JP2004292678A - 防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴム - Google Patents
防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低温雰囲気下であってもゴムの摩擦係数を大幅に低減でき、しかも生産性に優れた防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴムを提供する。
【解決手段】ジエン系母材ゴム成分中に、下記の(A)〜(F)成分が含有されている防振ゴム組成物とする。そして、上記防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴムとする。
(A)不飽和脂肪酸アミド。
(B)ポリエチレングリコール型界面活性剤。
(C)ハイスチレンゴム。
(D)カーボンブラック。
(E)加硫剤。
(F)耐熱性加硫促進剤。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系母材ゴム成分中に、下記の(A)〜(F)成分が含有されている防振ゴム組成物とする。そして、上記防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴムとする。
(A)不飽和脂肪酸アミド。
(B)ポリエチレングリコール型界面活性剤。
(C)ハイスチレンゴム。
(D)カーボンブラック。
(E)加硫剤。
(F)耐熱性加硫促進剤。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物、特に自動車等の車両に用いられるスタビライザブッシュやリヤサスペンションブッシュ等の防振用部材に使用できる防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用防振部材、例えばスタビライザブッシュやリヤサスペンションブッシュ等の嵌め込み式ブッシュでは、発進時や急ブレーキ時、さらには、左右旋回時等に、取付け金具とゴムブッシュ表面(摺動面)との間で起こるスティックスリップ現象により、異音を発生することがある。この異音を抑制するため、ゴムブッシュ側の摺動面には、通常、テフロン(R)ライナーによる被覆や、防振ゴム組成物中に予め添加しておいた自己潤滑剤の滲出(ブルーム)により、低摩擦化が図られる。しかし、テフロン(R)ライナーの場合、いったん剥離が生じると、直ちに異音につながるといった問題があり、しかも材料コストが高いといった難点もある。そのため、現状では、防振ゴム組成物中に自己潤滑剤を添加し、これが徐々にゴム表面(摺動面)にブルームすることにより、上記スティックスリップ現象の抑制を行わせるようにするのが主流である。そして、上記自己潤滑剤としては、不飽和脂肪酸アミドが好適に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−234866号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように不飽和脂肪酸アミドを自己潤滑剤として用いた場合、上記のように摺動性に優れるといった利点を有するものの、寒冷地等の低温雰囲気下では、自己潤滑剤がゴム表面にブルームしにくい。そのことから、寒冷地で上記組成物からなる防振ゴムを使用する際、充分な摩擦抵抗の低減効果が得られず、場合により異音が発生するといった難点がある。ところで、摩擦係数の低減効果に優れる自己潤滑剤としては、例えば、液状シリコーンオイルも知られているが、液状シリコーンオイルは、ゴム成分との相溶性が悪く、ゴムコンパウンドとの混練加工性が著しく劣り、量産化が困難であるといった難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低温雰囲気下であってもゴムの摩擦係数を大幅に低減でき、しかも生産性に優れた防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴムの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、ジエン系母材ゴム成分中に、下記の(A)〜(F)成分が含有されている防振ゴム組成物を第1の要旨とし、上記防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴムを第2の要旨とする。
(A)不飽和脂肪酸アミド。
(B)ポリエチレングリコール型界面活性剤。
(C)ハイスチレンゴム。
(D)カーボンブラック。
(E)加硫剤。
(F)耐熱性加硫促進剤。
【0007】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ジエン系母材ゴムを主成分とするゴム組成物中において、低温雰囲気下であってもブルーム性に優れるポリエチレングリコール型界面活性剤を自己潤滑剤として配合することを想起したが、ポリエチレングリコール型界面活性剤単独では、摺動性の向上効果があまり期待できないとの知見を得た。そこで、これを改善すべく、ポリエチレングリコール型界面活性剤と不飽和脂肪酸アミドとを併用することを想起した。しかしながら、特に、耐熱性仕様の防振ゴム組成物において、上記併用を行うと、スコーチタイムが短くなってゴム焼けが生じやすくなることから、この改善を要することとなり、本発明者らは、ゴム焼けの防止を図るべく、さらに鋭意研究を重ねた。その結果、上記防振ゴム組成物に、ハイスチレンゴムを配合すると、上記ゴム焼けを生じず所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系母材ゴム成分中に、不飽和脂肪酸アミド(A)と、ポリエチレングリコール(PEG)型界面活性剤(B)と、ハイスチレンゴム(C)と、カーボンブラック(D)と、加硫剤(E)と、耐熱性加硫促進剤(F)とを含有させるものである。ここで「母材ゴム成分」とは、組成物の特性そのものを示すか、もしくはその特性に大きな影響を与えるもののことであり、通常は、全体の50重量%以上を占めるもののことを意味する。そして、上記ジエン系母材ゴムには、(C)成分のハイスチレンゴムは含まれない。
