JP4057688B2 - 難燃性樹脂組成物およびその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性、耐衝撃性、熱安定性、成形外観および顔料着色性に優れた耐衝撃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカ−ボネ−ト樹脂は、その優れた耐衝撃性あるいは耐熱性を生かして様々な工業用用途に用いられているが、成形加工温度が高い、流動性が悪いあるいは衝撃強度の厚み依存性が大きい等の欠点を有している。
【0003】
従来、これらポリカ−ボネ−ト樹脂の欠点を改良する方法として、ポリカ−ボネ−ト樹脂にABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)系樹脂をブレンドすることが、特公昭38−15225号公報、特公昭48−12170号公報等に記載されている。
【0004】
しかしながら、ポリカ−ボネ−ト樹脂にABS樹脂をブレンドする方法では、耐衝撃性の向上あるいは成形加工温度の低下は可能となるものの、得られるブレンド物の難燃性が不足するため、これを改良すべく各種難燃剤あるいは難燃助剤を添加する方法が行われている。
【0005】
ところが、近年、OA機器あるいは家電部材等のハウジング用途においては、機器の軽量化、薄肉化あるいは形状の複雑化等により、これに用いる樹脂材料にはより高度なレベルの難燃性、成形時の流動性および耐衝撃性が要求されてる。
【0006】
このうち樹脂材料の高度な難燃性とは、UL燃焼試験の過程で樹脂がドリップ(滴下)しないことが重要な要件であり、実際の火災時においても延焼を防ぐためにドリップ防止性は重要となる。
【0007】
従来、PC/ABS系ブレンド物にドリップ防止性を付与する方法としては、特公昭59−36657号公報におけるポリテトラフロロエチレンを添加する方法、あるいは特開平3−190958号公報記載のシリコーン樹脂を添加する方法が知られている。
【0008】
しかしながら、これらの方法では、ドリップ防止性には優れるものの、添加するポリテトラフロロエチレンあるいはシリコーン樹脂に起因する成形外観不良あるいは耐衝撃性低下が生起し、また経済的にも不利となってしまう。
【0009】
一方、従来PC樹脂あるいはPC/ABS系ブレンド物のドリップ防止性および耐衝撃性を同時に満足させ、さらに経済的にも有利な方法として、特開平6−240127号公報、特開平7−179673号公報、特開平7−133417号公報、特開平7−316409号公報および特開平8−259791号公報等に、PC樹脂あるいはPC/ABSブレンド物に各種難燃剤、難燃助剤とともにポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムにビニル系単量体がグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体を添加する方法が提案されている。
【0010】
しかしながら、これら従来技術においてはPC樹脂に優れた耐衝撃性と難燃性を付与することができるものの、得られる樹脂組成物の顔料着色性に関しては記載がなく、また実施例に示された樹脂組成物はこれに含まれるポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムに起因して顔料着色性が不良となり、PC系樹脂が本来有している意匠性を損なってしまう。ここで言う顔料着色性とは、樹脂材料を顔料等の練り混みにより着色した場合の発色性を示すものであり、これに優れる樹脂材料は少量の着色剤の使用で目的の色調を得ることができ、一方顔料着色性に劣る樹脂材料は目的の色調を得るために多量の顔料を必要とするためコストの上昇および物性の低下を招きやすくなり好ましくない。この顔料着色性は、特に黒色、ダークグレーおよびダークブルー等の濃色系の着色が必要となる用途において重要となる。
【0011】
一方、従来ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴム系グラフト共重合体を含有する樹脂組成物の顔料着色性を改良する方法として、特開平6−157889号公報に特定の平均粒子径および粒子径分布のグラフト共重合体を用いる方法が、また、特開平8−41141号公報には特定の複合ゴム中のポリジメチルシロキサン量およびグラフトポリマー量のグラフト共重合体を用いる方法が提案されている。
【0012】
しかしこれら従来技術においては、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴム系グラフト共重合体を含有する樹脂組成物の燃焼時のドリップ性に関する記載はなく、また、実施例に示されたグラフト共重合体をPC樹脂あるいはPC/ABSブレンド物および難燃剤と組み合わせた樹脂組成物は、良好な顔料着色性を示すものの、燃焼試験の過程でドリップが発生してしまい、十分な燃焼性を得ることはできない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち従来はPC樹脂あるいはPCとSAN系樹脂(ABS等)をマトリックスとする樹脂材料において、高度なレベルの難燃性、耐衝撃性を有し、さらに優れた顔料着色性を有すことで、濃色系の着色が要求される用途においても良好な顔料着色性を示す材料は未だ見出されておらず、これを満足する技術の開発が強く望まれていた。
【0014】
本発明の目的は、優れた難燃性、耐衝撃性、顔料着色性を有する樹脂を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムにビニル単量体がグラフト重合したグラフト共重合体を乳化重合法により製造する際に用いる乳化剤の種類および重合ラテックスを凝固回収する際に用いる凝固剤の種類と、重合ラテックスのせん断力に対する安定性、凝固後の水分率および得られたグラフト共重合体を含有する樹脂組成物の物性、熱安定性について鋭意検討した結果、驚くべきことに特定の二種の乳化剤を併用した乳化重合法により製造した重合ラテックスを特定の凝固剤を用いて凝固回収することにより、この方法により得られたグラフト共重合体を含有するPC系樹脂組成物が優れた従来にない優れた難燃性が発揮され、かつ優れた熱安定性、物性および顔料着色性を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0016】
すなわち、本発明の要旨とするところは、ポリオルガノシロキサン(a)およびアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)とからなる複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体(c)をグラフト重合し、得られた重合体ラテックスを塩析回収する際に、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前までの間に、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)およびカルボン酸塩乳化剤(2)を添加し、塩析時にカルシウム塩水溶液を用いて得られたグラフト共重合体(A)1〜30重量%、ポリカーボネート樹脂(B)40〜95重量%、リン酸エステル化合物(C)0.1〜30重量%、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)50重量%以下、ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト重合されたグラフト共重合体(E)50重量%以下、およびポリテトラフロロエチレン(F)0.001〜1重量%からなる難燃性樹脂組成物(樹脂組成物中の各成分の合計は100重量%)にある。
