JP4058663B2 - リボース1−リン酸類及びヌクレオシド化合物の製造方法 - Google Patents

リボース1−リン酸類及びヌクレオシド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗ウイルス剤、アンチセンス医薬などの原料として使用されるヌクレオシド化合物の製造方法、及び該化合物の生化学的合成の重要な出発原料であるリボース1−リン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヌクレオシド化合物の工業的製造は、チミジン以外は化学合成の収率が極めて低いために、DNA(デオキシリボ核酸)の加水分解物からの抽出・単離が中心になっている。しかし、現在DNAの原料として使用されている鮭や鰊の白子は資源的に限られているうえに、集荷が難しく、低温保存の設備が必要である。また、白子の中にはDNAの他にタンパク質、糖類が含まれており、まず、DNAをこれらから分離しなければならない。さらに、DNAの加水分解物中には4種の2’−デオキシヌクレオシド類(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、チミジン、デオキシシチジン)が存在するので、分離工程が煩雑でコスト高になってしまう。
【0003】
一方、ヌクレオシド又は2’−デオキシヌクレオシドと核酸塩基を原料として、ヌクレオシドホスホリラーゼの作用により塩基交換反応を行わせ、希望するヌクレオシド又は2’−デオキシヌクレオシドを得る方法が報告されている(Hori N.,Watanabe M.,Yamazaki Y.,& Mikami Y.,Agric.Biol.Chem.,53,197〜202(1989)、特開平11−46790号公報)。この方法の本質は、ヌクレオシドホスホリラーゼにより触媒される、リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸による核酸塩基のリボシル化である。すなわち、リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸と任意の核酸塩基を原料にして、ヌクレオシドホスホリラーゼの作用により、対応するヌクレオシド化合物を調製することが可能である。リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸と核酸塩基からヌクレオシド化合物を酵素的に合成する方法は最も単純で、合成後の精製も容易である。
【0004】
しかし、リボース1−リン酸及び2−デオキシリボース1−リン酸は化学的に合成することが極めて困難な化合物であり、また化学的にやや不安定なばかりでなくホスファターゼにより分解されやすい。そのため、工業的にリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸と核酸塩基を出発原料としてヌクレオシド化合物を合成することはできなかった。このような事情から、出発原料となるリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸の製造方法の確立、およびリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸を出発原料としたヌクレオシド化合物の製造方法の確立が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は第1にリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸を効率よく製造する生化学的方法を提供することである。第2には、リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸と核酸塩基を原料としてヌクレオシド化合物を効率よく工業的に製造する生化学的方法を提供することである。
【0006】
本発明を為すにあたり本発明者らは、以下に記載の点に着目し検討を重ねた。
【0007】
リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸を効率よく生成する酵素として、ホスホペントムターゼ(EC5.4.2.7(以下、式中でPPMと略す))が知られていて、本酵素は式(1)又は式(2)で示される平衡反応を触媒する。
【0008】
【化1】
Figure 0004058663
【0009】
従来の報告(Smith,C.G.,and Bernstein,I.A.,Biochimica et Biophysica Acta,52,184〜193(1961))では、式(2)の平衡は2−デオキシリボース5−リン酸生成側に著しく片寄っており、平衡状態における2−デオキシリボース5−リン酸と2−デオキシリボース1−リン酸の存在比率は95:5であった。
【0010】
しかし、式(1)及び式(2)において平衡時における両化合物の存在比率は、理論的にはリン酸基の切断時放出エネルギー(ポテンシャル・エネルギー、△’G)の比に相当すると考えられ、概算70:30程度と推定されるため、式(1)及び式(2)で示される反応でのリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸の存在比率は30%が期待される。
【0011】
また、リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸が不安定な化合物であり、ホスファターゼ(EC3.1.3.1 アルカリホスファターゼ、及びEC3.1.3.2 酸性ホスファターゼ)により容易に分解される化合物であることから、酵素源として用いる微生物はホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを著量含有し、かつホスファターゼを含有しないことが望ましい。この場合、ヌクレオシドホスホリラーゼはプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)及びピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.2)の両者を意味する。
【0012】
更に、最終生産物のヌクレオシド化合物を分解するヌクレオシダーゼ(例えば、EC3.2.2.7 アデノシンヌクレオシダーゼ)を含有しない微生物が一層望ましい。
【0013】
2−デオキシリボース5−リン酸はデオキシリボースリン酸アルドラーゼ(EC4.1.2.4)により、容易にグリセルアルデヒド3-リン酸とアセトアルデヒドに分解される。したがって、2−デオキシリボース5−リン酸を基質とする場合は、該酵素を含有しない微生物であることが望ましい。
【0014】
出発原料である核酸塩基は水に溶け難いが、一般に温度の上昇に連れて溶解度は増大するので、酵素は高温で使用できる耐熱性酵素であることが望ましい。例えば、アデニン1gを溶解するには、常温では2Lの水が必要であるが、沸騰水では40mLで十分である(The Merck Index,9版、1983年刊、138頁)。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、
