JP4056249B2 - デジタル・コントローラが組み込まれたオープン・ループ・レーザー・ドライバ - Google Patents

デジタル・コントローラが組み込まれたオープン・ループ・レーザー・ドライバ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、一般に、半導体レーザーに関するものであり、とりわけレーザーに対して駆動波形を供給するためのデジタル・コントローラが組み込まれたオープン・ループ・レーザー・ドライバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光送信モジュールはネットワーキング・システムにおいて重要なコンポーネントである。光送信モジュールは電気の形態のデータ信号を対応する光の形態のデータ信号に変換するために用いられる。それにより、データは光ファイバ・ケーブルのような光伝導媒体を介して別のモジュール(例えば、光受信モジュール)に光として伝達することが可能である。
【0003】
光送信モジュールは、典型的にはレーザーを用い、電気データ信号を光データ信号に変換する。一般に用いられる半導体レーザーの1つは、垂直共振器面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)である。しかし、VCSELは、特定の所定の電気特性を満たす入力信号(例えば、駆動波形)だけで有効に作用するように構成されている。駆動波形は、直流動作パラメータと交流動作パラメータの両方を備えることができる。例えば、直流動作パラメータは、平均または低状態出力パワーを得るためのバイアス電流を含むことができる。交流動作パラメータには、パルス化波形に関連した変調電流、ピーキング電流及び時定数パラメータを含むことが可能である。データ信号は、一般に、これら所定の電気特性(例えば、特定の直流及び交流動作パラメータ)を備えてはいない。従って、データ信号を受け取り、それに応答して、VCSELの駆動に適した電気特性を伴うような対応したVCSEL駆動信号(例えば、駆動波形)を生成する回路が必要になる。この回路は、一般に、VCSELドライバと呼ばれる。
【0004】
さらに、VCSELドライバは、送信器を利用した光ファイバ・リンクのビット誤り率(bit error rate;BER)を最適化するため、特定の直流及び交流パラメータを備えた駆動波形をプログラムしたり、設定したりする。ビット誤り率は、ただ単に、送信モジュールによって生じたビット・エラー数の指標でしかない。ビット・エラーは、ただ単に、データ「1」がデータ「0」として伝送されたり、データ「0」がデータ「1」として伝送されたりするようなデータ・エラーにすぎない。
【0005】
先行技術によるレーザー・ドライバの設計には、2つの主たる手法がある。第1の手法では、クローズド・ループ(すなわち、光フィードバックを利用して、光出力パワーを調整する)を用いて、駆動波形をプログラムする。第2の手法では、オープン・ループ(すなわち、光フィードバックを利用せずに、光出力パワーを調整する)を用いて、駆動波形をプログラムする。これらの先行技術の手法を、それに伴う欠点とともに、以下に説明する。
【0006】
[クローズド・ループ手法]
米国特許第5,638,390号には、レーザー出力安定化回路にて実施される典型的なクローズド・ループ手法が記載されている。このレーザー出力パワー安定化回路は、フォトダイオードを利用して、レーザーの光学出力パワーをモニターする。フォトダイオード出力とデジタル・ポテンシオメータからの基準電圧を比較することによって、レーザーに関して正しい直流バイアス電流が得られる。送信器の製造時に、デジタル・ポテンシオメータは、レーザーの直流バイアス電流を最適化するようにセットされる。送信器の動作中、レーザーのバイアス電流は、フォトダイオードの出力に変化が生じると、調整される。
【0007】
あいにく、これらのクローズド・ループ手法には、いくつかの欠点がある。第1に、フォトダイオードを利用すると、光送信器のコストが増大する。第2に、フォトダイオードの求める要件のために、VCSELと最適なアライメントがとれるようにフォトダイオードを取り付けるという、パッケージングの問題が生じる。第3に、クローズド・ループ手法では、個々のVCSEL毎に、複雑なフィードバック回路を複製する必要があるので、コストがさらに上昇し、製造の複雑性も増大する。
【0008】
[オープン・ループ手法]
Applied Micro Circuits Corporation(AMCC)によるAMCC S7011送信器集積回路(IC)に関するデータ・シートには、典型的なオープン・ループ手法の記載がある。このS7011というICは、外部供給源(例えば、マイクロプロセッサ)からの入力、または、外部抵抗器及び電圧基準からの入力が供給されると、レーザー駆動波形パラメータImod及びIbiasを調整することが可能であるようである。あいにく、AMCC手法を含む、先行技術によるオープン・ループ手法では、レーザーの経時変化及び温度変化に基づいて駆動波形を調整するメカニズムが得られないか、または、極めて制限されたメカニズムしか得られない。さらに、これら先行技術によるオープン・ループ手法では、VCSEL駆動波形(例えば、負のピーキング)の過渡現象(遷移期間)のプログラムを可能にすることもできない。
【0009】
[VCSELアレイ]
最近、単一VCSELから、例えば、複数のVCSELを列状に構成することができる、VCSELアレイへ移行が関心を集めている。単一VCSELによって、単一チャネルを備えた光ファイバ・ケーブルで伝送可能なデータより、VCSELアレイを用いて、マルチ・チャネル光ファイバ・ケーブルで伝送可能なデータのほうが多くなるのは明らかである。あいにく、VCSELアレイを実施する技術上の課題の1つに、光ファイバ・リンクのBERを最適化するためには、VCSELアレイ全域にわたって光波形の均一性を維持する必要があるという点がある。
