JP4058804B2 - Ｎｂｒ組成物 - Google Patents
Ｎｂｒ組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4058804B2 JP4058804B2 JP13109498A JP13109498A JP4058804B2 JP 4058804 B2 JP4058804 B2 JP 4058804B2 JP 13109498 A JP13109498 A JP 13109498A JP 13109498 A JP13109498 A JP 13109498A JP 4058804 B2 JP4058804 B2 JP 4058804B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nbr
- vulcanization
- fatty acid
- nbr composition
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＮＢＲ組成物に関する。更に詳しくは、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲ組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
極性基であるニトリル基を有するため耐油性にすぐれ、しかも比較的廉価なＮＢＲは、ガス用バルブ等の用途にも一般的に用いられている。ＮＢＲの加工性は比較的良好であるが、耐熱性や耐候性をそこに保持させるため、老化防止剤やワックス等を添加してガス用バルブシート等に用いられており、これらが加硫成形品表面にブルームして粘着の原因となる場合がみられる。また、ガス用バルブシート等の複雑な形状の場合、それの加硫成形時に金型から無理な状態で抜き出されるため、製品に割れを生ずる場合がある。
【０００３】
ＮＢＲの場合、それの加硫促進剤としてテトラメチルチウラムモノスルフィドが、また促進助剤として酸化亜鉛がそれぞれ加硫系成分として配合されたＮＢＲ組成物が知られているが、かかるＮＢＲ組成物にあっても上記の如き問題点のみられることは、その例外ではない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲ組成物であって、それの非粘着性および成形性を改善せしめたものを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲに、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩を添加したＮＢＲ組成物によって達成され、かかるＮＢＲ組成物はガス用バルブシート等の加硫成形材料として好適に使用される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
ＮＢＲとしては、ニトリル含量が約20〜48%、好ましくは約28〜43%のものが用いられる。このようなニトリル含量を有するＮＢＲには、それの100重量部当り 、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィドが約0.2〜4重量部、好ましくは約0.5〜3重量部の割合で、また促進助剤としての酸化亜鉛が約1〜10重量部、好ましくは約2〜5重量部の割合で、それぞれ配合されて用いられている。
【０００７】
テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛が加硫系成分として配合されたＮＢＲには、更に脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩が添加される。脂肪酸アミドは、かかる加硫系によって加硫された加硫成形品表面にブルームして被膜を形成し、粘着性を低下させる。また、脂肪酸金属塩は、内添離型剤として加硫時に加硫成形品表面に移行し、その離型性を改善させる。
【０００８】
脂肪酸アミドとしては、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド等の高級脂肪酸アミドが、ＮＢＲ100重量部当り約0.2〜5重量部、好ましくは約0.3〜3重量部の割合で用いられる。これより少ない添加割合では、所望の非粘着化効果が得られず、一方これよりも多い割合で用いられると、ブルーム量が多くなって被膜が厚くなり、外観上好ましくなくなる。また、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸が、ＮＢＲ100重量部当り約0.3〜2重量部、好ましくは約0.5〜1.5重量部の割合で用いられる。添加割合がこれよりも少ないと、所望の離型性が得られず、一方これよりも多い割合で用いられると、加硫物性の低下がみられるようになる。なお、これらの脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩は、いずれも市販品をそのまま用いることができる。
【０００９】
以上の各成分を必須成分とするＮＢＲ組成物には、必要に応じて他の配合成分が添加される。他の配合成分としては、補強性充填剤であるカーボンブラックやシリカの他、テトラメチルチウラムモノスルフィドの被膜膜厚を抑制させるためのテトラエチルチウラムジスルフィド、老化防止剤、可塑剤等が挙げられる。
【００１０】
組成物の調製は、各配合成分をインターミックス、バンバリーミキサ、ニーダ等の密閉式混練機あるいはオープンロール等を用い、混練することによって行われ、それの加硫は約150〜220℃、約0.5〜20分間のプレス加硫によって行われ、必要に応じて更にオーブン加硫が行われる。
【００１１】
【発明の効果】
本発明に係るＮＢＲ組成物は、非粘着性および成形性の点ですぐれており、特に途中に凸部を有する加硫成形品を対応する形状の凹部を有する金型から抜き取る際、無理して抜き取っても割れを生ずることがないという効果を奏する。このような特性を利用して、例えば実開平1-113678号公報に記載される如きバルブシートの加硫成形などに有効に用いることができる。
【００１２】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【００１３】
以上の各成分をニーダで混練し、混練物を180℃で4分間プレス成形して、得られた加硫成形品について、JIS K-6301に基き常態物性を測定した。
【００１４】
また、途中に凸部を有する加硫成形品を対応する形状の凹部を有する金型から抜き取り、無理して抜き取られた成形品の割れ数を20個について測定した。
【００１５】
