JP4057402B2 - 携帯通信端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯通信端末装置に関し、例えばカメラ付携帯電話機に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機本体の所定部位にCCD(Charge Coupled Device)カメラを備えたカメラ付携帯電話機が製品化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなカメラ付携帯電話機においては、CCDカメラによって撮像対象を撮像しながら、任意のタイミングでスチルカメラのように当該撮像対象を撮影できるようになされている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001-320463 公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成のカメラ付携帯電話機においては、撮像対象を瞬間的に照明するストロボを取り付けることができ、スチルカメラのように用いる際に、CCDカメラによって撮像対象を撮影する瞬間にストロボを発光させることにより、室内や夜間等の比較的暗い場所であってもCCDカメラの露出不足を防止して適切な露出で撮像対象を撮影できるようになされている。
【0006】
実際上、このようなカメラ付携帯電話機においては、撮像対象を撮影する瞬間にストロボを発光させる場合、当該撮影に先立ってカメラ付携帯電話機のバッテリ等でなる電源部から電力を供給してストロボを満充電しておく必要がある。
【0007】
ところがかかる構成のカメラ付携帯電話機においては、例えばストロボに電力を供給している際に着信があり、当該着信に応じてデータ通信が開始されると、ストロボを充電するための電力消費に加えて、送信信号を送信する際に比較的多くの電力が消費されることにより、電源部の電圧値が急激に低下して起動状態を維持できなくなる場合があるという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、照明手段への電力供給中にデータを送信する場合でも起動状態を維持して動作し得る携帯通信端末装置を提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、データを送受信してデータ通信を実行する通信手段と、データ通信時に通信手段に動作用の電力を供給すると共に、撮像手段が撮像している撮像対象を照明する照明手段に照明用の電力を供給する電力供給手段と、データ通信時に電力供給手段から照明手段へ電力を供給する場合、通信手段が少なくともデータを送信するための送信動作を行っている間は照明手段への電力の供給を中断するように電力供給手段を制御する制御手段と、電力供給手段による通信手段及び照明手段以外の他の所定の回路ブロックに対する電力の供給状態を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に応じて、照明手段に電力の供給を行う電力供給時間を決定する決定手段とを設けるようにする。
【0010】
従って、携帯通信端末装置では、照明手段に電力を供給している際にデータ通信が実行されている場合であっても、少なくとも当該データ通信時に通信手段において最も電力を消費する送信動作中に照明手段に対する電力供給を中断することにより、通信手段と照明手段とに同時に電力が供給されることを回避して、データ通信時に電力供給手段の電圧値が急激に低下することを防止することができ、また、他の所定の回路ブロックに対する電力の供給状態に応じて、照明手段に電力の供給を行う電力供給時間を決定することにより、照明手段に電力を供給している際に著しく電力が消費することを極力抑えることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
図1において、1は全体としてカメラ付携帯電話機を示し、第1の筐体(以下、これを上側筐体と呼ぶ)2と第2の筐体(以下、これを下側筐体と呼ぶ)3とがヒンジ部4を介して折り畳み可能に形成されている。
【0013】
上側筐体2は、上側右部に送受信用のアンテナ5が引出し及び収縮可能な状態で取り付けられていると共に、上側中央部にスピーカ6が設けられており、当該スピーカ6を介して通話相手の音声や着信通知音等を出力する。
【0014】
また、上側筐体2の正面には、スピーカ6の下側に例えばLCD(Liquid Crystal Display)でなる表示部(以下、これを正面表示部と呼ぶ)7が設けられており、当該正面表示部7に各種機能に対応したメニュー画面や電波強度、電池残料、着信履歴、電子メール文及び簡易ホームページ等の各種情報を表示する。
【0015】
一方、下側筐体3には、正面下部にマイクロホン9が設けられており、当該マイクロホン9によって通話時のユーザの音声を集音する。
【0016】
