JP4060002B2 - 厨芥処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ごみ等の厨芥を乾燥処理する厨芥処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の厨芥処理機としては、生ごみ等の厨芥を乾燥状態にして腐敗しないようにすると共に、処理中に発生する臭い成分を脱臭処理するものが知られている。このような厨芥処理機は、厨芥を加熱して発生した水蒸気を脱臭して排出するような構造になっている。
【0003】
ところで、生ごみは、主にキッチンで発生することから、厨芥処理機を室内に設置すると使い勝手がよいが、それにより、臭気の発生、水蒸気の排出による湿度の上昇、熱源による室温の上昇といった室内環境を悪化させる要因がもたらされるため、厨芥処理機の室内設置が困難であった。これに対し、厨芥を加熱する加熱部と、水蒸気を冷却して凝縮させる凝縮部とを備え、厨芥を加熱することにより発生する水蒸気により加熱部と凝縮部との連通する空間に存在する気体を押し出した状態でこの空間を密閉し、水蒸気の凝縮量を多くすることでこの密閉された空間(以下、密閉空間と記す)内を負圧にして乾燥処理することが考えられる。
【0004】
このように密閉空間を負圧にすることにより、ふた等のシール部分からの臭気漏れを防止できると共に、水蒸気の沸点を低下させて加熱量を低減させることができる。しかも、厨芥から発生した臭いの成分を凝縮した水と共に下水管等のような外部排水機構に排水することにより、臭気や水蒸気を室内に排出しなくてもよいので、厨芥処理機を室内で使用することができる。この厨芥処理機においては、水蒸気により空間内の気体を押し出して密閉後の気体の大部分を水蒸気にすることにより、凝縮部で気体を冷却した際の体積収縮率を高くできるので、加熱部で発生した水蒸気を凝縮部内にスムーズに流すことができる。このような密閉空間を形成する機構として、凝縮部から排出される水を貯留すると共に、加熱部及び凝縮部側を外気から遮断する貯留部と、貯留部の側部に設けた開口に連結されて外部に延出され下水管等に接続される排出路とを備えた排水部を用いることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、実際には厨芥処理機の取扱いや構造やコストの面で加熱部と凝縮部との連通する密閉空間の真空度を高めることは困難であり、密閉空間内にはかなりの気体が残存することになる。そのため、凝縮部には冷却された後の気体がそのまま残り、加熱部から凝縮部への水蒸気のスムーズな流れが妨げられることになる。従って、加熱部での水蒸気の発生効率が悪くなり、良好な乾燥性能が得られなくなるという問題がある。
【0006】
また、貯留部1においては、図7に示すように、その内部に貯留された水の水面が開口2位置に達したとき、水の表面張力により水面が開口2下端から高さa(5mm程度)盛り上がった状態になり、直ちに開口2から排出路3に排出されないことがある。すなわち、表面張力により水面が相対的に開口下端位置より5mm程度高くなるため、密閉空間内の圧力が設定圧力(図示設定トラップ高さh)に対して5mmH20程度高くなる。そのため、密閉空間内の圧力が不安定になりわずかに正圧状態になることがあり、密閉空間内の臭気が外部に漏れ出るという問題がある。
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、加熱部から凝縮部にスムーズに気体を流すことができると共に、排水部における開口の下端以上の水面の上昇を抑えることができる厨芥処理機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、生ごみ等の厨芥を加熱する加熱部と、加熱部と連通され厨芥から発生した水蒸気を含む気体を冷却する凝縮部と、凝縮部で凝縮された水を外部に排水する排水部と、凝縮部で冷却した気体を加熱部に強制的に送り返す返還手段と、を備えた厨芥処理機であって、排水部が、凝縮部から排出された水を貯留すると共に、貯留水により凝縮部側を外気から遮断する貯留部と、貯留部の側壁に設けた開口から外部に延出される排出路とを備えると共に、貯留部内にて開口位置に達した水面の表面張力による盛り上がりを抑制する親水性のある材質からなる吸水材を排出路内の開口の下端近傍に設けたことにある。吸水材としては、多孔質セラミック、紙、繊維等の親水性を有する材質が用いられる。
【0008】