(1)自然界より分離したある微生物株が強いホスホペントムターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ及びピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を示し、かつホスファターゼ及びヌクレオシダーゼ活性を実質的に示さないこと、
(2)該微生物株は生育適温が50℃以上であり、含有するホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼは50℃以上で使用可能な耐熱性酵素であること、
(3)2−デオキシリボース5−リン酸を原料とする場合、該微生物株の菌体又は該菌体由来酵素を作用させる際にアセトアルデヒドやプロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類を共存させると、デオキシリボースリン酸アルドラーゼによる2−デオキシリボース5−リン酸の分解が抑制され、反応収率が著しく向上すること、
(4)該微生物株はバチルス属に属し、特に高い活性を示す1株はバチルス・コアギュランスと同定され、もう一株はバチルス・スピーシーズと同定されること、
(5)該バチルス株の菌体又は該菌体由来酵素により、リボース5−リン酸又は2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基から、対応するヌクレオシド化合物がほぼ理論収率に近い値で合成されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明の要旨は以下のようである。
【0017】
(1)リボース5−リン酸及び2−デオキシリボース5−リン酸からなる群より選択されるリボース5−リン酸類に、耐熱性ホスホペントムターゼを含有し、かつホスファターゼを実質的に含有しないバチルス属に属する耐熱性微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させて、リボース1−リン酸及び2−デオキシリボース1−リン酸からなる群より選択される、前記それぞれのリボース5−リン酸類に対応するリボース1−リン酸類を得ることを特徴とするリボース1−リン酸類の製造方法。
(2)リボース5−リン酸及び2−デオキシリボース5−リン酸からなる群より選択されるリボース5−リン酸類と核酸塩基に、耐熱性ホスホペントムターゼと耐熱性ヌクレオシドホスホリラーゼを含有し、かつホスファターゼ及びヌクレオシダーゼを実質的に含有しないバチルス属に属する耐熱性微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させて、ヌクレオシド及び2’-デオキシヌクレオシドからなる群より選択される、前記それぞれのリボース5−リン酸類に対応するヌクレオシド化合物を得ることを特徴とするヌクレオシド化合物の製造方法。
(3)微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させる際に、アルデヒド類を共存させることを特徴とする上記(1)記載のリボース1−リン酸類の製造方法。
(4)微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させる際に、アルデヒド類を共存させることを特徴とする上記(2)記載のヌクレオシド化合物の製造方法。
)前記微生物がバチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)である上記(1)または(3)に記載のリボース1−リン酸類の製造方法。
)前記微生物がバチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)である上記(2)または(4)に記載のヌクレオシド化合物の製造方法。
)耐熱性ホスホペントムターゼおよび耐熱性ヌクレオシドホスホリラーゼを産生する、バチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)およびバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)からなる群より選択される微生物。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
<原料>
本発明で原料として使用するリボース5−リン酸又は2−デオキシリボース5−リン酸(以下、リボース5−リン酸類という)は市販されている(例えば、シグマ社製)。また、リボース5−リン酸類はリボース又は2−デオキシリボース(以下、リボース類という)をオキシ塩化リンなどのリン酸化剤で処理することにより調製することができる。
【0020】
もう一つの原料である核酸塩基には天然型のチミン、ウラシル、アデニン、グアニン、ヒポキサンチンなどの他に、ヌクレオシドホスホリラーゼにより認識される人工の核酸塩基類縁化合物(例えば、5−ブロモウラシル、5−フルオロウラシル、5−トリフルオロメチルウラシル、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−クロロプリン、6−クロロプリン、2,6−ジクロロプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルチオプリン、1−デアザアデニン、3−デアザグアニン、ベンズイミダゾール、グリオキサール−グアニンなど)を使用することができる。
【0021】
<酵素反応によるリボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸及びヌクレオシド化合物の合成>
リボース5−リン酸類を加えた緩衝液に、耐熱性ホスホペントムターゼを生産する微生物の菌体又は該菌体由来酵素を添加して、該酵素の適温の範囲で撹拌すると、式(1)又は(2)に示す反応が生じ、リボース1−リン酸又は2−デオキシリボース1−リン酸(以下、リボース1−リン酸類という)が生成する。
【0022】
【化2】
Figure 0004058663
【0023】
次に、この反応液に核酸塩基とヌクレオシドホスホリラーゼが存在するとリボシル化が行われヌクレオシド化合物が生成する。例えば、プリン塩基であるアデニンが存在するとプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(以下、式中でPUNPと略す)の作用により、式(3)又は式(4)に示す反応が生じアデノシン又はデオキシアデノシンが生成する。また、ピリミジン塩基であるチミンが存在するとピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(以下、式中でPYNPと略す)の作用により、式(5)又は式(6)に示す反応が生じ5−メチルウリジン又はチミジンが生成する。
【0024】
【化3】
Figure 0004058663
【0025】
【化4】
