JP4061881B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの燃料噴射制御装置、特に蒸発燃料処理装置を備えるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸発燃料処理装置は、主にキャニスタとパージ通路とパージコントロールバルブとからなっている。燃料タンク内で発生したベーパ(燃料蒸気を含んだガス)はキャニスタに導かれて燃料粒子だけがキャニスタ内の活性炭に一時的に吸着されて保持される。エンジン運転中にパージコントロールバルブを開くと、スロットル弁下流に発生する吸入圧力(大気圧より小さい)により、活性炭に吸着された燃料粒子が活性炭より離脱して外気と混合し、いわゆるパージガスが生成される。このパージガスはパージ通路を介して吸気通路に導入され、燃料の一部として燃焼される。吸気通路に部より導入されるパージガスは理論空燃比を目標とする空燃比制御に対して外乱として働くので、パージガスの導入中にも理論空燃比が得られるようにパージガス中の燃料流量(以下「パージ燃料流量」という。)の分だけ燃料噴射弁からの燃料噴射量を減算するようにした技術が提案されている(特開平10−311255号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料噴射弁にはこれ以上小さな燃料噴射パルス幅を与えたのでは安定して燃料噴射を行わせることができなくなる限界(この限界の燃料噴射パルス幅を以下「最小パルス幅」という。)Tminがあるので、蒸発燃料処理装置の非作動時における最小の燃料噴射量(例えばアイドル時の燃料噴射量)よりもこのTminによる燃料量のほうが小さい特性の燃料噴射弁を選定することで、蒸発燃料処理装置の非作動時における最小の燃料噴射量を供給するときでも燃料噴射弁より安定して燃料噴射が行えるようにしている。
【0004】
一方、車両への搭載性の向上やコスト削減を目的にキャニスタの大きさを小さくしたいという要求がある一方で、キャニスタが小さいと燃料タンクで発生したベーパを吸着しきれずに大気に放出されてしまう(オーバフローの状態)ことが懸念されるため、ある程度の大きさのキャニスタを設けて、キャニスタからのパージガスはすべてエンジン内で燃焼させる必要があることから、パージ燃料流量が増大する傾向にある。
【0005】
このため、パージ燃料流量が増大した状態でも理論空燃比が得られるようにするには燃料噴射弁からの燃料減量分が大きくなり、このとき燃料噴射弁に指令する燃料減量後の噴射量が最小パルス幅Tminによる噴射量を下回る事態が生じる。こうした事態では燃料噴射弁からの燃料噴射が不安定となり、この燃料噴射の不安定さにより理論空燃比の得られる噴射量を燃料噴射弁より正確に供給できなくなると、実際の空燃比が理論空燃比より外れ、排気通路に設けた三元触媒の転換効率が低下して排気組成が悪くなる。
【0006】
しかしながら、こうした事態に対処する技術は開示されていない。
【0007】
そこで本発明は、燃料噴射弁に指令する燃料減量後の噴射量が最小パルス幅による噴射量を下回る事態が生じたとき、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行することにより、燃料噴射弁に指令する燃料減量後の噴射量が最小パルス幅による噴射量を下回ることがあっても、安定した燃料噴射を確保して排気組成への影響を排除することを目的とする。
【0008】
また、その場合に、燃料噴射時期におけるシリンダ内吸気流量の挙動に着目し2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように当サイクルでの燃料噴射の開始と終了の各時期を設定することにより、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも理論空燃比を実現することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、目標空燃比(例えば理論空燃比)が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量(第1パルス幅TI1)として演算する第1噴射量演算手段と、1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をエンジンに供給する燃料噴射弁とを備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量(第2パルス幅TI2)として演算する第2噴射量演算手段と、この第2噴射量(第2パルス幅TI2)が燃料噴射弁の最小噴射量(最小パルス幅Tmin)を下回るとき、2サイクル分の噴射量(第3パルス幅TI3)の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御(パージ時制御2)を実行するパージ時制御手段とを備え、当サイクルでの燃料噴射の開始と終了の各時期を、前記2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定する
【0010】
第2の発明では、第1の発明において前記2サイクル分の噴射量が、当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値である。
【0012】
の発明では、第の発明においてシリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期ITCとし、この噴射中心時期ITCより前記2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として設定する。
【0013】
の発明では、第1または第2の発明において前記パージ時制御手段の実行中に前記2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量をこの最小噴射量を2倍にした値へと拡大し、この拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行する。
【0014】
の発明では、第の発明において当サイクルでの燃料噴射時期を、前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定する。
【0015】
の発明では、第の発明においてシリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期ITCとし、この噴射中心時期ITCより前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定める。
【0016】
の発明では、第または第の発明において前記2サイクル分の噴射量を燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を減量する。
第8の発明は、目標空燃比(例えば理論空燃比)が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量(第1パルス幅TI1)として演算する第1噴射量演算手段と、1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をエンジンに供給する燃料噴射弁とを備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量(第2パルス幅TI2)として演算する第2噴射量演算手段と、この第2噴射量(第2パルス幅TI2)が燃料噴射弁の最小噴射量(最小パルス幅Tmin)を下回るとき、2サイクル分の噴射量(第3パルス幅TI3)の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御(パージ時制御2)を実行するパージ時制御手段とを備え、前記パージ時制御手段の実行中に前記2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量をこの最小噴射量を2倍にした値へと拡大し、この拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行するとともに、当サイクルでの燃料噴射時期を、前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定する。
