JP4053919B2 - 放送受信システムおよび受信特性調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送信号を受信するための放送受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テレビ放送などの放送信号を受信するためのアンテナ装置として、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれを混合して出力するアンテナ部、一方のアンテナ素子により受信される放送信号を移相する移相器、および、他方のアンテナ素子により受信される放送信号を減衰させる減衰器などからなるアンテナ装置が利用されている。
【0003】
このアンテナ装置では、移相器および減衰器を操作し、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれの位相関係および信号レベルの差を変更することにより受信特性(指向性)を調整することができる。こうして、受信特性を調整することにより、アンテナ装置と信号伝送経路(ケーブル)を介して接続されるチューナ(例えば、テレビ受像機)による受信状況(例えば、テレビ受像機により表示される映像の状態)を改善させることができる。
【0004】
ただ、通常は、アンテナ装置自体は屋外に設置され、チューナはアンテナ装置から離れた屋内に設置されるため、チューナから離れた場所からでなければ、移相器および減衰器を直接操作することができず、チューナによる受信状況の確認を同時に行うことは困難である。
【0005】
そこで、現在では、移相器および減衰器への動作を指令するための指令信号を上述の信号伝送経路に重畳させた状態でチューナ側からアンテナ装置まで伝送させ、アンテナ装置側において指令信号を分離して移相器および減衰器に供給することによって、移相器および減衰器を遠隔操作するように構成された放送受信システムが利用されている。これにより、チューナ付近においてチューナによる受信状況を確認しながら移相器および減衰器を間接的に操作すること、つまり、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれの位相関係および信号レベルの差を信号伝送経路経由で変更することができる。
【0006】
なお、この場合、信号伝送経路に重畳させる指令信号によって移相器および減衰器の2種類を動作させる必要があるが、そのための技術は種々提案されている。例えば、移相器および減衰器のうち、いずれか一方を外部から入力する直流成分の信号(制御用電圧信号)における正の信号レベル(電圧値)に応じて動作し、他方を外部から入力する直流成分の信号における負の信号レベルに応じて動作するものとしておき、正および負の信号を指令信号(制御用電圧信号)として信号伝送経路(給電線)へ出力し、アンテナ装置側において指令信号から正および負の信号を分離させて移相器および減衰器それぞれに供給する、といった技術である(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−082502号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、位相関係および信号レベルの差を信号伝送経路経由で変更可能に構成した放送受信システムにおいては、アンテナ素子により受信される放送信号の信号レベル(電界強度)そのものが低い(弱い)と、いくら受信特性を調整したとしても充分に受信状況を改善させることはできない。
【0009】
ここで、受信状況を充分に改善できるようにするためには、信号伝送経路中に、アンテナ装置側から入力した放送信号の信号レベルを増幅してチューナ側へ出力する信号増幅器(ブースタ)を配設すればよいが、単に信号増幅器を信号伝送経路中に配設しただけでは、システムが正常に動作しなくなる恐れがある。
【0010】
例えば、信号伝送経路中に信号増幅器を配設した場合、チューナ側から信号伝送経路へ出力される指令信号は、信号増幅器の出力側へ入力されてしまう。そのため、信号増幅器が指令信号をアンテナ装置側へ出力するように構成されていなければ、結果的に移相器および減衰器に指令信号を供給することができなくなってしまう。この問題については、指令信号に相当する周波数成分のみを選択的に通過させるフィルタを設け、このフィルタを介して指令信号が信号増幅器を避けて移相器および減衰器に供給されるように構成すればよい。これにより、信号伝送経路中に信号増幅器を配設したとしても、移相器および減衰器に指令信号を供給することができるようになる。
【0011】
また、信号伝送路中に信号増幅器を配設した場合には、信号増幅器を動作させるための駆動信号を信号増幅器へ供給しなければならない。駆動信号を信号増幅器へ供給するためには、上述の信号伝送経路とは独立した経路を新たに敷設し、この経路に駆動信号を伝送させる方法を考えることができる。しかし、この方法では、新たな経路を敷設するといった面倒な作業が必要となり、信号増幅器を配設する位置がチューナから離れるほど敷設すべき経路が長くなり、信号増幅器を設けることに伴うコストが増加するため好ましくない。
【0012】
そのため、上述の信号伝送経路経由で駆動信号を信号増幅器へ供給することが望ましいが、上述した技術のように直流成分を含む信号が指令信号として利用される構成においては、駆動信号を信号伝送経路に伝送させることができない。これは、信号増幅器を駆動するのに必要な駆動信号が一般的に直流成分(直流電圧)であることに起因し、直流成分の指令信号が伝送されている信号伝送経路に同じ直流成分の駆動信号が伝送されると、指令信号と駆動信号が分離不可能に混合されてしまい、アンテナ装置側において指令信号を分離できなくなるためである。
【0013】
本発明は、上記問題を解決するために成されたものであり、その目的は、位相関係および信号レベルの差を信号伝送経路経由で変更可能な放送受信システムを、信号伝送経路に信号増幅器を配設した状態で正常に動作させるための技術を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記問題を解決するため請求項1に記載の放送受信システムは、アンテナ部、位相変更部、レベル変更部、信号伝送経路、指令信号出力部、第1フィルタ部および信号供給部を備えている。これらのうち、アンテナ部は、二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれを混合して出力する。また、位相変更部は、外部からの指令を受けて、アンテナ部における二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの位相関係を示すパラメータを変更可能である。また、レベル変更部は、外部からの指令を受けて、アンテナ部における二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を示すパラメータを変更可能である。また、信号伝送経路は、アンテナ部により出力される放送信号を、この放送信号のうち特定の放送信号を選局するチューナへ伝送させるためのものである。また、指令信号出力部は、前記放送信号とは異なる周波数帯域の成分からなる信号であって、前記位相変更部および前記レベル変更部に対して前記パラメータの変更を指令するための指令信号を、利用者の操作を受けている間、前記チューナ側から前記信号伝送経路へ出力する。また、第1フィルタ部は、信号伝送経路中に配設され、アンテナ部側から入力される信号成分のうち、放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて外部へ出力する。そして、信号供給部は、第1フィルタ部から指令信号が入力されている間、前記位相変更部および前記レベル変更部それぞれにおけるパラメータの段階的な増加または減少を指令するための信号を、前記位相変更部および前記レベル変更部それぞれに供給する。さらに、この放送受信システムは、信号増幅部および増幅駆動部を備えており、信号増幅部は、信号伝送経路におけるアンテナ部−第1フィルタ部間の経路中に配設され、アンテナ部側から入力される信号を、この信号の信号レベルを増幅して第1フィルタ部側へ出力する。また、増幅駆動部は、信号伝送経路における第1フィルタ部−チューナ側間の経路を伝送される信号のうち、指令信号に相当する周波数成分の一部を抽出し、この抽出した信号に基づいて信号増幅部を駆動するための駆動信号を生成すると共に、この駆動信号を信号増幅部へ供給する。
【0015】
このように構成された放送受信システムによれば、放送信号の信号レベルを増幅する信号増幅部が、信号伝送経路のうちアンテナ部−第1フィルタ部間の経路中に配設されている。この第1フィルタ部は、指令信号に相当する周波数成分を、信号増幅部を迂回するようにして信号供給部へ出力するため、チューナ側から出力された信号成分を、信号増幅部に入力することなく、確実に位相変更部およびレベル変更部に供給することができる。
【0016】
また、増幅駆動部により、指令信号に相当する周波数成分の一部から信号増幅部を駆動するための駆動信号を生成して信号増幅部へ供給することができる。よって、チューナ側から信号伝送経路には駆動信号が伝送されないため、信号伝送経路において指令信号と駆動信号とが分離不能に混合されてしまう恐れがない。
【0017】
これらのことから、本放送受信システムは、信号伝送経路に信号増幅部が配設されているにも拘わらず、位相変更部およびレベル変更部への指令信号の供給、および、信号増幅部への駆動信号の供給を正常に行うことができる。
なお、上述した位相変更部は、二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの位相関係を示すパラメータを変更可能なものであって、例えば、二のアンテナ素子のうちいずれか一方から、二のアンテナ素子それぞれにより受信される放送信号を混合する構成(混合器)までに至る経路中に配設され、外部からの指令で放送信号の位相を変更できる移相器からなるものなどである。
【0018】
また、レベル変更部は、二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を示すパラメータを変更可能なものであって、例えば、二のアンテナ素子のうちいずれか一方から、二のアンテナ素子それぞれにより受信される放送信号を混合する構成(混合器)までに至る経路中に配設され、放送信号の信号レベルを減衰させる減衰器からなるものである。
【0019】
また、第1フィルタ部は、例えば、アンテナ部側から入力される信号成分のうち、放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させてチューナ側へ出力するフィルタと、チューナ側から入力される信号成分のうち、指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて外部へ出力するフィルタからなるものである。
【0020】
また、この第1フィルタ部は、信号伝送経路中に配設されていればよいが、その配設される位置がアンテナ部から離れるほど、第1フィルタ部が出力する信号成分、つまり、指令信号を伝送させるために、信号伝送経路と並行してアンテナ部付近まで敷設すべき経路が長くなってしまい、第1フィルタ部を配設するのに要するコストが増加してしまう恐れがある。そこで、請求項2に記載のように構成するとよい。
【0021】
請求項2に記載の放送受信システムは、第2フィルタ部および第3フィルタ部を備えており、第1フィルタ部が、指令信号を第2フィルタ部および第3フィルタ部を介して、位相変更部およびレベル変更部へ向けて出力する。これらのうち、第2フィルタ部は、信号伝送経路におけるアンテナ部−信号増幅部間の経路中に配設され、アンテナ部側から入力される信号のうち、放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて信号増幅部側へ出力すると共に、第1フィルタ部により出力される信号を入力し、この入力した信号のうち、指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させてアンテナ部側へ出力する。また、第3フィルタ部は、アンテナ部における信号伝送経路との接続位置−アンテナ素子間の経路、または、信号伝送経路におけるアンテナ部側の端部−第2フィルタ部間の経路中に配設され、アンテナ素子側またはアンテナ部側から入力した信号のうち、放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて信号伝送経路側または第2フィルタ部側へ出力すると共に、信号伝送経路側または第2フィルタ部側から入力した信号のうち、指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて信号供給部へ出力する。
【0022】
このように構成された放送受信システムによれば、第1フィルタ部により出力される信号成分、つまり、指令信号は、第2フィルタ部から第3フィルタ部に至るまで信号伝送経路を含む同一の経路を伝送させることができる。そのため、指令信号を伝送させるために信号伝送経路と並行して敷設する経路は、信号増幅部を迂回できる分だけでよく、アンテナ部付近まで敷設する必要がない。よって、第1フィルタ部の配設される位置がアンテナ部から離れていたとしても、第1フィルタ部を配設するのに要するコストが増加することはない。
【0023】
また、上述の指令出力部により出力される指令信号は、放送信号とは異なる周波数成分であって、位相変更部およびレベル変更部を動作させることができればよく、具体的な成分,種類,周波数帯域などは特に限定されない。例えば、直流成分および交流成分からなる信号を指令信号とし、この指令信号のうち、直流成分および交流成分のいずれか一方により位相変更部を動作させて、他方によりレベル変更部を動作させるように構成することを考えることができる。
【0024】
