JP4059442B2 - グリコーゲンを物理化学的に製造する方法およびこの方法で得られるグリコーゲン - Google Patents

グリコーゲンを物理化学的に製造する方法およびこの方法で得られるグリコーゲン Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、デンプン、セルロース、デキストラン、プルランなどの多糖類、マルトースなどのオリゴ糖、およびそれらを含む小麦粉、田七人参などの糖質原料からグリコーゲンを物理化学的に生成する方法に関する。本発明はまた、この方法によって得られるグリコーゲンおよびその利用に関する。
背景技術
グリコーゲンは、植物の貯蔵多糖であるデンプンと同様に、グルコースからなるホモ多糖である。グリコーゲンは、D−グルコースがα1−4グリコシド結合で結合したポリマー構造を有し、さらにこれの8〜10グルコース残基当り1つのα1−6グリコシド結合による枝分かれをもつ多分岐網状構造を有している。
グリコーゲンは動物の貯蔵多糖として知られている。動物ではほとんどあらゆる細胞に顆粒状態(グリコーゲン顆粒)として存在し、特に肝臓および筋肉に多く存在することが知られている。筋グリコーゲンは筋収縮のエネルギー源であり、肝臓グリコーゲンは空腹時の血糖維持のために用いられる。従って、その性質の差異もこれらの機能に対応しており、前者は100万〜200万の分子量をもつ均一なものであり、後者は500万〜600万ぐらいの分子量をもっており、ときに2000万に達するものがある(岩波生物学辞典第4版、第354頁、岩波書店(東京)1996年3月21日発行)。
グリコーゲンは、動物の貯蔵多糖である一方、強肝作用を示すことも知られている。また、イカおよびホタテ貝から抽出されたグリコーゲンは強い抗腫瘍活性を示すことが報告されおり(Yosiaki Takataら、J.Mar.Biotech.,6.pp208−213(1998))、機能性食品の新たな素材としての有用性を有し、その用途開発が行われている。
グリコーゲンは、動物体内でグルコースなどの単糖から生合成される。
一般に、多糖の糖鎖を合成する方法には化学的方法と酵素的方法があり、両方法とも、糖のヘミアセタール環を形成するアノマー位のOH基をあらかじめ脱離基として活性化し、別の糖や生体成分に置き換えることを原理としている。これまでに、化学的方法を用いて、シアリルLeガングリオシド(細胞接着分子やがん関連抗原の研究に画期的な成果をもたらした)、カリチェミシン(制がん作用を有する)など、そして酵素的方法を用いて、シクロデキストラン(包接作用を有する)、カップリングシュガー(虫歯になりにくいショ糖に替わる甘味料)などの多糖が開発されている。
多糖の糖鎖合成のための化学的方法においては、例えば、長鎖のオリゴ糖が酸分解され、生成した各種単糖に希酸を作用させると逆反応によってオリゴ糖の混合物が生成されることが知られている。また、酵素的方法では、スクロースに糖加水分解酵素のインベルターゼを高濃度および高温で作用させると、切断されたフルクトースが、1〜3分子スクロースに転移してフルクトオリゴ糖が生成することが知られている。
一般に、多糖の糖鎖を化学的に合成するためには、糖の供与体、糖の受容体、およびプロモーターが必要である。そして糖の供与体および糖の受容体または必要に応じてそれらの誘導体の調製、さらには溶媒、脱水剤、温度などのファクターを事細かに決定する必要があり、さらには、保護基の変換、脱離あるいは特定の水酸基のみを遊離にするなどの複雑な工程が必要である。従って、その合成は容易ではない。そして、糖の供与体および糖の受容体、ならびに上記のファクターは、基質が異なるごとに個別に決定する必要がある。原料となる基質の種類にかかわらず、一般に適用される糖鎖合成技術は知られていない。
発明の開示
本発明者は、多糖の合成方法について鋭意研究した結果、貯蔵多糖を含む植物および多糖そのものを酸存在下で加熱・加圧処理することによりグリコーゲンが生成することを見出し本発明を完成するに至った。本発明によって、デンプンなどの多糖類を多量に含む植物、ならびにデンプン、プルラン、セルロース、グルコマンナン、キシランおよびデキストランなどを原料として、簡単な操作でグリコーゲンが大量に提供される。本発明者はさらに、得られたグリコーゲンの物性を解析することにより本発明を完成するに至った。本発明によって、安価に、グリコーゲン、特に10,000以下の分子量をもつ低分子グリコーゲンが提供される。
本発明者らは、先に「表面硬質の固形物からの有効成分の抽出法およびデンシチン含有食用組成物」(平成13年9月14日に出願された特願2001−280812)において、田七人参を有機酸溶液中で加圧処理することにより、その表皮部分の細胞を破壊し、田七人参から、まずミネラル類を抽出し、次いで、抽出残渣から希釈エタノール溶液を用いて有機成分を抽出する二段階抽出法を開示し、無機および有機の両成分を高濃度で含有し、しかも水溶性である田七人参抽出エキス末を製造し得ることを示した。この田七人参抽出エキス末中には約86%の糖類が含有されていた。なお、本明細書で用いる「%」は特に指定がなければ重量%を意味する。
本発明者は、特定の理論に拘束されることは望まないが、この糖類含量の多い点と、田七人参の抗肝炎作用がジンセノサイド化合物のみによるのではないと考えた。本発明者は、この田七人参抽出エキス末中に存在する糖質について鋭意研究し、このうちの1つが、強肝作用に関係するグリコーゲンであることを確認し、その定量を行うことによって本発明を完成した。
その結果、田七人参自体には約4.42%しか含有されていないグリコーゲンが、田七人参抽出エキス末中には約37.45%含まれている(原料換算では約29.15%)ことを確認した。この田七人参抽出エキスからグリコーゲンを精製し、NMR測定によってグリコーゲンであることを確認した。さらに、グリコーゲン精製過程で、種々の分子量を持ったグリコーゲンが生成していることも確認した。これらの事実から、酸と加圧操作によって糖成分のトランスグリコシル化反応が起こり、グリコーゲンが生成したと考えられた。
本発明は、グリコーゲンを製造する方法に関し、この方法は、糖質原料を酸性条件下で加熱する工程を包含する。