第9の発明では、第8の発明において前記2サイクル分の噴射量が、当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値である。
第10の発明では、第8の発明においてシリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期ITCとし、この噴射中心時期ITCより前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定める。
第11の発明では、第8または第10の発明において前記2サイクル分の噴射量を燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を減量する。
【0017】
12の発明は、目標空燃比(例えば理論空燃比)が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量(第1パルス幅TI1)として演算する第1噴射量演算手段と、1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をシリンダ内に直接供給する燃料噴射弁とを備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量(第2パルス幅TI2)として演算する第2噴射量演算手段と、この第2噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量(最小パルス幅Tmin)を下回るとき、2サイクル分の噴射量を当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値で設定し、この2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行する第1パージ時制御手段と、シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの期間に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期ITCとし、この噴射中心時期ITCより前記2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定める燃料噴射時期設定手段と、前記第1パージ時制御手段の作動中に前記噴射終了時期が吸気弁閉時期より遅れるとき、前記2サイクル分の噴射量を吸気弁閉時期から前記噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮し、この短縮した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行する第2パージ時制御手段と、この第2パージ時制御手段により前記2サイクル分の噴射量を吸気弁閉時期から前記噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を調整するパージ燃料流量調整手段とを備える。
【0018】
13の発明では、第、第第10、12のいずれか一つの発明において前記噴射中心時期ITCをエンジン運転状態に応じて変化させる。
【0019】
14の発明では、第13の発明において吸気弁の開閉時期がエンジン回転速度Neに関係なく同一である場合に、前記噴射中心時期ITCをエンジン回転速度Neが高回転速度側になるほど遅角側へ変化させる。
【0020】
15の発明では、第13の発明において吸気弁の作動角一定のまま吸気弁閉時期を可変に調整可能なバルブタイミング制御装置を備える場合に、前記噴射中心時期ITCを吸気弁閉時期が進角側になるほど遅角側へ変化させる。
【0021】
16の発明では、第13の発明において吸気ポートの有効長さを切換可能な可変吸気制御装置を備える場合に、前記噴射中心時期ITCをこの可変吸気制御装置が非作動状態と作動状態とで変化させる。
【0022】
【発明の効果】
第1、第2、8、9の発明によれば、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射するため最小噴射量への余裕代が2倍となる。言い換えると安定して燃料噴射を行える範囲における燃料噴射弁からの噴射量の減少代が拡大するので、排気組成に影響を与えることがない。
【0023】
、第の発明によれば、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも目標空燃比の混合気が得られる。
【0024】
4、第8の発明によれば、パージ燃料流量の増加で2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回ることがあっても、最小噴射量への余裕代を2倍とすることが可能となり、これにより安定して燃料噴射を行える範囲における燃料噴射弁からの噴射量の減少代が拡大するので、排気組成に影響を与えることがない。
【0025】
、第6、第8、第10の発明によれば、燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも同等の空燃比の混合気が得られる。
【0026】
の発明によれば、パージ燃料流量の増加で2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るために、燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも目標空燃比の混合気が得られる。
【0027】
12の発明によれば、筒内直噴燃料噴射式エンジンを対象として、第1パージ時制御手段の作動中において噴射終了時期が吸気弁閉時期より遅れるときに、2サイクル分の噴射量を吸気弁閉時期から噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮し、この短縮した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも目標空燃比の混合気が得られる。
【0028】
13の発明によれば、運転条件に応じ最適な噴射中心時期が得られる。
【0029】
噴射中心時期が一定である場合に、図9のように低回転速度時に合わせて噴射中心時期(ITC)を適合したのでは高回転速度時に噴射中心時期が最適とならないのであるが、第14の発明によれば高回転速度になるほど噴射中心時期を遅角側へと変化させるので、エンジン回転速度に関係なく噴射中心時期を最適に定めることができる。
【0030】
吸気弁の作動角一定のまま吸気弁閉時期を可変に調整可能なバルブタイミング制御装置を備える場合に、図10のように吸気弁閉時期が遅角側にあるときに噴射中心時期(ITC)を適合したのでは吸気弁閉時期が進角したときに噴射中心時期が最適とならないのであるが、第15の発明によれば吸気弁閉時期が進角側になるほど噴射中心時期を遅角側へと変化させるので、吸気弁閉時期に関係なく噴射中心時期を最適に定めることができる。
【0031】
吸気ポートの有効長さを切換可能な可変吸気制御装置を備える場合に、図11のように可変吸気制御装置が非作動状態(可変吸気コントロールバルブ閉時)にあるときに噴射中心時期(ITC)を適合したのでは可変吸気制御装置が作動状態(可変吸気コントロールバルブ開時)のときに噴射中心時期が最適とならないのであるが、第16の発明によれば可変吸気制御装置が非作動状態と作動状態とで噴射中心時期を変化させるので、可変吸気制御装置が非作動状態、作動状態のいずれにあるときも噴射中心時期を最適に定めることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1において、1はエンジン本体、2は吸気通路、3は排気通路、4は各気筒の吸気ポートに設けられる燃料噴射弁である。
【0033】
吸気通路2は吸気管2A、吸気コレクタ2B、吸気マニフォールド2Cからなり、吸気管2AにはDCモータ9などでスロットル弁8を開閉駆動する、いわゆる電子制御スロットル装置が介装されており、スロットルセンサ22により検出される実際のスロットル弁開度が、コントロールユニット21からの目標開度指令値と一致するようにスロットル弁8が駆動される。このとき定まるスロットル弁8の開度によってエンジンに吸入される空気流量が調整される。
【0034】
燃料タンク11からの燃料は燃料供給ポンプ12により燃料供給通路13を介してコモンレール14に圧送され、ここから一定圧の燃料が各気筒の燃料噴射弁4に供給される。
【0035】