具体的には、請求項3に記載のように、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方は外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更可能であり、他方は外部から指令として入力される交流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更可能であって、指令信号出力部は、直流成分に交流成分を重畳させた信号を指令信号として出力すると共に、利用者の操作を受けて、直流成分および交流成分それぞれの信号レベルを変更可能に構成され、信号供給部は、第1フィルタ部により出力される信号を直流成分および交流成分の信号それぞれに分離して、分離した直流成分を位相変更部またはレベル変更部へ出力すると共に、分離した交流成分をレベル変更部または位相変更部へ出力する、ように構成すればよい。
【0025】
このように構成された放送受信システムによれば、指令信号出力部により出力される指令信号の直流成分および交流成分それぞれについて信号レベルを変更することによって、位相変更部およびレベル変更部それぞれによるパラメータを変更することができ、これにより、チューナ側による受信状況を改善させることができる。
【0026】
なお、この構成における信号供給部は、第1フィルタ部により出力される信号を直流成分および交流成分の信号それぞれに分離するものであって、例えば、第1フィルタ部により出力された信号から直流成分を抽出するフィルタと、同信号から交流成分を抽出するフィルタとを備えたものである。
【0027】
また、この構成において、位相変更部およびレベル変更部は、いずれか一方に直流成分,他方に交流成分が供給されるため、それぞれ対応する成分の信号レベルに応じて直接パラメータを変更できるように構成すればよい。また、位相変更部およびレベル変更部の両方を、直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更するように構成してもよく、この場合、いずれか一方が交流成分を直流成分に変換するように構成するとよい。
【0028】
具体的には、請求項4に記載のように、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更するように構成し、他方は、外部から指令として入力される交流成分を直流成分に変換し、この変換した直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更する、ように構成するとよい。
【0029】
このように構成された放送受信システムによれば、位相変更部およびレベル変更部のいずれか一方は、交流成分を直流成分に変換できるため、移相変更部およびレベル変更部両方が外部から入力される直流成分に応じてパラメータを変更するものであっても、直流成分および交流成分が重畳されてなる指令信号に基づいてパラメータを変更させることができる。
【0030】
また、上述の指令出力部により出力される指令信号は、直流成分のみからなる信号を指令信号とし、この指令信号により位相変更部およびレベル変更部を動作させるように構成することを考えることもできる。
具体的な例としては、アンテナ部における二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれを入力し、この放送信号における信号レベルの差が所定のレベル差となるように、レベル変更部に対してパラメータの変更を指令するレベル変更指令部と、外部から入力される信号に基づいて、レベル変更指令部を駆動するための駆動信号を生成すると共に、この駆動信号をレベル変更指令部へ供給するレベル変更駆動部と、を備え、位相変更部は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更可能であり、指令信号出力部は、直流成分の信号を指令信号として出力すると共に、利用者の操作を受けて、直流成分の信号レベルを変更可能に構成して、信号供給部は、第1フィルタ部により出力される信号を、レベル変更駆動部および位相変更部へ出力する、ように構成するとよい。
【0031】
このように構成された放送受信システムによれば、レベル変更指令部によって、レベル変更部による信号レベルの差を自動的に所定のレベル差に変更することができる。レベル変更部は、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を、所定のレベル差(例えば、信号レベルの差「0」)とするように動作させることが一般的である。そのため、信号レベルの差を自動的に所定のレベル差に変更するように構成することによって、チューナ側による受信状況を改善させる際、利用者は、移相変更部による移相関係の変更のみを行えばよくなり、受信状況を改善させるための操作を簡略化できる。
【0032】
また、直流成分のみからなる指令信号により位相変更部およびレベル変更部を動作させるための別の例としては、請求項5に記載のような構成を考えることもできる。
請求項5に記載の放送受信システムにおいて、位相変更部およびレベル変更部は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更可能である。また、指令信号出力部は、直流成分の信号を前記指令信号として出力すると共に、利用者の操作を受けて、直流成分の信号レベルを所定の第1レベルから第1レベルより高い第2レベルまでの間で変更可能であり、利用者の操作を受けている間は、直流成分の信号レベルを第1レベルから第2レベル、または、第2レベルから第1レベルまで繰り返し変更させるように構成されている。
【0033】
さらに、この放送受信システムは、変更カウント部およびカウント駆動部を備え、信号供給部が、第1フィルタ部により出力される信号(つまり、指令信号出力部から出力される直流成分)を、位相変更部またはレベル変更部、変更カウント部、および、カウント駆動部それぞれへ出力する。これらのうち、変更カウント部は、外部から入力される直流成分の信号レベルが、第1レベルから第2レベル、または、第2レベルから第1レベルまで変更された変更回数を所定回数まで繰り返しカウントすると共に、所定の第3レベルから第3レベルよりも高い第4レベルまでの信号レベルのうちカウントした変更回数に応じた信号レベルの直流成分を生成し、この生成した直流成分をレベル変更部または位相変更部へ出力する。また、カウント駆動部は、外部から入力される信号に基づいて、変更カウント部を駆動するための駆動信号を生成すると共に、この駆動信号を変更カウント部へ供給する。
【0034】
このように構成された放送受信システムによれば、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方へ出力される直流成分の信号レベルは、信号供給部により出力される直流成分の信号レベルが第1から第2レベル、または、第2から第1レベルまで変更された変更回数に応じて変更され(変更カウント部による)。また、他方へ出力される直流成分の信号レベルは、信号供給部により出力される直流成分の信号レベルに応じて変更される。つまり、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方へ出力される直流成分が所定回数(i回)変化するまでの各ステップ(0からiステップ)それぞれについて、他方へ出力される直流成分の信号レベルを第1から第2レベルまたは第2から第1レベルまで変化させることができる。
【0035】
これにより、信号供給部により供給される直流成分の信号レベルが、第1から第2レベル、または、第2から第1レベルに所定回数変更されるまでに、位相変更部およびレベル変更部が第1から第2レベルおよび第3から第4レベルに至る間に変更する各パラメータの組合せを全て実現することができる。
【0036】
また、変更カウント部によりカウントされる変更回数は、指令信号出力部が操作されている間に出力する直流成分に基づくものであるため、利用者は、指令信号出力部を操作し続けることにより、位相変更部およびレベル変更部それぞれによるパラメータを順次変更していき、チューナ側による受信状況が改善されたと感じたときに、指令信号出力部の操作を終了するといった簡単な操作手順で、チューナ側による受信状況を改善させることができる。
【0037】
なお、上述の変更カウント部は、直流成分の第1から第2レベルまたは第2から第1レベルまでの信号レベルの変更回数を繰り返しカウントすると共に、カウントした変更回数に応じた信号レベルの直流成分を生成して位相変更部またはレベル変更部へ出力するものである。ここで、信号レベルの変更回数をカウントするためには、例えば、信号レベルが第2または第1レベルに到達した後で第1または第2レベルに戻ったことを検出し、このように信号レベルが戻った回数を「信号レベルの変更回数」としてカウントするように構成すればよい。なお、このときの第1レベルと第3レベル、および、第2レベルと第4レベルは、それぞれ同じレベルであってもよいし、異なるレベルであってもよい。
【0038】
また、請求項6に記載の放送受信システムは、信号供給部により出力される信号を入力し、所定の第5レベルから第5レベルよりも高い第6レベルまでの間の信号レベルのうち、入力した信号の信号レベルに応じた信号レベルの直流成分を生成し、この生成した直流成分を、位相変更部またはレベル変更部へ出力する直流成分変更部を備えている。
【0039】
このように構成された放送受信システムによれば、位相変換部またはレベル変換部へ出力される直流成分の信号レベルを、信号供給部により出力される信号レベルとは異なる信号レベルとすることができる。
例えば、信号供給部により出力される直流成分の最大信号レベルが、位相変更部またはレベル変更部がパラメータを上限または下限まで変化させるのに必要な直流成分の信号レベルよりも小さい場合、信号供給部により出力される直流成分では位相変更部またはレベル変更部のパラメータを上限または下限まで変化させることができない。そこで、直流成分変更部によって、信号供給部により出力される直流成分の信号レベルに応じて、この信号レベルよりも高いレベルの直流成分を生成するように構成すれば、位相変更部またはレベル変更部のパラメータを上限または下限まで変化させることができる。
【0040】
また、上述の指令出力部により出力される指令信号は、パルス成分からなる信号を指令信号とし、この指令信号のパルス成分により位相変更部およびレベル変更部を動作させるように構成することを考えることもできる。具体的には、請求項7に記載のように構成するとよい。
【0041】
請求項7に記載の放送受信システムは、位相変更部およびレベル変更部が、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じてパラメータを変更可能であり、指令信号出力部が、利用者の操作を受けている間、直流成分に特定周波数のパルス成分を重畳させてなる信号を指令信号として出力して、信号供給部が、第1フィルタにより出力される信号を、直流成分およびパルス成分の信号それぞれに分離する。さらに、この放送受信システムは、第1パルスカウント部および第2パルスカウント部を備えており、第1パルスカウント部および第2パルスカウント部が、信号供給部により分離された直流成分を入力し、この直流成分を駆動信号として駆動するように構成されている。これらのうち、第1パルスカウント部は、信号供給部により分離されたパルス成分を入力し、このパルス成分のパルス数を「0」から所定値「n(0<n)」までの間で繰り返しカウントすると共に、所定の第1レベルから第1レベルよりも高い第2レベルまでの信号レベルのうちカウントしたパルス数に応じた信号レベルの直流成分を生成し、この生成した直流成分を前記位相変更部または前記レベル変更部へ出力する。そして、第2パルスカウント部は、第5フィルタ部により出力されるパルス成分を入力し、このパルス成分のパルス数を「0」から所定値「n×m(0<m)」までの間で繰り返しカウントすると共に、所定の第3レベルから第3レベルよりも高い第4レベルのうちカウントしたパルス数に応じた直流成分を生成し、この生成した直流成分をレベル変更部または位相変更部へ出力する。
【0042】
このように構成された放送受信システムによれば、信号供給部により分離されて出力されるパルス数が「0」から「n×m」になるまでに、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方に出力される直流成分はレベルの変化(第1,3から第2,4)を1回行うのに対し、他方に出力される直流成分はレベルの変化をm回行う。つまり、位相変更部およびレベル変更部のうち、いずれか一方に出力される直流成分の信号レベルが第1,3レベルから第2,4レベルまで変化する間をm分割した各レベルそれぞれについて、他方に出力される直流成分の信号レベルを第3,1レベルから第4,2レベルまで変化させることができる。
【0043】
これにより、パルス数が「n×m」に到達するまでに、位相変更部およびレベル変更部それぞれが第1,3レベルから第2,4レベルに至る間に変更する各パラメータの「n×m」種類の組合せを全て実現できることができる。
また、各カウント部によりカウントされるパルス数は、指令信号出力部を操作している間だけ出力されるパルス成分に基づくものであるため、利用者は、指令信号出力部を操作し続けることにより、位相変更部およびレベル変更部それぞれによるパラメータを順次変更していき、チューナ側による受信状況が改善されたと感じたときに、指令信号出力部の操作を終了するといった簡単な操作手順で、チューナ側による受信状況を改善させることができる。
【0044】
なお、この構成における信号供給部は、第1フィルタ部により出力された信号を直流成分およびパルス成分の信号それぞれに分離するものであって、例えば、第1フィルタ部により出力された信号から直流成分を抽出するフィルタと、同信号からパルス成分を抽出するフィルタとを備えているものである。
【0045】