上記のように請求項1に係る発明を構成したことにより、加熱部にて生ごみ等の厨芥を加熱して厨芥に含まれる水分を蒸発させ、加熱部と連通する凝縮部で気体を冷却して水蒸気を凝縮させる。さらに、凝縮部で冷却した気体を返還手段により強制的に加熱部に送り返すことにより、加熱部内の水蒸気を多く含んだ気体を凝縮部にスムーズに送ると共に、凝縮部で冷却されて水蒸気の含有量が大幅に少なくなった気体を再び加熱部に送り返すようになっている。そのため、厨芥に含まれる水分を効率よく蒸発させることができると共に、その水蒸気を効率よく凝縮させることができる。また、厨芥から発生した臭気のほとんどを、凝縮した水と共に排水部から厨芥処理機の外部の下水管等に排水することができる。
【0009】
さらに、本発明によれば、貯留部に貯留された水の水面が開口位置に達したとき、表面張力により水面が開口下端からさらに盛り上がって開口下端より高くなろうとするが、排出路内の開口の下端近傍に設けた親水性を有する材質からなる吸水材により毛細管現象によって盛り上がろうとする水がスムーズに吸引される。その結果、水は排出路を通してスムーズに外部に排出されるため、貯留部側の水面が、開口下端より高くなることが確実に防止され、それに伴い凝縮部側の圧力上昇が防止される。
【0010】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の厨芥処理機において、開口の下側が貯留部内部と排出路内部とを仕切る仕切板になっており、吸水材が仕切板に接して配設されるもので、仕切板の厚みが1mm以下であることにある。仕切板の厚みは、さらに好ましくは0.5mm以下である。これにより、開口下端より高くなろうとする貯留部内の水の、吸水材による吸引が確実に行われる。
【0011】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記前記請求項1または請求項2に記載の厨芥処理機において、吸水材の上端が、開口の下端に対して同一またはそれより高いことにある。これにより、開口下端より高くなろうとする貯留部内の水が吸水材に確実に接触することになり、吸水材による貯留部内の水の吸引が確実に行われる。
【0012】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、生ごみ等の厨芥を加熱する加熱部と、加熱部と連通され厨芥から発生した水蒸気を含む気体を冷却する凝縮部と、凝縮部で凝縮された水を外部に排水する排水部と、凝縮部で冷却した気体を加熱部に強制的に送り返す返還手段とを備えた厨芥処理機であって、排水部が、凝縮部から排出された水を貯留すると共に、貯留水により凝縮部側を外気から遮断する貯留部と、貯留部の側壁に設けた開口から外部に延出される排出路とを備え、開口の下端部分に親水性を持たせ、貯留部内にて開口位置に達した水面の表面張力による盛り上がりを抑制することにある。
【0013】
上記のように請求項4に係る発明を構成したことにより、貯留部に貯留された水の水面が開口位置に達したとき、表面張力により水面が開口下端からさらに盛り上がって高くなろうとするが、側壁の開口下端部分が親水性を有しているため、開口下端において濡れ性が良くなるため、排出路にスムーズに流れ込む。そのため、貯留部内の水面が開口下端以上になろうとすることを確実に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明すると、図1は、第1の実施形態に係るキッチン等室内に設置される厨芥処理機の概略構成を断面図により示したものである。
厨芥処理機は、生ごみAを加熱する加熱部10と、加熱部10からの生ごみAから発生した水蒸気を凝縮させる凝縮部20と、凝縮部20と外部の下水管Gとを連通して排水すると共に貯留水の状態に応じて通気を遮断する遮断排水部(排水部)30と、凝縮部20で冷却した気体を再び加熱部10に送り返す返還手段40とを備えている。
【0015】
加熱部10は、生ごみAを貯留する処理槽12を収容する断熱密閉構造の加熱室11と、処理槽12を加熱するヒータ13とを備えている。加熱室11の一側面には、処理槽12を出し入れするための開口を開閉する蓋14が設けられている。ただし、蓋14については、加熱室10の上面に設けるようにしてもよい。
【0016】
凝縮部20は、フィンチューブ式の熱交換器22により構成されており、その上流側は連通管21によって加熱室10の上端部に連通されており、また下流側は連通管23を介して上記遮断排水部30及び返還手段40に接続されている。なお、凝縮部については、フィンチューブ式の熱交換器を用いる代わりに、複数のパイプを任意の傾きをもって並設した構造のものであってもよい。
【0017】
