JP4054112B2 - 防音壁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輛の防音対策として高速道路や鉄道高架の側方に設置される防音壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高速道路や鉄道高架の側方防音壁は、従来、木製の型枠を組み立ててコンクリートを打設することにより施工されているが、木製型枠は施工完了後、取り外され、廃材として処理されていた。
金属製の型枠パネルを用いる場合には、転用が可能なため、廃材処理は不要となるが、施工後の型枠パネルの撤去作業は不可避である。
【0003】
また、コンクリート製の防音壁だけでは、騒音低減効果が不十分なときには、防音壁の音源側に吸音材や遮音材を設置することもある。この場合には、型枠パネルを取り外した後、コンクリート表面に施工することが必要となる。
【0004】
一方、特開昭50−124425号公報や特公昭62−4496号公報によれば、打ち込み型枠を用いる建造物の外壁や間仕切壁、土留擁壁などのコンクリート壁の構築方法が公知である。特開昭50−124425号公報には、打ち込み型枠として、コンクリート板やタイル、または、打設コンクリートとの接触面がコンクリートである複合板を用いる旨記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防音効果に優れたコンクリート製防音壁を提供すると共に、構築する際の型枠工における撤去作業を必要としない防音壁を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の防音壁は、堰板と多孔質の吸音板とを空気層を介して複合一体化させた吸音パネルと、前記堰板に接したコンクリート壁とからなることを特徴とするものである。
即ち、本発明の防音壁は、前記吸音パネルをコンクリート用打ち込み型枠として使用するとともに、コンクリート壁を遮音壁とするものである。
【0007】
前記吸音板は無機粒状物と必要により加えられる繊維質の充填材とをバインダーで硬化させたものであることが好ましい。
前記堰板は石炭灰を主原料とするものであることが好ましい。また、前記堰板は無機質骨材と石炭灰とからなる中芯層を、石炭灰と必要により加えられる繊維質の充填材とからなる表層により両側から挟んだ状態でバインダーで硬化させたものであることが好ましい。
また、前記空気層には、繊維質の中間材が配装されていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0009】
始めに、吸音パネルの構造を説明する。吸音パネルは、吸音板と堰板およびその中間空気層とから構成される。吸音板に用いられる吸音材としては、従来より、多孔質の材料が用いられており、本発明においても内部に空隙が連続して形成された材料を用いることにより音が吸収され易い構造とする。本発明では吸音材の主原料として無機粒状物を使用する。無機粒状物としては、黒曜石、真珠石、抗化石、シラス等の天然石の発泡粒状物または、ガラスや各種セラミックの発泡粒状物が好ましく、これらを単独であるいは組み合わせて用いる。また、該無機粒状物の粒径は0.1〜2mm程度のものが好ましい。
【0010】
本発明では吸音板の強度を高めるために、吸音材中に充填材を混合して吸音板の強度を補強することが望ましい。充填材としては、チョップドストランド状、マット状、またはネット状の繊維質のものが好ましく、ガラス繊維、ロックウール、カーボン繊維等の無機繊維質のものや、ビニロンやポリエステルなどの有機合成繊維質のものを用いることができる。また、繊維質にフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸し、半硬化させることによりプリプレグ化したものも好適に用いることができる。なお、充填材で補強する部分は吸音板の表面近傍および内部のいずれの位置であってもよいし、単層、2層以上のいずれの構造であってもよい。
【0011】
前記吸音板は、前記無機粒状物と必要により加えられる繊維質の充填材とをバインダーにより成形、硬化させることが好ましい。
バインダーとしては、有機系および無機系のバインダーのいずれもが使用可能であるが、前記無機粒状物を点着状に接着して吸音材を製造する上では、硬化温度が80〜200℃の範囲にある熱硬化性樹脂系のバインダーを用いることが好ましい。
【0012】
このような合成樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、リグニン樹脂などを挙げることができるが、特に、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の場合、無機粒状物に対する混合割合は、1.5〜25重量%、特に、5.0〜15重量%が好ましい。1.5重量%未満では、粒状物同士や粒状物と充填材を強固に結合できず吸音材の強度が低くなる。他方、25重量%を越えると、粒状物同士の空隙が充填され、吸音材に適した多孔質構造を形成することができない。
