JP4058801B2 - ホウ素およびリン含有水の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホウ素およびリンを含有するホウ素およびリン含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホウ素およびリン化合物は種々の分野で使用されており、これらの分野から発生する排水、あるいは他の分野で発生する排水にはホウ素およびリン化合物を含むものがある。このような化合物は有害とされているため、ホウ素およびリン含有水からホウ素およびリンを除去するための処理が行われている。
【0003】
ホウ素およびリン含有水の処理方法として、凝集、イオン交換、逆浸透(RO)処理等の方法が知られているが、それぞれ一長一短がある。このうち、凝集処理は多量の薬剤を使用するため、多量のホウ素およびリン含有水の処理には不適当である。またイオン交換処理も高濃度ホウ素およびリン含有水の場合には、薬剤使用量および再生廃液発生量が多くなる。またRO処理ではホウ素除去率が低い。
【0004】
ホウ素含有水の処理方法については、例えばホウ素含有水をアニオン交換樹脂によりイオン交換した後、再生排液をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を用いて凝集処理しホウ素を除去する方法(特公昭58−15193号)が知られているが、この方法ではすべての原水を直接イオン交換するため、多量のイオン交換樹脂を使用する必要があり、再生頻度が高く、再生剤の使用量も多くなる。
【0005】
このほかホウ素含有水を逆浸透(以下、ROという場合がある)装置において膜分離し、濃縮液を蒸発濃縮し、RO装置の透過液と蒸発濃縮による凝縮液をイオン交換樹脂で処理する方法が示されている(特開昭59−49898号)。しかしこの方法では、RO膜のホウ素除去率は通常では約60%程度と低いため、多量の樹脂量および薬剤使用量が必要となる。
【0006】
これらの方法はいずれもホウ素含有水に関するものであり、リンの除去については触れられていない。ところでホウ素およびリン含有水としてはその発生源によりホウ素およびリン濃度に高低の差があり、このようなホウ素およびリン含有量の異なるホウ素およびリン含有水が異なる発生源から発生したり、同じ発生源から発生することがある。例えば金属や半導体の表面処理工程において、表面処理工程では高濃度ホウ素およびリン含有水が発生し、その後の水洗工程では低濃度ホウ素およびリン含有水が発生する。
【0007】
従来のホウ素およびリン含有水の処理方法では、このような高濃度ホウ素および/またはリン含有水および低濃度ホウ素および/またはリン含有水は被処理液貯槽に導入して混合、均質化して処理を行っている。ところがホウ素およびリンの処理方法は高濃度ホウ素および/またはリン含有水に適した方法と低濃度ホウ素および/またはリン含有水の処理に適した方法とがあるが、これらの混合水は中間的なホウ素およびリン含有量となり、効率よく処理できないほか、経時的な濃度変動によっても処理効率が低下しやすい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、本発明の課題は、別々に発生する高濃度水と低濃度水を処理する方法であって、イオン交換樹脂や薬剤の使用量を少なくし、小形の装置を使用してホウ素およびリンを高濃度で含む高濃度水と、ホウ素およびリンを低濃度で含む低濃度水からホウ素およびリンを効率よく高除去率で除去して高水質の処理水を得ることができ、汚泥発生量も少なくできるホウ素およびリン含有水の処理方法を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ホウ素およびリンを含有するホウ素およびリン含有水の処理方法であって、
別々に発生するホウ素およびリン含有水を、ホウ素濃度が1000mg/l以上、および/またはリン濃度が1000mg/l以上の高濃度水と、ホウ素濃度が1000mg/l未満、およびリン濃度が1000mg/l未満の低濃度水に区分し、
低濃度水を濃縮装置で濃縮して濃縮液と処理水を得、
濃縮液と前記高濃度水とを混合し、
混合液を凝集処理してホウ素およびリンを分離除去し、
分離液を前記低濃度水と混合して濃縮装置で濃縮する
