JP2014108963A - 防振ゴム - Google Patents

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豊久 遠山
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Abstract

【課題】優れた初期耐久性とともに長期にわたる耐熱性等の耐久性にも優れた防振ゴムの提供を目的とする。
【解決手段】天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物からなる防振ゴムであって、下記の物性(A)〜(B)を備える防振ゴムである。
(A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3
(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%であり、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた初期耐久性および耐熱特性を有する、例えば、自動車のエンジンマウント材料等のゴム材料に適した防振ゴムに関するものである。
一般に、自動車の発進時は低周波数で大振幅の振動が生じるため、防振ゴムには、振動を抑制する機能が要求される。また、自動車が高速回転になるに従って高周波数の微小振動が生じるため、防振ゴムには、エンジン等の振動を車体に伝達しない機能も要求される。このように、自動車等の車両用防振ゴムには、上記のような防振特性が要求されるとともに、耐久性が要求される。このような防振ゴムとして、例えば、天然ゴムおよびブタジエンゴムを併用してなる系に老化防止剤を配合して耐熱架橋系を導入することにより、耐熱性および動倍率の向上を図ることが提案されている(特許文献1参照)。一方で、天然ゴムに従来公知の老化防止剤を配合して耐熱架橋系を導入することにより、初期耐久性の向上を図ることが提案されている。
特開2002−194140号公報
しかしながら、上記特許文献1のようなゴム組成物を用いて得られる防振ゴムは、初期耐久性に関して充分な性能を発揮することが困難であるという問題があった。また、上記天然ゴムに従来公知の老化防止剤を配合して耐熱架橋系を導入してなるゴム組成物を用いた得られる防振ゴムは、天然ゴム自身の初期耐久性に関しては向上効果を奏するものであるが、上記耐熱架橋系を導入することにより、長期にわたる耐久性の向上そのものには限界が生じ、所望とする優れた耐久性を得ることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、優れた初期耐久性とともに長期にわたる耐熱性等の耐久性にも優れた防振ゴムの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の防振ゴムは、天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物からなる防振ゴムであって、下記の物性(A)〜(B)を備えるという構成をとる。
(A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3
(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%であり、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である。
本発明者は、優れた初期耐久性はもちろん、長期にわたる耐熱特性(経時的な耐久性)においても優れた効果を奏する防振ゴムを得るため、鋭意研究を重ねた。そして、ゴム成分として天然ゴムのみを用いることによる優れた初期耐久性の付与に加えて、防振ゴム自身の架橋密度および架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量およびモノスルフィド結合の含有量に着目して研究を続けた結果、(A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3であり、かつ(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%で、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である場合に、所期の目的を達成できることを突き止めた。すなわち、天然ゴムは一般的にブタジエンゴム(BR)やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)に比べて引張破断強度が劣るものであるが、架橋密度を上記範囲とすることにより、上記BRやSBRと同程度の良好な初期耐久性を確保するとともに、上記架橋形態(特定のポリスルフィド結合含有量および特定のモノスルフィド結合含有量)とすることにより、耐久性に対して不利な形態であるモノスルフィド結合への形態変化を制御して、物性の老化を抑制し所望の耐久性を向上させることが可能となることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明の防振ゴムは、天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物からなり、上記物性(A)〜(B)を備えるものである。このため、初期耐久性はもちろん、長期にわたる耐熱特性等のような経時的耐久性においても優れることとなる。
そして、天然ゴムとともに、分子量300未満のアミン系老化防止剤を用いると、架橋密度の制御が容易となり、初期耐久性が一層向上する。
また、上記分子量300未満のアミン系老化防止剤とともに分子量300以上のアミン系老化防止剤を用いると、初期耐久性に加えて経時的な耐久性が一層向上する。
さらに、分子量300未満のアミン系老化防止剤および分子量300以上のアミン系老化防止剤とともにベンズイミダゾール系老化防止剤を用いると、初期耐久性および経時的な耐久性がより一層向上する。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の防振ゴムは、天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物を用いて得ることができる。
本発明においては、天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物からなる防振ゴムが、下記の物性(A)〜(B)を備えることが最大の特徴である。
(A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3
(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%であり、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である。
まず、本発明に使用する防振ゴム組成物の配合成分について説明する。
《ゴム成分》
本発明において、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)のみが用いられる。
《架橋剤》
本発明の防振ゴム組成物では、通常、天然ゴムとともに架橋剤である硫黄が配合される。上記硫黄としては、粉末硫黄、各種処理がなされた粉末硫黄等があげられる。
上記架橋剤の含有量は、上記天然ゴム100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、特に好ましくは1.3〜3重量部である。架橋剤が少なすぎると、架橋密度が不足し、所望の架橋密度を得ることが困難となり、引張破断強度等の基本特性が得られ難くなる傾向がみられ、架橋剤が多すぎると、得られるゴム自身が硬くなりすぎ伸び等の特性が得られず、耐熱劣化性に悪影響を及ぼす傾向がみられる。
《加硫促進剤》
本発明の防振ゴム組成物には、上記架橋剤とともに架橋密度を所望範囲に制御する目的で加硫促進剤が用いられる。上記加硫促進剤としては、例えば、チウラム系,チアゾール系,スルフェンアミド系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記加硫促進剤の含有量は、上記天然ゴム100重量部に対して、0.5〜4重量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜2重量部である。加硫促進剤が少なすぎると、架橋密度が不足し、バネ特性が悪化したり、加硫反応性が悪くなる傾向がみられ、加硫促進剤が多すぎると、ゴムの貯蔵安定性が悪化する傾向がみられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加硫反応性に優れる点で、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)が好ましい。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
《老化防止剤》
そして、本発明に使用する防振ゴム組成物には、上記天然ゴムのみからなるゴム成分を主成分とし、これに老化防止剤を用いることが好ましい。上記老化防止剤を用いることにより、架橋密度を所望範囲に制御することが容易となり好ましいものである。
上記老化防止剤としては、分子量300未満のアミン系老化防止剤を用いることが好ましく、より好ましくは分子量150〜270のアミン系老化防止剤を用いることである。
上記分子量300未満のアミン系老化防止剤としては、例えば、分子量172の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体等があげられる。具体的には、アンチゲンRD−G(住友化学社製)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記分子量300未満のアミン系老化防止剤の配合量としては、上記天然ゴム100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜3重量部の範囲である。
そして、本発明においては、上記分子量300未満のアミン系老化防止剤とともに分子量300以上のアミン系老化防止剤を併用することがより好ましく、より好ましくは分子量300〜700のアミン系老化防止剤を併用することである。このように、分子量の異なる上記2種類のアミン系老化防止剤を併用することにより、低温〜高温領域の広範囲における耐熱老化防止効果(耐熱特性)を効果的に発現させることが可能となる。
上記分子量300以上のアミン系老化防止剤としては、例えば、分子量405.59の4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等があげられる。具体的には、ノクラックCD(大内新興化学業社製)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記分子量300以上のアミン系老化防止剤の配合量としては、上記天然ゴム100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜3重量部の範囲である。
そして、上記分子量300未満のアミン系老化防止剤(c1)および分子量300以上のアミン系老化防止剤(c2)を併用する場合、その併用割合(c1/c2)は、重量比で、c1/c2=1/50〜2/1に設定することが好ましく、より好ましくはc1/c2=1/6〜1/2である。
さらに、本発明においては、上記アミン系老化防止剤に加えて、ベンズイミダゾール系老化防止剤を配合することが好ましい。上記ベンズイミダゾール系老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩(分子量364)等があげられる。具体的には、ノクラックMBZ(大内新興化学業社製)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ベンズイミダゾール系老化防止剤の配合量としては、上記天然ゴム100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜3重量部の範囲である。
本発明に使用する防振ゴム組成物には、上記各配合成分に加えて、カーボンブラック、プロセスオイル、加工助剤、加硫助剤、白色充填剤、反応性モノマー、発泡剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
《カーボンブラック》
上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記カーボンブラックの含有量は、練り加工性の点から、上記ジエン系ゴム(A成分)100重量部に対して1〜80重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは25〜60重量部の範囲である。
《プロセスオイル》
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記プロセスオイルの含有量は、上記天然ゴム100重量部に対して、1〜50重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜30重量部の範囲である。
《加工助剤》
上記加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸エステル系、等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記加工助剤の含有量は、上記天然ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜5重量部の範囲である。
《加硫助剤》
上記加硫助剤としては、例えば、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記加硫助剤の含有量は、上記天然ゴム100重量部に対して、1〜25重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜10重量部の範囲である。
〈防振ゴム〉
本発明に使用する防振ゴム組成物は、例えば、上記各配合成分を用いて、これらをニーダー,バンバリーミキサー,オープンロール,2軸スクリュー式攪拌機等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。その後、得られた防振ゴム組成物を、高温(150〜170℃、好ましくは150℃)で所定時間(5〜30分間、好ましくは15〜30分間)、加熱加硫することにより防振ゴムを作製することができる。
このようにして得られる本発明の防振ゴムは、先に述べたように、下記の物性(A)〜(B)を備えることが最大の特徴である。
(A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3
(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である。
上記物性(A)〜(B)において、より好ましくは、下記のとおりである。
(A)架橋密度が1.5×10-4〜2.2×10-4mol/cm3
(B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%、モノスルフィド結合の含有量が15〜26%以下である。
上記物性(A)において、架橋密度が低過ぎると、耐熱性を保持することはできるが、バネ特性が低下し、初期へたりの悪化を招くこととなる。また、架橋密度が高過ぎると、初期耐久性が低下する。
上記物性(B)において、ポリスルフィド結合の含有量が少な過ぎると、耐久性が低下し、多過ぎると、圧縮永久歪み等耐熱性が低下する。また、モノスルフィド結合の含有量が多過ぎると、経時的な耐久性の向上を奏することができなくなる。
本発明において、上記物性(A)である防振ゴム(加硫ゴム)中の架橋密度は、化学試薬処理法("DETERMINATION OF CROSSLINK DENSITY AND VULCANIZATE STRUCTURE"MONSANTO.RUBBER CHEMICALS.JULY 1983)および膨潤圧縮法(「膨潤圧縮法による架橋構造解析〔第1報〕試験法開発」(株)ブリヂストン、日本ゴム協会誌、60巻第5号 1987)によって測定することができる。
また、上記物性(B)のポリスルフィド結合およびモノスルフィド結合の各含有量は、例えば、つぎのようにして測定される。すなわち、ポリスルフィド結合の含有量は、全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比率(Rp)で表わされ、全体の架橋密度をνT、ポリスルフィド結合の架橋密度をνPとした場合、下記の式(1)によって求められる。また、モノスルフィド結合の含有量も上記ポリスルフィド結合の場合と同様、全架橋密度に対するモノスルフィド結合の架橋密度の比率(Rm)で表わされ、モノスルフィド結合の架橋密度をνMとした場合、下記の式(2)によって求められる。
Rp(%)=(νP)/νT)×100 ・・・(1)
Rm(%)=(νM)/νT)×100 ・・・(2)
上記全体の架橋密度(νT)、ポリスルフィド結合の架橋密度(νP)、モノスルフィド結合の架橋密度(νM)は、つぎのような方法にて求められる。すなわち、防振ゴム組成物を調製した後、これを加硫して防振ゴムを作製し、この防振ゴムを用いて大きさ:2×2×2mmの立方体試料を作製する。ついで、全体の架橋密度(νT)は試薬を含まないベンゼン中に浸漬して膨潤させた後に膨潤度を測定し、またポリスルフィド結合の架橋密度(νP)およびモノスルフィド結合の架橋密度(νM)は、それぞれリチウムアルミニウムハイデライド(LiAlH4 )を含むベンゼン中に浸漬して膨潤させた後に膨潤度を測定し、それぞれの膨潤度を公知の架橋密度を求める下記のフローリー−レーナー(Flory-Rehner)の式に代入することにより、νT,νPおよびνM(式中のν)が算出される。
Figure 2014108963
上記数式中の記号は、以下の通りである。
f:圧縮応力
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
ν:架橋密度
