JP3081196U - 放送受信装置 - Google Patents

放送受信装置

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JP3081196U
JP3081196U JP2001002315U JP2001002315U JP3081196U JP 3081196 U JP3081196 U JP 3081196U JP 2001002315 U JP2001002315 U JP 2001002315U JP 2001002315 U JP2001002315 U JP 2001002315U JP 3081196 U JP3081196 U JP 3081196U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間周波信号を増幅、検波して映像信号と音
声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM
放送用とで別々にする必要があった。 【解決手段】 放送電波を受信し、映像成分と音声成分
とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換して出力す
るチューナIC10(チューナ手段)と、このチューナ
IC10から出力される中間周波信号から音声成分の周
波数分布のうち所定の周波数成分を除去するトラップ回
路20(トラップ手段)と、このトラップ回路20にて
上記周波数成分を除去された中間周波信号に基づいて中
間周波増幅し、検波して映像信号と音声信号とを出力す
るクロマIC30(増幅検波手段)とを設けた。信号処
理用の回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用とで
共有することが可能であるとともに、簡易な回路構成に
て、音声FM放送の放送電波を受信する際に受信する放
送電波の選択度を向上させることが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、放送受信装置に関し、特に、テレビジョン放送と音声FM放送の双 方の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づいて映像信号と音声信 号とを作成して出力する放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビジョンの放送受信装置を利用して、音声FM放送の放送電波を受 信し、中間周波信号に変換して増幅、検波することにより音声信号を作成して出 力する、テレビジョン放送と音声FM放送兼用の放送受信装置が知られている。 ここで、テレビジョン放送の放送電波の周波数間隔は狭いところでも6MHzで ある一方、音声FM放送の放送電波の周波数間隔は狭いところで200kHzと 非常に狭いため、音声FM放送受信時にテレビジョン放送用の信号処理用の回路 を使用しても、隣接局の放送電波の影響を受けてしまう。そこで、信号処理用の 回路にはテレビジョン放送用の回路とは別に音声FM放送用の回路が設けられて いる。
【0003】 例えば、特許3054964号公報に開示された装置では、チューナを共用し ているものの、中間周波信号を増幅、検波して映像信号と音声信号を作成する回 路は別々にされている。テレビジョン放送受信時の中間周波信号は、SAWフィ ルタを通過することにより隣接チャンネルの妨害成分を除去され、テレビジョン 放送用の専用回路にて処理される。一方、音声FM放送受信時の中間周波信号は 、トラップ回路を通過することにより受信する放送電波の選択度を向上させられ 、音声FM放送用の専用回路にて処理される。
【0004】 また、テレビジョン放送と音声FM放送兼用の放送受信装置ではないが、受信 する放送電波の選択度を向上する技術として、実開平1−151678号公報や 実開平4−20731号公報に開示されたものも知られている。これらの装置に は、音声中間周波信号の出力部にトラップ回路が設けられており、同トラップ回 路はFM検波出力に応じて動作してトラップ周波数の成分を除去するようになっ ている。 同じくテレビジョン放送と音声FM放送兼用の放送受信装置ではないが、特開 昭61−87433号公報や特開2000−341091号公報に開示されたも のも知られている。これらの装置には、チューナの入力部にトラップ回路を設け られ、受信した放送電波からトラップ周波数の成分を除去するようになっている 。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来の放送受信装置においては、次のような課題があった。 特許3054964号公報に開示された装置では、中間周波信号を増幅、検波 して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用 とで別々にする必要があり、回路が複雑になっていた。 実開平1−151678号公報や実開平4−20731号公報に開示されたも のでは、テレビジョン放送の放送電波と比べて非常に狭い間隔とされた音声FM 放送の放送電波を受信するために十分な選択度を得ることができない。 特開昭61−87433号公報や特開2000−341091号公報に開示さ れたものでも、非常に狭い間隔とされた音声FM放送の放送電波を受信するため に十分な選択度を得ることができない。また、放送電波の周波数別にトラップ回 路を設けるか、放送電波の周波数に応じてトラップ周波数を変化させる必要が生 じ、回路が複雑になってしまうことになる。 