JP3748629B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は運転状態に応じて燃焼室内で混合気を成層化し、リーン燃焼を行う内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼室の点火栓の周辺に可燃混合気層、その周囲にはほとんど燃料を含まない空気層を形成、つまり燃焼室内の一部に混合気を形成し、全体として超リーンな混合気であっても安定した燃焼を可能とする成層燃焼内燃機関が、例えば特開平4−241754号公報等によって提案されている。
【0003】
この場合、運転条件の低中負荷領域などで行われる混合気の成層化は、吸入行程で空気のみを燃焼室内に吸入し、圧縮行程の後半などにおいて点火栓近傍に燃料を噴射することにより実現している。
【0004】
このような内燃機関において、燃料タンクなどから蒸発した燃料が大気に拡散しないようにキャニスタに溜め、これを吸気通路から燃焼室へと還流する場合、蒸発燃料は空気と予混合状態で燃焼室に吸入されることから、空気層にも蒸発燃料が存在することになる。
【0005】
しかし、この空気層の空燃比は、可燃限界をはるかにリーン側に越えているため、燃焼火炎は空気層の蒸発燃料に伝播することなく消炎し、したがって蒸発燃料を含む空気はそのまま外部に排出されてしまい、排気中のHCを増加させることになる。
【0006】
そこで、特開平5−223017号公報により、内燃機関の運転条件が、成層燃焼を行う低・中負荷領域にあっては、蒸発燃料の吸気中への還流を停止、つまり蒸発燃料のパージを行わないようにした提案がされている。
【0007】
このようにすることにより、蒸発燃料は成層燃焼を行わない高負荷領域などにおいて吸気中に還流され、燃焼除去される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、キャニスタに対する燃料の吸着は運転中にも継続し、もしこのように吸気中への蒸発燃料の還流を停止している低・中負荷での運転が長時間にわたり継続して行われる場合には、キャニスタの蒸発燃料が飽和状態となり、一部が吸気系に逆流したり、外部に漏れ出るという問題を起こす。
【0009】
これでは成層燃焼時にせっかくパージを停止しても、HCの排出抑制機能は薄れてしまう。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するために、蒸発燃料の吸着量が飽和状態に達したら、限定的に混合気を存在させての成層燃焼を一時的に停止し、全域的な混合気による燃焼(予混合燃焼)に切換えると共に蒸発燃料の還流を行い、HCの排出を抑制することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、燃焼室内の一部の領域に混合気を存在させる限定的混合気層と燃焼室内の全域的に混合気を存在させる全域的混合気層とのいずれかを運転状態に応じて選択的に切換える混合気層形成手段と、燃料タンク等からの蒸発燃料を吸着貯留手段を経由して吸気系に還流する手段と、限定的混合気層による運転時には蒸発燃料の吸気系への還流を停止する手段とを備えた内燃機関において、前記吸着貯留手段内の蒸発燃料の貯留量を算出する手段と、限定的混合気層による運転時に前記貯留量が所定値を越えたときは限定的混合気層から全域的混合気層に切換えると共に、停止されていた蒸発燃料の吸気系への還流を再開する制御手段とを、備え、前記切換制御手段が、前記限定的混合気層から全域的混合気層に切換えるときには吸入空気量を目標値よりも一時的に大きく減少させ、その後に目標空気量となるように戻すことを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、前記蒸発燃料の算出手段が、少なくともエンジン停止時の燃料温度条件から貯留量の初期値を算出する。
【0013】
第3の発明は、前記蒸発燃料の算出手段が、蒸発燃料の吸気系への還流時には貯留量から変化量を減算し、還流停止時には加算する。
【0014】
第4の発明は、前記混合気層の切換制御手段が、混合気層切換時に吸入空気量を調整し、同一の出力トルクを維持するように空燃比を調整する。
【0016】
第5の発明は、前記混合気層の切換制御手段が、切換時の運転条件が、同一トルクを維持したままいずれの混合気層によっても安定燃焼される領域にあるかどうかを判断する手段と、この安定燃焼領域にあるときに限り混合気層の切換を実行する手段とを含む。
【0017】
第6の発明は、前記混合気層の形成手段が、燃焼室に直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁の噴射タイミングを吸気行程と圧縮行程との間で切換える手段とを含む。
【0018】
【作用・効果】
