して、外部機器11で再生することもできる。また、外部機器11から曲データや伴奏スタイルデータを供給することもできる。
【0019】
なお、この実施形態では、自動伴奏再生位置検出プログラムを含む実施形態の自動伴奏制御プログラム、曲データ及びプリセット以外の伴奏スタイルデータは外部記憶装置10のハードディスク装置(HDD)に記憶されており、CPU1は、このハードディスク装置の自動伴奏制御プログラムをRAM3に展開し、このRAM3のプログラムに基づいて自動伴奏の動作を制御する。
【0020】
図2は実施形態における曲データのフォーマットの一例を示す図である。曲データは、例えばSMF(スタンダードMIDIファイル)あるいはそれに準じた形式であり、ヘッダ、メロディトラック及びマスタートラックで構成されている。ヘッダには、曲名、その曲のジャンルや曲風に応じたスタイルに対応する伴奏スタイル名、曲の長さなどが記録されている。また、メロディトラックにはメロディの演奏データが記録され、マスタートラックには、コード進行、拍子、テンポ、調性などが記録されている。メロディトラックには、曲の長さに応じた演奏データとしてノートデータとその発生タイミングを表すタイミングデータを再生順に記憶している。マスタートラックのコード進行は、コードイベントとして、和音の種類と和音の根音を和音の開始(または切換)タイミングを示すタイミングデータとともに順次記憶している。上記の各タイミングデータは、イベント(例えばノートデータ)の曲内でのロケーションのデータでり、例えば、そのイベントが、何小節目(メジャ)の何拍目(ビート)の何クロック目(クロック)であるかを示すデータである。なお、曲データは、コード進行(あるいはコードトラック)を含まない場合もある。また、伴奏スタイル名や調性もふくまない場合もある。
【0021】
図3は実施形態における伴奏スタイルデータのフォーマットの一例を示す図であり、伴奏スタイルデータは各種スタイルに応じて複数スタイル分のデータがある。各伴奏スタイルデータは、伴奏スタイル名、拍子、テンポなどから成るヘッダと、「イントロA」「メインA」「エンディングA」のように伴奏パターンにバリエーションを持たせる複数のセクションのデータで構成されている。各セクションのデータは、セクション名、小節数、各パート(トラック)の設定情報などから成る設定情報と、実際の伴奏データの元になるノートデータを含むパターンデータとで構成されている。例えば、パターンデータは、複数のパートに対応するトラックパターンデータで構成され、各トラックパターンデータは、各トラックの音色を指定する音色データや、例えば1〜2小節長の演奏データとして、ノートデータとその発生タイミングを表すタイミングデータを再生順に記憶している。このタイミングデータも上記曲データと同様に伴奏パターン内でのロケーションのデータである。
【0022】
この実施形態では次のような処理を行う。自動伴奏再生位置検出プログラムにより、曲データを分析して伴奏開始位置と伴奏終了位置を検出する。なお、この伴奏開始位置と伴奏終了位置の間で伴奏を行うので、この両方の位置及びその間を「伴奏再生位置情報」という。そして、この伴奏再生位置情報を曲データのマスタートラックに保存する。なお、伴奏再生位置情報はヘッダに保存してもよい。次に、自動伴奏制御プログラムにより上記曲データを再生すると、曲データによるメロディ等の再生と同時にマスタートラックの伴奏再生位置情報に基づいて自動伴奏を行う。また、この自動伴奏制御プログラムでは、曲データ(そのマスタートラック)に伴奏再生位置情報がないときは、自動伴奏再生位置検出プログラムと同様な処理で伴奏再生位置情報を検出する。この場合は、この検出した伴奏再生位置情報に基づいて自動伴奏を行うが、検出した伴奏再生位置情報を曲データと共に保存するか否かはモードを指定することにより選択する。
【0023】
図4は自動伴奏再生位置検出プログラムの要部フローチャート、図5は自動伴奏制御プログラムの要部フローチャートであり、各フローチャートの処理は図示しないメインルーチンで指定されたモードに応じて実行される。図4の自動伴奏再生位置検出プログラムの処理は、ステップS1,S2で曲データを用意して伴奏再生開始位置を検出する方法を選択する。検出方法は、コード進行から伴奏再生開始位置を検出する「コード」モード、曲データ中のメロディのアウフタクトを考慮して伴奏再生開始位置を検出する「アウフタクト」モード、ユーザの入力位置などを伴奏再生開始位置とする「その他」モードがある。なお、このモードは入力操作部4のスイッチ操作等により設定する。この例では「コード」モードか「アウフタクト」モードかを選択できるようにしているが、デフォルトとしてどちらかに固定されていてもよい。
【0024】
検出方法が「コード」モードであれば、ステップS3→S4→S5→S6→S7と進み、最初に出現する和音(レジスタChordの内容)の小節の頭の位置を伴奏再生開始位置とし、曲データに記録する。また、曲データの最後のイベントが終了する位置を伴奏再生終了位置として検出し、曲データに記録する。この伴奏再生終了位置は上記の他に、メロディの終わった位置などでもよい。また、この「コード」モードでは、ステップS5で、和音として検出したレジスタChordの内容が有効であるか否かを判定している。例えばコードイベントがなかった場合や、曲データ中の最後のノートイベントよりも後ろにコードイベントが初めて検出された場合などは、有効でないと判定してエラー処理を行う。このエラー処理はステップS5→S8→S16と進んで、「その他」モードと同様とする。
