JP4054476B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法、並びに、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の手段を繰り返し適用される。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。更にこのトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけではなく、一部が感光体表面上に残留する。この残留トナーの量が多いと、転写材上の画像はまだらに転写不良が生じるいわゆるボソ抜け状となり、画像均一性に欠けるだけでなく、感光体へのトナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる。これらの問題に対して、感光体の表面層の離型性を向上することが求められている。
【0003】
また、電子写真感光体は上述のような電気的及び機械的外力が直接加えられるために、それらに対する耐久性が求められている。具体的には、摺擦による表面の摩耗やキズの発生、帯電時に発生するオゾンや、NOX等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐久性が要求される。
【0004】
そこで、感光層の上に各種のオーバーコート層を設ける試みがなされており、中でも樹脂を主成分とするオーバーコート層は数多く提案されている。
【0005】
その中でも樹脂中に金属や金属酸化物粒子を添加することによりオーバーコート層の抵抗を制御する方法が数多く提案されている。電子写真感光体用のオーバーコート層に金属酸化物を分散するのは、オーバーコート層自体の電気抵抗を制御し、電子写真プロセスの繰り返しに伴う感光体内での残留電位の増加を防止するのがその主な目的であり、他方、電子写真感光体用のオーバーコート層の適切な抵抗値は、1E10〜1E15Ω・cmであり、好ましくは1E11〜1E14Ω・cmである。しかしながら、前記の範囲の抵抗値においては、オーバーコート層の電気抵抗はイオン電導によって影響を受けやすく、そのために環境の変化によって電気抵抗が大きく変化する傾向にある。特に金属酸化物を膜中に分散している場合には、金属酸化物表面の吸水性が高いために、全環境において、しかも、電子写真プロセスの繰り返しを行う際に、オーバーコート層の抵抗を前記範囲内に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0006】
また、保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子の粒径が入射光の波長より小さいこと、即ち、0.3μm以下であることが好ましい。しかしながら、通常、微粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があるので均一に分散することが困難で、いったん分散しても二次凝集や沈降が起こりやすいので、粒径0.3μm以下といった微粒子の良好な分散膜を安定して生産することは非常に困難であった。透明度や導電均一性をより向上させるという観点からは、更に粒径の小さい超微粒子粉体(一次粒径0.1μm以下)を分散させることが好ましいが、このような超微粒子粉体の分散性や分散安定性は更に悪くなる傾向にある。
【0007】
特開平5−265244号公報では、これらの問題点を解決するために、オーバーコート層に分散する導電性微粒子表面を特定のメチルハイドロジェンポリシロキサンで処理することを提案しているが、表面処理を湿式処理で行う場合、使用する溶剤によっては実際の処理量が安定せず、オーバーコート層の抵抗や残留電位といった特性に影響を及ぼし、全環境下で安定して高画質を得られないことが問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低湿下において画像かぶりを引き起こすことなく、更に高湿下においてオーバーコート層の抵抗低下による画像ボケ、流れのない高品質の画像を安定して得ることができる電子写真感光体及びその製造方法を提供すること、更に、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体並びに該導電性支持体上の感光層及び導電性粒子を含有するオーバーコート層を有する電子写真感光体において、
該導電性粒子の表面が、下記一般式(1)
【化3】
(式(1)中、Aは水素原子またはメチル基を示し、全てのAに対する水素原子の割合は0.1〜50%の範囲であり、nは0以上の整数を示す。)
で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンで湿式処理されており、
該湿式処理用の溶剤として、イソプロピルアルコール、または、上記一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤とイソプロピルアルコールとの混合溶剤が用いられている
ことを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、導電性支持体並びに該導電性支持体上の感光層及び導電性粒子を含有するオーバーコート層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
(i)導電性粒子の表面を、下記一般式(1)
【化4】
(式(1)中、Aは水素原子またはメチル基を示し、全てのAに対する水素原子の割合は0.1〜50%の範囲であり、nは0以上の整数を示す。)
で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンで湿式処理する工程、及び、
(ii)工程(i)で表面が湿式処理された導電性粒子を用いてオーバーコート層を形成する工程
を有し、かつ、
工程(i)における湿式処理用の溶剤として、イソプロピルアルコール、または、上記一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤とイソプロピルアルコールとの混合溶剤を用いる
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
【0010】
また、本発明は、上記の本発明の電子写真感光体、並びに、帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0011】
また、本発明は、上記の本発明の電子写真感光体、並びに、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる導電性粒子を樹脂中に分散させるオーバーコート層について説明する。
【0013】
本発明において用いる導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス及び銀等、またはこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
【0014】
本発明において用いられる導電性粒子の平均粒径は感度低下を起こさないために0.3μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以下であることが好ましい。
【0015】