【0010】
従って、駆動波形の直流及び交流パラメータに関する正しいセッティングは、VCSELのアレイを利用した光ファイバ送信器にとってとりわけ重要である。パラメータは、VCSELアレイ全てにわたって光波形の均一性を維持するように定めなければならない。これらの特性のセッティングは、動作の開始時、及び、製品の耐用期間中の定期的な間隔で行われる必要がある。
【0011】
半導体電気・光送信器は、発光素子の光学直流及び交流動作特性をプログラムする方式を必要とする場合が多い。プログラミングは、製品の使用開始時に実施し、送信器の耐用期間全体にわたって定期的にプログラミングすることが望ましい。あいにく、送信器の耐用期間中、波形のプログラミングを定期的に行う先行技術の手法は、コストが高く、実施が複雑であるため、直流パラメータに限定されてしまう。変調電流のような交流問題のいくつかを取り扱う先行技術の手法は、製品の使用開始時におけるプログラミングだけに制限される。従って、製品が、ドライバの動作寿命までの期間中におけるプログラミングを必要とする場合、これら先行技術による手法では、このタイプのプログラミングを実施することが不可能である。
【0012】
[光出力の経時依存性]
光出力に関するレーザーの性能は、レーザーの動作寿命全期間にわたって一定のままであるのが理想である。これがその通りであれば、駆動波形は、レーザー・ドライバによって一度だけプログラムすればよく、それ以上の変更または再プログラミングを必要としなくなる。あいにく、実際には、VCSELの光出力は、レーザーの動作寿命期間内には劣化する傾向がある。従って、VCSELドライバには、VCSEL駆動波形パラメータを定期的に調整して、劣化を補償するのが望ましい。残念なことに、AMCC手法のようなオープン・ループ手法を用いた先行技術による手法は、製品寿命の開始時における波形パラメータのプログラミングに制限され、VCSEL駆動波形パラメータを定期的に調整して、劣化を補償するメカニズムを備えていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
[光出力の温度依存性]
さらに、理想的状況とは、レーザーの光出力は、動作温度に左右されないものであろう。これがその通りであれば、駆動波形は、動作温度の変化しても調整する必要がない。あいにく、実際には、レーザーの光出力は、動作温度によって左右される。従って、動作温度の変化に応じて駆動波形を調整するメカニズムを備えることが望ましい。そうすることによって、最適なVCSEL光波形を維持することが可能になる。残念なことには、先行技術による手法では、VCSEL駆動波形パラメータを定期的に調整して、動作温度の変化を補償するためのメカニズムが得られない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上に基づき、本発明の目的は、前述の欠点を克服する半導体レーザー用のデジタル制御方法及び装置を提供することにある。
【0015】
実施態様の1つによれば、本発明のレーザー・ドライバには、光ファイバ送信器に用いられる単一VCSELまたはVCSELアレイを駆動する駆動波形の直流及び交流パラメータをプログラミングするための組み込み式デジタル・コントローラが含まれている。デジタル・コントローラは、ドライバICに組み込まれており、下記のVCSEL駆動波形パラメータの1つ以上をプログラムするために利用される。つまり
(1)バイアス電流、
(2)変調電流
(3)負のピーキング深さ、及び
(4)負のピーキング持続時間
である。
【0016】
実施態様の1つでは、レーザー・ドライバには、レーザーの経時をモニターし、VCSEL駆動波形の直流及び交流パラメータを選択的に調整して、レーザーの経時変化を補償する経時変化補償機構が含まれている。好適には、タイマを用いてレーザーの経時変化がモニターされる。
【0017】
もう1つの実施態様では、レーザー・ドライバには、ドライバICの温度をモニターして、VCSEL駆動波形の直流及び交流パラメータを選択的に調整し、温度の変化を補償する温度補償機構が含まれている。温度センサを用いて、ドライバICの温度をモニターするのが望ましい。
【0018】
前述のように、マルチ・チャネル光ファイバ送信器におけるVCSEL光波形特性の最適化は、難題を提示する可能性がある。本発明のレーザー・ドライバは、各チャネルに最適な光波形を維持するため、最初に、さらに、送信器の動作中に、各チャネルのVCSEL駆動波形パラメータを個別にプログラムする。送信器の動作中におけるVCSEL駆動パラメータの更新によって、本発明のレーザー・ドライバは、レーザーの経時変化及び温度変化を補償する。
【0019】
本発明のもう1つの実施態様によれば、VCSEL駆動波形のプログラミングに関する設計技法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
組み込み式デジタル・コントローラを備えたオープン・ループ・レーザー・ドライバ及びプログラミング方法について解説する。以下の解説では、本発明の完全な理解が得られるように、説明を目的として、数多くの特定の詳細が提示される。しかし、当該技術者には明らかなように、本発明は、これらの特定の詳細が示されなくても、実施可能である。他の例では、本発明が不必要に曖昧になるのを回避するため、周知の構造及び装置はブロック図の形で示されている。
【0021】
本発明のレーザー・ドライバは、デジタル・コントローラ、データ・ストレージ/呼び出し機能、及び、必要とされる機構を組み込んで、各チャネルに、最初に、VCSEL駆動波形のパラメータをセットしておき、定期的に調整も加えて、経時変化及び動作温度変化を有効に補償する。
【0022】