0 :試料の体積
φ:充填剤の体積分率
0 ':純ゴムポリマーの体積(V0 (1−φ))
0 :膨潤前の試料断面積
0 :膨潤前試料の高さ
S0:膨潤後試料の圧縮前高さ
S :膨潤後試料の圧縮中高さ
α:試料の圧縮率(LS /LS0
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム(A成分)〕
〔ブタジエンゴム(A成分)〕
宇部興産社製、ウベポール150
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルーナックS30
〔劣化防止剤1〕
住友化学社製、アンチゲン3C
〔劣化防止剤2〕
住友化学社製、アンチゲン6C
〔老化防止剤1〕
住友化学社製、アンチゲンRD−G(分子量172)
〔老化防止剤2〕
大内新興化学業社製、ノクラックCD(分子量405.59)
〔老化防止剤3〕
大内新興化学工業社製、ノクラックMBZ(ベンズイミダゾール系老化防止剤:分子量364)
〔ワックス〕
大内新興化学業社製、サンノック
〔カーボンブラック〕
旭カーボン社製、旭#15
〔可塑剤(プロセスオイル)〕
出光興産社製、ダイアナプロセスNM−280
〔加硫促進剤1:スルフェンアミド系加硫促進剤〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(住友化学社製、ソクシノールCZ)
〔加硫促進剤2:チウラム系加硫促進剤〕
テトラエチルチウラムジスルフィド(住友化学社製、ソクシノールTET)
〔架橋剤:硫黄〕
鶴見化学工業社製、イオウPTC
〔実施例1〜15、比較例1〜9〕
下記の表1〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、オープンロールを用いて、60℃で5分間混練することにより、ゴム組成物を調製した。そして、得られたゴム組成物を150℃で20分間加熱加硫することにより防振ゴムを作製した。
Figure 2014108963
Figure 2014108963
Figure 2014108963
このようにして得られた実施例品および比較例品を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記表1〜表3に併せて示した。
〔架橋密度〕
前述の測定方法に従って測定した。すなわち、化学試薬処理法("DETERMINATION OF CROSSLINK DENSITY AND VULCANIZATE STRUCTURE"MONSANTO.RUBBER CHEMICALS.JULY 1983)および膨潤圧縮法(「膨潤圧縮法による架橋構造解析〔第1報〕試験法開発」(株)ブリヂストン、日本ゴム協会誌、60巻第5号 1987)によって測定した。
〔モノスルフィド結合・ジスルフィド結合・ポリスルフィド結合の各含有量〕
前述の方法に従って測定した。なお、ジスルフィド結合の含有量は、全体(100)からモノスルフィド結合含有量およびポリスルフィド結合含有量を減じた値である。
〔耐久性〕
160℃で20分間架橋してなる試験片をダンベル型(JIS K6251)に成形した後、室温(25℃)にて、標線間0〜120%伸長を繰り返し、破断した回数を測定した。
〔圧縮永久歪み〕
各ゴム組成物を、160℃×30分の条件でプレス成形(加硫)し、テストピースを作製した。つぎに、JIS K6262に従い、上記テストピースを25%圧縮させたまま、所定条件(100℃×70時間、100℃×500時間、100℃×1000時間)経過後の圧縮永久歪みを測定した。
〔EB〕
各ゴム組成物を、160℃×20分の条件でプレス成形、加硫して、厚み2mmのゴムシートを作製した。このゴムシートからJIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K6251に準拠して、所定条件(100℃×70時間、100℃×500時間、100℃×1000時間)経過後の破断伸び(EB)を測定した。
上記結果から、すべての実施例品は、架橋密度が前記所定範囲(1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3)であり、かつポリスルフィド結合の含有量およびモノスルフィド結合の含有量が前記所定範囲内であった。そして、これら実施例品は、耐久性に優れるとともに、所定条件における圧縮永久歪み特性および破断伸びにおいても良好な結果が得られた。
これに対して、天然ゴムおよびブタジエンゴムを併用し、かつモノスルフィド結合含有量が所定範囲を外れ上回る値である比較例1〜3品、天然ゴムおよびブタジエンゴムを併用してなる比較例4品、天然ゴムおよびブタジエンゴムを併用し、かつポリスルフィド結合含有量が所定範囲を外れ多い比較例5,6品、さらに架橋密度は前記所定範囲内であり、またモノスルフィド結合の含有量も前記所定範囲内であるが、ポリスルフィド結合含有量が所定範囲を外れ多い比較例7〜9品は、いずれも実施例品に比べて耐久性に劣る結果となった。
本発明の防振ゴムの用途は、エンジンマウント,スタビライザブッシュ,サスペンションブッシュ等の車両用防振ゴムに好ましく用いられる。

Claims (4)

  1. 天然ゴムのみをゴム成分とする防振ゴム組成物からなる防振ゴムであって、下記の物性(A)〜(B)を備えることを特徴とする防振ゴム。
    (A)架橋密度が1.0×10-4〜3.0×10-4mol/cm3
    (B)防振ゴムの架橋鎖中の全架橋密度に対するポリスルフィド結合の含有量が35〜48%であり、モノスルフィド結合の含有量が33%以下である。
  2. 分子量300未満のアミン系老化防止剤を含有する請求項1記載の防振ゴム。
  3. 分子量300未満のアミン系老化防止剤とともに分子量300以上のアミン系老化防止剤を含有する請求項1記載の防振ゴム。
  4. 分子量300未満のアミン系老化防止剤および分子量300以上のアミン系老化防止剤とともにベンズイミダゾール系老化防止剤を含有する請求項1記載の防振ゴム。
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