JP4055092B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビデオカメラ装置に関し、例えば放送業務用のデイジタルビデオカメラに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の業務用のデイジタルビデオカメラにおいては、被写体の明るさを検出して、当該被写体に対する最適な露出レベルをオペレータがフアインダを目視確認しながら調整することにより、適正な露出合わせを行うようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このデイジタルビデオカメラは、フアインダに表示された映像のうち、予め設定された輝度レベルに対応する映像部分のみ露出合わせできるようになされている。このためオペレータが所望する映像部分を任意に露出合わせすることができれば、より一層最適な露出合わせを行うことができ、この結果格段と機能性を向上させることができる。
【0004】
しかしながら従来のデイジタルビデオカメラでは、フアインダの前段にアナログ回路からなる設定手段を取り付けた後、当該設定手段を用いて予めオペレータが複数の輝度レベルを自由に設定しておき、必要に応じて所望の輝度レベルに対応する映像部分の露出合わせを行うことは非常に困難であつた。
【0005】
かかる外付けの設定手段では、デイジタルビデオカメラ本体内の種々の回路と信号同期させることが困難となり、特にアナログVTRの再生信号が外部入力された場合には信号の非同期状態が後段のフアインダにおいて顕著に現れるという問題があつた。さらに複数の輝度レベルを設定させた場合には、設定手段には電子ボリユームや接続線を追加する必要があり回路規模が大きくかつ煩雑となり、実用上未だ不十分な問題があつた。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で格段と機能性を向上させ得る撮像装置及び撮像方法を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、被写体を撮像して当該被写体像に応じたデイジタル映像信号を生成する撮像手段と、デイジタル映像信号に対する水平同期信号及び垂直同期信号を生成するタイミング信号生成部と、システムクロツクを水平アドレス値としてカウントし、水平同期信号の立ち上がりに応じて水平アドレス値をリセツトする水平アドレスカウンタと、水平アドレス値に対して第1の係数を乗算して第1の乗算値を算出する第1の係数乗算器と、水平同期信号を垂直アドレス値としてカウントし、垂直同期信号の立ち上がりに応じて垂直アドレス値をリセツトする垂直アドレスカウンタと、垂直アドレス値に対して第2の係数を乗算して第2の乗算値を算出する第2の係数乗算器と、垂直同期信号をフイールド番号値としてカウントするフイールドカウンタと、フイールド番号値に対して正又は負の整数でなる第3の係数を乗算して第3の乗算値を算出する第3の係数乗算器と、第1、第2及び第3の乗算値を加算する加算値を算出する加算器と、斜線の挿入位置を出力の反転により表す挿入クロツクデータを加算値に応じて生成するレジスタとを有する挿入位置決定手段と、デイジタル映像信号の輝度レベルが所定の挿入レベル範囲にあるか否かを判別する判別手段と、判別手段により挿入レベル範囲にあると判別された部分のデイジタル映像信号に対して、挿入クロツクデータが表す挿入位置に応じて挿入信号を挿入する信号挿入手段と、信号挿入手段によって挿入信号が挿入されたデイジタル映像信号を表示する表示手段とを設けるようにした。この結果、表示手段には、所定の挿入レベル範囲に相当する部分のデイジタル映像信号に所定の挿入信号が垂直同期信号に同期して変化するように挿入された状態でデイジタル映像信号に基づく映像が表示され、かくしてオペレータに挿入信号を確実に目視確認させることができ、当該オペレータに簡易に露出合わせさせることができる。
【0008】