また、本発明の要旨はポリオルガノシロキサン(a)およびアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)とからなる複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体(c)をグラフト重合し、得られた重合体ラテックスを塩析回収する際に、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前までの間に、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)およびカルボン酸塩乳化剤(2)を添加し、塩析時にカルシウム塩水溶液を用いてグラフト共重合体(A)を製造し、そのグラフト共重合体(A)1〜30重量%、ポリカーボネート樹脂(B)40〜95重量%、リン酸エステル化合物(C)0.1〜30重量%、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)50重量%以下、ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト重合されたグラフト共重合体(E)50重量%以下、およびポリテトラフロロエチレン(F)0.001〜1重量%を混合して押し出し成形する難燃性樹脂組成物(樹脂組成物中の各成分の合計は100重量%)の製造方法にある。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるグラフト共重合体(A)に用いられるポリオルガノシロキサン(a)は、特に限定されるものではないが、ビニル重合性官能基を含有するポリオルガノシロキサンであることが好ましい。ビニル重合性官能基含有シロキサン単位0.3〜3モル%およびジメチルシロキサン単位97〜99.7モル%からなり、かつ3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケイ素原子に対し1モル%以下であることがより好ましい。
【0018】
ポリオルガノシロキサン(a)中のビニル重合性官能基含有シロキサン単位が0.3モル%未満では、アルキル(メタ)アクリレートゴム(b)との複合化が不十分となりやすく、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物成形品の表面におけるポリオルガノシロキサン(a)のブリードアウトに由来する外観不良が発生しやすい。また、ポリオルガノシロキサン(a)中のビニル重合性官能基含有シロキサシ単位が3モル%を超えるかあるいは3個以上のシロキサン結合を有するケイ素原子がポリオルガノシロキサン(a)中の全ケイ素原子に対し1モル%を超える場合には、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性が低くなりやすい。
【0019】
さらにグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性と成形外観の両方を考慮すると、ポリオルガノシロキサン(a)中のビニル重合性官能基含有シロキサン単位は0.5〜2モル%であることが好ましく、0.5〜1モル%であることがより好ましい。
【0020】
本発明におけるグラフト共重合体(A)を構成する複合ゴム((a)+(b))中のポリオルガノシロキサン(a)の量は1〜20重量%であることが好ましい。1重量%未満ではポリオルガノシロキサン(a)量が少ないため耐衝撃性および難燃性が低くなりやすく、20重量%を超えるとグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物成形品の顔料着色性が低下する傾向を示す。また、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性、難燃性および顔料着色性を考慮すると、複合ゴム((a)+(b))中のポリオルガノシロキサン(a)の量は好ましくは6〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%である。
【0021】
ポリオルガノシロキサン(a)の製法としては、ジメチルシロキサン化合物とビニル重合性官能基含有シロキサンからなる混合物またはさらに必要に応じてシロキサン系架橋剤を含む混合物を乳化剤と水によって乳化させたラテックスを、高速回転によるせん断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して微粒子化した後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性物質により酸を中和する方法が挙げられる。重合に用いる酸触媒の添加方法としては、シロキサン混合物、乳化剤および水とともに浸合する方法と、シロキサン混合物が微粒子化したラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法等があるが、ポリオルガノシロキサン(a)の粒子径の制御のしやすさを考慮するとシロキサン混合物が微粒子化したラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法が好ましい。
【0022】
ポリオルガノシロキサン(a)粒子の大きさは特に限定されないが、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の顔料着色性を考慮すると、重量平均粒子径が0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
【0023】
また、ポリオルガノシロキサン(a)の製造に用いるジメチルシロキサン化合物としては、3員環以上の環状ジメチルシロキサンが挙げられ、3〜6員環のものが好ましい。具体的にはへキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられるが、これらは単独でまたは二種以上混合して用いられる。
【0024】
また、ビニル重合性官能基含有シロキサンとしては、ビニル重合性官能基を含有しかつジメチルシロキサン化合物とシロキサン結合を介して結合し得るものであり、ジメチルシロキサン化合物との反応性を考慮するとビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。具体的には、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシランおよびδ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン、p−ビニルフエニルジメトキシメチルシランさらにγ‐メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。これらビニル重合性官能基含有シロキサンは、単独でまたは二種以上の混合物として用いることができる。