[複数チャネル光ファイバ送信モジュール90]
図1は、本発明のレーザー・ドライバを実現することが可能な、典型的な複数チャネル光ファイバ送信モジュール(MCFOTM)90のブロック図である。複数チャネル光ファイバ送信モジュール(MCFOTM)90は、例えば、12チャネルの送信モジュールとすることが可能である。複数チャネル光ファイバ送信モジュール90には、データ信号110を受信し、それに応答して、駆動波形112を生成するレーザー・ドライバ100、複数のレーザー122(例えば、複数のVCSEL)を備えたレーザー・アレイ120、及び、駆動波形パラメータを記憶するための不揮発性メモリ130が含まれている。光ファイバ・ケーブル124は、レーザー122がそこから放つ光を受けるため、レーザー・アレイ120に結合されている。
【0023】
各チャネルのVCSELダイオードに関連した駆動電流波形は、レーザー・ドライバ100及び不揮発性メモリ130によってプログラムされている。ある実施態様では、MCFOTM90には、VCSELドライバ、1×NのVCSELアレイ、及び、EEPROMが含まれている。さらにより詳細に後述するように、レーザー・ドライバ100には、プログラミング及びデータ呼び出しのためのデジタル・コントローラが含まれている。
【0024】
ある実施態様では、レーザー・ドライバ100とVCSELアレイ120の間に、2×Nの信号ラインが挿入されるが、この場合、Nの信号ラインが、VCSELの陽極に接続され、Nの信号ラインが、VCSELのタイプ及びレーザー・ドライバ100の構成に従って、接地平面またはVCSELの陽極に接続される。ここで、Nは、複数チャネル光ファイバ送信モジュール90に組み込まれるチャネル数である。
【0025】
メモリ130及びレーザー・ドライバ100に対するデータの読み取り及び書き込みを実施するためのアクセス・ポイント140が設けられている。さらに詳細に後述するように、アクセス・ポイント140を用いて、レーザー・ドライバ100及びメモリ130にテスト信号及びデータを伝達することが可能である。
【0026】
[レーザー・ドライバ100]
図2には、本発明の実施態様の1つによる図1のレーザー・ドライバ100がさらに詳細に例示されている。レーザー・ドライバ100には、コントローラ200、駆動パラメータを記憶するための複数の駆動パラメータ・レジスタ(210、214、218、224)、経時補償機構240、温度補償機構250、故障判定回路260、複数のデジタル・アナログ変換器(DAC)234、駆動波形整形回路238、経時値を記憶するための経時レジスタ280、及び、所定の故障値を記憶するための故障レジスタ290が含まれている。
【0027】
[VCSELドライバICに組み込まれたデジタル・コントローラ200]
本発明の態様の1つでは、デジタル・コントローラ200がレーザー・ドライバ100に組み込まれている。本発明のレーザー・ドライバ100は、コントローラ200を用いて、単一レーザー・ダイまたは1×Nのレーザー・ダイオード・アレイに関するVCSEL駆動波形の直流及び交流特性をデジタル方式でプログラムする。
【0028】
本発明のレーザー・ドライバ100によって、アレイ全域にわたる光波形の均一性が得られるようにアレイの各レーザー・ダイ毎にパラメータ(例えば、直流及び交流パラメータ)を個別にプログラムするためのメカニズムが得られる。
【0029】
[駆動波形パラメータのプログラミング]
例えば、レーザー・ドライバ100は、組み込み式コントローラ200及びデジタル・アナログ変換器(DAC)234を利用して、光学的論理0に関するVCSELバイアスをデジタル方式でプログラムすることが可能である。さらに、レーザー・ドライバ100は、組み込み式コントローラ200及びDAC234を利用して、光学的0を1へ遷移させるよう変調するために、VCSEL駆動波形をデジタル方式でプログラムすることが可能である。
【0030】
本発明のレーザー・ドライバにおける特徴の1つは、負のピーキング深さ及び持続時間といった、VCSEL駆動波形の交流特性のプログラム可能性である。負のピーキングは、論理1から論理0への下降遷移中におけるVCSEL駆動波形のピーキングを表している。Ipkdは、この負のピーキング深さである。Tpkwは、この負のピーキング持続時間である。
【0031】
レーザー・ドライバ100は、光学的1から0への遷移中に用いるため、VCSEL駆動波形の負のピーキング深さをデジタル方式でプログラムすることが可能である。負のピーキングは、1から0への遷移中における光学立ち下がり時間を短縮するために利用される。また、レーザー・ドライバ100は、光学的1から0への遷移中に用いるため、VCSEL駆動波形の負のピーキング持続時間をデジタル方式でプログラムすることも可能である。
【0032】
より詳細に後述するように、本発明のレーザー・ドライバ100は、デジタル・コントローラ200を利用して、VCSEL駆動波形を定期的に調整するためのタイマ機能を実現し、経時変化の補償を行うことが可能である。
【0033】
さらに、より詳細に後述するように、本発明のレーザー・ドライバ100は、組み込み式デジタル制御ループを利用して、ダイ温度をモニターし、VCSEL駆動波形の直流及び交流パラメータに調整を加えて、温度変化を補償することが可能である。
【0034】
[経時補償機構240]
前述のように、VCSEL光出力は、レーザーの動作寿命を通じて劣化する傾向がある。これに関して、VCSEL駆動波形パラメータは、定期的に調整を加えて、劣化を補償することが必要になる。ある実施態様では、本発明のレーザー・ドライバには、デジタル・コントローラと連係して、各VCSEL駆動波形パラメータを定期的に調整して、経時変化を補償するプログラマブル・タイマが含まれている。
【0035】