ことを特徴とするホウ素およびリン含有水の処理方法である。
【0010】
本発明において処理の対象となるホウ素およびリン含有水は通常オルトホウ酸(H3BO3)およびオルトリン酸イオン(PO4 3-)の形でホウ素およびリンを含有する水であるが、ホウ酸塩、ポリリン酸その他の形でホウ素およびリンを含むものでもよい。このようなホウ素およびリン含有水としては、医薬、化粧品、石けん、金属、半導体、その他のホウ素およびリン化合物を使用する製造工程排水、メッキ排水、原子力発電所から発生する放射性排水、地熱発電排水、ゴミ焼却場の洗煙排水などがあげられる。
【0011】
これらのホウ素およびリン含有水は発生源あるいは発生時期等によりホウ素およびリン含有量が異なるものがある。例えばホウ酸およびリン酸塩を用いる金属や半導体の表面処理工程では表面処理時に高濃度ホウ素およびリン含有水が生じ、その後の水洗工程では低濃度ホウ素およびリン含有水が生じる。このほか別の発生源から異なる濃度のホウ素含有水が生じる。
【0012】
本発明では別々に発生するホウ素およびリン含有水を、ホウ素濃度が1000mg/l以上、および/またはリン濃度が1000mg/l以上の高濃度水と、ホウ素濃度が1000mg/l未満、およびリン濃度が1000mg/l未満の低濃度水に区分する。
【0013】
本発明では低濃度水については濃縮装置で濃縮を行って濃縮液と処理水を得る。低濃度水はそのまま濃縮を行ってもよく、また他の成分を除去する前処理を行ったのち、濃縮を行ってもよい。原水が固形物、カルシウムその他のスケール成分等を含む場合は凝集沈殿、濾過等の前処理により、これらの他の成分を除去することができる。前処理としては固形物、カルシウムなど、濃縮を阻害する物質を除去する範囲で行えばよいが、ホウ素およびリン以外の成分をすべて除去しておくと、後の工程でホウ素およびリンを純粋な形で回収することができる。前処理ではホウ素およびリンは除去されてもよく、また除去されなくてもよい。濃縮工程において例えば処理水からリンを除去できない場合には、前処理で除去することができる。また前処理として、濃縮工程の負荷を軽減するような濃縮操作を行ってもよい。
【0014】
濃縮工程で用いる濃縮装置としては、高濃度水中のホウ素およびリンを濃縮してホウ素およびリンが濃縮された濃縮液と、ホウ素およびリンが除去された処理水を得るものであればよく、その形式、構造等は制限されない。このような濃縮装置してはイオン交換装置またはRO装置が好ましい。これらはそのホウ素およびリンの除去性能に応じて2段以上に設けてもよく、これらまたは他の装置と組合せて使用してもよい。
【0015】
イオン交換装置に使用するイオン交換樹脂としては、ホウ素およびリンを除去するためにはアニオン交換樹脂を使用するが、カチオンを除去する必要がある場合にはカチオン交換樹脂も使用することができ、この場合は混床で処理するのが好ましい。
ホウ素およびリンを除去するためのアニオン交換樹脂としては弱塩基性、強塩基性いずれでもよいが、弱塩基性の方が再生効率は良いため好ましい。またホウ素の吸着量を高めたキレート樹脂等のホウ素選択吸着樹脂、例えばホウ素を選択的に吸着するN−メチルグルカミン型の樹脂を用いると、ホウ素の除去率が高くなるほか、回収ホウ素化合物(ホウ酸)の純度が高くなる。この場合にはリンを除去するために、前処理または後処理でリンを除去する凝集を行ったり、あるいはアニオン交換樹脂と組合せて使用することができる。
【0016】
イオン交換工程では、これらのアニオン交換樹脂を充填した樹脂層に低濃度水を通水してイオン交換を行いホウ素およびリンを交換吸着する。低濃度水に含まれるホウ素は大部分がオルトホウ酸であり、水中では(1)式により解離していると考えられている。
【化1】
H3BO3+H2O=B(OH)4 -+H+ ・・・・(1)
【0017】
(1)式における平衡はpHによって変化し、pHが高いほど平衡が右にずれる傾向にある。この場合アニオン交換樹脂がSO4形の場合は、pH9以上でないと処理困難であり、またOH形の場合は、中性付近においても処理できるが、とくにpH9以上とすることによりイオン交換量が増大するので好ましい。また低濃度水中のリンはリン酸イオン(PO4 3-)の形で含まれ、上記ホウ酸イオンの場合とほぼ同様にしてイオン交換樹脂に交換吸着する。
【0018】