また、下側筐体3には、正面中央部に「0」〜「9」の数字キー、発呼キー、終話キー、電子メールキー及びシャッターキー10A等の複数の操作キーと、回動操作及び押下操作可能なジョグダイヤルとによって構成された操作部10が設けられており、操作部10の操作に応じてメニュー画面上での項目選択や発呼処理、映像音声通信、データ通信等の種々の処理を実行し得るようになされている。
【0017】
そして図2に示すように、下側筐体3の背面には、バッテリパック11が装着されており、操作部10の操作により電源の投入が指示されると、当該バッテリパック11から内部の回路ブロックに対して電力を供給することにより、カメラ付携帯電話機1を起動して動作可能な状態にする。
【0018】
一方、上側筐体2の背面には、上側に撮像手段としてのCCDカメラ12と、当該CCDカメラ12の下側に例えばLCDでなり、かつ正面表示部7に比して小型の表示部(以下、これを背面表示部と呼ぶ)13とが設けられており、当該背面表示部13に現在時刻や電波強度、着信履歴等の各種情報を表示する。
【0019】
ここで正面表示部7及び背面表示部13には、各種情報の他に、CCDカメラ12によって撮像対象を撮像することにより得られた撮像動画像を表示し得るようになされている。
【0020】
そしてカメラ付携帯電話機1においては、操作部10を介して正面表示部7及び背面表示部13の表示形態を選択し得るようになされており、当該表示形態の選択内容に応じて正面表示部7及び背面表示部13の双方、或いはいずれか一方を選択的に起動させて各種情報や撮像動画像等を表示する。
【0021】
ところでカメラ付携帯電話機1においては、CCDカメラ12を介して撮像対象を撮像することにより得られた撮像動画像を正面表示部7等に表示している際、スチルカメラのように任意のタイミングでシャッターキー10Aが押下されると、撮像動画像を構成する複数の静止画像のうち当該シャッターキー10Aが押下されたタイミングで生成した1枚の静止画像を写真画像として得ることができ、これを正面表示部7等に表示する。
【0022】
かかる構成に加えて、このカメラ付携帯電話機1の場合、上側筐体2の右側側面上部には、着脱自在なメモリスティック(ソニー(株)登録商標)を挿入するためのメモリスティックスロット14が設けられている。
【0023】
この場合、カメラ付携帯電話機1においては、メモリスティックの規格に準じた平板状の差込み部15Aと、当該差込み部15Aの一端に設けられたフラッシュライト15Bとを有するストロボ15が、当該差込み部15Aをメモリスロット11に挿入することにより装着し得るようになされている。
【0024】
またカメラ付携帯電話機1は、ストロボ15を装着した状態で操作部10の操作に応じてストロボ充電命令が与えれると、バッテリパック11からストロボ15に対して電力を供給することにより、当該ストロボ15を動作可能な状態に満充電する。
【0025】
そしてカメラ付携帯電話機1は、ストロボ15を満充電した状態でCCDカメラ12により撮像対象を撮像している際にシャッターキー10Aが押下されると、当該シャッターキー10Aが押下されたタイミングでストロボ15を発光させることができ、これにより夜間や室内等の比較的暗い場所であってもCCDカメラ12の露出不足を防止して適切な露出で撮像対象を撮影し得るようになされている。
【0026】
実際上、図3に示すように、カメラ付携帯電話機1においては、制御部30に正面表示部7、背面表示部13、操作部10、信号処理部31、CCDカメラ12、電源部32、外部インターフェイス33が接続されており、当該信号処理部31には受信部34、送信部35、スピーカ6及びマイクロホン9が接続されていると共に、受信部34及び送信部35にアンテナ5が接続されている。
【0027】
この場合、制御手段としての制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit) 、RAM(Random Access Processing)、予め基本プログラム及び充電処理プログラム等の各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、フレーム周期カウンタ、電力供給カウンタ等から構成されている。
【0028】
そして制御部30は、操作部10の操作に応じて与えれる各種命令に応じてROMから基本プログラム等の各種プログラムを適宜読み出してRAM上に展開することにより、これら各種プログラムに従ってカメラ付携帯電話機1全体を統括的に制御し、各種機能を実現するようになされている。
【0029】
ここでカメラ付携帯電話機1は、基地局(図示せず)との間で例えばTDMA(Time Division Multiple Access) と呼ばれる時分割多元接続方式によって無線接続され、通話用の音声や電子メール、簡易ホームページ、画像及び音楽等の種々のデータを送受信する。
【0030】
因みにこのTDMA方式は、データ送受信用のフレームと呼ばれる伝送単位を所定時間幅のタイムスロットに分割し、カメラ付携帯電話機1等が自局に割り当てられたタイムスロットのタイミングのときに所定の周波数チャネルを使用して基地局(図示せず)との間でデータの送受を行うようにして、同一周波数チャネルで複数の通信(いわゆる多重通信)を実現して周波数を効率的に利用するようになされた方式である。