本発明のレーザー・ドライバのもう1つの態様では、VCSELの経時変化による光出力の補償を可能にするため、デジタル・コントローラにタイマ機能が組み込まれている。このタイマによって、VCSEL駆動波形直流及び交流パラメータに定期的調整を加えて、経時変化を補償することが可能になる。
【0036】
ある実施態様では、経時補償機構240は、オン・チップ10MHzクロック、クロックのためのプログラム可能な除数(D)、コントローラ200中の31ビット・カウンタ(本明細書では、下位経時変化カウンタと呼ばれる)、及び、16ビット・カウンタ(本明細書では、不揮発性メモリ130における上位経時変化カウンタと呼ばれる)によって実現可能である。このクロック除数Dと10MHzのクロック周期を組み合わせることによって、上位経時変化カウンタをどれだけの頻度で(秒または分単位)インクリメントするかが決まる。コントローラ200は、上位経時変化カウンタの4つのMSBがインクリメントされると、DACのセッティングを更新する。例えば、Dが32であり、10MHzクロック周期が100ナノ秒に等しい場合、下位経時変化カウンタは、114.5分毎にインクリメントされ、上位経時変化カウンタの4つのMSBは、325日毎にインクリメントされる。
【0037】
送信器に対する電源が遮断されると、EEPROMは、複数レジスタ(例えば、3つのレジスタ)における最終のカウンタ・セッティングを記録する。電源が回復すると、各レジスタのカウンタ・セッティングが、正確を期して、他の2つのレジスタにおけるカウンタ値と比較される。少なくとも2つのレジスタにおいて得られるこのカウンタ・セッティングは、正しいセッティングとして選択される。
【0038】
[温度補償機構250]
前述のように、送信モジュールの動作温度が変化すると、VCSEL駆動波形パラメータは、最適なVCSEL光波形特性を維持するために、調整が必要になる。実施態様の1つでは、本発明のレーザー・ドライバには、温度変化後にVCSEL駆動波形パラメータを調整するための組み込み式温度モニター及びフィードバック・システムが含まれている。
【0039】
本発明のレーザー・ドライバのもう1つの態様では、ドライバICに温度検知及びフィードバック回路要素が組み込まれている。
【0040】
レーザー・ドライバ100には、不揮発性メモリ130とつながった不揮発性メモリ・インターフェイス230も含まれている。不揮発性メモリ130は、ルックアップ・テーブル・フォーマットでImod、Ibias、Tpkw、及び、Ipkdに関するDACセッティングを格納する。各DACのセッティングは、下記フォーマットを持つアドレスを用いることによって参照する(例えば、読み取り操作によってアクセスする)ことが可能である:AAAATTTTTCCCCXX。「A」は、経時変化カウンタの4つの最上位ビット(MSB)に相当する。「T」は、レーザー・ドライバ100の温度を表す5ビットに相当する。「C」は、チャネル番号に相当し、「X」は、DAC番号に相当する。留意すべきは、Imod、Ibias、Tpkw、及び、Ipkdパラメータに関するDACは、それぞれ、関連する数が異なるという点である。
【0041】
図3には、図2の温度補償機構250及び故障判定回路260の典型的な実施例が示されている。各チャネルに、差動入力データが、入力段310及びレベル・シフト段314を介して、Data_in+及びData_in−から駆動波形整形回路238に流れる。駆動波形整形回路238は、各データ・パルス毎に電流パルス(すなわち、駆動波形)を生成し、レーザー・アレイ120内のレーザー122を駆動する。
【0042】
VCSEL電流パルス形状は、図7に示すように、Imod、Ibias、Tpkw、及び、Ipkdに関して、駆動波形整形回路238によって最適化される。各チャネルの出力電流Ioutは、VCSELアレイ120内のレーザーのいずれか122に送られる。駆動波形整形回路238の典型的な実施態様については、図4に関連してさらに詳細に後述する。
【0043】
[温度測定ブロック234]
VCSEL動作パラメータは、時間または温度に合わせて変更する必要があるので、コントローラ200は、リアル・タイムで駆動パラメータを更新する。例えば、温度に関する調整は、定期的に実施することが可能である(例えば、30ミリ秒の間隔で)。ある実施態様では、温度補償機構250は、部分的に、温度測定ブロック(Temperature Measurement Block;TMB)234及びアナログ・デジタル変換器330によって実現可能である。温度測定ブロック(TMB)234は、ダイ基板温度を測定するセンサである。測定データは、次に、アナログ・デジタル変換器(ADC)330によってデジタル・フォーマットに変換され、さらに、digital_temp信号としてコントローラ200に供給される。コントローラ200は、次に、温度に基づいて、(EEPROM130から)Imod、Ibias、Tpkw、及び、Ipkdに関する新たなDACセッティングを受信する。新たなDACセッティングは、レジスタ(例えば、Imodレジスタ210、Ibiasレジスタ214、Tpkwレジスタ218、Ipkdレジスタ224)に格納される。レジスタ(本明細書では、DACレジスタとも呼ばれる)は、DAC234の内部に配置される。DAC234は、これらのレジスタ(210、214、218、224)の現在のDAC値を利用して、VCSEL駆動波形パラメータをセットする。
【0044】
同様に、経時変化カウンタ(例えば、下位経時変化カウンタまたは上位経時変化カウンタ)による判定で、経時変化時点に達すると、Imod、Ibias、Tpkw、及び、Ipkdに関する新たなDACセッティングが、EEPROMから呼び出され、DACレジスタに書き込まれる。次に、VCSEL駆動波形パラメータが調整される。
【0045】
[故障検出回路260]
