JP4054421B2 - 給紙カセット、その給紙カセットを備えた画像形成装置、及び、その給紙カセットが備える把手の成形方法 - Google Patents

給紙カセット、その給紙カセットを備えた画像形成装置、及び、その給紙カセットが備える把手の成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、給紙カセットその給紙カセットを備えた画像形成装置、及び、その給紙カセットが備える把手の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
給紙装置の外筐に引出自在に収納される給紙カセットは前面に把手を設ける必要があるが、把手を一体に備えた給紙カセットを樹脂成形することは、成形金型が非常に複雑化するため困難である。そこで、前面を除く三辺と底板とを一体に備えた上面開口のカセットケースを成形し、このカセットケースの前面を構成する前板を把手とともに一体に成形し、この前板を螺子によりカセットケースに固定した給紙カセットが有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した給紙カセットは、カセットケースに前板を螺子で固定しなければならない。また、把手が形成された前板はカセットケースの前面を構成するため、カセットケースとしての強度を維持するには前板を強固に螺子止めする必要がある。これにより、組立のために螺子を必要とするとともに、組立に際してドライバを必要とし、組立作業が面倒となる。
【0004】
また、給紙カセットは、内部に積載する用紙の種類によって、或いは画像形成装置の機種によってサイズが異なる場合があるが、このような場合に対処するためには、把手を有する前板及び把手を共通使用することができない。
【0005】
本発明は、部品点数を軽減するとともに組立作業を容易にし、さらに、カセットケースのサイズが異なっても把手を共通使用することができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の給紙カセットはその把手が、ケースの前面に形成された開口部に嵌合される両端開口の筒状部と、この筒状部の前端における一部を閉塞し、前記筒状部の外周よりも内側になるように配置された指掛け板部と、この指掛け板部の前面に連続されるとともに前記筒状部の外周方向に拡開されて前記ケースの前面に密着されるフランジと、前記筒状部の後端において前記指掛け板部と対向する一部の領域を開放しその他の領域を閉塞する閉塞板部と、前記フランジの裏面から突出され、前記ケースの開口部に挿入するときには前記開口部の中央寄りに撓み、その先端部が前記ケースの開口部の縁に到達すると撓みが戻り、前記先端部が開口部の縁に引っ掛かることで係止される係止爪とを一体に備えてえており、前記指掛け板部の裏面にはリブが形成されている。
【0011】
したがって、ケースの前面と把手のフランジとの当接によりケースの開口部に把手深さが一定に定められ、開口部の縁と係止爪とが互いに係止し合うため開口部からの把手の脱落が阻止される。ケースに把手を組み立てた状態では、把手を前面から見て、ケースを引き出すときに指を掛ける指掛け板部と閉塞板部とによりケースの内部を隠すことが可能となる。さらに、前述した形状の把手は、フランジの裏面をパーティングラインとし対向配置された第一、第二の金型と、係止爪の成形のために対向配置された複数の可動コアとを十字方向に移動させるという型割構造が比較的簡単な成形金型により容易に成形することが可能となる。
また、リブにより指を掛ける指掛け板部の厚さを増して強度を高めることが可能となる。
【0012】
また、請求項1の給紙カセットの把手は、指掛け板部の裏面のリブは指の幅よりも狭い間隔を開けて複数本が一体に形成されている。
【0013】
したがって、指掛け板部は裏面が複数のリブにより補強されているため、各部の肉厚を均等にして成形時のヒケの発生を防止することが可能となる。
【0014】
また、請求項1の給紙カセットの把手は、フランジの裏面にはケースの前面に形成された開口部の相対向する辺の内面に弾性的に接触する弾性片が一体に形成されている。
したがって、把手をケースの開口部に装着したときに、開口部内での把手の遊びを無くすことが可能となる。
【0015】
さらに、請求項1記載の給紙カセットは、その把手を、上面開口の用紙収納部と前面に開口された開口部とを有し各部が一体成形されて給紙装置の外筐に引出自在に挿入されるカセットケースの前記開口部に装着した。