【0031】
従って、カメラ付携帯電話機1においては、所定の基準クロックに基づいて動作するフレーム周期カウンタを基地局のフレーム周期に同期させ、当該フレーム周期カウンタの時間に従って動作することにより、確実にデータの送受を行うようになされている。
【0032】
実際上、制御部30は、例えば通話相手との間で音声通話を実行するデータ通信モード時、操作部10を介して通話相手の電話番号や発呼要求等からなるデータ通信命令が与えられると、当該データ通信命令に従って基地局を介して通話相手の電話機と回線接続することにより通話状態を確保する。
【0033】
この際、制御部30は、マイクロホン9を介してユーザの音声を集音することにより得られた音声信号を信号処理部31に送出し、当該信号処理部31によってディジタル変換処理、誤り訂正処理及び変調処理を順次施すことにより送信データを得、これを送信部35によって周波数変換処理及びアナログ変換処理を施して送信信号を生成し、所定電力に増幅した後アンテナ5を介して送信する。
【0034】
また制御部30は、アンテナ5を介して受信した受信信号を受信部34で取り込み、当該受信部34によって周波数変換処理及びディジタル変換処理を施すことにより受信データを得、これを信号処理部31により復調処理、誤り検出処理及びアナログ変換処理を順次施し、その結果得られる音声信号をスピーカ6から出力する。
【0035】
因みに制御部30は、相手からの音声通話等の着信信号を待ち受ける待受モード時、基地局から送信された着信信号をアンテナ5で受信し、これを受信部34を介して信号処理部31に取り込むと、表示形態の選択内容に応じて正面表示部7及び又は背面表示部13に例えば通話相手の電話番号等を表示させると共に、着信用の各種設定命令により選択的に組み合わされた着信通知設定に基づいてスピーカ6から着信音を出力したり、バイブレータ(図示せず)によりカメラ付携帯電話機1自体を振動させることにより、ユーザに対して着信を通知する。
【0036】
これに加えて制御部30は、ストロボ15を動作可能な状態に満充電する充電モード時、外部インターフェイス33を介してストロボ15が装着され、この状態で操作部10を介してストロボ充電命令が与えれると、充電処理プログラムに従って、外部インターフェイス33を介して電源部32からストロボ15へ発光用に充電するための電力を供給し始め、当該ストロボ15を満充電させ得るようになされている。
【0037】
実際上、ストロボ15は、図4に示すように、充電ON/OFF回路40と発光回路41とが設けられており、当該充電ON/OFF回路40において、スイッチング制御用トランジスタ41Aのベースが外部インターフェイス33を介して制御部30の充電ポート(図示せず)に接続されると共に、当該スイッチング制御用トランジスタ41Aのエミッタが接地されている。
【0038】
またストロボ15は、充電ON/OFF回路40において、スイッチング制御用トランジスタ40Aのコレクタが増幅用トランジスタ40Bのベースに接続されており、当該増幅用トランジスタ40Bのコレクタが発光回路41に接続されていると共に、エミッタが外部インターフェイス33を介して電源部32に接続されている。
【0039】
これにより制御部30は、操作部10を介してストロボ充電命令が与えられると、充電ポートを介してスイッチング制御用トランジスタ40Aをオン状態とする。
【0040】
充電ON/OFF回路40は、スイッチング制御用トランジスタ40Aがオン状態になると、増幅用トランジスタ40Bにおいて電源部32から与えられる電流を増幅し、これを発光回路41に供給する。
【0041】
発光回路41は、増幅用トランジスタ40Bで増幅された電流がフラッシュライト15Bの発光に用いる充電コンデンサ(図示せず)へ供給されて高容量の電荷を蓄積することにより、当該充電コンデンサを充電する。
【0042】
そして発光回路41は、充電コンデンサを満充電まで充電すると、これを知らせる充電完了信号D1を生成し、これを外部インターフェイス33を介して制御部30へ出力する。
【0043】
これにより制御部30は、充電完了信号D1に基づいて、電力供給手段としての電源部32からストロボ15への電力供給を終了させると共に、当該ストロボ15が満充電したことを正面表示部7等を介してユーザに通知する。
【0044】
その後、制御部30は、シャッターキー10Aが押下されると発光信号D2を生成し、これを外部インターフェイス33を介して発光回路41に出力することにより当該発光回路41の充電コンデンサに蓄積していた電荷によってフラッシュライト15Bを瞬間的に発光させる。
【0045】
かかる構成に加えてカメラ付携帯電話機1においては、充電モード時に着信に応じて回線が接続され、データ通信が開始されると、ストロボ15に対する電力供給動作と電力供給中断動作とを所定のタイミングで周期的に繰り返す間欠充電処理を実行する。
【0046】
