JP4054966B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに使用する自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに使用する自動変速機は、図1に示すように、エンジン出力軸9の回転をトルクコンバータ11を介して入力軸20に伝達し、この入力軸20の回転を伝達クラッチC−1を介して変速ギヤGに伝達し、またトルクコンバータ11と並列にロックアップクラッチ19を設けている。このロックアップクラッチ19は、停車または低速走行状態ではロックアップ(係合)が解除されており、車速が増大するなどしてトルクコンバータ11がトルク増大を行わないカップリングレンジに入ると制御装置から出力されるロックアップ信号によりロックアップされるように制御され、このロックアップクラッチ19を作動させる油圧制御系にはソレノイドにより作動されるスプール弁が使用されているのが普通である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、走行状態でロックアップしていたロックアップクラッチ19は、車速が減少すると自動変速機の制御装置からロックアップ信号が出力されなくなるので解除され、車両が停止してもトルクコンバータ11のスリップによりエンジンストールが生じることはない。しかしながらロックアップ信号が出力された状態でロックアップクラッチ19の油圧制御系に設けたスプール弁がスティックして動かなくなると、車速が減少してロックアップ信号が出力されなくなってもロックアップクラッチ19はロックアップされたままになるので、車両が停止するとエンジンストールを生じるという問題がある。
【0004】
本発明は、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常の有無を検出し、そのような異常が検出された場合にはエンジン出力軸の回転数または自動変速機の出力軸回転数が所定値以下となれば伝達クラッチC−1の係合を解除するようにして、上述のような問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明による自動変速機の制御装置は、エンジン出力軸の回転を入力軸に伝達する流体伝動装置と、前記入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチと、前記流体伝動装置と並列に設けられロックアップ信号によりロックアップされれば前記エンジン出力軸と入力軸を直接連結するロックアップクラッチを備えてなる自動変速機において、エンジン回転数が所定値以下になってエンジンストールが確定されるとロックアップ信号の出力を停止する手段が前記ロックアップ信号の出力を停止しているときに、前記エンジン出力軸と入力軸の各回転数の差が所定値以下であることを確定すると、ロックアップ信号の出力が停止されているにもかかわらず前記ロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を検出するロックアップ異常検出手段と、このロックアップ異常検出手段が前記ロックアップクラッチの前記異常を検出した場合には、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時に、前記エンジン出力軸の回転数が所定値以下となれば前記伝達クラッチの係合を解除させ、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば前記伝達クラッチの係合を許容する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また本発明による自動変速機の制御装置は、エンジン出力軸の回転を入力軸に伝達する流体伝動装置と、前記入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチと、前記流体伝動装置と並列に設けられロックアップ信号によりロックアップされれば前記エンジン出力軸と入力軸を直接連結するロックアップクラッチを備えてなる自動変速機において、エンジン回転数が所定値以下になってエンジンストールが確定されるとロックアップ信号の出力を停止する手段が前記ロックアップ信号の出力を停止しているときに、前記エンジン出力軸と入力軸の各回転数の差が所定値以下であることを確定すると、ロックアップ信号の出力が停止されているにもかかわらず前記ロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を検出するロックアップ異常検出手段と、このロックアップ異常検出手段が前記ロックアップクラッチの前記異常を検出した場合には、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時に、前記自動変速機の出力軸の回転数が所定値以下となれば前記伝達クラッチの係合を解除させ、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば前記伝達クラッチの係合を許容する制御手段と、を備えたことを特徴とするである。