遮断排水部(排水部)30は、水を溜めるタンク31と、上記連通管23の下端に接続されてタンク31の上面を貫通してその底面に臨んで垂下し凝縮部20からの水を下方に流す凝縮水排出管32と、タンク31の上部側面に設けた開口31aに接続されて、タンク31と下水管Gとを連通してタンク31内の設定水位bである開口31aの下端を越えた分の水を下水管Gに排水する排水路である排出管33とを備えている。そして、開口31aは、その下側が仕切板31bになっており、仕切板31bは、タンク31内部と排出管33内部とを仕切っている。この仕切板31bにより、排出管33の内壁底部と、仕切板31bの上端(開口31a下端)との間に段差が設けられ、この段差部分に親水性を有する材質により形成された吸水板(吸水材)34が固定されている。親水性を有する材質としては、ムライト、アルミナ等の多孔質セラミックが好ましいが、その他、紙、繊維等の多孔性の材料も使用することができる。
【0018】
ここで、仕切板31bの厚みは、吸水がスムーズに行われるために、1mm以下であればよいが、特に0.5mm以下であればさらに良い。また、吸水板34の上端高さは、吸水がスムーズに行われるために、仕切版31bの上端高さと同一あるいはわずかに高くされる。
【0019】
返還手段40は、連通管23の下端から分岐して加熱室11の側壁に接続されて凝縮部20と加熱部10とを連通させる返還管41と、上記連通管21に介装されたファン42とにより構成されている。ファン42は、加熱室11内の水蒸気を含む高温の気体を凝縮部20に流すと共に、凝縮部20で冷却された気体を加熱室11の方向に強制的に流すものである。また、返還管41の加熱部10側の端部には、加熱室11内の生ごみAに向けて気体を噴射するノズル43が設けられている。
【0020】
つぎに、上記のように構成した厨芥処理機の動作について説明する。
加熱室11内に挿入された処理槽12内に生ごみAが投入され、蓋14が閉じられた後、ヒータ13による加熱が開始され、生ごみAの処理が行われる。乾燥処理開始時点では、加熱室11、凝縮部20及び各管内は大気圧になっているため、図2(a)に示すように、タンク31内の水位と、凝縮水排出管32の水位は同一になっている。
【0021】
加熱により処理槽12及び加熱室11内の温度が上昇して生ごみAに含まれる水分が蒸発すると共に、加熱室11内の空気が膨張するので、加熱室11内が加圧される。加熱室11内の圧力上昇は、凝縮水排出管32内の水に伝わり、凝縮水排出管32内の水面が押し下げられる。凝縮水排出管32内の水面が管の先端(下端)に達すると、図2(b)に示すように、凝縮水排出管32の先端から加熱室11内の空気の一部がタンク31内に排出され、加熱室11内の圧力上昇が止まる。すなわち、加熱室11内の圧力上昇は、タンク31内の水位差h1によって制限される。
【0022】
一方、ヒータ13により加熱を開始してから所定時間が経過すると、連通管21に設けたファン42の作動が開始され、加熱室11内の水蒸気を多く含んだ気体は凝縮部20に流れて熱交換器22を通過する際に冷却され、返還管41を通って加熱室11内に送り返される。その際、加熱室11から熱交換器22に送られた気体は冷却されて露点が下がるため、気体に含まれた水蒸気が凝縮して水となり、連通管23及び凝縮水排出管32内を流下してタンク31内に流れ落ちる。
【0023】
加熱室11は、タンク31内に溜まっている凝縮水により大気と遮断されているため、水蒸気の凝縮により加熱室11及び凝縮部20を含む密閉空間の気圧が徐々に低下し、大気圧より低くなるとタンク31内の水が凝縮水排出管32内に吸引され、図2(c)に示すように、凝縮水排出管32の水位がタンク31内の水位より上昇する。また、加熱室11内が負圧となることにより、加熱室11内の水蒸気の沸点が低下し、低い温度で水分を蒸発させることができ、また臭い成分を加熱室11と蓋14との隙間から外部に漏れにくくさせることができる。さらに、厨芥から発生した臭い成分は、そのほとんどが凝縮水に溶け込むので、凝縮水と共に排出される。
【0024】
そして、凝縮部20において水蒸気の含有量が少なくなった気体は、返還管41を流通し、ノズル43により処理槽12内の生ごみAに噴射される。このように湿度の低下した気体を生ごみAに直接噴射することで、生ごみAに含まれる水分の蒸発が促進される。
【0025】
一方、タンク31には、凝縮部20から流下しつづける凝縮水が溜まっていくが、タンク31内の水が設定水位bを越えた分は排出管32を通して下水管Gに流れるため、水が増え過ぎることはない。また、凝縮水排出管32内とタンク31内の水位との水位差は密閉空間内と下水管G内との圧力差により決まるため、密閉空間内の圧力が負圧値となっている状態では、図1に示すように、最終的に凝縮水排出管32内の水位はタンク31内の設定水位bよりわずかに高い水位で安定する。