コントロールユニット21にはクランク角センサ23、24からの単位クランク角毎のポジション信号および基準位置信号、エアフローメータ25からの吸入空気流量の信号、水温センサ26からの冷却水温の信号などが入力され、コントロールユニット21ではこれらの信号に基づいて目標空燃比、例えば理論空燃比の混合気が得られる1サイクル当たりの燃料噴射パルス幅を第1燃料噴射パルス幅(以下単に「第1パルス幅」という。)TI1として演算し、その演算値にしたがって所定のタイミングで燃料噴射弁4からの燃料噴射を行う。
【0036】
この場合、第1パルス幅TI1の値はアイドル時などに最低の値となるが、この最低値よりも燃料噴射弁4の最小パルス幅Tminのほうが小さくなる特性の燃料噴射弁4を選定している。
【0037】
一方、燃料タンク11上部に溜まるベーパは、通路15を介してキャニスタ16に導かれ、燃料粒子だけがキャニスタ16内の活性炭に吸着され、残りの空気はキャニスタ16の鉛直下部に設けた大気解放口(図示しない)から外部に放出される。
【0038】
キャニスタ16はスロットル弁8下流の吸気コレクタ2Bとパージ通路17を介して連通され、このパージ通路17にアクチュエータ(例えばステップモータ)により駆動される常閉のパージコントロールバルブ18を備える。一定の条件(例えばエンジン暖機後かつ理論空燃比での運転時かつ低負荷域)で、コントロールユニット21からの信号を受けてパージコントロールバルブ18が開かれると、スロットル弁8下流に大きく発達する吸入圧力(大気圧よりも低い)によりキャニスタ16の大気解放口から新気がキャニスタ16内に導かれる。この新気で活性炭から燃料粒子が離脱して新気と混合したパージガスが生成され、このパージガスはパージ通路17を介して吸気コレクタ2B内に導入され、燃焼室で燃やされる。
【0039】
このようにしてキャニスタ16、パージ通路17、パージコントロールバルブ18などから蒸発燃料処理装置が構成されている。
【0040】
さて、パージ燃料流量が多いときにはその分だけ空燃比が理論空燃比よりリッチ側に傾くので、コントロールユニットで21ではパージガスの吸気通路2への導入中(以下「パージ中」という。)にも理論空燃比が得られるようにパージ燃料流量QP1を演算し、そのパージ燃料流量QP1の分だけ減量した燃料噴射パルス幅を第2燃料噴射パルス幅(以下単に「第2パルス幅」という。)TI2として算出し、この第2パルス幅TI2による噴射量を燃料噴射弁4から供給する(図2上段参照)。
【0041】
この場合に、パージ燃料流量QP1が多いと、第2パルス幅TI2が燃料噴射弁4の最小パルス幅Tmin未満になることがあり、このときにも第2パルス幅TI2を用いて燃料噴射弁4を駆動したとき燃料噴射弁4からの燃料噴射が不安定となり、空燃比を理論空燃比の近傍に維持できなくなるので、コントロールユニット21ではパージ中において第2パルス幅TI2が燃料噴射弁4の最小パルス幅Tmin未満になったとき、図2下段に示したように2サイクル分の燃料噴射パルス幅を第3燃料噴射パルス幅(以下単に「第3パルス幅」という。)TI3として算出し、この第3パルス幅TI3による噴射量を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する。そして、この2サイクル当たり一度の燃料噴射を繰り返す。
【0042】
一方、吸気行程で2サイクル分を一度に噴射することになると、噴射期間が長くなって噴射終了時期が吸気下死点に近づくことが考えられ、このときには吸気弁開期間との関係を考察する必要がある。これを図3を用いて説明する。
【0043】
図3はクランク角に対するシリンダ内吸気流量(重量流量)の波形で、この値が正であるとき吸気がシリンダ内に流入することを、この逆に負であるときシリンダから吸気コレクタに向けて吸気が流出(逆流)することを表している。また、ゼロを通る水平線とで囲われる面積は吸気量を示す。図示のように吸気は、吸気弁が開いた直後のA部でシリンダから吸気コレクタ方向へまず逆流する。これは吸気コレクタ内圧力のほうがシリンダ内圧力より低いためである。そして吸気コレクタ内圧力よりシリンダ内圧力が低くなるB部およびC部で吸気がシリンダ内に吸入される。
【0044】
ところが、吸気下死点をすぎても一般的に吸気弁が開いているため、D部では一度シリンダ内に吸入されていた吸気がピストンの上昇により吸気コレクタへと戻される。このことから、シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当するD部の面積と等しい面積(C部の面積)を吸気下死点を中心にして反対側にとってそのC部の面積を区切る最初のクランク角をθ2とすると、C部の面積に相当する吸気は当サイクルではシリンダに吸入されないと考えることができる。
【0045】
こうしたシリンダ内吸気流量の特性下で燃料噴射を行うことを考えると、C部の吸気に噴射された燃料はD部で吸気コレクタへと戻されるため、当サイクルでの燃焼には寄与せず、次サイクルでの燃焼に寄与することになる。これより、θ2までに噴射される燃料量で当サイクルでの混合気の空燃比が定まり、θ2より後に噴射される燃料量で次サイクルでの混合気の空燃比が定まる。
【0046】
そこで、次のように燃料噴射時期を設定すれば、当サイクル、次サイクルとも理論空燃比の混合気を得ることが可能になる。すなわち、
〈1〉θ2を噴射中心時期として噴射開始時期θ1をこの噴射中心時期θ2より2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3の半分(TI2)だけ前の時期とする。
【0047】
〈2〉噴射終了時期θ3を、噴射中心時期θ2より2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3の半分(TI2)だけ後の時期とする。
【0048】
このように燃料噴射の開始と終了の各時期θ1、θ3を設定したとき、当サイクルで噴射開始時期θ1から噴射中心時期θ2の間に噴射されるのはTI2による噴射量であり、この噴射量が当サイクルで全てシリンダに残留して燃焼するのであるから、当サイクルで理論空燃比の混合気が得られる。
【0049】
また、当サイクルで噴射中心時期θ2から噴射終了時期θ3の間に噴射されるのもTI2による噴射量であり、この噴射量の燃料は当サイクルで吸気コレクタへ戻って滞留し、この滞留する燃料が全て次サイクルでシリンダへと吸入されて燃焼するのであるから、燃料噴射を中止するにも拘わらず次サイクルでも理論空燃比の混合気が得られる。
【0050】
コントロールユニット21で実行されるこの制御の内容を以下のフローチャートにしたがって説明する。
【0051】
図4は制御フラグを設定するためのもので、サイクル毎に実行する。
【0052】
ステップ1で理論空燃比(目標空燃比)の得られる第1パルス幅TI1を演算する。この演算方法は公知であり、例えば次のようにして演算すればよい。
【0053】
(ア)エアフローメータ25により単位時間当たりの吸入空気流量(重量流量)Gair[g/min]を計測する。
【0054】
(イ)この吸入空気流量のときに理論空燃比の混合気を得るのに必要な燃料流量(重量流量)GFUEL[g/min]を、
GFUEL=K1×Gair …▲1▼
ただし、K1:係数、
の式により算出する。理論空燃比を目標としていても空気流量と燃料流量の比は実際にはガソリンによって若干異なり、一般的な市販ガソリンでは約14.3位となるので、▲1▼式の係数K1は1/14.3位となる。
【0055】
(ウ)この燃料流量GFUELとエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いて1噴射当たりの燃料流量gfuel[g/min]を、
gfuel=(GFUEL/Ne)×(気筒数/2) …▲2▼
の式により算出する。
【0056】
(エ)この1噴射当たりの燃料流量gfuelと燃料噴射弁の流量特性係数Kinj[ms/(g/min)]を用いて、1噴射当たりのパルス幅TI1[ms]を、
TI1=gfuel×Kinj …▲3▼
の式により算出する。この1噴射当たりのパルス幅が第1パルス幅である。
【0057】
ステップ2でパージ中であるかどうかを判断する。理論空燃比の運転時にパージを行う運転条件であるかどうかは予め定められている。
【0058】
パージ中であればステップ3に進みパージ燃料流量QP1を演算する。この演算方法は公知であり、例えば次のようにして演算すればよい。
【0059】
(カ)パージ通路17に設けたパージガスフローメータ27よりパージガス流量(重量流量)Gpur[g/min]を計測する。