また、第1,第2パルスカウント部は、パルス成分のパルス数を繰り返しカウントすると共に、カウントしたパルス数に応じた信号レベルの直流成分を生成して位相変更部またはレベル変更部へ出力するものである。具体的には、パルス数を「0」から所定値「n,n×m」までの間で繰り返しカウントするカウンタ、カウンタによりカウントされたパルス数に応じて第1,3レベルから第2,4レベルまでの信号レベルの直流成分を生成して出力するDAC(Digital to Analog Converter :デジタル−アナログコンバータ)からなるものなどである。なお、このときの第1レベルと第3レベル、および、第2レベルと第4レベルは、それぞれ同じレベルであってもよいし、異なるレベルであってもよい。
【0046】
また、上述の増幅駆動部は、駆動信号を生成して信号増幅部へ供給するものであって、信号増幅部が、直流成分の信号により駆動されるように構成されている場合には、請求項8に記載のように、信号伝送経路のうち、第1フィルタ部−チューナ側間の経路を伝送される信号から直流成分を抽出し、この抽出した直流成分の信号レベルを、信号増幅部の駆動に要する信号レベルへ変更することにより駆動信号を生成するように構成するとよい。
【0047】
このように構成された放送受信システムによれば、信号伝送経路から直流成分を抽出し、この信号の信号レベルを変更することによって駆動信号を生成することができる。
また、請求項9に記載の受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の位相変更部、レベル変更部、第1フィルタ部、信号供給部、信号増幅部および増幅駆動部を備えている。このように構成された受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0048】
また、この構成においては、請求項10に記載のように、請求項2から請求項8のいずれかに記載の第2フィルタ部および第3フィルタを備えていてもよい。この場合、請求項2から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0049】
また、この構成においては、上述したレベル変更指令部およびレベル変更駆動部を備えてもよい。
【0050】
また、請求項9,10の構成においては、請求項11に記載のように、請求項5に記載の変更カウント部およびカウント駆動部を備えてもよい。この場合、請求項11に記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
また、請求項9,10の構成においては、請求項12に記載のように、請求項6に記載の直流成分変更部を備えてもよい。この場合、請求項12に記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0051】
また、請求項9,10の構成においては、請求項13に記載のように、請求項7に記載の第5フィルタ部、第1パルスカウント部および第2パルスカウント部を備えてもよい。この場合、請求項7に記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0052】
また、請求項9から請求項13の構成においては、請求項14に記載のように、請求項1から請求項8のいずれかに記載されたアンテナ部の構成要素であって、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれを混合する混合器を備えてもよい。この場合、請求項1から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0053】
また、請求項15に記載の受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の信号増幅部および増幅駆動部を備えている。このように構成された受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0054】
また、この構成においては、請求項16に記載のように、請求項2から請求項8のいずれかに記載の第1フィルタ部および第2フィルタを備えてもよい。この場合、請求項2から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0055】
また、請求項17に記載の受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の指令出力部を備えている。このように構成された受信特性調整装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の放送受信システムの一部を構成することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
放送受信システム1は、図1に示すように、放送信号を受信するアンテナ装置10、アンテナ装置10により受信された放送信号をチューナ100へ伝送させるための信号伝送経路22、信号伝送経路22中に配設された重畳用フィルタ30,ブースタ40および分離用フィルタ50、放送受信システム全体の動作を制御する制御装置60などからなる。
【0057】
アンテナ装置10は、信号伝送経路22の一端に接続されるものであって、二のアンテナ素子11、混合器12、移相器13、第1移相器側フィルタ14、第2移相器側フィルタ15、整流平滑回路16、減衰器17、第1減衰器側フィルタ18、第2減衰器側フィルタ19などにより構成される。
【0058】
これらのうち、混合器12は、二のアンテナ素子11により出力される放送信号それぞれを混合して信号伝送経路22へ出力する。
また、移相器13は、一方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の位相を、移相器側フィルタ14,15および整流平滑回路16を介してアンテナ装置10外部から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、0から30V)に応じて所定範囲内(本実施形態においては、0から360度まで)で遅らせることによって、二のアンテナ素子11により受信される放送信号それぞれの移相関係を変更する。
【0059】
また、第1移相器側フィルタ14は、ハイパスフィルタ(HPF)14aとローパスフィルタ(LPF)14bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ14aは、移相器13から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、移相器13側から入力した信号のうち、放送信号に相当する周波数成分(本実施形態においては、10MHz以上;以降、高周波成分とする)を選択的に通過させて混合器12側へ出力する。一方、ローパスフィルタ14bは、一端側がハイパスフィルタ14aから混合器12に至る経路,他端が第2移相器側フィルタ15に接続され、混合器12側から入力した信号のうち、放送信号より周波数帯域の低い成分(本実施形態においては、10MHz以下;以降、低周波成分とする)を選択的に通過させて第2移相器側フィルタ15側へ出力する。
【0060】
また、第2移相器側フィルタ15は、一端が第1移相器側フィルタ14(ローパスフィルタ14bの他端側),他端が整流平滑回路16に接続され、第1移相器側フィルタ14側から入力した信号のうち、低周波成分に含まれる交流成分(本実施形態においては、10kHz以上)のみを選択的に通過させて整流平滑回路16側へ出力するハイパスフィルタである。
【0061】
また、整流平滑回路16は、一端が第2移相器側フィルタ15(他端側),他端が移相器13に接続されており、第2移相器側フィルタ15側から入力した信号の交流成分を整流する整流回路16aと、整流回路16aにより整流された信号を入力し、この信号を平滑した直流成分を移相器13側へ出力する平滑回路16bとからなる。
【0062】
また、減衰器17は、他方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の信号レベルを、減衰器側フィルタ18,19を介してアンテナ装置10外部から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、1から15V)に応じて所定範囲内(本実施形態においては、0から10dBまで)で減衰させる。これによって、二のアンテナ素子11により受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を変更する。
【0063】
また、第1減衰器側フィルタ18は、ハイパスフィルタ(HPF)18aとローパスフィルタ(LPF)18bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ18aは、減衰器17から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、減衰器17側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させて混合器12側へ出力する。一方、ローパスフィルタ18bは、一端側がハイパスフィルタ18aから混合器12に至る経路,他端が第2減衰器側フィルタ19に接続され、混合器12側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて第2減衰器側フィルタ19側へ出力する。
【0064】
そして、第2減衰器側フィルタ19は、一端が第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18bの他端側),他端が減衰器17に接続され、第1減衰器側フィルタ18側から入力した信号のうち、低周波成分に含まれる直流成分(本実施形態においては、10KHz以下)のみを選択的に通過させて減衰器17側へ出力するハイパスフィルタである。
【0065】
信号伝送経路22は、伝送ケーブルによりアンテナ装置10−チューナ100間に形成される信号の伝送経路である。
重畳用フィルタ30は、ハイパスフィルタ(HPF)32とローパスフィルタ(LPF)34とからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ32は、信号伝送経路22のアンテナ装置10側の端部からブースタ40に至る経路中に配設され、アンテナ装置10側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させてブースタ40側へ出力する。一方、ローパスフィルタ34は、一端側が信号伝送経路22のアンテナ装置10側の端部からハイパスフィルタ32に至る経路,他端が迂回経路24を介して分離用フィルタ50に接続され、分離用フィルタ50側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させてアンテナ装置10側へ出力する。こうして、信号伝送経路22におけるアンテナ装置10側の端部から重畳用フィルタ30に至る経路には、高周波成分と低周波成分が重畳された状態で伝送される。
【0066】
ブースタ40は、信号伝送経路22における重畳用フィルタ30からチューナ100側の端部に至る経路中に配設され、重畳用フィルタ30側から入力した信号を、この信号の信号レベルを増幅してチューナ100側へ出力する。また、このブースタ40は、信号伝送経路22におけるチューナ100側から入力される直流成分の駆動信号(本実施形態においては、直流電圧15V)により動作する。
【0067】
分離用フィルタ50は、ハイパスフィルタ(HPF)52aとローパスフィルタ(LPF)52bとからなるダイプレックスフィルタ52、第1電源フィルタ(PSF)54、定電圧回路56および第2電源フィルタ(PSF)58などにより構成される。
【0068】
これらのうち、ハイパスフィルタ52aは、信号伝送経路22におけるブースタ40からチューナ100側の端部に至る経路中に配設され、ブースタ40側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させてチューナ100側へ出力する。一方、ローパスフィルタ52bは、一端が信号伝送経路22におけるブースタ40からチューナ100側の端部に至る経路,他端が迂回経路24を介して重畳用フィルタ30(ローパスフィルタ34の他端側)に接続され、チューナ100側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて重畳用フィルタ30側へ出力する。こうして、信号伝送経路22におけるチューナ100側の端部から分離用フィルタ50に至る経路を伝送される信号は、ブースタ40に至る経路を伝送される高周波成分と、迂回経路24を伝送される低周波成分とに分離される。
【0069】
また、第1電源フィルタ54は、一端が信号伝送経路22におけるハイパスフィルタ52aからチューナ100側の端部に至る経路,他端が定電圧回路56に接続され、チューナ100側から入力した信号のうち、直流成分を選択的に通過させて定電圧回路56側へ出力する。
【0070】
また、定電圧回路56は、一端が第1電源フィルタ54,他端が第2電源フィルタ58に接続され、第1電源フィルタ54側から入力した直流成分を、ブースタ40を駆動するのに要する一定の信号レベル(本実施形態においては、直流電圧15V)に変換した後、この信号を駆動信号として第2電源フィルタ58側へ出力する。
【0071】
そして、第2電源フィルタ58は、一端が定電圧回路56,他端が信号伝送経路22におけるブースタ40からハイパスフィルタ52aに至る経路に接続され、定電圧回路56から入力した信号のうち、直流成分を選択的に通過させ、信号伝送経路22を介してブースタ40側へ出力する。
【0072】
制御装置60は、信号伝送経路22の他端に接続されるものであって、直流電源61、交流電源62、第1電源フィルタ63、第2電源フィルタ64、操作部65などにより構成される。