【0025】
シロキサン系架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフエニルンラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
【0026】
また、ポリオルガノシロキサン(a)の製造の際に用いる乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用される。特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ましい。これらの乳化剤は、シロキサン混合物100重量部に対して0.05〜5重量部程度の範囲で使用される。使用量が少ないと分散状態が不安定となり微小な粒子径の乳化状態を保てなくなる。また、使用量が多いとこの乳化剤に起因する樹脂組成物成形品の着色が生じる。
【0027】
シロキサン混合物、乳化剤、水および/または酸触媒を混合する方法は、高速撹拌による混合、ホモジナイザーなどの高圧乳化装置による混合などがあるが、ホモジナイザーを使用した方法は、ポリオルガノシロキサン(a)ラテックスの粒子径の分布が小さくなるので好ましい方法である。
【0028】
ポリオルガノシロキサン(a)の重合に用いる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの酸触媒は単独でまたは二種以上を組み合わせて用いられる。また、これらの中では、ポリオルガノシロキサン(a)ラテックスの安定化作用にも優れている点で脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。また、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫酸などの鉱酸とを併用すると、ポリオルガノシロキサン(a)ラテックスの乳化剤成分に起因する樹脂組成物の着色を低減させることができる。
【0029】
ポリオルガノシロキサン(a)の重合温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。
【0030】
また、ポリオルガノシロキサン(a)の重合時間は、酸触媒をシロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合、微粒子化させて重合する場合は2時間以上、より好ましくは5時間以上であり、酸触媒の水溶液中にシロキサン混合物が微粒子化したラテックスを低下する方法では、ラテックスの滴下終了後1時間程度保持することが好ましい。
【0031】
重合の停止は、反応液を冷却、さらにラテックスを苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質で中和することによって行うことができる。
グラフト共重合体(A)を構成するアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)は、アルキル(メタ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレートとの重合物であり、複合ゴムはポリオルガノシロキサン(a)ラテックスにアルキル(メタ)アクリレートとおよび多官能アルキル(メタ)アクリレートからなるアルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後重合させることによって製造することができる。
【0032】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびへキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
【0033】
多官能性アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。また、多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量は、アルキル(メタ)アクリレート成分中0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.2〜1重量%である。アルキル(メタ)アクリレートや多官能性アルキル(メタ)アクリレートは単独でまたは二種以上併用して用いられる。
【0034】
本発明に用いるポリオルガノシロキサン(a)とアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)からなる複合ゴム((a)+(b))は、ポリオルガノシロキサン(a)成分のラテックス中ヘ上記アルキル(メタ)アクリレート成分を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合することによって調製できる。アルキル(メタ)アクリレートを添加する方法としては、ポリオルガノシロキサン(a)成分のラテックスと一括で混合する方法とポリオルガノシロキサン(a)成分のラテックス中に一定速度で滴下する方法がある。なお、得られるグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性を考慮するとポリオルガノシロキサン(a)成分のラテックスを一括で混合する方法が好ましい。また、重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸にナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
【0035】
上記複合ゴムの存在下に、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体(c)をラジカル重合することにより、グラフト共重合体(A)が得られる。その(c)の量は特に限定されるものではないが、好ましくは複合ゴム100重量部に対して、65〜400重量部、より好ましくは100〜250重量部、さらに好ましくは100〜150重量部である。65重量部未満ではグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物成形品の顔料着色性が低下する傾向を示し、また、400重量部を超えるとゴム量が低くなるため耐衝撃性が低くなりやすい。
【0036】
上記(c)成分に用いられる芳香族アルケニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、メタクリル酸エステルとしては例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等であり、アクリル酸エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられ、シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。このうち、難燃性およびポリカーボネート樹脂との相溶性を考慮するとスチレンおよびアクリロニトリルの混合物が好ましい。
【0037】