【0060】
(キ)同じくパージ通路17に設けた空燃比センサ28によりパージガスの空燃比AFpurを計測する。
【0061】
(ク)これら計測されたパージガス流量Gpurとパージガスの空燃比AFpurを用いてパージ燃料流量(重量流量)QP1[g/min]を
QP1=Gpur/AFpur …▲4▼
の式により算出する。
【0062】
ステップ4ではパージ燃料流量相当パルス幅TIP1を演算する。この演算方法は公知であり、例えば次のようにして演算すればよい。
【0063】
(サ)パージ燃料流量QP1を用いて1噴射当たりのパージ燃料流量gpur[g/min]を、
gpur=(QP1/Ne)/(気筒数/2) …▲5▼
の式により算出する。
【0064】
(シ)この1噴射当たりのパージ燃料流量gpurと燃料噴射弁の流量特性係数Kinj[ms/(g/min)]を用いて、1噴射当たりのパージ燃料流量分に相当するパルス幅TIP1[ms]を
TIP1=gpur×Kinj …▲6▼
の式により算出する。
【0065】
ステップ5では第1パルス幅TI1からパージ燃料流量相当パルス幅TIP1を差し引いたパルス幅を第2パルス幅TI2(=TI1−TIP1)として算出する。この第2パルス幅TI2による噴射量がパージ中にも理論空燃比を達成するための燃料量である。
【0066】
ステップ6ではこの第2パルス幅Ti2と燃料噴射弁4の最小パルス幅Tminを比較する。第2パルス幅Ti2が最小パルス幅Tminより小さければ(運転条件1)ステップ7でパージ時制御2フラグ(ゼロに初期設定)=1とする。これに対して第2パルス幅Ti2が最小パルス幅Tmin以上のときにはステップ8に進みパージ時制御1フラグ(ゼロに初期設定)=1とする。一方、パージ中でなければステップ2よりステップ9に進み通常時制御フラグ(ゼロに初期設定)=1とする。
【0067】
ここで、パージ時制御2フラグ=1はパージ時制御2の処理を実行することを、パージ時制御1フラグ=1はパージ時制御1の処理を実行することを、通常時制御フラグ=1は通常時(つまり非パージ時)の燃料噴射制御を実行することを指示するものである。
【0068】
また、上記のパージ時制御2とはパージ中に運転条件1が成立したとき、2サイクル分の噴射量を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルの燃料噴射を中止する燃料噴射制御のことである。このパージ時制御2は多気筒エンジンでは気筒別に行う。これに対して、パージ時制御1とはパージ中に運転条件1以外の運転条件になったとき、パージ燃料流量の分だけ燃料噴射量を減量する燃料噴射制御(つまり従来制御)のことである。運転条件1とは第2パルス幅Ti2が最小パルス幅Tminより小さくなる場合である。
【0069】
このようにしてサイクル毎に3つの制御フラグのいずれかが1となる。すなわち、サイクル毎にパージ時制御2、パージ時制御1、通常時制御のいずれの処理を行うのかが判定されている。
【0070】
図5はパージ時制御2の処理を実行するためのものである。図5のフローはパージ時制御2フラグ=1となっているときにだけサイクル毎に実行する。
【0071】
ステップ11では上記3つの制御フラグより前サイクルでの処理状態をみる。前サイクルでパージ時制御2以外(つまりパージ時制御1または通常時制御)の処理が行われているのであれば当サイクルで初めてパージ時制御2の処理に移行したタイミングである。このときにはステップ12に進み、前回噴射済フラグ(ゼロに初期設定)=0とした後にステップ13に、これに対して前サイクルでパージ時制御2の処理が行われているときにはステップ12を飛ばしてステップ13に進む。
【0072】
パージ時制御2の処理に入った当初のサイクルで前回噴射済フラグ=0とするのは、パージ時制御2の処理への移行後初回のサイクルで必ず移行後2回目サイクル分を合せて燃料噴射を行なわせるためである。
【0073】
というのも、パージ時制御2の処理への移行後は前回噴射済フラグのセットがステップ17、18でしか行われない。この場合に、パージ燃料流量が減少して燃料噴射弁4から噴射される燃料量が増加し、第2パルス幅TI2が燃料噴射弁4の最小パルス幅以上になるとパージ時制御2からパージ時制御1に移行するので、その移行時に前回噴射済フラグが1にセットされたままに残っていると、再度パージ燃料流量が増加し第2パルス幅TI2が燃料噴射弁の最小パルス幅未満となった場合にパージ時制御1からパージ時制御2への移行後初回のサイクルで燃料噴射が実行されない。同様にして、パージの途中でパージ時制御2から通常時制御に移行し、その移行時に前回噴射済フラグが1にセットされたままに残っていると、再度パージ条件となりこのときパージ燃料流量が多くて第2パルス幅TI2が最小パルス幅以下となった場合に通常時制御からパージ時制御2への移行後初回のサイクルで燃料噴射が実行されない。こうした問題の発生を回避することを目的に、パージ時制御2への移行後初回のサイクルでは必ず燃料噴射が実行されるようにステップ11、12で前回噴射済フラグ=0としている。
【0074】
ステップ13では第2パルス幅TI2(図4ステップ5で演算されている)の2倍を第3パルス幅TI3として算出する。
【0075】
ステップ14では噴射中心時期ITC(一定値)から第2パルス幅TI2を差し引いた値を噴射開始時期ITとしてセットする。
【0076】
ここでは、噴射中心時期ITC、噴射開始時期ITとも吸気上死点から後ろに図ったクランク角[°ATDC]を採用しているので、ITCからTI2を差し引くことはITCよりTI2だけ前(進角側)の値をITとすることを意味する(図3参照)。また、簡単に「IT=ITC−TI2」で示したが、厳密には第2パルス幅TI2の単位は[ms]であるので、これをそのままITC[°ATDC]から差し引くことはできない。実際にはそのときのエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いて第2パルス幅TI2[ms]をクランク角[°]に換算し、噴射中心時期ITCからこのクランク角を差し引く。
【0077】
ステップ15では前回噴射済フラグをみる。前述のようにパージ時制御2の処理に入った当初のサイクルであれば、前回噴射済フラグ=0とされるので、ステップ16に進み、第3パルス幅T13[ms]と噴射開始時期IT[°ATDC]を噴射レジスタに移す。これによりパージ時制御2の処理に入った当初のサイクルでは図3においてθ1(=IT)を噴射開始時期、θ3(=ITC+TI2)を噴射終了時期として2サイクル分の噴射量が当サイクルで噴射される。
【0078】
ステップ17では次サイクルの燃料噴射を休止するため前回噴射済フラグ=1とする。次サイクルもパージ時制御2フラグ=1であればステップ11、13、14、15と流れ、ステップ15で前回噴射済フラグ=1であることより当サイクルで2サイクル分をまとめた燃料噴射を実行済みであるため次サイクルでは燃料噴射を行わないと判断し、ステップ18に進んで前回噴射済フラグ=0として処理を終了する。つまり前回噴射済フラグ=1であるサイクルでは噴射レジスタへのセットが行われず燃料噴射が中止される。
【0079】
このように前回噴射済フラグを設定することで、ステップ15において前回噴射済フラグ=0であることは前サイクルで燃料噴射を実行していないことを、前回噴射済フラグ=1は前サイクルで燃料噴射を実行したことを意味する。
【0080】
ここで本実施形態の作用を図8を参照しながら説明する。
【0081】
図8において(b)はパージ時制御1による燃料噴射パルス幅の分担の様子を示し、第1パルス幅TI1からパージ燃料流量相当パルス幅TIP1を差し引いた値である第2パルス幅TI2を燃料噴射弁4が分担すればよいことを示している。これは従来装置により開示されているところと同じである。
【0082】
ところが、パージ燃料流量の増加で(c)のように第2パルス幅TI2が最小パルス幅Tminより小さくなると、第2パルス幅TI2を燃料噴射弁4に指令しても燃料噴射弁4が安定して燃料噴射を行うことができない事態が生じる。
【0083】
当サイクルでこの事態が生じたとき第1実施形態によれば運転条件1であると判断され、パージ時制御2(2サイクル分の噴射量を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止する)により、(d)のように2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3で燃料噴射弁4が開かれる。
【0084】
このとき当サイクルでは(e)のようにTI3のうちの前半分のTI2による噴射量の燃料がシリンダに流入し(後半分のTI2による噴射量の燃料は吸気コレクタに逆流して残留する)、残りのTI1−TI2の分はTiP1によるパージ燃料流量で補われる。
【0085】
そして次サイクルになると燃料噴射は行われないものの、(f)のように当サイクルで吸気通路内に滞留した後半分のTI2による噴射量の燃料がシリンダに流入し、残りのTI1−TI2の分が同じくTIP1によるパージ燃料流量で補われる。
【0086】
このように、第1実施形態ではパージ中においても理論空燃比の得られる1噴射当たりのパルス幅である第2パルス幅TI2が燃料噴射弁の最小パルス幅Tminを下回ったとき、2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するので、最小パルス幅Tminへの余裕代が2倍となる。言い換えると安定して燃料噴射を行える範囲における燃料噴射弁4からの噴射パルス幅の減少代が拡大するので、排気組成に影響を与えることがない。
【0087】
また、2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3が、当サイクルでの第2パルス幅TI2を2倍にした値とすると共に、シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期θ2とし、噴射開始時期θ1をこの噴射中心時期θ2より2サイクル分の燃料噴射パルス幅の半分(TI2)だけ前の時期と、また噴射終了時期θ3をこの噴射中心時期θ2より2サイクル分の燃料噴射パルス幅の半分(TI2)だけ後の時期としてそれぞれ定めたので、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも理論空燃比の混合気が得られる。
【0088】
図6のフローチャートは第2実施形態で、第1実施形態の図5と置き換わるものである。
【0089】
第1実施形態では、第2パルス幅TI2が燃料噴射弁4の最小パルス幅Tminを下回ったとき2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止する制御(パージ時制御2)を行ったが、2サイクル分をまとめても最小パルスTmin未満になると、燃料噴射弁4の駆動だけでは理論空燃比を達成することが困難となる。
【0090】
そこで、第2実施形態ではこの場合に第3パルス幅TI3を最小パルス幅Tminにまで拡大し、この拡大した第3パルス幅TI3による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止し、かつこの燃料噴射パルス幅を拡大した分の燃料量を相殺するためパージコントロールバルブ開度を閉じ側に制御してパージ燃料流量を減量することにより理論空燃比が得られるようにする。
【0091】
以下では図5と異なる部分を主に説明する。なお、図5と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
【0092】
ステップ15で前回噴射済フラグ=0であるときには2サイクル分の噴射量の燃料を一度の噴射するためステップ21に進み、第3パルス幅TI3と最小パルス幅Tminを比較する。2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3が最小パルス幅Tmin以上であるときには第1実施形態と同様にステップ16、17に進み、第3パルス幅TI3と、噴射中心時期ITCより第3パルス幅の半分(TI2)だけ前の噴射開始時期ITとを用いて当サイクルで2サイクル分の燃料噴射を行う。
【0093】
第3パルス幅Ti3が最小パルス幅Tminより小さいとき(運転条件2)にはステップ22以降に進んで、パージ時制御3の処理を行う。
【0094】
ここで、パージ時制御3とは、パージ時制御2の処理中に運転条件2が成立したとき、第3パルス幅TI3を燃料噴射弁4の最小パルス幅Tminまで拡大し、この拡大した第3パルス幅TI3と、噴射中心時期ITCから第3パルス幅TI3の半分を差し引いた値である噴射開始時期ITとを用いて当サイクルで2サイクル分の燃料噴射を行い、かつこのように燃料噴射パルス幅を拡大しても理論空燃比が得られるようにパージ燃料流量を減量する制御のことである。また、上記の運転条件2と2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3が最小パルス幅Tminより小さくなる場合である。
【0095】
具体的にはステップ22で最小パルス幅Tminを第3パルス幅TI3としてセットする。このときには当サイクルと次サイクルとの2サイクル平均の空燃比が理論空燃比よりリッチ側へと外れるので、パージ燃料流量を減量するためステップ23でパージ減量フラグ(ゼロに初期設定)=1とする。このパージ減量フラグはパージ燃料流量の減量補正を行うために必要となるものである(図7で後述する)。
【0096】
ステップ24では噴射中心時期ITCから第3パルス幅TI3の半分を差し引いた値を噴射開始時期ITとして算出する。ここでもステップ14と同様、「IT=ITC−TI3/2」で示したが、厳密にはTI3の単位は[ms]であるので、これをそのままITC[°ATDC]から差し引くことはできない。実際にはそのときのエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いてTI3/2[ms]をクランク角[°]に換算し、ITCからこのクランク角を差し引く。
【0097】
これで、第3パルス幅TI3[ms]、噴射開始時期IT[°ATDC]の演算を終了するので、TI3≧Tminの場合と同様にステップ16、17の処理を行って当サイクルの処理を終了する。
【0098】
図7のフローチャートはパージ燃料流量の減量補正を行うためのもので、一定時間毎に行う。
【0099】
ステップ31ではパージ減量フラグをみる。パージ減量フラグ=1のときだけステップ32に進む。パージ減量フラグ=1となるのは、第3パルス幅TI3が最小パルス幅Tmin未満であることより第3パルス幅TI3を最小パルス幅Tminまで拡大したときである(図6ステップ23、24)。
【0100】
第3パルス幅TI3を最小パルス幅Tminまで拡大したときには図8(i)、(j)に示したように第1パルス幅TI1から第3パルス幅Ti3の半分を引いた分をパージ燃料流量が担当しなければならない。
【0101】
そこで、ステップ32では第1パルス幅TI1から第3パルス幅Ti3の半分を引いた値をパージ燃料流量相当パルス幅TiP2として算出し、このパージ燃料流量相当パルス幅TiP2[ms]からパージ燃料流量QP2[g/min]をステップ33において演算する。ステップ32、33の処理は図4のステップ3、4のちょうど逆の処理を行うものである。
【0102】
ステップ34ではこのパージ燃料流量QP2が得られるようにパージコントロールバルブ18の開度をフィードバック制御する。例えばパージガスフローメータ27と空燃比センサ28に基づいて実際のパージ燃料流量を演算し、これとパージ燃料流量QP2との差に応じたフィードバック量を算出し、これをパージコントロールバルブ18に与える基本開度に加算する。基本開度は運転条件に応じて予め与えられている。
【0103】
なお、パージ中でなくなったときパージ減量フラグをゼロにリセットする。
【0104】
第2実施形態の作用についても図8を参照して説明すると、第2実施形態の場合を(g)以降に示している。
【0105】
パージ燃料流量が増加していくと、(g)、(h)のように2サイクル分の燃料噴射パルスである第3パルス幅TI3が最小パルス幅Tminを下回ることがある。この当サイクルで第2実施形態によれば、パージ時制御3により(i)、(j)のように第3パルス幅TI3が最小パルスTminにまで拡大され、かつTI1−TI3/2の分をパージ燃料流量が分担するようにパージ燃料流量が減量される(パージ燃料流量相当パルス幅でみると(g)のTIP1から(j)のTiP2へと小さくなっている)。
【0106】
このとき当サイクルでは(k)のように第3パルス幅の前半分(TI3/2)による噴射量の燃料がシリンダに流入し(第3パルス幅の後半分による噴射量の燃料は逆流して吸気通路内にとどまる)、残りのTI1−TI3/2の分がTIP2によるパージ燃料流量で補われる。
【0107】