【0010】
上記ジエン系母材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なお、上記SBRのスチレン含有量は、通常、50重量%未満である。
【0011】
上記ジエン系母材ゴム成分に含有される、自己潤滑剤成分としての不飽和脂肪酸アミド〔(A)成分〕としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド等があげられ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0012】
上記(A)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100重量部(以下、「部」と略す)に対し、3〜30部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜25部の範囲である。
【0013】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)成分とともに含有される、自己潤滑剤成分としてのPEG型界面活性剤〔(B)成分〕としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンロジンエステル等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0014】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等があげられる。また、上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルがあげられる。さらに、上記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ポリエチレングリコールモノステアレート、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコールがあげられる。そして、上記ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとしては、具体的には、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドがあげられる。
【0015】
上記(B)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、3〜30部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜20部の範囲である。
【0016】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)および(B)成分とともに含有されるハイスチレンゴム〔(C)成分〕は、通常、スチレン85〜87重量%,ブタジエン13〜15重量%からなるハイスチレンレジンラテックスと、SBRラテックスとを、所定の割合で均一に混合し、共凝析することにより得られるものであって、そのスチレン含有量が、通常、50〜70重量%のものである。そして、本発明に用いられるハイスチレンゴム〔(C)成分〕としては、例えば、市販品のものであれば、JSR社製のJSR0061、JSR社製のJSR0051、日本ゼオン社製のニポール2057SS等が好適に用いられるが、上記の規定に基づいて得られるものであれば特にこれに限定されるものではない。また、このようなハイスチレンゴムは、単独で用いてもよいし、二種以上併せて用いてもよい。
【0017】
上記(C)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、3〜20部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜15部の範囲である。すなわち、上記ハイスチレンゴムの含有割合が3部未満であると、所望するスコーチタイムの遅延効果が得られにくくなり、防振ゴム組成物においてゴム焼けが生じやすくなり、逆に、上記含有割合が20部を超えると、耐へたり性が悪くなることから、所望の防振性能が得られにくくなるからである。
【0018】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)〜(C)成分とともに含有されるカーボンブラック〔(D)成分〕としては、特に限定するものではないが、例えば、FEF、SRF、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0019】
上記(D)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、20〜100部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは30〜80部の範囲である。
【0020】