したがって、カセットケースの前面に形成された開口部に把手を挿入するだけで、カセットケースに把手を組み立てることが可能となる。
【0016】
請求項記載の給紙カセットは、請求項1記載の発明において、その把手は、指掛け板部の前面には用紙の種類を示すラベルの貼付領域が形成されている。
【0017】
したがって、把手に形成された貼付領域に、用紙の種類別に作成されたラベルを貼付することにより、この把手が装着された給紙カセット内の用紙の種類が表示される。
【0018】
請求項記載の給紙カセットの把手の成形方法は、請求項1または2に記載の給紙カセットの把手を成形する把手の成形方法であって、成形しようとする把手のフランジの裏面をパーティングラインとして接離可能に対向配置された第一、第二の金型と、係止爪の成形のために前記第一、第二の金型の接離方向とは直交する方向に移動可能な複数の可動コアとにより形成されるキャビティに溶融した合成樹脂を充填し、この充填された合成樹脂が固形化した後に前記第一、第二の金型と前記可動コアとを互いに離反する方向に開いて合成樹脂の固形化物を取り出す。
したがって、把手をワンショットで成形することが可能である。
【0019】
請求項記載の給紙カセットは、請求項1または2に記載の給紙カセットにおいて、カセットケースの前面の裏側には開口部の縁から用紙収納部側に向けて突出する枠が一体に形成されている。
したがって、開口部の周縁及び把手の取付強度を高めることが可能となる。
請求項記載の発明は、請求項1、2またはに記載の給紙カセットを具備した画像形成装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。まず、図8を参照して画像形成装置の構成について説明する。画像形成装置1の装置本体2の内部には一側に寄せて画像形成部3が配置されている。この画像形成部3は、公知の電子写真方式のものであるので概略のみ説明するが、感光体4の表面に潜像を形成して現像し、その画像を転写部5により用紙Sに転写し、その転写画像を定着部6により定着するように構成されている。また、装置本体2には、その底面から画像形成部3を通り排紙口7に向かう用紙搬送路8が設けられ、この用紙搬送路8にはレジストローラ9や搬送ローラ10が配列されている。用紙搬送路8の上部にはソレノイド(図示せず)に駆動されて用紙の排紙方向を切り替える回動自在の切替爪11と、この切替爪11により案内された用紙を排紙口7から排紙させる排紙ローラ12とが配置されている。排紙口7の側方には排紙受け13が形成されている。さらに、装置本体2の上部にはスキャナ14が設けられている。
【0021】
15は装置本体2に選択的に装着されるオプションとしての両面印刷ユニットである。この両面印刷ユニット15は、両面印刷モードが設定されたときに、定着部6を経た用紙Sを切替爪11により導いてスイッチバック通路16に搬送した後に、このスイッチバック通路16から送り出された用紙SをU字形に屈曲させて再給紙路17に搬送し、この再給紙路17から装置本体2の用紙搬送路8の下方に用紙Sを再給紙するものである。
【0022】
次に、給紙装置18の構成について説明する。画像形成装置1の装置本体2を載置状態で支える外筐19には、複数の給紙カセット20が手前(図8の紙面に対して垂直な方向)に引出自在に装着されている。これらの給紙カセット20は、上面開口のカセットケース21と、このカセットケース21に起伏自在に支持されて用紙Sを積層状態で支える用紙押圧板22と、用紙Sの両側の位置を定めるサイドフェンス23(図6参照)と、用紙Sの給紙方向とは反対側の端縁の位置を定めるエンドフェンス24とを有する。カセットケース21の正面には把手25が装着されている。
【0023】
また、給紙装置18の外筐19には、それぞれの給紙カセット20に積載された用紙Sを一枚ずつ分離して給紙する分離給紙部26が設けられている。さらに、外筐19には、それぞれの給紙カセット20から給紙された用紙Sを用紙搬送路8の下端に向けて案内する給紙通路27が形成され、この給紙通路27に沿って複数の搬送ローラ28が配列されている。
【0024】
このような給紙装置18では、給紙カセット20内の用紙Sは、その最上位の用紙Sから順番に分離給紙部26により給紙通路27及び用紙搬送路8を経由して画像形成部3に給紙され、片面印刷の場合は定着部6を経た用紙Sは排紙受け13に排紙され、両面印刷の場合は再度両面ユニット15を経て画像形成部3に給紙され、定着部6を経た用紙Sが排紙受け13に排紙される。
【0025】