【0013】
吸音板を製造するには、無機粒状物、充填材およびバインダーを単純に混合してもよいし、あるいは、予め無機粒状物の表面をバインダーで被覆した後、充填材と必要により追加するバインダーを混合してもよい。次に、これらの混合物または粒状物を金型などに入れ、所望により滑材を混合して、加熱および加圧して乾式製法により成形する。勿論、湿式製法によって製造してもよい。
【0014】
このようにして得られた吸音材の空隙率は5〜75%、好ましくは10〜50%程度となるが、当該空隙率は無機粒状物、充填材およびバインダーの種類および配合割合、または、プレス圧・温度条件等の製造方法を適宜選定することにより調整することができる。
【0015】
次に、堰板について説明する。堰板は基本的には、打設したコンクリートを堰止めることができる程度の機械的強度を有していれば良い。従って、合板、パーチクルボードなどの木質板、スチール、アルミニウム、ステンレスなどの金属板、コンクリート、繊維強化セメント、珪酸カルシウムなどの無機質板、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成樹脂板、および、無機粉末と補強繊維からなる熱硬化性樹脂成型複合板などを使用することができる。
【0016】
堰板の構造は、単板の他、堰板としての機械的強度を付与するために、波板、中空板、リブ付板としたり、あるいは、前記異種材料を積層した複合パネルとすることもできる。
【0017】
本発明における堰板の好適な実施形態として、石炭灰を主原料とし、その中芯層を石炭灰と無機質骨材としたものを挙げることができる。当該堰板は、成形体の内部に連続した空隙が形成されず、音が反射され易い密実質の構造となり、遮音板の性質を兼ね備えたものとなる。
【0018】
ここで、石炭灰とは、フライアッシュ、クリンカアッシュ、シンダーアッシュを含み、更にコークス灰も含む。しかしながら、これら石炭灰のなかでは、石炭火力発電所の煙道に設けられた集塵機によって排ガス中の微粒子状の灰分を集めたものであるフライアッシュが、最も利用し易く好ましい。フライアッシュは、現在のところコンクリート用混和材のほか、路盤材、土壌改良材、軽量骨材などへの利用が図られているものの、灰捨地や埋立地に投棄される量も相当量に昇る。なお、前記フライアッシュの化学組成や比表面積には格別の制限はなく、JISで規格化されたものも、それ以外のものも使用可能である。
【0019】
上記無機質骨材としては、山砂、川砂などの天然珪砂、珪石珪砂などの人工珪砂、オリビンサンド、マグネシアサンドなどの特殊砂、またはこれらの再生砂、硼砂や大理石、御影石、石炭石、安山岩などの天然砕石またはセメント、石膏、硝子、陶磁器、石炭灰、焼却灰スラグ、鉄鉱石スラグなどの人工砕石粒状物、火山礫、抗火石、パーライト、頁岩発泡粒子などの天然および人工軽量骨材を使用することができる。また、これらの無機質骨材は一種類に限られず、二種以上を併用することも可能である。
【0020】
さらに、上記無機質骨材をセメント、石膏などの無機質あるいは有機質の結合材にて造粒体とした人工骨材も好適であり、例えば、石炭灰とセメントとを混合して造粒製造される石炭灰粒状物を挙げることができる。
石炭灰粒状物におけるセメントの含有率は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未満では、粒状物の強度が低く成形圧力により破壊され易く、他方、50重量%を越えると、フライアッシュの利用率が低下する。また、上記範囲外では均一な粒子に造粒しにくいという問題点もある。石炭灰粒状物の粒径は可及的に均一の方がよいが、絶対的な条件ではない。例えば、90%以上の粒子の粒径が0.2〜4.0mmの範囲に入ることが好ましい。石炭灰粒状物としては、市販品を使用してもよいし、石炭灰とセメントとを直接混合して製造してもよい。
【0021】
上記中芯層をサンドイッチ構造で挟む表層は、石炭灰と必要により加えられる繊維質の充填材とからなるが、石炭灰および繊維質の充填材は共に、前述したものを使用することができる。
本発明において好適な堰板は、中芯層を表層により両側から挟んだ状態で、前記吸音板と同様にして、バインダーで硬化させて製造することができる。
【0022】
バインダーとしては吸音板の製造方法で説明したものを使用することができ、例えば、フェノール樹脂を用いた場合、石炭灰に対する混合割合は、1.5〜50重量%、特に、5.0〜20重量%が好ましい。1.5重量%未満では、十分な強度が得られにくく、50重量%を越えると、安価な石炭灰の比率が低下し、経済性が悪くなる。
【0023】
前記堰板は、中芯層に石炭灰粒状物を使用した場合は、堰板が高密度化し、優れた遮音性能を有する。