上記糖質原料は、多糖またはオリゴ糖であり得る。
上記糖質原料は、グルコースのホモ多糖体であり得る。
上記糖質原料は、デンプン、プルラン、デキストラン、またはセルロースであり得る。
上記糖質原料は、田七人参、玄南文三七、高麗人参、小麦粉、大豆、きな粉、シイタケ、およびコーヒー抽出残渣からなる群から選択される植物素材であり得る。
上記植物素材は、植物の姿、細粒化形態、または粉末形態であり得る。
好ましくは、上記加熱する工程は、有機酸存在下で行われる。
好ましくは、上記有機酸は、クエン酸である。
好ましくは、上記加熱する工程は、上記糖質原料に対する重量が約10%のクエン酸存在下で行われる。
好ましくは、上記加熱する工程は、加圧下で行われる。
本発明はまた、植物抽出エキスに関し、この植物抽出エキスは植物起源のグリコーゲンを含有し、植物素材を酸性条件下で加熱する工程を包含する方法によって調製され得る。
上記方法は、上記植物素材を酸性条件下で加熱する工程で得られる抽出液を抽出残渣から分離する工程、上記抽出液または抽出残渣を有機溶媒で抽出する工程をさらに包含し得る。
代表的には、上記植物抽出エキスは、植物起源のグリコーゲンを高い濃度で含有し、植物体の原形(以下、姿という)、細粒形態および粉末形態を酸性水溶液の共存下に一定時間加熱した後、さらに引き続いて加圧・加熱処理して得られる抽出液と、その残渣として得えられる固形物を約40〜約60%エタノールで加温抽出して得られる抽出液とを併せた後、これを濃縮して調製される。得られた植物抽出エキスは粉末化することによってエキス末形態としてもよい。
代表的には、上記酸性条件は有機酸の添加により達成され、pH6以下とすることが好ましい。好ましくは、有機酸としてクエン酸が用いられ得る。なお、本明細書で用いる用語「植物起源のグリコーゲン」は、植物体(根、茎、葉)に含まれるグリコーゲン、または植物体に含まる糖類から形成されたグリコーゲンをいう。また、本明細書で用いる用語「植物素材」とは、植物体(根、茎、葉)、この植物体に切断、粉砕などの処理を施して得た任意の形態のその一部(粒子状、切片状など)、植物体またはその一部の抽出物などをいう。
本発明はまた、10,000以下の分子量をもつグリコーゲンに関する。
代表的には、このグリコーゲンは、約3,000、約9,000、または約9,500の分子量をもつ。
本発明はまた、10,000以下の分子量をもつグリコーゲンを主成分として含む組成物に関する。
この組成物は、約320,000の分子量をもつグリコーゲン、および約3,000の分子量をもつグリコーゲンを含み得る、
この組成物は、[α]+197°の比旋光度、ならびにH NMRスペクトルにおける5.37ppmおよび4.95〜5.33ppmのアノメリックプロトンピークで特徴付けられるグリコーゲンを含み得る。
この組成物は、約280,000の分子量をもつグリコーゲン、および約9,000の分子量をもつグリコーゲンを含み得る。
この組成物は、[α]+178°の比旋光度、ならびにH NMRスペクトルにおける4.97ppmおよび5.22〜5.33ppmのアノメリックプロトンピークで特徴付けられるグリコーゲンを含み得る。
この組成物は、約3,000,000の分子量をもつグリコーゲン、約1,200,000の分子量をもつグリコーゲン、および約9,500の分子量をもつグリコーゲンを含み得る。
この組成物は、[α]+174°の比旋光度、ならびにH NMRスペクトルにおける5.38ppmおよび4.96ppmのアノメリックプロトンピークで特徴付けられるグリコーゲンを含み得る。
本発明はまた、上記の植物抽出エキスを含む食用組成物に関する。この食用組成物は、上記の植物抽出エキスまたはエキス末を、グリコーゲン成分として配合して調製され得る。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施の形態について、以下詳述する。
本発明のグリコーゲンの出発材料となる糖質原料は、代表的には、デンプン、セルロース、デキストラン、プルランなどの多糖類、およびマルトースなどのオリゴ糖である。田七人参などの糖を含む天然の植物素材を糖質原料としてそのまま用いてもよい。田七人参は、ジンセノシド、ミネラルおよびビタミンを高い濃度で含み、その産地、収穫時期にかかわらず、姿、またはそれを破砕・粉砕した細粒子、微粒子および微粉末のいずれの形態をも、本発明のグリコーゲンの出発材料として用い得る。
本発明のグリコーゲンは、上記糖質原料を酸性条件下で加熱・加圧する工程を包含する方法によって製造される。
上記酸性条件は、リン酸、塩酸などの無機酸を添加することにより達成され得る。あるいは、上記酸性条件は、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、グルクロン酸、これら有機酸のナトリウムやカリウム塩、およびこれらの混合物を用いて達成され得る。上記酢酸は、食用酢(合成酢、リンゴ酢、果実酢、昆布酢、ワインビネガーなどの醸造酢、およびこれらを任意の割合で混合した混合物を含む)として添加され得る。より好ましくは、上記酸性条件は、クエン酸、酢酸を用いて達成され得る。最も好ましくは、上記酸性条件は、クエン酸を用いて達成され得る。
上記無機酸または有機酸は、上記糖質原料を含む水溶液がpH6以下、好ましくはpH5〜1の範囲になるに十分な量、通常、糖質原料に対して、0.1〜20重量%の範囲、より好ましくは1〜15重量%の範囲、最も好ましくは5〜10重量%の範囲で添加される。通常、糖質原料に添加される酸は、糖質原料に対して2〜15倍容量、好ましくは糖質原料に対して8〜10倍容量の水に溶解したのちに糖質原料に添加される。
上記糖質原料を酸性条件下で加熱する工程は、大気圧下、約100℃の温度で、通常10分〜数時間の間、好ましくは30分〜2時間の行われる。あるいは、この加熱する工程は、1〜1.3kgf/cmの加圧下、75℃〜125℃の温度範囲(容器によって異なる)で行なわれ得る。この場合、必要に応じて、糖質原料を含む酸含有溶液は、加圧下で加熱する前に、大気圧下、約100℃の温度で、通常10分〜数時間の間、好ましくは30分〜2時間の間予備加熱され、それによってグリコーゲンの生成効率を増大させ得る。