上記(A)〜(D)成分とともに用いられる加硫剤〔(E)成分〕としては、特に限定するものではないが、例えば、硫黄等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0021】
上記(E)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、0.1〜7部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは0.5〜5部の範囲である。
【0022】
上記(A)〜(E)成分とともに用いられる耐熱性加硫促進剤〔(F)成分〕としては、例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。このようなチウラム系加硫促進剤は、耐熱性に優れる点で好ましい。
【0023】
上記(F)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、0.1〜5部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは0.3〜3部の範囲である。
【0024】
上記耐熱性加硫促進剤以外にも、場合によって、耐熱性を有しない加硫促進剤が適宜併用される。このような加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物があげられる。
【0025】
上記(A)〜(F)成分に加え、さらに、pH7未満のシリカ〔(G)成分〕をジエン系母材ゴム成分中に含有すると、ハイスチレンゴム〔(C)成分〕との併用により、スコーチタイムの遅延効果が一層得られるようになり、より加工性に優れるようになるため、好ましい。なお、pH7以上のシリカでは、加硫遅延効果が得られない。
【0026】
なお、本発明の防振ゴム組成物には、上記各成分に加え、加工助剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤等を、必要に応じて配合してもよい。
【0027】
本発明の防振ゴムは、上記各成分をロール等によって混練することにより得られるゴム組成物を用いて、金型成形やプレス成形等の従来公知の方法により加硫成形し、所望形状にすることにより得られる。
【0028】
そして、本発明の防振ゴムは、その用途は特に限定されるものではないが、自動車等の車両の防振用ゴム部材に好適に用いることができる。例えば、ストラットマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットバークッション、センタベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、アームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等に、好適に用いることができる。
【0029】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0030】
【実施例1〜5、比較例1〜5】
下記に示す各材料を準備し、後記の表1および表2に示す割合で配合した後、これらをロールを用いて混練することにより、ゴム組成物を調製した。そして、上記ゴム組成物のスコーチタイムを、表1および表2に併せて示した。
【0031】
〔ジエン系母材ゴム〕
NR:天然ゴム
BR:ブタジエンゴム
【0032】
〔オレイン酸アミド(A成分)〕
アーモスリップCP−P、ライオン・アクゾ社製
【0033】
〔PEG型界面活性剤(B成分)〕
ポリエチレングリコールモノステアレート(ペグノール14S、東邦化学社製)
【0034】
〔ハイスチレンゴム(C成分)〕
JSR0061、JSR社製
【0035】
〔FEFカーボン(D成分)〕
シーストSO、東海カーボン社製
【0036】
〔プロセスオイル〕
ダイアナプロセスNM300、出光興産社製
【0037】
〔シリカ(G成分)〕
ニプシールVN3(pH:5.5〜6.5)、日本シリカ社製
【0038】
〔加硫系〕
加硫促進剤であるN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)と、耐熱性加硫促進剤(F成分)であるテトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)と、加硫剤(E成分)である硫黄(S)とにより、加硫系を構成した。そして、その配合割合の違いにより、「耐熱」と「汎用」とに区別した。これらの配合割合(重量部数)は、次の通りである。
汎用:OBS/S=1/4
耐熱:OBS/TBTD/S=2/0.7/0.7
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、150℃×20分間でプレス加硫し、100mm×100mm×厚み2mmの防振ゴム試験片を作製した。そして、このゴム試験片を用いて、下記の方法に従って、各特性を測定・評価した。その結果を、下記の表3および表4に示した。
【0042】
〔ロール加工性〕
ゴムのロールへの巻き付き性を肉眼観察することにより評価した。すなわち、ロール加工性が良好であったものを○、ややロール加工性不良がみられたものを△として評価した。
【0043】
〔常態物性〕
常態物性(TB,EB,Hs)については、JIS K 6251に準じて測定した。
TB:破断点強度(MPa)
EB:破断点伸び(%)
Hs:硬度
【0044】
〔耐熱特性〕
100℃の高温雰囲気下にて70時間熱老化試験を行った後、上記と同様にしてEBを測定し、その物性低下率(ΔEB)を算出した。他方、80℃の高温雰囲気下にて70時間熱老化試験(JIS K 6257)を行った後の圧縮永久歪み(CS)を、JIS K 6262に準じて測定した。