グラフト重合は、複合ゴム((a)+(b))のラテックスに芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体(c)を加え、ラジカル重合法により一段であるいは多段で行うことができるが、得られるグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性および顔料着色性を考慮すると二段以上で重合を行うことが好ましい。また、重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸にナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好ましい。
【0038】
また、グラフト重合において用いる単量体中にはグラフトポリマーの分子量やグラフト率を調製するための各種連鎖移動剤を添加することができる。
【0039】
また、上記のように調製されるグラフト共重合体(A)の粒子径は特に限定されるものではないが、得られるグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性と顔料着色性の両方を考慮すると、重量平均粒子径が0.07〜0.5μmであることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.3μm、より好ましくは0.10〜0.15μm、である。
【0040】
本発明で使用するグラフト共重合体(A)の製造方法は、複合ゴムの製造の開始の後、グラフト共重合体(A)ラテックスの塩析回収を実施する前までの段階において、乳化剤を追加添加する必要がある。
【0041】
乳化剤を追加添加せず、ポリオルガノシロキサン(a)ラテックス中に含まれていた乳化剤のみで重合した場合は、重合ラテックスのせん断力に対する安定性が低く、重合時の撹拌によるせん断力、重合後のラテックスの移送のためのポンプによるせん断力等により、容易にラテックスが崩壊し、重合カレットあるいはポンプの閉塞等を招き好ましくない。
【0042】
一般に、重合ラテックスのせん断力に対する安定性は、ホモミキサー等の撹拌混合装置を用いてラテックスにせん断力を与え、ラテックスが崩壊し、撹拌による流動が停止するまでの時間によって判断され、工業的に通常用いられている移送ポンプあるいは重合中の撹拌によるせん断力を考慮すると、ホモミキサーを用いた上記の方法で測定した流動停止までの時間(以下流動停止時間という)の好ましい範囲は3分以上、より好ましくは5分以上である。この方法で測定した流動停止時間が1分以下の場合は、重合ラテックスのせん断力に対する安定性が不足するため、工業的に通常用いられている移送ポンプあるいは重合中の撹拌によるせん断力により、容易にラテックスが崩壊し、重合カレットあるいはポンプの閉塞等を招く。
【0043】
本発明で使用されるグラフト共重合体(A)の製造においては、上記追加添加する乳化剤として、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)とカルボン酸塩乳化剤(2)を併用する。スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)のみを追加添加した場合には、重合ラテックスのせん断力に対する安定性が不足、凝固後の水分率が高くなるため好ましくない。これを改良するためには乳化剤の使用量を増やす必要があるが、乳化剤の使用量を増やすとラテックスの凝固回収性およびグラフト共重合体(成分A)を含む樹脂組成物の熱安定性および難燃性を損なわれる。一方、カルボン酸塩乳化剤(2)のみを追加添加した場合には、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の熱安定性および難燃性が損なわれる。
【0044】
スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)として用いるものとしては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩乳化剤、およびラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフエートおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフエート等の硫酸塩乳化剤が挙げられ、これらの一種または2種以上を用いることができる。このうちグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の熱安定性、難燃性を考慮すると、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテルサルフエートが好ましい。
【0045】
一方、カルボン酸塩乳化剤(2)としては、牛脂系脂肪酸石鹸、ヤシ油系脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩等の各種精製脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸ジカリウム塩およびN−ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩等が挙げられ、このうち重合ラテックスのせん断力に対する安定性と凝固後の水分率さらにグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の熱安定性、難燃性を考慮するとアルケニルコハク酸ジカリウム塩が好ましい。
【0046】
乳化剤(1)および(2)は重合ラテックスのせん断力に対する安定性を配慮して必要量使用される。乳化剤(1)の使用量の好ましい範囲は重合ラテックス中の固形分に対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜1.0重量部である。また乳化剤(2)の使用量の好ましい範囲は重合ラテックス中の固形分に対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜1.0重量部である。
【0047】
乳化剤(1)および(2)の添加の方法は、ポリオルガノシロキサン(a)にアルキル(メタ)アクリレートを含浸させ重合する前での添加、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルまたはシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重合する前での添加、グラフト重合が完了するまでの間の添加、およびグラフト重合が完了して塩析する前の段階での添加のいずれの時期にも添加することができる。また、乳化剤(1)および(2)の添加の順序は特に限定されるものではない。
【0048】
本発明の樹脂組成物を構成するグラフト共重合体(A)の製造方法においては、グラフト重合を行った後この重合ラテックスをカルシウム塩水溶液中に投入し、塩析させることでグラフト共重合体(A)を回収する。用いるカルシウム塩としては、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウムおよび臭化カルシウム等の水溶性のカルシウム塩が挙げられ、このうち凝固性および経済性を考慮すると塩化カルシウムおよび酢酸カルシウムが好ましい。用いるカルシウム塩の量は特に限定されるものではないが、少な過ぎる場合には凝固回収が不能となり、また多過ぎる場合には凝固回収したグラフト共重合体(A)中に残存するカルシウム元素の量が増え、このグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の熱安定性、難燃性が低下する傾向を示す。