第1の発明において、機関の低・中負荷領域など、燃焼室には限定的に混合気層が形成され、成層燃焼により、全体的には超リーンな混合気であっても安定した燃焼が確保され、燃費の改善が図れる。この成層燃焼による運転時には、燃料タンクからの蒸発燃料の吸気系への還流が停止され、成層化した混合気層のうち、ほとんど燃料を含まない空気層に蒸発燃料が混在したときに発生するHCの排出を抑制する。
【0019】
しかし、蒸発燃料の貯留量が所定値を越えたときは、混合気の成層化を停止して、燃焼室の全域的に混合気が存在するように混合気層を形成し、同時に蒸発燃料の吸気系への還流を行い、蒸発燃料貯留手段の飽和状態を解消し、蒸発燃料の発散を防ぎ、還流された蒸発燃料は混合気の一部として確実に燃焼させることで、HCの生成を減少させる。限定的混合気層から全域的混合気層に切換えるときには吸入空気量を目標値よりも一時的に大きく減少させることで、吸入空気量の切換応答性を高め、空燃比を目標値に応答よく収束させられる。
【0020】
第2の発明において、燃料タンクからの蒸発燃料は主としてエンジン停止時に貯留手段に蓄えられるが、その蒸発燃料量はほぼ燃料温度に比例して増加し、したがってこの燃料温度に基づいて貯留量を推定することにより、正確に貯留量を算出できる。
【0021】
第3の発明において、貯留量を算出するにあたり、蒸発燃料の吸気系への還流時には減らし、還流停止時には増やすようにしたので、運転条件によって変動する現在の蒸発燃料の貯留量が正確に算出できる。
【0022】
第4の発明において、混合気層切換時に吸入空気量を調整し、同一の出力トルクを維持するように空燃比を調整するため、切換時に出力トルクの変動が避けられ、円滑な運転性が維持される。
【0024】
第5の発明において、混合気層の切換えが同一トルクを維持したまま安定燃焼する領域でのみ実行されるので、切換時の燃焼特性の変動がなく、円滑な運転性が確保される。
【0025】
第6の発明において、混合気層の形成が、燃料噴射弁の噴射タイミングの切換えにより簡単かつ確実に実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1において、吸気通路6を流れる吸入空気量を測定するエアフローメータ1の下流には、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ4が設けられ、さらにこのスロットルバルブ4をバスパスする補助空気通路2が設けられ、この補助空気通路2には補助空気流量を制御する補助空気制御バルブ3が介装される。したがって、機関に吸入される吸入空気量はスロットルバルブ4と補助空気制御バルブ3との開度に比例して制御される。補助空気制御バルブ3の開度は後述するコントロールユニット(ECU)19によって運転状況に応じて制御される。
【0027】
シリンダヘッド9とシリンダブロック8とピストン11によって燃焼室10が画成され、この燃焼室10には点火栓16の近傍に向けて直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁15が設けられる。
【0028】
13は吸気弁、14は排気弁を示し、また排気通路7には排気中の空燃比を検出するための空燃比センサ17が設けられる。
【0029】
前記コントロールユニット19にはエアフローメータ1からの吸入空気量信号、クランク軸に取付けたクランク角度センサ21からの回転角度信号等が入力し、これらに基づいて燃料噴射弁15から所定のタイミングでもって燃料を噴射させる。詳しくは後で述べるが、機関運転条件の低・中負荷領域において機関の圧縮行程で燃料を噴射させ、主として点火栓16の近傍に燃料を集中させ、点火性近傍の可燃混合気層とその周囲のほとんど燃料を含まない空気層とにより、燃焼室内に限定的に混合気を存在させ、成層燃焼を行わせる。これに対して高出力を要求される高負荷領域では、吸気行程において燃料を噴射させ、吸気行程から圧縮行程にかけて空気と燃料を予め混合撹拌し、燃焼室内全域で均一的濃度の混合気層を形成し、予混合燃焼を行わせるのである。
【0030】
一方、吸気通路6に燃料タンク41から蒸発した燃料を導くために、蒸発燃料管路42を介して蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタ43が設けられ、キャニスタ43の活性炭層44に蒸発燃料を吸着する。この活性炭層44に吸着された蒸発燃料は、スロットルバルブ4の上流から管路45を介して取り入れた空気と共にスロットルバルブ4の下流に管路46を経由して放出(パージ)されるが、管路46の途中にはその流路面積を調整してパージ量を制御するパージ制御弁47が設けられる。
【0031】