本発明のグリコーゲンを製造する方法は、加熱された糖質原料からグリコーゲンを含む溶液を分離する工程をさらに包含し得る。このグリコーゲンを含む溶液を分離する工程は、濾過、遠心分離など当該分野で公知の方法によって実施される。得られたグリコーゲンを含む溶液は、フリーズドライ、スプレードライなど当該分野で公知の方法によって濃縮および乾燥しグリコーゲン含有粉末を得ることができる。
必要に応じて、本発明のグリコーゲンは、上記グリコーゲン含有粉末からさらに精製されて用いられ得る。グリコーゲンの精製は、当該分野で周知の手法を用いて行われる。例えば、松田和雄編著、多糖の分離・精製法、pp130−131、1989を参照のこと。このような手法として、アルコールを用いた分別沈殿法がある。代表的には、アルコールとしてメタノールおよびエタノールが用いられる。必要に応じて、グリコーゲン含有粉末は、これらの処理に先立って、除タンパク質処理などを施され得る。このような除タンパク質処理として、トリクロロ酢酸処理、アルコールまたはクロロホルムなどの溶媒を用いた処理が知られている。得られた精製グリコーゲンは、ゲル濾過、比旋光度、NMR測定試験などの公知の手法を用い、分子量、分子量分布、グルコースの結合様式などの物性を同定し、その構造が解析され得る。
本発明のグリコーゲン含有粉末の効率的製造法の代表例を以下に示す。
適宜に細粒化した田七人参を10重量%クエン酸水溶液とともに90〜100℃において、必要に応じて攪拌しながら1時間加熱する。ついで1.1〜1.3kgf/cmに保ちながら、昇圧を開始してから2時間にわたって加圧・加熱した後、濾過などの常法に従って抽出液と固形分抽出残渣とに分ける。得られた抽出液を、乾燥処理(フリーズドライ、スプレードライなど)して本発明のグリコーゲン含有粉末を得る。なお、このとき用いる田七人参は、姿、細粒、または粉末のいずれでもよい。
また、上記の例では、糖質原料として田七人参を用いた例を記載したが、糖質原料としては、田七人参に限られず、小麦粉、大豆、高麗人参、乾姜およびウコンなどの植物素材を田七人参にかえて実施してもよく、これら植物素材に含有されている有効成分を損なうことなく、かつこれら素材に含まれる糖をグリコーゲンに変換してそれぞれのグリコーゲン含有粉末を得ることができる。さらに、本発明のグリコーゲンの製造方法は、上記植物素材に代えて、多糖、オリゴ糖など糖そのものを出発原料として用いることができる。なお、本発明で用いられる糖質原料はこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
本発明のグリコーゲン含有粉末は、水に対して非常によく溶けることが大きな特徴である。そのため、液状、ゲル状あるいは固形状の食品組成物としてその種類を限定せずに利用可能である。例えば、清涼飲料水、ジュース、茶、ゼリー、プリン、パン、クッキー、キャラメル、おかきなどに添加したり、必要に応じて、でんぷん、デキストリン、乳糖などの賦型剤、その他の食用組成物のエキス剤、色素、香料などとともに粉末、顆粒、錠剤に加工したり、ゼラチンなどの被覆剤を用いてカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品などとして利用できる。なお、本発明のグリコーゲン含有粉末を利用可能な食用組成物はこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
また、グリコーゲン含有粉末の食用組成物に対する使用量は、当該食用組成物の種類や状態などに依存して、ほぼ0.1〜100重量%の範囲で添加され得る。
本発明のグリコーゲン含有粉末は、植物素材中の有効成分が水溶性の性状を持って抽出できているため、他の物質との配合調整が容易となり、機能性因子としての効果を高めることができる。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明を制限するものではない。
実施例
(実施例1)田七人参エキス末の調製
小粒子状(2〜3mmφ)の田七人参91kg、クエン酸9kgおよび水550Lを加圧装置付きタンクに入れ、90〜96℃で1時間加熱した後、1.1kgf/cmの加圧状態にして1時間保持した。得られた反応液を、NA500濾紙を装着した加圧濾過装置で濾過して抽出液を分取した。続いて、タンク内の田七人参の抽出残渣に、45重量%エタノール溶液700Lを加え、65℃、2時間加熱還流を行った。得られた反応液を、NA500濾紙を装着した加圧濾過装置で濾過してエタノール抽出液を分取した。このようにして得られたクエン酸抽出液とエタノール抽出液とを合わせ、濃縮し、そして得られた濃縮液からスプレードライ法により65.76kgのエキス末(フリーズドライ粉末)を得た。このようにして得られたエキス末中に存在する成分を分析した。表1はグリコーゲンの測定結果を示す。
表1のa)に示されるように、得られた田七人参エキス末中には、37.45%のグリコーゲンが含まれていた。なお、グリコーゲンは、カキ抽出物食品規格基準(日本健康・栄養食品協会)を用いて測定し、表1中のグリコーゲン濃度(%)は、凍結乾燥により得られたエキス末中のグリコーゲン含量を重量%で、そしてグリコーゲン生成率は、このエキス末中のグリコーゲンの重量を原料の重量で除した値である(原料換算)。
表1のa)には、後述の実施例4に記載のように、10〜30gのエキス末を用いたことを除き、同様の操作によって、玄南文三七粉抽出エキス末、高麗人参姿抽出エキス末、小麦粉抽出エキス末、大豆姿抽出エキス末、きな粉抽出エキス末およびシイタケ抽出エキス末を得、その中に含まれるグリコーゲンを測定した結果をも同時に示した。表1のa)に示されるように、玄南文三七粉抽出エキス末、高麗人参姿抽出エキス末、小麦粉抽出エキス末、大豆姿抽出エキス末、きな粉抽出エキス末およびシイタケ抽出エキス末には、グリコーゲンが、それぞれ32.70重量%、18.29重量%、47.06重量%、5.82重量%、44.03重量%および1.74重量%含まれていた。表1のb)の結果については、後述の実施例4において説明する。