【0049】
このグラフト共重合体(A)中に残存するカルシウム元素の量は、凝固回収した重合体を水洗することによっても低減させることができる。グラフト共重合体(A)を含有した樹脂組成物の熱安定性を考慮すると、残存するカルシウム元素の好ましい量は5000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下である。
【0050】
マグネシウム塩やアルミニウム塩のようなカルシウム塩以外の塩を凝析剤として用いると、得られたグラフト共重合体(A)を含むポリカーボネート樹脂と混合して、樹脂組成物として使用する場合に、成形物の耐衝撃性が低く、また熱安定性、難燃性に劣ったものとなってしまう。
【0051】
本発明の樹脂組成物を構成するグラフト共重合体(A)の製造方法においては、上記のようにして凝固させたグラフト共重合体(A)を水中より分離回収し、次いで乾燥処理により重合体中の水分の除去を行う。乾燥処理に要するエネルギー量の観点からは、凝固回収後乾燥前のグラフト共重合体(A)中の水分量は少ないほど好ましい。通常工業的に用いられる流動乾燥装置あるいは気流乾燥装置を利用する場合、装置の乾燥能力および処理時問を考慮すると、凝固回収後乾操前のグラフト共重合体(A)中の水分率の好ましい範囲は、吸湿した重合体に対し50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下である。
【0052】
本発明の樹脂組成物の構成成分であるグラフト共重合体(A)は、好ましくはアセトン溶媒に対する不溶分を70〜99重量%含み、かつアセトン可溶分の0.2g/100ccN,N−ジメチルホルムアミド溶液として25℃で測定した還元粘度が0.30〜0.70dl/gである。
【0053】
アセトン溶媒に対する不溶分が70重量%未満の場合は、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性がやや低下する傾向を示し、一方99重量%を超えるとグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の成形光沢が低下する傾向を示す。
【0054】
また、アセトン可溶分の0.2g/100ccN,N−ジメチルホルムアミド溶液として25℃で測定した還元粘度が0.30dl/g未満の場合は、グラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の耐衝撃性がやや低下する傾向を示し、一方0.70dl/g超えるとグラフト共重合体(A)を含む樹脂組成物の低温度成形時の光沢がやや低下する傾向を示す。
【0055】
本発明に係る樹脂組成物の耐衝撃性と低温度成形時の光沢の両方を考慮すると、アセトン不溶分のより好ましい範囲は、75〜95重量%、さらに好ましくは80〜95重量%であり、アセトン可溶分の0.2g/100ccN,N−ジメチルホルムアミド溶液として25℃で測定した還元粘度のより好ましい範囲は、0.50〜0.70dl/g、さらに好ましくは0.55〜0.65dl/gの範囲である。
【0056】
上記アセトン不溶分量の範囲およびアセトン可溶分の溶液粘度の範囲のグラフト共重合体(A)を製造する方法としては特に限定されるものではないが、好ましい例としては芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体(c)がグラフト重合する時に、重合速度を司る重合開始剤量(硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリットおよびヒドロパ−オキサイドを組み合わせたスルホキシレ−ト系開始剤の場合は、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の使用量あるいはロンガリットの使用量あるいはヒドロパ−オキサイドの使用量)を制限させる方法、あるいはグラフト重合時に用いる芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体(c)中に各種メルカプタン化合物、スチレンダイマー等の連鎖移動剤を混合使用する方法あるいは重合温度を制限する方法、等が挙げられ、このうちアセトン不溶分の量およびアセトン可溶成分の溶液粘度の制御のしやすさを考慮すると、重合速度を司る重合開始剤量(硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリットおよびヒドロパ−オキサイドを組み合わせたスルホキシレ−ト系開始剤の場合は、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩の使用量あるいはロンガリットの使用量あるいはヒドロパ−オキサイドの使用量)を制限させる方法が好ましい。
【0057】
本発明に係る樹脂組成物中のグラフト共重合体(A)の含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の耐衝撃性および難燃性を考慮すると、樹脂組成物中の各成分の合計を100重量%とした場合、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
【0058】
本発明の樹脂組成物を構成するポリカ−ボネ−ト樹脂(B)としては、公知の方法で製造されるものが用いられる。すなわち、▲1▼単官能性芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシ化合物から得られる炭酸のジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応、▲2▼ジヒドロキシ化合物とそれ自身あるいは他のジヒドロキシ化合物のビスアルキル、またはビスアリルカ−ボネ−トとのエステル交換反応、▲3▼酸素結合剤の存在下でジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応、▲4▼酸素結合剤の存在下でジヒドロキシ化合物とジヒドロキシ化合物のビスクロロ炭酸エステルとの反応による製造法等が挙げられる。代表的には、ビスフェノ−ルAを酸素結合剤および溶剤の存在下で塩化カルボニルと反応させる製造法がある。
【0059】
本発明の樹脂組成物中のポリカ−ボネ−ト樹脂(B)の含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の耐衝撃性および難燃性を考慮すると、樹脂組成物中の各成分の合計を100重量%とした場合、好ましくは1〜99.9重量%、さらに好ましくは10〜95重量%さらに好ましくは40〜95重量%である。
【0060】
本発明の樹脂組成物で使用されるリン酸エステル化合物(C)の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、アルコキシ置換ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等のポリホスフェートが挙げられ、好ましくはトリフェニルホスフェートおよび各種ポリホスフェートである。
