JP4572695B2 - 低温摺動ゴム組成物 - Google Patents

低温摺動ゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、低温摺動ゴム組成物に関するものであり、詳しくは、スタビライザーブッシュ等に用いられる低温摺動ゴム組成物に関するものである。
一般に、自動車等の分野に用いられるスタビライザーブッシュは、ステックスリップ現象によって異音が生じるという難点がある。そのため、スタビライザーブッシュの内径に、テフロン(登録商標)ライナーを施すことにより、摺動性をもたせて異音対策を講じている。しかしながら、上記テフロン(登録商標)ライナーは、高価であるとともに、剥がれやすいため、異音対策としては不充分である。
この問題を解決するため、ジエン系ゴムに、不飽和脂肪酸アミドからなる摺動剤を含有させたゴム組成物が提案されている。そして、このゴム組成物を用いてスタビライザーブッシュを形成すると、スタビライザーブッシュ表面に不飽和脂肪酸アミドがブルームするため、スタビライザーブッシュ自身に摺動性をもたせることができる(特許文献1参照)。
特開平5−255519号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものも、低温領域においては、不飽和脂肪酸アミドのブルームが不充分であるため、摺動性が悪くなり、結果として異音が生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、常温領域および低温領域におけるブルーム性が良好な低温摺動ゴム組成物の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の低温摺動ゴム組成物は、下記の(A)および(B)を必須成分とし、自動車部材に用いられる低温摺動ゴム組成物であって、上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分100重量部に対して、1〜25重量部の範囲内であるという構成をとる。
(A)天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)からなる群から選ばれた少なくとも一つのジエン系ゴム。
(B)カプリル酸ジグリセリド,カプリン酸モノグリセリド,カプリン酸ジグリセリド,ラウリン酸モノグリセリド,およびラウリン酸ジグリセリドからなる群から選ばれた少なくとも一つの摺動剤。
すなわち、本発明者らは、常温領域および低温領域におけるブルーム性が良好な低温摺動ゴム組成物を得るため、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、低温領域においても、ブルーム性が良好な摺動剤を探求するため実験を続けた結果、カプリル酸ジグリセリド,カプリン酸モノグリセリド,カプリン酸ジグリセリド,ラウリン酸モノグリセリド,およびラウリン酸ジグリセリドからなる群から選ばれた少なくとも一つの摺動剤を用いると、好結果が得られることを突き止めた。すなわち、ジエン系ゴムを主成分とするゴム組成物に、上記特定の摺動剤を併用してなるゴム組成物を用いると、常温領域はもちろん、低温領域においても、ブルーム性が良好となる。
このように、本発明の低温摺動ゴム組成物は、ジエン系ゴムと特定の摺動剤とを必須成分とするため、常温領域および低温領域においても、ブルーム性が良好となる。
なお、本発明において、低温領域とは、通常、−40〜0℃の温度領域をいい、また、常温領域とは、通常、0℃より高温で35℃以下の温度領域をいう。
そして、本発明の低温摺動ゴム組成物が、上記ジエン系ゴムおよび特定の摺動剤とともに、不飽和脂肪酸アミドを含有する場合には、低温領域における不飽和脂肪酸アミドのブルームが単独の場合に比べて良好となるため、低温摺動性が向上するという効果が得られる。
また、上記特定の摺動剤の配合量が、上記ジエン系ゴム100重量部に対して、1〜25重量部の範囲内であると、加工性を損なわずに低温摺動性がより良好になるという効果が得られる。
また、上記本発明の低温摺動ゴム組成物をスタビライザーブッシュに用いた場合には、スタビライザーブッシュ自身の摺動性が良くなるため、低温領域における異音対策に優れた効果が得られる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の低温摺動ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A成分)と、特定の摺動剤(B成分)とを用いて得ることができる。
ここで、本発明においては、上記特定の摺動剤(B成分)として、カプリル酸ジグリセリド,カプリン酸モノグリセリド,カプリン酸ジグリセリド,ラウリン酸モノグリセリド,およびラウリン酸ジグリセリドからなる群から選ばれた少なくとも一つを用いるのであって、これが最大の特徴である。
上記ジエン系ゴム(A成分)としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、耐摩耗性、機械特性の点で、NR、BRが好適に用いられる。
つぎに、上記ジエン系ゴム(A成分)とともに用いられる特定の摺動剤(B成分)としては、カプリル酸(C8 )ジグリセリド、カプリン酸(C10)モノグリセリド、カプリン酸(C10)ジグリセリド、ラウリン酸(C12)モノグリセリド、およびラウリン酸(C12)ジグリセリドからなる群から選ばれた少なくとも一つが用いられる。これらのなかでも、スコーチ性と常温領域における摺動性の点で、ラウリン酸(C12)モノグリセリドが好適に用いられる。なお、これらの摺動剤(B成分)は、通常、常温(約25℃)で固体あるいは液体を示す。
また、上記特定の摺動剤(B成分)の配合量は、ジエン系ゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、1〜25部の範囲内に設定されている。すなわち、上記特定の摺動剤(B成分)の配合量が1部未満であると、常温領域あるいは低温領域におけるブルーム性が劣る傾向がみられ、逆に特定の摺動剤(B成分)の配合量が25部を超えると、加工性が悪化する傾向がみられるからである。
なお、本発明の低温摺動ゴム組成物においては、上記ジエン系ゴム(A成分)および特定の摺動剤(B成分)とともに、不飽和脂肪酸アミド、カーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル、スコーチ防止剤等を必要に応じて適宜に配合することも可能である。
上記不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定はなく、例えば、デシレン酸(炭素数:10、二重結合:1個)アミド、ドデシレン酸(炭素数:12、二重結合:1個)アミド、パルミトレイン酸(炭素数:16、二重結合:1個)アミド、オレイン酸(炭素数:18、二重結合:1個)アミド、リシノレン酸(炭素数:18、二重結合:1個)アミド、ペトロセリン酸(炭素数:18、二重結合:1個)アミド、バクセン酸(炭素数:18、二重結合:1個)アミド、リノール酸(炭素数:18、二重結合:2個)アミド、リノレン酸(炭素数:18、二重結合:3個)アミド、アラキドン酸(炭素数:20、二重結合:4個)アミド、セトレイン酸(炭素数:22、二重結合:1個)アミド、エルカ酸(炭素数:22、二重結合:1個)アミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、常温領域あるいは低温領域におけるブルーム性が良好である点で、オレイン酸アミドが好適に用いられる。
また、上記不飽和脂肪酸アミドの配合量は、ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜25部の範囲内が好ましく、特に好ましくは5〜25部の範囲内である。
上記カーボンブラックとしては、特に限定はなく、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、コスト、耐久性等の点から、FEF級カーボンブラックが好適に用いられる。
また、上記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、100部以下が好ましく、特に好ましくは30〜80部の範囲内である。
上記加硫剤としては、例えば、硫黄等があげられる。
また、上記加硫剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.1〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。
つぎに、上記加硫促進剤としては、特に限定はなく、例えば、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、アルデヒドアンモニア系、アルデヒドアミン系、グアニジン系、チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋反応性に優れる点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特に架橋反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)が好適に用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MSA)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾジアリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。
また、上記加硫促進剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、0.3〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。すなわち、加硫促進剤が0.3部未満であると、架橋反応性が劣る傾向がみられ、逆に加硫促進剤が7部を超えると、ゴム物性(破断強度、破断伸び)が低下するおそれがあるからである。
上記加硫助剤としては、特に限定はなく、例えば、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記加硫助剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜20部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記老化防止剤の配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、1〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲内である。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記プロセスオイルの配合量は、上記ジエン系ゴム(A成分)100部に対して、50部以下が好ましく、特に好ましくは40部以下である。
本発明の低温摺動ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、上記ジエン系ゴム(A成分)と、特定の摺動剤(B成分)とを配合し、さらに必要に応じて不飽和脂肪酸アミド、カーボンブラック、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル等を適宜に配合し、これらをバンバリーミキサー等を用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、最高温度が100〜130℃(通常、120℃位)の範囲で、3〜5分間程度混練を行う。ついで、加硫促進剤と加硫剤とを配合し、オープンロールを用いて、所定条件(例えば、50℃×4分間)混練することにより、低温摺動ゴム組成物を作製する。ついで、得られた低温摺動ゴム組成物を、所定の条件でプレス加硫等することにより、目的とする低温摺動ゴムを得ることができる。
本発明の低温摺動ゴムは、スタビライザーブッシュの用途に好適に用いられるが、これに限定するものではなく、例えば、ストラットマウント、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットバークッション、センターベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、アームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等の用途に用いることもできる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム〕
NR(RSS♯3)
〔ブタジエンゴム〕
BR(宇部興産社製、ウベポールBR150)
〔加硫助剤〕
酸化亜鉛(三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種)
〔加硫助剤〕
ステアリン酸(花王社製、ルーナックS30)
〔老化防止剤A〕
N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(精工化学工業社製、オゾノン3C)
〔老化防止剤B〕
2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン(精工化学社製、ノンフレックスRD)
〔カプリル酸モノグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトNo.700P−2
〔カプリル酸ジグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトGDC−S
〔カプリン酸モノグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトNo.760
〔カプリン酸ジグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトQ−10D
〔ラウリン酸モノグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトNo.750
〔ラウリン酸ジグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトQ−12D
〔ラウリン酸ペンタグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトA121E
〔ラウリン酸デカグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトQ−12Y
〔ステアリン酸モノグリセリド〕
太陽化学社製、サンソフトNo.30
〔不飽和脂肪酸アミド〕
オレイン酸アミド(ライオンアクゾ社製、アーモススリップCP−P)
〔カーボンブラック〕
FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)
〔プロセスオイル〕
ナフテン系プロセスオイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNM−280)
〔加硫促進剤〕
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MSA)(大内新興化学工業社製、ノクセラーMSA)
〔加硫剤〕
硫黄
〔実施例1〜8、比較例1〜5〕
後記の表1および表2に示す、加硫促進剤と加硫剤以外の各成分を同表に示す配合量で配合し、これらをバンバリーミキサーを用いて、約50℃の温度から混練りを開始し、最高温度(約120℃)で、4分間程度混練を行った。ついで、加硫促進剤と加硫剤を同表に示す割合で配合し、オープンロールを用いて、約50℃で4分間混練することにより、ゴム組成物を調製した。
Figure 0004572695
Figure 0004572695
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3および表4に併せて示した。
〔加工性〕
ロールにて加硫促進剤と加硫剤とを混ぜる時にロールへの巻き付け性を肉眼観察することにより、加工性の評価を行った。評価は、ロールに巻き付き、加工性が良好であるものを○、ロールに巻き付かず、ボロボロと落下するものを×とした。
〔スコーチタイム〕
各ゴム組成物を用い、JIS 6300に準拠して、RT(25℃)でのスコーチタイム(測定温度:125℃)を測定した。
〔引っ張り物性〕
各ゴム組成物を、150℃×20分の条件でプレス成形し、JIS5号ダンベルで打ち抜き、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートを用い、JIS K 6251に準拠して、破断強度(TB)、破断伸び(EB)、および硬度(Hs:JIS A)を測定した。
〔摩擦係数〕
各ゴム組成物を、150℃で20分間加硫して、厚み2mmのゴムシートを作製した。このゴムシートを1週間以上放置した後、図1に示す試験機を用いて摩擦係数を測定した。すなわち、ゴムシート1を可動台2に接着し、この可動台2を面方向に毎秒3mmの速度で7mm移動させたとき、ロードセル(図示せず)に固定されて移動不可能な相手材3に加わる力(F)をロードセルで測定した。ここで相手材3としては、接触面が10mm×10mm、面粗度(Rmax)が5〜10μmのステンレス製のものを使用した。また、相手材3には100gの荷重4を載置した。摩擦係数μは、F=μMの式にて算出されるμ値である。なお、移動し始めて最初に得られる摩擦係数ピークを静摩擦係数(μs)、その後7mm移動する間に得られる摩擦係数の平均値を動摩擦係数(μk)とした。
〔低温ブルーム性〕
各ゴム組成物を、150℃で20分間加硫して、ゴム試験片(厚み2mm)を作製した。このゴム試験片の表面を有機溶剤(イソプロピルアルコール)で完全に拭き取り、低温雰囲気下(−20℃)に10日間放置した後、ゴム試験片を破断し、その破断面を目視にて観察し、自己膨潤剤成分の滲み出し(ブルーム)状態を評価した。評価は、自己膨潤剤成分が滲み出ているものを○、自己膨潤剤成分が滲み出ていないものを×とした。
Figure 0004572695
Figure 0004572695
上記結果から、全ての実施例品は、加工性に優れ、引っ張り物性が良好で、常温領域において摩擦係数も低く、低温領域でのブルーム性にも優れていた。
これに対して、比較例1品は、カプリル酸モノグリセリドを用いているため、加工性が悪く、スコーチタイムも短く、破断強度(TB)および破断伸び(EB)も劣っていた。比較例2品は、ステアリン酸モノグリセリドを用いているため、常温での摩擦係数が高かった。比較例3品は、オレイン酸アミドを単独で用いているため、低温ブルーム性が悪かった。比較例4,5品は、それぞれラウリン酸ペンタグリセリド、ラウリン酸デカグリセリドを用いているため、いずれも常温領域における摩擦係数が高かった。
本発明の低温摺動ゴムは、スタビライザーブッシュの用途に好適に用いられるが、これに限定するものではなく、例えば、ストラットマウント、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットバークッション、センターベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、アームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等の用途に用いることもできる。
摩擦係数の測定に用いる試験機の概略断面図である。

Claims (6)

  1. 下記の(A)および(B)を必須成分とし、自動車部材に用いられる低温摺動ゴム組成物であって、上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分100重量部に対して、1〜25重量部の範囲内であることを特徴とする低温摺動ゴム組成物。
    (A)天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)からなる群から選ばれた少なくとも一つのジエン系ゴム。
    (B)カプリル酸ジグリセリド,カプリン酸モノグリセリド,カプリン酸ジグリセリド,ラウリン酸モノグリセリド,およびラウリン酸ジグリセリドからなる群から選ばれた少なくとも一つの摺動剤。
  2. 不飽和脂肪酸アミドを含有する請求項1記載の低温摺動ゴム組成物。
  3. 上記不飽和脂肪酸アミドの配合量が、上記(A)成分100重量部に対して、1〜25重量部の範囲内である請求項2記載の低温摺動ゴム組成物。
  4. スタビライザーブッシュ、ストラットマウント、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットバークッション、センターベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、アームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロールストッパー、またはマフラーハンガーに用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の低温摺動ゴム組成物。
  5. 上記(A)および(B)成分に加えて、加硫剤を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の低温摺動ゴム組成物。
  6. 上記加硫剤の配合量が、上記(A)成分100重量部に対して、0.1〜7重量部の範囲内である請求項5記載の低温摺動ゴム組成物。
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