さらに本発明においては、被写体を撮像して当該被写体像に応じたデイジタル映像信号を生成する撮像ステツプと、デイジタル映像信号に対する水平同期信号及び垂直同期信号を生成するタイミング信号生成ステツプと、システムクロツクをカウントすることにより生成され水平同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる水平アドレス値に対して第1の係数を乗算して第1の乗算値を算出し、水平同期信号をカウントすることにより生成され垂直同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる垂直アドレス値に対して第2の係数を乗算して第2の乗算値を算出し、垂直同期信号をカウントすることにより生成されフイールド番号値に対して正又は負の整数でなる第3の係数を乗算して第3の乗算値を算出し、第1、第2及び第3の乗算値を加算する加算値を算出し、斜線の挿入位置を出力の反転により表す挿入クロツクデータを加算値に応じて生成し、またデイジタル映像信号の輝度レベルが所定の挿入レベル範囲にあるか否かを判別する決定判別ステツプと、決定判別ステツプにおいて挿入レベル範囲にあると判別された部分のデイジタル映像信号に対して、挿入クロツクデータが表す挿入位置に応じて挿入信号を挿入する信号挿入ステツプと、信号挿入ステツプにおいて挿入信号が挿入されたデイジタル映像信号を表示する表示ステツプとを設けるようにした。この結果、所定の挿入レベル範囲に相当する部分のデイジタル映像信号に所定の挿入信号が垂直同期信号に同期して変化するように挿入された状態でデイジタル映像信号に基づく映像を表示することができ、かくしてオペレータに挿入信号を確実に目視確認させることができ、当該オペレータに簡易に露出合わせさせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
図1において、1は全体として本発明を適用したデイジタルビデオカメラを示し、被写体の光学像がカメラ部2に入射されると、当該カメラ部2は内蔵されたCCD(Charge Coupled Device )において光電変換した後、得られた撮像信号S1をカメラ信号処理部3に送出する。
【0011】
カメラ信号処理部3は、撮像信号S1に対してフレアー補正、ブラツクセツト、シエーデイング補正、ニー圧縮及びガンマ補正等の種々の信号処理を順次施した後、得られたビデオ信号S2をVTR共通信号処理部4に送出する。
【0012】
VTR共通信号処理部4は、カメラ信号処理部3から供給されるビデオ信号S2の他に、外部のVTR(図示せず)から出力される再生ビデオ信号S3も供給されると、制御部5の制御のもと、これら各ビデオ信号S2、S3を輝度信号及び色差信号に分離した後、それぞれ所定の信号処理を施すことにより、得られたデイジタル映像信号S4を記録部6に送出する。
【0013】
またVTR共通信号処理部4からはデイジタル映像信号S4が出力系信号処理部7及びフアインダ信号処理部8に供給され、出力系信号処理部7は、制御部5の制御のもと外部出力端子(図示せず)から当該デイジタル映像信号S4を出力すると共に、フアインダ信号処理部8は、制御部5の制御のもと必要に応じて所定の信号処理を施した後、後段のビユーフアンダ10に画面表示する。
【0014】
なお制御部5は、バス9を介してVTR共通信号処理部4、出力系信号処理部7及びフアインダ信号処理部8に必要に応じて所定の制御信号を送出すると共に、VTR共通信号処理部4、出力系信号処理部7及びフアインダ信号処理部8からデイジタル映像信号S4を受ける。
【0015】
また制御部5は、バス9に接続されたタイミング信号生成部11からデイジタルビデオカメラ1全体のシステムクロツクSCLを読み出して各回路6、7及び8に送出すると共に、必要に応じてデイジタル映像信号S4に同期した垂直同期パルス信号SVP及び水平同期パルス信号SHPがフアインダ信号処理部8に送出する。
【0016】
ここでフアインダ信号処理部8においては、図2に示すように、制御部5から出力される制御信号S10がラツチ部20に与えられると共に、デイジタル映像信号S4に同期した垂直同期パルス信号SVPが与えられる。ラツチ部20は、垂直同期パルス信号SVPに同期したフイールド周期で、制御信号S10のうち斜線濃度レベルを選択するデータ(以下、これを斜線濃度選択データと呼ぶ)D1を挿入レベル設定部21に送出すると共に、当該制御信号S10のうち斜線挿入対象となる輝度レベルの範囲を選択するデータ(以下、これを斜線挿入選択データと呼ぶ)D2を比較レベル設定部22送出し、さらに挿入許可するか否かを表すデータ(以下、これを挿入許可データと呼ぶ)D3を挿入制御部25に送出する。