イオン交換工程において低濃度水をアニオン交換樹脂と接触させることにより、上記B(OH)4 -およびPO4 3-が樹脂に交換吸着され除去される。処理水はホウ素およびリンその他のアニオンが除去され、純水に近い高純度の処理水が得られ、そのまま利用可能である。混合水にカチオンが含まれる場合は、前述のようにカチオン交換樹脂で処理することによりカチオンを除去することができ、またアニオン交換樹脂として他のアニオンも除去する樹脂を用いて処理する場合はこれにより処理水として純水を得ることができる。
【0019】
アニオン交換樹脂がホウ素およびリンで飽和した場合、再生工程に移って樹脂層を逆洗し、さらに再生剤を通液して交換吸着したホウ素およびリンを溶離させる。再生剤としては、酸、アルカリなど一般的な再生剤を用いることができるが、特に硫酸、塩酸または硝酸を用いるのが好ましい。再生剤の通液によりホウ素およびリンが溶離し、高濃度のホウ素およびリンを含有する再生排液が発生する。ホウ素およびリンの溶離を終った樹脂は、必要により水酸化ナトリウムでOH形にしたのち、再びホウ素およびリンの吸着に用いることができる。
【0020】
再生排液はホウ素およびリンが濃縮された状態の濃縮液として得られるので、そのまま高濃度水と混合して凝集処理を行う。
上記の処理では、ホウ素および/またはリン含量の少ない低濃度水のみをイオン交換するため、イオン交換樹脂および再生剤量が少なくてすみ、かつホウ素および/またはリン除去率を高くして高水質で純水に近い水質の処理水を得ることができる。
【0021】
アニオン交換樹脂としてホウ素選択吸着樹脂を用いる場合はアニオン樹脂は主としてホウ素の除去に使用し、リンは前処理または後処理としての凝集処理により除去したり、あるいは他のアニオン交換樹脂層を通すことにより除去する。
【0022】
濃縮装置としてRO装置を用いる場合、RO膜としてポリアミド、酢酸セルロース、ポリサルホン等の平膜、中空糸膜、チューブラー膜、スパイラル膜等のモジュールを備えた通常のRO装置を用い、低濃度水またはその前処理水を加圧下に供給して濃縮を行う。このときの操作は通常のRO処理と同様に行われ、低濃度水を加圧下に循環させて一部の水を透過させ、ホウ素およびリンを濃縮する。この場合ホウ素は高pHで解離してイオン化するので、pH9以上に調整して濃縮するのが好ましく、このため耐アルカリ性のRO膜を用いるのが好ましい。
【0023】
RO処理によりホウ素およびリンが濃縮され、透過液はホウ素およびリンの除去された液として得られるので、それらの値が許容基準に達していればそのまま放流することができる。一般的にはRO膜のホウ素除去率は低いので、透過液をさらにアニオン交換樹脂層に通したり、あるいは後処理として凝集を行うことによりホウ素を除去することができる。
上記の処理により得られる濃縮液はホウ素およびリンが濃縮された状態で得られるので、そのまま高濃度水と混合して凝集処理を行う。
【0024】
凝集処理は、イオン交換樹脂の再生排液やRO装置による濃縮液等の濃縮液と高濃度水の混合液に凝集剤を加え、ホウ素およびリンを不溶化物として析出させ、固液分離により除去する。凝集剤としてはホウ素およびリンを不溶化できるものであれば任意のものが使用できるが、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物を用いるのが好ましい。
【0025】
この方法について説明すると、被処理水(濃縮液と高濃度水の混合液)を、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上、好ましくはpH10以上、さらに好ましくはpH12以上にすることにより不溶性沈殿物を生成させる。アルミニウムイオンまたはカルシウムイオンがすでに存在している場合には外部から添加する必要はないが、不足している場合には硫酸アルミニウム、水酸化カルシウム等のアルミニウム化合物もしくはカルシウム化合物を添加する。
【0026】
アルミニウム化合物の必要量は被処理水および処理水中のホウ素量により異なるが、被処理水中Bが500mg/l、処理水中Bが100mg/lの場合には、アルミニウムの添加量は約1500mg/l、被処理水中Bが100mg/l、処理水中Bが5mg/lの場合には、アルミニウムの添加量は約400mg/lが標準となる。いずれの場合も後述の実施例の除去ホウ素量に対するアルミニウムの添加量を基準として算出することができる。カルシウム化合物の必要量は被処理水および処理水中のリン量ならびに処理水中の残留アルミニウムイオン量により変るが、上記の例の場合ではそれぞれ約3%、約2%が標準となる。