また、堰板中の石炭灰とバインダーのフェノール樹脂は、コンクリートとの馴染みが非常に良好であり、さらに、バインダーとして使用したフェノール樹脂が石炭灰の空隙構造を充填することで、堰板の吸水性を低下させ、コンクリートの硬化に必要な水分が堰板中に吸収されることによってコンクリートの硬化阻害が生じる所謂ドライアウト現象を抑制し、打ち込み型枠の堰板としてのコンクリートとの付着が強固になる。
【0024】
本発明における吸音パネルは、吸音板と堰板とを空気層を介して複合一体化したものである。
図3は、好ましい実施形態としての吸音パネルの部分断面図であり、吸音板1と堰板3とが空気層2を介して複合一体化されている。符号4は繊維質の充填材であり、この実施形態では、吸音板1と堰板3の双方の表層近傍に繊維質の充填材4が設けられている。
【0025】
吸音パネルは、吸音特性を改善するために、空気層2に繊維質の中間材5を配装してもよい。このような繊維質としては、ガラス繊維、ロックウール、その他各種合成繊維を挙げることができる。また、中間材5としては、発泡樹脂材料、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、軟質ウレタンフォームなどの柔軟材料も使用可能である。
【0026】
本発明の防音壁は、音源側に前記吸音パネルをコンクリート用打ち込み型枠として使用することにより構築することができる。
続いて、道路や鉄道高架に設置される防音壁の実施形態について、図1と図2を参照しながら説明する。
【0027】
図1は高架基礎6の上に立設された防音壁8の部分的な斜視図であり、防音壁8は、コンクリート壁12とその前面に一体として取り付けられた吸音パネル10とから構成されている。なお、符号14は吸音パネル用接続金物である。
【0028】
次に、図2により、型枠の組立手順について説明する。
先ず、高架基礎6の上面に、型枠の下端部を位置決めするためのアングル材15をアンカーボルト16にて2列敷設する。次いで、通常の型枠工と同様にして、吸音板1が音源側(図2において右側)となるようにして吸音パネル10を建込み、吸音パネル10を構成する堰板3側からセパレータ18を取り付け、その頭部にボルト13にて吸音パネル用の接続金物14を取付ける。次いで、吸音パネル10と対向させて堰板20を垂直に建込んだ後、端太パイプ22をフォームタイ24にて固定する。
【0029】
前記接続金物14は打ち込み型枠となる吸音パネル10、10、・・・の接続端となる位置に設置され、隣接する吸音パネル10は、その端部にて接続金物14を介して順次取り付ける。
【0030】
上記作業にて打ち込み型枠を組み立てた後、吸音パネル10と堰板20の間にコンクリートを打設する。吸音パネル10は打ち込み型枠として使用しているので、コンクリートが硬化した後、取り外す必要がない。また、コンクリートの硬化と同時に、コンクリート壁の表面に吸音パネルを接合させた防音壁8が構築されることになる。
なお、コンクリート壁12の外側の堰板20は、防音壁8を施工した後、そのまま残してもよいし、撤去してもよい。
【0031】
【実施例】
以下に本発明の好ましい実施例を示す。
【0032】
実施例1〔吸音パネルP1の製作〕
(吸音板の製作)
90%以上が粒径0.3〜1.2mmの範囲に入るガラス粉体焼成発泡造粒物(G−ライト、サンライト製)に、フェノール樹脂(SP−115PD、旭有機材工業製)7重量%をコーティングしたもの(以下、RCGと略称する。)、90%以上が粒径0.3〜1.2mmの範囲に入る珪砂粒子に前記フェノール樹脂4重量%をコーティングしたもの(以下、RCSと略称する。)、および、フェノール樹脂40%が含浸されている80g目付の平織りガラスクロスプリプレグ(安全基材製)(以下、GCPPと略称する。)を準備する。
【0033】
次に、離型用あて板上に、GCPP、RCS3600g/m2 、RCG2400g/m2 、RCS3600g/m2 、GCPP、RCG1200g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、加熱温度160℃、圧力10kg/cm2 、時間10分の条件で熱硬化し、厚さ10mm、密度1.04g/cm3 、曲げ強さ143kgf/cm2 の吸音板を製作した。
【0034】
(堰板の製作)
ブレーン値2120cm2 /gの石炭灰(中部電力碧南火力製)75重量部とノボラック型フェノール樹脂(NK−7001、新日鐵化学製)10重量部からなる混合物(以下、表層用組成物と略称する。)と、前記石炭灰45重量部、前記フェノール樹脂3重量部、および90%以上の粒子が粒径0.3〜1.66mmの範囲に入る石炭灰セメント造粒物(ファイヤービーズ、東北電力製)54重量部からなる混合物(以下、中芯層用組成物と略称する。)と、38mmの長さに切断したガラスストランド(RER240−SM30、日本板硝子製)を準備する。