【0061】
リン酸エステル系化合物(C)の含有量は、必要な難燃性のレベルに応じて決定されるが、該樹脂組成物の難燃性と耐熱性の両方を考慮すると樹脂成分の合計が100重量%に対して0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20重量%の範囲である。
【0062】
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、N−置換マレイミド化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)、ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重合したグラフト共重合体(E)およびポリテトラフロロエチレン(F)を含むことができる。
【0063】
芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、N−置換マレイミド化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)の具体例としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられ、樹脂組成物中の共重合体(D)の含有量としては特に限定されるものではないが、樹脂組成物の燃焼試験時のドリップ防止効果を考慮すると、樹脂組成物の合計100重量%に対し50重量%以下であり、さらに好ましくは30重量%以下である。
【0064】
ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重合したグラフト共重合体(E)の具体例としては、ABSグラフトポリマー、AESグラフトポリマー、ASAグラフトポリマー等である。これらグラフト共重合体(E)は、本発明に係る樹脂組成物の耐衝撃性、耐薬品性、流動性および耐候性等を補うために用いるものであり、必要に応じて用いることができる。本発明に係る樹脂組成物中のグラフト共重合体(E)の含有量としては特に限定されるものではないが、樹脂組成物の燃焼試験時のドリップ防止効果を考慮すると、樹脂組成物の合計100重量%に対し50重量%以下であり、さらに好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0065】
本発明の樹脂組成物に用いるポリテトラフロロエチレン(F)は、燃焼時の耐ドリップ性をを補うものであり、その添加量は特に限定されるものではないが、樹脂組成物の耐衝撃性を考慮すると、樹脂組成物100重量%に対して、0〜1重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.001〜1重量%の範囲である。
【0066】
本発明の樹脂組成物はグラフト共重合体(A)、ポリカ−ボネ−ト樹脂(B)、リン酸エステル系化合物(C)および必要に応じて上記(D)、(E)および(F)を通常の公知の混練機械によって押し出し成形することにより製造することができる。このような成形機としては押出機、射出成形機、ブロー成形機、カレンダー成形機およびインフレーション成形機等が挙げられる。
【0067】
さらに、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強剤、充填材、難燃助剤等を配合することができる。
【0068】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば各種OA機器のハウジング、OA機器のシャーシー部品、家電機器のハウジング、食器用途、表示部品および各種建材部材等の難燃性が必要となる用途が挙げられる。
【0069】
以下実施例により本発明を説明する。なお、参考例、実施例および比較例において『部』および『%』は特に断らない限り『重量部』および『重量%』を意味する。
【0070】
参考例におけるラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径および実施例におけるラテックス中のグラフト共重合体(A)の重量平均粒子径は、大塚電子(株)社製DLS−700型を用いた動的光散乱法により求めた。
【0071】
参考例におけるせん断力に対する重合ラテックスの安定性は、ビーカー中に入れた重合ラテックス300gを50℃に保ち、これをホモミキサー(特殊理化工業(株)社製T.K.AUTOホモミキサー)で10000回転毎秒の条件で攪拌し、この攪拌によるせん断力によってラテックスが崩壊し、固形分析出によって流動が停止するまでの時間を測定することによって行った。
【0072】
参考例における凝固後乾燥前の重合体中の水分率の測定は、遠心脱水処理したグラフト共重合体(A)を85℃で乾燥した際の乾燥前重量と乾燥後重量を測定し、以下の式で算出した。
【0073】
水分率(%)=((乾燥前重量−乾燥後重量)/乾燥前重量)×100
参考例におけるグラフト共重合体(A)中のカルシウム元素濃度およびアルミニウム元素濃度は、所定量のグラフト共重合体(A)を600℃で灰化し、これを用いた塩酸水溶液からの原子吸光分析によりカルシウムを定量することによって行った。
【0074】
参考例におけるグラフト共重合体(A)中のアセトン不溶分量の測定は、冷却管および加熱器を備えたフラスコ中にグラフト共重合体(A)約2.5g(秤量)およびアセトン80mlを入れ、加熱器により65℃で3時間加熱抽出処理を行い、冷却後次いで内液を日立工機(株)遠心分離器を用いて15000回転/分の条件で30分処理することによって、アセトン不溶分を分離し、ついで上澄みを取り除いた後の沈殿物を乾燥後、その重量を測定し、以下の式で算出した。
【0075】
アセトン不溶分(重量%)=(分離処理後の沈殿物乾燥重量/アセトン抽出前のグラフト共重合体(A)重量)×100
また、参考例におけるグラフト共重合体(A)中のアセトン可溶成分の還元粘度の測定は、上記グラフト共重合体(A)のアセトン溶媒での抽出、次いで遠心分離処理によるアセトン不溶分の分離によって得た上澄み液中のアセトン溶媒を減圧蒸発させることによってアセトン可溶成分を析出回収し、次いでこのアセトン可溶成分0.2gを100ccのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の溶液粘度を自動粘度計(SAN DENSHI(株)社製)を用いて25℃で測定し、同条件で測定した溶媒粘度よりアセトン可溶分の還元粘度を求めた。
【0076】
実施例および比較例における樹脂組成物の製造において、下記原料を使用した。
【0077】
ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ユーピロンS2000F
フェニルレゾルシンポリホスフェート:大八化学(株)社製CR733S
アクリロニトリル−スチレン共重合体:アクリロニトリル成分29重量%およびスチレン成分71重量%よりなり、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から測定した還元粘度が0.90dl/gであるアクリロニトリル−スチレン共重合体を懸濁重合法にて調製し、使用した。
