JP4060240B2 - プラスチック中空シートのコーナー端面rシール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は段ボール形態のプラスチック中空シートのコーナー部を綺麗にR加工して封止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、従来の紙製段ボール箱に代えて、図8のAに示すような段ボールのライナーに相当する表壁2と裏壁2’間に複数の隔壁3が等間隔に一体成形された中空合成樹脂板1からなるケースブランクで形成された樹脂製段ボール箱が多用されてきている。隔壁3によって形成された両端面が開口している貫通の開口溝4を有してなり、押出し成形により、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の合成樹脂で一体に成形される。これらの樹脂製段ボール箱は、紙製に比べて水塗れに強く機械的強度があり通い箱等として繰返し使用でき、且つ洗浄等が容易であり、長期間繰返し清潔に使用できる利点がある。そのため、最近では箱体材料としてだけでなくベニヤ板に代わる素材として各種パネルやパレット積み用の板、看板等に広く応用が試みられている。しかしながら、該プラスチック中空パネル1は製品によって適宜大きさに打ち抜き形成されるため、従来の段ボールと同様に隔壁長手方向に対して、その端面が開口した多数の開口溝4を有することになる。そのため、繰返し使用過程で該開口溝4に虫やごみ等の異物が侵入しまう欠点がある。そのため、異物の侵入を防ぐために開口溝の両端部を封鎖するための端面処理が行われている。
【0003】
本出願人は、先に特許文献1「中空合成樹脂板及びその端面処理方法並びにその装置」を提示し特許出願した。この発明は、熱溶着部の表面形状が均一で製品の仕上がり寸法が正確で安定し、また反りの発生も少なく、且つピンホールも発生しにくく均一にシールでき、さらにシールエッジも発生しない安全性・衛生性・美観性に優れた端面処理部を有する中空合成樹脂板と、該中空合成樹脂板を得るための中空合成樹脂板端面処理方法並びにその装置を得ること、並びにケースブランクを一工程で端面処理ができるケースブランクの端面処理装置を提供することを目的としたもので、その中空合成樹脂板の端面処理装置は、中空合成樹脂板を受ける受け板、端面を位置決めするゲージ板、端面部を上下から挾んで熱成形する成形型面を有する一対の成形板、及び押え板が配置され、且つ開口端面部に対して側方から直角に中空合成樹脂板の隔壁にその頂部が突き当たるように成形熱板が変位可能に配置されている。その処理加工は図7に示すとおりで、Aにおいて中空合成樹脂板は、受板上に適宜の搬送手段により搬送されて、その開口溝が開口している端面部をゲージ位置に下降しているゲージ板に付き当たることにより、端面が位置決めされる。次に押え板が下降することにより中空合成樹脂板が押えられてその位置で保持され、ゲージ板が上昇する。この状態で、シリンダ装置が作動して予めヒータにより所定温度に加熱されている成形熱板を中空合成樹脂板側に変位させることにより、まず成形熱板の先端が隔壁の中間部に当たって隔壁を中間部から溶融しながら所定量変位することにより、三角柱状の成形熱板の傾斜辺で隔壁を略三角形状に溶融させ、且つ表壁及び裏壁が成形熱板の傾斜辺に接触することによって表壁及び裏壁先端部も軟化する(図7のB)。その後、図7のCに示すように成形熱板が復帰して退避すると同時に、成形板が上下から移動して中空合成樹脂板を挟圧して溶融部を加圧成形する。その際、隔壁が断面三角状に溶融しているために表壁及び裏壁が容易に変形し、表壁端縁及び裏壁端縁が中空合成樹脂板の中間厚さ部で接合するので、端面処理部表面にしわ等の発生も少なく図8のBに示すようなスムーズに円弧した端面処理形状を得ることができる。しかし、この方法による端面加工の場合、詳細に観察するとシート端面部には、図8のCに示すように段差が生じたり溶融樹脂がバリとなって残ってしまうことがまま生じる。箱ものとして用いる場合にはこのようなことは全く問題とはならないが、看板や展示パネルなど人の目にさらされるものの素材とされる場合には見た目に綺麗ということが商品価値を高める上で要求されることになる。しかも、従来のプラスチック中空シートの端面シールはシートの辺部分すなわち、直線部分のシールであって、コーナー部分をシール処理する技術は無かった。直線部分のシールを行った結果コーナー部分に段差等の不連続形状ができ、仕上げが綺麗でないだけでなくそこに歪みが集中して裂け易いといった問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−158530号公報「中空合成樹脂板及びその端面処理方法並びにその装置」平成12年6月13日公開。[0005]から[0013],図1,図2