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常をロックアップ異常検出手段が検出した場合には、エンジン出力軸の回転数が所定値以下となれば、入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチの係合を制御手段が解除させる。従って、ロックアップクラッチを作動させる油圧制御系に設けた弁のスティックなどにより、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常が生じた場合でも、車両を停止させればエンジンも停止してしまうという問題が生じることはなくなる。さらに、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば伝達クラッチの係合を許容するので、ショックを生じることなく車両を発進させることができる。そして、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時には、ロックアップ信号が出力されない通常の狭い領域以外においても積極的にロックアップ信号の出力を停止し、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を確実に検出することができる。
【0010】
また請求項2の発明によれば、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常をロックアップ異常検出手段が検出した場合には、自動変速機の出力軸の回転数が所定値以下となれば、入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチの係合を制御手段が解除させる。従って、請求項1の発明と同様、ロックアップクラッチを作動させる油圧制御系に設けた弁のスティックなどにより、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常が生じた場合でも、車両を停止させればエンジンも停止してしまうという問題が生じることはなくなる。さらに、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば伝達クラッチの係合を許容するので、ショックを生じることなく車両を発進させることができる。そして、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時には、ロックアップ信号が出力されない通常の狭い領域以外においても積極的にロックアップ信号の出力を停止し、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を確実に検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に図2〜図9に示す実施の形態により、本発明による自動変速機の制御装置の説明をする。先ず図1に示すスケルトン図により、本発明が適用される自動変速機の説明をする。この自動変速機10は、エンジン出力軸9(エンジンは図示省略)の回転を入力軸20に伝達するトルクコンバータ(流体伝動装置)11と、この入力軸20に伝達された回転を変速して自動変速機10の出力軸21に伝達する前進6速、後進1速の変速機構12により構成されている。
【0014】
トルクコンバータ11は、フロントカバー13aを介してエンジン出力軸9に連結されたポンプインペラ13、入力軸20に連結されたタービンランナ14、一方向の回転のみ許容されるようにワンウェイクラッチ17およびステータシャフト18を介して変速機構12のケース16に支持されたステータ15を備えている。フロントカバー13aとタービンランナ14の間には、トルクコンバータ11と並列な回転伝達経路を形成するロックアップクラッチ19が設けられている。このロックアップクラッチ19は、後述するように車速、スロットル開度、エンジン回転数などの車両の作動状態に基づき制御され、停車または低速走行状態ではロックアップ(係合)が解除されており、車速、スロットル開度、エンジン回転数などが増大してトルクコンバータ11がトルク増大を行わないカップリングレンジに入るとロックアップされ、エンジン出力軸9と入力軸20が直接連結されるようにして伝達効率を高めるものである。
【0015】