【0035】
次に、離型用のあて板上に表層用組成物560g/m2 、ガラスストランド330g/m2 、表層用組成物930g/m2 、中芯層用組成物30000g/m2 、表層用組成物420g/m2 、ガラスストランド330g/m2 、表層用組成物1660g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、加熱温度160℃、圧力20kg/cm2 、時間25分の条件で熱硬化し、厚さ約25mm、密度1.30g/cm3 、曲げ強さ114kgf/cm2 の堰板を製作した。
【0036】
(パネルの一体化)
次に、上記吸音板および堰板をそれぞれ幅500mm、長さ3000mmに切断し、この両板の両長手端部に厚さ25mmの角パイプを配してビス留め固定し、25mmの空気層を有する一方の面が吸音板、他方の面が堰板からなる吸音パネル(P1)を製作した。
【0037】
実施例2〔吸音パネルP2の製作〕
実施例1で製作した吸音パネル(P1)の空気層中に25mm厚み、密度40kg/m3 のロックウールフェルト(フェルトK、新日鐵化学製)を挿入した吸音パネル(P2)を製作した。
【0038】
実施例3〔吸音パネルP3の製作〕
吸音板の構成が以下に示すように異なる他は実施例2と同様の条件で吸音パネル(P3)を製作した。
【0039】
(吸音板の製作)
実施例1において(吸音板の製作)の項に記載したRCG、RCSおよびGCPPを準備する。次に、離型用あて板上に、GCPP、RCS3600g/m2 、RCG3600g/m2 、GCPP、RCS3600g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、実施例1(吸音板)と同じ条件で熱硬化し、厚さ10mm、密度1.04g/cm3 、曲げ強さ100kgf/cm2 の吸音板を製作した。
【0040】
実施例4〔吸音パネルP4の製作〕
堰板の構成が以下に示すように異なる他は実施例2と同様の条件で吸音パネル(P4)を製作した。
【0041】
(堰板の製作)
ブレーン値2230cm2 /gの石炭灰(東北電力製)75重量部とノボラック型フェノール樹脂(NK−7001、新日鐵化学製)10重量部からなる混合物(以下、表層用組成物と略称する。)と、前記石炭灰45重量部、前記フェノール樹脂3重量部、および90%以上の粒子が粒径0.5〜5.0mmの範囲に入る天然火山礫(高木産業製)22重量部からなる混合物(以下、中芯層用組成物と略称する。)と、38mmの長さに切断したチョップドストランド(RER240−SM30、日本板硝子製)を準備する。
【0042】
次に、離型用のあて板上に表層用組成物560g/m2 、チョップドストランド330g/m2 、表層用組成物930g/m2 、中芯層用組成物21000g/m2 、表層用組成物420g/m2 、チョップドストランド330g/m2 、表層用組成物1660g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、加熱温度160℃、圧力20kg/cm2 、時間25分の条件で熱硬化し、厚さ約25mm、密度1.00g/cm3 、曲げ強さ108kgf/cm2 の堰板を製作した。
【0043】
比較例1〔吸音パネルP0の製作〕
(吸音板の製作)
90%以上が粒径0.3〜1.66mmの範囲に入る石炭灰セメント造粒物(ファイヤービーズ、東北発電工業製)にフェノール樹脂(SP−6905、旭有機材工業製)5重量%をコーティングしたもの(以下、RCFと略称する。)、90%以上が粒径0.2〜4.0mmの範囲に入る前記石炭灰セメント造粒物100重量部に対して10重量部のノボラック型フェノール樹脂(NK−7001、新日鐵化学製)を混合したもの(以下、MFBと略称する。)、および、38mmの長さに切断したガラスストランド(RER240−SM30、日本板硝子製)を準備する。
【0044】
次に、離型用あて板上に、RCF1250g/m2 、ガラスストランド210g/m2 、MFB4850g/m2 、ガラスストランド210g/m2 、MFB4200g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、加熱温度160℃、圧力10kg/cm2 、時間10分の条件で熱硬化し、厚さ10mm、密度1.1g/cm3 、曲げ強さ65kgf/cm2 の吸音板を製作した。
【0045】
(堰板の製作)
ブレーン値2120cm2 /gの石炭灰(中部電力碧南火力製)900重量部とノボラック型フェノール樹脂(NK−7001、新日鐵化学製)125重量部からなる混合物(以下、MFと略称する。)と、38mmの長さに切断したガラスストランド(RER240−SM30、日本板硝子製)を準備する。
【0046】