更に、1ケ月室温放置後の加硫成形品表面の粘着性を、指触によって判定した 。
【００１６】
以上の各成分を用い、比較例1と同様の混練、加硫および測定が行われた。なお、測定項目には、粘着力の測定(治具に加硫成形品を装着し、バネによって400gの荷重をかけた状態で、40℃、95%RH、72時間の条件下に放置した後バネによる荷重を解放し、その後ロードセルによって粘着力を測定)が加えられた。
【００１７】
以上の各成分を用い、比較例1と同様の混練、加硫および測定が行われた。
【００１８】
以上の各成分を用い、比較例1と同様の混練、加硫および測定が行われた。
【００１９】
以上の実施例および各比較例で得られた結果は、次の表に示される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＮＢＲ組成物に関する。更に詳しくは、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲ組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
極性基であるニトリル基を有するため耐油性にすぐれ、しかも比較的廉価なＮＢＲは、ガス用バルブ等の用途にも一般的に用いられている。ＮＢＲの加工性は比較的良好であるが、耐熱性や耐候性をそこに保持させるため、老化防止剤やワックス等を添加してガス用バルブシート等に用いられており、これらが加硫成形品表面にブルームして粘着の原因となる場合がみられる。また、ガス用バルブシート等の複雑な形状の場合、それの加硫成形時に金型から無理な状態で抜き出されるため、製品に割れを生ずる場合がある。
【０００３】
ＮＢＲの場合、それの加硫促進剤としてテトラメチルチウラムモノスルフィドが、また促進助剤として酸化亜鉛がそれぞれ加硫系成分として配合されたＮＢＲ組成物が知られているが、かかるＮＢＲ組成物にあっても上記の如き問題点のみられることは、その例外ではない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲ組成物であって、それの非粘着性および成形性を改善せしめたものを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲに、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩を添加したＮＢＲ組成物によって達成され、かかるＮＢＲ組成物はガス用バルブシート等の加硫成形材料として好適に使用される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
ＮＢＲとしては、ニトリル含量が約20〜48%、好ましくは約28〜43%のものが用いられる。このようなニトリル含量を有するＮＢＲには、それの100重量部当り 、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィドが約0.2〜4重量部、好ましくは約0.5〜3重量部の割合で、また促進助剤としての酸化亜鉛が約1〜10重量部、好ましくは約2〜5重量部の割合で、それぞれ配合されて用いられている。
【０００７】
テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛が加硫系成分として配合されたＮＢＲには、更に脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩が添加される。脂肪酸アミドは、かかる加硫系によって加硫された加硫成形品表面にブルームして被膜を形成し、粘着性を低下させる。また、脂肪酸金属塩は、内添離型剤として加硫時に加硫成形品表面に移行し、その離型性を改善させる。
【０００８】
脂肪酸アミドとしては、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド等の高級脂肪酸アミドが、ＮＢＲ100重量部当り約0.2〜5重量部、好ましくは約0.3〜3重量部の割合で用いられる。これより少ない添加割合では、所望の非粘着化効果が得られず、一方これよりも多い割合で用いられると、ブルーム量が多くなって被膜が厚くなり、外観上好ましくなくなる。また、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸が、ＮＢＲ100重量部当り約0.3〜2重量部、好ましくは約0.5〜1.5重量部の割合で用いられる。添加割合がこれよりも少ないと、所望の離型性が得られず、一方これよりも多い割合で用いられると、加硫物性の低下がみられるようになる。なお、これらの脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩は、いずれも市販品をそのまま用いることができる。
【０００９】
以上の各成分を必須成分とするＮＢＲ組成物には、必要に応じて他の配合成分が添加される。他の配合成分としては、補強性充填剤であるカーボンブラックやシリカの他、テトラメチルチウラムモノスルフィドの被膜膜厚を抑制させるためのテトラエチルチウラムジスルフィド、老化防止剤、可塑剤等が挙げられる。
【００１０】
組成物の調製は、各配合成分をインターミックス、バンバリーミキサ、ニーダ等の密閉式混練機あるいはオープンロール等を用い、混練することによって行われ、それの加硫は約150〜220℃、約0.5〜20分間のプレス加硫によって行われ、必要に応じて更にオーブン加硫が行われる。
【００１１】
【発明の効果】
本発明に係るＮＢＲ組成物は、非粘着性および成形性の点ですぐれており、特に途中に凸部を有する加硫成形品を対応する形状の凹部を有する金型から抜き取る際、無理して抜き取っても割れを生ずることがないという効果を奏する。このような特性を利用して、例えば実開平1-113678号公報に記載される如きバルブシートの加硫成形などに有効に用いることができる。
【００１２】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【００１３】
【００１４】
また、途中に凸部を有する加硫成形品を対応する形状の凹部を有する金型から抜き取り、無理して抜き取られた成形品の割れ数を20個について測定した。
【００１５】
更に、1ケ月室温放置後の加硫成形品表面の粘着性を、指触によって判定した 。
【００１６】
【００１７】
【００１８】
【００１９】
以上の実施例および各比較例で得られた結果は、次の表に示される。
Claims (2)
- テトラメチルチウラムモノスルフィドおよび酸化亜鉛を加硫系成分として配合したＮＢＲに、更に脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩を添加してなるＮＢＲ組成物。