【特許文献2】
特公昭48−20036号公報「中空合成樹脂板の縁部を密封する方法及びその装置」昭和48年6月18日公告。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、プラスチック中空シートのコーナー部をバリが残らずR形状に綺麗に封止処理ができると共に、加工速度が速いプラスチック中空シートのコーナー部の美麗シール方法を提示すること、また、その加工装置及び角部端面を綺麗にR形状にシール成形されたプラスチック中空シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する方法は、溝が形成されている加熱ブロックと、前記溝に連続した溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を用い、加熱された状態にある加熱ブロックの前記溝部に固定されたプラスチック中空シートの角部の1辺を挿入した後他辺側まで前記治具を相対的に回動させ、該角部を加熱ブロック溝内にて半溶融状態にした後、外端部をR曲面に断面をU字状に整形し、冷却ブロック溝空間に加圧圧縮させて余剰樹脂をシート中空部に吸収させつつ該角部を冷却ブロック溝形状に成形した後、冷却固化させるようにした。
本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置は、溝幅が一端側では被加工物であるプラスチック中空シートの厚さより大きく、他端側ではシート厚さ程度に狭められ、深さについては一端側では深く他端側では浅いU字形状に溝が形成されている加熱ブロックと、ほぼ全体的に幅がプラスチック中空シートの厚さよりやや狭いU字状の断面の溝が形成され、前記加熱ブロックの溝に連続した端部では前記底部が広げられ、幅方向にも外側へR加工がなされた溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を加工される中空シートに対し溝方向に相対的に回転自在の構造とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
プラスチック中空シートの端面を封止する手法として、現在行われているものは前述したように、熱こてである成形熱板を解放された端面部に圧接してシート樹脂をV字状に溶解させると同時に、2枚の成形板が上下から移動して中空合成樹脂板を挟圧して溶融部を加圧成形するものであるが、この手法では仕上がり面に段差が生じたり溶融樹脂がバリとなって残ってしまうことがままあり、人目に触れるパネル材としては見栄えの点で難があることに鑑み、本発明は端部近傍の樹脂を軟化半溶融状態とし型によって成形させることに想到したものである。プラスチック中空シートの辺部端面の開口溝を直線状に封止する技術は本願と並行して出願している特願2003−157058号に開示している。この手法によってプラスチック中空シートの辺部端面の開口溝は綺麗に封止できるのであるが、このプラスチック中空シートを展示パネルや看板用に使用する場合は単に開口溝が封止できるだけでは不十分で、各辺部と角部も含めて綺麗に端面処理がなされることが求められる。先の並行出願の技術では開口溝のある辺だけでなく隔壁と平行する辺についても綺麗な封止処理が行えるのであるが、角部は段部となってバリが生じ仕上がりは綺麗ではない。その部分が物に引っかかったり応力が集中するなりして亀裂を生じやすいという問題もある。そこで、本発明はプラスチック中空シートの角部端面近傍の樹脂を軟化半溶融状態とし溝部を回動させて通過させることによりR形状にかつ断面を該溝部の形状に成形させるようにしたものである。
【0008】