また、本発明においては上述したような導電性粒子の中でも、透明性等の点で金属酸化物を用いることが特に好ましい。その中でも、酸化スズ、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム及びアンチモンをドープした酸化スズがより好ましい。
【0016】
本発明における導電性粒子に対するメチルハイドロジェンポリシロキサンの割合は、粒子の粒径やメチルハイドロジェンポリシロキサンの有するメチル基と水素原子の比率等にも影響を受けるが、導電性粒子全重量に対し1〜50%であることが好ましく、特には3〜40%であることが好ましい。
【0017】
本発明におけるメチルハイドロジェンポリシロキサンは、下記一般式(1)
【化5】
(式(1)中、Aは水素原子またはメチル基を示し、全てのAに対する水素原子の割合は0.1〜50%の範囲であり、nは0以上の整数を示す。)
で示されるが、式(1)中の、全てのAに対する水素原子の割合とは、ケイ素原子に結合する水素原子の数とケイ素原子と結合するメチル基の数の総和に対する水素原子の割合(%)で示される。本発明においては、一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの両末端のケイ素原子が3個のメチル基を有し、繰り返し単位中のケイ素原子が1個のメチル基と1個の水素原子を有していることが特に好ましい。
【0018】
また、式(1)中のnは0以上の整数を示すが、10〜100であることが好ましく、特には30〜70であることが好ましい。
【0019】
一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの分子量は、特に制限されるものではないが、表面被覆作業の容易さの点では粘度が高すぎない方が好ましく、重量平均分子量で300〜10000であることが好ましく、特には1000〜4000であることが好ましい。
【0020】
本発明における導電性粒子表面へのメチルハイドロジェンポリシロキサンの付着方法は湿式法を用いている。湿式処理は、導電性粒子と一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンとを、イソプロピルアルコール、または、一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤とイソプロピルアルコールとの混合溶剤中で分散することにより該メチルハイドロジェンポリシロキサンを導電性粒子の表面に付着させるというものである。一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤としては、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素または石油エーテル、ミネラルスピリット、ケロシン等の脂肪族炭化水素、揮発性シリコーンオイル等を用いることができる。分散の手段としてはボールミル、サンドミル等通常の分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液を乾燥して溶剤を除去した後、更に加熱処理を行って該メチルハイドロジェンポリシロキサンを導電性粒子表面に固着させる。
【0021】
本発明においては、イソプロピルアルコール、または、一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤とイソプロピルアルコールとの混合溶剤を溶剤として用いることにより、分散熱の発生による凝集やメチルハイドロジェンポリシロキサンの分離がなく処理を行えるため、より表面処理量を安定させることができる。また、上記加熱処理の際にメチルハイドロジェンポリシロキサン中のSi−H結合の水素原子が空気中の酸素によって酸化され、新たなシロキサン結合ができるので、メチルハイドロジェンポリシロキサンが三次元構造を形成し、導電性粒子がこの網状構造を持つシロキサン化合物で包まれる。そのため、本発明においては、導電性粒子が極めて均一に分散され、また、粒子の二次凝集や沈降も非常に起こりにくいものと考えられる。この加熱処理の条件は、メチルハイドロジェンポリシロキサン同士が架橋するものであれば特に限定されないが、温度は120℃以上であり、150℃以上であることがより好ましい。また、時間は30分間以上であることが好ましく、特には1時間以上であることが好ましい。
【0022】
また、本発明においては、必要に応じて上記処理を施した導電性粒子を更に粉砕して用いることもできる。
【0023】
本発明のオーバーコート層に用いることのできる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ホスファゼン樹脂、メラミン樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0024】
上記樹脂の中でも、オーバーコート層の表面硬度、耐摩耗性、更に粒子の分散性及び分散後の安定性の点から硬化性樹脂を用いることが好ましい。即ち、熱または光によって硬化するモノマーまたはオリゴマーを含有する溶液に導電性粒子を分散させて保護層用の塗工液とし、この塗工液を感光層上に塗工後、硬化させて形成した保護層は、分散性硬度及び耐摩耗性等の点でより好ましい。
【0025】
熱または光によって硬化するモノマーまたはオリゴマーとは、例えば分子の末端に熱または光のエネルギーによって重合反応を起こす官能基を有するもので、このうち分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それより小さい分子がモノマーである。該重合反応を起こす官能基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の炭素−炭素二重結合を有する基、シラノール基、更に環状エーテル基等の開環重合を起こすもの、またはフェノールとホルムアルデヒドのように2種類以上の分子が反応して重合を起こすもの等が挙げられる。ここでは重合反応の開始剤を添加してもよい。
【0026】
これら結着樹脂と表面処理済の導電性粒子との割合はオーバーコート層の抵抗を決定する主要因であり、本発明におけるオーバーコート層の抵抗は1E10〜1E15Ω・cmであることが好ましく、特には1E11〜1E14Ω・cmであることが好ましい。
【0027】
また、分散性、結着性及び耐候性を更に向上させる目的で、前記オーバーコート層中にラジカル補足剤や酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0028】
本発明における保護層の膜厚は0.2〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの範囲である。
【0029】
次に、感光層について説明する。本発明の電子写真感光体の感光層の構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する単層型あるいは電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層した積層型のいずれかである。
【0030】
以下、積層型の感光層について説明する。積層型の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構成と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した構成とがある。