そして次サイクルでは燃料噴射は行われないものの、(l)のように当サイクルで吸気通路内にとどまった第3パルス幅の後半分(TI3/2)による噴射量の燃料がシリンダに流入し、残りのTI1−TI3/2の分が当サイクルと同じくTIP2によるパージ燃料流量で補われる。
【0108】
このように第2実施形態では、パージ制御2の処理中において2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3が最小パルス幅Tminを下回る場合に、第3パルス幅TI3を最小パルス幅Tminにまで拡大し、この拡大した第3パルス幅TI3による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止するので、パージ燃料流量の増加で2サイクル分の燃料噴射パルス幅である第3パルス幅TI3が燃料噴射弁の最小パルス幅Tminを下回ることがあっても、第1実施形態と同様に最小パルス幅Tminへの余裕代を2倍とすることが可能となり、これにより安定して燃料噴射を行える範囲における燃料噴射弁4からの噴射パルス幅の減少代が拡大するので、排気組成に影響を与えることがない。
【0109】
また、シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期θ2とし、噴射開始時期θ1をこの噴射中心時期θ2より第3パルス幅TI3の半分だけ前の時期と、また噴射終了時期θ3をこの噴射中心時期θ2より第3パルス幅TI3の半分だけ後の時期としてそれぞれ定め、かつ第3パルス幅の拡大に伴う燃料噴射弁からの増量燃料分を相殺するようにパージ燃料流量を減量するようにしたので、第3パルス幅TI3を最小パルス幅Tminまで拡大するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも理論空燃比の混合気が得られる。
【0110】
次に、▲1▼吸気弁の開閉タイミングがエンジン回転速度に関係なく同じでありながらエンジン回転速度が変化したときの、▲2▼吸気弁の作動角を一定としたまま吸気弁閉時期を可変に調整可能なバルブタイミング制御装置を備える場合に吸気弁閉時期を変化させたときの、▲3▼吸気ポートの有効長さを切換可能な可変吸気制御装置を備える場合に可変吸気制御装置を非作動状態と作動状態とに切換えたときのシリンダ内吸気流量の各変化波形を図9、図10、図11に示す。
【0111】
▲1▼の場合、図9のように高回転速度になるほど吸気慣性効果によりD部の面積が小さくなり、これによりC部の面積も小さくなる。なお、図は同一吸気流量で示しているためD部の面積が小さくなった分B部の面積も小さくなるように表現してある。このため、低回転速度時に合わせて一定値の噴射中心時期ITCを適合したのでは高回転速度時に噴射中心時期ITCが最適とならないのであるが、高回転速度になるほど噴射中心時期ITCを遅角側へと変化させることで、エンジン回転速度に関係なく噴射中心時期を最適に定めることができる(第3実施形態)。
【0112】
上記▲2▼の場合、図10のように吸気弁閉時期を進角するほどD部の面積が小さくなり、これによりC部の面積も小さくなる。このため、吸気弁閉時期が遅角側にあるときに一定値の噴射中心時期ITCを適合したのでは吸気弁閉時期が進角側にあるときに噴射中心時期ITCが最適とならないのであるが、吸気弁閉時期を進角させほど噴射中心時期ITCを遅角側へと変化させることで、吸気弁閉時期に関係なく噴射中心時期を最適に定めることができる(第4実施形態)。
【0113】
上記▲3▼の場合、図11のように可変吸気コントロールバルブが開作動したとき(可変吸気制御装置の作動状態)、D部の面積が変化し(システムによっては大きくもなり小さくもなる)、これによってC部の面積が変化する。このため、可変吸気コントロールバルブが閉作動状態(可変吸気制御装置の非作動状態)にあるときに一定値の噴射中心時期ITCを適合したのでは可変吸気コントロールバルブが開作動したときに噴射中心時期ITCが最適とならないのであるが、可変吸気コントロールバルブの開作動時に噴射中心時期ITCを変化させることで、可変吸気コントロールバルブが開作動状態、閉作動状態のいずれにあるときも噴射中心時期を最適に定めることができる(第5実施形態)。
【0114】
なお、吸気慣性効果を利用して吸気効率を向上させることを目的にエンジンの運転域を高回転速度域と低回転速度域の2つに区分し低回転速度域では吸気管長が長く、これに対して高回転速度域では吸気管長が短くなるように吸気管長さを切換えるためのバルブが可変吸気コントロールバルブである。
【0115】
図12、図14、図16は図9〜図11で前述した第3、第4、第5実施形態の制御内容を示すフローチャートで、第1実施形態の図5と置き換わるものである。
【0116】
第1実施形態では噴射中心時期ITCが一定であったのに対して、これら3つの実施形態は噴射中心時期ITCを可変にしたものである。以下では図5と異なる部分を主に説明する。なお、図5と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
【0117】
第3実施形態の図12においてステップ41、42でエンジン回転速度Neを読み込み、この回転速度Neから図13を内容とするテーブルを検索することにより、また第4実施形態の図14においてステップ51、52で吸気弁閉時期IVCを読み込み、この吸気弁閉時期IVCから図15を内容とするテーブルを検索することにより、それぞれ噴射中心時期ITCを演算し、ステップ14でこの噴射中心時期ITCから第2パルス幅TI2を差し引いた値を噴射開始時期ITとして設定する。なお、第4実施形態において吸気弁閉時期IVCは図示しない吸気弁閉時期制御のフローにおいて運転条件(エンジン回転速度と負荷)に応じて演算されているので、その値を流用すればよい。
【0118】
ここで、噴射中心時期ITCは、図13、図15のようにエンジン回転速度Neが高くなるほど、また吸気弁閉時期IVCが進むほど遅角側になる値である。図13、図15の特性は実験により予め求めておく。
【0119】
第5実施形態の図16ではステップ61にて可変吸気コントロールバルブをみる。可変吸気コントロールバルブが開作動していれば、ステップ62に進み設定値1を噴射中心時期ITCとしてセットした後、可変吸気コントロールバルブが閉作動状態にあるときにはステップ63に進んで設定値2を噴射中心時期ITCとしてセットした後、ステップ14の処理を実行する。ここで、図11のように可変吸気コントロールバルブの開作動時にD部の面積が小さくなるときには可変吸気コントロールバルブの開作動時の噴射中心時期ITCのほうが可変吸気コントロールバルブの閉作動時より遅角側に変化するように設定値1、2を設定する。
【0120】
図17のフローチャートは第6実施形態で、第1実施形態の図5と置き換わるものである。
【0121】
第6実施形態は燃焼室に直接に臨ませた燃料噴射弁から燃料をシリンダ内に噴射する筒内直噴燃料噴射式エンジンを対象としている。この筒内直噴燃料噴射式エンジンを対象とするときには、パージ制御2の処理中に図19に示したように噴射終了時期が吸気弁閉時期IVCよりも遅くなることがあり、このときには吸気弁閉時期IVCの後にシリンダ内に噴射される燃料分は吸気コレクタへと逆流することなくシリンダ内に滞留するので、当サイクルでの空燃比が理論空燃比よりもリッチになってしまう。
【0122】
こうした空燃比のリッチ化を避けるため、第6実施形態では噴射終了時期が吸気弁閉時期より遅れるとき、噴射期間(2サイクル分の燃料噴射パルス幅)を吸気弁閉時期まで短縮し、その短縮した燃料噴射パルス幅による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルで燃料噴射を中止し、かつこのように燃料噴射パルス幅を短縮しても理論空燃比が得られるようにパージコントロールバルブ開度を制御してパージ燃料流量を調整する。
【0123】
以下では図5と異なる部分を主に説明する。なお、図5と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
【0124】