【0025】
検出方法が「アウフタクト」モードであれば、ステップS3→S9→S10→S11→S12→S13と進み、曲データの最初がアウフタクトであるかを判断し、曲データの最初がアウフタクトであればステップS14でノートイベント(Note)の出現する小節の次の小節の頭の位置を伴奏再生開始位置として曲データに記録する。一方、曲データの最初がアウフタクトでなければ、ステップS15でノートイベント(Note)の出現する小節の頭の位置を伴奏再生開始位置として曲データに記録する。伴奏再生終了位置は前記ステップS7で同様の処理とする。アウフタクトかどうかの判断は、例えば最初の音符(ノートイベント)が小節の後半で現れればアウフタクトと判断する場合などがある。また、小節の前半の状態を見て判断する場合もある。この「アウフタクト」モードでは、ステップS11で、ノートイベントとして検出したレジスタNoteの内容が有効であるか否かを判定している。例えばノートイベントがなにもなかった場合など有効でないと判定してエラー処理を行う。このエラー処理はステップS11→S16と進んで、「その他」モードと同様とする。
【0026】
検出方法が「その他」モードであれば、ステップS3→S9→S16と進み、ユーザが入力した位置(例えば小節番号、拍(ビート)、クロック等)もしくはデフォルトの位置を伴奏再生開始位置とし、曲データに記録する。伴奏再生終了位置は前記ステップS7で同様の処理とする。
【0027】
図5の自動伴奏制御プログラムの処理は、ステップS17,S18で曲データを読み込んで各種のモードを設定する。このモードの設定には、曲データの伴奏スタイル情報を優先的に利用するか、当該電子楽器において選択指定されている伴奏スタイル情報を優先的に利用するかを指定する第1のモード設定と、伴奏スタイル情報を曲データと共に保存するか否かを指定する第2のモード設定と、再生位置情報(開始及び停止)を曲データと共に保存するか否かを指定する第3のモード設定がある。そして、これらのモード設定はステップS19、ステップS21、ステップS26において判定される。
【0028】
第1のモード設定により、曲データの伴奏スタイル情報を優先するのであれば、ステップS19→S20→S21と進み、ステップS20では、曲データの伴奏スタイル情報を取得してレジスタStyleに格納する。このときの伴奏スタイル情報は、曲データに記録されているものを読み取るが、もし記録されていなければ、曲データを分析して伴奏スタイル情報を決定するか、もしくはユーザが指定した伴奏スタイル情報とする。そして、ステップS21で、第2のモード設定により上記の伴奏スタイル情報を曲データと共に保存する指定であるか否かを判定する。保存するのであればステップS22で保存し、そうでなければステップS24に進む。これは、自動伴奏の再生終了後も情報を残しておくかどうかを決めるものである。また、第1のモード設定により、当該電子楽器の伴奏スタイル情報を優先的に利用するのであれば、ステップS19→S23と進み、当該電子楽器(再生装置)の伴奏スタイル情報を取得してステップS24に進む。これにより、自動伴奏する伴奏スタイルが決定される。
【0029】
ステップS24では、曲データと共に自動伴奏の再生位置情報が記録されているか否かを判定する。これにより、図4の自動伴奏再生位置検出プログラムの処理により再生位置情報が記録された曲データと、再生位置情報が記録されていない曲データとに対応して処理をする。再生位置情報が記録されていなければステップS25の処理で曲データを分析して再生位置情報を取得がするが、この処理は図4と同様な処理である。この取得した再生位置情報の伴奏再生開始位置をレジスタStartに格納し、伴奏再生終了位置をレジスタEndに格納する。そして、第3のモード設定により再生位置情報を曲データと共に保存するモードになっていればステップS27で保存してステップS29に進み、保存するモードになっていなければそのままステップS29に進む。この第3のモード設定は、自動伴奏の再生終了後も再生位置情報を残しておくかどうかを決めるものである。再生位置情報が曲データに記録されている場合は、ステップS28で伴奏再生開始位置をレジスタStartに、伴奏再生終了位置をレジスタEndに格納し、ステップS29に進む。
【0030】
ステップS29では、曲データによるメロディ等の再生と伴奏スタイル情報で指定された伴奏スタイルデータに基づく自動伴奏の再生とを行う。このとき、StartとEndで指定された区間で自動伴奏を行う。なお、伴奏スタイルデータのうち、ドラムパートを除く各パートのデータは基準のコード(例えばCメジャ)に基づいて作成されており、自動伴奏については、曲データ中のコード進行に応じて伴奏スタイルデータの音高を変換し発生する。また、鍵盤操作で和音を入力指定する場合には、その入力指定された和音に応じて音高変換するようにしてもよい。そして、例えば曲データ中のエンド指定データ、あるいは強制的な入力指定などにより再生終了が検出されるとステップS17に戻る。なお、この図5ではステップS30からステップS17に戻るような1つのループとして図示してあるが、何らかの割り込み操作により、このループから強制的に抜けることができることはいうまでもない。