このパージ制御弁47は後述するようにコントロールユニット19からの信号により作動し、基本的には低・中負荷領域で閉じてパージを停止し、高負荷域で開いてパージを行うが、コントロールユニット19はキャニスタ43における蒸発燃料の貯留量(推定値)が所定値を越えたときには、低・中負荷領域でもパージ制御弁47を開いてパージを行い、かつこのときには前記燃料噴射弁15の燃料噴射時期を圧縮行程から吸気行程に切換え、限定的混合気層による成層燃焼から、全域的混合気層による予混合燃焼に切り換えるようになっている。
【0032】
コントロールユニット19により実行されるこれらの制御動作について、図2〜図3のフローチャートにしたがって説明する。
【0033】
まず、図2は、キャニスタ43に貯留される蒸発燃料量の推定を行うルーチンであって、ステップ11では内燃機関の始動後、この処理を実行するのが、最初(1回目)であるかどうかを判断し、もし、初回であるならば、ステップ12で蒸発燃料の貯留量の初期値をQevapに設定する(Qevap=Qevap int)。この初期値は前回のエンジン停止時の燃料温度あるいはその推定値の関数として与えられる。蒸発燃料の推定量は、例えばエンジン停止時の冷却水温と、始動からのエンジン運転継続時間とから求め、各々が大きいほど蒸発燃料量が多くなるものと推定する。
【0034】
ステップ13では蒸発燃料放出のためのパージ制御弁47が閉じているかどうかを判断し、閉じているときは貯留量Qevapが増加するものとして、ステップ14ではその増加量ΔQevap(正値)を推定する。この推定量は、燃料温度またはその燃料温度推定値の関数として求め、温度が高いほど大きくなるように増加量を推定する。
【0035】
これに対してパージ制御弁47が開いているときは、パージにより貯留量が減少するので、ステップ15でパージの減少量ΔQevap(負値)を推定する。この推定方法としては、ΔQevapをパージ制御弁47の開度と吸入負圧の関数として与え、制御弁開度が大きいほど、また吸入負圧が強いほど減少量が多くなる。
【0036】
ステップ16では、貯留量の初期値Qevapに対して、このようにして求めた増加または減少量である変化量ΔQevapを加算し、現在の蒸発燃料の貯留量を推定する(Qevap=Qevap+ΔQevap)。
【0037】
以上により現在の段階でのキャニスタに貯留されている蒸発燃料量が推定される。
【0038】
次に図3のフローチャートに基づいて、混合気層の形成を燃焼室内に限定的に混合気を存在させる場合と、全域的にほぼ均質な混合気を存在させる場合とに切換える動作を説明する。
【0039】
ステップ21で運転条件、例えばエンジン回転速度、負荷、冷却水温等を読み込み、これらに基づいてステップ22で限定的混合気層による成層化条件を判定する。例えば、エンジンが比較的低速、低負荷で、かつエンジン暖機後であれば、混合気の成層化条件が成立したものと判断する。成層化条件が非成立のとき、例えば高負荷領域などではステップ23に進み、全域的な混合気層による均質混合気層を形成する。
【0040】
成層化条件が成立したときは、ステップ24で前述のようにして求められるキャニスタ43に貯留されている蒸発燃料量Qevapの推定値を読み込むか、あるいは推定を行う。そして、ステップ25でこの蒸発燃料量Qevapを予め設定してあるレベルLevel1と比較し、この所定レベルよりも小さい場合にはステップ26に進んで限定的混合気層を形成する。
【0041】
これに対して、蒸発燃料量が所定レベルよりも高いときは、混合気の成層化条件が成立しているにもかかわらず、ステップ23に移行し、成層燃焼を行わずに、燃焼室全域的に均質な混合気層を形成して予混合燃焼を行う。
【0042】
ここで全体的な作用について説明する。
【0043】
一般に燃焼室で燃焼する混合気の空燃比がリーンになるのに従って同一トルクを得るのに必要な吸気量が相対的に増え、これに伴うポンピングロスの低減により、燃費が向上する。
【0044】
通常のガソリンエンジンで、燃料と空気を予混合し、燃焼させるタイプにあっては、燃焼安定性から空燃比で25付近がリーン限界であるとされている。しかし、点火栓近傍に可燃混合気層を形成し、その回りには空気層のみを存在させるようにして混合気を成層化し、燃焼させるタイプにあっては、実質的な空燃比は上記リーン限界をはるかに越え、空燃比40付近でも運転が可能となり、さらに燃費の向上が図れる。
【0045】
そこで、低・中負荷領域では燃料噴射弁15からの燃料噴射を、機関の圧縮行程において行うことにより、点火栓16の近傍にのみ噴射燃料の多くを滞留させて燃焼室内の一部領域にのみ可燃混合気層を形成し、成層燃焼を実現するのである。
【0046】
ただし、この成層化燃焼では、シリンダボリュームとの関係から、高出力運転時など、吸気量を最大限に増加させても、燃料量は相対的に少ないため発生トルクが不足するようにする。そこで、要求負荷が大きい運転領域では成層化燃焼を中止し、燃料噴射弁15からの燃料噴射を吸気行程で行い、その後の圧縮行程において吸入空気と十分に混合撹拌することで、燃焼室10の全域において、例えば空燃比22程度の均一的な混合気層を形成し、予混合燃焼を行い、十分な出力を確保している。
【0047】
ところで、キャニスタ43に吸着される蒸発燃料の多くはエンジン停止後に発生するが、通常走行中でも燃料温度の上昇に伴い増加する。この蒸発燃料はキャニスタ43からパージ制御弁47を介して吸気通路6に導入されるが、導入状態によって空燃比が変動するので、この導入量はコントロールユニット19によりパージ制御弁47の開度を運転条件に応じて制御することで、適正にコントロールされる。
【0048】
しかし、混合気の成層燃焼を行っている低・中負荷領域にあっては、吸気中にこのような蒸発燃料を混入することにより、点火栓16の近傍の可燃混合気層の外側の空気層についても蒸発燃料が存在する。しかし、成層燃焼時には蒸発燃料を含む極めてリーンの空気層までは燃焼火炎が伝播せず、未燃HCの排出量が増大する。そこで、このような成層燃焼時にはコントロールユニット19からの信号でパージ制御弁47を閉じ、蒸発燃料の導入を停止し、HCの排出量を低下させるようにしている。
【0049】
ところが、成層燃焼を行う運転条件が長時間にわたり継続するときには、キャニスタ43に貯留した蒸発燃料の放出が行えず、飽和状態に達してしまい、管路42を経由して吸気中に逆流することがある。この場合に成層化燃焼を維持していると、上記したのと同じ問題が発生する。
【0050】
そこで、キャニスタ43に蓄えられる蒸発燃料量を、そのときの運転条件等から推定し、この推定値が所定値を越えたならば、運転状況が成層燃焼条件であっても、混合気の成層化を停止すると共に、パージ制御弁47を開いて蒸発燃料の吸気中への導入を行う。
【0051】
図4はこのときの状態を示すものであるが、キャニスタ43に貯留されている蒸発燃料量Qevapが所定のレベルを越えると、限定的混合気層による運転から全域的な均質混合気層による運転に切換える。ただし、この場合、切換に伴って出力トルクが変動すると、運転特性上、違和感が生じる。
【0052】
そこで、切換前後においてトルク変動が生じないように、燃料供給量については同一量を維持しつつ、例えば空燃比が40から22に切換わるように、スロットルバルブ4の開度を減少させるか、または補助空気制御バルブ3の開度を減少する。このようにすることで、吸気系のダイナミクスに従いシリンダ吸入空気量はほぼ一次遅れで減少し、空燃比が40から22へと変化する。
【0053】
そして空燃比が22になった時点で、燃料噴射弁15からの燃料噴射タイミングを、それまでの圧縮行程から吸入行程に早め、限定的混合気層から全域的な均質混合気層へと切換えるのである。
【0054】
燃焼室10において燃料と空気は十分に混合撹拌されるので、パージ制御弁47からの吸気中に導入された蒸発燃料も十分に混合され、燃焼室内全域において均一的な混合気となり、確実に燃焼されることになる。なお、蒸発燃料のパージにより空燃比が相対的に濃くなるので、同一空燃比を維持するのに必要な燃料噴射量としては、その分だけ減量すればよい。
【0055】
このようにして、成層燃焼の運転条件であっても、キャニスタ43での蒸発燃料の貯留量が所定値を越えたときには、成層燃焼を停止し、蒸発燃料を吸気系に還流して均質混合気による予混合燃焼をさせるので、還流された蒸発燃料を確実に燃焼させ、HCを低減しつつ、キャニスタ43の飽和状態を解消し、常に適正な機能を維持することができる。
【0056】
このようにしてキャニスタ43に貯留されていた蒸発燃料が十分にパージされたものと判断されたときは、運転条件が成層燃焼条件を満たす場合に、同一の燃料噴射量を維持しつつ、スロットルバルブ4(または補助空気制御バルブ3)を開くと同時に燃料噴射タイミングを切換えることにより、全域的な均質混合気層から限定的混合気層の形成へと切換え、空燃比40での成層燃焼に戻す。
【0057】
上記説明において、限定的混合気層による成層燃焼から均質的混合気による予混合燃焼へと切換えるにあたり、この切換中に変動する空燃比は排気性能上からは、必ずしも好ましい状態にはない。したがって、この空燃比の切換は可能な限り速やかに行うことが望ましい。
【0058】
図5はこの空燃比の切換を可及的に速やかに実行するため、切換時のスロットルバルブ4(または補助空気制御バルブ3)の開度を、図4よりもいったん大きく減少させ、速やかに空気量を減じ、その後に目標空気量となるようにスロットルバルブ4の開度を開き方向に戻すものである。
【0059】
このようにすることにより、吸入空気量の減少応答性が良好となり、空燃比は40から22の状態により早く切換わり、これらの間の値に空燃比が維持される時間が短くなり、それだけ排気性能を向上させることができる。
【0060】