本考案は、上記課題にかんがみてなされたもので、中間周波信号を増幅、検波 して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用 とで共有することが可能であるとともに、簡易な回路構成にて、音声FM放送の 放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度を向上させることが可能な放 送受信装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、請求項1にかかる考案は、テレビジョン放送と音声 FM放送の双方の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づいて映像 信号と音声信号とを作成して出力する放送受信装置であって、上記放送電波を受 信し、増幅して出力する高周波増幅回路と、この高周波増幅回路からの出力に基 づいて、音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間周波信号に変 換して出力する中間周波信号出力回路と、この中間周波信号出力回路から出力さ れる中間周波信号から、同中間周波信号の音声成分の中心周波数よりも小さい周 波数の成分を除去するトラップ回路と、このトラップ回路にて上記周波数の成分 を除去された中間周波信号を中間周波増幅する中間周波増幅回路と、この中間周 波増幅回路にて増幅された中間周波信号を検波して上記映像信号と音声信号とを 出力する検波回路とを具備する構成としてある。
【0007】 上記のように構成した請求項1にかかる考案においては、高周波増幅回路が放 送電波を受信し、増幅して出力すると、中間周波信号出力回路は高周波増幅回路 からの出力に基づいて音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間 周波信号に変換して出力する。すると、トラップ回路は、出力される中間周波信 号から音声成分の中心周波数よりも小さい周波数の成分を除去する。そして、中 間周波増幅回路がトラップ回路にて同周波数の成分を除去された中間周波信号を 中間周波増幅すると、検波回路は増幅された中間周波信号を検波して映像信号と 音声信号とを出力する。
【0008】 すなわち、トラップ回路は中間周波信号出力回路から出力される中間周波信号 から映像成分の周波数を除去しないので、高周波増幅回路や中間周波信号出力回 路の他に、中間周波増幅回路や検波回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用 とで共有することが可能である。また、音声FM放送の放送電波を受信する際に 、中間周波信号の音声成分から隣接局の放送電波に由来する成分を除去すること ができるので、受信する放送電波の選択度を向上させることができる。その際、 トラップ回路に除去する周波数成分を変更させたり、トラップ回路を複数設けた りする必要はない。したがって、中間周波信号を増幅、検波して映像信号と音声 信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用とで共有することが 可能であるとともに、簡易な回路構成にて、音声FM放送の放送電波を受信する 際に受信する放送電波の選択度を向上させることが可能となる。 なお、テレビジョン放送受信時にも中間周波信号の音声成分から隣接チャンネ ルの放送電波に由来する成分を除去することができるので、隣接チャンネルの妨 害を防止することも可能となる。
【0009】 上述の各種回路は、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ、コイル等 の電子部品を組み合わせた回路で構成してもよいし、これらの電子部品をまとめ た集積回路を利用して構成してもよく、様々な構成が可能である。 ところで、テレビジョン放送の放送電波を受信する際、放送電波の増幅度合い を自動的に変更させる制御を行うことも多い。ここで、請求項2にかかる考案は 、上記請求項1に記載の放送受信装置において、上記検波回路にて検波された中 間周波信号の強さに応じたAGC電圧を作成して出力するAGC回路と、音声F M放送の放送電波を受信するときには同AGC回路に同AGC電圧を変化させな いマイコンとが設けられ、上記高周波増幅回路は、上記AGC電圧に応じて上記 放送電波を増幅し、上記中間周波増幅回路は、上記AGC電圧に応じて上記中間 周波信号を中間周波増幅する構成としてある。
【0010】 すなわち、AGC回路が検波回路にて検波された中間周波信号の強さに応じた AGC電圧を作成して出力すると、高周波増幅回路はAGC電圧に応じて放送電 波を増幅し、中間周波増幅回路もAGC電圧に応じて中間周波信号を中間周波増 幅する。ここで、音声FM放送受信時、マイコンはAGC回路に出力するAGC 電圧を変化させない。 仮に音声FM放送受信時にAGC電圧を変更させると、隣接局に強い出力の放 送電波がある場合に、その隣接局の放送電波の出力に応じてAGC電圧が変化し 、放送電波の増幅の度合いや中間周波信号の中間周波増幅の度合いは小さくなっ てしまう。すると、弱い出力の放送電波を受信することができない。上記構成に より、隣接局に強い出力の放送電波があっても、受信する放送電波の増幅の度合 いや中間周波信号の中間周波増幅の度合いは小さくならないので、音声FM放送 受信時に弱い出力の放送電波でも受信することができる。
【0011】 ところで、上述した回路構成以外にも、本考案を適用することが可能である。 そこで、請求項3にかかる考案は、テレビジョン放送と音声FM放送の双方の放 送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づいて映像信号と音声信号とを 作成して出力する放送受信装置であって、上記放送電波を受信し、映像成分と音 声成分とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換して出力するチューナ手段と 、このチューナ手段から出力される中間周波信号から音声成分の周波数分布のう ち所定の周波数成分を除去するトラップ手段と、このトラップ手段にて上記周波 数成分を除去された中間周波信号に基づいて中間周波増幅し、検波して上記映像 信号と音声信号とを出力する増幅検波手段とを具備する構成としてある。