ところで、この端部近傍の樹脂を軟化半溶融状態とし溝部を通過させることにより該溝部形状に成形させ、解放端面を封止する処理手法は本出願人が以前提案(特許文献2)した技術である。この発明は上下に占位して循環駆動する駆動ベルト間に所定の形状に切断した中空合成樹脂板を扶持して移動させると同時に上記駆動ベルトの両側に占位しこの駆動ベルトと同期して循環駆動する加熱スチールベルトに上記中空合成樹脂板の切断縁を当接させ、該切断縁を加熱軟化した後この加熱軟化した切断縁の二枚の樹脂板を案内溝を通して強制的に内側に彎曲させると共に切断縁部に占位する二枚の樹脂板間の連結壁を軟化してこれらを一体化し、これにより切断縁開口部分を密封することを特徴とするものである。溝部の内部は図6のAに示すように傾斜底と示されるように徐々に浅くなると共に、その断面は彎曲した窪みが形成されている。これによって、軟化した樹脂材により端面の封止がなされるのであるが、仕上がり形態は図6のBに示すようにシートの端部がやや太めに形成される。しかし、この構造はやや太めに形成された端部が他の部材にぶつかって欠けやすく構造的に脆いという短所を備えていた。その上、側面から加熱され、縁部が軟化したシートを単純な溝部を通すだけのものであるため、端面部の仕上がり状態も綺麗とはいえなかった。
【0009】
そこで、本発明ではプラスチック中空シートの端面だけでなく、その近傍まで加熱軟化させた状態でシートの厚み方向にも幅方向にも圧縮をかけ、余剰の樹脂はシートの中空領域の吸収させ、外表面は所望の形状に仕上げるようにするのであるが、その加熱、圧縮、成形、冷却固化の一連の動作をすべてシートに対して回動変位する溝内で行うようにした。図1に示すように、まず、加工すべき中空シート1のコーナー角部は予め浅く切り落としておく。溝幅が前段においてはプラスチック中空シートの厚さより広めに形成されており、後段においてはその幅がプラスチック中空シートの厚さ程度に狭くなると共に、該溝51の断面形状がU字状に形成された加熱ブロック5と、溝幅がプラスチック中空シート1の厚さより狭く形成された冷却ブロック6が隣接配置された治具を、図中に示す回転中心を軸心として少なくとも90°角回動自在に配置し、加熱された状態にあるブロック5の前記溝部51と冷却ブロック6の溝61に保持手段によって固定されたプラスチック中空シート1の角部の1辺を挿入した後、他辺側まで前記治具を90°回動させ、該角部を加熱ブロック溝51内にて半溶融状態にすると共に冷却ブロック6の溝空間の縮小に対応して余剰樹脂を中空部に吸収させつつ該角部の端面を冷却ブロック6の溝61のU字状に圧縮形成しながら、冷却固化させることによりプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する。このようにして、2枚の薄板が複数隔壁により平行に連結された形態の合成樹脂製の中空シートの角部端面は断面U字状に形成されると共に、該角部端面近傍の中空部には余剰溶融樹脂が押し込まれ固化した形態で、図5に示すように角部端面を綺麗にR形状にシールされることになる。
なお、上記の説明では中空シート側を固定し治具側を回動させる形態としたが、原理的には相対的に変位すればよく治具側を固定とし、中空シート側を移動させる形態でも実施できる。
【0010】
【実施例1】
本発明の技術は厚さ2mm〜14mmのプラスチック中空シートに適用して実施できるが、ここでは厚さ2.5mmのプラスチック中空シートの端面シールを行う治具の具体的構造について、図2乃至図4を参照しながら説明する。図2は本発明の主要部となる特殊な溝構造が形成された加熱ブロック5と冷却ブロック6が一体構造となった治具である。図のAは溝が穿設された面を上面とした上面図、Bは溝のセンターラインで切ったこの治具の断面平面図、図のCは該治具の左側面図で冷却ブロック6とその溝61が示され、Dは該治具の右側面図で加熱ブロック5とその溝51が示されている。加熱ブロック5と冷却ブロック6との間の境界線の延長線上に置かれた点を回転中心としてこの治具は回動される機構となっている。
【0011】
まず加熱ブロック5の構造であるが、材質は熱伝導度の高い金属この実施例ではアルミニウムが使われる。幅寸法のL3(この実施例では40mm)と高さ寸法L5(この実施例では32mm)は一定であるが、奥行き寸法については右側がL1(この実施例では67mm)左側がL1’(この実施例では60mm)となっており上面の左側が外側からR1(この実施例では27.4mm)の円弧状に削られた形状となっている。この加熱ブロック5の上面には高さ寸法L5の一端からL13(この実施例では12.25mm)の位置に溝51が穿設されている。図2の波線円領域α部分の拡大図を図3に示し、Aは該領域の上面図BはAのb−b部断面図である。該溝51の幅寸法は右側ではL9(この実施例では9mm)左側ではL10(この実施例では3.2mm)となっており、途中左端部よりL11(この実施例では7mm)の位置を中心としてR2(この実施例では3mm)のR曲面加工でつなげられている。この部分の溝51の底部は図3のBに示されるように内側R5(この実施例では1.6mm)の加工がされ、U字溝となっている。また、溝の深さ寸法は右側がL7(この実施例では15mm)であり、左側端部ではL8(この実施例では2.6mm)となっている。途中右からL14(この実施例では18.83mm)の位置から内側からR3(この実施例では30mm)の円弧状に加工がなされ左側溝とつなげられる。更に、該接続部に不連続部ができないように外側からR4(この実施例では8mm)のR加工が施されている。また、この加熱ブロック5が冷却ブロック6と接する面の中央部の円形形状はヒータ挿入用の円筒穴でここのシャフト状のヒータが装填されブロックを加熱する。
【0012】
次に冷却ブロック6の構造であるが、材質は熱伝導度の高い金属この実施例ではアルミニウムが使われる。奥行き寸法のL2(この実施例では60.5mm)と高さ寸法L5(この実施例では32mm)は一定であるが、幅寸法についてはほぼ全体的にL4(この実施例では26mm)であるが上面のL15(この実施例では6mm)の溝形成区域についてはL4’(この実施例では30mm)となっている。また奥行き中央部分は前述のシャフト状のヒータが装填される関係上接触しないように半円形状に切り欠けられている。一体構造として加熱ブロックと連結されている部分は断熱材を介して固定され、熱遮断がなされる。この冷却ブロック6の上面には高さ寸法L5の一端からL13(この実施例では12.25mm)の位置に溝61が穿設されている。冷却ブロック6の形状は図4に拡大して示す。Aは溝61が穿設された面の平面図、Bは溝中央線で切った溝長手方向断面図、CはAにおけるc−c部断面図である。溝断面形状は全体的に図4のCに示されるようなU字状であるが、加熱ブロック5と対峙する端面部分で深さ方向には外側にR6(この実施例では5mm)の曲面、幅方向には外側にR7(この実施例では1mm)の曲面加工が施されている。前記U字状断面は図4のCに示されるように深さがL16(この実施例では2.6mm)幅寸法がL17(この実施例では2.3mm)で、底部では内側にR8(この実施例では0.6mm)の曲面そして中間側面は内側にR9(この実施例では2.95mm)の曲面に加工されている。さらに溝縁部は全体にわたり両側長手方向に外側R10(この実施例では0.3mm)の曲面加工がなされている。冷却手段としては図示していないが冷却ブロック6内に流路を形成し冷却水を流すようにする。また、加熱ブロック5とこの冷却ブロック6の溝面は樹脂の熱溶着を防止するためテフロン(デュポン社登録商標)加工が施されることが望ましい。
【0013】
以上のように形成された治具の加熱された状態の加熱ブロック5の溝51内にプラスチック中空シート1の角部が位置し、その一辺部が加熱ブロック5の左側溝部と冷却ブロック6の溝部61の底部と接触するように位置決めされる。このときの位置関係は図1に実線で示されている治具とプラスチック中空シート1の状態である。シート1の角部は予め仕上がりR曲面より少し浅くカットしておく。回転中心を中心に治具を回動させる。加熱ブロック温度は、プラスチック中空シートの材質によって選定されるが、ポリプロピレン又はポリカーボネート等の場合は200〜240℃程度を維持するのが好ましい。溝51の深い区間を通過する過程で端面処理部の樹脂が溶融軟化させることが必要であり、移動速度は4m/分程度が目安となる。この区間では中空シートは溝側面と底部とも非接触であるが輻射熱と熱気によって加熱され、軟化状態となって細溝部に至る。ここで溝形状は底部がL8に幅はL9からシート厚さ寸法に近いL10に一気に狭くなる。まず、シート端面が徐々に浅くなる底面と接触し加圧圧縮されると共に側面からも加圧変形を受ける。治具が回動するにつれ、シート端面は前記溝部の底位置より浅くなりこの分の余剰樹脂は中空シート1の開口溝4に吸収されていく。更に回動が進むにつれ、余剰樹脂は更に増えるが中空部によって吸収され加熱ブロック5を通過した段階のシート端面先端は図1に一点鎖線で示したようにR形状に、断面形状は厚さ寸法よりやや太めのU字状の溝断面形状に成型される。
【0014】