Figure 0004059442
Figure 0004059442
(実施例2)グリコーゲン生成条件の検討
次に、加圧時間を変えてグリコーゲン生成率を比較した。
4つの三角フラスコのそれぞれに175mLの水、30〜35gの田七人参姿、および田七人参姿の9重量%に相当するクエン酸を加え、食品包装用ラップフィルムで蓋をするように覆って、オートクレーブ中1.1〜1.2kgf/cmの加圧条件下、10分、20分、35分および60分間それぞれ煮沸した。各反応物を放冷した後、溶液部分を遠心分離(3,000rpm、5分)して抽出液を得た。沈殿残渣は元の田七人参姿が残っている三角フラスコにそれぞれ戻し、50%エタノール溶液200mLとともに還流冷却器をつけて85℃で1〜1.5時間加温した。得られた加熱溶液を放冷した後、遠心分離(5,000rpm、10分)してエタノール抽出溶液を分取し、先に分取した抽出液と併せて減圧下で濃縮し、フリーズドライ処理を行ってそれぞれ粉末化した。
得られた抽出エキス末の生成量と、その中に含まれるグリコーゲンの測定結果を図1に示した。図1に示されるように、抽出エキス末の収率は、35分の加圧時間において74%の最高値を示し、グリコーゲン生成率は10分で約40%に達し、それ以降60分までほとんど変化がなく推移した。そこで、1.1〜1.2kgf/cmの加圧条件下での加圧時間は35分で十分であると判断された。
(実施例3)
実施例2で求めた1.1〜1.2kgf/cm、35分間の加圧条件下において、クエン酸濃度を変化させてグリコーゲン生成率を比較した。クエン酸濃度を原料に対して5、6、7、8および9%と変化させたことを除いては、実施例2と同様の処理を行った。その結果を表2に示す。表2に示されるように、9%のクエン酸添加量において、41.4%というグリコーゲン生成率の最高値が示された。
Figure 0004059442
(実施例4)
田七人参以外の試料について実施例2と同様の加圧条件下で抽出を行い、本発明の抽出法によるグリコーゲンの生成を検討した。
玄南文三七粉、玄南文三七粉抽出エキス末、高麗人参姿抽出エキス末、小麦粉抽出エキス末、大豆姿抽出エキス末、きな粉、きな粉抽出エキス末抽出、シイタケ、シイタケエキス末、霊芝、霊芝抽出エキス末およびコーヒー抽出残渣の10〜30gを、実施例2と同様に、1.1〜1.2kgf/cm、35分の加圧条件下で処理し、最終的にフリーズドライ粉末を得、その中のグリコーゲン量を測定した。上述の表1にその結果を示してある。
表1のa)に示されるように、田七人参自体には4.42%しか含有しないグリコーゲンが、田七人参抽出エキス末中には、原料換算では29.15%含まれ、本発明の加圧処理によってグリコーゲン量が6.5倍以上に増加したことが示された。同じく田七人参である「玄南文三七粉」(登録商標)のグリコーゲン含有量は1.51%であったが、本発明の抽出法に得た抽出エキス末中には、20.05%のグリコーゲンが存在し、グリコーゲン量が13.3倍に増加したことが示された。
田七人参と同属の、乾燥高麗人参姿および乾燥大豆姿の抽出エキス末中のグリコーゲン量は、原料換算でそれぞれ5.49%および1.60%と、田七人参と比較して1桁以上少なかった。小麦粉抽出エキス末中のグリコーゲン量は原料換算で32.78%のグリコーゲン量を示した。
大豆から生成したきな粉およびきな粉抽出エキス末中のグリコーゲン量は、原料換算でそれぞれ0.47%および2.02%であって、本発明の抽出法によってグリコーゲンが約4.3倍に増加したことが示された。
キノコ類の中でシイタケおよびその抽出エキス末中のグリコーゲン量は、原料換算でそれぞれ0.15%および0.75%と、本発明の抽出法によってグリコーゲンが約5倍に増加したことが示された。
コーヒー抽出残渣エキス末中のグリコーゲン量は、抽出エキス末換算で8.64%であった。
しかし、霊芝とアガリクス茸では元来含有していたグリコーゲンが本抽出法によって減少するという結果が得られた。
これらの結果から、酸の存在下の加熱および加圧という物理化学的方法により、植物起源のグリコーゲンが大量に生成されることが明らかになった。キノコ類のうち、シイタケには、抗腫瘍活性を有するβ−グルカンであるレンチナンが存在し、アガリクス茸にもまた抗腫瘍活性を有するβ−グルカンが存在するが、本発明の方法によって両者の間に、グリコーゲンがシイタケの場合には増加し、その一方アガリクス茸では減少するという著しく相違する結果が認められたことは大いに注目すべきである。
なお、表1のb)に示される片仔廣は田七人参を85%含む漢方薬である。片仔廣は田七人参自体と変わらない3%前後のグリコーゲンを含有していた。
(実施例5)
さらに、植物起源の原料について、本発明の抽出法によるグリコーゲン量の生成増加を確認するために、各種糖類を原料として用い、実施例2と同様の方法により処理してグリコーゲン量を測定した。表3に結果を示す。
Figure 0004059442
Figure 0004059442
原料としては、高等植物の種子、根、根茎などに大量に含まれるデンプンを用いた。デンプンはD−グルコースよりなる多糖である。
i)バレイショデンプン
バレイショデンプンにクエン酸を添加した試料と、添加しなかった試料を調製した。両試料は、白沈不溶物が存在する白濁水溶液として得られた。両試料を、1.1kfg/cm、35分間の加圧処理すると、クエン酸添加試料は不溶物のないサラサラした液体となったが、クエン酸を添加しなかった試料は透明になったが不溶物がなお残存していた。そこで、クエン酸を添加しなかった試料では残存する不溶物を遠心分離により除去して透明な試料液を得た。
クエン酸添加試料については、沈殿物がなかったので得られた反応液に45%となるようにエタノールを追加し、クエン酸を添加しなかった試料については分離した不溶物に45%のエタノールを加え、それぞれ1時間加熱した。得られた反応液には、クエン酸添加試料では僅少の沈殿が認められ、クエン酸を添加しなかった試料ではシルク状の沈殿が生成していた。これら沈殿物を除去した溶液を、先の加圧操作後に得られた反応液とそれぞれ合併し、それぞれ濃縮した後、凍結乾燥粉末を得てその中のグリコーゲン量を測定した。