【0017】
挿入レベル設定部21は、斜線濃度選択データD1に応じて挿入斜線濃度を決定した後、これを濃度決定データD4としてスイツチ23の一入力端aに送出する。なおスイツチ23の他入力端b及び後述するレベル比較部24には、それぞれVTR共通信号処理部4(図1)からデイジタル映像信号S4が与えられる。
【0018】
続いて比較レベル設定部22は、斜線挿入選択データD2に応じて斜線挿入対象となる画素群の輝度レベル(以下、これを斜線挿入レベルと呼ぶ)の上限及び下限の値をそれぞれ設定した後、これらを上限値設定データD5及び下限値設定データD6としてレベル比較部24に送出する。
【0019】
このレベル比較部24にはデイジタル映像信号S4が供給され、当該デイジタル映像信号S4の輝度レベルを、上限設定値データD5及び下限設定データD6に基づく上限及び下限の斜線挿入レベルとそれぞれフイールドごとに比較することにより、当該比較結果である比較データD7を挿入制御部25に送出する。
【0020】
またフアインダ信号処理部8においては、制御部5の制御に応じて、タイミング信号生成部11からデイジタルビデオカメラ1全体のシステムクロツクSCLと、デイジタル映像信号S4に同期した垂直同期パルス信号SVP及び水平同期パルス信号SHPとが挿入基準クロツク生成部26に供給される。
【0021】
この実施の携帯の場合、システムクロツクSCLは13.5〔MHz〕、垂直同期パルス信号SVP及び水平同期パルス信号SHPはそれぞれ映像垂直同期周期及び映像水平同期周期で1パルスとする。
【0022】
この挿入基準クロツク生成部26は、システムクロツクSCL、垂直同期パルス信号SVP及び水平同期パルス信号SHPに基づいて各フイールドごとに斜線を挿入する位相タイミングを決定した後、これを挿入基準クロツクデータD8として挿入制御部25に送出する。
【0023】
挿入制御部25は、レベル比較部24から得られる比較データD7と、挿入基準クロツク生成部26から得られる挿入基準クロツクデータD8と、ラツチ部20から得られる挿入許可データD3との論理積を計算した後、当該計算結果に応じた切換信号S11をスイツチ23に送出する。
【0024】
スイツチ23は、切換信号S11に応じてデイジタル映像信号S4又は濃度決定データD4のいずれか一方を選択的に出力し、この結果、ビユーフアインダ10(図1)の画面には当該選択された信号に応じた映像が表示される。
【0025】
実際上、このフアインダ信号処理部8において、挿入レベル設定部26は、図3に示すように、2つのデータテーブル30A及び30Bがそれぞれスイツチ31の一入力端a及び他入力端bに接続されている。これらデータテーブル30A及び30B内のレジスタには、デイジタル映像信号S4の標準映像レベル(輝度レベル) 100〔%〕に対して斜線挿入濃度が20〔%〕(ダークグレー)及び40〔%〕(グレー)からなる斜線濃度データDSA 及びDSB が予め格納されている。
【0026】
この場合、斜線濃度データDSA 及びDSB は、8ビツトで伝送されるデイジタル映像信号S4に対して、標準映像レベル( 100〔%〕)を 220とすると、それぞれ斜線挿入レベルは44(20〔%〕)及び88(40〔%〕)で表される。
【0027】
この挿入レベル設定部26に対して、ラツチ部20から斜線濃度選択データD1がフイールド周期で供給されると、当該斜線濃度選択データD1に応じてスイツチ31が切り換えられ、データテーブル30A及び30Bから読み出された斜線濃度データDSA 及びDSB のうちのいずれかが濃度決定データD4として出力される。
【0028】
実際上この実施の形態において、挿入レベル設定部21では、スイツチ23は入力端子b側に切り換えられ、濃度決定データD4として斜線濃度データDSB (斜線挿入レベル88(40〔%〕))が選択出力されたものとする。
【0029】
次に比較レベル設定部22は、図4に示すように、4つのデータテーブル33A〜33Dがそれぞれスイツチ34及び35の一入力端a及び他入力端bに対応して接続されている。これらデータテーブル33A〜33Dのレジスタには、デイジタル映像信号S4の標準映像レベル100〔%〕に対して斜線挿入濃度が約116〔%〕、75〔%〕、100〔%〕及び65〔%〕からなる挿入レベルデータDY〜DYが予め格納されている。