ここで1回の電力供給動作によりストロボ15に対して電力を供給し続ける時間(以下、これを電力供給時間と呼ぶ)としては、例えば193 [CLK] 、312 [CLK] 、412 [CLK] 及び439 [CLK] の4種類のクロック時間が設定されており、正面表示部7及び背面表示部13の表示形態の選択状況(すなわち正面表示部7及び背面表示部13の動作状況)に応じて選択される。
【0047】
実際には、図5に示すように、例えば正面表示部7及び背面表示部13を共に動作させるような表示形態LFに対しては、各種情報等を表示するときの電力消費が最も多いため最も短い193 [CLK] (例えば基準クロックの周波数が32.768[KHz] の場合、5.889[msec]に相当)の電力供給時間PTを対応付けている。
【0048】
また背面表示部13に比して消費電力が大きい正面表示部7のみを動作させる表示形態LFに対しては、312 [CLK] (基準クロックの周波数が32.768[KHz] の場合、9.521[msec]に相当)の電力供給時間PTを対応付けている。
【0049】
さらに正面表示部7に比して消費電力が少ない背面表示部13のみを動作させる表示形態LFに対しては、412 [CLK] (基準クロックの周波数が32.768[KHz] の場合、12.573[msec]に相当)の電力供給時間PTを対応付けている。
【0050】
これに加えて正面表示部7及び背面表示部13の動作を共に停止させる表示形態LFに対しては、各種情報等の表示に電力を消費しないことにより最も長い439 [CLK] (基準クロックの周波数が32.768[KHz] の場合、13.4[msec]に相当)の電力供給時間PTを対応付けている。
【0051】
そして制御部30は、内部のROMに正面表示部7及び背面表示部13の表示形態LFと電力供給時間PTとを対応付けて生成された電力供給時間テーブルT100を格納している。
【0052】
従って制御部30は、充電モード時、正面表示部7及び背面表示部13の動作状況に応じて表示形態LFを判断し、電力供給時間テーブルT100から、その判断した表示形態LFに対応する電力供給時間PTを選択することにより、当該選択した電力供給時間PTで電力供給動作を実行してストロボ15に電力を供給する。
【0053】
そして制御部30は、このようにして選択した電力供給時間PTで電力供給動作を実行しても、1回の電力供給動作ではストロボ15を満充電できなければ、当該電力供給動作を電力供給中断動作を介在させて周期的に繰り返すことによりストロボ15を満充電する。
【0054】
次に、このような電力供給動作のタイミングについて図6(a)〜(e)を用いて以下に説明する。
【0055】
ここでカメラ付携帯電話機1においては回線が接続され、データ通信が開始されると、基地局と同期したフレーム周期カウンタの時間に基づいて、図6(a)に示すように、基地局に向けて送信信号を送信する送信スロット期間Tと、基地局から送信される送信信号に含まれる自局用の受信信号を受信する受信スロット期間Rと、アイドル状態として周辺基地局との間の電波の受信レベルを測定するアイドルスロット期間Iとを周期的に繰り返し、当該送信スロット期間T、受信スロット期間R及びアイドルスロット期間Iのタイミングに合わせてデータの送受信の動作を行う。因みにこの実施の形態の場合、例えば20[msec]を1周期とした3チャネルのタイムスロット構成で送信スロット期間Tを6.6[msec]とし、受信スロット期間R及びアイドルスロット期間Iを合わせた期間を13.4[msec]とした。
【0056】
実際上、制御部30は、フレーム周期カウンタの時間に基づき、このようなタイムスロットのタイミングに応じて、通信手段としての信号処理部31、受信部34及び送信部35をそれぞれ動作させることにより基地局との間でデータの送受を行っている。
【0057】
そして制御部30は、かかるデータの送受のうちアンテナ5を介して基地局にデータを送信する場合、送信スロット期間Tのタイミングに基づいて電源部32から信号処理部31及び送信部35に対して動作用の電力を供給するものの、当該信号処理部31及び送信部35を電力の供給開始から安定的に動作させるまでには所定時間を要するため、図6(b)に示すように、当該信号処理部31及び送信部35に対して送信スロット期間Tの開始タイミングに先立って電力を供給し始める。
【0058】
これにより制御部30は、図6(c)に示すように、信号処理部31において電源部32からの電力の供給により動作が安定すると実際に送信データを生成し始め、この結果、送信部35において送信スロット期間Tの開始タイミングより約数十 [μsec]先立って送信信号を生成する。
【0059】
そして送信部35は、図6(d)に示すように、送信スロット期間Tの開始タイミングより約数十 [μsec]先立って送信信号をアンテナ5を介して送信し始めることにより、実際に送信スロット期間Tの開始タイミングのときにアンテナ5から安定した状態の送信信号を基地局へ送信する。
【0060】