【0012】 上記のように構成した請求項3にかかる考案においては、チューナ手段が放送 電波を受信し、映像成分と音声成分とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換 して出力すると、トラップ手段は出力される中間周波信号から音声成分の周波数 分布のうち所定の周波数成分を除去する。そして、増幅検波手段が、所定の周波 数成分を除去された中間周波信号に基づいて中間周波増幅し、検波して映像信号 と音声信号とを出力する。
【0013】 すなわち、トラップ手段はチューナ手段から出力される中間周波信号から映像 成分の周波数を除去しないので、増幅検波手段を構成する回路をテレビジョン放 送用と音声FM放送用とで共有することが可能である。また、音声FM放送受信 時に、中間周波信号の音声成分から隣接局の放送電波に由来する成分を除去する ことができるので、受信する放送電波の選択度を向上させることができる。その 際、トラップ手段に除去する周波数成分を変更させたり、トラップ手段を複数設 けたりする必要がない。なお、本構成の場合も、テレビジョン放送受信時に隣接 チャンネルの妨害を防止することが可能となる。
【0014】 ここで、トラップ手段が除去する周波数成分の一例として、請求項4にかかる 考案は、上記請求項3に記載の放送受信装置において、上記トラップ手段は、上 記中間周波信号から、同中間周波信号の音声成分の中心周波数に対して上記映像 成分の周波数分布とは反対側となる周波数の成分を除去する構成としてある。 すなわち、中間周波信号は音声成分の中心周波数に対して映像成分の周波数分 布とは反対側となる周波数の成分が除去される。したがって、より確実に映像成 分に影響を与えないように、中間周波信号から所定の周波数成分を除去すること ができる。
【0015】 また、請求項5にかかる考案は、上記請求項4に記載の放送受信装置において 、上記チューナ手段は、上記音声成分を上記映像成分よりも小さい周波数の分布 とし、上記トラップ手段は、上記中間周波信号から、同中間周波信号の音声成分 の中心周波数よりも小さい周波数の成分を除去する構成としてある。 すなわち、中間周波信号の音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とす るときに、トラップ手段が除去する周波数成分の具体例を提供することができる 。
【0016】 ところで、テレビジョン放送の放送電波を受信する際、放送電波の増幅度合い を自動的に変更させる制御を行うことも多い。ここで、請求項6にかかる考案は 、上記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の放送受信装置において、上記チュ ーナ手段は、受信した上記放送電波を増幅して上記中間周波信号に変換し、上記 増幅検波手段にて検波された中間周波信号の強さに応じて上記チューナ手段に上 記放送電波の増幅度合いを変更させるとともに、音声FM放送の放送電波を受信 するときには同放送電波の増幅度合いを変更させない自動利得制御手段が設けら れている構成としてある。
【0017】 すなわち、自動利得制御手段は、増幅検波手段にて検波された中間周波信号の 強さに応じてチューナ手段に放送電波の増幅度合いを変更させるが、音声FM放 送の放送電波を受信するときには放送電波の増幅度合いを変更させない。上述し たように、隣接局に強い出力の放送電波があっても、受信する放送電波の増幅度 合いは小さくならないので、音声FM放送受信時に弱い出力の放送電波でも受信 することができる。
【0018】 また、テレビジョン放送の放送電波を受信する際、中間周波信号の中間周波増 幅度合いを自動的に変更させる制御を行うことも多い。そこで、請求項7にかか る考案は、上記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の放送受信装置において、 上記増幅検波手段にて検波された中間周波信号の強さに応じて上記増幅検波手段 に上記中間周波信号の中間周波増幅度合いを変更させるとともに、音声FM放送 の放送電波を受信するときには同中間周波信号の中間周波増幅度合いを変更させ ない自動利得制御手段が設けられている構成としてある。 すなわち、自動利得制御手段は、増幅検波手段にて検波された中間周波信号の 強さに応じて増幅検波手段に中間周波信号の中間周波増幅度合いを変更させるが 、音声FM放送の放送電波を受信するときには中間周波信号の中間周波増幅度合 いを変更させない。その結果、隣接局に強い出力の放送電波があっても、受信す る放送電波の増幅度合いは小さくならないので、音声FM放送受信時に弱い出力 の放送電波でも受信することができる。
【0019】 なお、テレビジョン放送と音声FM放送の双方の放送電波を受信可能であると ともに、音声FM放送の放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度を向 上させる簡易な回路構成は、上述したトラップ回路を使用するもの以外にも可能 である。そこで、請求項8にかかる考案は、テレビジョン放送と音声FM放送の 双方の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づいて映像信号と音声 信号とを作成して出力する放送受信装置であって、上記放送電波を受信し、増幅 して出力する高周波増幅回路と、この高周波増幅回路からの出力に基づいて、上 記音声成分を上記映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間周波信号に変換 して出力するとともに、同音声成分の中心周波数を変更可能な中間周波信号出力 回路と、この中間周波信号出力回路から出力される中間周波信号を所定の周波数 帯域に制限するSAWフィルタと、このSAWフィルタにて周波数帯域を制限さ れた中間周波信号を中間周波増幅する中間周波増幅回路と、発振信号を発振する とともに、同発振信号の発振周波数を変更可能なVCO回路と、上記発振信号の 発振周波数に基づいて上記中間周波増幅回路にて増幅された中間周波信号を検波 して上記映像信号と音声信号とを出力する検波回路と、音声FM放送の放送電波 を受信するとき、上記中間周波信号出力回路に上記音声成分の中心周波数を所定 のFM受信用周波数まで上げさせるとともに、上記VCO回路に上記発振信号を 同FM受信用周波数に対応する発振周波数まで上げさせる制御を行うマイコンと を具備する構成としてある。