【0078】
ABSグラフト共重合体:酸基含有共重合体にて肥大化したポリブタジエン100部にアクリロニトリル(30部)とスチレン(70部)の混合物をグラフト重合させたABSグラフト共重合体を乳化重合法にて調製し使用した。
【0079】
ポリテトラフロロエチレン:三井デュポンフロロケミカル社製テフロン30J実施例および比較例におけるアイゾット衝撃強度の測定は、ASTM D258に準拠した方法により行った。
【0080】
また、実施例および比較例における樹脂組成物の成形外観評価は、東芝機械(株)社製射出成形機IS−100ENを用いて成形した100mm×100mm×3mm板表面の目視観察により、顔料着色性はJIS Z8729に準拠した色相測定によりL*値を求めることによって、また光沢度はMURAKAMI COLOR RESERCH LABORATORY社製デジタル光沢計GM−26Dを用い、入射角60°受光角60°の条件で測定することによってそれぞれ評価した。
【0081】
また、実施例および比較例における樹脂組成物の難燃性は、UL94/5VのA法に準拠した方法で行い、試験片をバーナーに5回あてて、燃焼およびグローイング時間の測定、滴下物の有無の観察(ドリップした試験片の数を測定)行った。なお、試験片の厚みは、2.5mmであった。
【0082】
【実施例】
(参考例1)ポリオルガノシロキサン(L−1)ラテックスの製造
オクタメチルシクロテトラシロキサン98部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部を混合してシロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサ−にて10000回転/分で2分間撹拌した後、ホモジナイザ−に200kg/cm2の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
【0083】
一方、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留水90部とを注入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
【0084】
この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。次いでこの反応物を苛性ソ−ダ水溶液で中和した。
【0085】
このようにして得られたラテックスを170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、17.7%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径は0.05μmであった。
【0086】
(参考例2) グラフト共重合体(S−1)の製造
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、参考例1で製造したポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)45.2部、エマールNC−35(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート;花王(株)社製)0.2部を採取し、蒸留水148.5部を添加混合した後、ブチルアクリレ−ト42部、アリルメタクリレ−ト0.3部、1,3−ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト0.1部およびt−ブチルハイドロパ−オキサイト0.11部の混合物を添加した。
【0087】
この反応器に窒素気流を通じることによって、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.000075部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.000225部およびロンガリット0.2部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始せしめた。アクリレ−ト成分の重合により、液温は78℃まで上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレ−ト成分の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルアクリレ−トゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
【0088】
反応器内部の液温が70℃に低下した後、ロンガリット0.25部を蒸留水10部に溶解した水溶液を添加し、次いでアクリロニトリル2.5部、スチレン7.5部およびt−ブチルハイドロパ−オキサイト0.05部の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度60℃の状態を1時間保持した後、硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.2部およびエマールNC−35(花王(株)社製)0.2部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、次いでアクリロニトリル10部、スチレン30部およびt−ブチルハイドロパ−オキサイト0.2部の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度60℃の状態を0.5時間保持した後キュメンヒドロパ−オキサイト0.05部を添加し、さらに温度60℃の状態を0.5時間保持した後冷却した。このラテックスにラテムルASK(アルケニルコハク酸ジカリウム塩;花王(株)社製)を0.5部添加し、ポリオルガノシロキサンとブチルアクリレ−トゴムとからなる複合ゴムに、アクリロニトリル、スチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体(S−1)の重合ラテックスを得た。
【0089】
動的光散乱法より求めたラテックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.12μmであった。
【0090】
また、この重合ラテックスのせん断力に対する安定性は、ホモミキサー試験で5分と良好であった。
【0091】
次いで酢酸カルシウムを1%の割合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し撹拌した。この中へグラフト共重合体のラテックス100部を徐々に滴下し凝固した。次いで析出物を分離し、洗浄した後、遠心器(国産遠心器(株)社製;H−130E)を用いて1800回転毎秒の条件で2分間脱水処理した。
【0092】
得られた粉体状のグラフト共重合体の水分率は、35%であった。
【0093】
次いで、85℃で24時間乾燥し、グラフト共重合体(S−1)を得た。
【0094】
このグラフト共重合体(S−1)中のカルシウム濃度は、900ppmであった。
【0095】
また、グラフト共重合体(S−1)中のアセトン不溶分は85%であり、アセトン可溶成分の還元粘度は0.58dl/gであった。