実施態様の1つによれば、故障検出回路260には、抵抗器(Rfault)340、差動増幅器344、コンパレータ348、DAC350、及び、バッファ354が含まれている。故障検出回路260は、各VCSELを流れる電流の平均量が、いつ所定の安全限界を超えるのか判定する。平均VCSEL電流量は、Rfault抵抗器340の両端における電圧差(vfx_del)を測定することによって求められる。次に、Rfault抵抗器340の両端における電圧差が、所定の故障しきい値vfx_thと比較される。故障しきい値vfx_thは、ユーザがプログラムすることができ、EEPROM130及びコントローラ200の故障レジスタ290にfault_thとして記憶することができる。
【0046】
vfx_delがvfx_thを超える場合、コンパレータ348は、fault_flagの状態を変更する。任意のチャネルのfault_flag信号の状態が変化すると、コントローラ200が割り込まれる。次に、コントローラ200は、Nチャネルの全てのImod、Ibias、Ipkd、及び、Ipkw、に関するDAC値を全て0にセットし、これによって、各チャネルのVCSEL電流が0ミリアンペアに変化する。
【0047】
tx_enableラインの状態がトグルされ、レーザー・ドライバ100が動作を再開する。動作が再開されると、コントローラ200は、温度及び経時変化カウンタの値に基づいて正しいDACセッティングを呼び出す。前述のように、経時値は、コントローラ200の複数レジスタ(例えば、経時レジスタ280)に格納することが可能である。
【0048】
[データ波形整形回路238]
図4には、本発明の実施態様の1つによる図3の駆動波形整形回路(Drive Waveform Shaping Circuit;DWSC)238がさらに詳細に例示されている。簡略にするため、図4には、単一チャネルに関する駆動波形整形回路238が例示されており、以下で解説することにする。特定の適用例における特定のチャネル数に合うように、駆動波形整形回路238を繰り返して設けることが可能であるという点に留意されたい。
【0049】
この実施態様の場合、駆動波形整形回路238には、差動データ信号(DataIn+及びDataIn−)を受信するための入力と、DAC234から出力電圧信号を受信するための入力が含まれている。すなわち、駆動波形整形回路238には、DAC234からVbiasを受信するための入力、DAC234からVmodを受信するための入力、DAC234からVpkwを受信するための入力、及び、DAC234からVpkdを受信するための入力がさらに含まれている。前述のように、DAC234の出力電圧信号は、現在の経時及び温度条件に関連した駆動波形直流及び交流パラメータに基づいて生成される。これらの入力に基づいて、駆動波形整形回路238は、レーザーの陽極(例えば、VCSEL122の陽極)に供給される駆動波形(例えば、Iout)を生成する。図7には、負のピーキング部分を備えたこの駆動波形の一例が示されている。
【0050】
DWSC238には、DAC234から受信した出力電圧信号を緩衝として記憶してから、DWSC238の他のブロックに電圧信号を供給する、複数の入力バッファ(410、420、430、及び、440)が含まれている。バッファ420が、Vmodを受信して、反転Vmod信号を生成する反転バッファである点に留意されたい。
【0051】
DWSC238には、さらに、電圧制御電流源(Voltage Controlled Current Circuit;VCCS)450、電圧制御電流源450に結合された出力ドライバ差動相互コンダクタンス増幅器(Output Driver Differential Transconductance Amplifier;ODDTA)460、及び、同じく電圧制御電流源450に結合された負ピーキング差動相互コンダクタンス増幅器(Negative Peaking Differential Transconductance Amplifier;NPDTA)470が含まれている。VCCS450、ODDTA460、及び、NPDTA470は、入力データ信号及び入力電圧信号に基づいて駆動波形(Iout)を選択的に整形する。
【0052】
電圧制御電流源(VCCS)450には、Vbias2信号を受信するための入力、及び、反転Vmod2信号を受信するための入力、及び、供給電圧454に結合された入力が含まれている。これらの入力に基づいて、VCCS450は、IbiasとImodの直流電流和であるIsourceを生成する。駆動波形(Iout)の論理1レベルは、Isourceに等しい。ODDTA460にデータ・パルスが入力されると、IsourceからImodpulseが減算されて、論理0のデータ・ビットに関してIout=Ibiasになり、論理1のデータ・ビットに関してIout=Ibias+Imodになる。
【0053】
電源480は、スイッチ484(例えば、FETスイッチ)を介してVCCS450に結合されている。スイッチ484は、故障停止信号に応答して、選択的に開閉する。スイッチ484が閉じると、供給電圧信号454がVCCS450に供給される。
【0054】
ODDTA460には、差動データ信号(DataIn+及びDataIn−)を受信するための入力と、反転Vmod2信号を受信するための入力が含まれている。これらの入力に基づいて、ODDTA460は、入力データ・パルス毎に電流パルス464(すなわち、Imodpulse)を生成する。Imodpulseの振幅は、Vref入力に供給される基準電圧によってセットされる。この場合の基準電圧は、反転Vmod2に等しいので、電流パルスの振幅は、Imod信号の振幅に等しい。
【0055】