【0026】
ここで、タンク31に貯留された水の水面が設定水位bである開口31aの下端に達すると、さらに表面張力により水面が開口下端から盛り上がり、設定水位bより高くなろうとする。しかし、排出管33内の開口31a側の端部に親水性のある多孔質材料製の吸水板34が設けられているため、多孔質に水が吸引される毛細管現象によってタンク31側の水が吸水板34にスムーズに吸引され、排出管33から下水管Gに排出される。そのため、タンク31側の水面が、設定水位bより高くなることがないので、水面の上昇による密閉空間内の圧力上昇が防止され、その結果、加熱室11からの臭い漏れを防止できる。
【0027】
なお、密閉空間内の圧力が大気圧を大幅に下回って降下する場合には、凝縮水排出管32内の水位が上昇すると共に、タンク31内の水位が下降していき、タンク31内の水が水位aまで下降すると、図2(d)に示すように、タンク31内の気体が凝縮水排出管32内に吸入される。従って、密閉空間内の圧力は、水位差h1に基づく凝縮水排出管32内の水位h2により決まる所定値までしか低下しない。
【0028】
以上に説明したように、本実施形態の厨芥処理機によれば、凝縮部20の熱交換器22で冷却した気体を加熱室11に送り返すための返還管41を設け、密閉空間内の気体をファン42により強制的に循環させることで、生ごみAの加熱により発生する水蒸気を多く含んだ気体を熱交換器22に流すと共に、熱交換器22で冷却されて水蒸気の含有量が少なくなった気体を再び加熱室11に送り返すことができる。そのため、生ごみAに含まれる水の蒸発及び発生した水蒸気の凝縮を効率よく行うことができ、厨芥処理機の生ごみ乾燥性能を高めることができる。
【0029】
さらに、本実施形態においては、タンク31に貯留された水の水面が、吸水板34によって設定水位b以上の盛り上がりが防止されるので、タンク31側の水面の上昇により密閉空間内の圧力バランスがくずれて加熱室11が正圧にされるようなことがなく、その結果として加熱室11からの臭い漏れを防止できる。
【0030】
また、タンク31に溜まった水により、凝縮水排出管32からタンク31への気体の連通する流路を遮断する簡易な構造とすることにより、複雑な機構の電磁弁等の開閉弁を用いることなく加熱室11及び凝縮部20を含む空間を外部に対して密閉することができる。そのため、厨芥処理機を安価にかつ故障の無い構成とすることができ、しかもタンク31の水が設定水位bを越えた分は下水管Gに流れるため、密閉空間を維持しつつ排水することができる。また、凝縮水排出管32とタンク31との水位差により密閉空間内の圧力範囲を調整することができるため、密閉空間内が高圧となることによる加熱効率の低下や臭い成分の漏れを防ぐことができると共に、低圧となることによるタンク31からの水の逆流を防止できる。
【0031】
また、厨芥処理機を、加熱した生ごみAから発生した水蒸気を凝縮して臭気と共に排水する構造としたことにより、臭気漏れや湿度上昇を防止できるため、室内環境の悪化を防止できる。さらに、加熱室11内が負圧となることで、蓋14等との隙間からの臭気漏れを防ぐことができるため、装置のシール性能を不必要に高くすることもなく、しかも沸点が低下して低い温度で乾燥処理を行うことができるため、加熱に要する消費電力を低減させることができると共に、室内の温度上昇を抑制することができる。さらに、加熱室11内を負圧にするために真空ポンプ等の高価な装置を設ける必要がなく、さらに脱臭装置や水蒸気排出装置等を設ける必要も無いため、厨芥処理機の構造を簡易にすることができ、そのコストを低減することができる。
【0032】
つぎに、上記遮断排水部の変形例について、図3により説明する。図3(a)は遮断排水部50の断面図であり、図3(b)は、図3(a)の矢印X方向から見た矢視図である。遮断排水部50は、上記遮断排水部30と同様に、水を溜めるタンク51と、凝縮部20からの水を下方に流す凝縮水排出管52と、タンク51の上部側面に設けた円形の開口51aに接続されて、タンク51と下水管Gとを連通する排出管53とを備えている。変形例においては、タンク51内壁面の開口51a位置において、開口51aの下端より下側の所定位置から開口51a下端よりわずかに上部位置の間でかつ横方向に開口51aを含む距離間を囲む長方形領域に、偏平な直方体蓋状の開口部材54が内壁面に被せられた状態で固定されている。開口部材54は、一側部(図示上側部)が除去されており、平板部の厚みは1mm以下である。
【0033】