本実施例ではシートコーナ部は加熱ブロック5に続き冷却ブロック6の溝61を通過させることによりシート端面の最終形状の成形と固化を行う。冷却ブロック6の溝61は入り口部で前述のようにR6の曲面で開いてはいるものの幅寸法L17は加熱ブロック5の出口側溝幅L10より狭く設計されて(この実施例では3.2mmから2.3mmに)、いるため、加熱ブロック5で軟化溶融された樹脂は無理やり狭い溝に押し込められその溝形状に成形される。このように一見無理な形態で受け入れ強制的に細溝に押し込むことで短い溝工程であるにも拘わらず形状成形と安定した固化が実現される。治具を90度回転させた位置関係が図1に波線で示されているが、この波線の状態から見て分かるようにR加工された角部のシート端面は冷却ブロック6の左側溝部から外れてしまうため、この出願と並行して出願されている直線シールの場合と比べより効率的な冷却・固化が必要とされ、試行錯誤の結果上記構成が有効であるとの知見に至った。
本発明による加工仕上がり形態を図5に示す。Aはプラスチック中空シート1のコーナーを本発明の手法で加工し、辺部については本発明と同時に出願した発明の手法で美麗端面シールした斜視図であり、Bはそのコーナー部のa−a部拡大断面図である。このように本発明によって加工された中空シートの端面は細く綺麗な放物線形状の仕上がりとなる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する方法は、溝が形成されている加熱ブロックと、前記溝に連続した溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を溝方向に回転自在の構造とし、加熱された状態にあるブロックの前記溝部に固定されたプラスチック中空シートの角部の1辺を挿入した後他辺側まで前記治具を回動させ、該角部を加熱ブロック溝内にて半溶融状態にした後、外端部をR曲面に断面をU字状に整形し、冷却ブロック溝空間に加圧圧縮させて余剰樹脂をシート中空部に吸収させつつ該角部を冷却ブロック溝形状に成形した後、冷却固化させることによって、従来できなかったプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形するものであるから、プラスチック中空シートを看板や展示パネルなど人の目にさらされるものの素材としても使用することができる。しかも、コーナー部分に段差やバリ等の不連続形状ができることもなく、構造的にも丈夫なシートが提供できる。
また、成形加工の前処理として中空シートの角部をR曲面より浅く切り落としておくことにより、加熱ブロックによって軟化溶融状態となる樹脂の量を適量とすることができ、仕上がりを好適なものとすることができる。
【0016】
本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置は、溝幅が一端側では被加工物であるプラスチック中空シートの厚さより大きく、他端側ではシート厚さ程度に狭められ、深さについては一端側では深く他端側では浅いU字形状に溝が形成されている加熱ブロックと、ほぼ全体的に幅がプラスチック中空シートの厚さよりやや狭いU字状の断面の溝が形成され、前記加熱ブロックの溝に連続した端部では前記底部が広げられ、幅方向にも外側へR加工がなされた溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を溝方向に回転自在の構造としたものであるから、単に治具をプラスチック中空シートに対し回動変位させるだけの動作で、プラスチック中空シートの角部端面を簡単かつスピーディーにそして綺麗にR形状にシール成形することができる。加熱手段としてヒーターが加熱ブロック内に装填され、冷却手段として、冷却ブロック内に冷却水を流す流路が形成されただけの簡単な構成で効率的に加熱冷却が可能となり、装置の小型化が図れる。
【0017】
本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置は、冷却ブロックの加熱ブロックの溝に連続した右側端部では溝幅が連続する加熱ブロックの溝幅より狭く形成することにより成形と冷却固化とを効率的に実行できる。
また、冷却ブロックと加熱ブロックの溝表面がテフロン(デュポン社登録商標)加工されている本発明のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置は、プラスチックの溝部への熱溶着が無く仕上がりを綺麗にすることができる。
【0018】