また送信部35は、図6(c)に示すように、送信スロット期間Tの終了タイミングに先立って、信号処理部31において生成した送信データを基に送信信号を生成し終えることにより、図6(d)に示すように、送信スロット期間Tの終了タイミングに先立って送信信号をアンテナ5から送信し終えることができ、かくして送信スロット期間T内に送信信号を基地局へ確実に送信し終えるようになされている。
【0061】
このようにして信号処理部31及び送信部35では、送信スロット期間Tのタイミングに応じて送信信号を送信する動作(以下、これを送信動作と呼ぶ)を行うようになされている。
【0062】
因みに信号処理部31及び受信部34でも、受信スロット期間R及びアイドルスロット期間Iの開始タイミングに先立って電源部32から電力を供給し始めることにより、受信スロット期間Rのタイミングに応じて動作を安定させたうえで基地局から受信信号を受信するための動作(以下、これを受信動作と呼ぶ)を行うと共に、アイドルスロット期間Iのタイミングに応じて動作を安定させたうえで周辺基地局の受信レベルを測定するための動作(以下、これをアイドル動作と呼ぶ)を行うようになされている。
【0063】
ここでカメラ付携帯電話機1においては、データ通信を行っている際、信号処理部31の動作が安定し、実際に送信データを生成し始めた時点(図6(c))から、送信部35において生成した送信信号をアンテナ5を介して実際に送信し終えた時点(図6(d))までの間(以下、これを送信動作期間と呼ぶ)MT(図6(a))で最も電力を消費する。
【0064】
従って図6(e)に示すように、制御部30は、充電モード時にデータ通信が行われると、送信動作期間MTにストロボ15に対する電力の供給を一時的に中断する電力供給中断動作を実行することにより、信号処理部31及び送信部35に対する電力の供給とストロボ15に対する電力の供給とが同時に行われることを回避し得、これにより電源部32の急激な電力消費を防止している。
【0065】
また制御部30は、送信動作期間MTの終了タイミングに到達すると、再びストロボ15に対する電力の供給を再開し、電力供給時間テーブルT100を用いて選択した電力供給時間PTに到達するまで当該ストロボ15に対して電力を供給する。
【0066】
制御部30は、例えば背面表示部13のみを動作させている場合、図6(e)に示すように、基準クロックに基づいて電力供給カウンタ(図示せず)の時間が、送信動作期間MTの終了タイミングから412 [CLK] (12.573[msec])に到達するまでの間、ストロボ15に対する電力の供給を継続する。
【0067】
これにより制御部30は、送信動作期間MTに比して電力の消費が少ない受信動作の期間(以下、これを受信動作期間と呼ぶ)及びアイドル動作の期間(以下、これをアイドル動作期間と呼ぶ)内においてのみストロボ15に対して電力を供給することができ、電源部32の急激な電力消費を生じさせずにデータ通信を維持し得るようになされている。
【0068】
因みに制御部30は、背面表示部13のみを動作させている場合、電力供給時間PT(12.573[msec])が受信動作期間及びアイドル動作期間を合わせた期間(以下、これを送信動作停止期間と呼ぶ)ST(この場合、13.4[msec])に比して短いことにより、当該電力供給時間PTに到達した後に再び次の送信動作期間MTが開始されるまでの空き期間VT(この場合、13.4[msec]−12.573[msec]=0.827[msec]の間)を得、当該空き期間VTにより送信動作停止期間STにおける電力の消費を低減している。
【0069】
このようにしてカメラ付携帯電話機1は、充電モード時にデータ通信が行われても信号処理部31及び送信部35において最も電力の消費が大きい送信動作期間MTでストロボ15に対する電力供給を一時的に中断し、当該送信動作期間MTが終了した後に送信動作停止期間ST内で所定の電力供給時間PTだけストロボ15に対して再び電力供給を再開する間欠的な充電動作をストロボ15が満充電されるまで繰り返す。
【0070】
これによりカメラ付携帯電話機1は、充電モード時に着信に応じてデータ通信が開始された場合であっても、ストロボ15に対する電力供給を完全に停止させることなく、当該データ通信を維持した状態でストロボ15を満充電させ得るようになされている。
【0071】
次に上述したカメラ付携帯電話機1における充電処理手順について図6に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
【0072】
実際上、制御部30は、カメラ付携帯電話機1が起動すると、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1に移る。
【0073】
ステップSP1において制御部30は、ストロボ15が装着された状態で操作部10を介してストロボ充電命令が与えられることを待ち受け、当該ストロボ15が装着された状態で操作部10を介してストロボ充電命令が与えられると、このとき制御部30は、次のステップSP2へ移る。
【0074】
ステップSP2において制御部30は、電源部32からストロボ15に対して電力の供給を開始し、次のステップSP3へ移る。
【0075】