【0027】
pHの調整は、必要によりアルカリ剤を添加して行う。カルシウム剤として水酸化カルシウムを使用する場合には、新たにアルカリ剤を添加しなくてもよい場合が多い。アルミニウム化合物の添加、カルシウム化合物の添加およびpH調整の順序は特に限定されない。従って樹脂の再生廃液に水酸化カルシウムを添加してpH9以上とした後、硫酸アルミニウムを添加し、もしpHが9未満になった場合には再度水酸化カルシウムを添加してもよく、また先に硫酸アルミニウムを添加した後、水酸化カルシウムを添加してpH9以上に調整してもよい。
【0028】
このようにして生成する沈殿の形態は明瞭ではないが、ホウ素はアルミニウムとカルシウムの化合物(アルミン酸カルシウム)により捕捉され、リンはリン酸カルシウムの形で不溶化するものと思われる。いずれも不溶性で沈降性が良く、自然沈降等により容易に固液分離され、系外に除去される。分離液を前記低濃度水と混合して濃縮装置で濃縮する。
【0029】
上記の凝集による処理では、低濃度水を濃縮工程によりホウ素およびリンを濃縮し、ホウ素およびリン含有量の多い濃縮液を高濃度水と混合して凝集処理するため、被処理水の総量は少なくなり、このため凝集剤の使用量は少なく、発生する汚泥量も少なくなる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、別々に発生するホウ素およびリン含有水を、ホウ素濃度が1000mg/l以上、および/またはリン濃度が1000mg/l以上の高濃度水と、ホウ素濃度が1000mg/l未満、およびリン濃度が1000mg/l未満の低濃度水に区分し、低濃度水を濃縮装置で濃縮して濃縮液と処理水を得、濃縮液と高濃度水を混合して、凝集処理によりホウ素およびリンの分離除去を行い、分離液を前記低濃度水と混合して濃縮装置で濃縮するため、イオン交換樹脂や薬剤の使用量を少なくし、小形の装置を使用して高濃度水および低濃度水からホウ素およびリンを効率よく除去して高水質の処理水を得ることができ、汚泥発生量も少ない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態によるホウ素含有水の処理方法を示す系統図であり、濃縮工程としてイオン交換を行う例を示す。図1において、1は第1調整槽、2は前処理装置、3はイオン交換槽、4は第2調整槽、5は凝集槽、6は固液分離槽である。
【0032】
上記の装置によるホウ素およびリン含有水の処理方法は以下の通りである。まず第1調整槽1に第1原水路7から低濃度水を導入し、分離液路8から固液分離槽6の分離液を導入して攪拌機9で攪拌して混合する。第1調整槽1内の混合液を被処理液として系路10から前処理装置2に導入する。前処理装置2は凝集、濾過、軟化等により、カルシウム成分等のスケール成分を除去するために設けられるが、イオン交換槽3でホウ素選択性樹脂を用いる場合など、リンの濃縮が困難な場合には、ここで凝集、吸着等によりリンを除去する。前処理水は、系路11からイオン交換槽3に導入する。
【0033】
イオン交換槽3はアニオン交換樹脂を充填した樹脂層12を有しており、イオン交換工程において樹脂層12に前処理水を通水することによりホウ素およびリンを交換吸着させて除去し、処理水を処理水路13から取り出す。イオン交換槽3は複数個設けることにより、イオン交換工程の終了により再生工程に移る際、切換えて連続処理を行う。
【0034】
薬注路14から再生剤を注入して樹脂層12を再生し、再生排液を濃縮液として濃縮液路15から第2調整槽4に送る。再生剤としては酸とアルカリを順次流すことにより再生効率を高めることができる。第2調整槽4には第2原水路16から高濃度水を導入し、攪拌機17で攪拌して混合し、混合液を系路18から凝集槽5に導入する。凝集槽5では薬注路21から硫酸バンド等のアルミニウム化合物を注入し、薬注路22から消石灰等のカルシウム化合物を注入し、必要によりpH調整剤を注入し攪拌機23で攪拌して凝集反応を行い、ホウ素およびリンを不溶性化合物にする。反応液は系路24から固液分離槽6に送って固液分離し、分離液路8から分離液を第1調整槽1に送り、排泥路25から汚泥を排出する。