その結果、表3に示されるように、本法を適用したバレイショデンプンからは23.04%に達する多量のグリコーゲンが検出され、対照であるクエン酸を添加しなかった場合、凍結乾燥粉末中にはグリコーゲンは全く認められなかった。
ii)トウモロコシデンプン
トウモロコシデンプンについてもバレイショデンプンと同様に、クエン酸を添加した試料と、クエン酸を添加しなかった試料とを調製した。加圧反応後は、両試料ともゲル状となり、溶液部と沈殿物との分離ができなかったので、両試料に、直接エタノールを45%となるように注加し、1時間加温した。その結果、クエン酸を添加した試料では、サラサラの不溶物が得られ、濾過によってこれを分離除去して溶液部を得た。クエン酸を添加しなかった試料では、連続布状の不溶物が生じた。これを、ガラス棒に巻き付けて除去し澄明な溶液部を得た。それぞれの溶液部を、一定量まで濃縮した後、フリーズドライによってエキス末を得た。得られたエキス末中のグリコーゲンを定量した。その結果、クエン酸を添加しなかった場合、エキス末中にはグリコーゲンは全く認められなかったのに対し、クエン酸添加の場合、12.02%のグリコーゲンが認められた。
iii)可溶性デンプン
表3に示されるように、可溶性デンプンについては、本発明の抽出法により0.82%のグリコーゲンが生成した。
iv)セルロース、プルランおよびデキストラン
セルロース、プルランおよびデキストランについては、本発明の抽出法により0.65%、36.78%および71.26%のグリコーゲンが生成した。デキストランの場合、加圧処理後と、45%のエタノール溶液添加後の加熱処理との両反応後の溶液が2層に分離したので、上層部および下層部の溶液をそれぞれ分離した後濃縮して凍結乾燥粉末を得た。上層部および下層部の凍結乾燥粉末中には、それぞれ32.60%および38.66%、合計71.26%のグリコーゲンが存在した。
v)ラフィノース、マルトース、トレハロース、スクロース、およびグルコース
一方、3糖類のラフィノース、2糖類のマルトース、トレハロースおよびスクロース、ならびに単糖類のグルコースを用いた場合、ラフィノースとマルトースでは本発明の抽出法によりそれぞれ0.39%および0.28%のグリコーゲンが認められたが、トレハロース、スクロース、およびグルコースを原料として用いた場合、グリコーゲンは測定されなかった。
2糖類を原料にした場合、グリコーゲンの生成の有無は、マルトースが還元糖であるのに対し、トレハロースおよびスクロースは非還元糖であることに起因すると考えられた。トレハロースおよびスクロースを原料とした場合、グリコーゲン以外の多糖が生成していることが予想される。グルコースは多糖化が困難であると考えられた。
このように本発明の抽出法を多糖類に適用した場合においてもグリコーゲンの生成を認めたことから、酸の存在下で加圧するという物理化学的方法により、植物起源のグリコーゲンが生成することが確認された。
また、例えば、田七人参とデキストランとの混合物を原料にした場合、それぞれ単独を原料として用いた場合とは異なる構造のグリコーゲンが生成すると予想される。さらには、コーヒー抽出残渣中に多量に含まれるマンナンからグリコーゲンを生成するというような新規事業の展開もた期待され得る。
(実施例6)
カキエキス50%、実施例2と同様の条件で得た田七人参エキス末28.9%およびラブリワックス3%を混合篩過した後、乳糖20%、第三リン酸カルシウム1%およびショ糖脂肪酸エステル2.0%を加えて良く混合した。これを打錠したのち、シェラックコーティングしてポリシングを行って、錠剤型の食用組成物を試作した。
(実施例7)
実施例2と同様の条件で得た田七人参エキス末62.5%と、マルチトール12.2%とを予備配合したのち、プルラン0.5%を加えて予備顆粒(水分1〜2%含有)とした。この予備顆粒に、発酵ウコン16.8%とラブリワックス8%とを加え、その都度良く混合した後、さらに本配合をおこなって打錠化した。この錠剤を、イーストラップおよびグリセリンでコーティングして錠剤型の食用組成物を試作した。
(実施例8)
ビタミンE10.0重量%、マルトース6.6重量%、およびリン酸カルシウム1.6重量%相当量を混合機によって混合して予備配合末を作成し、これを、実施例2と同様の条件で得た田七人参エキス末20.9重量%、でんぷん10重量%および乳糖−粉末セルロース45重量%とをよく混合して篩過した。これを混合機に投入し、さらにショ糖脂肪酸エステル5重量%、リン酸カルシウム0.9重量%および乳糖−粉末セルロース5重量%を入れて混合した。この粉末を、打錠機で打錠後シェラックコーティングしてポリシングを行って、錠剤型の食用組成物を試作した。
(実施例9)
実施例2と同様の条件で得た田七人参エキス末48.99重量%、ビタミンC8.6重量%、ビタミンB6塩酸塩0.12重量%、蔗糖エステル5重量%および結晶セルロース6.04重量%を混合し、これに、31.25重量%還元麦芽糖水溶液を配合して打錠化した後、シェラック10重量%エタノール溶液を錠剤に対して7〜8%となる液量で添加し、これを噴霧してシェラックコーティングを行って食用組成物を試作した。
(実施例10)精製グリコーゲンの調製
.バレイショデンプンおよびデキストランからの精製グリコーゲンの調製
実施例5のi)のようにして得た、バレイショデンプン由来のグリコーゲン含有粉末20gを、精製水200mLに溶かすと完全に溶解した。この無色の溶液を95℃で20分間加熱した後室温で放冷し、次いで、5℃で1.5時間冷却した。溶液中僅かに白濁が認められたので、8,500rpm、6分間遠心分離を行ってこの白濁物質を除去した。得られた上清を5℃に冷却した後、5%になるようにトリクロロ酢酸を加え、5℃で1夜放置した。次いで、遠心分離(8,500rpm、6分間)で沈殿を除去し、得られた上清を3倍容のメタノールに注加して生じる沈殿を遠心分離(8,500rpm、10分間)で集めた。得られた沈殿を、メタノールおよびエーテルで順次洗浄した。この沈殿物を、真空乾燥器中、室温下で2時間乾燥して粗グリコーゲンを得た。