【0045】
〔ブルーム量〕
ゴム試験片の表面を有機溶剤(イソプロピルアルコール)で完全に拭き取り、低温雰囲気下(0℃)に10日間放置した後、ゴム試験片を破断し、その破断面を目視により観察し、自己潤滑剤成分の滲出(ブルーム)状態を評価した。すなわち、自己潤滑剤成分が充分ブルームしていたものを◎、少しブルームしていたものを○、ほとんどブルームしていなかったものを△として評価した。
【0046】
〔触感〕
上記ブルーム量同様、ゴム試験片の表面を有機溶剤(イソプロピルアルコール)で完全に拭き取り、低温雰囲気下(0℃)に10日間放置した後、親指と人指し指の間にゴム試験片を挟んで触感(滑り感)を確認した。すなわち、大いに滑り感がある場合を◎、滑り感がある場合を○、少し滑り感がある場合を△とした。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
上記結果から、実施例のゴム組成物は、充分なスコーチタイムが得られていることから、ゴム焼けを生じず、加工性に優れていることがわかる。そして、上記ゴム組成物からなる防振ゴムは、常態物性および耐熱特性に優れるとともに、低温雰囲気下に放置した場合であっても、充分なブルーム量が得られ、自己潤滑性に優れることがわかる。そのため、スタビライザブッシュ等の自動車用防振部材に用いる際に、低温雰囲気下において従来発生していた異音を、無くすことができる。
【0050】
これに対して、オレイン酸アミドとともにPEG型界面活性剤を含有していない比較例1では、低温雰囲気下におけるブルーム量および触感の評価に劣ることがわかる。また、オレイン酸アミドとPEG型界面活性剤とを含有していても、加硫系が耐熱でない比較例2〜4では、耐熱性等に劣っている。さらに、加硫系を耐熱とし、耐熱性仕様とした比較例5では、スコーチタイムが短くなりゴム焼けが生じることから、本発明において要求される諸性能を満たし得ない。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系母材ゴムを主成分とするゴム組成物中に、不飽和脂肪酸アミドとPEG型界面活性剤とを併含させ、かつハイスチレンゴムを含有させている。そのため、スコーチタイムを長くすることができ、耐熱性仕様の防振ゴム組成物においてゴム焼けを解消することができる。そして、この組成物からなる防振ゴムは、防振特性に優れているとともに、低温雰囲気下にあっても、自己潤滑剤成分がスムーズにゴム表面にブルームし、摩擦係数の低減効果が充分に発揮されることから、それを用いた自動車等の車両用の防振部材は、低温雰囲気下であっても、異音が生じなくなる。
【0052】
特に、上記防振ゴム組成物に、チウラム系加硫促進剤を含有すると、より耐熱性に優れた防振ゴムが得られるようになる。
【0053】
また、上記防振ゴム組成物中に、さらにpH7未満のシリカを含有すると、スコーチタイムの遅延効果が一層得られ、より加工性に優れるようになる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物、特に自動車等の車両に用いられるスタビライザブッシュやリヤサスペンションブッシュ等の防振用部材に使用できる防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用防振部材、例えばスタビライザブッシュやリヤサスペンションブッシュ等の嵌め込み式ブッシュでは、発進時や急ブレーキ時、さらには、左右旋回時等に、取付け金具とゴムブッシュ表面(摺動面)との間で起こるスティックスリップ現象により、異音を発生することがある。この異音を抑制するため、ゴムブッシュ側の摺動面には、通常、テフロン(R)ライナーによる被覆や、防振ゴム組成物中に予め添加しておいた自己潤滑剤の滲出(ブルーム)により、低摩擦化が図られる。しかし、テフロン(R)ライナーの場合、いったん剥離が生じると、直ちに異音につながるといった問題があり、しかも材料コストが高いといった難点もある。そのため、現状では、防振ゴム組成物中に自己潤滑剤を添加し、これが徐々にゴム表面(摺動面)にブルームすることにより、上記スティックスリップ現象の抑制を行わせるようにするのが主流である。そして、上記自己潤滑剤としては、不飽和脂肪酸アミドが好適に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−234866号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように不飽和脂肪酸アミドを自己潤滑剤として用いた場合、上記のように摺動性に優れるといった利点を有するものの、寒冷地等の低温雰囲気下では、自己潤滑剤がゴム表面にブルームしにくい。そのことから、寒冷地で上記組成物からなる防振ゴムを使用する際、充分な摩擦抵抗の低減効果が得られず、場合により異音が発生するといった難点がある。ところで、摩擦係数の低減効果に優れる自己潤滑剤としては、例えば、液状シリコーンオイルも知られているが、液状シリコーンオイルは、ゴム成分との相溶性が悪く、ゴムコンパウンドとの混練加工性が著しく劣り、量産化が困難であるといった難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低温雰囲気下であってもゴムの摩擦係数を大幅に低減でき、しかも生産性に優れた防振ゴム組成物およびそれにより得られた防振ゴムの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、ジエン系母材ゴム成分中に、下記の(A)〜(F)成分が含有されている防振ゴム組成物を第1の要旨とし、上記防振ゴム組成物を用いてなる防振ゴムを第2の要旨とする。