Figure 0004058663
【0026】
したがって、例えば、合成原料として2−デオキシリボース5−リン酸とアデニン又はチミン、酵素としてホスホペントムターゼとプリンヌクレオシドホスホリラーゼ又はピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼが反応液中に共存する場合は、式(2)と式(4)、又は式(2)と式(6)の反応が連続して起こり、デオキシアデノシン又はチミジンが生成する。
【0027】
本発明で好ましい微生物株として用いるバチルス・コアギュランス YGK−6054及びバチルス・スピーシーズ YGK−6008はいずれもホスホペントムターゼとプリンヌクレオシドホスホリラーゼ及びピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼを含有しているので、連続反応により、原料の核酸塩基に対応したヌクレオシド化合物を合成することができる。
【0028】
ところで、微生物は生物である以上、通常は生存のためにホスファターゼ、ヌクレオシダーゼ、デオキシリボースリン酸アルドラーゼなどの酵素を含有しており、これらはそれぞれリボース1−リン酸類及びリボース5−リン酸類のリン酸脱離(リボース又は2−デオキシリボースへの分解)、ヌクレオシド化合物の分解、2−デオキシリボース5−リン酸の分解(グリセルアルデヒド3-リン酸とアセトアルデヒドへの分解)を触媒する、本発明にとって望ましくない酵素である。このため、これらの酵素活性を持たない微生物が好ましい。
【0029】
ホスファターゼの阻害剤としてエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)が有効であることはよく知られているが、一般にホスホペントムターゼはマンガンイオン(2価)を活性の必須要素とするためにEDTAは阻害的に働き添加することができない(Enzyme Handbook,Page 5.4.2.7 Phosphopentomutase,Springer−Verlag Berlin Heiderberg,1990)。しかしながら、本発明で好ましい菌株として用いるバチルス・コアギュランス YGK−6054及びバチルス・スピーシーズ YGK−6008はいずれもホスファターゼ活性が極めて微弱であって、実際上EDTAの添加は必要ない。また、ヌクレオシダーゼの活性も実際上認められない。
【0030】
一方、デオキシリボースリン酸アルドラーゼ(以下、式中でDERAと略す)は微量存在するが、2−デオキシリボース5−リン酸を原料とする場合は、アルデヒド類の添加が、下記式(7)における平衡を2−デオキシリボース5−リン酸生成側(右側)にシフトさせ、2−デオキシリボース5−リン酸の分解の阻害剤として働くことを発見した。アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリコールアルデヒド、グリオキサール、グリセルアルデヒドなどが挙げられる。中でも、アセトアルデヒドとプロピオンアルデヒドが好ましく、アセトアルデヒドが最も好ましい。
【0031】
【化5】
Figure 0004058663
【0032】
なお、リボース5−リン酸を原料とする場合は、デオキシリボースリン酸アルドラーゼが存在しても該酵素による分解反応はないが、アルデヒド類を添加した場合にあっても350mM以下の適当量であれば全体の酵素反応には一向に差し支えない。
【0033】
本発明は、かかる微生物株の天然界からの分離と反応条件の発見によって完成されたものである。
【0034】
<反応条件及び生成物の分離・精製と定量>
次に反応条件について記す。本発明において、原料のリボース5−リン酸類の初期濃度は5〜200mMであり、好ましくは5〜50mMである。原料の核酸塩基の初期濃度は5〜200mMであり、好ましくは5〜50mMである。核酸塩基の初期濃度は、リボース5−リン酸類の初期濃度以上とするのがよい。一般に、リボース5−リン酸類に対する核酸塩基のモル濃度は高い方が該リボース5−リン酸類に対するヌクレオシド化合物の収率は増大する。ただし、飽和濃度より高い濃度の核酸塩基を加える場合には、反応の進行を見ながら分割して加えてもよい。アルデヒド類の初期濃度は5〜600mMであり、好ましくは200〜350mMである。
【0035】
反応液(緩衝液)のpHは6.0〜11.0であり、好ましくは9.0〜11.0である。緩衝液はトリス−塩酸緩衝液が好ましい。反応温度は、耐熱性酵素の適温の範囲40〜65℃で行えばよく、好ましくは50〜60℃である。反応時間は反応条件によって左右されるが、反応は通常2〜24時間で終了する。
【0036】
なお、反応液からのヌクレオシド化合物の採取は、限外ろ過、イオン交換分離、吸着クロマトグラフィーなどにより行うことができる。
【0037】
反応生成物の定性・定量分析はTLCにより、より精度の高い定量はUV検出器及び/又は屈折計を装着したHPLC等により行うことができる。
【0038】
<スクリーニングにおけるホスホペントムターゼ活性の測定方法>
天然土壌からの微生物のスクリーニングにおいて、ホスホペントムターゼ活性は次のようにして求めた。
【0039】
ホスホペントムターゼの反応基質であるリボース5−リン酸類において、リボース5−リン酸の場合はホスファターゼにより分解されやすく、2−デオキシリボース5−リン酸の場合は、デオキシリボースリン酸アルドラーゼとホスファターゼにより分解されやすい。また、反応生成物のリボース1−リン酸類の定量は煩雑であった。このため、反応基質又は生成物の定量によりホスホペントムターゼ活性を測定することは困難であった。
【0040】
そこで、スクリーニングでは、リボース5−リン酸類、ヒポキサンチン及びヌクレオシドホスホリラーゼを反応液に添加し、ホスホペントムターゼにより生成したリボース1−リン酸類を更にイノシン又はデオキシイノシンへ変換させ、これを定量してホスホペントムターゼ活性を評価した。
【0041】
<酵素生産微生物及びその同定>
本発明で使用する微生物は、いかなる起源のものでもかまわない。リボース1−リン酸類を製造する場合にあっては、耐熱性ホスホペントムターゼを含有し、かつホスファターゼを実質的に含有しない微生物であれば特に限定されず、またヌクレオシド化合物を製造する場合にあっては、耐熱性ホスホペントムターゼと耐熱性ヌクレオシドホスホリラーゼを含有し、かつホスファターゼ及びヌクレオシダーゼを実質的に含有しない微生物であれば特に限定されない。尚、本発明において「酵素を実質的に含有しない」とは、当該酵素を含有していないか、あるいは含有していても当該酵素が本発明の製造方法に影響を及ぼさない微弱な活性しか示さないことを意味する。この条件を満たす微生物として、好ましくはバチルス属に属する耐熱性微生物が挙げられる。更に具体的菌株として、好ましくはバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans) YGK−6054(FERM BP−7898)及びバチルス・スピーシーズ(Bacillus sp.) YGK−6008(FERM BP−7897)が挙げられる。これらの菌株は独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに上記寄託番号により国際寄託されている。