そして、開口部材54と内壁面間の空間部分には、親水性のあるムライト等の多孔性材質製の吸水板55が挿着されている。吸水板55の上端は、開口部材54の上端よりわずかに高くされている。このように吸水板55を設けたことにより、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、タンク51の上板を取り外すことにより、吸水板55の開口部材54への挿着を容易に行うことができるので、製造上便利である。
【0034】
つぎに、第2の実施形態について、図4により説明する。
本実施形態では、遮断排水部60をS字管を用いることにより構成したものである。すなわち、遮断排水部60は、凝縮部20の連通管23に設けたファン45の高圧側に連結されて、凝縮された水を下方に流す下り管部61と、下り管部61から一旦上がる上り管部62と、上り管部62から再び下り下水管Gに連通する排出管部63とからなる。排出管部63の上り管部62の出口(開口)との境界において、排出管部63の内壁面下部には段差が設けられており、段差部分には親水性を有する多孔質セラミック製の吸水板(吸水材)64が固着されている。このS字管のサイフォン効果により、遮断排水部60においても、上記遮断排水部30によって得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。さらに、排出管部63の端部において内壁面に吸水板64を設けたことにより、上り管部62に貯留された水の設定水位b以上の盛り上がりが抑えられるので、密閉空間内の圧力上昇が防止され、加熱室11からの臭い漏れを防止できる。なお、本実施形態においては、ファン45が連通管23に設けられており返還管41と共に返還手段40を構成しているが、図1に示すようにファンを連通管21の途中に設けてもよい。
【0035】
つぎに、第3の実施形態について、図5により説明する。
本実施形態においては、遮断排水部70の基本的構成は、上記第1の実施形態に示した遮断排水部30と同様であるが、遮断排水部30に吸水板34を設けた代わりに、仕切板73に親水性を持たせるようにしたものである。図5(a)及び同図の円内を拡大した図5(b)に示すように、タンク71の側壁に設けた開口72の下側の仕切板73の表面に親水性の表面層74を形成したものである。表面層74としては、例えばタンク71の材質が銅、鉄、アルミ等の金属の場合、酸化処理により形成された酸化皮膜を用いることができる。この場合、表面を荒らすことが効果的である。また、タンク71の材質が金属、プラスチックに限らず、仕切板73の表面にニッケル、ニクロム、銅等のメッキを施し、さらに酸化処理を行うことも可能である。さらに、仕切板73に、アルミナ、シリカ等の粉体を含む溶剤をコーティングし、乾燥焼付けすることにより多孔性の表面層とすることもできる。
【0036】
上記のように構成した実施形態においても、タンク71に貯留された水の水面が開口72の下端に達したとき、表面張力により水面が開口下端からさらに盛り上がって水面が高くなろうとするが、側壁の仕切板73に設けた表面層74が親水性を有しているため、表面層74の濡れ性が良くなり、排出路33にスムーズに流れ込む。そのため、本実施形態においても上記第1の実施形態に示したように、タンク71内の水面が開口下端以上になることがないので、密閉空間内の圧力上昇を防止し、厨芥処理機外部への臭気漏れを防止できる。なお、仕切板の形状については、図6に示すような種々の形状が可能であり、それぞれの仕切板75〜78について、表面に表面層75a〜78aを形成することができる。
【0037】
なお、生ごみAの加熱は、ヒータに限らず、ガスバーナや高周波等の加熱手段を用いて行われてもよい。また、本実施形態では、ファン42をヒータ13による加熱を開始してから所定時間経過後に作動させるようにしたが、これに限らず、例えば熱交換器22内の温度、処理槽12の温度、加熱室11内の温度や湿度や圧力等、あるいは遮断排水部30における水位を検出し、それらの検出値に基づいて作動させるようにしてもよく、またヒータ13による加熱と同時に作動させるようにしてもよい。
【0038】
また、上記各実施形態において、返還管41にヒータを取り付けたり、また返還管41の一部に加熱室11からの高温蒸気の熱との熱交換により加熱する熱交換部を設けて、返還管41を通過して加熱室に戻される湿度の低い気体を加熱して高温にすることにより、厨芥の加熱効率を高めるようにすることもできる。
なお、上記実施形態に示した厨芥処理機については、一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲においては、種々の形態で実施することができる。