【0020】 上記のように構成した請求項8にかかる考案においては、高周波増幅回路が放 送電波を受信し、増幅して出力すると、中間周波信号出力回路は高周波増幅回路 からの出力に基づいて音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間 周波信号に変換して出力する。なお、高周波増幅回路は、変換する中間周波信号 の音声成分の中心周波数を変更可能である。 SAWフィルタが出力される中間周波信号を所定の周波数帯域に制限すると、 中間周波増幅回路は周波数帯域を制限された中間周波信号を中間周波増幅する。
【0021】 また、VCO回路が発振信号を発振すると、検波回路はこの発振信号の発振周 波数に基づいて中間周波増幅回路にて増幅された中間周波信号を検波して映像信 号と音声信号とを出力する。なお、VCO回路は、発振する発振信号の発振周波 数を変更することが可能である。 そして、マイコンは、音声FM放送の放送電波を受信するとき、中間周波信号 出力回路に中間周波信号の音声成分の中心周波数を所定のFM受信用周波数まで 上げさせるとともに、VCO回路に発振信号を同FM受信用周波数に対応する発 振周波数まで上げさせる制御を行う。
【0022】 すなわち、テレビジョン放送の放送電波を受信するとき、SAWフィルタは中 間周波信号出力回路から出力される中間周波信号を所定の周波数帯域に制限する ので、隣接チャンネルの妨害を防止してテレビジョン放送用の映像信号と音声信 号を作成することができる。また、音声FM放送の放送電波を受信するとき、マ イコンが中間周波信号出力回路に音声成分のみからなる中間周波信号の中心周波 数を所定のFM受信用周波数まで上げさせ、SAWフィルタは出力される中間周 波信号を上記所定の周波数帯域に制限する。すると、音声FM放送の放送電波を 受信するとき、SAWフィルタの通過特性の良好な周波数帯域で中間周波信号の 音声成分をSAWフィルタに通過させることができるとともに、中間周波信号か ら隣接局の放送電波に由来する成分を除去することができ、受信する放送電波の 選択度を向上させることができる。その際、SAWフィルタに制限する周波数帯 域を変更させたり、SAWフィルタを複数設けたりする必要がない。したがって 、中間周波信号を増幅、検波して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジ ョン放送用と音声FM放送用とで共有することが可能であるとともに、簡易な回 路構成にて、音声FM放送の放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度 を向上させることが可能となる。
【0023】 ところで、上述した回路構成以外にも、本考案を適用することが可能である。 そこで、請求項9にかかる考案は、テレビジョン放送と音声FM放送の双方の放 送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づいて映像信号と音声信号とを 作成して出力する放送受信装置であって、上記放送電波を受信し、映像成分と音 声成分とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換して出力するとともに、同音 声成分の中心周波数を変更可能なチューナ手段と、このチューナ手段から出力さ れる中間周波信号を所定の周波数帯域に制限するフィルタ手段と、発振信号を発 振するとともに、同発振信号の発振周波数を変更可能な可変発振手段と、上記発 振信号の発振周波数に基づいて上記フィルタ手段にて周波数帯域を制限された中 間周波信号を中間周波増幅し、検波して映像信号と音声信号とを出力する増幅検 波手段と、音声FM放送の放送電波を受信するとき、上記チューナ手段に上記音 声成分の中心周波数を所定のFM受信用周波数に変更させるとともに、上記可変 発振手段に上記発振信号を同FM受信用周波数に対応する発振周波数に変更させ る制御を行う制御手段とを具備する構成としてある。
【0024】 上記のように構成した請求項9にかかる考案においては、チューナ手段が放送 電波を受信し、映像成分と音声成分とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換 して出力すると、フィルタ手段は出力される中間周波信号を所定の周波数帯域に 制限する。なお、チューナ手段は、変換する中間周波信号の音声成分の中心周波 数を変更可能である。 また、可変発振手段が発振信号を発振すると、増幅検波手段はこの発振信号の 発振周波数に基づいてフィルタ手段にて周波数帯域を制限された中間周波信号を 中間周波増幅し、検波して映像信号と音声信号とを出力する。なお、可変発振手 段は、発振する発振信号の発振周波数を変更することが可能である。 そして、制御手段は、音声FM放送の放送電波を受信するとき、チューナ手段 に中間周波信号の音声成分の中心周波数を所定のFM受信用周波数に変更させる とともに、可変発振手段に発振信号を同FM受信用周波数に対応する発振周波数 に変更させる制御を行う。