NPDTA470には、差動データ信号(DataIn+及びDataIn−)を受信するための入力、Vpkw2信号を受信するための入力、及び、Vpkd2信号を受信するための入力が含まれている。これらの入力に基づいて、NPDTA470は、DataInパルスにおいて観測される論理1から論理0への遷移毎に、負のピーキング過渡電流474(InegpeakingまたはInp)を生成する。負のピーキング電流Inegpeakingが、Ioutパルスの立ち下がりエッジとアライメントがとれる点に留意されたい。負のピーキング過渡電流(Inegpeaking)は、本明細書においてInpとも呼ばれる。負のピーキング過渡電流(Inegpeaking)は、それぞれ、Ipkd及びTpkwに等しい電流振幅(深さ)と減衰時間(幅)を有している。NPDTA470は、Vpkw2信号を用いて、負のピーキング過渡電流に関する減衰時間をセットし、Vpkd2信号を用いて、負のピーキング過渡電流に関する電流振幅をセットする。
【0056】
要するに、ODDTA460によって引き込まれる電流は、Imodpulseで表示され、NPDTA470によって引き込まれる電流は、InegpeakingまたはInpで表示される。下記の式によって、出力電流値が得られる:
out=Isource−Imodpulse−Inp
【0057】
データ・パルスによって、Imodpulseは、IsorceからImodを減算し、論理0のデータ・ビットに関してIout=Ibiasになり、論理1のデータ・ビットに関してIout=Ibias+Imodになる。1から0への遷移によって、1から0への遷移と同相をなすIsourceからInp過渡電流が減算される。
【0058】
[技法]
図5は、図1のレーザー・ドライバ100によって実施される、本発明の実施態様の1つに従ってVCSEL駆動パラメータをセットし、制御するためのステップを例示したフローチャートである。VCSELアレイ120における各VCSEL122が特徴づけられ、その結果得られたデータが保管される。レーザーは、次に、MCFOTM90にアセンブルされる。アセンブルされたユニットの各送信チャネルは、温度に関して特徴づけられ、やはり、結果として得られたデータが保管される。次に、保管されたデータは、不揮発性メモリ130にダウンロードされる。次に、各VCSELは、格納されたパラメータを用いて、個別にプログラムされる。プログラミングは、最初に、「パワー・アップ」時(例えば、モジュールが、最初に、ルータまたはスイッチのようなネットワーク装置に取り付けられる時)に実施され、さらに、後述するように、動作中にも定期的に実施される。
【0059】
ステップ500では、電圧対電流(V−I)及びVCSEL光出力対電流(L−I)が、アレイ120内の各レーザー(例えば、VCSEL)122毎に測定される。これらの測定は、アセンブリ前に実施されるのが望ましい。Agilent Technologies, Inc.から入手可能なAgilent 4145半導体パラメータ解析器及びAgilent 8153A光波マルチメータを用いて、測定を行うことが可能である。
【0060】
表Iには、典型的なVCSELのV−1データ及びL−Iデータが示されている。このデータは、生産試験システムによって、Ibias、Imod、Ipkd、及び、Tpkwの最適化中に用いられるDACセッティングを決定するために利用される。V−Iデータには、所定のVCSELが、適正な回路動作に許された最高VCSEL電圧を超えないようにするための最大電流範囲が示されている。VCSEL電流の最大値が分かると、L−Iデータを利用して、光出力に関する最小VCSEL電流及びVCSEL勾配効率(すなわち、電流変化に対する光出力の変化)が計算される。次に、前述のように求められた許容VCSEL電流範囲及びVCSEL勾配効率を用いて、最適化中におけるIbias、Imod、Ipkd、及び、Tpkwの開始点が計算される。
【0061】
【表1】
Figure 0004056249
【0062】
ステップ504では、各送信チャネルの交流光波形が測定される。生産試験中、テスタによって、各チャネルの交流光波形が測定され、性能要素に合わせて最適化されるのが望ましい。これらの性能要素には、それらに制限するわけではないが、消光比(すなわち、論理1の光学パワー対論理0の光学パワーの比)、立ち上がり/立ち下がり時間、オーバシュート、ジッタ、及び、マスク・マージンを含むことが可能である。交流光波形の最適化には、以前に記録されたVCSEL光学パラメータが利用される。
【0063】
交流光波形特性は、送信器のVCSEL毎に測定される。Ibias、Imod、Ipkd、及び、TpkwのDACセッティングは、交流光波形特性が最適化されるまで、開始点の周りで変動される。最適化は、いくつかの温度で実施されるのが望ましい。交流光波形特性には、それらに制限するわけではないが、論理1ビット対論理0ビットの光学パワー比である消光比(Extinction Ratio;ER)、立ち上がり時間、立ち下がり時間、オーバシュート、及び、ジッタを含むことが可能である。
【0064】
次に、各許容温度及び経時変化時点毎に、Ibias、Imod、Ipkd、及び、Tpkwに関して最適なDACセッティングが計算され、不揮発性メモリ130に書き込まれる。不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)130には、温度及び経時変化の各時点によって関係づけられたIbias、Imod、Ipkd、及び、TpkwのDACセッティングの全てが格納される。次に、これらのアドレス指定可能なDACセッティングを用いて、動作中に、各VCSELの電流駆動波形がプログラムされる。例えば、IbiasDACレジスタには、DAC出力に電圧Vbiasを生成するために利用される、0〜2M(MビットDACの場合)のある数が記憶される。Vbiasは、駆動波形整形回路238によって、VCSEL駆動電流波形のIbiasパラメータをセットするために用いられる。同様に、Vmod、Vpkw、及び、Vpkdが、他のDACによって生成される。
