JP4055561B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に装着された磁気検出素子と磁石を組み合わせて備えて磁気検出センサーを構成し、磁性体が磁気検出センサーに近接したときに、磁性体の近接に対応した信号を出力するようにした位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような構成の磁気検出センサーを有する位置検出装置では、従来、磁気検出センサーを構成する磁石は、基部と基部の両端から基部とは直角方向に伸びる一対の延在部を備え、両延在部の間に無磁束の領域を形成するように着磁されている。そして、この無磁束の領域に磁気検出素子を配置して、両延在部の先端側に磁性体が近接したとき、無磁束の領域が相殺されて、磁気検出素子には磁石の基部からU字形の外へ向かう磁束が通り、この磁束が検出される構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許2921603号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
磁気検出素子としては、切断して長さを調整したり、曲げて形状を変えることができる端子を備え、必要に応じて端子を加工した後に基板上に装着されるリード型と、磁気検出素子がチップ状のもので基板に直接装着される面実装型がある。
【0005】
リード型は端子を屈曲させることが出来るので基板に対して磁気検出素子の向きを自由に設定して装着でき、永久磁石に対して基板を自由に配置できる利点がある反面、その磁気検出素子の基盤への装着には自動装着装置を用いることができなく製造コストがかかる問題点がある。
【0006】
一方、面実装型は磁気検出素子と基板とを小型に組合せることができ、そして自動装着装置で安価に組付けができる利点がある。しかし、面実装型の場合、磁気検出素子は基盤に直接装着される関係から、磁気検出素子の基盤に対する向きが決められてしまい、検出する磁束の方向との関係で永久磁石に対して基板の配置も決められてしまう。例えば、前述の両延在部の先端側で被検出体の近接を検出する従来の位置検出装置では、面実装型の磁気検出素子を適用しようとすると、基盤の部分が延在部の先端より外へ出る配置となる。このために被検出体と延在部の先端との距離が離れてしまい、検出の感度が上げることができない問題が生じる。これを回避するためには、リード型を採用し基盤部分が延在部の先端から外側に出ないよう配置にして感度を確保して、組付けのコストは犠牲にしなければならなかった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、このような問題を解決するために、感度の優れる位置検出装置を実現し、しかも面実装型の磁気検出素子の利用を可能にして安価に組付けができる構成とすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した技術的課題を解決するために講じた請求項1の発明は、少なくとも両側に伸びる延在部を備える単一の磁石と、前記延在部の間の所定位置に配置される磁気検出素子とを有し、被検出体が前記磁石から所定範囲内の検出域に位置するとき前記磁気検出素子は検出に対応する信号を出力し、前記被検出体が前記検出域外に位置するとき非検出に対応する信号を出力するように構成された位置検出装置において、
前記磁気検出素子を基板上に装着し、前記被検出体が前記両延在部の外側で且つ延長方向と略並行する位置に近接し前記検出域内に入ったとき前記磁石の磁束の前記基板に対して直角方向成分を検出可能になるように構成したことである。
【0009】
この構成によれば、被検出体は磁石の側面に近接して、検出されるようになり、磁気検出素子及び基板の位置によらずに、被検出体と磁石の距離を小さく設定することができ、良い検出感度を確保することができる。
【0010】
第1の手段に加えて、発明で講じた第2の技術的手段は、前記磁気検出素子を面実装型にしたことである。
【0011】
この構成によって、磁気検出素子は基盤に自動装着装置で組付け可能となり、安価にできる。
【0012】
更に、第1又は第2の手段に加えて、発明で講じた第3の技術的手段は、前記磁石に前記基板を支持する係止部を設けるように構成したことである。
【0013】
この構成によって、磁石に対する磁気検出素子の位置が正確に確保され、検出精度が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の係わる位置検出装置1の実施形態を添付図面1から3に基づいて説明する。
【0015】
図1の分解斜視図に示されるように、位置検出装置1はその枠体となる磁石10を備える。磁石10は単一の外形が直方体形状となるもので、直方体の1つの側面に開放するように概略4角形の穴4が形成されている。穴4は所定の深さで底部5を有し、また穴4の対向する両側面には、穴4の開放部から底部5まで延びる一対の溝2(係止部)を備えている。
【0016】
更に図1に矢印で示されるように、磁石10の穴4には溝2によって左右の端面が係止される平面で4角形の基板4が嵌め込まれる。基板4の一方側の面上には端子を介せずに直接装着される面実装型の面実装素子6が装着される。面実装素子6は磁束密度が所定値以上に達すると所定の出力を発生する既知のホール素子等を利用した磁電検出素子61を備えるものである。このような磁電検出素子61は、装着される基板4に対して直角の方向の磁束を検出する。基板4は、磁電検出素子61に必要とされる周辺の電子回路を備え、小型に構成されるものである。