【0035】
図2は他の実施形態の処理方法を示す系統図であり、濃縮工程としてRO膜透過処理を行う例を示す。
図2において、30は濃縮液槽、31はRO装置、32はRO膜、33は循環路であり、他の構成は図1とほぼ同様となっている。
【0036】
上記の装置による処理方法は、前処理装置2から前処理水を濃縮液槽30に送り、ここからポンプ(図示省略)により前処理水を加圧してRO装置31に供給し、RO膜32により膜分離を行う。透過液は処理水路13から取り出し、濃縮液は循環路33から循環する。濃縮液が所定濃度になると、濃縮液路15から第2調整槽4に送り、ここで第2原水路16から入る高濃度水を混合する。他は図1と同様に処理される。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
【0038】
実施例1
ホウ素を5060mg/l、リンを22000mg/l含むpH6.7の高濃度水(排出量8.7m3/d)と、ホウ素を3000mg/l含むイオン交換の再生排液(排出量7.1m3/d)を排水量比で混合した混合液に硫酸バンド60g/lおよび消石灰170g/l添加し、pH11.1で30分間攪拌後固液分離したところホウ素170mg/l、リン0.14mg/lの分離水が得られた。ホウ素を98mg/l、リンを49mg/l含む低濃度水(排出量209m3/d)と上記の分離水とを排出量比で混合した被処理水に硫酸バンド800mg/l、水酸化ナトリウム310mg/lを添加し、pH6.5で30分間攪拌後固液分離したところ、ホウ素103mg/l、リン0.14mg/lの前処理水が得られた。この前処理水をN−メチルグルカミン型ホウ素選択吸着樹脂(三菱化学社製ダイヤイオンCRB−02、商標)の樹脂層にSV2hr-1で通水したところ、32BVまでホウ素1mg/l以下の処理水が得られた。
【0039】
比較例1
実施例1と同じ高濃度水と低濃度水を排出量比で混合した混合水(排出量218m3/l、ホウ素293mg/l、リン920mg/l)に硫酸バンドと水酸化ナトリウム添加によりリンを除去後イオン交換してホウ素を除去し、イオン交換樹脂の再生排液に硫酸バンドおよび消石灰を添加して凝集および固液分離したところ、イオン交換処理水はホウ素1mg/l以下、リン0.5mg/lまで処理できたが、薬剤使量および汚泥発生量は表1の通りであった。
【0040】
実施例1および比較例1の薬剤およびイオン交換樹脂使用量ならびに汚泥発生量を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
以上の結果より、低濃度水を濃縮し、濃縮液と高濃度水を混合してホウ素およびリンの分離除去を行うことにより、薬剤やイオン交換樹脂の使用量が少なく、小形の装置を使用してホウ素を効率よく除去し、汚泥発生量も少ないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のホウ素およびリン含有水の処理方法を示す系統図である。
【図2】他の実施形態のホウ素およびリン含有水の処理方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 第1調整槽
2 前処理装置
3 イオン交換槽
4 第2調整槽
5 凝集槽
6 固液分離槽
7 第1原水路
8 分離液路
9、17、23 攪拌機
12 樹脂層
13 処理水路
14、21、22 薬注路
15 濃縮液路
16 第2原水路
25 排泥路
30 濃縮液槽
31 RO装置
32 RO膜
Claims (1)
- ホウ素およびリンを含有するホウ素およびリン含有水の処理方法であって、
別々に発生するホウ素およびリン含有水を、ホウ素濃度が1000mg/l以上、および/またはリン濃度が1000mg/l以上の高濃度水と、ホウ素濃度が1000mg/l未満、およびリン濃度が1000mg/l未満の低濃度水に区分し、
低濃度水を濃縮装置で濃縮して濃縮液と処理水を得、
濃縮液と前記高濃度水とを混合し、
混合液を凝集処理してホウ素およびリンを分離除去し、
分離液を前記低濃度水と混合して濃縮装置で濃縮する
ことを特徴とするホウ素およびリン含有水の処理方法。
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