なお、これをより精度よく行うためには、吸気系のダイナミクスに基づいて、スロットルバルブ4の開度制御に位相進み補償をかけるとよい。
【0061】
また、以上の制御では空燃比が40から22に切換わった時点で燃料の噴射タイミングを切換え、混合気層の形成方法を切り換えているが、全域的混合気層と限定的混合気層のそれぞれについて、運転条件に基づいて安定的に燃焼が可能な空燃比の帯域をプログラム的に設定しておき、その帯域上で重なり合う空燃比があった場合にのみ、混合気形成方法を切換えることもできる。
【0062】
この場合、運転条件が、変更後の混合気形成方法で安定燃焼可能な空燃比帯域に移行したことを起点として、燃料噴射タイミングを切換えるようにする。
【0063】
このようにすると、いずれの混合気であっても安定燃焼する状態においてのみ混合気形成方法の切換えが行われるので、燃焼切換時に燃焼が悪化したり、出力トルクの変動などが生じることがなく、円滑な運転特性が維持される。
【0064】
なお、以上の説明では燃焼室10に設けた燃料噴射弁15からの噴射タイミングを変更することにより、混合気形成方法の切換えるようにしているが、これに限らず、スワール制御弁等により吸気流動を制御し、燃焼室内混合気の成層化を実現するなど、公知の手法を採用することを妨げるものではない。
【0065】
また、全域的混合気層の形成について、点火栓近傍に濃い混合気を存在させ、その周囲には希薄な混合気を存在させるように混合気を成層化してもよく、必ずしも燃焼室全域において均質濃度の混合気を形成する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同じく蒸発燃料量の推定制御動作を示すフローチャートである。
【図3】同じく混合気形成方法の切換制御動作を示すフローチャートである。
【図4】同じく制御動作の作動特性を示すタイミングチャートである。
【図5】他の実施形態による制御動作の作動特性を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
3 補助空気制御バルブ
4 スロットルバルブ
6 吸気通路
10 燃焼室
15 燃料噴射弁
16 点火栓
19 コントロールユニット
41 燃料タンク
43 キャニスタ
47 パージ制御弁

Claims (6)

  1. 燃焼室内の一部の領域に混合気を存在させる限定的混合気層と燃焼室内の全域的に混合気を存在させる全域的混合気層とのいずれかを運転状態に応じて選択的に切換える混合気層形成手段と、
    燃料タンク等からの蒸発燃料を吸着貯留手段を経由して吸気系に還流する手段と、
    限定的混合気層による運転時には蒸発燃料の吸気系への還流を停止する手段とを備えた内燃機関において、
    前記吸着貯留手段内の蒸発燃料の貯留量を算出する手段と、
    限定的混合気層による運転時に前記貯留量が所定値を越えたときは限定的混合気層から全域的混合気層に切換えると共に、停止されていた蒸発燃料の吸気系への還流を再開する制御手段とを、備え、
    前記切換制御手段が、前記限定的混合気層から全域的混合気層に切換えるときには吸入空気量を目標値よりも一時的に大きく減少させ、その後に目標空気量となるように戻すことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記蒸発燃料の算出手段が、少なくともエンジン停止時の燃料温度条件から貯留量の初期値を算出する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記蒸発燃料の算出手段が、蒸発燃料の還流時には貯留量から変化量を減算し、還流停止時には加算する請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記混合気層の切換制御手段が、混合気層切換時に吸入空気量を調整し、同一の出力トルクを維持するように空燃比を調整する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記混合気層の切換制御手段が、切換時の運転条件が、同一トルクを維持したままいずれの混合気層によっても安定燃焼される領域にあるかどうかを判断する 手段と、この安定燃焼領域にあるときに限り混合気層の切換を実行する手段とを含む請求項1または4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記混合気層の形成手段が、燃焼室に直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁の噴射タイミングを吸気行程と圧縮行程との間で切換える手段とを含む請求項1〜5のいずれか一つに記載の内燃機関の制御装置。
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