【0030】
この場合、挿入レベルデータDYA 〜DYD は、8ビツトで伝送されるデイジタル映像信号S4に対して、標準映像レベル( 100〔%〕)を 220とすると、それぞれ斜線挿入レベルは 255(約 116〔%〕)、 165(75〔%〕)、 220( 100〔%〕)及び 143(65〔%〕)で表される。
【0031】
この比較レベル設定部22に対して、ラツチ部20から斜線挿入選択データD2がフイールド周期で供給されると、当該斜線挿入選択データD2に応じてスイツチ34及び35が連動して切り換えられ、データテーブル33A及び33Cから読み出された挿入レベルデータDYA 及びDYC 、又はデータテーブル33B及び33Dから読み出された挿入レベルデータDYB 及びDYD のうちどちらかが上限値設定データD5及び下限値設定データD6として出力される。
【0032】
実際上この実施の形態において、比較レベル設定部22では、スイツチ34及び35は共に入力端子b側に切り換えられ、上限値設定データD5及び下限値設定データD6としてそれぞれ挿入レベルデータDYB 及びDYD (斜線挿入レベル 165(75〔%〕)及び 143(65〔%〕))が選択出力されたものとする。
【0033】
またレベル比較部24は、デイジタル映像信号S4、上限値設定データD5及び下限値設定データD6が供給されると、図5に示すレベル比較処理手順RT1に従つてデイジタル映像信号S4の輝度レベルの比較を開始する。
【0034】
すなわちレベル比較部24は、図5のステツプSP0から当該処理手順RT1に入り、ステツプSP1においてデイジタル映像信号S4の映像レベルが上限設定値データD5(挿入レベルデータDYB )の斜線挿入レベルよりも小さいか否かを判断する。
【0035】
このステツプSP1において肯定結果を得ると、レベル比較部24は、ステツプSP2に進んで、デイジタル映像信号S4の輝度レベルが下限設定データD6(挿入レベルデータDYD )の斜線挿入レベルよりも大きいか否かを判断する。
【0036】
このステツプSP2において肯定結果を得ると、このことはデイジタル映像信号S4の輝度レベルが上限及び下限の斜線挿入レベルの範囲( 143〜 165)内であることを表しており、このときレベル比較部24は、ステツプSP3に進んで、論理レベル「H」となる比較データD7を出力した後、そのままステツプSP5に進んで当該処理手順RT1を終了する。
【0037】
これに対してステツプSP1及びステツプSP2において否定結果を得ると、このことはデイジタル映像信号S4の輝度レベルが上限及び下限の斜線挿入レベルの範囲外であることを表しており、このときレベル比較部24は、ステツプSP4に進んで、論理レベル「L」となる比較データD7を出力した後、そのままステツプSP5に進んで当該処理手順RT1を終了する。
【0038】
さらに挿入基準クロツク生成部26は、図6に示すように、Hアドレスカウンタ40、Vアドレスカウンタ41及びフイールドカウンタ42を有し、制御部5の制御に応じてタイミング信号生成部11から読み出されたシステムクロツクSCL(図7(A))がHアドレスカウンタ40に供給されると共に、水平同期パルス信号SHPがHアドレスカウンタ40がVアドレスカウンタ41に供給され、さらに垂直同期パルス信号SVPがVアドレスカウンタ41及びフイールドカウンタ42に供給される。
【0039】
まずHアドレスカウンタ40は、水平同期パルス信号SHPをシステムクロツクSCLに同期してカウントアツプしながら、当該カウント値を水平アドレスデータDHA(図7(B))として係数乗算器43を介して加算器44に送出する。この水平アドレスデータDHAのカウント値は次の水平同期パルス信号SHPの立上りでリセツトされる。
【0040】
またVアドレスカウンタ41は、垂直同期パルス信号SVPを水平同期パルス信号SHPに同期してカウントアツプしながら、当該カウント値を垂直アドレスデータDVA(図7(C))として係数乗算器45を介して加算器44に送出する。この垂直アドレスデータDVAのカウント値は次の垂直同期パルス信号SVPの立上りでリセツトされる。