【0017】
磁石10は図2および図3に示されるように、直方体の1側面である穴4の縁部3と底部5がN極に着磁され、底部5と反対側となっている直方体の側面はS極に着磁されている。このように着磁された磁石10は、磁石10に近接する磁性体が無い場合は、図2に点線の楕円で示されるように、穴4の外側部分で各Nからの磁力線が互いに干渉しあって無磁力となる領域Aを形成する。通常磁電検出素子61はこの無磁力の領域A内に位置するように、基板4を溝2に係止して組みつけられている。
【0018】
しかしながら、後述するように磁電検出素子61は、磁性体9の近接によって変化する磁束を検出して判定するもので、この磁束の変化が安定して検出可能になるように領域A外にわずか外れる位置に配置しても良い。尚、上記実施例に対して、N極とS極を反対になるように磁石10への着磁を変更しても何ら問題がないことは明らかである。
【0019】
図3に示すように、被検出体となる磁性体9と磁石10は、磁石10の直方体の外側面であって、且つ基板7が挿入されている穴4の伸びる方向と概略平行になる外側面に近接するように配置される。従って基板7は磁石10に形成された穴4内に配置され、磁石と磁性体9の距離は小さく設定することができ、良い検出感度を確保することができる構成である。尚、磁性体9が近接する時の移動方向はいづれでも良く、所定の検出域内に到達したときに検出される。
【0020】
磁電検出素子61の取付け位置の精度は溝2に係止されることによって確保され、磁電検出素子61の磁石10に対する位置のバラツキによって生じる磁電検出素子61の出力のバラツキは小さく抑えられ、検出の精度が向上する。
【0021】
次にこのように構成された位置検出装置1の作動について説明する。
【0022】
図3に示されるように、磁性体9が磁石10に対して2点鎖線で示されように離れた非検出位置にある場合は、磁束は図2に示す状態となっていて、磁電検出素子61は無磁力の領域A内にあって、磁電検出素子61は非検出に対応する信号を出力している。磁性体9が図3に実線で示されるように磁石10の側面に並ぶ位置に移動すると、磁力線の均衡が変化して無磁力の領域が図2のAから図3のBのように磁性体9側に移動する。そして、磁電検出素子61は無磁力の領域Bの外側になる。このとき磁束は磁電検出素子61を基板7の面に対しての直角方向の成分が増加して通過するようになる。そして、磁電検出素子61は磁束を検出して検出に対応する信号を出力するようになる。上記したように磁束の直角方向の成分が磁電検出素子61を所定の強さで通るようになるときの磁石10の側面に対する磁性体9の位置の範囲が検出域となる。
【0023】
上記した、実施例では、磁石10を直方体形状の一体のものとしたが、上記説明で明らかなように、磁石10において磁性体9の検出に寄与する磁力線を発生させるのは基板7と平行する2辺であり、他の基板7と直角な2辺は基板7を支持するために利用されている。したがって、磁力線を発生させる基板7に平行な2辺を延材部10a(図2)として、基板7に直角の2辺を、例えば樹脂材によって形成し、磁石10と一体に組付ける構成としても良い。
【0024】
【発明の効果】
上記したように構成された位置検出装置は、被検出体は磁石の側面に近接して、検出されるために、磁気検出素子及び基板の位置によらずに、被検出体と磁石の距離を小さく設定することができ、良い検出感度を確保することができる。また、前記磁気検出素子を面実装型にしたことで、磁気検出素子は基盤に自動装着装置で組付け可能となり、安価にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係わる位置検出装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の係わる位置検出装置が磁性体を検出していないときの、磁束の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の係わる位置検出装置が磁性体を検出しているときの、磁束の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 位置検出装置
2 係止部(溝)
4 穴
6 面実装素子
7 基板
9 被検出体(磁性体)
10 磁石
10a 延在部
61 磁気検出素子

Claims (3)

  1. 少なくとも両側に伸びる延在部を備える単一の磁石と、
    前記延在部の間の所定位置に配置される磁気検出素子とを有し、被検出体が前記磁石から所定範囲内の検出域に位置するとき前記磁気検出素子は検出に対応する信号を出力し、前記被検出体が前記検出域外に位置するとき非検出に対応する信号を出力するように構成された位置検出装置において、
    前記磁気検出素子を基板上に装着し、前記被検出体が前記両延在部の外側で且つ延長方向と略並行する位置に近接し前記検出域内に入ったとき前記磁石の磁束の前記基板に対して直角方向成分を検出可能になるように構成したことを特徴とする位置検出装置。
  2. 請求項1において、前記磁気検出素子は面実装型である位置検出装置。
  3. 請求項1又は2において、前記磁石に前記基板を支持する係止部を設けるように構成した位置検出装置。
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