【0042】
これらの微生物は細菌用培地に生育するが、培地にリボースなどの糖又はイノシンなどのヌクレオシドを添加することが、ホスホペントムターゼ及びヌクレオシドホスホリラーゼの生産を高めるうえで効果的である。窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素類又はペプトンなどの有機窒素類を用いることができる。また、培地にマンガン、マグネシウムを添加するのが望ましい。培養した菌体はそのまま本酵素反応で利用可能であるが、通常の方法(超音波又はミルによる破砕、遠心分離、硫安分離、膜分離など)により該微生物由来の酵素を得てこれを用いることもできる。
【0043】
寄託菌株の菌学的性質を、バージェイス・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー第1巻(1984年)及びバージェイス・マニュアル・オブ・デターミナティブ・バクテリオロジー第9版(1994)に準じて検討した結果は、次のようである。なお、実験は主として長谷川武治編著、改訂版「微生物の分類と同定」(学会出版センター、1985年)記載の方法により行った。
【0044】
バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans) YGK−6054(FERM BP−7898)[以下、YGK−6054と略す]。
【0045】
1.形態的性質
(1)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.7×2μm
(2)グラム染色性:陽性
(3)細胞の多形性の有無:なし
(4)運動性:あり
(5)鞭毛の着生状態:周毛
(6)胞子:楕円形の内性胞子形成、位置は末端
(7)抗酸性:なし
2.培養的性質
(1)肉汁寒天平板培養:不規則形、全縁波状、低くて平ら、やや光沢あり、クリーム色
(2)肉汁寒天斜面培養:クリーム色、半透明で培地全体に広がり生育は良好
(3)肉汁液体培養:濁りは中程度で均一
(4)肉汁ゼラチン穿刺培養:全体液化(冷却時)
(5)リトマスミルク:凝固、pH8
3.生理学的性質
(1)硝酸塩の還元:陽性
(2)脱窒反応:陽性
(3)MRテスト:陰性
(4)VPテスト:陽性
(5)インドールの生成:陰性
(6)硫化水素の生成:陰性
(7)デンプンの加水分解:陰性
(8)クエン酸の利用:陽性
(9)無機窒素源の利用:
・硝酸塩:陽性
・アンモニウム塩:陽性
(10)色素の産生:陰性
(11)ウレアーゼ:陰性
(12)オキシダーゼ:陽性
(13)カタラーゼ:陽性
(14)生育の範囲
・pH5〜6.8における生育:生育した
・NaCl濃度:1〜2%で生育した、5%で生育せず
・温度域:42〜59℃で生育した(至適52〜55℃)、30℃で生育せず
(15)酸素に対する態度:通性嫌気性
(16)O−Fテスト
・グルコース:F(ガスの産生なし)
4.その他種の特徴を示すに必要なもの
(1)各種炭素源の利用
・ラクトース:−
・マルトース:+
・D−キシロース:+
・マンニトール:+
・D-ラフィノース:−
・ソルビトール:−
・シュークロース:−
・イノシトール:−
・アドニトール:−
・ラムノース:−
・L−アラビノース:−
・D−マンノース:−
・リボース:+
・ガラクトース:+
・D−グルコース:+
・D−フルクトース:+
・N−アセチルグルコサミン:+
・トレハロース:+
(2)β−ガラクトシダーゼ:陽性
(3)アルギニン脱炭酸:陰性
(4)リジン脱炭酸:陰性
(5)オルニチン脱炭酸:陰性
(6)エスクリン加水分解:陽性
(7)インドール産生:陰性
(8)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性
(9)ゼラチン加水分解:陽性
5.化学分類学的性質
(1)GC含量:50〜52mol%(HPLC法)
以上の菌学的性質に基づき、本菌株はバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)と判明した。
【0046】
バチルス・スピーシーズ(Bacillus sp.) YGK−6008(FERM BP−7897)[以下、YGK−6008と略す]。
【0047】
1.形態的性質
(1)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.8×2〜3μm
(2)グラム染色性:陽性
(3)細胞の多形性の有無:なし
(4)運動性:あり
(5)鞭毛の着生状態:周毛
(6)胞子:楕円形の内性胞子形成、位置は末端
(7)抗酸性:なし
2.培養的性質
(1)肉汁寒天平板培養:楕円形、全縁なめらか、低凸状、やや光沢あり、クリーム色
(2)肉汁寒天斜面培養:クリーム色、不透明で画線跡にそって生育、生育は良好
(3)肉汁液体培養:濁りは中程度で均一
(4)肉汁ゼラチン穿刺培養:全面液化(冷却時)
(5)リトマスミルク:凝固、pH8
3.生理学的性質
(1)硝酸塩の還元:陽性
(2)脱窒反応:陽性
(3)MRテスト:陰性
(4)VPテスト:陽性
(5)インドールの生成:陰性
(6)硫化水素の生成:陰性
(7)デンプンの加水分解:陰性
(8)クエン酸の利用:陽性
(9)無機窒素源の利用:
・硝酸塩:陽性
・アンモニウム塩:陽性
(10)色素の産生:陰性
(11)ウレアーゼ:陰性
(12)オキシダーゼ:陽性
(13)カタラーゼ:陽性
(14)生育の範囲
・pH5〜6.8における生育:pH5〜5.7で生育せず、pH6.8で生育した
・NaCl濃度:1%で生育した、2〜5%で生育せず
・温度域:42〜59℃で生育した(至適52〜55℃)、30℃で生育せず
(15)酸素に対する態度:通性嫌気性
(16)O−Fテスト
・グルコース:F(ガスの産生なし)
4.その他種の特徴を示すに必要なもの
(1)各種炭素源の利用
・ラクトース:−
・マルトース:+
・D−キシロース:+
・マンニトール:+
・D−ラフィノース:−
・ソルビトール:−
・シュークロース:−
・イノシトール:−
・アドニトール:−
・ラムノース:−
・L−アラビノース:−
・D−マンノース:−
・リボース:+
・ガラクトース:+
・D−グルコース:+
・D−フルクトース:+
・N−アセチルグルコサミン:+
・トレハロース:+
(2)β−ガラクトシダーゼ:陽性
(3)アルギニン脱炭酸:陰性
(4)リジン脱炭酸:陰性
(5)オルニチン脱炭酸:陰性
(6)エスクリン加水分解:陽性
(7)インドール産生:陰性
(8)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性
(9)ゼラチン加水分解:陽性
5.化学分類学的性質
(1)GC含量:48〜50mol%(HPLC法)
以上の菌学的性質に基づき、本菌株はバチルス・スピーシーズ(Bacillus sp.)と判明した。
【0048】
【実施例】