ここで、給紙カセット20の概略構成について詳述する。図6に示すように、カセットケース21の内部、すなわち用紙収納部29の底面には、用紙Sの幅に合わせてサイドフェンス23を位置決めする複数の係止孔30が形成されている。サイドフェンス23の下縁にはこれらの係止孔30に係止される係止片(図示せず)が形成されている。また、用紙収納部29の底面には、用紙Sの長さに合わせてエンドフェンス24を移動させる溝31が形成されている。エンドフェンス24は両側に弾性的に屈撓する係止爪32を有し、用紙Sの長さに合わせてエンドフェンス24の係止爪32と弾性的に係合する複数の係止部(図示せず)が溝31の両側に形成されている。
【0026】
そして、最大長さの用紙Sを用いる場合にその用紙Sの後端縁を当接状態で位置決めする基準面33が用紙収納部29の一辺の内面に形成されている。さらに、基準面33が形成された用紙収納部29の内面には基準面33に対して凹み手を差し入れることが可能な凹部34が形成されている。さらに、カセットケース21の用紙収納部29の外側の上面には、エンドフェンス24を収納する上面開口の収納部35が形成されている。この収納部35の中央部の両側には拡開凹部36が形成されている。
【0027】
以上のように、カセットケース21の内面に用紙収納部29の一辺の内面に最大長さの用紙Sの後端縁の位置を定める基準面33を形成したので、最大長さの用紙S以外の用紙Sを用いる場合には、カセットケース21の所定位置にセットしたエンドフェンス24により後端縁を位置決めするが、最大長さの用紙Sを用いる場合には、エンドフェンス24を用紙収納部29の底部から外し、用紙収納部29の内面に形成した基準面33により位置決めすることができる。したがって、最大長さの用紙Sに合わせてエンドフェンス24をセットするためのスペースが不要となる。これにより、画像形成装置1の小型化に寄与することができる。
【0028】
また、用紙収納部29から外したエンドフェンス24は収納部35に収納しておくことができるため紛失することがない。この収納部35の中央部の両側には拡開凹部36が形成されているので、この拡開凹部36に指を差し入れてエンドフェンス24を摘むことにより、弾性的に支持されたサイドフェンス23を容易に取り出すことができる。さらに、基準面33が形成された用紙収納部29の内面には基準面33に対して凹み手を差し入れることが可能な凹部34が形成されているので、用紙収納部29内の最大長さの用紙Sを取り出す場合には、用紙Sの後端縁と用紙収納部29の内面との間に手を差し入れて最大長さの用紙Sを容易に取り出すことができる。
【0029】
次に、給紙カセット20及び把手25の構成について、さらに詳しく説明する。図1はカセットケース21の前面37に対する把手25の取付構造を示す中央縦断側面図、図2はカセットケース21の前面37に対する把手25の取付構造を示す水平断面図、図3はカセットケース21の前面の一部を示す正面図、図4は把手25の正面図、図5は図4におけるA−A線部の縦断側面図である。
【0030】
図1ないし図3に示すように、各部が一体成形されたカセットケース21の前面37の中央には長方形の開口部38が形成され、この開口部38の縁には用紙収納部29に向けて突出する環状の枠39が形成されている。カセットケース21の前面37の裏側には下面開口の凹部40(図1参照)が形成されている。図1に示す22aは、図8で示した用紙押圧板22を起伏自在に支持するヒンジ片である。
【0031】
把手25は図1で明らかなように、カセットケース21の開口部38に嵌合される両端開口の筒状部41と、この筒状部41の前端における上部(一部)を閉塞するように配置された指掛け板部42と、この指掛け板部42の前面に連続されるとともに筒状部41の外周方向に拡開されてカセットケース21の前面に密着されるフランジ43と、筒状部41の後端において指掛け板部42と対向する上部領域(一部の領域)44を開放し下部領域(その他の領域)45を閉塞する閉塞板部46と、フランジ43の裏面から突出されてカセットケース21の開口部38の縁に係止される複数の係止爪47とを一体に備えている。指掛け板部42の裏面には横方向に配列された多数のリブ48と上下方向に配列された多数のリブ49とが一体に形成されている。これらのリブ48,49の配列間隔は操作する人の指50の幅よりも狭い間隔に定められている。指掛け板部42の前面には、用紙S(図8参照)の種類を示すラベル51を貼付する貼付領域としての凹部52が形成されている。また、把手25の筒状部41の上面中央部に突設した突片53が嵌合される溝54がカセットケース21の開口部38の上縁の中央部に形成されている。なお、本実施の形態では、カセットケース21の前面37には把手25のフランジ43を嵌合させる凹状の段部37aが形成されているが、この段部37aの底もフランジ43が密着する前面として適用されるものである。もちろん、段部37aを省略しても問題はない。