得られた粗グリコーゲン20gを、セロハンチューブに入れ、1.4〜1.5Lの精製水に対して5℃下で3日間透析した。この間、1日ごとに精製水を新しく入れ換えた。その後、透析内液を凍結乾燥して得た乾燥粉末を精製グリコーゲンとして得た。
次いで、実施例5のiv)に記載のようにして得た、デキストラン由来のグリコーゲン含有粉末からも同様にして精製グリコーゲンを得た。得られた精製グリコーゲンの収率は、バレイショデンプンおよびデキストランについて、それぞれ16.2%および18.2%であった。
得られた上記精製グリコーゲン標品の物性を表4に示す。
Figure 0004059442
Figure 0004059442
なお、表4において、糖度は、各標品の5%水溶液を調製し、その糖度を糖度計(アタゴ社製)を使用して測定した。ヨード反応は、0.01mol/Lヨウ素溶液を用いて行った。また、精製グリコーゲン中のグリコーゲン含量は、カキ抽出物食品規格基準(日本健康・栄養食品協会)を用いて測定した結果である。
.田七人参からの精製グリコーゲンの調製
実施例1のようにして得た、田七人参から得たグリコーゲン含有粉末30gを、精製水300mLに溶かすと不溶物が生じたので、遠心分離(8,500rpm、6分間、10℃)によってこの不溶性物質を取り除き褐色の上清液を得た。この上清液を、95℃で20分加熱し、室温で放冷した後、5℃で1.5時間冷却した。ここで、溶液の濁度が増加したので、8,500rpm、6分間遠心分離を行って濁り成分を除去し上清液を得た。この上清液を5℃に冷却して、これに5%になるようにトリクロロ酢酸を加えて5℃で1夜放置した。次いで、遠心分離(8,500rpm、6分間)により沈殿を除去し、得られた上清液を3倍容のメタノールに注加した。ここで生じた淡褐色の沈殿を遠心分離で集めた。得られた沈殿をメタノールで洗浄した後、ジメチルスルホキド(DMSO)約200mLに溶解し、遠心分離(6,500rpm、10分、10℃)で不溶性物質を除去した後、得られた上清液に3倍容のエタノールを添加して再沈殿させた。このエタノール再沈殿による精製をさらに2度繰り返した。次に、DMSOの代わりに精製水を用いて同様の再沈殿による精製を2回繰り返した。得られた乳白色の沈殿を室温下で真空乾燥して24.7gの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末20gを精製水140mLに溶かし、iso−アミルアルコール36mLとクロロホルム108mLとの混液を加えて穏やかに10時間振盪した。この溶液を静置した後に生じる水層を分取し、遠心分離(7,500rpm、30分、10℃)した。この除タンパク操作を、iso−アミルアルコール36mLとクロロホルム108mLの混液を加えて2回繰り返した後、帯黄白色溶液をセロハンチューブに入れ、1.4〜1.5Lの精製水に対して5℃下で3日間透析した。この間、1日ごとに精製水を新しく入れ換えた。得られた透析内液を凍結乾燥して精製グリコーゲン13.4gを得た(グリコーゲン含量69.0%;グリコーゲン収率11.9%)。この精製品は、赤紫色のヨード反応を呈した。
(実施例11)精製グリコーゲンの解析
.分子量
実施例10で得られた精製グリコーゲンの分子量をゲル濾過法によって測定した。
1.1.試料の調製
デンプン、デキストランおよび田七人参から得られた精製グリコーゲンをそれぞれ、3.16mg、3.32mgおよび3.33mgを秤量した。各々の精製グリコーゲンを1mLの精製水に溶解し、そのうち50μLをHPLC分析に供した。
1.2.HPLC装置および測定条件
HPLC分析条件は以下の通りである。
HPLC装置:紫外分光光度計検出器SPD−6A付きLC−7A(島津製作所製)。
カラム:Shodex Asahipak CS−620(50cm×7.6mm I.D.)(昭和電工製)
移動相:純水
移動相流速:0.8mL/分
検出波長:UV280nm
1.3.結果
標準物質としてプルランとグルコースオリゴマーを用いて作成した校正曲線を使って、HPLC分析における保持時間から各々の試料に含まれるグリコーゲンの分子量を測定した。各分析におけるHPLC分析のクロマトグラムの1例を図2に示す。図2の(a)は、デキストラン由来の精製グリコーゲン、図2の(b)は、田七人参由来の精製グリコーゲン、そして図2の(c)は、グリコーゲン由来の精製グリコーゲンのクロマトグラムをそれぞれ示す。なお、図2(a)(b)(c)のそれぞれにおいて、同じ試料について、左のクロマトグラムは紫外線分光光度計検出器による測定結果を、そして右のクロマトグラムは示査屈折計検出器による測定結果を示す。図2に示されるように、各試料は、異なる分子量をもつ複数分子種から構成されていることが明らかとなった。それらの分子量と全体に対する割合を表5に示す。
Figure 0004059442
表5に示されるように、デンプンから得られたグリコーゲンは、分子量3,000の分子を主成分として含み、デキストランから生成したグリコーゲンは、分子量9,000の分子を主成分として含み、そして田七人参から生成したグリコーゲンは、分子量9,500(60.6%)の分子を主成分としてそれぞれ含むことが明らかになった。
田七人参から生成されたグリコーゲンに比べて、デンプンおよびデキストランから生成されたグリコーゲンは小さな分子量を持っていることが特徴的であった。文献値(生物学辞典、岩波書店、前述)によれば、肝臓グリコーゲンの分子量は5〜10×10、筋肉グリコーゲンの分子量は1〜2×10であり、これらに比べ、3種の精製グリコーゲンとも比較的低分子量から構成されたグリコーゲンであることが明らかになった。
.比旋光度
実施例10で得られた精製グリコーゲンの各0.1gを精密に量り、精製水を加えて20mLとした。各試料溶液について、層長200mmの測定管に入れて旋光度計(エルマ社製)を使用して比旋光度を測定した。
その結果、デンプン、デキストランおよび田七人参から生成されたそれぞれの精製グリコーゲンの測定値は〔α〕+197.2°、〔α〕+178.4°および〔α〕+174.1°であった。
文献値(生化学辞典(第3版)、東京化学同人、402頁、1998年10月8日発行)によれば、グリコーゲン溶液の比旋光度は〔α〕+191〜+200°(デンプンの比旋光度は〔α〕+202°)である。この範囲内にある比旋光度を示したのはデンプンからの精製グリコーゲン溶液のみで、田七人参およびデキストランからの精製グリコーゲン溶液の比旋光度は文献値より低かった。