【0065】
ステップ508では、各チャネルのDACセッティングが、各温度及び経時変化時点毎に最適化される。DAC234を利用して、駆動パラメータがアナログ信号に変換され、駆動波形整形回路(DWSC)238によって駆動波形の生成に利用されることになる。
【0066】
ある実施態様では、DAC234は、レーザー・ドライバ100に組み込まれ、Mビット幅である。ビット数Mは、各パラメータに十分な分解能が得られるように選択される。例えば、Mは、典型的な実施例の場合、6ビットになるように選択される。
【0067】
ステップ512では、経時変化カウンタ除数(D)が選択される。ステップ520では、DACセッティング(すなわち、駆動パラメータ)が、例えば、テスト・システムから不揮発性メモリにダウンロードされる。DACセッティングは、経時変化カウント、温度、チャネル番号、及び、DAC番号によるDACセッティングの呼び出しを可能にするようにして格納される(すなわち、不揮発性メモリのDACセッティングは、経時変化カウント、温度、チャネル番号、及び、DAC番号によってアドレス指定可能である)。
【0068】
ステップ530では、経時変化カウンタが起動する。ステップ540では、駆動パラメータが、所定の条件に関して、不揮発性メモリ130から駆動レジスタ(210、214、218、及び、224)にロードされる。所定の条件とは、それらに制限するわけではないが、時間の経過(例えば、30ミリ秒毎)や、経時変化時点に関する割り込みとすることが可能である。ステップ540が、送信モジュール90の動作中に実施される点に留意されたい。
【0069】
ステップ550では、レーザー・ドライバ集積回路の温度が、温度測定ブロック(TMB)334によって測定される。ステップ554では、測定された温度が、デジタル形式(例えば、digital_temp信号)に変換され、コントローラ200に供給される。ステップ560では、コントローラ200は、後続のDACレジスタ書き込みサイクルにおいて、入力パラメータの1つとして、測定温度を用いて、駆動パラメータ・レジスタ(210、214、218、及び、224)を更新する。
【0070】
ステップ570では、コントローラ200は、駆動パラメータに関する値を呼び出すための読み取りアドレスを更新する。処理は、次に、ステップ540に進み、駆動パラメータ・レジスタに、不揮発性メモリ130のステップ570で修正可能なアドレスから読み取られた値が書き込まれる。
【0071】
[取り扱い危険電流条件]
図6は、図1のレーザー・ドライバ100によって行われる、本発明の実施態様の1つに従って危険電流条件を検出し、管理するためのステップを例示したフローチャートである。図5のステップ520の後、以下に述べる、危険電流条件を検出し、管理するためのステップが実施される。ステップ610では、各VCSELを流れる電流が測定される。判定ブロック620では、測定された電流が所定の安全電流を超えるか否かが判定される。測定された電流が、所定の安全電流を超えると、レーザー・ドライバ100の出力電流が、最小Ibiasと最小Imodの和に等しい定最小電流に維持される。そうではなく、測定された電流が所定の安全電流以下であるという場合には、処理はループして、ステップ610に戻る。
【0072】
判定ブロック640において、レーザー・ドライバ100が有効再開信号(例えば、tx_enable信号)を受信したか否かの判定が行われる。レーザー・ドライバ100が有効再開信号(例えば、tx_enable信号)を受信していれば、処理は、ステップ650に進む。ステップ650では、TMB334及び経時レジスタ280を用いて、温度値及び経時値に基づくアドレスが生成される。前述のように、不揮発性メモリ130は、経時変化カウント、温度、チャネル番号、及び、DAC番号によってアドレス指定可能である。次に、処理は、図5のステップ540に進み、駆動パラメータ・レジスタに、不揮発性メモリ130から読み取られた値がロードされる。
【0073】
そうではなく、レーザー・ドライバ100が有効な再開信号(例えば、Tx_enable信号)を受信していなければ、処理はステップ630に進み、レーザー・ドライバ100は、最小出力電流状態のままである。
【0074】
本発明の半導体レーザーを駆動するためのデジタル制御方法及び装置の説明は、VCSELアレイに関連して行われた。しかし、この半導体レーザーを駆動するためのデジタル制御方法及び装置は、なんらかのタイプの半導体レーザーの駆動に駆動電流が必要になる場合には、必ず、他の応用例でも役立つという点に留意されたい。本発明の半導体レーザーに関するデジタル制御方法及び装置は、とりわけ、アレイ素子間で温度揺動を生じるが、それにもかかわらず、アレイ内の素子全体にわたって均等な性能を必要とする応用例に有効である。本発明の半導体レーザーに関するデジタル制御方法及び装置は、その光出力が、その動作寿命を通じて劣化する傾向のある応用例にも有効である。本発明の半導体レーザーに関するデジタル制御方法及び装置は、とりわけ、交流パラメータのプログラミングから便益を得ることが可能な応用例に有効である。
【0075】
以上の明細書において、本発明の説明は、その特定の実施態様に関連して行われた。しかし、本発明のより広い範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を加えることが可能である。明細書及び図面は、従って、制限を意味するものではなく、例示を意味するものとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザー・ドライバが実現可能となる、典型的な複数チャネル光ファイバ送信モジュールのブロック図である。
【図2】本発明の実施態様の1つによる図1のレーザー・ドライバをより詳細に例示した図である。