これらのうち、直流電源61は、直流成分の信号を出力する電源であって、操作部65の操作を受けて信号を出力する際の信号レベル(電圧値)を所定範囲(本実施形態においては、1から15V)で変更可能である。なお、この直流成分は、減衰器17に信号レベルの減衰を指令するための指令信号である。
【0073】
また、交流電源62は、特定周波数(本実施形態においては、50kHz)の低周波成分からなる信号を出力する電源であって、操作部65の操作を受けて信号を出力する際の信号レベル(電圧の波高値)を所定範囲(本実施形態においては、0から30V)で変更可能である。なお、この交流成分は、移相器13に移相を指令するための指令信号である。
【0074】
また、第1電源フィルタ63は、ハイパスフィルタ(HPF)63aとローパスフィルタ(LPF)63bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ63aは、一端が交流電源62側,他端が第2電源フィルタ64に接続され、交流電源62側から入力した信号のうち、交流成分を選択的に通過させて第2電源フィルタ64側へ出力する。一方、ローパスフィルタ63bは、一端が直流電源61側,他端が第2電源フィルタ64に接続され、直流電源61側から入力した信号のうち、直流成分を選択的に通過させて第2電源フィルタ64へ出力する。こうして、第1電源フィルタ63から第2電源フィルタ64に至る経路には、交流成分および直流成分が重畳されてなる低周波成分の指令信号が伝送される。
【0075】
また、第2電源フィルタ64は、ハイパスフィルタ(HPF)64aとローパスフィルタ(LPF)64bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ64aは、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路中に配設され、分離用フィルタ50側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させてチューナ100側へ出力する。一方、ローパスフィルタ64bは、一端が信号伝送経路22における分離用フィルタ50からハイパスフィルタ64aに至る経路,他端が第1電源フィルタ63(ハイパスフィルタ63aの他端側)に接続され、第1電源フィルタ63側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて信号伝送経路22を介して分離用フィルタ50側へ出力する。こうして、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路には、低周波成分と高周波成分とが重畳されてなる信号が伝送される。
【0076】
そして、操作部65は、直流電源61および交流電源62により出力される信号の信号レベルをそれぞれ調整するための調整スイッチなどで構成されている。このように構成された放送受信システム1において、アンテナ装置10により受信される放送信号は、まず、アンテナ装置10内で、移相器13および第1移相器側フィルタ14(ハイパスフィルタ14a)を経たもの、および、減衰器17および第1減衰器側フィルタ18(ハイパスフィルタ18a)を経たものが混合器12により混合された後、重畳用フィルタ30へ入力される。
【0077】
次に、重畳用フィルタ30(ハイパスフィルタ32)を経て、ブースタ40により信号レベルが増幅された後、分離用フィルタ50へ入力される。
そして、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ハイパスフィルタ52a)、および、制御装置60の第2電源フィルタ64(ハイパスフィルタ64a)を経てチューナ100へ入力される。
【0078】
また、制御装置60から出力される指令信号は、制御装置60内において、直流電源61により生成された直流成分の信号と、交流電源62により生成された交流成分の信号とが、第1電源フィルタ63を経て重畳された後、第2電源フィルタ64(ローパスフィルタ64b)を経て分離用フィルタ50へ入力される。
【0079】
次に、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ローパスフィルタ52b)、および、重畳用フィルタ30(ローパスフィルタ34)を経てアンテナ装置10へ入力される。
次に、アンテナ装置10内において、第1移相器側フィルタ14(ローパスフィルタ14b)および第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18b)それぞれを経て、第2移相器側フィルタ15および第2減衰器側フィルタ19それぞれへ入力される。
【0080】
そして、第2移相器側フィルタ15に入力された指令信号は、交流成分のみが整流平滑回路16へ入力され、整流平滑回路16により直流成分に変換された後、移相器13に入力される。こうして、移相器13は、指令信号として入力された直流成分の信号レベル(電圧値)に応じて放送信号の移相量を変更する。また、第2減衰器側フィルタ19に入力された指令信号は、交流成分のみが減衰器17へ入力される。こうして、減衰器17は、指令信号として入力された直流成分の信号レベル(電圧値)に応じて放送信号の信号レベルを減衰させる。
【0081】
また、制御装置60から分離用フィルタ50へ入力された指令信号は、ダイプレックスフィルタ52だけでなく、第1電源フィルタ54へも入力される。この第1電源フィルタ54に入力された指令信号は、直流成分(1から15V)のみが定電圧回路56へ入力され、この定電圧回路56によりブースタ40を駆動するのに要する信号レベル(15V)に変更された後、第2電源フィルタ58を経てブースタ40へ駆動信号として入力される。ブースタ40は、こうして分離用フィルタ50から供給される駆動信号により動作する。
【0082】
[第1実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム1によれば、放送信号の信号レベルを増幅するブースタ40が、信号伝送経路22のうちアンテナ装置10−分離用フィルタ50間の経路中に配設されている。この分離用フィルタ50は、指令信号に相当する周波数成分を、迂回経路24経由でブースタ40を迂回させてアンテナ装置10へ出力するため、制御装置60から出力された指令信号を、ブースタ40に入力することなく、確実に移相器13および減衰器17に供給することができる。
【0083】
また、分離用フィルタ50の定電圧回路56および電源フィルタ54,58によって、指令信号に相当する周波数成分の一部からブースタ40を駆動するための駆動信号を生成してブースタ40へ供給することができる。そのため、チューナ100側から信号伝送経路22に駆動信号を伝送させる必要はなく、信号伝送経路22において指令信号とブースタ40用の駆動信号とが分離不能に混合されてしまう恐れがない。
【0084】
これらのことから、本放送受信システム1は、信号伝送経路22にブースタ40が配設されているにも拘わらず、移相器13および減衰器17への指令信号の供給、および、ブースタ40への駆動信号の供給を正常に行うことができる。
また、分離用フィルタ50により分離された指令信号を、重畳用フィルタ30から第1移相器側フィルタ14,第1減衰器側フィルタ18に至るまで信号伝送経路22を含む経路に伝送させることができる。そのため、指令信号を伝送させるために信号伝送経路22と並行して敷設する経路は、ブースタ40を迂回できる分の迂回経路24だけでよく、アンテナ装置10付近まで敷設する必要がない。よって、分離用フィルタ50の配設される位置がアンテナ装置10から離れていたとしても、分離用フィルタ50を配設するのに要するコストが増加することはない。
【0085】
また、制御装置60の操作部35を操作して、各電源61,62から出力される直流成分および交流成分それぞれの信号レベルを変更することによって、移相器13および減衰器17それぞれによるパラメータ(移相量、減衰量)を変更することができ、これにより、チューナ100側による受信状況を改善させることができる。
【0086】
また、移相器13には、第1,第2移相器側フィルタ14,15を介して外部から入力される交流成分が、整流平滑回路16により直流成分に変換された状態で供給される。そのため、移相器13として、直流成分の信号レベルに応じてパラメータ(移相量)を変更するものを採用できる。
【0087】
また、分離用フィルタ50の第1電源フィルタ54により信号伝送経路22から直流成分を抽出し、この信号の信号レベルを定電圧回路56で変換することによって駆動信号を生成することができる。
[第2実施形態]
放送受信システム2は、第1実施形態における放送受信システム1と一部構成が異なっているだけであるため、この相違点についてのみ詳述する。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の添え字の構成要素については、第1実施形態と同様の構成のものとする。
【0088】
放送受信システム2は、図2に示すように、放送信号を受信するアンテナ装置70、信号伝送経路22、信号伝送経路22中に配設された重畳用フィルタ30,ブースタ40および分離用フィルタ50、制御装置60などからなる。
アンテナ装置70は、信号伝送経路22の一端に接続されるものであって、二のアンテナ素子11、混合器12、移相器13、自動レベル調整回路72、分離用フィルタ74、定電圧回路76、昇圧回路78などにより構成される。
【0089】
これらのうち、移相器13は、一方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の位相を、分離用フィルタ74を介してアンテナ装置10外部から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、2から30V)に応じて所定範囲内で遅らせる。
【0090】
また、自動レベル調整回路72は、減衰器17と比較回路72aとを備えている。この自動レベル調整回路72の減衰器17は、他方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の信号レベルを、比較回路72aから入力される信号の信号レベルに応じて所定範囲内で減衰させる。また、比較回路72aは、各アンテナ素子11により受信された放送信号それぞれを入力し、これら放送信号における信号レベルの差に応じた信号レベルとなる直流成分(1から15V)の信号を減衰器17へ出力する。また、この比較回路72aは、後述の定電圧回路76から入力される直流成分の駆動信号(本実施形態においては、直流電圧15V)により動作して、両アンテナ素子11により受信される放送信号それぞれにおける信号レベルの差が所定のレベル差(本実施形態においては、「0」)となるように減衰器17の減衰量を制御する。
【0091】
また、分離用フィルタ74は、ハイパスフィルタ(HPF)74aとローパスフィルタ(LPF)74bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ74aは、混合器12から信号伝送経路22に至る経路中に配設され、混合器12側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させて信号伝送経路22側へ出力する。一方、ローパスフィルタ74bは、一端がハイパスフィルタ74aから信号伝送経路22に至る経路,他端が定電圧回路76に接続され、信号伝送経路22側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて定電圧回路76側へ出力する。これにより、信号伝送経路22を伝送される信号は、混合器12からハイパスフィルタ74aに至る経路を伝送される高周波成分と、ローパスフィルタ74bから定電圧回路76に至る経路を伝送される低周波成分とに分離される。
【0092】
また、定電圧回路76は、一端が分離用フィルタ74(ローパスフィルタ74bの他端側),他端が自動レベル調整回路72(比較回路72a)に接続され、分離用フィルタ74側から入力した信号の直流成分を、自動レベル調整回路72(比較回路72a)を駆動するのに要する一定の信号レベル(本実施形態においては、直流電圧15V)に変換した後、この信号を駆動信号として自動レベル調整回路72側へ出力する。
【0093】
また、昇圧回路78は、一端が分離用フィルタ74(ローパスフィルタ74bの他端側)から定電圧回路76に至る経路,他端が移相器13に接続されており、分離用フィルタ74から入力される信号の直流成分を昇圧(本実施形態においては、電圧を2倍に昇圧)した後、この信号を移相器13へ出力する。なお、移相器13に入力される信号は、昇圧回路78および分離用フィルタ74を介してアンテナ装置70外部から入力される信号であって、この信号は、後述のように制御装置60により生成・出力されたものであり、信号レベルが所定範囲内(本実施形態においては、1から15V)で変更される直流成分である。ただ、この直流成分は、その最大信号レベル(15V)が、移相器13が移相量を最も大きくするために必要な直流成分の信号レベル(本実施形態においては、30V)よりも小さく、そのまま移相器13に入力するように構成してしまうと、移相器13による移相量を充分に変更することができない。そのため、制御装置60により生成・出力される直流成分の最大信号レベルと、移相器13が移相量を最も大きくするために必要な直流成分の信号レベルとが同じになるように、移相器13により入力される信号を昇圧回路78によって昇圧している。
【0094】
制御装置60は、信号伝送経路22の他端に接続されるものであって、直流電源61、電源フィルタ64、操作部65などにより構成される。
これらのうち、直流電源61は、直流成分の信号を出力する電源であって、操作部65による操作受けて信号を出力する際の信号レベル(電圧値)を所定範囲(本実施形態においては、1から15V)で変更可能である。なお、この直流成分は、移相器13に移相量の変更を指令するため、および、減衰器17に信号レベルの減衰を指令するための指令信号である。