【0031】
本発明において用いる導電性支持体は導電性を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属をドラムまたはシート状に成型したもの、アルミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチック、紙等が挙げられる。
【0032】
積層型感光体の電荷輸送層は主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサゾール、ピラゾリン等の含窒素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、トリアリールアミン化合物等の電荷輸送物質を成膜性を有する樹脂に溶解させた塗工液を用いて形成される。このような成膜性を有する樹脂としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン及びポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。
【0033】
積層型感光体の電荷発生層はスーダンレッド、ダイアンブルー等のアゾ顔料、ピレンキノン及びアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料及びフタロシアニン顔料等の電荷発生物質をポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂等の結着剤樹脂に分散させて、この分散液を塗工するか、前記顔料を真空蒸着することによって形成する。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.05〜3μmである。
【0034】
また、本発明においては、導電性支持体と感光層の間にバリヤー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶性アミド、ポリウレタン及びゼラチン等によって形成できる。下引き層の膜厚は0.1〜3μmが好ましい。
【0035】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るだけでなく、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものである。
【0036】
次に、本発明のプロセスカートリッジ並びに電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0037】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0038】
本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0039】
【実施例】
実施例1
アルミニウムシリンダー(φ30mm×260.5mm)上に、ポリアミド樹脂(商品名アミランCM=8000、東レ(株)製)10部(重量部、以下同様)をメタノール200部に溶解した液を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥させ、膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
【0040】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料(下記構造式)4部、
【化6】
ポリビニルブチラール(商品名BX−1、積水化学(株)製)2部及びシクロヘキサノン80部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。この分散液に、酢酸エチル100部を加えて調製した塗工液を下引き層上に塗布した。
【0041】
次に、下記構造式の化合物10部
【化7】
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この溶液を前記電荷発生層上に塗布し、105℃、1時間熱風乾燥して20μmの電荷輸送層を形成した。
【0042】
次に、オーバーコート層用の塗布液を調製した。平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(商品名T−1、三菱マテリアル(株)製)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名KF−99、信越シリコーン(株)製)20部及びトルエン150部、イソプロピルアルコール150部を撹拌装置で48時間撹拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥して更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ微粒子の表面処理を行った。表面処理量の評価は、熱重量測定装置TG/DTA2208(セイコー電子工業(株)製)で窒素雰囲気下、室温から505℃まで昇温したときの表面処理SnO2の重量減量分を測定した。
【0043】
次に、下記構造式のアクリル系モノマー20部、
【化8】
前記表面処理した酸化スズ微粒子50部、エタノール150部をサンドミルにて66時間分散を行った後、光重合開始剤として2−メチルチオキサントン15部を溶解、調製し、塗布液とした。この塗布液を用いて、電荷輸送層の上に浸漬塗布法により、膜を形成し、高圧水銀灯にて8mW/cm2の光強度で、60秒間光硬化を行い、その後120℃、2時間熱風乾燥して表面層を形成した。表面層の膜厚は3μmであった。また、表面層塗布液の分散性は良く、表面層はムラのない均一な面であった。
【0044】
評価は、キヤノン(株)製LBP−NXを改造したレーザービームプリンターを用いて行った。温湿度環境を変えて、1万枚の耐久プリント試験を行った。オーバーコート層の体積抵抗測定は、横河ヒューレットパッカード(株)製PAメーター4140Bを用いて行った。結果を表1に示す。
【0045】
実施例2
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0046】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部及びトルエン150部、イソプロピルアルコール150部を撹拌装置で48時間攪拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し、更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表1に示す。
【0047】
実施例3
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0048】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部及びトルエン75部、イソプロピルアルコール225部を撹拌装置で48時間攪拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し、更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表1に示す。
【0049】
実施例4