次に、離型用のあて板上にMF450g/m2 、ガラスストランド195g/m2 、MF23370g/m2 、ガラスストランド195g/m2 、MF1340g/m2 の順に散布積層し、この積層体を熱プレスに入れて、加熱温度160℃、圧力20kg/cm2 、時間25分の条件で熱硬化し、厚さ約25mm、密度1.10g/cm3 、曲げ強さ108kgf/cm2 の堰板を製作した。
【0047】
(パネルの一体化)
次に、上記吸音板および堰板をそれぞれ幅820mm、長さ2350mmに切断し、この両板の両長手端部に厚さ25mmの角パイプを配してビス留め固定するとともに、両板間に厚さ25mm、密度40kg/m3 のロックウールフェルト(フェルトK、新日鐵化学製)を挿入して、一方の面が吸音板、他方の面が堰板からなる吸音パネル(P0)を製作した。
【0048】
実施例5〔吸音パネルの遮音性能試験〕
前記各吸音パネルの吸音板を音源側として、JIS A−1416の方法により実験室における音響透過損失を測定し、その結果を表1と図4に示した。また、パネルを残響室中で吸音板を上向きに置いて、残響室法吸音率を測定し、その結果を表2と図5に示した。なお、図4と図5において、記号▲はP2、■はP3、×はP0を、それぞれ示す。
【0049】
図4に表わされたグラフから、実施例2、実施例3の吸音パネルP2、P3は、比較例1の吸音パネルP0よりも、音響透過損失が周波数全体にわたって大きな値を示していることが分かる。
また、図5に表わされたグラフから、実施例2、実施例3の吸音パネルP2、P3は、中間空気層に繊維質材を配装したことと相俟って、中高音域の広い周波数で、高い吸音率を示していることが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
実施例6〔堰板とコンクリートとの付着強度試験〕
1.試験体の作製
実施例1で製作した堰板を縦100mm×横400mmの大きさに切断し、2枚の堰板を型枠として、この間にコンクリートを流し込み、100×100×400mmの角柱状試験体を得た。
表3に、コンクリートの配合とフレッシュコンクリートの性状を示す。
【0053】
【表3】
【0054】
上記にて打設したコンクリートは、20℃湿空中、5日で脱型し、打込み後28日まで、20℃湿空養生し、その後2ヵ月間風乾状態で放置した後、次の強度試験を行った。
【0055】
2.試験方法と結果
試験体を40×40mmの面積に切断した試験片No.1〜No.6について、コンクリートと堰板の双方に鋼製ピースを接着した後、これを両側に引っ張り、建研式接着強度試験装置を用いて破壊荷重を測定した。測定結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
試験片No.4で一部、界面剥離が生じたのを除き、他の試験片は何れも材料破壊であった。破壊荷重の平均値は180kgfであるから、試料の付着強度は11.9kgf/cm2 となり、実施例1で製作した堰板はコンクリートとの接着性が極めて良好であることが判る。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の防音壁は、構築する際の型枠工における撤去作業を必要としないので、工程を簡略化し、省力化を図ることができる。
請求項2および請求項3記載の防音壁は、堰板が石炭灰を主原料としているので、軽量かつ低廉であるとともに、遮音性能に優れている。また、この吸音パネルはコンクリートとの付着性も良好であるという優れた効果を有している。
請求項4および請求項5記載の防音壁は、防音効果が特別顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音壁の部分斜視図である。
【図2】打ち込み型枠の組立手順を説明するための側面図と部分平面図である。
【図3】吸音パネルの部分断面図である。
【図4】実施例5における各吸音パネルについて、音響透過損失の周波数特性を表したグラフである。
【図5】実施例5における各吸音パネルについて、残響室法吸音率の周波数特性を表したグラフである。
【符号の説明】
1 吸音板
2 空気層
3 堰板
4 繊維質の充填材
5 繊維質の中間材
8 防音壁
10 吸音パネル
12 コンクリート壁
14 吸音パネル用の接続金物
20 堰板
Claims (3)
- 堰板と多孔質の吸音板とを空気層を介して複合一体化させた吸音パネルと、前記堰板に接したコンクリート壁とからなる防音壁であって、前記堰板が無機質骨材と石炭灰とからなる中芯層を、石炭灰と必要により加えられる繊維質の充填材とからなる表層により両側から挟んだ状態でバインダーで硬化させたものであることを特徴とする防音壁。
- 前記吸音板が無機粒状物と必要により加えられる繊維質の充填材とをバインダーで硬化させたものである請求項1記載の防音壁。
- 前記空気層に繊維質の中間材が配装された請求項1乃至請求項2記載の防音壁。
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