【0095】
また、電源フィルタ64は、ハイパスフィルタ64aとローパスフィルタ64bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ64aは、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路中に配設され、分離用フィルタ50側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させてチューナ100側へ出力する。一方、ローパスフィルタ64bは、一端が信号伝送経路22における分離用フィルタ50からハイパスフィルタ64aに至る経路,他端が直流電源61に接続され、直流電源61側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて信号伝送経路22を介して分離用フィルタ50側へ出力する。こうして、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路には、低周波成分と高周波成分とが重畳されてなる信号が伝送される。
【0096】
そして、操作部65は、直流電源61により出力される信号の信号レベルを調整するための調整スイッチなどで構成されている。
このように構成された放送受信システム2において、アンテナ装置70により受信される放送信号は、まず、アンテナ装置70内において、移相器13を経たもの、および、減衰器17を経たものが混合器12により混合された後、分離用フィルタ74を経て重畳用フィルタ30へ入力される。
【0097】
次に、重畳用フィルタ30(ハイパスフィルタ32)を経て、ブースタ40により増幅された後、分離用フィルタ50へ入力される。
そして、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ハイパスフィルタ52a)、および、制御装置60の電源フィルタ64(ハイパスフィルタ64a)を経てチューナ100へ入力される。
【0098】
また、制御装置60から出力される指令信号は、制御装置60内において、直流電源61により生成された直流成分の信号が、電源フィルタ64(ローパスフィルタ64b)を経て分離用フィルタ50へ入力される。
次に、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ローパスフィルタ52b)、および、重畳用フィルタ30(ローパスフィルタ34)を経てアンテナ装置70へ入力される。
【0099】
次に、アンテナ装置70内において、分離用フィルタ74(ローパスフィルタ74b)および第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18b)それぞれを経て、定電圧回路76および昇圧回路78へ入力される。
そして、定電圧回路76に入力された指令信号は、この定電圧回路76により比較回路72aを駆動するのに要する信号レベル(15V)に変換された後、比較回路72aへ駆動信号として入力される。こうして、比較回路72aは、定電圧回路76から供給される駆動信号により動作することにより、減衰器17による減衰量を変更する。また、昇圧回路78へ入力された指令信号は、この昇圧回路78により昇圧された後、移相器13へ入力される。こうして、移相器13は、指令信号として入力された直流成分の信号レベル(電圧値)に応じて放送信号の移相量を変更する。
【0100】
[第2実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム2によれば、第1実施形態と同様に、信号伝送経路22にブースタ40が配設されているにも拘わらず、移相器13および減衰器17への指令信号の供給、および、ブースタ40への駆動信号の供給を正常に行うことができる。
【0101】
また、分離用フィルタ50の配設される位置がアンテナ装置10から離れていたとしても、分離用フィルタ50を配設するのに要するコストが増加することはない。
また、分離用フィルタ50の第1電源フィルタ54により信号伝送経路22から直流成分を抽出し、この信号の信号レベルを定電圧回路56で変換することによって駆動信号を生成することができる。
【0102】
さらに、この放送受信システム2では、自動レベル調整回路72の比較回路72aによって、減衰器17による減衰量を、二のアンテナ素子11により受信される放送信号それぞれの信号レベルの差が所定のレベル差となるよう自動的に変更することができる。減衰器17は、二のアンテナ素子11により受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を、所定のレベル差とするように動作させることが一般的である。そのため、信号レベルの差を自動的に所定のレベル差に変更するように構成することによって、チューナ100側による受信状況を改善させる際、利用者は、移相器13側での移相関係の変更のみを行えばよくなり、受信状況を改善させるための操作を簡略化できる。
【0103】
[第3実施形態]
放送受信システム3は、第1実施形態における放送受信システム1と一部構成が異なっているだけであるため、この相違点についてのみ詳述する。なお、この第3実施形態において、第1実施形態と同一の添え字の構成要素については、第1実施形態と同様の構成のものとする。
【0104】
放送受信システム3は、図3に示すように、放送信号を受信するアンテナ装置80、信号伝送経路22、信号伝送経路22中に配設された重畳用フィルタ30,ブースタ40および分離用フィルタ50、放送受信システム全体の動作を制御する制御装置60などからなる。
【0105】
アンテナ装置80は、信号伝送経路22の一端に接続されるものであって、二のアンテナ素子11、混合器12、移相器13、第1移相器側フィルタ14、第2移相器側フィルタ82、移相器側信号処理部84、減衰器17、第1減衰器側フィルタ18、第2減衰器側フィルタ86、減衰器側信号処理部88などにより構成される。
【0106】
これらのうち、移相器13は、一方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の位相を、移相器側信号処理部84から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、0から30V)に応じて所定範囲内で遅らせる。
【0107】
また、第2移相器側フィルタ82は、ハイパスフィルタ(HPF)82aとローパスフィルタ(LPF)82bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ82aは、一端が第1移相器側フィルタ14(ローパスフィルタ14b),他端が移相器側信号処理部84に接続され、第1移相器側フィルタ14側から入力した信号のうち、低周波成分に含まれるパルス成分(本実施形態においては、10KHz以上の成分)のみを選択的に通過させて移相器側信号処理部84側へ出力する。一方、ローパスフィルタ82bは、一端がハイパスフィルタ82aから第1移相器側フィルタ14(ローパスフィルタ14b)に至る経路,他端が移相器側信号処理部84に接続され、低周波成分に含まれる直流成分(本実施形態においては、10KHz以下)のみを選択的に通過させて移相器側信号処理部84側へ出力する。
【0108】
また、移相器側信号処理部84は、第2移相器側フィルタ82(ローパスフィルタ82b)から出力された直流成分の信号を入力し、この信号を駆動信号として動作するカウンタ84aおよびDAコンバータ(DAC:Digital to Analog converter )84bなどからなる。この移相器側信号処理部84のカウンタ84aは、第2移相器側フィルタ82(ハイパスフィルタ82a)から出力されたパルス成分の信号を入力し、このパルス成分のパルス数を「0」から「255」までカウントする8ビットのリップルカウントであり、このカウント値をDAコンバータ84bへ出力する。また、DAコンバータ84bは、カウンタ84aから入力したカウント値に応じた「256」段階の信号レベル(0から30V)で直流成分の信号を移相器13へ出力する。つまり、この移相器側信号処理部84は、外部(第2移相器側フィルタ82)からパルスを1個入力する毎に、移相器13に出力する信号の信号レベルを1段階分(30/255V)変更する。
【0109】
また、減衰器17は、他方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の信号レベルを、減衰器側信号処理部88から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、1から15V)に応じて所定範囲内で減衰させる。
【0110】
また、第2減衰器側フィルタ86は、ハイパスフィルタ(HPF)86aとローパスフィルタ(LPF)86bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ86aは、一端が第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18b),他端が減衰器側信号処理部88に接続されており、第1減衰器側フィルタ18側から入力した信号のうち、低周波成分に含まれるパルス成分(本実施形態においては、10KHz以上)のみを選択的に通過させて減衰器側信号処理部88側へ出力する。一方、ローパスフィルタ86bは、一端がハイパスフィルタ86aから第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18b)に至る経路,他端が減衰器側信号処理部88に接続され、低周波成分に含まれる直流成分(本実施形態においては、10KHz以下)のみを選択的に通過させて減衰器側信号処理部88側へ出力する。
【0111】
また、減衰器側信号処理部88は、第2減衰器側フィルタ86(ローパスフィルタ86b)から出力された直流成分の信号を入力し、この信号を駆動信号として動作する第1カウンタ88a、多入力AND(論理積)回路88b、第2カウンタ88cおよびDAコンバータ(DAC)88dなどからなる。この減衰器側信号処理部88の第1カウンタ88aは、第2減衰器側フィルタ86(ハイパスフィルタ86a)から出力されたパルス成分の信号を入力し、このパルス成分のパルス数を「0」から「255」までカウントする8ビットのリップルカウンタであって、このカウント値を多入力AND回路88bへ出力する。また、多入力AND回路88bは、第1カウンタ88aにより入力されたカウント値が最大値(255)となったときに1のパルスからなるパルス成分の信号を第2カウンタ88cへ出力する。また、第2カウンタ88cは、多入力AND回路88bにより入力されたパルス成分のパルス数を「0」から「15」までカウントする4ビットのリップルカウンタであって、このカウント値をDAコンバータ88dへ出力する。また、DAコンバータ88dは、第2カウンタ88cから入力したカウント値に応じた「16」段階の信号レベル(0から15V)で直流成分の信号を移相器13へ出力する。つまり、この減衰器側信号処理部88は、外部(第2減衰器側フィルタ86)からパルスを256個入力する毎に、減衰器17に出力する信号の信号レベルを1段階分(15/15V)変更する。
【0112】
制御装置60は、信号伝送経路22の他端に接続されるものであって、直流電源61、交流電源62、第1電源フィルタ63、第2電源フィルタ64などにより構成される。
これらのうち、直流電源61は、直流成分の信号を特定の信号レベル(本実施形態においては、30V)で出力する電源である。
【0113】
また、交流電源62は、操作部65による操作(後述する出力スイッチの押下)を受けている間のみ、特定周波数(本実施形態においては、50kHz)のパルス成分からなる信号を出力する電源である。なお、この交流成分は、移相器13および減衰器17にパラメータ(移相量、減衰量)の変更を指令するための指令信号である。
【0114】
そして、操作部65は、直流電源61および交流電源62に信号の出力を指令するための出力スイッチなどで構成されている。
このように構成された放送受信システム3において、制御装置60から出力される指令信号は、制御装置60内において、直流電源61により生成された直流成分の信号と、交流電源62により生成された交流成分の信号とが、第1電源フィルタ63を経て重畳された後、第2電源フィルタ64(ローパスフィルタ64b)を経て分離用フィルタ50へ入力される。
【0115】
次に、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ローパスフィルタ52b)、および、重畳用フィルタ30(ローパスフィルタ34)を経てアンテナ装置80へ入力される。
次に、アンテナ装置80内において、第1移相器側フィルタ14(ローパスフィルタ14b)および第1減衰器側フィルタ18(ローパスフィルタ18b)それぞれを経て、第2移相器側フィルタ82および第2減衰器側フィルタ86へ入力される。
【0116】
そして、第2移相器側フィルタ82に入力された指令信号は、直流成分およびパルス成分それぞれが移相器側信号処理部84へ入力される。こうして、移相器側信号処理部84は、パルス成分におけるパルス数のカウント値に応じた直流成分を移相器13へ出力することにより、移相器13による移相量を変更する。また、第2減衰器側フィルタ86に入力された指令信号は、直流成分およびパルス成分それぞれが減衰器側信号処理部88へ入力される。こうして、減衰器側信号処理部88は、パルス成分におけるパルス数のカウント値に応じた直流成分を減衰器17へ出力することにより、減衰器17による減衰量を変更する。
【0117】
[第3実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム3によれば、第1実施形態と同様に、信号伝送経路22にブースタ40が配設されているにも拘わらず、移相器13および減衰器17への指令信号の供給、および、ブースタ40への駆動信号の供給を正常に行うことができる。