- 請求項１記載のＮＢＲ組成物から加硫成形されたガス用バルブシート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13109498A JP4058804B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | Ｎｂｒ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13109498A JP4058804B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | Ｎｂｒ組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11302451A JPH11302451A (ja) | 1999-11-02 |
| JP4058804B2 true JP4058804B2 (ja) | 2008-03-12 |
Family
ID=15049846
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13109498A Expired - Fee Related JP4058804B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | Ｎｂｒ組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4058804B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5358880B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2013-12-04 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
| JP5358881B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2013-12-04 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
| CN103146039B (zh) * | 2007-07-12 | 2015-04-15 | Nok株式会社 | 发动机固定用支座 |
| KR101683609B1 (ko) * | 2010-09-10 | 2016-12-07 | 코웨이 주식회사 | 고무 조성물 및 이를 이용하여 제조되는 음식물 처리기의 고무 패킹 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP13109498A patent/JP4058804B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11302451A (ja) | 1999-11-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5283353B2 (ja) | 空気バネ用ゴム組成物及び空気バネ | |
| CN112300440B (zh) | 防老剂组合物、防老剂母胶及橡胶组合物 | |
| JP7244086B2 (ja) | ゴム組成物及びゴム成形品 | |
| JP4058804B2 (ja) | Ｎｂｒ組成物 | |
| WO2019087788A1 (ja) | エチレンアクリレートゴム組成物とその成形品 | |
| JP2007291295A (ja) | 耐水性ニトリルゴム組成物 | |
| JP5125052B2 (ja) | Ｎｂｒ組成物 | |
| JP4572695B2 (ja) | 低温摺動ゴム組成物 | |
| JPS6395242A (ja) | 耐寒性が改良されたゴム組成物 | |
| JP2005232355A (ja) | ゴム組成物 | |
| JP4236679B2 (ja) | ゴム組成物 | |
| JP3652030B2 (ja) | 防振ゴム用組成物及び防振ゴム | |
| CN111718552B (zh) | 轴承用密封部件和其制造方法 | |
| JP2002020541A (ja) | Ｎｂｒ組成物 | |
| JP3900834B2 (ja) | ゴム組成物及び耐熱ホース | |
| JP2012214535A (ja) | 光学機器用ゴム材料及びカメラ用外装ゴム部材 | |
| JP2015013973A (ja) | アクリルゴム組成物及び加硫成形物 | |
| JP2008201827A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| KR20200055173A (ko) | 내열성이 향상된 자동차의 서스펜션 부시용 고무 조성물 및 이를 이용한 자동차의 서스펜션 부시용 고무 | |
| JP2015004005A (ja) | 防振ゴム用ゴム組成物 | |
| JP2006089612A (ja) | ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ | |
| JP4405238B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JPS60179439A (ja) | ゴム組成物 | |
| JPS63251442A (ja) | ガスケツト用ニトリルゴム配合物 | |
| JP2009279763A (ja) | 防振ゴムの製造方法及び防振ゴム |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050420 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070529 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070911 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071127 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071210 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101228 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |