JP4055243B2 - 車両用キーレスエントリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用キーレスエントリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のセキュリテイ性の向上が望まれている。このセキュリテイ性を向上させる手段の一つとして、ドアロックのメカニカルキーの廃止があげられる。
このメカニカルキーの廃止とともに、ドアを電磁的にロック或いはアンロックするシステムを採用すれば当該車両の運転者以外の者の車室内への侵入を防ぐことができる。
【0003】
上記システムの一例としてはキーレスエントリ装置があげられる。このキーレスエントリ装置では、携帯通信機、車載通信機及びドアロック機構を備え、車載通信機はバッテリからの給電に基づき携帯通信機との通信に応じてドアロック信号或いはアンロック信号を発生する。そして、上記ドアロック機構は上記ドアロック信号に基づきドアをロックする一方、上記アンロック信号に基づきドアをアンロックする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記メカニカルキーを廃止すると、バッテリがあがったときには、上記車載通信機はバッテリから給電されなくなり、ドアをアンロックできなくなる。よって、上記運転者が車室内に入ることができなくなるという問題が生じる。
【0005】
これに対して、特開平8−189238号公報にて示されているように、上記携帯通信機に補助電池を備え、携帯通信機を車両の一部に電気的に直接接続して携帯通信機の補助電池から車載通信機に給電して車載通信機を作動させるようにしたものがある。
しかし、携帯通信機から車載通信機に給電するとき、上述の如く、携帯通信機を車両の一部に電気的に直接接続する必要があるため、不便である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みたもので、太陽電池を活用することによりバッテリがあがったときでも、ドアを確実にアンロックするようにした車両用キーレスエントリ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、携帯通信機(10)と、車両に搭載された通信機(以下、車載通信機という)であってバッテリからの給電に基づき携帯通信機との電波を媒体とした通信に応じてドアロック信号或いはアンロック信号を発生する信号発生手段(22乃至25)を有する車載通信機(20)と、ドアロック信号に基づきドアをロックする一方、アンロック信号に基づきドアをアンロックするドアロック機構(DA)とを備える車両用キーレスエントリ装置において、太陽光を電力に変換して蓄える補助電源(30)を備えており、携帯通信機は、光を媒体としてトリガ信号を発生するトリガ手段(14、15)を備えており、車載通信機は、トリガ信号に基づき補助電源を信号発生手段に接続する接続手段(28)を備え、この接続手段による接続により信号発生手段が補助電源から給電されて、信号発生手段が携帯通信機との電波を媒体とした通信によりアンロック信号を発生し、このアンロック信号によりドアロック機構がドアをアンロックし得るように構成されている
【0008】
このため、バッテリがあがったときでも、信号発生手段は補助電源からの給電に基づきバッテリから給電された場合と同様の作動をする。よって、信号発生手段はドアロック機構を介してドアを確実にアンロックし得る。これにより、車両の運転者が車室内に入ることができる。請求項1に記載の発明において、請求項2に記載の発明のように、トリガ手段は発光素子(14)及びスイッチ手段(15)を有し、発光素子はスイッチ手段の操作に基づき光を媒体としてトリガ信号を発生するようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用キーレスエントリ装置の一実施形態について図1により説明する。
このキーレスエントリ装置はカード型携帯通信機10を備えており、この携帯通信機10は送受信アンテナ11、変復調回路12及び制御回路13を備えている。
【0010】
送受信アンテナ11は、変復調回路12からの送信信号に基づき電波を媒体として送信信号を送信する一方、後述する車載通信機20の送信アンテナ21からの電波を媒体として送信信号を受けて受信信号を発生し変復調回路12に出力する。なお、上記両電波の周波数としては2.45GHzが採用されている。
変復調回路12は送受信アンテナ11からの受信信号を復調処理し処理受信信号を発生し制御回路13に出力する一方、制御回路13からの当該車両のIDコードを示す制御信号を変調処理して送信信号を発生し送受信用アンテナ11に出力する。
【0011】
制御回路13は変復調回路12からの処理受信信号を受けて車両IDコードを示す制御信号を変復調回路12に出力する。
携帯通信機10は 発光ダイオード14及び常開型スイッチ15を備えている。発光ダイオード14はスイッチ15のオンに基づき電池16から給電される。その結果、発光ダイオード14は電磁波の一例である光を媒体としてトリガ信号を発生する。
【0012】
なお、トリガ信号として光信号を採用した根拠は、光信号は、高周波の電波信号に比較して、受信回路にて受信信号を増幅するための消費電力を小さくし得るからである。
また、キーレスエントリ装置は車載通信機20を備えている。車載通信機20は送信アンテナ21を備えており、この送信アンテナ21は、後述する変調回路22からの処理要求信号に基づき電波を媒体として送信信号を送信する。また、送信アンテナ21としては、ドアDの取っ手DTの直下にてドアDの外壁に形成したスロットアンテナが採用されている。なお、送信アンテナ21としては、スロットアンテナの代わりにパッチアンテナを採用してもよい。
【0013】
車載通信機20は、図1に示す如く、回路基板K上にて、変調回路22とともにマイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25を備えている。
変調回路22はマイクロコンピュータ23からの要求信号を変調処理し上記処理要求信号を発生し送信アンテナ21に出力する。
マイクロコンピュータ23は、図4に示すフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行する。
【0014】
なお、マイクロコンピュータ23、変調回路22、駆動回路24及び復調回路25の各給電端子は切換回路28を通してバッテリBの正極端子に接続されている。
駆動回路24はマイクロコンピュータ23の制御に応じてドアロック信号或いはアンロック信号をドアロック機構DAに出力する。このドアロック機構DAは上記ドアロック信号に基づきドアをロックする一方、上記アンロック信号に基づきドアをアンロックする。
【0015】
復調回路25は後述する受信アンテナ26からの返信信号を変調処理し処理返信信号をマイクロコンピュータ23に出力する。この返信信号は車両のIDコードを示す信号である。
受信アンテナ26は携帯通信機10の送受信アンテナ11からの電波を媒体として送信信号を受けて上記返信信号を発生し復調回路25に出力する。なお、受信アンテナ26は当該車両のルームミラーに内蔵されている。
【0016】
車載通信機20はその回路基板K上にて受光回路27及び切換回路28を備えている。
受光回路27はフォトダイオード27aを備えており、このフォトダイオード27aは、携帯機10の発光ダイオード14からのトリガ信号を受けて後述する補助電源30により通電される(図3参照)。また、フォトダイオード27aは、図2に示す如く、ドアDの取っ手DTの図示左端の直下にて装着されている。このフォトダイオード27aの受光面は外部に露呈している。
【0017】
なお、フォトダイオード27aはそのカソード端子にて補助電源30の出力端子に接続されており、フォトダイオード27aのアノード端子は信号処理回路27bのコンパレータCPの正入力端子に接続されている。
信号処理回路27bは、抵抗素子R1乃至R3を備えている。抵抗素子R1はフォトダイオード27aと直列接続して分圧回路を形成する。この分圧回路は、フォトダイオード27aの通電状態にて、フォトダイオード27a及び抵抗端子R1の共通端子から受光電圧をコンパレータCPの正入力端子に印加する。
【0018】
両抵抗素子R2、R3も直列接続して分圧回路を形成する。この分圧回路は両抵抗素子R2、R3の共通端子から基準電圧をコンパレータCPの負入力端子に印加する。
コンパレータCPは上記基準電圧に比べて上記受光電圧の方が高くなると、ハイレベル信号を発生する。
【0019】
切換回路28は、図3に示す如く、トランジスタTR1を備えており、このトランジスタTR1は受光回路27からのハイレベル信号を受けてオンする。なお、抵抗素子R4はプルアップ抵抗である。
また、切換回路28は、トランジスタTR2を備えている。このトランジスタTR2はトランジスタTR1のオンに基づきオンする一方、トランジスタTR1のオフに基づきオフする。このトランジスタTR2はそのオン状態にて補助電源30を変調回路22、マイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25に接続する。
【0020】
なお、トランジスタTR2はそのベース端子にて抵抗素子R5を通してトランジスタTR1のコレクタ端子に接続されている。また、ダイオードD1は逆流防止用ダイオードであり、抵抗素子R6はトランジスタTR2のバイアス抵抗である。
また、切換回路28はトランジスタTR3を備えている。トランジスタTR3はそのオン状態にてバッテリBを変調回路22、マイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25に接続する。その一方、トランジスタTR3はトランジスタTR1のオンに基づきオフしてバッテリBから変調回路22、マイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25を遮断する。
【0021】
なお、トランジスタTR3はそのベース端子にて逆流防止用ダイオードD2を通して抵抗素子R7を経てグランドに接続されている。また、ダイオードD3は逆流防止用ダイオードであり、抵抗素子R8はトランジスタTR3のバイアス抵抗である。
補助電源30は太陽電池30a及び蓄電用コンデンサ30bを備えており、太陽電池30aは太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換してコンデンサ30bに蓄える。また、太陽電池30aは、図2に示す如く、ドアDの取っ手DTの裏側にてドアDの外壁に電気絶縁膜を介して装着されている。なお、ドアDの取っ手DTは透明樹脂材料から形成されている。
【0022】
以下、このように構成したキーレスエントリ装置の作動について説明する。
マイクロコンピュータ23はバッテリBにより給電された状態で、図4のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。
ステップ100にて、マイクロコンピュータ23から要求信号が間欠的に発生される。そして、ステップ101にて、復調回路25からの処理返信信号が入力された否か判定する。ここで、上記処理返信信号の入力があればYESと判定され、ステップ102にて、上記処理返信信号のIDコードが読み取られる。すると、ステップ103にて、上記処理返信信号のIDコードがマイクロコンピュータ23のROMに予め記憶したIDコードに照合される。
【0023】
ここで、上記処理返信信号のIDコードが上記ROMのIDコードと一致するのであればYESと判定されて、ステップ104にてドアアンロック処理がなされる。その結果、駆動回路24はアンロック信号をドアロック機構DAに出力する。よって、ドアロック機構DAはドアをアンロックする。
ところで、操作者が携帯通信機10を携帯して車両に近づいたにもかかわらずドアがアンロックされない場合には、運転者はバッテリBがあがっていると判断して携帯通信機10の発光ダイオード14をフォトダイオード27aに近づけてスイッチ15をオンする。すると、携帯通信機10の発光ダイオード14はトリガ信号を発生する。
【0024】
しかして、フォトダイオード27aは発光ダイオード14からのトリガ信号を受けて導通する。この導通に基づき、信号処理回路27bはハイレベル信号を切換回路に出力する。これにより、切換回路28は補助電源30を変調回路22、マイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25に接続する。
なお、この接続に伴い、切換回路28はバッテリBから変調回路22、マイクロコンピュータ23、駆動回路24及び復調回路25を遮断する。
【0025】
このため、補助電源30は切換回路28を通してマイクロコンピュータ23、復調回路22、駆動回路24及び変調回路25に給電する。よって、マイクロコンピュータ23は上述したバッテリBから給電される場合と同様に作動する。その結果、ドアがアンロックされて運転者が車室内に入ることができる。
なお、ステップ101にて処理返信信号が入力されないのであればNOと判定されてステップ100の処理がなされる。また、ステップ103にて上記処理返信信号の示すIDコードが上記ROMのIDコードと一致しないのであればNOと判定されて、ステップ100の処理がなされる。
【0026】
また、上記実施形態では、トリガ信号として光を媒体とする信号を採用した例について説明したが、これに限らず、低周波の電波を媒体とする信号を採用してもよい。この場合、車載通信機20のフォトダイオード27aの代わりに電磁コイルを設けるとともに、携帯通信機10の発光ダイオード14の代わりに電磁コイルを設けておく。
【0027】
さらに、上記実施形態では、太陽電池30aを、図2に示す如く、ドアDの取っ手DTの裏側にてドアDの外壁に装着した例について説明しが、これに限らず、太陽電池30aを車両の屋根の外壁に装着してもよい。
なお、上記実施形態では、太陽電池30aからの電気エネルギーを蓄える手段としてコンデンサ30bを採用した例について説明しが、コンデンサ30bの代わりに二次電池を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用キーレスエントリ装置を示すブロック図である。
【図2】図1の太陽電池、送信アンテナ及びフォトダイオードの配置を示す図である。
【図3】図1の受光回路及び切換回路を示す電気回路図である。
【図4】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…携帯通信機、14…発光ダイオード、15…スイッチ、
20…車載通信機、22…変調回路、23…マイクロコンピュータ、
24…駆動回路、25…復調回路、28…切換回路、30a…太陽電池、
DA…ドアロック機構。

Claims (2)

  1. 携帯通信機(10)と、車両に搭載された通信機(以下、車載通信機という)であってバッテリからの給電に基づき前記携帯通信機との電波を媒体とした通信に応じてドアロック信号或いはアンロック信号を発生する信号発生手段(22乃至25)を有する車載通信機(20)と、前記ドアロック信号に基づきドアをロックする一方、前記アンロック信号に基づき前記ドアをアンロックするドアロック機構(DA)とを備える車両用キーレスエントリ装置において、
    太陽光を電力に変換して蓄える補助電源(30)を備えており、
    前記携帯通信機は、光を媒体としてトリガ信号を発生するトリガ手段(14、15)を備えており、
    前記車載通信機は、前記トリガ信号に基づき前記補助電源を前記信号発生手段に接続する接続手段(28)を備え、この接続手段による前記接続により前記信号発生手段が前記補助電源から給電されて、前記信号発生手段が前記携帯通信機との電波を媒体とした通信により前記アンロック信号を発生し、このアンロック信号により前記ドアロック機構が前記ドアをアンロックし得るように構成されていることを特徴とする車両用キーレスエントリ装置。
  2. 前記トリガ手段は発光素子(14)及びスイッチ手段(15)を有し、
    前記発光素子は前記スイッチ手段の操作に基づき光を媒体として前記トリガ信号を発生することを特徴とする請求項1に記載の車両用キーレスエントリ装置。
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