【0041】
さらにフイールドカウンタ42は、垂直同期パルス信号SVPに同期してカウントアツプしながら、当該カウント値をフイールド番号データDFN(図7(D))として係数乗算器46を介して加算器44に送出する。
【0042】
このとき係数乗算器43、45及び46では、それぞれ設定された係数の値に応じて挿入斜線の内容を変更できるようになされている。
【0043】
このうち係数乗算器43において、係数値lを0に設定すれば水平線となり、正の整数に設定すれば当該係数値lの大きさに応じて挿入斜線の線幅が変わる。また係数乗算器45において、係数値mを0に設定すれば垂直線となり、正数又は負数に設定すればそれぞれ左下がり又は右下がりとなり、当該係数値mの大きさに比例して傾斜の度合いが緩くなる。
【0044】
さらに係数乗算器46において、係数値nを0に設定すればフイールドごとに固定位置となり、正数又は負数に設定すればフイールドごとに左方向又は右方向にずれ、当該係数値nの大きさに比例してずれる割合が大きくなる。この実施の形態の場合、各係数乗算器43における係数値l、m、nはそれぞれ1、−2、1と設定する。
【0045】
加算器44は、水平アドレスデータDHAのカウント値をl(=1)倍したデータと、垂直アドレスデータDVAのカウント値をm(=−2)倍したデータと、フイールド番号データDFNのカウント値をn(=1)倍したデータとを加算することにより、当該加算結果を挿入位相データDIP(図7(E))としてレジスタ47に格納する。
【0046】
レジスタ47には、挿入位相データDIPが順次供給されると共に、挿入状態設定部48から挿入斜線の挿入タイミングとそのデユーテイ比を表す設定データDTDが与えられる(図7(F))。この結果、レジスタ47は、設定データDTDに基づいて、挿入位相データDIPのうちシステムクロツクSCLの16クロツク分を斜線の挿入タイミング(すなわち8クロツクごとに出力反転する)と設定すると共に、当該斜線と映像部分とのデユーテイ比を50〔%〕に設定した後、これを挿入クロツクデータD8(図7(G))として挿入制御部25に送出する。
【0047】
なお4ビツトのレジスタ47に8ビツトの挿入位相データDIPが供給されると、レジスタ47には、挿入位相データDIPのうち下位の4ビツトの値が格納される。このためフイールドカウンタ42を4ビツトにすればレジスタ47を逐次リセツトする必要がなくて済む。かくしてレジスタ47からは、入力される8ビツトの挿入位相データDIPにおける下位の4ビツトのうちの最上位ビツト(MSB:Most Significant Bit)が斜線挿入タイミングのトリガとなり、そのまま挿入クロツクデータD8として出力される。
【0048】
続いて挿入制御部25は、図8に示すように、AND演算子からなるゲート回路50から構成され、挿入基準クロツク生成部26から出力される挿入基準クロツクデータD8と、ラツチ部20から出力される挿入許可データD3と、レベル比較部24から出力される比較データD7との論理積を計算した後、これら各データの論理レベルが全て「H」のときのみ論理レベル「H」の切換信号S11(図7(H))をスイツチ23に出力する。
【0049】
かくしてスイツチ23(図2)では、論理レベル「H」の切換信号S11のとき入力端子b側に切り換えられ、濃度決定データD4を出力する一方、論理レベル「L」の切換信号S11のとき入力端子a側に切り換えられ、デイジタル映像信号S4を出力する(図7(I))。
【0050】
このように図7(A)〜(I)では0フイールドの0ラインについて斜線挿入タイミングを述べたが、以下同様にして、0フイールドの1ライン及び2ライン(図9(A)〜(I)及び図10(A)〜(I))、1フイールドの0ライン及び1ライン(図11(A)〜(I)及び図12(A)〜(I))、並びに2フイールドの0ライン及び1ライン(図13(A)〜(I)及び図14(A)〜(I))の斜線挿入タイミングもそれぞれ表すこととする。
【0051】
かくしてこのフアインダ信号処理部8を介して濃度決定データD4が出力されたときのビユーフアインダ10の表示状態は図15のようにフイールドごとに表される。この場合、0フイールド(図16(A))、1フイールド(図16(B)及び2フイールド(図16(C))について、8サンプル幅の挿入線が、ラインごとに右へ2サンプル、フイールドごとに左へ1サンプルずつ移動して外観上流動的に見える斜線を形成する。