以下、実験例及び実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
【0049】
リボース5−リン酸類、リボース1−リン酸類、リボース類の同定はTLC分析により行った。分析条件は次のとおりである。
【0050】
[方法]
TLCプレート:Kieselgel 60F254(メルク社製)
展開液:n−ブタノール/2-プロパノール/水=3/12/4(v/v/v)
検出:エタノール/p-アニスアルデヒド/酢酸/硫酸=90/5/1/5(v/v/v/v)
発色:90〜100℃
また、核酸塩基とヌクレオシド化合物の定量はHPLC分析により行った。分析条件は次のとおりである。
【0051】
[方法]
カラム:Inertsil ODS−2(ジーエルサイエンス製)φ4.6mm×250mm
溶出液:8%メタノール/0.1M−NH42PO4(pH7.0)
流速:1mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV 260nm
なお、ヌクレオシド化合物の収率は、リボース−5−リン酸類に対するモル濃度パーセントで表した。
【0052】
実験例1:土壌試料からの菌株の分離とリボース5−リン酸を基質とした1次スクリーニング
土壌懸濁液(土壌は、京都市、大阪府枚方市、愛媛県久万町内から採取)をイノシン、チミジン又はリボースを単一炭素源とした培地(培地1Lあたりにイノシン、チミジン又はリボースを2g、K2HPO4 1g、(NH42SO4 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、寒天25gを含む、pH7.0)の上へ広げた。30℃、60℃又は70℃で培養し、生育したコロニーを分離した。これら分離菌株を分離培地と同一の炭素源を加えた液体培地(培地1Lあたりにイノシン、チミジン又はリボースを2g、K2HPO4 1g、(NH42SO4 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む、pH7.0)に植菌し、培養した。
【0053】
得られた菌体についてホスホペントムターゼ活性を以下のようにして測定した。被検微生物の培養液2mLを遠心分離して静止菌体を得た。0.1M トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)、10mM リボース5−リン酸、5mM ヒポキサンチン、0.1mM−MnCl2・4H2O、0.02mM グルコース1,6−二リン酸、ヌクレオシドホスホリラーゼ(シグマ社製)0.06ユニット[pH7.4、25℃で1分間に1μmolのイノシンをヒポキサンチンとリボース1−リン酸へ変換する酵素量を1ユニットとする。]を含む反応液0.5mLを上記の静止菌体に加え、2mLエッペンドルフチューブにて6時間振とう反応させた(MnCl2・4H2O及びグルコース1,6−二リン酸はホスホペントムターゼによる反応の活性化因子として報告されている(Hammer−Jesperson,K.,Munch−Petersen,A.,Eur.J.Biochem.,17,397〜407(1970))ので加えた)。生成したイノシンをHPLC分析により定量してホスホペントムターゼ活性を評価した。培養温度と反応温度は分離温度と同一温度とした。その結果、30℃及び60℃で分離した菌株にホスホペントムターゼ活性が認められた。イノシンが収率2%以上で得られた、30℃分離菌株16株及び60℃分離菌株33株を選抜した(表1)。
【0054】
【表1】
Figure 0004058663
【0055】
実験例2:1次スクリーニング選抜菌株の培養、反応条件の検討
1次スクリーニング選抜菌株の至適培養、反応温度を検討した。60℃で分離したホスホペントムターゼ活性菌株は、50℃で培養及び反応を行うと多くの菌株でホスホペントムターゼ活性が高くなった。一方、30℃で分離したホスホペントムターゼ活性菌株は、30℃での培養及び反応が適していた。また、反応液のpHを検討したところ、トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いると活性が高くなった。
【0056】
実験例3:リボース5−リン酸を基質とした2次スクリーニング
1次スクリーニングで選抜した菌株を、1次スクリーニングと同様の方法で培養した。培養液2mLを遠心分離して静止菌体を得た。0.166M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)、50mM リボース5−リン酸、10mM ヒポキサンチン、0.1mM−MnCl2・4H2O、0.02mM グルコース1,6−二リン酸、ヌクレオシドホスホリラーゼ(シグマ社製)0.06ユニットを含む反応液0.5mLを上記の静止菌体に加え、2mLエッペンドルフチューブにて6時間振とう反応させた。生成したイノシンをHPLC分析により定量してホスホペントムターゼ活性を評価した。培養温度と反応温度は、60℃で分離した菌株については50℃とし、30℃で分離した菌株については30℃とした。その結果、60℃で分離した菌株に高いホスホペントムターゼ活性が認められた。イノシンが収率5%以上で得られた、60℃分離菌株13株を選抜した(表2)。
【0057】
【表2】
Figure 0004058663
【0058】
実験例4:2−デオキシリボース5−リン酸を基質とした3次スクリーニング2次スクリーニングで選抜した菌株を、1次スクリーニングと同様の方法で培養した。培養液0.4mLを遠心分離して静止菌体を得た。0.166M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)、5mM 2−デオキシリボース5−リン酸、5mM ヒポキサンチン、0.1mM−MnCl2・4H2O、0.02mM グルコース1,6−二リン酸、ヌクレオシドホスホリラーゼ(シグマ社製)0.012ユニットを含む反応液0.1mLを上記の静止菌体に加え、2mLエッペンドルフチューブにて50℃で6時間振とう反応させた。生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。生成したデオキシイノシンの収率は0〜6%であった。反応後、基質の2−デオキシリボース5−リン酸はほとんど残存しておらず、デオキシリボースリン酸アルドラーゼによりグリセルアルデヒド3−リン酸とアセトアルデヒドに分解されたと考えられた。
【0059】
そこで、上記の反応液に333mM アセトアルデヒドを加えて同様に反応を行ったところ、ほとんどの菌株でデオキシイノシンへの変換効率が大きく上昇した。なかでもYGK−6054及びYGK−6008は収率それぞれ26.5%及び16.4%でデオキシイノシンを効率よく生成した。反応後、基質の2−デオキシリボース5−リン酸はほぼ未反応分残存しており、アセトアルデヒドを加えたことにより、デオキシリボースリン酸アルドラーゼによる2−デオキシリボース5−リン酸の分解が抑制されたと考えられた。YGK−6054とYGK−6008をホスホペントムターゼ高活性菌として選抜した。
【0060】