【0032】
カセットケース21の開口部38は相対向する辺が略平行な長方形の形状をしているのに対し、把手25の筒状部41は図4で明らかなように、上下方向の幅が中央部より両側が狭くなるように長方形にはなっていない。これはフランジ43の裏面の上下両側に配設した係止爪47を開口部38の内面に通して開口部38の内側から開口部38の縁に係止させるためである。これにより、把手25の筒状部41の上面及び下面の両側には、開口部38の内面に当接して把手25の上下方向の遊びを規制する突片55が一体に形成されている。また、把手25の筒状部41の横幅は開口部38の横幅よりも狭い寸法に定められ、フランジ43の裏面には開口部38の両内側面に弾性的に接触する弾性片56が一体に形成されている。
【0033】
図2で明らかなように、把手25をカセットケース21の開口部38に挿入するときに、係止爪47及び弾性片56の先端を開口部38の中央寄りに撓ませるために、開口部38の入り口側のエッジ部には係止爪47の位置に対応して小さな斜面57(図3も参照)が形成され、弾性片56の先端外側は先細りの形状に定められている。
【0034】
このような構成において、カセットケース21の前面37に形成された開口部38に把手25を挿入するだけで、開口部38の縁に係止爪47が係止されるため、螺子やドライバを用いることなくカセットケース21に把手25をワンタッチで組み立てることができる。この状態では、カセットケース21の前面37と把手25のフランジ43との当接によりカセットケース21の開口部38への把手25の挿入深さが一定に定められ、開口部38の縁に係止爪47が係止されることにより開口部38からの把手25の脱落が阻止される。
【0035】
また、開口部38の周縁には内方に突出する枠39が形成され、この枠39に把手25の係止爪47が係止されるため、開口部38の縁及び把手25の取付強度を高めることができる。
【0036】
さらに、把手25をカセットケース21の開口部38に装着したときに、突片55が開口部38の上下方向の内面に当接するため、開口部38内での把手25の上下方向の遊びを無くし係止爪47に掛かる負担を軽減することができる。また、弾性片56が開口部38の左右方向の内面に弾性的に接触するため、開口部38内での把手25の横方向の遊びを無くすことができる。
【0037】
このようにカセットケース21に把手25を組み立てた状態では、把手25を前面から見て、指掛け板部42と閉塞板部46とによりカセットケース21の内部を隠すことができる。組み立てた給紙カセット20を給紙装置18の外筐19(図8参照)から引き出すときは、把手25の指掛け板部42の裏面に指50(図1参照)を掛けて引き出すが、指掛け板部42の裏面にはリブ48,49が配列されているので、指掛け板部42の厚さを増して強度を高めることができる。また、リブ48,49は狭い間隔で配列されているため操作する人の指50に局部的に大きな圧力を与えることがなく操作感を損ねることはない。さらに、指掛け板部42は広範囲に肉厚を厚くするのではなくリブ48,49により補強されているため、把手25の各部の肉厚を薄く且つ均等にして成形時のヒケの発生を防止することができる。
【0038】
さらに、給紙カセット20内に収納する用紙Sの種類は把手25に貼付されたラベル51を見ることにより認識することができる。これにより、使用する用紙Sの種類が異なっても、カセットケース21及び把手25を共通使用することができる。さらに、カセットケース21のサイズを変える場合でも、開口部38の寸法を把手25の寸法に対応させることにより、把手25を共通使用することができる。
【0039】
さらに、図1で明らかように、把手25の筒状部41の前端は指掛け板部42により閉塞されているが、筒状部41の後端における指掛け板部42と対向する上部領域(一部の領域)44が開放され、その筒状部41の他端における下部領域(その他の領域)45は閉塞板部46により閉塞されているが、筒状部41の前端における閉塞板部46と対向する部分は開放されているため、図7に示すように、係止爪47を除く部分はフランジ43の裏面をパーティングラインPとして互いに接離可能に対向配置された第一、第二の金型A,Bにより成形することができる。係止爪47の部分は第一、第二の金型A,Bの接離方向と直交する方向に移動可能に第二の金型Bに組み込んだ可動コアC,Dにより成形することができる。