【0096】
(参考例3) グラフト共重合体(T−1)の製造
複合ゴムの製造時およびグラフト重合開始時に添加したエマールNC−35の代わりにラテムルASKに変更して添加したことを除き参考例2と全く同様にしてグラフト共重合体(T−1)の重合ラテックスを得た。動的光散乱法より求めたラテックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.12μmであった。また、この重合ラテックスのせん断力に対する安定性は、ホモミキサー試験で5分と良好であった。
【0097】
得られた粉体状のグラフト共重合体の水分率は、30%であった。85℃で24時間乾燥し、グラフト共重合体(T−1)を得た。このグラフト共重合体(T−1)中のカルシウム濃度は1500ppmであった。
【0098】
また、グラフト共重合体(S−1)中のアセトン不溶分は85%であり、アセトン可溶成分の還元粘度は0.56dl/gであった。
【0099】
(参考例4) グラフト共重合体(T−2)の製造
凝固回収に用いる凝固剤を酢酸カルシウムから硫酸アルミニウムに変更したことを除き参考例2と全く同様にしてグラフト共重合体(T−2)を得た。得られた粉体状のグラフト共重合体の水分率は、28%であった。またこのグラフト共重合体(T−2)中のアルミニウム濃度は700ppmであった。
【0100】
実施例1 樹脂組成物の製造
ポリカーボネート樹脂66.7部、参考例2で製造したグラフト共重合体(S−1)12部、フェニルレゾルシンポリホスフェート9部、アクリロニトリル−スチレン共重合体12部、ポリテトラフロロエチレン0.3部(固形分換算)およびカーボンブラック(三菱化学(株)社製#960)0.8部をヘンシェルミキサ−を用いて混合し、この混合物を250℃に加熱した二軸押出機(東芝機械(株)社製TEM−35B)に供給し、混練してペレットを得た。
【0101】
得られたペレットをシリンダ温度250℃、金型温度80℃に設定した射出成形機によって試験片を成形した。この試験片によりアイゾット衝撃強度の測定および燃焼試験を実施した。
【0102】
また、得られたペレットをシリンダー温度250℃、金型温度80℃に設定した射出成形機によって寸法100mm×100mm×3mmの板を成形した。この成形板の光沢度およびL*値を測定するとともに、目視観察により成形外観の評価を行った。
【0103】
以上の測定結果を表1に示す。
【0104】
実施例2 樹脂組成物の製造
実施例1におけるグラフト共重合体(S−1)の配合量を7部に変更し、さらにABSグラフト共重合体を5部追加配合する以外は同様の方法で、樹脂組成物のペレットを製造し、これを用いた耐衝撃性試験、成形外観評価および燃焼試験を実施例1と同様の方法で実施した。
【0105】
以上の測定結果を表1に示す。
【0106】
比較例1および2 樹脂組成物の製造
実施例1におけるグラフト共重合体(S−1)を参考例3で製造したグラフト共重合体(T−1)および参考例4で製造したグラフト共重合体(T−2)に変更する以外は同様の方法で樹脂組成物のペレットを製造し、これを用いた耐衝撃性試験、成形外観評価および燃焼試験を実施例1と同様の方法で実施した。
【0107】
以上の測定結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
以上の実施例および比較例より、次のことが明らかとなった。
【0110】
1)実施例1および2の樹脂組成物は、高いアイゾット衝撃強度、良好な成形外観、優れた顔料着色性および良好な難燃性を示した。
【0111】
2)比較例1の樹脂組成物は、これを構成するグラフト共重合体(A)の製造時に、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前までの間に、カルボン酸塩乳化剤(2)のみを使用しているため、成形品表面にくもりが発生し、さらに燃焼試験時にドリップが発生し難燃性が低下する結果となった。
【0112】
3)比較例2の樹脂組成物は、これを構成するグラフト共重合体(A)の製造時の塩析回収にアルミニウム塩を使用しているため、アイゾット衝撃強度が低く、また成形品表面にくもりが発生し、さらに燃焼試験時にドリップが発生し難燃性が低下する結果となった。
【0113】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物は、耐衝撃性、表面硬度、成形外観、顔料着色性のバランスに優れるとともに、難燃性にも優れ、各種工業材料として有用である。
Claims (2)
- ポリオルガノシロキサン(a)およびアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)とからなる複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体(c)をグラフト重合し、得られた重合体ラテックスを塩析回収する際に、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前までの間に、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)およびカルボン酸塩乳化剤(2)を添加し、塩析時にカルシウム塩水溶液を用いて得られたグラフト共重合体(A)1〜30重量%、ポリカーボネート樹脂(B)40〜95重量%、リン酸エステル化合物(C)0.1〜30重量%、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)50重量%以下、ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト重合されたグラフト共重合体(E)50重量%以下、およびポリテトラフロロエチレン(F)0.001〜1重量%からなる難燃性樹脂組成物(樹脂組成物中の各成分の合計は100重量%)。
- ポリオルガノシロキサン(a)およびアルキル(メタ)アクリレートゴム(b)とからなる複合ゴムに、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体(c)をグラフト重合し、得られた重合体ラテックスを塩析回収する際に、複合ゴムの製造開始の後グラフト共重合体ラテックスを塩析回収する前までの間に、スルホン酸塩もしくは硫酸塩乳化剤(1)およびカルボン酸塩乳化剤(2)を添加し、塩析時にカルシウム塩水溶液を用いてグラフト共重合体(A)を製造し、そのグラフト共重合体(A)1〜30重量%、ポリカーボネート樹脂(B)40〜95重量%、リン酸エステル化合物(C)0.1〜30重量%、芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体を構成成分とする(共)重合体(D)50重量%以下、ゴム質重合体に芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種の単量体がグラフト重合されたグラフト共重合体(E)50重量%以下、およびポリテトラフロロエチレン(F)0.001〜1重量%を混合して押し出し成形する難燃性樹脂組成物(樹脂組成物中の各成分の合計は100重量%)の製造方法。
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