H NMR測定
実施例10と同様にして得られた精製グリコーゲンを、H NMR測定により特徴付けた。グリコーゲンはグルコースにより構成されるホモ多糖であり、グルコース由来のアノメリックプロトンのシグナルを指標として、グリコーゲンであると同定される。H NMR測定は、以下のように行った。
3.1.試料の調製
デンプンおよびデキストラン由来の精製グリコーゲン溶液:それぞれ、11mg/0.65mL DO溶液を調製した。グリコーゲン試薬(和光純薬製:標準物質)および田七人参由来の精製グリコーゲン:それぞれ10mg/0.65mL DO溶液を調製した。
3.2.測定条件
Varian社のUNITY INOVA 600型装置を以下の条件で用いた。観測周波数 599.6MHz;温度 45℃;観測幅 6KHz;パルス幅 30°;パルス繰り返し時間 7秒。
3.3.結果
(1)標準物質
グリコーゲン試薬(和光純薬製)では、5.39ppm付近と4.98ppm付近にアノメリックプロトンピークが観測された。アノメリックプロトンピークの一例を図3Aの(b)に示す。
5.39ppmのピークはα1−4結合に起因する。4.98ppmのピークはα1−6結合に起因する。α1−6結合は約5%であった。また1〜3.3ppmに不純物と推定されるピークが観測された。
(2)田七由来の精製グリコーゲン
図3Aの(a)に示すように、実施例10ので得られた田七人参抽出エキス末からの精製グリコーゲンは、図3Aの(b)に示すグリコーゲン標準品(和光純薬)と同様に、5.38ppmのα1−4結合、4.96ppmのα1−6結合のアノメリックプロトンのピークを有し、グリコーゲンであることが確認された。田七人参抽出エキス末からの精製グリコーゲンと標準品との間で5.38ppmと4.96ppmのアノメリックプロトンの各シグナル高さ比を比較すると、田七人参抽出エキス末の精製グリコーゲンでは約10:1(70.9/7.1)、そして標準品では約20:1(80.2/4.4)であり、この差は、田七人参抽出エキス末からの精製グリコーゲンと標準品とでは、糖鎖構造における分岐度など、微細構造が異なっていることが示唆され、微細構造と抗腫瘍活性との関連性を示す、Yosiaki Takataら、J.Mar.Biotech.,6.pp208−213(1998)の報告を考慮すれば、この微細構造の差異が、田七人参の抗腫瘍活性に関連すると考えられた。また、不純物であると推定されるピークは、田七人参精製グリコーゲンでは、1.2ppmおよび2.7ppmに存在するのみであるのに対し、1〜3.3ppmに不純物であると推定されるピークが存在する標準品に比べ、その精製度が高いことが示された。α1−6結合は約10%であった。
(3)デンプン由来の精製グリコーゲン
デンプン由来の精製グリコーゲンでは、5.37ppm、5.33ppmおよび4.95ppmにアノメリックプロトンピークが観測され(図3Bの(d))、上記のグリコーゲン試薬のアノメリックプロトンピークと良く一致した。
5.37ppmのピークはα1−4結合に起因し得る。また、デンプン由来の精製グリコーゲンは、一般に、ピークが鋭く分解能の良いスペクトルを示した。これは、上記に示されるように、デンプン由来の精製グリコーゲンが、グリコーゲン試薬よりも分子量が小さい分子を含むためであると考えられた。α1−6結合は約8%であった。
(4)デキストラン由来の精製グリコーゲン
デキストラン由来の精製グリコーゲンでは、主として4.97ppmにアノメリックプロトンピークが観測された(図3Bの(c))。このピークはα1−6結合に起因する。デキストランは、α1−6結合主体のグルコースホモ多糖であるため、α1−4結合に起因する5.3ppm付近のピークは小さいが、デキストラン由来のグリコーゲンでは、このピークは、さらに一層小さくなっていた。
.単糖組成
実施例13と同様にして得られた各種糖質原料から得られた精製グリコーゲンの水溶液にジアスターゼを添加して精製グリコーゲンを酵素分解した。得られた各々の分解液を、シリカゲルプレートにスポットして、イソプロパノールと精製水(16:4)の混液を展開溶媒としてTLC分析を行った。展開終了後プレートを取り出し、室温乾燥して希硫酸溶液を噴霧して115℃で約3分加温した。
その結果、いずれの精製グリコーゲンの酵素分解液からも、標準物質であるグルコース(和光純薬製)と一致するRf値0.59のスポットが示された(結果は示さず)。これにより、いずれの精製グリコーゲンもグルコースを単糖組成としていることが確認された。その一方、酵素分解処理前の各種糖質原料から得た精製グリコーゲンを同溶媒で展開したところ、標品であるグリコーゲン(和光純薬製)と同様、スポットは原点にとどまり展開されていなかった。
(実施例12)精製グリコーゲンの肝機能改善試験
上記実施例10の.に記載のようにして得た田七人参由来の精製グリコーゲンを、マウス腹腔内に投与し、インビボにおける肝機能改善機能を試験した。
.被験体
インビボ試験は、ICR誘導雄マウス(MDS Pharm Services社製、体重22±2g)を用いて行った。
.被験試料
精製グリコーゲン、シリマリン(登録商標)(シグマ社製)を被験試料として用いた。シリマリンは、肝機能改善機能を示すポジティブコントロールである。グリコーゲンおよびシリマリンは、2%Tween80(登録商標)(和光純薬製)を含む0.9%食塩水中、所定の濃度となるように溶解して用いた。
.投与量
精製グリコーゲンは、マウス1匹あたり300mg/kgまたは400mg/kg(グリコーゲン群)、コントロールとして、2%Tween80を含む0.9%食塩水を10mL/kg(コントロール群)、ポジティブコントロールのシリマリンは、100mg/kg(シリマリン群)をそれぞれ腹腔内に投与した。
.試験方法