実施例1:YGK−6054とYGK−6008による2−デオキシリボース5−リン酸の分解活性
最終濃度で166mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、0.1mM グルコース1,6−二リン酸、1mM−MnCl2、YGK−6054又はYGK−6008の静止菌体(後述の実施例9に示した方法で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液を調製した。また、上記反応液に最終濃度で0.1M アセトアルデヒドを添加した反応液を調製した。それぞれの反応液50μLを2mLエッペンドルフチューブにて55℃で2時間振とう反応させた。反応後、2−デオキシリボースの生成量及び2−デオキシリボース5−リン酸の残存量をTLC分析により測定した(表3)。両株とも、2−デオキシリボースの生成は微量であり、ホスファターゼ活性は微弱であった。
【0061】
両株とも、2−デオキシリボース5−リン酸の減少量は、アセトアルデヒドを加えない反応液では大きかったが、アセトアルデヒドを加えた反応液では小さくなった。両株とも、デオキシリボースリン酸アルドラーゼ活性を持つが、アセトアルデヒドを添加することによりデオキシリボースリン酸アルドラーゼによる2−デオキシリボース5−リン酸の分解が抑制されたと考えられた。
【0062】
【表3】
Figure 0004058663
【0063】
実施例2:YGK−6054とYGK−6008の酵素が利用可能な核酸基質最終濃度で50mMの表4に示す各種核酸塩基、166mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、0.1mM グルコース1,6−二リン酸、0.3M アセトアルデヒド、YGK−6054又はYGK−6008の静止菌体(後述の実施例9に示した方法で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液50μLを調製し、2mLエッペンドルフチューブにて55℃で2時間振とう反応させた。生成した各種ヌクレオシド化合物をHPLC分析により定量した。その結果、YGK−6054及びYGK−6008の酵素系はヒポキサンチン以外にも、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、グリオキサール−グアニン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシルを基質として利用し、それぞれ2’−デオキシアデノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシウリジン、チミジン、グリオキサール−グアニン−2’−デオキシリボシド、2’−デオキシ−5−フルオロウリジン、2’−デオキシ−5−ブロモウリジンを生成できることが分かった(表4)。
【0064】
【表4】
Figure 0004058663
【0065】
実験例のスクリーニングとは異なり、市販のヌクレオシドホスホリラーゼは使用していない。それにもかかわらず、表4の結果が得られたことは、YGK−6054とYGK−6008が、それぞれ耐熱性ホスホペントムターゼとともに耐熱性プリンヌクレオシドホスホリラーゼ及び耐熱性ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼを生産していることを示している。また、両菌株の酵素系は天然核酸塩基のみならず、人工核酸塩基も基質として利用することが示された。
【0066】
実施例3:YGK−6054とYGK−6008の酵素生成に対する培養条件と培地組成の影響
1Lあたりに表5に示す糖又はヌクレオシド2g、K2HPO4 1g、NH4Cl 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む培地(pH7.0)5mLを試験管に入れ、滅菌した。これらにYGK−6054又はYGK−6008を植菌し、50℃で1晩培養した。培養液0.4mLを遠心分離して静止菌体を得た。0.166M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)、5mM 2−デオキシリボース5−リン酸、5mM ヒポキサンチン、333mM アセトアルデヒド、0.1mM−MnCl2・4H2O、0.02mM グルコース1,6−二リン酸を含む反応液0.1mLを上記静止菌体に加え、2mLエッペンドルフチューブにて50℃で6時間振とう反応させた。生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。
【0067】
その結果、いずれの菌株も、糖又はヌクレオシドを添加しない培地で培養したとき、デオキシイノシンの生成が認められなかった。YGK−6054の場合、イノシン又はチミジンを添加した培地、YGK−6008の場合、リボース又は2−デオキシリボースを添加した培地で培養したとき、特にデオキシイノシンの収率が高かった(表5)。
【0068】
【表5】
Figure 0004058663
【0069】
実施例4:YGK−6054とYGK−6008の酵素生成に対する培養温度の影響
1Lあたりにイノシン2g、K2HPO4 1g、NH4Cl 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む培地(pH7.0)10mLをL字型試験管に入れて滅菌し、YGK−6054を植菌した。同様に上記培地のイノシンをリボースで置き換えた培地にYGK−6008を植菌した。これらを42〜63℃で振とう培養し、生育度(OD660)の経時変化をみた。その結果、上記2株は42〜59℃で生育し、生育速度から見た至適培養温度は52〜55℃であり、最大生育(OD660)は、YGK−6054では52℃で、YGK−6008では55℃で得られた(図1及び図2)。
【0070】
実施例5:YGK−6054とYGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する培養時間の影響
1Lあたりにイノシン2g、K2HPO4 1g、NH4Cl 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む培地(pH7.0)10mLをL字型試験管に入れて滅菌し、YGK−6054を植菌した。同様に上記培地のイノシンをリボースで置き換えた培地にYGK−6008を植菌した。これらを52℃で振とう培養し、生育度(OD660)の経時変化を見た。
【0071】
また、培養途中で培養液を一部採取し、培養液0.4mLを遠心分離して静止菌体を得た。0.166M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)、5mM 2−デオキシリボース5−リン酸、5mM ヒポキサンチン、333mM アセトアルデヒド、0.1mM−MnCl2・4H2O、0.02mM グルコース1,6−二リン酸を含む反応液0.1mLを上記静止菌体に加え、2mLエッペンドルフチューブにて50℃で6時間振とう反応させた。生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。