図17においてステップ71では噴射中心時期ITCに第3パルス幅TI3の半分(図4により演算しているTI2)を加算した値を噴射終了時期ITEとして算出し、この噴射終了時期ITEと吸気弁閉時期IVC(一定値)をステップ72において比較する。ここでもステップ14と同様、「ITE=ITC+TI2」で示したが、厳密にはTI2の単位は[ms]であるので、これをそのままITC[°ATDC]に加算することはできない。実際にはそのときのエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いてTI2[ms]をクランク角[°]に換算し、ITCにこのクランク角を加算する。ITCと同様にIVCも吸気上死点から後ろに測ったクランク角[°ATDC]である。
【0125】
噴射終了時期ITE[°ATDC]が吸気弁閉時期IVC[°ATDC]より大きいことは噴射終了時期ITEが吸気弁閉時期IVCより遅角側にあることを意味するので、このときには運転条件3であると判断し、ステップ73以降のパージ時制御4の処理に進む。
【0126】
ここで、パージ時制御4とはパージ時制御2の処理中に運転条件3が成立したとき、第3パルス幅TI3を吸気弁閉時期IVCから噴射中心時期ITCまでを差し引いた値を2倍にした値にまで短縮し、この短縮した第3パルス幅TI3と、噴射中心時期ITCから第3パルス幅TI3の半分を差し引いた値である噴射開始時期ITとを用いて当サイクルで2サイクル分の燃料噴射を行うと共に次サイクルで燃料噴射を中止し、かつこのように燃料噴射パルス幅を短縮しても理論空燃比が得られるようにパージ燃料流量を調整する制御のことである。また、上記の運転条件3とは噴射終了時期ITEが吸気弁閉時期1VCより遅くなる場合である。
【0127】
具体的にはステップ73で吸気弁閉時期IVCから噴射中心時期ITCを差し引いた値を2倍にした値を第3パルス幅TI3[ms]としてセットする。ここでもステップ14と同様、「TI3=(IVC−ITC)×2」と簡単に示したが、厳密にはTI3の単位は[ms]であるので、右辺と左辺は等しくない。実際には吸気弁閉時期IVC[°ATDC]から噴射中心時期ITC[°ATDC]を差し引いて得られるクランク角区間[°]をそのときのエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いてそのクランク角区間に要する時間[ms]を求め、この時間を2倍した値を第3パルス幅TI3[ms]としてセットする。
【0128】
噴射終了時期ITEが吸気弁閉時期IVCより遅い場合に、吸気弁閉時期IVCまでを噴射期間とするときには噴射期間を短くした分だけ当サイクルと次サイクルとの2サイクル分平均の空燃比が理論空燃比より外れることが考えられるので、パージ燃料流量を調整するためステップ74でパージ調整フラグ(ゼロに初期設定)=1とする。このパージ調整フラグはパージ燃料流量の調整を行うために必要となるものである(図18で後述する)。
【0129】
ステップ75では噴射中心時期ITCから第3パルス幅TI3の半分を差し引いた値を噴射開始時期ITとして算出する。ここでもステップ14と同様、「IT=ITC−TI3/2」で示したが、厳密にはTI3の単位は[ms]であるので、これをそのままITC[°ATDC]から差し引くことはできない。実際にはそのときのエンジン回転速度Ne[rev/min]を用いてTI3/2[ms]をクランク角[°]に換算し、ITCからこのクランク角を差し引く。
【0130】
これで、第3パルス幅TI3[ms]、噴射開始時期IT[°ATDC]の演算を終了するので、第1実施形態と同様にステップ16、17の処理を行って当サイクルの処理を終了する。
【0131】
図18のフローチャートはパージ燃料流量の調整を行うためのもので、図7と対応する。図示のように図7とはフラグの名称が異なるだけで制御内容は同様であるので、図7と同一部分に同一のステップ番号をつけて説明は省略する。なお、パージ調整フラグもパージ中でなくなったときゼロにリセットする。
【0132】
第6実施形態によれば、パージ時制御2の処理中に運転条件3が成立したとき、第3パルス幅TI3を、吸気弁閉時期IVCから噴射中心時期ITCを差し引いた値を2倍した値にまで短縮し、この短縮した第3パルス幅TI3と、噴射中心時期ITCから第3パルス幅TI3の半分を差し引いた値である噴射開始時期ITとを用いて当サイクルで2サイクル分の燃料噴射を行い(図19参照)、次サイクルで燃料噴射を中止し、かつこのように燃料噴射パルス幅を短縮しても目標空爆比が得られるようにパージコントロールバルブ開度を制御してパージ燃料流量を調整する制御(パージ時制御4)を行うようにしたので、筒内直噴燃料噴射式エンジンを対象として、パージ時制御2の処理中において噴射終了時期が吸気弁閉時期より遅れるときに第3パルス幅TI3を、吸気弁閉時期から噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮し、この短縮した第3パルス幅TI3による噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行するに際しても、燃料噴射の行われる当サイクル及び燃料噴射の中止される次サイクルとも目標空燃比の混合気が得られる。
【0133】
第3、第4、第5実施形態では第1実施形態を前提として述べたが、第2実施形態、第6実施形態を前提とするようにしてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の制御システム図。
【図2】第1実施形態のパージ時制御2の内容を従来装置と比較して示す概要図。
【図3】パージ時制御2に付加する燃料噴射時期制御の内容を説明するためのシリンダ内吸気流量の変化波形図。
【図4】3つの制御フラグの設定を説明するためのフローチャート。
【図5】パージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図6】第2実施形態のパージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図7】第2実施形態のパージ燃料流量の減量補正を説明するためのフローチャート。
【図8】パージ時制御1〜3を説明するための概要図。
【図9】第3実施形態の噴射時期の可変制御を説明するためのシリンダ内吸気流量の変化波形図。
【図10】第4実施形態の噴射時期の可変制御を説明するためのシリンダ内吸気流量の変化波形図。
【図11】第5実施形態の噴射時期の可変制御を説明するためのシリンダ内吸気流量の変化波形図。
【図12】第3実施形態のパージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図13】エンジン回転速度に対する噴射中心時期の特性図。
【図14】第4実施形態のパージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図15】吸気弁閉時期に対する噴射中心時期の特性図。
【図16】第5実施形態のパージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図17】第6実施形態のパージ時制御2の処理を説明するためのフローチャート。
【図18】第6実施形態のパージ燃料流量の調整を説明するためのフローチャート。
【図19】第6実施形態の作用を説明するためのシリンダ内吸気流量の変化波形図。
【符号の説明】
4 燃料噴射弁
16 キャニスタ
18 パージコントロールバルブ
1 コントロールユニット

Claims (16)

  1. 目標空燃比が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量として演算する第1噴射量演算手段と、
    1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をエンジンに供給する燃料噴射弁と
    を備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、
    燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、
    このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量として演算する第2噴射量演算手段と、
    この第2噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行するパージ時制御手段と
    を備え