【0040】
このような成形金型を用いて把手25を形成する場合は、第一、第二の金型A,Bと、可動コアC,Dとにより形成されるキャビティE内に溶融した合成樹脂を充填し、この充填された合成樹脂が固形化した後に第一、第二の金型A,Bと可動コアC,Dとを互いに離反する矢印方向に開いて合成樹脂の固形化物を取り出すことにより、ワンショットで把手25を成形することができる。このように、十字方向に移動する第一、第二の金型A,Bと可動コアC,Dとを有する成形金型は型開きの構造が比較的簡単で、単位時間当たりのショット数も高く、成形時の生産性はよい。
【0041】
なお、指掛け板部42は把手25の前面における上部に形成したが、下部或いは左右の何れか一方に形成してもよい。この場合でも、閉塞板部46は指掛け板部42と対向する一部の領域を開放しその他の領域を閉塞する位置に配設すればよい。この場合、指掛け板部42と対向する一部の領域(図1における上部領域44に相当)とは、図7において第一の金型Aからの第二の金型Bの離反方向(矢印方向)への移動を許容する領域である。したがって、遮蔽板部46が遮蔽するその他の領域(図1における下部領域45に相当)とは、指掛け板部42と対向する一部の領域に干渉しない範囲で定める必要がある。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の給紙カセットは、上述のように、その把手が、ケースの前面に形成された開口部に嵌合される両端開口の筒状部と、この筒状部の前端における一部を閉塞し、前記筒状部の外周よりも内側になるように配置された指掛け板部と、この指掛け板部の前面に連続されるとともに前記筒状部の外周方向に拡開されて前記ケースの前面に密着されるフランジと、前記筒状部の後端において前記指掛け板部と対向する一部の領域を開放しその他の領域を閉塞する閉塞板部と、前記フランジの裏面から突出され、前記ケースの開口部に挿入するときには前記開口部の中央寄りに撓み、その先端部がケースの開口部の縁に到達すると撓みが戻り、前記先端部が開口部の縁に引っ掛かることで係止される係止爪とを一体に備えているので、ケースの前面に形成された開口部に把手を挿入するだけで、螺子やドライバを用いることなくケースに把手をワンタッチで組み立てることができる。また、ケースのサイズが異なっても開口部の寸法を把手の寸法に合わせることにより把手を共通使用することができる。把手を開口部に挿入した状態では、ケースの前面と把手のフランジとの当接によりケースの開口部に把手深さを一定に定め、開口部の縁と係止爪との係止により把手を固定することができる。また、把手を前面から見て指掛け板部と閉塞板部とによりケースの内部を隠すことができる。さらに、このような形状の把手は、フランジの裏面をパーティングラインとし対向配置された第一、第二の金型と、係止爪の成形のために対向配置された複数の可動コアとを十字方向に移動させるという型割構造が比較的簡単な成形金型により容易に成形することができる。
また、指掛け板部の裏面にはリブが形成されているので、リブにより指掛け板部の強度を高めることが可能となる。
【0045】
また、請求項記載の給紙カセットの把手は、指掛け板部の裏面のリブは指の幅よりも狭い間隔を開けて複数本が一体に形成されているので、指掛け板部は裏面が複数のリブにより補強されているため、各部の肉厚を薄く且つ均等にして成形時のヒケの発生を防止することが可能となる。
【0046】
また、請求項記載の給紙カセットの把手は、フランジの裏面にはケースの前面に形成された開口部の相対向する辺の内面に弾性的に接触する弾性片が一体に形成されているので、把手をケースの開口部に装着したときに、開口部内での把手の遊びを無くすことができる。
さらに、請求項1記載の給紙カセットは、その把手を、上面開口の用紙収納部と前面に開口された開口部とを有し各部が一体成形されて給紙装置の外筐に引出自在に挿入されるカセットケースの前記開口部に装着した。したがって、カセットケースの前面に形成された開口部に把手を挿入するだけで、カセットケースに把手を組み立てることが可能となる。
【0047】
請求項記載の給紙カセットは、請求項1記載の発明において、その把手の指掛け板部の前面には用紙の種類を示すラベルの貼付領域が形成されているので、把手に形成された貼付領域に、用紙の種類別に作成されたラベルを貼付することにより、この把手が装着された給紙カセット内の用紙の種類を認識することができる。また、用紙の種類が異なってもラベルを貼り替えることにより把手を共通使用することができる。