【0025】 すなわち、テレビジョン放送受信時、フィルタ手段はチューナ手段から出力さ れる中間周波信号を所定の周波数帯域に制限するので、隣接チャンネルの妨害を 防止してテレビジョン放送用の映像・音声信号を作成することができる。また、 音声FM放送受信時、制御手段がチューナ手段に音声成分のみからなる中間周波 信号の中心周波数を所定のFM受信用周波数に変更させ、フィルタ手段は出力さ れる中間周波信号を上記所定の周波数帯域に制限する。そこで、フィルタ手段に て中間周波信号から音声FM放送の隣接局の放送電波に由来する成分が除去され るようにFM受信用周波数を設定しておくと、中間周波信号から隣接局の放送電 波に由来する成分を除去することができるので、受信する放送電波の選択度を向 上させることができる。その際、フィルタ手段に制限する周波数帯域を変更させ たり、フィルタ手段を複数設けたりする必要がない。
【0026】 ここで、マイコンが行う制御の一例として、請求項10にかかる考案は、上記 請求項9に記載の放送受信装置において、上記チューナ手段は、上記音声成分を 上記映像成分よりも小さい周波数の分布とし、上記FM受信用周波数は、テレビ ジョン放送の放送電波を受信するときの上記中間周波信号の音声成分の中心周波 数よりも大きく設定され、上記制御手段は、音声FM放送の放送電波を受信する とき、上記チューナ手段に上記音声成分の中心周波数を所定のFM受信用周波数 まで上げさせるとともに、上記可変発振手段に上記発振信号を同FM受信用周波 数に対応する発振周波数まで上げさせる制御を行う構成としてある。
【0027】 すなわち、中間周波信号の音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とす る場合、音声FM放送の放送電波を受信するときに中間周波信号の音声成分の中 心周波数は所定のFM受信用周波数まで上がる。したがって、音声FM放送の放 送電波を受信するとき、フィルタ手段の通過特性の良好な周波数帯域で中間周波 信号の音声成分を同フィルタ手段に通過させることができるとともに、中間周波 信号から隣接局の放送電波に由来する成分を除去することができ、受信する放送 電波の選択度を向上させることができる。
【0028】 また、フィルタ手段に周波数帯域を制限されない側の中間周波信号の周波数帯 域を制限するようにしてもよい。その構成の一例として、請求項11にかかる考 案は、上記請求項10に記載の放送受信装置において、音声FM放送の放送電波 を受信するとき、上記チューナ手段から出力される中間周波信号から音声成分の 中心周波数よりも大きい周波数の成分を除去して上記フィルタ手段に出力する第 二トラップ手段が設けられている構成としてある。
【0029】 中間周波信号の音声成分を映像成分よりも小さい周波数の分布とする場合、フ ィルタ手段が同音声成分をその中心周波数よりも小さい周波数帯域で制限するの は容易であるが、同中心周波数よりも大きい周波数帯域で制限するのは比較的困 難である。上記構成により、音声FM放送受信時に、チューナ手段から出力され る中間周波信号は音声成分の中心周波数よりも大きい周波数の成分が除去される ので、受信する放送電波の選択度をさらに向上させることが可能となる。
【0030】
【考案の効果】 以上説明したように、請求項1にかかる考案によれば、中間周波信号を増幅、 検波して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM放 送用とで共有することが可能であるとともに、簡易な回路構成にて、音声FM放 送の放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度を向上させることが可能 な放送受信装置を提供することができ、請求項3にかかる考案によれば、各種回 路構成に適用可能となる。 また、請求項2、6、7にかかる考案によれば、音声FM放送受信時に弱い出 力の放送電波でも受信することが可能となる。 さらに、請求項4にかかる考案によれば、より確実に映像成分に影響を与えな いように中間周波信号から所定の周波数成分を除去することが可能となり、請求 項5にかかる考案によれば、中間周波信号の音声成分を映像成分よりも小さい周 波数の分布とするときの具体例を提供することができる。
【0031】 さらに、請求項8にかかる考案によれば、中間周波信号を増幅、検波して映像 信号と音声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音声FM放送用とで共有 することが可能であるとともに、簡易な回路構成にて、音声FM放送の放送電波 を受信する際に受信する放送電波の選択度を向上させることが可能な放送受信装 置を提供することができ、請求項9にかかる考案によれば、各種回路構成に適用 可能となる。 さらに、請求項10にかかる考案によれば、音声FM放送の放送電波を受信す る際に受信する放送電波の選択度を向上させることが可能となる。 さらに、請求項11にかかる考案によれば、音声FM放送の放送電波を受信す る際に受信する放送電波の選択度をさらに向上させることが可能となる。
【0032】
【考案の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本考案の実施形態を説明する。 (1)第一の実施形態における放送受信装置の概略構成: (2)第一の実施形態における放送受信装置の動作: (3)第二の実施形態における放送受信装置の概略構成: (4)第二の実施形態における放送受信装置の動作:
【0033】 (1)第一の実施形態における放送受信装置の概略構成: 図1は、本考案の第一の実施形態にかかる放送受信装置100を適用した音声 FM放送受信兼用テレビジョンの概略構成をブロック図により示している。なお 、利用者が使用する操作パネル、リモコン等は図示を省略している。 図において、放送受信装置100は、概略、チューナIC10と、このチュー ナIC10に接続されたトラップ回路20と、このトラップ回路20に接続され たクロマIC30と、チューナIC10とクロマIC30に接続されたマイコン 40とから構成されている。なお、チューナIC10とクロマIC30とマイコ ン40は、IICバス50に接続されている。そして、マイコン40がシリアル データ通信によってテレビジョン全体を制御することにより、音声FM放送受信 兼用テレビジョンとしての機能を実現している。
