JP4055940B2 - 単板積層材およびそれを利用した建具用框部材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単板を積層して形成した単板積層材の表裏両面に、中質繊維板または硬質繊維板を接着して構成した建具用の框部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の単板を積層して形成した単板積層材は、軽量で比較的安価であるといった利点を有する反面、表面が粗いので化粧加工を施すことが困難であり、そのため、その表面に平滑な中質繊維板や硬質繊維板を積層して複合板としている。
そして、この複合板は、建物の壁材やフロア材として使用されている(例えば、特開平10−58602号参照)。
【0003】
この複合板は、前述したように軽量であり、比較的安価であるため、内装用ドア、窓、ふすま、障子などの建具の框部材として使用することも考えられる。
【0004】
しかし、この複合板は木材製であり、木材には繊維や年輪によってそれぞれ異なる木理が存在するため、反りや捻れが発生し易く、建具の框部材としては不適当であると考えられてきた。
特に、螺旋木理を有する木材はその傾向が強く、建具の框部材として使用することはできないとされてきた。框部材は、建具本体部のフレーム部分であるため、それ自体に反りや捻れが発生すると、建具全体が変形してしまうからである。
【0005】
そこで、本発明の目的とするところは、単板積層材を使用した複合板を利用して、反りや捻れの発生することのない建具用框部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、螺旋木理(G)を有する樹木からなる複数の単板(3)からなり、前記複数の単板(3)の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板(3)の木表(3a)および木裏(3b)をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板(3)の螺旋木理(G)を全て揃えることによって積層したて積層したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、螺旋木理(G)を有する樹木からなる複数の単板(3)を積層した単板積層材(2)の表裏両面に、中質繊維板(4)または硬質繊維板を接着し、かつ、前記複数の単板(3)の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、複数の単板(3)の木表(3a)および木裏(3b)をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板(3)の螺旋木理(G)を全て揃えることによって積層したことを特徴とする。
【0007】
なお、単板積層材(2)を構成する単板(3)は、丸太材を、ロータリーレースまたはスライサー等により切削して得たものである。また、繊維板とは、木材などの植物繊維を圧縮成形して平板状に形成したものであり、そのうち、中質繊維板(4)は密度が0.35g/cm3以上0.80g/cm3未満のものを言い、硬質繊維板とは0.80g/cm3以上のものを言う。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のものを内装用ドア(5)の框として使用してなり、ドア(5)の厚み方向に前記複数の単板(3)を積層したことを特徴とする。
【0010】
なお括弧内の符号は後述する発明の実施の形態及び図面に記載の符号に対応するものである。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板からなり、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したので、捻れを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板を積層した単板積層材の表裏両面に、中質繊維板または硬質繊維板を接着し、かつ、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したので、捻れを防止することができる。
【0013】
ちなみに、これまで単板積層材を製造する際は、単板の木表を全て上(または下)に揃えるのではなく、一枚ごと、あるいは各単板の反りの状態に応じて、一部の単板を反転させていた(例えば、実公平1−24163号参照)。
しかし、本発明者らは、複数の単板をこのように積層すると、単板の収縮方向が異なるがために却って捻れが発生することを確認し、本願発明の参考技術とした。
【0014】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の建具用框部材を、内装用ドアの框として使用し、ドアの厚み方向に複数の単板を積層したので、当該框に反りや捻れが発生し難く、よって、変形し難い内装用ドアを提供することができる。
すなわち、ドア内外の温度差によって水分が移動し、水分の多い方は膨張し、水分の少ない方は収縮することによって反りが発生するものであるが、ドアの厚み方向に複数の単板を積層することにより水分の移動を軽減させ反りの発生を防止するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る建具用框部材1について説明する。図1は本発明の実施形態に係る建具用框部材1を備えた内装用ドア5を示す正面図であり、図2は図1におけるA部の平面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る建具用框部材1を示す分解斜視図である。
【0016】
本発明の実施形態に係る建具用框部材1は、内装用ドア5の框(縦框1aと横框1bの両方)として使用するものであり、複数の単板3をドア5の厚み方向に積層した単板積層材2の表裏両面に、中質繊維板4を接着している。そして、複数の単板3の樹軸方向Dを全て長さ方向に揃えると共に、螺旋木理Gの模様をそれらが全て合致するように揃えている。さらに、各単板3の木表3aを全て上方向に向けている(従って、木裏3bを下方向に向けている)。
なお、本実施形態においては、縦框1aと横框1bとの間の一部に、中質繊維板4を介在させ強度の向上等を図っている。
【0017】
この框部材1は、複数の単板3を積層した単板積層材2の表裏両面に、中質繊維板4を接着し、かつ、前記複数の単板3の樹軸方向Dを全て長さ方向に揃えたので、曲げ強度を向上させることができ、反りの発生を抑えることができる。
また、複数の単板3の螺旋木理Gを全て揃えると共に、単板3の木表3aおよび木裏3bをそれぞれ同一方向に揃えたので、捻れを防止することもできる。
従って、この框部材1には反りや捻れが発生し難く、これにより、変形し難い内装用ドア5を提供することができる。
【0018】
なお、螺旋木理Gを有する樹木からなる複数の単板を積層する例を示したが、特に螺旋木理Gを有しない通常の樹木からなる複数の単板を積層する場合には、複数の単板3を積層した単板積層材2の表裏両面に、中質繊維板4または硬質繊維板を接着し、かつ、複数の単板3の樹軸方向Dを全て長さ方向に揃えることによって、曲げ強度を高めることができ、反りの発生を抑えることができる。
【0019】
なお、本発明に係る建具用框部材1は、内装用ドア5に限らず、窓、ふすま、障子等の他の建具の框として使用することができる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板からなり、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したので、捻れを防止することができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板を積層した単板積層材の表裏両面に、中質繊維板または硬質繊維板を接着し、かつ、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したので、捻れを防止することができる。
【0022】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の建具用框部材を、内装用ドアの框として使用し、ドアの厚み方向に複数の単板を積層したので、当該框に反りや捻れが発生し難く、よって、変形し難い内装用ドアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る建具用框部材を使用した内装用ドアを示す正面図である。
【図2】図1におけるA部の拡大平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る建具用框部材を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 建具用框部材
1a 縦框
1b 横框
2 単板積層材
3 単板
3a 木表
3b 木裏
4 中質繊維板
5 内装用ドア
D 樹軸方向
G 螺旋木理
Claims (3)
- 螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板からなり、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したことを特徴とする単板積層材。
- 螺旋木理を有する樹木からなる複数の単板を積層した単板積層材の表裏両面に、中質繊維板または硬質繊維板を接着し、かつ、前記複数の単板の樹軸方向を全て長さ方向に揃えると共に、前記複数の単板の木表および木裏をそれぞれ同一方向に揃え、しかも前記複数の単板の螺旋木理を全て揃えることによって積層したことを特徴とする単板積層材を利用した建具用框部材。
- 内装用ドアの框として使用してなり、ドアの厚み方向に前記複数の単板を積層したことを特徴とする請求項2に記載の単板積層材を利用した建具用框部材。
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