【0048】
請求項記載の把手の成形方法は、請求項1または2に記載の給紙カセットの把手を成形する把手の成形方法であって、成形しようとする把手のフランジの裏面をパーティングラインとして接離可能に対向配置された第一、第二の金型と、係止爪の成形のために前記第一、第二の金型の接離方向とは直交する方向に移動可能な複数の可動コアとにより形成されるキャビティに溶融した合成樹脂を充填し、この充填された合成樹脂が固形化した後に前記第一、第二の金型と前記可動コアとを互いに離反する方向に開いて合成樹脂の固形化物を取り出すことにより、把手をワンショットで成形することができる。
請求項記載の給紙カセットは、請求項1または2に記載の給紙カセットにおいて、カセットケースの前面の裏側には開口部の縁から用紙収納部側に向けて突出する枠が一体に形成されている。したがって、開口部の周縁及び把手の取付強度を高めることが可能となる。
請求項記載の発明は、請求項1、2またはに記載の給紙カセットを具備した画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態におけるカセットケースの前面に対する把手の取付構造を示す中央縦断側面図である。
【図2】セットケースの前面に対する把手の取付構造を示す水平断面図である。
【図3】カセットケースの前面の一部を示す正面図である。
【図4】把手の正面図である。
【図5】図4におけるA−A線部の縦断側面図である。
【図6】給紙カセットの斜視図である。
【図7】把手を成形する成形金型の概略を示す断面図である。
【図8】画像形成装置及び給紙装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
18 給紙装置
19 外筐
21 カセットケース
25 把手
29 用紙収納部
37 前面
38開口部
39 枠
41 筒状部
42 指掛け板部
43 フランジ
44 一部の領域
45 その他の領域
46 閉塞板部
47 係止爪
48,49 リブ
51 ラベル
52 貼付領域
56 弾性片
P パーティングライン
A 第一の金型
B 第二の金型
C,D 可動コア
E キャビティ

Claims (5)

  1. ケースの前面に形成された開口部に嵌合される両端開口の筒状部と、この筒状部の前端における一部を閉塞し、前記筒状部の外周よりも内側になるように配置された指掛け板部と、この指掛け板部の前面に連続されるとともに前記筒状部の外周方向に拡開されて前記ケースの前面に密着されるフランジと、前記筒状部の後端において前記指掛け板部と対向する一部の領域を開放しその他の領域を閉塞する閉塞板部と、前記フランジの裏面から突出され、前記ケースの開口部に挿入するときには前記開口部の中央寄りに撓み、その先端部が前記ケースの開口部の縁に到達すると撓みが戻り、前記先端部が開口部の縁に引っ掛かることで係止される係止爪とを一体に備えており、
    前記指掛け板部の裏面にはリブが形成されていて、
    指掛け板部の裏面のリブは指の幅よりも狭い間隔を開けて複数本が一体に形成され、
    フランジの裏面にはケースの前面に形成された開口部の相対向する辺の内面に弾性的に接触する弾性片が一体に形成されている把手を、
    上面開口の用紙収納部と前面に開口された開口部とを有し各部が一体成形されて給紙装置の外筐に引出自在に挿入されるカセットケースの前記開口部に装着したことを特徴とする給紙カセット。
  2. 把手の指掛け板部の前面には用紙の種類を示すラベルの貼付領域が形成されている請求項1記載の給紙カセット。
  3. 請求項1または2に記載の給紙カセットの把手を成形する把手の成形方法であって、
    成形しようとする把手のフランジの裏面をパーティングラインとして接離可能に対向配置された第一、第二の金型と、係止爪の成形のために前記第一、第二の金型の接離方向とは直交する方向に移動可能な複数の可動コアとにより形成されるキャビティに溶融した合成樹脂を充填し、この充填された合成樹脂が固形化した後に前記第一、第二の金型と前記可動コアとを互いに離反する方向に開いて合成樹脂の固形化物を取り出す給紙カセットの把手の成形方法。
  4. 前記カセットケースの前面の裏側には開口部の縁から用紙収納部側に向けて突出する枠が一体に形成されている請求項1または2に一記載の給紙カセット。
  5. 請求項1、2または4に記載の給紙カセットを具備したことを特徴とする画像形成装置。
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