変速機構12は、減速プラネタリギヤG1および変速プラネタリギヤ(変速ギヤ)Gよりなり、減速プラネタリギヤG1はシングルピニオン型で、第1リングギヤR1が入力軸20に連結され、第1サンギヤS1がケース16に固定されて反力を受け、第1キャリヤC1に支承されたピニオンが第1リングギヤR1と第1サンギヤS1とに噛合されている。変速プラネタリギヤGはダブルピニオン型で、大径の第2サンギヤS2、小径の第3サンギヤS3、第2サンギヤS2に直接噛合するとともに第3サンギヤS3にピニオンP3を介して噛合するロングピニオンP2、このロングピニオンP2およびピニオンP3を支持する第2キャリヤC2(C3)およびロングピニオンP2と噛合し出力軸21に連結された第2リングギヤR2(R3)から構成されている。
【0016】
減速プラネタリギヤG1の第1キャリヤC1は第1クラッチ(伝達クラッチ)C−1を介して変速プラネタリギヤGの第3サンギヤS3に連結されるとともに、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に連結されている。変速プラネタリギヤGの第2サンギヤS2は第1ブレーキB−1に連結され、第2キャリヤC2(C3)は第2クラッチC−2を介して入力軸20に連結されるとともに、互いに並列に配置されたワンウェイクラッチF−1および第2ブレーキB−2を介してケース16に連結されている。
【0017】
自動変速機10の各クラッチ、ブレーキおよびワンウェイクラッチの係合、解放と各変速段との関係は図2の係合表に示すとおりである。係合表における○印は係合、無印は解放、△印はエンジンブレーキ時のみの係合を示す。
【0018】
第1クラッチC−1およびロックアップクラッチ19は、エンジンにより駆動されるポンプを作動油供給源とする油圧制御系に設けた第1および第2リニアソレノイド調圧弁30,31(図3参照)により作動されるものである。具体的には、第1クラッチC−1は、第1リニアソレノイド調圧弁30のソレノイドへの制御電流が増大すれば供給源から与えられる油圧が減少して係合が解除され、制御電流が減少すれば係合されるようになっており、クラッチC−2,C−3およびブレーキB−1,B−2もこれと同様に作動される。これに対しロックアップクラッチ19は、第2リニアソレノイド調圧弁31のソレノイドへの制御電流が増大すれば与えられる油圧が増大してロックアップされ、制御電流が減少すればロックアップが解除されるようになっている。なお伝達クラッチC−1は、低速段(1st〜4th)では係合されているが、停車中でトルクコンバータ11のスリップスピードが大きくなる作動状態では係合を離脱させてスリップスピードを低下させ、スリップによるエネルギロスを減少させるようにすることもある。
【0019】
次にこの自動変速機の制御装置を、図3に示すブロック図により説明する。CPUを内蔵した制御装置40には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ41、入力軸20の回転数を検出する入力軸回転数センサ42、出力軸21の回転数を検出する出力軸回転数センサ43、変速機構12がどのレンジにシフトされているかを検出するレンジ位置センサ44、アクセルの踏み込み量を検出するスロットル開度センサ45、供給源から供給される作動油の温度を検出する油温センサ46および電源バッテリの電圧を検出する電圧センサ47等が接続されている。
【0020】
制御装置40はこれらの各センサから入力された検出信号に基づいて制御信号である制御電流を各クラッチおよびブレーキを制御する各リニアソレノイド調圧弁に出力するとともに、図5〜図9に示す制御プログラムを実行してロックアップ信号(=第2リニアソレノイド調圧弁31への制御電流)が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常が生じた場合にはその異常を検出して第1クラッチC−1の係合を解除し、これにより車両が停止してもエンジンが停止しないようにしている。各請求項に記載された発明との関連において、制御装置40の一部により制御手段1およびロックアップ異常検出手段2は構成されている。
【0021】
次に、制御装置40の作動を、図5〜図9に示すフローチャートにより説明する。制御装置40は所定時間(例えば1秒)毎に、図5のフローチャートに示す制御動作の実行を開始する。制御装置40は先ずステップ110によりエンジンがエンジンストールしたか否かを判定するエンスト異常判定を行う。このステップ110の詳細は図6のフローチャートに示すとおりである。このエンスト異常判定は、基本的には図6のフローチャートのステップ114により行われるが、油温センサ46により検出される油温が所定温度A(例えば20℃)以下の場合(ステップ111で判定)、センサ44により検出されるシフトレバーポジションが走行レンジDにない場合(ステップ112で判定)、電圧センサ47により検出されるバッテリ電圧が所定値B(例えば6.5ボルト)以下の場合(ステップ113で判定)などは、ロックアップ故障以外の要因でエンジンストールが発生する可能性が高いため、あるいはこの判定をする必要がないので制御装置40は直ちに制御動作を終了し、ステップ114は実行しない。