【0034】 図2は、放送受信装置100の構成をブロック図により示している。なお、I ICバス50の図示は省略している。 チューナIC10は、周波数シンセサイザ方式のチューナであり、マイコン4 0の制御によりテレビジョン放送または音声FM放送の放送電波を受信し、中間 周波信号(IF)に変換して出力する。 図において、チューナIC10は、アンテナ11とマイコン40に接続された 高周波増幅回路12と、この高周波増幅回路12とマイコン40に接続された中 間周波信号出力回路13とを備えている。中間周波信号出力回路13は、マイコ ン40と図示しない水晶発振回路に接続された局部発振回路14と、この局部発 振回路14と高周波増幅回路12に接続された混合回路15とを備えている。 なお、高周波増幅回路12、中間周波信号出力回路13は、従来から採用され ている種々のテレビジョン用の回路を適用することができる。
【0035】 高周波増幅回路12は、図示しないバンドパスフィルタを有しており、マイコ ン40の制御に基づいて、アンテナ11からこのバンドパスフィルタを介して所 望周波数に対応する放送電波を受信し、増幅して高周波信号を作成する。この高 周波信号の周波数は、選局した放送の放送電波と同じ周波数である。また、後述 するAGC回路34から入力されるRF−AGC電圧に基づいて、放送信号の増 幅度合いを変化させる。そして、高周波増幅回路12は、作成した高周波信号を 混合回路15に出力する。
【0036】 局部発振回路14は、PLL(Phase Locked Loop)回路に より構成されており、図示しない水晶発振回路からの基準発振信号を基準にして 、PLL回路により放送電波の所望周波数に対応する局部発振周波数の局部発振 信号を作成して混合回路15に出力する。 なお、局部発振周波数は、国によって異なる周波数としている。例えば、アメ リカでテレビジョン放送を受信する場合、局部発振周波数は高周波増幅回路12 から出力される高周波信号の周波数より45.75MHz大きい周波数としてい る。日本でテレビジョン放送を受信する場合、局部発振回路は同高周波信号の周 波数より58.75MHz大きい周波数としている。
【0037】 混合回路15は、高周波増幅回路12からの出力と局部発振回路14からの局 部発振信号とを混合して中間周波信号に変換し、トラップ回路20に出力する。 その際、映像成分と音声成分とで異なる周波数分布の中間周波信号に変換する。 ここで、中間周波信号の映像成分の中心周波数は、局部発振信号の局部発振周 波数から高周波信号の周波数を差し引いたものとなる。図3は、アメリカでテレ ビジョン放送の放送電波を受信するときの中間周波信号の周波数分布を示してい る。なお、図の横軸は中間周波信号の周波数であり、縦軸は混合回路15からの 中間周波信号出力(デシベル単位)であって、横軸では右となるほど周波数が小 さくなっている。図に示すように、中間周波信号の映像成分の中心周波数は45 .75MHzとなる。また、アメリカのテレビジョン放送の放送電波を受信する ときの中間周波信号の音声成分の中心周波数は、映像成分の中心周波数より4. 5MHz小さい41.25MHzとなる。 一方、アメリカで音声FM放送の放送電波を受信するときの中間周波信号は音 声成分のみであり、その周波数分布は、図4に示すように、中心周波数が41. 25MHzとなる。 このように、放送電波を受信し、映像成分と音声成分とで異なる周波数分布の 中間周波信号に変換して出力する高周波増幅回路12と中間周波信号出力回路1 3は、本考案にいうチューナ手段を構成する。
【0038】 ところで、テレビジョン放送の放送電波の周波数間隔は狭いところでも6MH zである一方、音声FM放送の放送電波の周波数間隔は狭いところで200kH zと非常に狭くなっている。したがって、従来の放送受信装置では、音声FM放 送受信時にテレビジョン放送用の信号処理用の回路を使用しても、狭い周波数間 隔に対応した放送電波の選択度を得ることができず、隣接局の放送電波の影響を 受けてしまっていた。そこで、信号処理用の回路にはテレビジョン放送用の回路 とは別に音声FM放送用の回路を設けていた。 本考案では、チューナIC10から出力される中間周波信号から音声成分の周 波数分布のうち所定の周波数成分を除去するトラップ回路20をチューナIC1 0とクロマIC30との間に介装することにより、信号処理用の回路を共有して いる。
【0039】 トラップ回路20は、中間周波信号出力回路13の混合回路15に接続されて おり、この混合回路15から出力される中間周波信号から、音声成分の周波数分 布のうち所定の周波数成分を除去する。トラップ回路20は、例えば図5に示す 回路図のようにコイルとコンデンサとからなる共振回路をグランドに接続して構 成され、共振現象を利用して同中間周波信号の音声成分の中心周波数よりも小さ い周波数の成分を除去する。なお、図はトラップ回路20の簡易な回路構成を示 したものであり、中間周波信号の特性に応じてトラップ回路20の回路構成を適 宜変更することが可能である。
【0040】 図6は、トラップ回路20が除去する周波数成分を示している。なお、図の横 軸は除去する周波数であり、縦軸は中間周波信号の減衰度であって、同縦軸では 下となるほど減衰度が大きくなっている。図に示すように、トラップ回路20は 混合回路15から出力される中間周波信号から40.4MHzを中心とした周波 数の成分を除去する。 なお、トラップ回路20が除去する周波数成分の中心周波数を40.4MHz とするのは一例にすぎず、チューナIC10からの中間周波信号出力特性に応じ て適宜変更可能である。