【0052】
以上の構成において、このデイジタルビデオカメラ1を用いた撮影時にデイジタル映像信号S4がフイールド周期でフアインダ信号処理部8に与えられると、フアインダ信号処理部8は、デイジタル映像信号S4の輝度レベルが、予め設定されている複数の斜線挿入レベルのうちオペレータが所望する斜線挿入レベルの範囲内にあるか否かを判断した後、肯定結果が得られたときのみ、デイジタル映像信号S4に代えて、所定のタイミングで所望の挿入斜線濃度からなる濃度決定データD4を選択的にビユーフアインダ10に送出する。
【0053】
この結果ビユーフアインダ10には、被写体に基づく映像が表示されると共に、上述の斜線挿入レベルの範囲内に相当する映像部分には、濃度決定データD4に応じた流動斜線が挿入される。かくしてオペレータはビユーフアインダ10を目視確認しながら、自分が所望する映像部分のみを任意に露出合わせすることができる。
【0054】
さらにこのように所望の映像部分のみ流動斜線を挿入するようにしたことにより、例えば図17(A)及び(B)に示すようにビユーフアインダ10の表示画面Mに比較的明るい背景をバツクにして人物を撮影した場合、一番明るい背景を斜線挿入レベルとして設定しておけば、それ以上明るい部分にも斜線SLが挿入されるため露出オーバーとして警告することができる。また人物の顔等の肌を斜線挿入レベルとして設定しておけば、当該人物の肌のみ斜線SLが挿入されるため適正な露出合わせを行う際の斜線挿入レベルの確認を行うことができる。
【0055】
さらにこのデイジタルビデオカメラ1においては、フアインダ信号処理部8をビユーフアインダ10の前段の信号経路上に設けたことにより、従来のように外付けである場合と比較して、外部のVTRから得られる再生ビデオ信号S3に対して容易に信号同期させることができる。
【0056】
以上の構成によれば、被写体の撮影結果からなるデイジタル映像信号S4のうち、オペレータが所望する斜線挿入レベルの範囲内にある輝度レベルを選択的にビユーフアインダ10に送出して、当該輝度レベルに対応する映像部分に流動斜線を挿入させるようにしたことにより、オペレータは所望の映像部分を任意に露出合わせすることができ、かくして簡易な構成で格段と機能性を向上させ得るデイジタルビデオカメラ1を実現することができる。
【0057】
なお上述の実施の形態においては、種々の斜線挿入レベルの範囲を複数設定しておき、必要に応じて選択された所定範囲内の斜線挿入レベルと、デイジタル映像信号S4の輝度レベルとを比較するレベル比較手段を、フアインダ信号処理部8内のラツチ部20、挿入レベル設定部21、比較レベル設定部22及びレベル比較部24から構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用できる。また斜線挿入レベルの範囲して 255〜 220及び 165〜 143の2種類を設定しておくようにしたが、これ以外にも種々の斜線挿入レベルの範囲を3種類以上設定しておくようにしても良い。
【0058】
また上述の実施の形態においては、ビユーフアインダ10に表示されたデイジタル映像信号S4に基づく映像のうち、所定の斜線挿入レベルの範囲内の輝度レベルに対応する映像部分に所定のマークを挿入するようになされたマーク挿入手段を、フアインダ信号処理部8内の挿入基準クロツク生成部26及び挿入制御部25から構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用できる。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、マーク挿入手段から得られるマークとして、フイールド及びラインごとに所定量ずつずらすことによつて形成される流動斜線を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要はオペレータが所望の輝度レベルに対応する映像部分を明確に目視により識別できれば、流動斜線以外にも種々のマークを適用しても良い。
【0060】