(A)不飽和脂肪酸アミド。
(B)ポリエチレングリコール型界面活性剤。
(C)ハイスチレンゴム。
(D)カーボンブラック。
(E)加硫剤。
(F)耐熱性加硫促進剤。
【0007】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ジエン系母材ゴムを主成分とするゴム組成物中において、低温雰囲気下であってもブルーム性に優れるポリエチレングリコール型界面活性剤を自己潤滑剤として配合することを想起したが、ポリエチレングリコール型界面活性剤単独では、摺動性の向上効果があまり期待できないとの知見を得た。そこで、これを改善すべく、ポリエチレングリコール型界面活性剤と不飽和脂肪酸アミドとを併用することを想起した。しかしながら、特に、耐熱性仕様の防振ゴム組成物において、上記併用を行うと、スコーチタイムが短くなってゴム焼けが生じやすくなることから、この改善を要することとなり、本発明者らは、ゴム焼けの防止を図るべく、さらに鋭意研究を重ねた。その結果、上記防振ゴム組成物に、ハイスチレンゴムを配合すると、上記ゴム焼けを生じず所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系母材ゴム成分中に、不飽和脂肪酸アミド(A)と、ポリエチレングリコール(PEG)型界面活性剤(B)と、ハイスチレンゴム(C)と、カーボンブラック(D)と、加硫剤(E)と、耐熱性加硫促進剤(F)とを含有させるものである。ここで「母材ゴム成分」とは、組成物の特性そのものを示すか、もしくはその特性に大きな影響を与えるもののことであり、通常は、全体の50重量%以上を占めるもののことを意味する。そして、上記ジエン系母材ゴムには、(C)成分のハイスチレンゴムは含まれない。
【0010】
上記ジエン系母材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なお、上記SBRのスチレン含有量は、通常、50重量%未満である。
【0011】
上記ジエン系母材ゴム成分に含有される、自己潤滑剤成分としての不飽和脂肪酸アミド〔(A)成分〕としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド等があげられ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0012】
上記(A)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100重量部(以下、「部」と略す)に対し、3〜30部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜25部の範囲である。
【0013】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)成分とともに含有される、自己潤滑剤成分としてのPEG型界面活性剤〔(B)成分〕としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンロジンエステル等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0014】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等があげられる。また、上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルがあげられる。さらに、上記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ポリエチレングリコールモノステアレート、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコールがあげられる。そして、上記ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとしては、具体的には、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドがあげられる。
【0015】
上記(B)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、3〜30部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜20部の範囲である。
【0016】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)および(B)成分とともに含有されるハイスチレンゴム〔(C)成分〕は、通常、スチレン85〜87重量%,ブタジエン13〜15重量%からなるハイスチレンレジンラテックスと、SBRラテックスとを、所定の割合で均一に混合し、共凝析することにより得られるものであって、そのスチレン含有量が、通常、50〜70重量%のものである。そして、本発明に用いられるハイスチレンゴム〔(C)成分〕としては、例えば、市販品のものであれば、JSR社製のJSR0061、JSR社製のJSR0051、日本ゼオン社製のニポール2057SS等が好適に用いられるが、上記の規定に基づいて得られるものであれば特にこれに限定されるものではない。また、このようなハイスチレンゴムは、単独で用いてもよいし、二種以上併せて用いてもよい。
【0017】