【0072】
その結果両菌株とも、増殖期初期にあたる培養0〜5時間目の菌体(栄養細胞)では、デオキシイノシンの生成はほとんど認められなかった。増殖期後期から定常期にあたる培養7〜9時間目の菌体(菌体内に内性胞子を形成した胞子のう細胞)を用いると、デオキシイノシンの収率が最大となった。死滅期にあたる培養23時間目の菌体(胞子)では、デオキシイノシンの収率は低かった(図3及び図4)。
【0073】
実施例6:YGK−6054とYGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対するアルデヒド類の影響
最終濃度で0〜1Mのアセトアルデヒド又はプロピオンアルデヒド、166mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、50mM ヒポキサンチン、0.05mM グルコース1,6−二リン酸、YGK−6054又はYGK−6008の静止菌体(後述の実施例9に示した方法で得られたもの)それぞれ8%(w/v)を含む反応液50μLを調製し、2mLエッペンドルフチューブにて50℃で2時間振とう反応させた後、生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。その結果、両株とも0.2〜0.3Mのアセトアルデヒド又はプロピオンアルデヒドを加えることによりデオキシイノシンの収率が大きく増大した(図5及び図6)。
【0074】
上記反応液の2−デオキシリボース5−リン酸をリボース5−リン酸に置き換えて反応を行い、生成したイノシンを定量したところ、両株とも0.1〜0.3Mのアセトアルデヒドを加えてもイノシンの収率に影響はなかった(図7)。
【0075】
実施例7:YGK−6054とYGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する緩衝液の種類とpHの影響
166mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0〜11.0)、166mM ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8〜10)、166mM グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH7.0〜10.0)、5mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0〜7.5)について検討した。最終濃度で上記濃度の上記緩衝液、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、50mM ヒポキサンチン、0.05mM グルコース1,6−二リン酸、0.2M アセトアルデヒド、YGK−6054又はYGK−6008の静止菌体(後述の実施例9に示した方法で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液50μLを調製し、2mLエッペンドルフチューブにて50℃で2時間振とう反応させた後、生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。その結果、両株とも、トリス−塩酸緩衝液(pH9.0〜11.0)を用いたときにデオキシイノシンの収率が高かった(図8及び図9)。
【0076】
実施例8:YGK−6054とYGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する反応温度の影響
最終濃度で166mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、50mM ヒポキサンチン、0.05mM グルコース1,6−二リン酸、0.2M アセトアルデヒド、YGK−6054又はYGK−6008の静止菌体(後述の実施例9に示した方法で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液50μLを調製し、2mLエッペンドルフチューブにて30〜70℃で2時間振とう反応させた。生成したデオキシイノシンをHPLC分析により定量した。その結果、両株とも、50〜60℃で反応を行ったときにデオキシイノシンの収率が高かった(図10)。
【0077】
実施例9:至適培養条件と至適反応条件下でのヌクレオシド化合物の合成
・YGK−6054によるヌクレオシド化合物の合成
1Lあたりにイノシン2g、K2HPO4 1g、NH4Cl 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む培地(pH7.0)10mLを50mL三角フラスコへ入れ、滅菌した。これにYGK−6054を1白金耳植菌し、52℃、130rpmで9時間往復振とうし、前培養液を得た。上記の培地100mLを500mL三角フラスコへ入れ滅菌し、前培養液5mLを加えて52℃、100rpmで18.5時間往復振とうした。培養液を遠心分離して静止菌体を得た。
【0078】
0.85%塩化ナトリウム溶液100mLに菌体を懸濁して再び遠心分離し、洗浄菌体を得た。湿菌体重は0.66gで、胞子のう細胞の状態であった。最終濃度で166mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM 2−デオキシリボース5−リン酸、50mM ヒポキサンチン、0.1mM グルコース1,6−二リン酸、1mM−MnCl2・4H2O、0.3M アセトアルデヒド、YGK−6054の静止菌体(上記の培養で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液180μLを調製した。これを2mLエッペンドルフチューブにて55℃で振とうして反応を行った。生成したデオキシイノシンを経時的にHPLCで定量したところ、反応4時間目で17.8mMのデオキシイノシンが生成し、収率は35.6%となった(図11)。
【0079】
また、最終濃度で166mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM リボース5−リン酸、50mM ヒポキサンチン、0.1mM グルコース1,6−二リン酸、1mM−MnCl2・4H2O、YGK−6054の静止菌体(上記の培養で得られたもの)8%(w/v)を含む反応液180μLを調製し、上記と同様に反応を行い、生成したイノシンを定量したところ、反応4時間目で11.7mMのイノシンが生成し、収率は23.3%となった(図12)。
【0080】
・YGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成