ステップSP3において制御部30は、基地局から送信された音声通話等の着信信号に応じて通話相手との間で回線が接続されたか否かを判断する。
【0076】
ステップSP3で否定結果が得られると、このことは基地局からの着信信号に基づいて回線が接続されていないこと、すなわち着信がないことを表しており、このとき制御部30は、次のステップSP4へ移る。
【0077】
ステップSP4において制御部30は、ストロボ15が満充電したか否かを判断する。
【0078】
ステップSP4において否定結果が得られると、このことは未だストロボ15が満充電していないこと、すなわちストロボ15から制御部30へ充電完了信号D1が与えられていないことを表しており、このとき制御部30は、再びステップSP3へ戻り上述した処理を繰り返す。
【0079】
これに対してステップSP4で肯定結果が得られると、このことはストロボ15が満充電したこと、すなわちストロボ15から制御部30へ充電完了信号D1が与えられたことを表しており、このとき制御部30は、再びステップSP1へ戻りストロボ充電命令を待ち受ける。
【0080】
一方、ステップSP3で肯定結果が得られると、このことは着信信号に応じて通話相手との間で回線が接続されたこと、すなわち基地局との間で同期したフレーム周期カウンタの時間に基づいてデータの送受信動作を開始し始めたことを表しており、このとき制御部30は、次のステップSP5へ移る。
【0081】
ステップSP5において検知手段及び決定手段としての制御部30は、電力供給時間テーブルT100を用いて、正面表示部7及び背面表示部13の動作状況に応じた電力供給時間PTを決定し、次のステップSP6へ移る。
【0082】
ステップSP6において制御部30は、フレーム周期カウンタの時間に基づいて、送信動作期間MTの開始タイミングに到達したか否かを判断する。
【0083】
ステップSP6で否定結果が得れると、このことはまだ送信動作期間MTの開始タイミングに到達していないことを表しており、このとき制御部30は、送信動作期間MTの開始タイミングに到達するまでストロボ15に対して電力を供給し続ける。
【0084】
これに対してステップSP6で肯定結果が得られると、このことは送信動作期間MTの開始タイミングに到達したことを表しており、このとき制御部30は、次のステップSP7へ移る。
【0085】
ステップSP7において制御部30は、ストロボ15に対する電力供給を一時的に中断し、次のステップSP8へ移る。
【0086】
ステップSP8において制御部30は、ストロボ15に対する電力の供給を中断したままフレーム周期カウンタの時間に基づいて、送信動作期間MTの終了タイミングに到達するまで待ち受け、当該送信動作期間MTの終了タイミングに到達すると、次のステップSP9へ移る。
【0087】
ステップSP9において制御部30は、再びストロボ15に対して電力の供給を再開し、次のステップSP10へ移る。
【0088】
ステップSP10において制御部30は、電力供給カウンタの時間に基づいて、ステップSP2で選択した電力供給時間PTに到達するまで待ち受け、当該電力供給時間PTに到達すると、次のステップSP11へ移る。
【0089】
ステップSP11において制御部30は、ストロボ15に対する電力の供給を中断し、次のステップSP12へ移る。
【0090】
ステップSP12において制御部30は、ストロボ15が満充電したか否かを判断する。
【0091】
ステップSP12において否定結果が得られると、このことは未だストロボ15が満充電していないこと、すなわちストロボ15から制御部30へ充電完了信号D1が与えられていないことを表しており、このとき制御部30は、再びステップSP8へ戻り、ストロボ15が満充電されるまで上述したステップSP8からステップSP12の間欠充電処理を繰り返す。
【0092】
これに対してステップSP12で肯定結果が得られると、このことはストロボ15が満充電したこと、すなわちストロボ15から制御部30へ充電完了信号D1が与えられたことを表しており、このとき制御部30は、ストロボ15に対する充電を終了し、ステップSP1へ戻り再びストロボ充電命令が与えれるまで待ち受ける。
【0093】
以上の構成において、カメラ付携帯電話機1では、充電モード時、着信信号の受信に応じて回線が接続され、データ通信が開始されると、ストロボ15が満充電されるまで、送信動作期間MTでストロボ15に対する電力供給を一時的に中断し、当該送信動作期間MTの終了タイミングから送信動作停止期間ST内で所定の電力供給時間PTだけ再びストロボ15に対して電力の供給を開始する間欠的な充電動作を繰り返す。
【0094】
従ってカメラ付携帯電話機1では、ストロボ15に対する充電用の電力供給と、信号処理部31及び送信部35に対する送信動作用の電力供給とが同時に行われることを回避することができ、かくして通信状態にあっても電源部32の瞬間的な消費電力の増加を抑えることができる。
【0095】
これによりカメラ付携帯電話機1では、ストロボ15の充電と、データの送受信とを同時に行った場合に、電源部32の瞬間的な消費電力の増加を抑えることにより当該電源部32の電圧値が急激に低下することを防止して当該カメラ付携帯電話機1の起動状態を維持できる。