【0039】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、加熱部内の水蒸気を多く含んだ気体を凝縮部にスムーズに流すと共に、凝縮部で冷却されて水蒸気の含有量が大幅に少なくなった気体を再び加熱部に送り返すことにより、厨芥に含まれる水分を効率よく蒸発させることができると共に、その水蒸気を効率よく凝縮させることができるため、乾燥性能を高めることができる。さらに、親水性を有する材質からなる吸水材により貯留部側の水面が、表面張力によって開口下端より高くなることがないので、密閉空間内の圧力上昇を防止して、厨芥処理機外部への臭気漏れを確実に防止できる。
【0040】
また、排出路の底部との間に段差を形成する仕切板の厚み1mm以下とすることにより、吸水材による貯留部内の開口下端より高くなろうとする水の吸引が確実に行われる(上記請求項2の発明の効果)。また、吸水材の上端を、開口の下端と同一高さまたはそれより高くすることにより、貯留部内の開口下端より高くなろうとする水が、吸水材により確実に吸引される(上記請求項3の発明の効果)。
【0041】
また、上記請求項4の発明によれば、側壁の開口下端部分が親水性になっていることにより、貯留部側の水面が表面張力によって開口下端より高くなることがないので、密閉空間内の圧力上昇を防止して、厨芥処理機外部への臭気漏れを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である厨芥処理機の概略構成を示す断面図である。
【図2】遮断排水部の動作を説明する説明図である。
【図3】遮断排水部の変形例を示す断面図及びX線方向の矢視図である。
【図4】第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態を示す断面図及び同図円内を示す拡大断面図である。
【図6】仕切板の変形例を示す拡大断面図である。
【図7】従来例である厨芥処理機の遮断排水部を示す断面図である。
【符号の説明】
10…加熱部、11…加熱室、12…処理槽、13…ヒータ、20…凝縮部、21…連通管、22…熱交換器、23…連通管、30…遮断排水部、31…タンク、31a…開口、31b…仕切板、32…凝縮水排出管、33…排出管、34…吸水板、40…返還手段、41…返還管、42…ファン、43…ノズル、45…ファン、50…遮断排水部、51…タンク、51a…開口、53…排出管、54…開口部材、55…吸水板、60…遮断排水部、61…下り管部、62…上り管部、63…排出管部、64…吸水板、70…遮断排水部、71…タンク、72…開口、73…仕切板、74…表面層、A…生ごみ、G…下水管。
Claims (4)
- 生ごみ等の厨芥を加熱する加熱部と、
該加熱部と連通され前記厨芥から発生した水蒸気を含む気体を冷却する凝縮部と、
該凝縮部で凝縮された水を外部に排水する排水部と、
該凝縮部で冷却した気体を前記加熱部に強制的に送り返す返還手段と、
を備えた厨芥処理機であって、
前記排水部が、前記凝縮部から排出された水を貯留すると共に、貯留水により該凝縮部側を外気から遮断する貯留部と、該貯留部の側壁に設けた開口から外部に延出される排出路とを備えると共に、前記貯留部内にて開口位置に達した水面の表面張力による盛り上がりを抑制する親水性のある材質からなる吸水材を前記排出路内の前記開口の下端近傍に設けたことを特徴とする厨芥処理機。 - 前記開口の下側が前記貯留部内部と前記排出路内部とを仕切る仕切板になっており、前記吸水材が該仕切板に接して配設されるもので、該仕切板の厚みが1mm以下であることを特徴とする前記請求項1に記載の厨芥処理機。
- 前記吸水材の上端が、前記開口の下端に対して同一またはそれより高いことを特徴とする前記請求項1または請求項2に記載の厨芥処理機。
- 生ごみ等の厨芥を加熱する加熱部と、
該加熱部と連通され前記厨芥から発生した水蒸気を含む気体を冷却する凝縮部と、
該凝縮部で凝縮された水を外部に排水する排水部と、
該凝縮部で冷却した気体を前記加熱部に強制的に送り返す返還手段と、
を備えた厨芥処理機であって、
前記排水部が、前記凝縮部から排出された水を貯留すると共に、貯留水により該凝縮部側を外気から遮断する貯留部と、該貯留部の側壁に設けた開口から外部に延出される排出路とを備え、該側壁の開口下端部分に親水性を持たせ、前記貯留部内にて開口位置に達した水面の表面張力による盛り上がりを抑制することを特徴とする厨芥処理機。
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