1Lあたりにリボース2g、K2HPO4 1g、NH4Cl 5g、MnCl2・4H2O 0.1g、MgSO4・7H2O 0.8g、酵母エキス2gを含む培地(pH7.0)10mLを50mL三角フラスコへ入れ、滅菌した。これにYGK−6008を1白金耳植菌し、55℃、130rpmで9時間往復振とうし、前培養液を得た。上記の培地100mLを500mL三角フラスコへ入れ滅菌し、前培養液5mLを加えて55℃、100rpmで14.5時間往復振とうした。培養液を遠心分離して静止菌体を得た。0.85%塩化ナトリウム溶液100mLに菌体を懸濁して再び遠心分離し、洗浄菌体を得た。湿菌体重は0.72gで、胞子のう細胞の状態であった。
【0081】
上記YGK−6054での反応条件と同様にしてYGK−6008を用いて反応を行つた。2−デオキシリボース5−リン酸を基質とした場合は、反応4時間目で16.7mMのデオキシイノシンが生成し、収率は33.3%となった(図11)。また、リボース5−リン酸を基質とした場合は、反応4時間目で8.95mMのイノシンが生成し、収率は17.9%となった(図12)。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、リボース5−リン酸類である2−デオキシリボース5−リン酸又はリボース5−リン酸に耐熱性微生物の酵素を作用させることにより高収率で効率よく前記それぞれのリボース5−リン酸類に対応するリボース1−リン酸類、2−デオキシリボース1−リン酸又はリボース1−リン酸を製造することができる。また、リボース5−リン酸類である2−デオキシリボース5−リン酸又はリボース5−リン酸と核酸塩基から該微生物の酵素により高収率で効率よくヌクレオシド化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バチルス・コアギュランス YGK−6054の生育度に対する培養温度の影響を示すグラフ。
【図2】 バチルス・スピーシーズ YGK−6008の生育度に対する培養温度の影響を示すグラフ。
【図3】 バチルス・コアギュランス YGK−6054によるヌクレオシド化合物の合成に対する培養時間の影響を示すグラフ。
【図4】 バチルス・スピーシーズ YGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する培養時間の影響を示すグラフ。
【図5】 バチルス・コアギュランス YGK−6054による2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基からのヌクレオシド化合物の合成に対するアルデヒド類の影響を示すグラフ。
【図6】 バチルス・スピーシーズ YGK−6008による2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基からのヌクレオシド化合物の合成に対するアルデヒド類の影響を示すグラフ。
【図7】 バチルス・コアギュランス YGK−6054又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008によるリボース5−リン酸と核酸塩基からのヌクレオシド化合物の合成に対するアルデヒド類の影響を示すグラフ。
【図8】 バチルス・コアギュランス YGK−6054によるヌクレオシド化合物の合成に対する緩衝液の種類とpHの影響を示すグラフ。
【図9】 バチルス・スピーシーズYGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する緩衝液の種類とpHの影響を示すグラフ。
【図10】 バチルス・コアギュランス YGK−6054又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008によるヌクレオシド化合物の合成に対する反応温度の影響を示すグラフ。
【図11】 至適培養条件及び至適反応条件下でのバチルス・コアギュランス YGK−6054又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008による2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基からのヌクレオシド化合物の合成の経時変化を示すグラフ。
【図12】 至適培養条件及び至適反応条件下でのバチルス・コアギュランス YGK−6054又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008によるリボース5−リン酸と核酸塩基からのヌクレオシド化合物の合成の経時変化を示すグラフ。

Claims (7)

  1. リボース5−リン酸及び2−デオキシリボース5−リン酸からなる群より選択されるリボース5−リン酸類に、耐熱性ホスホペントムターゼを含有し、かつホスファターゼを実質的に含有しないバチルス属に属する耐熱性微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させて、リボース1−リン酸及び2−デオキシリボース1−リン酸からなる群より選択される、前記それぞれのリボース5−リン酸類に対応するリボース1−リン酸類を得ることを特徴とするリボース1−リン酸類の製造方法。
  2. リボース5−リン酸及び2−デオキシリボース5−リン酸からなる群より選択されるリボース5−リン酸類と核酸塩基に、耐熱性ホスホペントムターゼと耐熱性ヌクレオシドホスホリラーゼを含有し、かつホスファターゼ及びヌクレオシダーゼを実質的に含有しないバチルス属に属する耐熱性微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させて、ヌクレオシド及び2’-デオキシヌクレオシドからなる群より選択される、前記それぞれのリボース5−リン酸類に対応するヌクレオシド化合物を得ることを特徴とするヌクレオシド化合物の製造方法。
  3. 微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させる際に、アルデヒド類を共存させることを特徴とする請求項1記載のリボース1−リン酸類の製造方法。
  4. 微生物の菌体又は該微生物由来の酵素を作用させる際に、アルデヒド類を共存させることを特徴とする請求項2記載のヌクレオシド化合物の製造方法。
  5. 前記微生物がバチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)である請求項1または3記載のリボース1−リン酸類の製造方法。
  6. 前記微生物がバチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)又はバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)である請求項2または4記載のヌクレオシド化合物の製造方法。
  7. 耐熱性ホスホペントムターゼおよび耐熱性ヌクレオシドホスホリラーゼを産生する、バチルス・コアギュランス YGK−6054(FERM BP−7898)およびバチルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−7897)からなる群より選択される微生物。
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