【0118】
また、分離用フィルタ50の配設される位置がアンテナ装置10から離れていたとしても、分離用フィルタ50を配設するのに要するコストが増加することはない。
また、分離用フィルタ50の第1電源フィルタ54により信号伝送経路22から直流成分を抽出し、この信号の信号レベルを定電圧回路56で変換することによって駆動信号を生成することができる。
【0119】
さらに、この放送受信システム3では、第2移相器側フィルタ82,第2減衰器側フィルタ86から各信号処理部84,88にそれぞれ入力されるパルス数が「0」から「255×15」になるまでに、減衰器側信号処理部88から減衰器17に出力される直流成分は所定範囲(1から15V)の変化を一回行うのに対し、移相器側信号処理部84から移相器13に出力される直流成分は所定範囲(1から30V)の変化を16回行う。つまり、減衰器17に出力される直流成分の信号レベルが下限(1V)から上限(15V)まで変化する間を15分割した各レベルそれぞれについて、移相器13に出力される直流成分の信号レベルを下限(1V)から上限(30V)まで変化させることができる。
【0120】
これにより、パルス数が「255×15」に到達するまでに、移相器13および減衰器17それぞれが下限から上限に至る間に変更する各パラメータ(移相量、減衰量)の組合せ「255×15」種類を全て実現することができる。各信号処理部82,88によりカウントされるパルス数は、制御装置60の操作部65を操作している間だけ出力されるパルス成分に基づくものであるため、利用者は、制御装置60の操作部65を操作し続けることにより、移相器13および減衰器17それぞれによるパラメータを順次変更していき、チューナ100側による受信状況が改善されたと感じたときに、操作を終了するといった簡単な操作手順で、チューナ100側による受信状況を改善させることができる。
【0121】
[第4実施形態]
放送受信システム4は、第1実施形態における放送受信システム1と一部構成が異なっているだけであるため、この相違点についてのみ詳述する。なお、この第4実施形態において、第1実施形態と同一の添え字の構成要素については、第1実施形態と同様の構成のものとする。
【0122】
この放送受信システム4は、図4に示すように、放送信号を受信するアンテナ装置90、信号伝送経路22、重畳用フィルタ30,ブースタ40、分離用フィルタ50、制御装置60などからなる。
アンテナ装置90は、信号伝送経路22の一端に接続されるものであって、二のアンテナ素子11、混合器12、移相器13、分離用フィルタ92、定電圧回路94、信号処理部96、昇圧回路98などにより構成される。
【0123】
これらのうち、移相器13は、一方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の位相を、昇圧回路98から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、2から30V)に応じて所定範囲内で遅らせる。
【0124】
また、減衰器17は、他方のアンテナ素子11から混合器12に至る経路(放送信号が伝送される経路)中に配設され、アンテナ素子11により受信される放送信号の信号レベルを、信号処理部96から入力される信号の信号レベル(本実施形態においては、15から0V)に応じて所定範囲内(本実施形態においては、0から10dBまで)で減衰させる。
【0125】
また、分離用フィルタ92は、ハイパスフィルタ(HPF)92aとローパスフィルタ(LPF)92bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ92aは、混合器12から信号伝送経路22に至る経路中に配設され、混合器12側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させて信号伝送経路22側へ出力する。一方、ローパスフィルタ92bは、一端がハイパスフィルタ92aから信号伝送経路22に至る経路,他端が定電圧回路94に接続され、信号伝送経路22側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて定電圧回路94側へ出力する。これにより、信号伝送経路22を伝送される信号は、混合器12からハイパスフィルタ92aに至る経路を伝送される高周波成分と、ローパスフィルタ92bから定電圧回路94に至る経路を伝送される低周波成分とに分離される。
【0126】
また、定電圧回路94は、一端が分離用フィルタ92(ローパスフィルタ92bの他端側),他端が信号処理部96に接続され、分離用フィルタ92側から入力した信号の直流成分を、信号処理部96を駆動するのに要する一定の信号レベル(本実施形態においては、直流電圧15V)に変換した後、この信号を駆動信号として信号処理部96側へ出力する。
【0127】
また、信号処理部96は、分離用フィルタ92(ローパスフィルタ92b)から出力された直流成分の信号を入力し、この信号に基づいて、後述のパラメータ変更処理(図6)を実行することにより減衰器17によるパラメータの変更を指令する。
【0128】
そして、昇圧回路98は、第2実施形態における昇圧回路78と同様のものであって、一端が分離用フィルタ92(ローパスフィルタ92bの他端側)から定電圧回路94に至る経路,他端が移相器13に接続されており、分離用フィルタ92から入力される信号の直流成分を昇圧(本実施形態においては、電圧を2倍に昇圧)した後、この信号を移相器13へ出力する。なお、この昇圧回路98は、第2実施形態と同様に、制御装置60により生成・出力される直流成分の最大信号レベルと、移相器13が移相量を最も大きくするために必要な直流成分の信号レベルとが同じになるように、移相器13により入力される信号を昇圧している。
【0129】
制御装置60は、直流電源61、電源フィルタ64、操作部65などにより構成される。
これらのうち、直流電源61は、直流成分の信号を出力する電源であって、操作部65による操作受けて信号を出力する際の信号レベル(電圧値)を所定範囲(本実施形態においては、1から15V)で変更可能である。なお、この直流成分は、移相器13に移相量の変更を指令するため、および、減衰器17に信号レベルの減衰を指令するための指令信号である。
【0130】
また、電源フィルタ64は、ハイパスフィルタ64aとローパスフィルタ64bとからなるダイプレックスフィルタである。ハイパスフィルタ64aは、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路中に配設され、分離用フィルタ50側から入力した信号のうち、高周波成分を選択的に通過させてチューナ100側へ出力する。一方、ローパスフィルタ64bは、一端が信号伝送経路22における分離用フィルタ50からハイパスフィルタ64aに至る経路,他端が直流電源61に接続され、直流電源61側から入力した信号のうち、低周波成分を選択的に通過させて信号伝送経路22を介して分離用フィルタ50側へ出力する。こうして、信号伝送経路22における分離用フィルタ50からチューナ100側の端部に至る経路には、低周波成分と高周波成分とが重畳されてなる信号が伝送される。
【0131】
そして、操作部65は、直流電源61により出力される信号の信号レベルを調整するための調整ノブからなるものである。この調整ノブは、その回転量に応じて直流電源61により出力される直流成分の信号レベルを1から15Vの間で変更させることができるように構成されている。なお、この調整ノブの回転量が360度の整数倍となったとき、直流電源61は信号レベルを1から15Vまたは15から1Vに変更する(図5参照)。
【0132】
このように構成された放送受信システム1において、アンテナ装置90により受信される放送信号は、まず、アンテナ装置90内において、移相器13を経たもの、および、減衰器17を経たものが混合器12により混合された後、分離用フィルタ92を経て重畳用フィルタ30へ入力される。
次に、重畳用フィルタ30(ハイパスフィルタ32)を経て、ブースタ40により増幅された後、分離用フィルタ50へ入力される。
【0133】
そして、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ハイパスフィルタ52a)、および、制御装置60の電源フィルタ64(ハイパスフィルタ64a)を経てチューナ100へ入力される。
また、制御装置60から出力される指令信号は、制御装置60内において、直流電源61により生成された直流成分の信号が、電源フィルタ64(ローパスフィルタ64b)を経て分離用フィルタ50へ入力される。
次に、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52(ローパスフィルタ52b)、および、重畳用フィルタ30(ローパスフィルタ34)を経てアンテナ装置90へ入力される。
【0134】
次に、アンテナ装置90内において、分離用フィルタ92(ローパスフィルタ92b)を経て、定電圧回路94,信号処理部96および昇圧回路98へ入力される。
そして、定電圧回路94に入力された指令信号は、この定電圧回路94により信号処理部96を駆動するのに要する信号レベル(15V)に変換された後、信号処理部96へ駆動信号として入力される。こうして、信号処理部96は、定電圧回路94から供給される駆動信号で動作して後述のパラメータ変更処理(図6)を実行することにより、減衰器17による減衰量を変更する。また、昇圧回路98へ入力された指令信号は、この昇圧回路98により昇圧された後、移相器13へ入力される。こうして、移相器13は、指令信号として入力された直流成分の信号レベル(電圧値)に応じて放送信号の移相量を変更する。
○信号処理部96によるパラメータ変更処理
以下に、信号処理部96により実行されるパラメータ変更処理の処理手順を、図6に基づいて説明する。このパラメータ変更処理は、放送受信システム4が起動された以降、繰り返し実行される。
【0135】
まず、変数N,Mを初期化する(s110)。この処理では、変数N,Mそれぞれに「0」をセット(0→N,0→M)する。この変数Nは、以降の処理(s150,s210の処理)で、操作部35の調整ノブが正方向(図5における右方向)へ回転した回転数を示す値がセットされる変数である。また、変数Mは、以降の処理(s200の処理)で分離用フィルタ92から入力された直流成分の信号レベル(以降、入力レベルとする)を示す値がセットされる変数である。なお、以降に記載の「n,m」は変数N,Mにセットされた値を示すものとする。
【0136】
次に、減衰器17に対して上限となる信号レベルLmax(本実施形態においては、15V)の信号を出力する(s120)。
次に、分離用フィルタ92から入力される直流成分の信号レベルL1をチェックする(s130)。
【0137】
次に、s130の処理でチェックされた信号レベルL1と、変数Mにセットされた値mとの差を示す値(|m−L1|)が、所定のレベルLth(例えば、10V)以上(Lth≦|m−L1|)となるまで待機する(s140:NO)。変数Mにセットされた値mは、直前に行われた本パラメータ変更処理(s200の処理)で入力レベルを示す値がセットされている。そのため、この値mとs130の処理でチェックされた信号レベルL1との差が所定のレベルLth以上である状態は、入力レベルが急激に変化した状態、つまり、制御装置60側において操作部35の調整ノブの回転量が360度の整数倍となり指令信号の信号レベルが上限から下限(15から1V)または下限から上限(1から15V)へ変化したことを示している。よって、このs140の処理では、変数Mの値mと信号レベルL1との差をチェックすることにより、調整ノブの回転量が360度の整数倍となったかどうかをチェックしていることになる。
【0138】
このs140の処理で、所定のレベル以上の差を有している場合(s140:YES)、この差を示す値(m−L1)が正の値であるか(0<m−L1)どうかをチェックする(s150)。この値「m−L1」は、調整ノブの回転量が正方向に変化して360度の整数倍に到達、つまり、正方向に一回転したとき正の値となり、負方向(図5における左方向)に変化して360度の整数倍に到達、つまり、負方向に一回転したとき負の値となる。そのため、このs150の処理では、上述の差を示す値「m−L1」が正の値かどうかをチェックすることにより、調整ノブの回転量が正負いずれの方向に一回転したかどうかをチェックしていることになる。
【0139】
このs150の処理で、差を示す値「m−L1」が正の値であれば(s150:YES)、変数Nに「1」を加算(n+1→N)する(s160)。こうして、調整ノブが正方向に一回転する毎に変数Nに「1」が加算される。
次に、減衰器17へ出力すべき信号の信号レベルLAを決定する(s170)。この処理では、減衰器17へ出力すべき信号の信号レベルを上限(15V)から下限(本実施形態においては、0V)まで何段階に分けて変更するかを示すステップ数s、減衰器17へ出力すべき信号レベルの上限レベルLmax、および、変数Nの値nに基づく式「LA=(s−n)×(Lmax/s)」により信号レベルLAを決定する。
【0140】
次に、s170の処理で決定された信号レベルによる信号の減衰器17への出力を開始する(s180)。こうして、減衰器17は、信号処理部96により出力された信号の信号レベルLAに応じて減衰量を変更させる。なお、このs180の処理が、本パラメータ変更処理が開始されてから2回目以降に行われる場合には、減衰器17に出力されている信号の信号レベルがs180の処理で決定された信号レベルに変更される。
【0141】
そして、変数Nの値nが上述のステップ数sに到達しているか(s≦n)どうかをチェックする(s190)。
このs190の処理で、変数の値nがステップ数sに到達していなければ(s190:NO)、変数Mにs130の処理でチェックされた信号レベルL1を示す値をセット(L1→M)した後(s200)、s130の処理へ戻る。