本発明によって加工された角部端面を綺麗にR形状にシールされたプラスチック中空シートは、2枚の薄板が複数隔壁により平行に連結された形態の合成樹脂製の中空シートであって、その角部端面が前記加熱ブロックによって半溶融状態で溝形状に形成されたシート端面を移動手段によって前記冷却ブロックの溝内に受け入れ、溝空間の縮小に対応して該端面部を後段の溝形状に圧縮形成すると共に冷却固化させるものであるから、端面加工された中空シートは細く綺麗な放物線形状の仕上がりとなる。したがって、他の部材と衝突したり引っかかったりするようなことがない上、溶融固化した中空部内樹脂の存在によって機械的強度が備えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治具を用いたシート角部の端面処理動作を説明する図である。
【図2】加熱ブロックと冷却ブロックが組み合わされた本発明治具の構造を説明する図である。
【図3】本発明における加熱ブロックの溝構造を説明する図である。
【図4】本発明における冷却ブロックの溝構造を説明する図である。
【図5】本発明の手法でコーナー加工した仕上がり形態を示す図である。
【図6】プラスチック中空シートの端面部を溝形状に成形する先行技術を説明する図である。
【図7】プラスチック中空シートの端面部をシールする従来技術を説明する図である。
【図8】プラスチック中空シートの端面部形状と従来技術によるシール形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 プラスチック中空体シート 5 加熱ブロック
2 表壁 51 加熱ブロックの溝
2’裏壁 6 冷却ブロック
3 隔壁 61 冷却ブロックの溝
4 開口溝

Claims (7)

  1. 溝が形成されている加熱ブロックと、前記溝に連続した溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を用い、加熱された状態にある加熱ブロックの前記溝部に固定されたプラスチック中空シートの角部の1辺を挿入した後他辺側まで前記治具を相対的に回動させ、該角部を加熱ブロック溝内にて半溶融状態にした後、外端部をR曲面に断面をU字状に整形し、冷却ブロック溝空間に加圧圧縮させて余剰樹脂をシート中空部に吸収させつつ該角部を冷却ブロック溝形状に成形した後、冷却固化させることによりプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する方法。
  2. 成形加工の前処理として中空シートの角部をR曲面より浅く切り落としておくことを特徴とする請求項1に記載のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する方法。
  3. 溝が形成されている加熱ブロックと、前記溝に連続した溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具と、シート保持機構と、前記治具と前記シート保持機構を相対的に回転移動させる機構とを備えたプラスチック中空シートの角部端面をR形状にシール成形する装置。
  4. 溝幅については一端側では大きく他端側では狭く、深さについては一端側では深く他端側では浅いU字形状に溝が形成されている加熱ブロックと、ほぼ全体的に幅が加熱ブロックの他端側の溝幅よりも狭いU字状の断面の溝が形成され、前記加熱ブロックの溝に連続した右側端部では前記溝の底部が広げられ、幅方向にも外側へR加工がなされた溝が形成されている冷却ブロックが一体的に隣接配置された治具を溝方向に回転自在の構造としたプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置。
  5. 加熱手段としてヒーターが加熱ブロック内に装填され、冷却手段として、冷却ブロック内に冷却水を流す流路が形成された請求項3または4に記載のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置。
  6. 冷却ブロックの加熱ブロックの溝に連続した端部では溝幅が連続する加熱ブロックの溝幅より狭く形成されたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置。
  7. 冷却ブロックと加熱ブロックの溝表面にはテフロン(デュポン社登録商標)加工が施されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のプラスチック中空シートの角部端面を綺麗にR形状にシール成形する装置。
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