【0022】
上記以外の場合は、制御装置40は図6のフローチャートのステップ114を実行し、エンジン回転数が所定値C(例えば100rpm)未満となった状態が所定時間D(例えば1秒)継続した場合にはエンジンストールが生じたとしてエンスト異常判定を確定し、図5のフローチャートのステップ120に示すように、第2リニアソレノイド調圧弁31に出力する制御電流を0として(ロックアップ信号の出力を停止して)ロックアップ制御を禁止する。上述した異常判定が確定されなければ制御動作を終了する。
【0023】
エンスト異常判定が確定されてステップ120のロックアップ制御禁止を行った場合は、制御装置40は引き続きステップ130による差回転異常判定を行う。このステップ130の詳細は図7のフローチャートに示すとおりである。この差回転異常判定は、基本的には図7のフローチャートのステップ136により行われるが、レンジ位置センサ44により検出されるシフトレバーポジションが走行レンジDにない場合(ステップ131で判定)、レンジ位置センサ44により検出されるシフトレバーポジションがN→D、N→Rとなった直後でガレージ制御中である場合(ステップ132で判定)、制御装置40から変速指令が出力された直後で変速制御中である場合(ステップ133で判定)、エンジン回転数センサ41により検出されたエンジン回転数とスロットル開度センサ45により検出されたスロットル開度に基づき演算されたエンジントルクが所定値J以下の場合(ステップ134で判定)、エンジン回転数が所定値KとL(例えば1000rpmと300rpm)の間にない場合(ステップ135で判定)などは、ロックアップ故障が確実に判定できないため、あるいはこの判定をする必要がないので制御装置40は直ちに制御動作を終了し、ステップ136は実行しない。なお所定値Lはエンジンストールを判断するための値であり、エンジンのアイドリング回転数の最低値またはそれよりわずかに高い回転数である。
【0024】
上記以外の場合は、制御装置40は図7のフローチャートのステップ136を実行し、先ずエンジン回転数センサ41と入力軸回転数センサ42により検出される両回転数の差によりエンジン出力軸9と入力軸20の間のスリップスピードを演算し、このスリップスピードが所定値M(例えば30rpm)未満であるか否かを判断する。この状態では制御装置40は先にロックアップ制御禁止を行ってロックアップ信号の出力を停止しており、従ってエンジントルクが所定値Jより大きくエンジン回転数が前述した所定値KとLの間にあれば、スリップスピードは所定値M以上となるはずであるが、演算されたスリップスピードが所定値M未満であるということは、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19を作動させる油圧制御系に設けた弁のスティックなどによりロックアップクラッチ19のロックアップが解除されていないことを示している。そこで制御装置40はその状態が所定時間H(例えば2秒)継続した場合には差回転異常を確定し、図5のフローチャートに示すように、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常を確定し(ステップ170)、第1リニアソレノイド調圧弁30への制御電流を増大することにより第1クラッチC−1の係合を解除して(ステップ180)制御動作を終了する。
【0025】
この状態では、ロックアップクラッチ19はロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップされたままになっているが、入力軸20の回転を変速ギヤGに伝達する第1クラッチC−1の係合が解除されているので、車両を停止させればエンジンも停止してしまうという問題が生じることはない。差回転異常が確定されなかった場合はステップ140の差回転正常判定に制御動作を進める。
【0026】
このステップ140の差回転正常判定の詳細は図8のフローチャートに示すとおりである。図8に示すフローチャートのうちステップ146を除くステップ141〜ステップ145は、図7のフローチャートのステップ131〜ステップ135と同じであるので、ステップ146についてのみ説明する。このステップ146では、制御装置40は、ステップ136と同様にしてエンジン出力軸9と入力軸20の間のスリップスピードを演算し、このスリップスピードが所定値N(例えば100rpm)を越えているか否かを判断する。演算されたスリップスピードが所定値Nを越えていることはロックアップクラッチ19のロックアップが解除されていることを示している。そこで制御装置40はその状態が所定時間H(前述)継続した場合には差回転正常判定を確定し、図5のフローチャートのステップ160に示すように先にステップ120で行ったロックアップ制御禁止を解除して制御動作を終了し、それ以後は正常な作動状態となる。差回転正常が確定されなかった場合はステップ150のエンスト正常判定に制御動作を進める。