【図3】本発明の実施態様の1つによる図1のレーザー・ドライバをより詳細に例示したブロック図である。
【図4】本発明の実施態様の1つによる図3の駆動波形整形回路をより詳細に例示した図である。
【図5】本発明の実施態様の1つに従って図2のコントローラによって実施されるステップを例示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施態様の1つに従って図2のコントローラによって実施されるステップを例示したフローチャートである。
【図7】本発明のレーザー・ドライバによって生成される典型的な駆動波形を例示した図である。
【符号の説明】
100 レーザー・ドライバ
120 レーザー・アレイ
122 半導体レーザー
130 不揮発性記憶装置
200 デジタル・コントローラ
234 デジタル・アナログ変換器
238 波形整形回路
240 経時変化補償機構
250 温度補償機構

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの半導体レーザーを備えるアレイを駆動する駆動波形を生成するレーザー・ドライバであって、
    前記レーザー・ドライバに組み込まれたデジタル・コントローラであって、前記デジタル・コントローラは、前記駆動波形に関連した少なくとも2つのパラメータを初めにプログラムし、前記ドライバの動作中に、前記パラメータに調整を加え、該パラメータには、負のピーキング深さと負のピーキング持続時間とを、前記駆動波形の立ち上がりに影響することなく設定可能なパラメータを含む、デジタルコントローラと、
    前記パラメータをデジタル形式で前記デジタル・コントローラから受信し、それに応答してアナログ形式による前記駆動波形パラメータを生成するデジタル・アナログ変換器と、
    前記駆動波形パラメータをアナログ形式で受信し、それに応答して前記駆動波形パラメータによって決まる駆動波形を生成する波形整形回路と
    前記レーザーを経時的にモニターし、前記駆動波形の少なくとも1つのパラメータを選択的に調整して、前記レーザーの経時変化を補償する経時変化補償機構と
    を含み、前記デジタル・アナログ変換器は、前記デジタルコントローラの前記パラメータに応じて、負のピーキング深さと負のピーキング時間とを前記駆動波形の立ち上がりに影響させずにアナログ形式による前記駆動波形パラメータを生成することを特徴とするレーザー・ドライバ。
  2. 少なくとも1つの半導体レーザーを備えるアレイを駆動する駆動波形を生成するレーザー・ドライバであって、
    前記レーザー・ドライバに組み込まれたデジタル・コントローラであって、前記デジタル・コントローラは、前記駆動波形に関連した少なくとも2つのパラメータを初めにプログラムし、前記ドライバの動作中に、前記パラメータに調整を加え、該パラメータには、負のピーキング深さと負のピーキング持続時間とを、前記駆動波形の立ち上がりに影響することなく設定可能なパラメータを含む、デジタルコントローラと、
    前記パラメータをデジタル形式で前記デジタル・コントローラから受信し、それに応答してアナログ形式による前記駆動波形パラメータを生成するデジタル・アナログ変換器と、
    前記駆動波形パラメータをアナログ形式で受信し、それに応答して前記駆動波形パラメータによって決まる駆動波形を生成する波形整形回路と
    前記ドライバの温度をモニターし、前記駆動波形の少なくとも1つのパラメータを選択的に調整して、前記温度変化を補償する温度補償機構と
    を含み、前記デジタル・アナログ変換器は、前記デジタルコントローラの前記パラメータに応じて、負のピーキング深さと負のピーキング時間とを前記駆動波形の立ち上がりに影響させずにアナログ形式による前記駆動波形パラメータを生成することを特徴とするレーザー・ドライバ。
  3. 前記レーザー・ドライバは、単一の垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)または垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)のアレイに適合することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー・ドライバ。
  4. 前記駆動波形パラメータに、少なくとも1つの直流パラメータと少なくとも1つの交流パラメータが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー・ドライバ。
  5. 前記駆動波形に関連したパラメータに、バイアス電流、変調電流のいずれかが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー・ドライバ。
  6. 駆動波形パラメータを記憶するための記憶装置
    がさらに含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー・ドライバ。
  7. 組み込まれたコントローラ及び駆動波形パラメータを記憶する記憶装置を備えたレーザー・ドライバにおいて、少なくとも1つの半導体レーザーの駆動波形を供給するための方法であって、
    少なくとも2つの駆動波形パラメータを初めに設定するステップであって、該パラメータには、負のピーキング深さと負のピーキング持続時間とを、前記駆動波形の立ち上がりに影響することなく設定可能なパラメータを含む、ステップと、
    温度要因及び経時要因のいずれかに基づいて、前記負のピーキング深さと前記持続時間とを、前記駆動波形の立ち上がりに影響させずに、前記レーザー・ドライブの動作中に前記駆動波形パラメータの調整を施すステップと
    が含まれている方法。
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