【0142】
一方、s190の処理で、変数の値nがステップ数sに到達していれば(s190:YES)、s110の処理へ戻る。
また、s150の処理で、差を示す値「m−L1」が負の値であれば(s150:NO)、変数Nから「1」を減算(n−1→N)する(s210)。こうして、調整ノブが負方向に一回転する毎に変数Nから「1」が減算される。
【0143】
次に、減衰器17へ出力すべき信号の信号レベルLAを決定する(s220)。この処理では、s170の処理と同様に、式「LA=(s−n)×(Lmax/s)」により信号レベルLAを決定する。
そして、s220の処理で決定された信号レベルによる信号の減衰器17への出力を開始する(s230)。この処理は、s180の処理と同様の処理である。
【0144】
こうして、s230の処理を終えた後、s130の処理へ戻る。
なお、図5に、上述したステップ数sを「10」としたときにおける信号レベルLA、つまり、減衰器17への出力信号の信号レベルの変移を例示する。この場合、信号レベルLAは、変数Nの値nが増加する毎に、上限となる信号レベル「Lmax(15V)」から「0」まで「Lmax/10(本実施形態においては、15/10=1.5V)」ずつ減少した後、再び「Lmax」に戻る。
[第4実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム4によれば、第1実施形態と同様に、信号伝送経路22にブースタ40が配設されているにも拘わらず、移相器13および減衰器17への指令信号の供給、および、ブースタ40への駆動信号の供給を正常に行うことができる。
【0145】
また、分離用フィルタ50の配設される位置がアンテナ装置10から離れていたとしても、分離用フィルタ50を配設するのに要するコストが増加することはない。
また、分離用フィルタ50の第1電源フィルタ54により信号伝送経路22から直流成分を抽出し、この信号の信号レベルを定電圧回路56で変換することによって駆動信号を生成することができる。
【0146】
さらに、この放送受信システム4では、減衰器17に出力される直流成分の信号レベルは、制御装置60により出力される直流成分の信号レベルが下限(1V)から上限(15V)または上限から下限まで変更された変更回数、つまり、操作部35の調整ノブが正方向に回転した回転数に応じて変更される(図6におけるs180,s230の処理)。また、移相器13に出力される直流成分の信号レベルは、制御装置60により出力される直流成分の信号レベルに応じて変更される。つまり、減衰器17に出力される直流成分が所定回数(ステップ数s)変化するまでの各ステップ(0からsステップ)それぞれについて、移相器13に出力される直流成分の信号レベルを下限から上限または上限から下限まで変化させることができる。
【0147】
これにより、制御装置60により供給される直流成分の信号レベルが、下限から上限または上限から下限に所定回数(s回)変更されるまでに、移相器13および減衰器17それぞれが下限から上限または上限から下限に至る間に変更される各パラメータの組合せを全て実現することができる。
【0148】
また、図6におけるs160,s210の処理では、変数Nにより制御装置60の調整ノブが正方向に回転された回転数がカウントされ、この回転数に応じた出力レベルの信号が減衰器17に出力されるため、利用者は、調整ノブを回し続けることにより、移相器13および減衰器17それぞれによるパラメータを順次変更していき、チューナ100側による受信状況が改善されたと感じたときに、調整ノブの操作を終了するといった簡単な操作手順で、チューナ100側による受信状況を改善させることができる。
【0149】
また、昇圧回路98によって、移相器13へ出力される直流成分の信号レベルを、分離用フィルタ92から入力される信号レベルを2倍に昇圧した信号レベルとすることができる。ここで、昇圧回路98から移相器13へ出力される信号dc2は、図7に示すように、分離用フィルタ92から入力される直流成分dc1を2倍に昇圧した信号となる。
【0150】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、移相器13および減衰器17がそれぞれ異なるアンテナ素子11側に配設されたものを例示した。しかし、移相器13および減衰器17は、同一のアンテナ素子11側に配設してもよい。
【0151】
また、上記第1実施形態において、移相器13には、第1,第2移相器側フィルタ14,15を介してアンテナ装置10外部から入力される交流成分の指令信号が、整流平滑回路16により直流成分に変換した後で供給され、一方、減衰器17には、第1,第2減衰器側フィルタ18,19を介してアンテナ装置10外部から入力される直流成分の指令信号が供給されるように構成されたものを例示した。しかし、移相器13に直流成分の指令信号が供給され、減衰器17に整流平滑回路16により変換された直流成分が供給されるように構成してもよい。
【0152】
また、上記第1実施形態においては、アンテナ装置10、重畳用フィルタ30、ブースタ40、分離用フィルタ50が、それぞれ別体の装置として構成されているものを例示した。しかし、これらの構成要素のうちいくつかを一体の装置として構成してもよい。特に、図8に示す放送受信システム5のように、上述した全ての構成要素を一体の装置とした場合、アンテナ装置10における第1移相器側フィルタ14,第1減衰器側フィルタ18、および、重畳用フィルタ30として機能する構成を備えていなくても放送受信システム1と同様に機能するため、放送受信システムの構成を単純化することができる。
【0153】
また、上記第2実施形態においては、移相器13に昇圧回路78により昇圧された信号が入力されるように構成されたものを例示した。しかし、制御装置60から出力される直流成分の最大信号レベルを、移相器13が移相量を最も大きくするために必要な直流成分の信号レベルと同一レベル(30V)にしておき、昇圧回路78を設けないように構成することもできる。
【0154】
また、上記第2実施形態においては、アンテナ装置70、重畳用フィルタ30、ブースタ40、分離用フィルタ50が、それぞれ別体の装置として構成されているものを例示した。しかし、これらの構成要素のうちいくつかを一体の装置として構成してもよい。特に、図9に示す放送受信システム6のように、上述した全ての構成要素を一体の装置とした場合、アンテナ装置70における分離用フィルタ74,および、重畳用フィルタ30として機能する構成を備えていなくても放送受信システム2と同様に機能するため、放送受信システムの構成を単純化することができる。
【0155】
また、上記第3実施形態においては、各信号処理部82,88が、パルスの数を「0」から「255,255×15」までカウントするように構成されたものを例示した。しかし、各信号処理部82,88は、いずれか一方によるカウント値の最大値nが、他方によるカウント値の最大値nの整数倍(n×m)となるように構成すればよく、その具体的なカウント値の最大値は特に限定されない。
【0156】
また、上記第3実施形態においては、アンテナ装置80、重畳用フィルタ30、ブースタ40、分離用フィルタ50が、それぞれ別体の装置として構成されているものを例示した。しかし、これらの構成要素のうちいくつかを一体の装置として構成してもよい。特に、図10に示す放送受信システム7のように、上述した全ての構成要素を一体の装置とした場合、アンテナ装置80における第1移相器側フィルタ14,第1減衰器側フィルタ18、および、重畳用フィルタ30として機能する構成を備えていなくても放送受信システム1と同様に機能するため、放送受信システムの構成を単純化することができる。
【0157】
また、上記第3実施形態においては、各信号処理部84,88が、第2移相器側フィルタ82,第2減衰器側フィルタ86により出力される信号それぞれに基づいて動作するように構成されたものを例示した。しかし、各信号処理部84,88は、それぞれが、第2移相器側フィルタ82および第2減衰器側フィルタ86のいずれか一方により出力される信号に基づいて動作するように構成してもよい。この場合、第2移相器側フィルタ82および第2減衰器側フィルタ86のいずれか一方が必要なくなるため、放送受信システム3の構成を単純化することができる。
【0158】
また、上記第4実施形態においては、昇圧回路98により移相器13が制御され、信号処理部96により減衰器17が制御されるように構成されたものを例示した。しかし、昇圧回路98により減衰器17が制御され、信号処理部96により移相器13が制御されるように構成してもよい。
【0159】
また、上記第4実施形態において、信号処理部96を、分離用フィルタ92から出力される直流成分に基づいて、減衰器17を制御するための信号だけでなく、直流成分に応じた信号レベルの信号を生成するように構成し、この信号により移相器13による移相量が制御されるように構成してもよい。
【0160】
また、上記第4実施形態においては、移相器13に昇圧回路98により昇圧された信号が入力されるように構成されたものを例示した。しかし、制御装置60から出力される直流成分の最大信号レベルを、移相器13が移相量を最も大きくするために必要な直流成分の信号レベルと同一レベル(30V)にしておき、昇圧回路98を設けないように構成してもよい。
【0161】
また、上記第4実施形態においては、アンテナ装置90、重畳用フィルタ30、ブースタ40、分離用フィルタ50が、それぞれ別体の装置として構成されているものを例示した。しかし、これらの構成要素のうちいくつかを一体の装置として構成してもよい。特に、図11に示す放送受信システム8のように、上述した全ての構成要素を一体の装置とした場合、アンテナ装置90における分離用フィルタ92、および、重畳用フィルタ30として機能する構成を備えていなくても放送受信システム4と同様に機能するため、放送受信システムの構成を単純化することができる。
【0162】
[本発明との対応関係]
以上説明した実施形態において、二のアンテナ素子11および混合器12からなる構成は、本発明におけるアンテナ部である。
また、放送受信システム1において、アンテナ装置10の移相器13および整流平滑回路16からなる構成は本発明における移相変更部、減衰器17は本発明におけるレベル変更部、第1移相器側フィルタ14および第1減衰器側フィルタ18は本発明における第3フィルタ部、第1,第2移相器側フィルタ14,15および第1,第2減衰器側フィルタ18,19は本発明における信号供給部である。また、重畳用フィルタ30は本発明における第2フィルタ部である。また、ブースタ40は本発明における信号増幅部である。また、分離用フィルタ50のダイプレックスフィルタ52は本発明における第1フィルタ部、第1電源フィルタ54および定電圧回路56は本発明における増幅駆動部である。また、制御装置60は本発明における指令信号出力部である。
【0163】
また、放送受信システム2において、アンテナ装置70の移相器13は本発明における移相変更部、比較回路72aは本発明におけるレベル変更指令部、分離用フィルタ74は本発明における第3フィルタ、分離用フィルタ74,昇圧回路78および定電圧回路76は信号供給部、定電圧回路76は本発明におけるレベル変更駆動部である。
【0164】
また、放送受信システム3において、アンテナ装置80の移相器13は本発明における移相変更部、第1,第2移相器側フィルタ14,82および第1,第2減衰器側フィルタ18,86は本発明における信号供給部、移相器側信号処理部84および減衰器側信号処理部88は本発明における第1パルスカウント部または第2パルスカウント部である。
【0165】
また、上記実施形態において、アンテナ装置10(または、70,80),重畳用フィルタ30,ブースタ40および分離用フィルタ50からなる構成は、本発明における受信特性調整装置である。また、重畳用フィルタ30,ブースタ40および分離用フィルタ50からなる構成は、本発明における受信特性調整装置である。また、制御装置60は、本発明における受信特性調整装置である。
【0166】
また、放送受信システム4において、アンテナ装置90の移相器13は本発明における移相変更部、分離用フィルタ92は本発明における第3フィルタ、分離用フィルタ92,昇圧回路98および定電圧回路94は信号供給部、定電圧回路94は本発明におけるカウント駆動部、信号処理部96は本発明における変更カウント部、昇圧回路98は本発明における直流成分変更部である。
【0167】
また、昇圧回路98から移相器13へ入力される直流成分における信号レベルの下限値(2V)は、本発明における第5レベルであり、同信号レベルの上限値(30V)は、本発明における第6レベルである。ここで、昇圧回路98は、分離用フィルタ92から入力した直流成分の信号レベル(1から15V)に応じた信号レベルの信号として、この入力した直流成分を2倍に昇圧した直流成分を出力している。
【0168】
また、分離用フィルタ92から信号処理部96へ入力される直流成分における信号レベルの下限値(1V)は、本発明における第1レベルであり、同信号レベルの上限値(15V)は、本発明における第2レベルである。また、信号処理部96から減衰器17へ入力される直流成分における信号成分の下限値(0V)は、本発明における第3レベルであり、同信号成分の上限値Lmax(15V)は、本発明における第4レベルである。ここで、信号処理部96は、分離用フィルタ92から入力される直流成分の信号レベルが下限値から上限値まで「s」回変化するまでの間に、減衰器17へ出力する直流成分の信号レベルを「Lmax」から「0」まで変化させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図2】第2実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図3】第3実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図4】第4実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図5】第4実施形態における制御装置による出力信号における信号レベルの変移、および、アンテナ装置の信号処理部による出力信号における信号レベルの変移を示す図