上記(C)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、3〜20部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは5〜15部の範囲である。すなわち、上記ハイスチレンゴムの含有割合が3部未満であると、所望するスコーチタイムの遅延効果が得られにくくなり、防振ゴム組成物においてゴム焼けが生じやすくなり、逆に、上記含有割合が20部を超えると、耐へたり性が悪くなることから、所望の防振性能が得られにくくなるからである。
【0018】
上記ジエン系母材ゴム成分中に、上記(A)〜(C)成分とともに含有されるカーボンブラック〔(D)成分〕としては、特に限定するものではないが、例えば、FEF、SRF、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0019】
上記(D)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、20〜100部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは30〜80部の範囲である。
【0020】
上記(A)〜(D)成分とともに用いられる加硫剤〔(E)成分〕としては、特に限定するものではないが、例えば、硫黄等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0021】
上記(E)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、0.1〜7部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは0.5〜5部の範囲である。
【0022】
上記(A)〜(E)成分とともに用いられる耐熱性加硫促進剤〔(F)成分〕としては、例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。このようなチウラム系加硫促進剤は、耐熱性に優れる点で好ましい。
【0023】
上記(F)成分の含有割合は、ジエン系母材ゴム100部に対し、0.1〜5部の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは0.3〜3部の範囲である。
【0024】
上記耐熱性加硫促進剤以外にも、場合によって、耐熱性を有しない加硫促進剤が適宜併用される。このような加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物があげられる。
【0025】
上記(A)〜(F)成分に加え、さらに、pH7未満のシリカ〔(G)成分〕をジエン系母材ゴム成分中に含有すると、ハイスチレンゴム〔(C)成分〕との併用により、スコーチタイムの遅延効果が一層得られるようになり、より加工性に優れるようになるため、好ましい。なお、pH7以上のシリカでは、加硫遅延効果が得られない。
【0026】
なお、本発明の防振ゴム組成物には、上記各成分に加え、加工助剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤等を、必要に応じて配合してもよい。
【0027】
本発明の防振ゴムは、上記各成分をロール等によって混練することにより得られるゴム組成物を用いて、金型成形やプレス成形等の従来公知の方法により加硫成形し、所望形状にすることにより得られる。
【0028】
そして、本発明の防振ゴムは、その用途は特に限定されるものではないが、自動車等の車両の防振用ゴム部材に好適に用いることができる。例えば、ストラットマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ、エンジンマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットバークッション、センタベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ロアーリングブッシュ、アームブッシュ、バンプストラッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等に、好適に用いることができる。
【0029】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0030】
【実施例1〜5、比較例1〜5】
下記に示す各材料を準備し、後記の表1および表2に示す割合で配合した後、これらをロールを用いて混練することにより、ゴム組成物を調製した。そして、上記ゴム組成物のスコーチタイムを、表1および表2に併せて示した。
【0031】
〔ジエン系母材ゴム〕
NR:天然ゴム
BR:ブタジエンゴム
【0032】
〔オレイン酸アミド(A成分)〕
アーモスリップCP−P、ライオン・アクゾ社製
【0033】
〔PEG型界面活性剤(B成分)〕
ポリエチレングリコールモノステアレート(ペグノール14S、東邦化学社製)
【0034】
〔ハイスチレンゴム(C成分)〕
JSR0061、JSR社製
【0035】
〔FEFカーボン(D成分)〕
シーストSO、東海カーボン社製
【0036】
〔プロセスオイル〕
ダイアナプロセスNM300、出光興産社製
【0037】
〔シリカ(G成分)〕
ニプシールVN3(pH:5.5〜6.5)、日本シリカ社製
【0038】
〔加硫系〕
加硫促進剤であるN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)と、耐熱性加硫促進剤(F成分)であるテトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)と、加硫剤(E成分)である硫黄(S)とにより、加硫系を構成した。そして、その配合割合の違いにより、「耐熱」と「汎用」とに区別した。これらの配合割合(重量部数)は、次の通りである。