【0096】
またカメラ付携帯電話機1では、充電モード時にデータ通信が行われていると、送信動作停止期間ST内でストロボ15に対して電力の供給を行う間欠的な充電動作を繰り返すことにより、当該データ通信を維持した状態でストロボ15を満充電し得、かくしてデータ通信中やデータ通信の終了直後に撮像対象を撮影するような場合であっても、当該撮影時にストロボ15を発光させることができる。
【0097】
さらにカメラ付携帯電話機1では、正面表示部7及び背面表示部13の動作状況に応じて異なる電力供給時間PTを選択することにより、ストロボ15の充電中に著しく電源部32の電力が消費することを極力抑えることができる。
【0098】
以上の構成によれば、カメラ付携帯電話機1では、充電モード時にデータ通信が行われている場合であっても、少なくとも当該データ通信時に最も電力を消費する送信動作期間MTでストロボ15に対する電力供給を一時的に中断することにより、ストロボ15に対する充電用の電力供給と、信号処理部31及び送信部35に対する送信動作用の電力供給とが同時に行われることを回避して電源部32の電圧値が急激に低下することを防止することができ、かくしてストロボ15への電力供給中にデータを送信する場合でも起動状態を維持して動作できる。
【0099】
なお上述の実施の形態においては、電力供給時間テーブルT100を用いて、正面表示部7及び背面表示部13の表示形態LFに応じて所定の電力供給時間PTを決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定のテーブルを用いて、例えば受話音量やCCDカメラ12の起動状況等のように他の回路ブロックにおける電力の消費状態や、或いは電源部32の電池残料等に応じて所定の電力供給時間PTを決定するようにしても良く、また操作部10を介してユーザが電力供給時間PTを送信動作停止期間ST内で自由に決定できるようにしても良い。
【0100】
また上述した実施の形態においては、受信動作期間及びアイドル動作期間を合わせた送信動作停止期間ST内において所定の電力供給時間PTでストロボ15に対する電力の供給を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、受信動作期間又はアイドル動作期間のいずれか一方の期間内において所定の電力供給時間PTでストロボ15に対する電力の供給を行うようにしても良い。
【0101】
さらに上述した実施の形態においては、電源部32からの電力の供給に基づいて信号処理部31及び送信部35において安定して動作が行える送信動作期間MTの開始タイミングからストロボ15に対する電力供給を停止するようにした場合(図6(e))について述べたが、本発明はこれに限らず、電源部32から信号処理部31及び送信部35に電力を供給し始めた時点(図6(b))からストロボ15に対する電力供給を停止するようにしても良い。
【0102】
さらに上述した実施の形態においては、電力供給時間PTに一定の電力値でストロボ15に対して電力の供給を行い、当該ストロボ15が満充電されるまで電力供給時間PTの電力供給動作を所定回数繰り返すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電力供給時間PTが短くなるに従ってストロボ15に対して供給する電圧値を上げることにより、当該選択された電力供給時間PTにかかわらず、当該電力供給動作を同じ回数繰り返し、当該ストロボ15を満充電するようにしても良く、またストロボ15に対して供給する電圧値をさらに上げることにより1回の電力供給動作によって当該ストロボ15を満充電するようにしても良い。
【0103】
さらに上述した実施の形態においては、充電モード時に着信に応じて回線が接続され、データ通信が開始された場合に間欠的な充電動作を繰り返すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、データ通信中にストロボ充電命令が与えられた場合に間欠的な充電動作を繰り返すようにしても良い。
【0104】
さらに上述した実施の形態においては、データを送受信するようなデータ通信時に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電子メールを送信するような場合のようにデータを送信するだけのデータ通信時に適用するようにしても良い。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、TDMA方式について適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、時分割方式であればこの他種々の通信方式を適用するようにしても良い。
【0106】
さらに上述した実施の形態においては、照明手段として、ストロボ15を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばLED(Light Emitting Diode)等でなる撮像用のライトを適用するようにして良く、この場合、音声と共に映像の通信を行う映像通信時に撮像用のライトを発光させている際に送信動作期間MTで当該ライトに対する電力供給を一時的に中断する間欠的な動作を行うことにより上述と同様の効果を得ることができる。