【0031】
ここで、図4の自動伴奏再生位置検出プログラムの処理において、ステップS1で曲データを用意するとき、外部記憶装置9に予め記憶されている曲データを選択指定してもよいし、外部機器11から入力してもよいが、入力操作部4の鍵盤演奏等で演奏操作を行って曲データを入力してもよい。この場合、演奏操作による曲データは演奏イベントを曲データに順次変換して、外部記憶装置9の例えばハードディスク装置に記録する。そして、この曲データに対して前記のように再生位置情報を検出する。これにより、演奏操作で曲データを作成してこれに自動伴奏を付加しようとする場合に、自動的に再生位置情報が得られるので、従来のようにメロディ部分も合わせて演奏する状態でスイッチを操作等をする必要がなくなる。
【0032】
なお、伴奏再生開始位置を検出する方法はコードイベントの位置やアウフタクトの状態によるものには限らない。また、伴奏スタイルデータの種類を指定する伴奏スタイル情報は、実施形態では曲データ内に記録されているものとしたが、曲データ内に記録されていなくてもよい。その場合は、当該電子楽器上で選択されている伴奏スタイル情報を使うか、もしくは、ある時点で伴奏スタイルを選択して、その情報を曲データ内に記録するようにしてもよい。伴奏スタイル情報を曲データ内に新たに記録する場合、例えば、楽器上に曲データをロードした時点で、伴奏スタイル情報がないことをユーザに知らせて、ユーザが楽器上の操作子から伴奏スタイルを指定してもよい。もしくは、伴奏再生開始位置を検出するときに、一緒に伴奏スタイルを決定して曲データ内に記録してもよい。伴奏スタイル情報はユーザ入力によるものでもよいし、曲データを自動解析して検出したものでもよい。あるいはデフォルトのものでもよい。
【0033】
実施形態では、伴奏スタイル情報は曲データに対して1種類を対応させていたが、1つの曲データに対して複数種類を対応付けてもよい。また、同一伴奏スタイル内でのセクションにより変化がつけられていてもよい。
【0034】
実施形態では、伴奏再生終了位置も曲データから検出するようにしているが、例えば自動伴奏しながらフェードアウトするような場合もあり、ユーザが何らかの操作で伴奏再生終了位置を指定してもよい。このような場合、演奏操作の終了後でも可能でスイッチ操作等は容易である。
【0035】
実施形態では、自動伴奏再生位置検出プログラムの処理と自動伴奏制御プログラムの両方を処理する電子楽器として説明しているが、このような曲データに対して再生位置情報を検出する装置と、自動伴奏の再生を行う装置は、別々の装置であってもよい。
【0036】
実施形態では、再生位置情報を主に曲データに記録することにより、曲データと再生位置情報とを対応付けるようにしているが、再生位置情報に曲名等の情報を付加して別途メモリに記憶しておくことで、曲データとその再生位置情報とを対応付けるようにしてもよい。さらに、複数の曲データにそれぞれ対応する再生位置情報を蓄積しておいてもよい。また、曲データの分析を行って、そのままその曲データを再生する場合などは、予め決められた特定の記憶領域(特定アドレス)に再生位置情報を記録することで、自動伴奏時にその再生位置情報を読み出せるようにすることもできる。
【0037】
なお、通信インターフェース10を介して通信ネットワークに接続し、サーバコンピュータ等から前記自動伴奏制御プログラムや曲データあるいは伴奏スタイルデータなどの各種データの配信を受けるようにすることもできる。
【0038】
本発明は、実施形態のものに限定されず様々な態様とすることができる。例えば、曲データは、外部から入力したり演奏操作により作成するものにかぎらず、例えばユーザがモチーフメロディやコード進行を入力して、このコード進行に基づいてモチーフメロディを発展させることにより曲データ(メロディ)を生成するようなものでもよい。
【0039】
なお、以上の実施形態は本発明を電子楽器に適用したものであるが、パーソナルコンピュータとソフトウエアで構成することもできる。また、音源装置、シーケンサ、エフェクタなどそれぞれが別体の装置であって、MIDIあるいは各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するようなものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の自動伴奏再生位置検出装置または請求項6の自動伴奏再生位置検出プログラムまたは請求項7の自動伴奏制御プログラムを電子楽器やコンピュータに実行させることにより、自動的に伴奏再生開始位置が検出され、曲データの再生時に伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始することができるので、自動伴奏を行う際に特別な操作を必要としないで、曲データに適した位置から自動伴奏を開始できる。また、ユーザは曲データを自分で解析して位置を考えたりする必要もない。