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0050】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部、イソプロピルアルコール300部を撹拌装置で48時間攪拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し、更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表1に示す。
【0051】
比較例1
実施例1のオーバーコート層において導電性微粒子の表面処理を行わなかった他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。結果を表2に示す。
【0052】
比較例2
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0053】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)20部、トルエン150部、メチルアルコール150部を撹拌装置で48時間攪拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表2に示す。
【0054】
比較例3
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0055】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部、トルエン150部、メチルアルコール150部を撹拌装置で48時間攪拌した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表2に示す。
【0056】
比較例4
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0057】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部、メチルアルコール300部を撹拌装置で48時間拡販した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表2に示す。
【0058】
比較例5
実施例1のオーバーコート層用の表面処理SnO2を下記のように代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。
【0059】
平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化スズ微粒子(前出)100部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(前出)30部、トルエン150部、エチルアルコール150部を撹拌装置で48時間拡販した後、溶液をろ過、洗浄後、乾燥し更に150℃、2時間の加熱処理を行い酸化スズ粒子の表面処理を行った。結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【表2】
【0061】
本発明における表面処理により、処理量が安定しているが、比較例では処理量が安定せず、画質の低下を引き起こすことが避けられない。
【0062】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、安定して全環境において高品質の画像を得ることができるという顕著な効果を奏する。また、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に装着して同様に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (12)
- 前記一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤が芳香族炭化水素である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記芳香族炭化水素がトルエンである請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記導電性粒子が導電性の金属酸化物粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記導電性の金属酸化物粒子がアンチモンをドープした酸化スズ粒子である請求項4に記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体並びに該導電性支持体上の感光層及び導電性粒子を含有するオーバーコート層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
(i)導電性粒子の表面を、下記一般式(1)
で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンで湿式処理する工程、及び、
(ii)工程(i)で表面が湿式処理された導電性粒子を用いてオーバーコート層を形成する工程
を有し、かつ、
工程(i)における湿式処理用の溶剤として、イソプロピルアルコール、または、上記一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤とイソプロピルアルコールとの混合溶剤を用いる
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記一般式(1)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンに対し良好な溶解性を示す溶剤が芳香族炭化水素である請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記芳香族炭化水素がトルエンである請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記導電性粒子が導電性の金属酸化物粒子である請求項6〜8のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記導電性の金属酸化物粒子がアンチモンをドープした酸化スズ粒子である請求項9に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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---|---|---|---|
JP07558699A JP4054476B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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JP07558699A JP4054476B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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-
1999
- 1999-03-19 JP JP07558699A patent/JP4054476B2/ja not_active Expired - Lifetime
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