    当サイクルでの燃料噴射の開始と終了の各時期を、前記2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 前記2サイクル分の噴射量は、当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期とし、この噴射中心時期より前記2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として設定することを特徴とする請求項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記パージ時制御手段の実行中に前記2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量をこの最小噴射量を2倍にした値へと拡大し、この拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 当サイクルでの燃料噴射時期を、前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定することを特徴とする請求項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期とし、この噴射中心時期より前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定めることを特徴とする請求項5に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 前記2サイクル分の噴射量を燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を減量することを特徴とする請求項または6に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  8. 目標空燃比が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量として演算する第1噴射量演算手段と、
    1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をエンジンに供給する燃料噴射弁と
    を備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、
    燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、
    このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量として演算する第2噴射量演算手段と、
    この第2噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行するパージ時制御手段と
    を備え、
    前記パージ時制御手段の実行中に前記2サイクル分の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量をこの最小噴射量を2倍にした値へと拡大し、この拡大した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行するとともに、
    当サイクルでの燃料噴射時期を、前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分が次サイクルでのシリンダへの燃料供給に持ち越されるように設定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  9. 前記2サイクル分の噴射量は、当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値であることを特徴とする請求項8に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  10. シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの吸気量に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期とし、この噴射中心時期より前記拡大した2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定めることを特徴とする請求項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  11. 前記2サイクル分の噴射量を燃料噴射弁の最小噴射量を2倍にした値へと拡大した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を減量することを特徴とする請求項8または10に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  12. 目標空燃比が得られる1サイクル当たりの噴射量を第1噴射量として演算する第1噴射量演算手段と、
    1サイクル毎にこの第1噴射量の燃料をシリンダ内に直接供給する燃料噴射弁と
    を備えるエンジンの燃料噴射制御装置において、
    燃料タンク内に発生するベーパ中の燃料粒子をキャニスタに吸着させておくと共に、このキャニスタ内の吸着燃料分をエンジン運転中の吸入圧力によりパージガスにして吸気通路に導入する蒸発燃料処理装置と、
    このパージガスの導入中にも前記目標空燃比が得られるように前記第1噴射量からパージ燃料流量の分だけ減算した噴射量を第2噴射量として演算する第2噴射量演算手段と、
    この第2噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回るとき、2サイクル分の噴射量を当サイクルでの第2噴射量を2倍にした値で設定し、この2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行する第1パージ時制御手段と、
    シリンダ内吸気流量の波形上で吸気下死点より吸気弁が閉じるまでの期間に相当する面積と等しい面積を吸気下死点を中心にして反対側にとってその面積を区切る最初のクランク角を噴射中心時期とし、この噴射中心時期より前記2サイクル分の噴射量の半分を噴き終わることができる前及び後の各時期を噴射開始時期及び噴射終了時期として定める燃料噴射時期設定手段と、
    前記第1パージ時制御手段の作動中に前記噴射終了時期が吸気弁閉時期より遅れるとき、前記2サイクル分の噴射量を吸気弁閉時期から前記噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮し、この短縮した2サイクル分の噴射量の燃料を当サイクルで一度に噴射し、次サイクルでの燃料噴射を中止する制御を実行する第2パージ時制御手段と、
    この第2パージ時制御手段により前記2サイクル分の噴射量を吸気弁閉時期から前記噴射中心時期を差し引いた値を2倍にした値へと短縮した状態でも目標空燃比が得られるようにパージ燃料流量を調整するパージ燃料流量調整手段と
    を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  13. 前記噴射中心時期をエンジン運転状態に応じて変化させることを特徴とする請求項3、6、10、12のいずれか一つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  14. 吸気弁の開閉時期がエンジン回転速度に関係なく同一である場合に、前記噴射中心時期をエンジン回転速度が高回転速度側になるほど遅角側へ変化させることを特徴とする請求項13に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  15. 吸気弁の作動角一定のまま吸気弁閉時期を可変に調整可能なバルブタイミング制御装置を備える場合に、前記噴射中心時期を吸気弁閉時期が進角側になるほど遅角側へ変化させることを特徴とする請求項13に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  16. 吸気ポートの有効長さを切換可能な可変吸気制御装置を備える場合に、前記噴射中心時期をこの可変吸気制御装置が非作動状態と作動状態とで変化させることを特徴とする請求項13に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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