1群あたり各5匹のICR誘導雄マウス(22±2g)を使用した。各マウスに、50%オリーブ油に溶かした四塩化炭素溶液(0.1mL/Kg)を1回注射して肝障害を誘導した。被験試料は、四塩化炭素投与の30分前、投与後4時間および8時間に300mg/kgまたは400mg/kgをそれぞれ腹腔内投与した。最後の投与の24時間後にマウスを屠殺して血液を採取し、血清GPT(SGPT)とGOT(SGOT)レベルを、常法に従い(それぞれGPT測定キットおよびGOT測定キット(和光純薬製)を用いる)、オートアナライザーにより分光光度法(紫外線法)で測定した。
.実験結果
表6に測定結果を示す。
Figure 0004059442
表6において、表中の数字(IU/L)は、SGPTおよびSGOTの測定結果を、各群について5匹のマウスの平均値で表したものである。平均値の後にある括弧内の数値は、各群の測定結果を、コントロール群の測定結果に対する低下率で表した数値である。
肝機能改善機能は、一般に、SGPTおよびSGOTの数値レベルがコントロールより低くなることによって評価される。表2に示されるように、グリコーゲン群では、300mg/Kgおよび400mg/Kg投与において、SGPTについて10〜11%、そしてSGOTについて15〜16%の低下率をそれぞれ示し、精製グリコーゲンの穏和な肝機能改善機能が示された。ポジティブコントロールのシリマリンでは、SGPTについて71%、SGOTについて80%と、顕著な肝機能改善機能が示された。なお、SGPTおよびSGOTについて低下率が30%以上である場合が、著しい肝機能改善機能を有すると判定される。
(実施例13)田七人参抽出エキスの肝機能改善試験
被験試料として、上記実施例1に記載のようにして得た田七人参抽出エキス末を用いたことを除いて、実施例12と同じ方法で肝機能改善試験を行った。
試験結果を表7に示す。
Figure 0004059442
表7において、表6と同様に、表中の数字(IU/L)は、SGPTおよびSGOTの測定結果を、各群について5匹のマウスの平均値で表したものである。平均値の後にある括弧内の数値は、各群の測定結果を、コントロール群の測定結果に対する低下率で表した数値である。
表7に示されるように、田七人参抽出エキス群は、SGPTについて71%、SGOTについて69%の低下率をそれぞれ示し、田七人参抽出エキスが著しい肝機能改善機能を示すことが明らかとなった。
産業上の利用可能性
多糖体や、デンプンを多く含む植物体などを酸性条件下に加熱・加圧処理するという、基質特異性がなくかつ簡単な操作で、グリコーゲンを製造する技術が提供される。本発明の方法により、各種の原料から多様なグリコーゲンが提供され得る。これらの性質を解析することによって、食品原料、輸液原料などに利用可能な素材が提供される。
グリコーゲンは動物における貯蔵多糖としてのみならず、強肝作用を示すことが知られている。また、イカ、ホタテ貝などから抽出されたグリコーゲンは、強い抗腫瘍活性を示すことが報告されており、新たな機能性食品としてのグリーゲンの用途が期待される。
グリコーゲン、特に10,000以下の分子量をもつ低分子グリコーゲンが提供される。デンプンなどの多糖類を多量に含む植物、ならびにデンプン、プルラン、およびデキストランなどを原料として、簡単な操作で得られるグリコーゲンが提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるグリコーゲンの生成率を経時的に示す図である。
図2は、本発明の組成物のHPLC分析のクロマトグラムを示す図である。
図3Aは、本発明の組成物に含まれるグリコーゲンのNMRスペクトルを示す図である。図3Aの(a)は、本発明の組成物に含まれる田七人参由来の精製グリコーゲンのNMRスペクトル、そして図3Aの(b)は、グリコーゲン標準品のNMRスペクトルである。
図3Bは、本発明の組成物に含まれるグリコーゲンのNMRスペクトルを示す図である。図3Bの(c)は、デキストラン由来の精製グリコーゲンのNMRスペクトル、そして図3Bの(d)はデンプン由来の精製グリコーゲンのNMRスペクトルである。

Claims (12)

  1. グリコーゲンを製造する方法であって、糖質原料を酸性条件下で加熱・加圧する工程を包含し、該糖質原料が、田七人参、玄南文三七、高麗人参、小麦粉、大豆、きな粉、シイタケ、およびコーヒー抽出残渣からなる群から選択される植物素材である、方法。
  2. 前記植物素材が、植物の姿、細粒化形態、または粉末形態である、請求項に記載の方法。
  3. 前記加熱する工程が、有機酸存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記有機酸が、クエン酸である、請求項に記載の方法。
  5. 前記加熱する工程が、前記糖質原料に対する重量が10%のクエン酸存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記加熱する工程が、加圧下で行われる、請求項1に記載の方法。
  7. 植物抽出エキスであって、植物起源のグリコーゲンを含有し、田七人参、玄南文三七、高麗人参、小麦粉、大豆、きな粉、シイタケ、およびコーヒー抽出残渣からなる群から選択される植物素材を酸性条件下で加熱・加圧する工程を包含する方法によって調製される、植物抽出エキス。
  8. 前記植物素材が、植物の姿、細粒化形態、または粉末形態である、請求項に記載のエキス。
  9. 前記方法が、前記植物素材を酸性条件下で加熱する工程で得られる抽出液を抽出残渣から分離する工程、該抽出液または該抽出残渣を有機溶媒で抽出する工程をさらに包含する、請求項に記載の植物抽出エキス。
  10. ,000,000の分子量をもつグリコーゲン、1,200,000の分子量をもつグリコーゲン、および9,500の分子量をもつグリコーゲンを含み、該9,500の分子量をもつグリコーゲンを主成分として含む、請求項に記載の植物抽出エキス
  11. [α]+174゜の比旋光度、ならびにH NMRスペクトルにおける5.38ppmおよび4.96ppmのアノメリックプロトンピークで特徴付けられるグリコーゲンを含む、請求項10に記載の植物抽出エキス
  12. 請求項に記載の植物抽出エキスを含む、食用組成物。
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