汎用:OBS/S=1/4
耐熱:OBS/TBTD/S=2/0.7/0.7
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用いて、150℃×20分間でプレス加硫し、100mm×100mm×厚み2mmの防振ゴム試験片を作製した。そして、このゴム試験片を用いて、下記の方法に従って、各特性を測定・評価した。その結果を、下記の表3および表4に示した。
【0042】
〔ロール加工性〕
ゴムのロールへの巻き付き性を肉眼観察することにより評価した。すなわち、ロール加工性が良好であったものを○、ややロール加工性不良がみられたものを△として評価した。
【0043】
〔常態物性〕
常態物性(TB,EB,Hs)については、JIS K 6251に準じて測定した。
TB:破断点強度(MPa)
EB:破断点伸び(%)
Hs:硬度
【0044】
〔耐熱特性〕
100℃の高温雰囲気下にて70時間熱老化試験を行った後、上記と同様にしてEBを測定し、その物性低下率(ΔEB)を算出した。他方、80℃の高温雰囲気下にて70時間熱老化試験(JIS K 6257)を行った後の圧縮永久歪み(CS)を、JIS K 6262に準じて測定した。
【0045】
〔ブルーム量〕
ゴム試験片の表面を有機溶剤(イソプロピルアルコール)で完全に拭き取り、低温雰囲気下(0℃)に10日間放置した後、ゴム試験片を破断し、その破断面を目視により観察し、自己潤滑剤成分の滲出(ブルーム)状態を評価した。すなわち、自己潤滑剤成分が充分ブルームしていたものを◎、少しブルームしていたものを○、ほとんどブルームしていなかったものを△として評価した。
【0046】
〔触感〕
上記ブルーム量同様、ゴム試験片の表面を有機溶剤(イソプロピルアルコール)で完全に拭き取り、低温雰囲気下(0℃)に10日間放置した後、親指と人指し指の間にゴム試験片を挟んで触感(滑り感)を確認した。すなわち、大いに滑り感がある場合を◎、滑り感がある場合を○、少し滑り感がある場合を△とした。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
上記結果から、実施例のゴム組成物は、充分なスコーチタイムが得られていることから、ゴム焼けを生じず、加工性に優れていることがわかる。そして、上記ゴム組成物からなる防振ゴムは、常態物性および耐熱特性に優れるとともに、低温雰囲気下に放置した場合であっても、充分なブルーム量が得られ、自己潤滑性に優れることがわかる。そのため、スタビライザブッシュ等の自動車用防振部材に用いる際に、低温雰囲気下において従来発生していた異音を、無くすことができる。
【0050】
これに対して、オレイン酸アミドとともにPEG型界面活性剤を含有していない比較例1では、低温雰囲気下におけるブルーム量および触感の評価に劣ることがわかる。また、オレイン酸アミドとPEG型界面活性剤とを含有していても、加硫系が耐熱でない比較例2〜4では、耐熱性等に劣っている。さらに、加硫系を耐熱とし、耐熱性仕様とした比較例5では、スコーチタイムが短くなりゴム焼けが生じることから、本発明において要求される諸性能を満たし得ない。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系母材ゴムを主成分とするゴム組成物中に、不飽和脂肪酸アミドとPEG型界面活性剤とを併含させ、かつハイスチレンゴムを含有させている。そのため、スコーチタイムを長くすることができ、耐熱性仕様の防振ゴム組成物においてゴム焼けを解消することができる。そして、この組成物からなる防振ゴムは、防振特性に優れているとともに、低温雰囲気下にあっても、自己潤滑剤成分がスムーズにゴム表面にブルームし、摩擦係数の低減効果が充分に発揮されることから、それを用いた自動車等の車両用の防振部材は、低温雰囲気下であっても、異音が生じなくなる。
【0052】
特に、上記防振ゴム組成物に、チウラム系加硫促進剤を含有すると、より耐熱性に優れた防振ゴムが得られるようになる。
【0053】
また、上記防振ゴム組成物中に、さらにpH7未満のシリカを含有すると、スコーチタイムの遅延効果が一層得られ、より加工性に優れるようになる。
Claims (5)
- ジエン系母材ゴム成分中に、下記の(A)〜(F)成分が含有されていることを特徴とする防振ゴム組成物。
(A)不飽和脂肪酸アミド。
(B)ポリエチレングリコール型界面活性剤。
(C)ハイスチレンゴム。
(D)カーボンブラック。
(E)加硫剤。
(F)耐熱性加硫促進剤。 - 上記(C)成分の含有量が、ジエン系母材ゴム100重量部に対して、3〜20重量部の範囲に設定されている請求項1記載の防振ゴム組成物。
- 上記(F)成分の耐熱性加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤である請求項1または2記載の防振ゴム組成物。
- 上記(A)〜(F)成分に加え、下記の(G)成分が含有されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物。
(G)pH7未満のシリカ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振ゴム組成物を用いてなることを特徴とする防振ゴム。
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