【0107】
さらに上述した実施の形態においては、本発明を所定部位に予めCCDカメラ12を備えたカメラ付携帯電話機1に適用するようにた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CCDカメラを着脱自在に装着できる携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants) 等この他種々の携帯通信端末装置に適用するようにしても良い。
【0108】
さらに上述した実施の形態においては、本発明をストロボ15が着脱自在に装着できるカメラ付携帯電話機1に適用するようにた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、予めストロボが内蔵されたカメラ付携帯電話機やカメラ付PDA等この他種々の携帯通信端末装置に適用するようにしても良い。
【0109】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、照明手段に電力を供給している際にデータ通信が実行されている場合であっても、少なくとも当該データ通信時に通信手段において最も電力を消費する送信動作中に照明手段に対する電力供給を停止することにより、通信手段と照明手段とに同時に電力が供給されることを回避し、データ通信のときに電力供給手段の電圧値が急激に低下することを防止することができ、また、他の所定の回路ブロックに対する電力の供給状態に応じて、照明手段に電力の供給を行う電力供給時間を決定することにより、照明手段に電力を供給している際に著しく電力が消費することを極力抑えることもでき、かくして照明手段への電力供給中にデータを送信する場合でも起動状態を維持して動作し得る携帯通信端末装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラ付携帯電話機の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】カメラ付携帯電話機及びストロボの外観構成を示す略線的斜視図である。
【図3】カメラ付携帯電話機の回路構成を示すブロック図である。
【図4】ストロボの回路構成を示すブロック図である。
【図5】電力供給時間テーブルの構成を示す略線図である。
【図6】送信動作期間とストロボに対する電力供給及び電力供給中断のタイミングとを示すタイミングチャートである。
【図7】充電処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……カメラ付携帯電話機、7……正面表示部、10……操作部、11……バッテリパック、12……CCDカメラ、13……背面表示部、15……ストロボ、15B……フラッシュタイト、30……制御部、31……信号処理部、32……電源部、33……外部インターフェイス、34……受信部、35……送信部。
Claims (3)
- データを送受信してデータ通信を実行する通信手段と、
上記データ通信時に上記通信手段に動作用の電力を供給すると共に、撮像手段が撮像している撮像対象を照明する照明手段に照明用の電力を供給する電力供給手段と、
上記データ通信時に上記電力供給手段から上記照明手段へ電力を供給する場合、上記通信手段が少なくとも上記データを送信するための送信動作を行っている間は上記照明手段への上記電力の供給を中断するように上記電力供給手段を制御する制御手段と、
上記電力供給手段による上記通信手段及び上記照明手段以外の他の所定の回路ブロックに対する電力の供給状態を検知する検知手段と、
上記検知手段の検知結果に応じて、上記照明手段に上記電力の供給を行う電力供給時間を決定する決定手段と
を具えることを特徴とする携帯通信端末装置。 - 上記照明手段はストロボであって、
上記制御手段は、上記データ通信時に上記電力供給手段から上記照明手段へ電力を供給する場合、上記通信手段が少なくとも上記データを送信するための送信動作を行っている間は上記ストロボの発光用に充電するための上記電力の供給を中断するように上記電力供給手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末装置。 - 上記制御手段は、
上記データ通信時、上記送信動作が行われている間は一時的に上記ストロボに対する上記電力の供給を中断し、当該送信動作が終了してから再び上記ストロボに対する上電力の供給を再開するようにして当該電力の供給を行う電力供給動作と、上記電力の供給を中断する電力供給中断動作とを上記ストロボが満充電されるまで繰り返すように上記電力供給手段を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末装置。
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