【図6】第4実施形態における信号処理部により実行されるパラメータ変更処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】第4実施形態における制御装置による出力信号における信号レベルの変移、および、アンテナ装置の昇圧回路98による出力信号における信号レベルの変移を示す図
【図8】別の実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図9】別の実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図10】別の実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【図11】別の実施形態における放送受信システムの制御系統を示すブロック図
【符号の説明】
1,2,3,4・・・放送受信システム、10・・・アンテナ装置、11・・・アンテナ素子、12・・・混合器、13・・・移相器、14・・・第1移相器側フィルタ、15・・・第2移相器側フィルタ、16・・・整流平滑回路、17・・・減衰器、18・・・第1減衰器側フィルタ、19・・・第2減衰器側フィルタ、22・・・信号伝送経路、24・・・迂回経路、30・・・重畳用フィルタ、32・・・ハイパスフィルタ、34・・・ローパスフィルタ、40・・・ブースタ、50・・・分離用フィルタ、52・・・ダイプレックスフィルタ、54・・・第1電源フィルタ、56・・・定電圧回路、58・・・第2電源フィルタ、60・・・制御装置、61・・・直流電源、62・・・交流電源、63・・・第1電源フィルタ、64・・・第2電源フィルタ、65・・・操作部、70・・・アンテナ装置、72・・・自動レベル調整回路、74・・・分離用フィルタ、76・・・定電圧回路、78・・・昇圧回路、80・・・アンテナ装置、82・・・第2移相器側フィルタ、84・・・移相器側信号処理部、86・・・第2減衰器側フィルタ、88・・・減衰器側信号処理部、90・・・アンテナ部、92・・・信号処理部、94・・・定電圧回路、96・・・信号処理部、98・・・昇圧回路
Claims (17)
- 二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれを混合して出力するアンテナ部と、
外部からの指令を受けて、前記アンテナ部における二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの位相関係を示すパラメータを変更可能な位相変更部と、
外部からの指令を受けて、前記アンテナ部における二のアンテナ素子で受信される放送信号それぞれの信号レベルの差を示すパラメータを変更可能なレベル変更部と、
前記アンテナ部により出力される放送信号を、該放送信号のうち特定の放送信号を選局するチューナへ伝送させるための信号伝送経路と、
前記放送信号とは異なる周波数帯域の成分からなる信号であって、前記位相変更部および前記レベル変更部に対して前記パラメータの変更を指令するための指令信号を、利用者の操作を受けている間、前記チューナ側から前記信号伝送経路へ出力する指令信号出力部と、
前記信号伝送経路中に配設され、前記アンテナ部側から入力される信号成分のうち、前記放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて前記チューナ側へ出力すると共に、該チューナ側から入力される信号成分のうち、前記指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて外部へ出力する第1フィルタ部と、
該第1フィルタ部から指令信号が入力されている間、前記位相変更部および前記レベル変更部それぞれにおけるパラメータの段階的な増加または減少を指令するための信号を、前記位相変更部および前記レベル変更部それぞれに供給する信号供給部と、を備えた放送受信システムであって、
前記信号伝送経路における前記アンテナ部−前記第1フィルタ部間の経路中に配設され、前記アンテナ部側から入力される信号を、該信号の信号レベルを増幅して前記第1フィルタ部側へ出力する信号増幅部と、
前記信号伝送経路における前記第1フィルタ部−前記チューナ側間の経路を伝送される信号のうち、前記指令信号に相当する周波数成分の一部を抽出し、該抽出した信号に基づいて前記信号増幅部を駆動するための駆動信号を生成すると共に、該駆動信号を前記信号増幅部へ供給する増幅駆動部と、を備えている
ことを特徴とする放送受信システム。 - 前記信号伝送経路における前記アンテナ部−前記信号増幅部間の経路中に配設され、前記アンテナ部側から入力される信号のうち、前記放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて前記信号増幅部側へ出力すると共に、前記第1フィルタ部により出力される信号を入力し、該入力した信号のうち、前記指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて前記アンテナ部側へ出力する第2フィルタ部と、
前記アンテナ部における前記信号伝送経路との接続位置−前記アンテナ素子間の経路、または、前記信号伝送経路における前記アンテナ部側の端部−前記第2フィルタ部間の経路中に配設され、前記アンテナ素子側または前記アンテナ部側から入力した信号のうち、前記放送信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて前記信号伝送経路側または前記第2フィルタ部側へ出力すると共に、前記信号伝送経路側または前記第2フィルタ部側から入力した信号のうち、前記指令信号に相当する周波数成分を選択的に通過させて前記信号供給部へ出力する第3フィルタ部と、を備えており、
前記第1フィルタ部は、前記指令信号に相当する周波数成分を前記第2フィルタ部および前記第3フィルタ部を介して、前記信号供給部へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信システム。 - 前記位相変更部および前記レベル変更部のうち、いずれか一方は外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更可能であり、他方は外部から指令として入力される交流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更可能であって、
前記指令信号出力部は、直流成分に交流成分を重畳させた信号を前記指令信号として出力すると共に、利用者の操作を受けて、前記直流成分および前記交流成分それぞれの信号レベルを変更可能に構成され、
前記信号供給部は、前記第1フィルタ部により出力される信号を直流成分および交流成分の信号それぞれに分離して、該分離した直流成分を前記位相変更部または前記レベル変更部へ出力すると共に、前記分離した交流成分を前記レベル変更部または前記位相変更部へ出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信システム。 - 前記位相変更部および前記レベル変更部のうち、いずれか一方は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更するように構成され、他方は、外部から指令として入力される交流成分を直流成分に変換し、該変換した直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の放送受信システム。 - 前記位相変更部および前記レベル変更部は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更可能であり、
前記指令信号出力部は、直流成分の信号を前記指令信号として出力すると共に、利用者の操作を受けて、前記直流成分の信号レベルを所定の第1レベルから該第1レベルより高い第2レベルまでの間で変更可能であり、利用者の操作を受けている間は、前記直流成分の信号レベルを前記第1レベルから前記第2レベル、または、該第2レベルから前記第1レベルまで繰り返し変更させるように構成され、
さらに、
外部から入力される直流成分の信号レベルが、前記第1レベルから前記第2レベル、または、該第2レベルから前記第1レベルまで変更された変更回数を所定回数まで繰り返しカウントすると共に、所定の第3レベルから該第3レベルよりも高い第4レベルまでの信号レベルのうち前記カウントした変更回数に応じた信号レベルの直流成分を生成し、該生成した直流成分を前記レベル変更部または前記位相変更部へ出力する変更カウント部と、
外部から入力される信号に基づいて、前記変更カウント部を駆動するための駆動信号を生成すると共に、該駆動信号を前記変更カウント部へ供給するカウント駆動部と、を備えており、
前記信号供給部は、第1フィルタ部により出力される信号を、前記位相変更部または前記レベル変更部、前記変更カウント部、および、前記カウント駆動部それぞれへ出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信システム。 - 前記信号供給部により出力される信号を入力し、所定の第5レベルから該第5レベルよりも高い第6レベルまでの間の信号レベルのうち、前記入力した信号の信号レベルに応じた信号レベルの直流成分を生成し、該生成した直流成分を、前記位相変更部または前記レベル変更部へ出力する直流成分変更部を備えている
ことを特徴とする請求項5に記載の放送受信システム。 - 前記位相変更部および前記レベル変更部は、外部から指令として入力される直流成分の信号レベルに応じて前記パラメータを変更可能であり、
前記指令信号出力部は、利用者の操作を受けている間、直流成分に特定周波数のパルス成分を重畳させてなる信号を前記指令信号として出力して、
前記信号供給部は、前記第1フィルタにより出力される信号を、直流成分およびパルス成分の信号それぞれに分離するように構成され、
さらに、
前記信号供給部により分離されたパルス成分を入力し、該パルス成分のパルス数を「0」から所定値「n(0<n)」までの間で繰り返しカウントすると共に、所定の第1レベルから該第1レベルよりも高い第2レベルまでの信号レベルのうち前記カウントしたパルス数に応じた信号レベルの直流成分を生成し、該生成した直流成分を前記位相変更部または前記レベル変更部へ出力する第1パルスカウント部と、
前記信号供給部により分離されたパルス成分を入力し、該パルス成分のパルス数を「0」から所定値「n×m(0<m)」までの間で繰り返しカウントすると共に、所定の第3レベルから該第3レベルよりも高い第4レベルまでの信号レベルのうち前記カウントしたパルス数に応じた信号レベルの直流成分を生成し、該生成した直流成分を前記レベル変更部または前記位相変更部へ出力する第2パルスカウント部と、を備えており、
前記第1パルスカウント部および前記第2パルスカウント部は、前記信号供給部により分離された直流成分を入力し、該入力した直流成分を駆動信号として駆動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信システム。 - 前記信号増幅部は、直流成分の信号により駆動されるように構成され、
前記増幅駆動部は、前記信号伝送経路のうち、前記第1フィルタ部−前記チューナ側間の経路を伝送される信号から直流成分を抽出し、該抽出した直流成分の信号レベルを、前記信号増幅部の駆動に要する信号レベルへ変更することにより駆動信号を生成する
ことを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の放送受信システム。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の位相変更部、レベル変更部、第1フィルタ部、信号供給部、信号増幅部および増幅駆動部を備えている
ことを特徴とする受信特性調整装置。 - 請求項2から請求項8のいずれかに記載の第2フィルタ部および第3フィルタを備えている
ことを特徴とする請求項9に記載の受信特性調整装置。 - 請求項5に記載の変更カウント部およびカウント駆動部を備えている
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の受信特性調整装置。 - 請求項6に記載の直流成分変更部を備えている
ことを特徴とする請求項11に記載の受信特性調整装置。 - 請求項7に記載の第1パルスカウント部および第2パルスカウント部を備えている
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の受信特性調整装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載されたアンテナ部の構成要素であって、二のアンテナ素子により受信される放送信号それぞれを混合する混合器を備えている
ことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれかに記載の受信特性調整装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の信号増幅部および増幅駆動部を備えている
ことを特徴とする受信特性調整装置。 - 請求項2から請求項8のいずれかに記載の第1フィルタ部および第2フィルタを備えている
ことを特徴とする請求項15に記載の受信特性調整装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の指令出力部を備えている
ことを特徴とする受信特性調整装置。
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