さらに上述の実施の形態においては、フアインダ信号処理部8内の挿入レベル設定部21は、2種類の濃度レベルが設定され、必要に応じて選択された所定の濃度レベルで挿入斜線の濃度を設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、濃度レベルを3種類以上設定しておくようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、被写体を撮像して当該被写体像に応じたデイジタル映像信号を生成し、デイジタル映像信号に対する水平同期信号及び垂直同期信号を生成し、システムクロツクをカウントすることにより生成され水平同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる水平アドレス値に対して第1の係数を乗算して第1の乗算値を算出し、水平同期信号をカウントすることにより生成され垂直同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる垂直アドレス値に対して第2の係数を乗算して第2の乗算値を算出し、垂直同期信号をカウントすることにより生成されフイールド番号値に対して正又は負の整数でなる第3の係数を乗算して第3の乗算値を算出し、第1、第2及び第3の乗算値を加算する加算値を算出し、斜線の挿入位置を出力の反転により表す挿入クロツクデータを加算値に応じて生成し、またデイジタル映像信号の輝度レベルが所定の挿入レベル範囲にあるか否かを判別し、挿入レベル範囲にあると判別された部分のデイジタル映像信号に対して、挿入クロツクデータが表す挿入位置に応じて挿入信号を挿入し、挿入信号が挿入されたデイジタル映像信号を表示することにより、所定の挿入レベル範囲に相当する部分のデイジタル映像信号に所定の挿入信号が垂直同期信号に同期して変化するように挿入された状態でデイジタル映像信号に基づく映像が表示され、オペレータに挿入信号を確実に目視確認させることができるため、当該オペレータに簡易に露出合わせさせることができ、かくして簡易な構成で格段と機能性を向上させ得る撮像装置及び撮像方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデイジタルビデオカメラの一実施の形態を示すブロツク図である。
【図2】図1に示すフアインダ信号処理部の構成を示すブロツク図である。
【図3】図2に示す挿入レベル設定ブロツクの構成を示すブロツク図である。
【図4】図2に示す比較レベル設定部の構成を示すブロツク図である。
【図5】図2に示すレベル比較部におけるレベル比較処理手順を表すフローチヤートである。
【図6】図2に示す挿入基準クロツク生成部の構成を示すブロツク図である。
【図7】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図8】図2に示す挿入制御部の構成を示すブロツク図である。
【図9】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図10】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図11】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図12】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図13】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図14】斜線挿入タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図15】フイールド及びラインの説明に供する略線図である。
【図16】ビユーフアインダにおける挿入斜線の表示状態を表す平面図である。
【図17】ビユーフアインダにおける斜線挿入例を表す平面図である。
【符号の説明】
1……デイジタルビデオカメラ、2……カメラ部、3……カメラ信号処理部、4……VTR共通信号処理部、5……制御部、8……フアインダ信号処理部、10……ビユーフアインダ、11……タイミング信号生成部、20……ラツチ部、21……挿入レベル設定部、22……比較レベル設定部、23……スイツチ、24……レベル比較部、25……挿入制御部、26……挿入基準クロツク生成部。