【0041】 その結果、図3と図4の一点鎖線に示すように、中間周波信号出力のカーブは 低周波数側で急峻となり、テレビジョン放送受信時には中間周波信号から低周波 数側である音声成分のみが除去され、音声FM放送受信時には音声成分のみから なる中間周波信号から低周波数側の成分が除去される。 このように、チューナIC10から出力される中間周波信号から音声成分の周 波数分布のうち所定の周波数成分を除去するトラップ回路20は、本考案にいう トラップ手段を構成する。
【0042】 クロマIC30は、トラップ回路20に接続された中間周波増幅(VIF)回 路31と、マイコン40と図示しない水晶発振回路に接続されたVCO(Vol tage Controled Oscillator)回路32と、このVC O回路32とVIF回路31に接続された検波回路33と、この検波回路33に 接続されたAGC回路34と、同検波回路33に接続された同期回路35とを備 えている。本考案の放送受信装置100は、入力される放送電波から映像(RG B)信号と音声(AUDIO)信号を作成することができればよいが、本実施形 態ではテレビジョン全体として部品点数を少なくさせるため、クロマIC30に 同期回路35も設けている。 なお、各回路31〜35は、従来から採用されている種々のテレビジョン用の 回路を適用することができる。
【0043】 VIF回路31は、トラップ回路20を通過した中間周波信号を中間周波増幅 する。また、後述するAGC回路34から入力されるIF−AGC電圧に基づい て、中間周波信号の中間周波増幅度合いを変化させる。そして、VIF回路31 は、中間周波増幅した中間周波信号を検波回路33に出力する。 VCO回路32は、マイコン40から入力される電圧に応じて発振する発振信 号の発振周波数を変更することが可能であり、同電圧に対応する発振周波数で発 振信号を発振する。
【0044】 検波回路33は、発振信号の発振周波数に基づいて、VIF回路31にて中間 周波増幅された中間周波信号を検波してRGB信号とAUDIO信号とを出力す る。より具体的にいうと、検波回路33は、中間周波増幅された中間周波信号か ら発振信号の発振周波数に同期しながら映像検波を行い、所定の色復調処理を施 してRGB信号を分離し、外部に出力する。また、音声の信号については、中間 周波増幅された中間周波信号のうち音声成分と発振信号とを混合して第二音声中 間周波信号を作成し、FM検波を行ってAUDIO信号とし、外部に出力する。 ここで、第二音声中間周波信号の周波数は、発振信号の発振周波数から中間周波 信号の音声成分の周波数を差し引いた周波数となる。例えば、アメリカでテレビ ジョン放送を受信する場合、テレビジョン放送における中間周波信号の音声成分 の周波数が41.25MHzであり、発振周波数が45.75MHzであるとす ると、第二音声中間周波信号の周波数は、45.75−41.25=4.5MH zとなる。 このように、トラップ回路20にて所定の周波数成分を除去された中間周波信 号に基づいて中間周波増幅し、検波して映像信号と音声信号とを出力するVIF 回路31とVCO回路32と検波回路33は、本考案にいう増幅検波手段を構成 する。 さらに、検波回路33は検波の過程で発振信号の発振周波数に基づいて水平・ 垂直同期信号(SYNC)も作成して同期回路35に出力する。
【0045】 AGC回路34は、マイコン40から入力されるAGC制御信号に基づいて、 検波回路33にて検波された中間周波信号の強さに応じた二種類のAGC電圧で あるIF−AGC電圧とRF−AGC電圧を作成する。IF−AGC電圧は、同 じクロマIC30内のVIF回路31に入力され、中間周波信号の増幅時に使用 される。また、RF−AGC電圧は、検波された中間周波信号が一定の強さ以上 となった場合に変化するようになっており、高周波増幅回路12に入力され、受 信した放送電波の増幅時に使用される。 なお、AGC回路34はIF−AGC電圧とRF−AGC電圧を作成するが、 IF−AGC電圧とRF−AGC電圧のいずれか一方のみ作成するAGC回路を 本放送受信装置100に採用してもよい。
【0046】 検波回路33から出力されたRGB信号はカソードアンプ61に出力され、こ のカソードアンプ61にて増幅されて受像管(CRT)62に供給される。する と、受像管62は、増幅されたRGB信号に基づいて画面表示を行う。一方、上 記AUDIO信号についてはオーディオアンプ63に出力され、このオーディオ アンプ63で増幅されてスピーカ64に供給される。そして、スピーカ64は、 増幅されたAUDIO信号に基づいて音声を出力する。
【0047】 同期回路35は、入力される水平・垂直同期信号に基づいてのこぎり波状の水 平・垂直ドライブ信号(DRIVE)を作成し、水平偏向回路と垂直偏向回路と からなる偏向回路に出力する。 偏向回路65は、水平・垂直ドライブ信号に対応した所定の水平・垂直ドライ ブ電流を作成し、受像管62に取り付けられた偏向コイル66に供給することに より、電子ビームを水平・垂直方向にドライブさせる。また、水平偏向回路で生 じる高周波信号は、フライバックトランス(FBT)67に供給され、受像管6 2に供給する高電圧が発生するようになっている。 その結果、受像管62ではRGB信号に応じた電子ビームがドライブされなが ら放出され、受像管62の管面に画像が現れることになる。
【0048】 マイコン40は、高周波増幅回路12や局部発振回路14やVCO回路32に 制御電圧を出力する。また、音声FM放送受信時、IF−AGC電圧とRF−A GC電圧を変化させないAGC制御信号を作成してAGC回路34に出力する。 これらの制御を行うため、マイコン40は、CPU41、ROM42、RAM4 3、D/A変換器44、I/Oポート45、図示しないA/D変換器、タイマ回 路を内蔵している。そして、CPU41がROM42に記憶された所定のプログ ラムを実行し、音声FM放送受信兼用テレビジョン全体の制御を行う。