【0041】
請求項2の自動伴奏再生位置検出装置によれば、請求項1と同様な効果が得られるとともに、自動伴奏の停止位置も自動検出して、自動伴奏を自動停止することができるので、さらに操作が容易になる。
【0042】
請求項3の自動伴奏再生位置検出装置によれば、請求項1または請求項2と同様な効果が得られるとともに、最初のコードイベントの出現位置を伴奏再生開始位置とするので、さらに曲データに適した伴奏開始位置となる。
【0043】
請求項4の自動伴奏再生位置検出装置によれば、請求項1または請求項2と同様な効果が得られるとともに、アウフタクトで始まる曲データに対しても適正な伴奏開始位置を検出することができる。
【0044】
請求項5の自動伴奏装置によれば、請求項1、2、3、または4と同様に伴奏再生開始位置を設定し、この設定された伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始するので、曲データに適した位置から自動伴奏を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電子楽器のハード構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における曲データのフォーマットの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における伴奏スタイルデータのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における自動伴奏再生位置検出プログラムの要部フローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における自動伴奏制御プログラムの要部フローチャートである。
【符号の説明】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…入力操作部、7…音源、8…サウンドシステム、9…外部記憶装置

Claims (7)

  1. 与えられた曲データを分析して、該曲データに適した伴奏再生開始位置を検出する開始位置検出手段と、
    前記曲データの再生に対応して前記検出した伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始できるように設定する位置設定手段と、
    を備えたことを特徴とする自動伴奏再生位置検出装置。
  2. 与えられた曲データを分析して、該曲データに適した伴奏再生開始位置を検出する開始位置検出手段と、
    前記与えられた曲データを分析して、該曲データに適した伴奏再生終了位置を検出する終了位置検出手段と、
    前記曲データの再生に対応して前記検出した伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始するとともに前記検出した伴奏再生終了位置で自動伴奏を停止できるように設定する位置設定手段と、
    を備えたことを特徴とする自動伴奏再生位置検出装置。
  3. 前記曲データに和音情報を表すコードイベントが含まれており、前記開始位置検出手段が、曲データ中の最初のコードイベントの出現位置に応じて伴奏再生開始位置を検出することを特徴とする請求項1または2記載の自動伴奏再生位置検出装置。
  4. 前記曲データにメロディデータが含まれており、前記開始位置検出手段が、曲データのメロディがアウフタクトで始まるかどうかを検出して、該検出結果に応じて伴奏再生開始位置を検出することを特徴とする請求項1または2記載の自動伴奏再生位置検出装置。
  5. 請求項1、2、3、または4記載の自動伴奏再生位置検出装置を備えるとともに、
    前記曲データの再生時に、前記位置設定手段で設定された伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始する再生手段
    を備えたことを特徴とする自動伴奏装置。
  6. 与えられた曲データを分析して、該曲データに適した伴奏再生開始位置を検出するステップと、
    前記曲データの再生に対応して前記検出した伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始できるように設定するステップと、
    をコンピュータに実行させるための自動伴奏再生位置検出プログラム。
  7. 与えられた曲データを分析して、該曲データに適した伴奏再生開始位置を検出するステップと、
    前記曲データの再生に対応して前記検出した伴奏再生開始位置から自動伴奏を開始できるように設定するステップと、
    前記曲データの再生時に、前記設定された伴奏再生開始位置に基づいて自動伴奏を開始するステップと、
    をコンピュータに実行させるための自動伴奏制御プログラム。
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