Claims (5)

  1. 被写体を撮像して当該被写体像に応じたデイジタル映像信号を生成する撮像手段と、
    上記デイジタル映像信号に対する水平同期信号及び垂直同期信号を生成するタイミング信号生成部と、
    システムクロツクを水平アドレス値としてカウントし、上記水平同期信号の立ち上がりに応じて上記水平アドレス値をリセツトする水平アドレスカウンタと、上記水平アドレス値に対して第1の係数を乗算して第1の乗算値を算出する第1の係数乗算器と、上記水平同期信号を垂直アドレス値としてカウントし、上記垂直同期信号の立ち上がりに応じて上記垂直アドレス値をリセツトする垂直アドレスカウンタと、上記垂直アドレス値に対して第2の係数を乗算して第2の乗算値を算出する第2の係数乗算器と、上記垂直同期信号をフイールド番号値としてカウントするフイールドカウンタと、上記フイールド番号値に対して正又は負の整数でなる第3の係数を乗算して第3の乗算値を算出する第3の係数乗算器と、上記第1、第2及び第3の乗算値を加算する加算値を算出する加算器と、斜線の挿入位置を出力の反転により表す挿入クロツクデータを上記加算値に応じて生成するレジスタとを有する挿入位置決定手段と、
    上記デイジタル映像信号の輝度レベルが所定の挿入レベル範囲にあるか否かを判別する判別手段と、
    上記判別手段により上記挿入レベル範囲にあると判別された部分の上記デイジタル映像信号に対して、上記挿入クロツクデータが表す上記挿入位置に応じて上記挿入信号を挿入する信号挿入手段と、
    上記信号挿入手段によって上記挿入信号が挿入された上記デイジタル映像信号を表示する表示手段と
    を具えことを特徴とする撮像装置。
  2. 上記レジスタは、
    上記加算値のうち、任意の位の値に応じて出力を反転させることにより上記挿入クロツクデータを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記レジスタは、
    8ビツトで入力される上記加算値のうち、下位4ビツトの下位値を格納し、当該下位置のうちの最上ビツトの値に応じて出力を反転させることにより上記挿入クロツクデータを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 上記挿入位置決定手段は、
    予め設定されたデユーテイ比に応じて上記デイジタル映像信号を構成する画素データに対する上記斜線と上記映像部分との割合を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 被写体を撮像して当該被写体像に応じたデイジタル映像信号を生成する撮像ステツプと、
    上記デイジタル映像信号に対する水平同期信号及び垂直同期信号を生成するタイミング信号生成ステツプと、
    システムクロツクをカウントすることにより生成され上記水平同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる水平アドレス値に対して第1の係数を乗算して第1の乗算値を算出し、上記水平同期信号をカウントすることにより生成され上記垂直同期信号の立ち上がりに応じてリセツトされる垂直アドレス値に対して第2の係数を乗算して第2の乗算値を算出し、上記垂直同期信号をカウントすることにより生成され上記フイールド番号値に対し て正又は負の整数でなる第3の係数を乗算して第3の乗算値を算出し、上記第1、第2及び第3の乗算値を加算する加算値を算出し、斜線の挿入位置を出力の反転により表す挿入クロツクデータを上記加算値に応じて生成し、また上記デイジタル映像信号の輝度レベルが所定の挿入レベル範囲にあるか否かを判別する決定判別ステツプと、
    上記決定判別ステツプにおいて上記挿入レベル範囲にあると判別された部分の上記デイジタル映像信号に対して、上記挿入クロツクデータが表す上記挿入位置に応じて上記挿入信号を挿入する信号挿入ステツプと、
    上記信号挿入ステツプにおいて上記挿入信号が挿入された上記デイジタル映像信号を表示する表示ステツプと
    を具えことを特徴とする撮像方法。
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