【0027】
ステップ150のエンスト正常判定の詳細は図9のフローチャートに示すとおりである。このエンスト正常判定は、基本的には図9のフローチャートのステップ156により行われるが、レンジ位置センサ44により検出されるシフトレバーポジションが走行レンジDにない場合(ステップ151で判定)、出力軸回転数センサ43により検出される出力軸21の回転数が0でない場合(ステップ152で判定)、電圧センサ47により検出されるバッテリ電圧が所定値E(例えば6.5ボルト)以下の場合(ステップ153で判定)、ガレージ制御中(前述)である場合(ステップ154で判定)、変速制御中(前述)である場合(ステップ155で判定)などは、エンスト正常判定を正確に行うことができないので制御装置40は直ちに制御動作を終了し、エンスト正常判定は行わない。上記以外の場合は、制御装置40は図9のフローチャートのステップ156を実行し、エンジン回転数センサ41により検出されたエンジン回転数が所定値G(例えば400rpm)を越えているか否かを判断する。
【0028】
この状態では出力軸21の回転数は0であり、ガレージ制御中でも変速制御中でもなく、また第1クラッチC−1は係合されているので、検出されたエンジン回転数が所定値Gを越えているということは、ロックアップクラッチ19のロックアップが解除されており、従って車両が停止していてもエンジンストールのおそれはないことを示している。そこで制御装置40はエンジン回転数が所定値Gを越えているその状態が所定時間H(前述)継続した場合にはエンスト正常判定を確定し、図5のフローチャートのステップ160に示すように、先にステップ120で行ったロックアップ制御禁止を解除して制御動作を終了し、それ以後は正常な作動状態となる。エンスト正常判定が確定されなかった場合は、前述したステップ130の差回転異常判定に制御動作を戻し、それ以後は前述のように制御動作を終了するまで前述した各制御動作を繰り返す。
【0029】
上述した実施の形態によれば、ロックアップクラッチ19を作動させる油圧制御系に設けたスプール弁のスティックなどにより、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常が生じた場合には、エンジン出力軸9の回転数が所定値L以下となれば、制御装置40は第1リニアソレノイド調圧弁30への制御電流を増大することにより入力軸20の回転を変速ギヤGに伝達する伝達クラッチC−1の係合を解除させている。従って、ロックアップクラッチ19を作動させる油圧制御系に設けた弁のスティックなどによりそのようなロックアップクラッチ19の異常が生じた場合でも、ブレーキを踏んで車両を停止させればエンジンも停止してしまうという問題が生じることはない。なおこのようにして車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば、制御装置40は所定の制御プログラムに従って第1クラッチC−1を係合させ、ショックを生じることなく車両を発進させる。
【0030】
上述した実施の形態では、エンジン出力軸9の回転数が所定値L以下となれば、入力軸20の回転を変速ギヤGに伝達する伝達クラッチC−1の係合を解除させているが、ロックアップクラッチ19がロックアップされている状態では、エンジン出力軸9の回転数と入力軸20の回転数は同じになるため、入力軸20の回転数が所定値L以下となれば伝達クラッチC−1の係合を解除させるようにしてもよい。また自動変速機の出力軸21の回転数が車両の停止を判断するための所定値以下となれば伝達クラッチC−1の係合を解除させるようにしてもよい。また出力軸21の回転数に基づいて車両の停止を判断する代わりに、車速センサにより検出される車速にもとづき判断してもよい。
【0031】
また上述した実施の形態では、制御装置40は、ロックアップクラッチ19をロックアップさせるためのロックアップ信号が出力されていないときにエンジン出力軸9と入力軸20の間のスリップスピードを検出し、このスリップスピードが所定値Mより小さい場合に、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常が生じたとして第1クラッチC−1の係合を解除するようにしている。このようにすればそのような異常の検出はロックアップ信号が出力されていないときにだけ行われ、異常の検出回数が減少するのでそれを行う制御装置40の負荷が減少される。
【0032】
このような自動変速機では、ロックアップクラッチ19をロックアップさせるためのロックアップ信号が出力されていない領域が狭いことがあり、そのような場合には差回転異常判定によりロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常を検出することは困難である。しかし上述した実施の形態では、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時にはロックアップ信号の出力を停止してエンジン出力軸9と入力軸20の間のスリップスピードを検出し、このスリップスピードが所定値Mより小さい場合に、ロックアップ信号が出力されていないにもかかわらずロックアップクラッチ19がロックアップされたままになっているという異常が生じたとして第1クラッチC−1の係合を解除するようにしている。このようにすればエンジンが一度エンジンストールした後の走行時には積極的にロックアップ信号の出力を停止してそのような異常を検出するので、そのような異常の検出を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による自動変速機の制御装置により制御される自動変速機の一例を示すスケルトン図である。
【図2】 図1に示す自動変速機の各変速段におけるクラッチとブレーキの係合表である。
【図3】 本発明による自動変速機の制御装置の一実施形態の制御装置を示すブロック図である。
【図4】 本発明による自動変速機の制御装置の構成を示す図である。
【図5】 図3に示す制御装置の全体的作動を示すフローチャートである。
【図6】 図5に示すフローチャートのエンスト異常判定部分の作動の詳細を示すサブフローチャートである。
【図7】 図5に示すフローチャートの差回転異常判定部分の作動の詳細を示すサブフローチャートである。
【図8】 図5に示すフローチャートの差回転正常判定部分の作動の詳細を示すサブフローチャートである。
【図9】 図5に示すフローチャートのエンスト正常判定部分の作動の詳細を示すサブフローチャートである。
【符号の説明】
1…制御手段、2…ロックアップ異常検出手段、9…エンジン出力軸、10…自動変速機、11…流体伝動装置(トルクコンバータ)、19…ロックアップクラッチ、20…入力軸、21…出力軸、C−1…伝達クラッチ(第1クラッチ)、G…変速プラネタリギヤ。
Claims (2)
- エンジン出力軸の回転を入力軸に伝達する流体伝動装置と、前記入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチと、前記流体伝動装置と並列に設けられロックアップ信号によりロックアップされれば前記エンジン出力軸と入力軸を直接連結するロックアップクラッチを備えてなる自動変速機において、
エンジン回転数が所定値以下になりエンジンストールが確定されるとロックアップ信号の出力を停止する手段によって前記ロックアップ信号の出力が停止されているときに、前記エンジン出力軸と入力軸の各回転数の差が所定値以下であることを確定すると、ロックアップ信号の出力が停止されているにもかかわらず前記ロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を検出するロックアップ異常検出手段と、
このロックアップ異常検出手段が前記ロックアップクラッチの前記異常を検出した場合には、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時に、前記エンジン出力軸の回転数が所定値以下となれば前記伝達クラッチの係合を解除させ、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば前記伝達クラッチの係合を許容する制御手段と、を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - エンジン出力軸の回転を入力軸に伝達する流体伝動装置と、前記入力軸の回転を変速ギヤに伝達する伝達クラッチと、前記流体伝動装置と並列に設けられロックアップ信号によりロックアップされれば前記エンジン出力軸と入力軸を直接連結するロックアップクラッチを備えてなる自動変速機において、
エンジン回転数が所定値以下になりエンジンストールが確定されるとロックアップ信号の出力を停止する手段によって前記ロックアップ信号の出力が停止されているときに、前記エンジン出力軸と入力軸の各回転数の差が所定値以下であることを確定すると、ロックアップ信号の出力が停止されているにもかかわらず前記ロックアップクラッチがロックアップされたままになっているという異常を検出するロックアップ異常検出手段と、
このロックアップ異常検出手段が前記ロックアップクラッチの前記異常を検出した場合には、エンジンが一度エンジンストールした後の走行時に、前記自動変速機の出力軸の回転数が所定値以下となれば前記伝達クラッチの係合を解除させ、車両が停止した状態でブレーキを解除しアクセルを踏み込んでエンジン回転数を増大させれば前記伝達クラッチの係合を許容する制御手段と、を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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