【0049】 図7は、マイコン40が行うAGC電圧の制御処理の概略をフローチャートに より示している。図において、まず、操作パネルの操作等から、音声FM放送の 放送電波を受信するかどうかを判断する(ステップS105)。音声FM放送の 放送電波を受信するときは、ステップS110に進み、IF−AGC電圧とRF −AGC電圧を変化させないAGC制御信号を作成してAGC回路34に出力す る。例えば、AGC回路34をAGC制御信号が0Vのときに両AGC電圧を変 化させない設定としておくと、マイコン40はD/A変換器44を介して0Vの AGC制御信号を出力すればよい。なお、AGC回路34をAGC制御信号がロ ーレベルのときに両AGC電圧を変化させない設定としておくと、マイコン40 はI/Oポート45を介してローレベルのAGC制御信号を出力すればよい。
【0050】 一方、テレビジョン放送の放送電波を受信するときは、ステップS115に進 み、両AGC電圧を変化させるAGC制御信号を作成してAGC回路34に出力 する。例えば、AGC回路34をAGC制御信号が2V以上のときに両AGC電 圧を変化させる設定としておくと、マイコン40はD/A変換器44を介して2 V以上のAGC制御信号を出力すればよい。 ステップS110またはステップS115終了後は、本フローを終了する。 このように、AGC回路34と、音声FM放送の放送電波を受信するときには AGC回路34にAGC電圧を変化させないマイコン40とは、検波回路33に て検波された中間周波信号の強さに応じて中間周波信号の中間周波増幅度合いや 放送電波の増幅度合いを変更させるとともに、音声FM放送の放送電波を受信す るときに中間周波信号の中間周波増幅度合いや放送電波の増幅度合いを変更させ ない。すなわち、本考案にいう自動利得制御手段が構成されている。
【0051】 (2)第一の実施形態における放送受信装置の動作: 以下、本放送受信装置100の動作について説明する。 音声FM放送の放送電波を受信する場合、図7のフローにより、IF−AGC 電圧とRF−AGC電圧を変化させないAGC制御信号が作成されてAGC回路 34に出力される。したがって、高周波増幅回路12では受信した放送電波の増 幅度合いは一定となり、VIF回路31では中間周波信号の中間周波増幅度合い が一定となる。 仮に音声FM放送受信時に両AGC電圧を変更させると、隣接局に強い出力の 放送電波がある場合に、その隣接局の放送電波の出力に応じてAGC電圧が変化 してしまう。すると、放送電波の増幅の度合いや中間周波信号の中間周波増幅の 度合いは小さくなってしまい、弱い出力の放送電波を受信することができない。 図7のフローを設けたことにより、隣接局に強い出力の放送電波があっても、音 声FM放送受信時に弱い出力の放送電波でも受信することが可能となる。
【0052】 また、マイコン40は、高周波増幅回路12が作成する高周波信号の周波数を 制御する。例えば、選局した音声FM放送に対応する所望周波数がf1=90. 0MHzである場合、高周波信号の周波数をf1=90.0MHzとする制御電 圧をD/A変換器44を介して高周波増幅回路12に出力する。すると、高周波 増幅回路12は、入力される制御電圧に基づいて、アンテナ11を介して所望周 波数f1に対応する放送電波を受信し、一定の増幅度合いで増幅して高周波信号 を作成し、混合回路15に出力する。
【0053】 次に、マイコン40は、局部発振信号の局部発振周波数をf1+41.25M Hzとする制御電圧をD/A変換器44を介して局部発振回路14に出力する。 すると、局部発振回路14は、PLL回路により放送電波の所望周波数f1に対 応する局部発振周波数f1+41.25(=131.25)MHzの局部発振信 号を作成して混合回路15に出力する。 高周波信号と局部発振信号が入力される混合回路15は、これらの信号を混合 して中間周波信号に変換し、トラップ回路20に出力する。ここで、音声成分の みからなる中間周波信号の中心周波数は、図4で示したように、高周波信号の周 波数f1(MHz)と局部発振周波数f1+41.25MHzとの差41.25 MHzとなる。
【0054】 この中間周波信号が入力されるトラップ回路20は、中間周波信号から40. 4MHzを中心とした周波数の成分を除去し、VIF回路31に出力する。する と、図4の一点鎖線で示したように、中間周波信号出力のカーブは低周波数側で 急峻となり、音声成分のみからなる中間周波信号から低周波数側の成分が除去さ れる。すなわち、中間周波信号の音声成分から隣接局の放送電波に由来する成分 を除去することができるので、受信する放送電波の選択度を向上させることがで きる。 VIF回路31は、トラップ回路20を通過した中間周波信号を一定の中間周 波増幅度合いで中間周波増幅し、検波回路33に出力する。
【0055】 マイコン40は発振信号の発振周波数を45.75MHzとする制御電圧をD /A変換器44を介してVCO回路32に出力しており、VCO回路32は同制 御電圧に対応する発振周波数45.75MHzで発振信号を発振し、検波回路3 3に出力する。 中間周波増幅された中間周波信号と発振信号が入力される検波回路33は、音 声成分のみからなる中間周波信号と発振信号とを混合して4.5MHzの第二音 声中間周波信号を作成し、オーディオアンプ63に出力する。 すると、利用者は、スピーカ64から音声FM放送を聴くことができる。
【0056】 一方、テレビジョン放送の放送電波を受信する場合、図7のフローにより、I F−AGC電圧とRF−AGC電圧を変化させるAGC制御信号が作成されてA GC回路34に出力される。したがって、検波回路33にて検波される中間周波 信号の強さに応じて、高周波増幅回路12では受信した放送電波の増幅度合いが 変化し、VIF回路31では中間周波信号の中間周波増幅度合いが変化する。 高周波増幅回路12は、マイコン40から入力される制御電圧に基づいて所望 周波数f2に対応する放送電波を受信し、RF−AGC電圧に応じた増幅度合い で増幅して高周波信号を作成し、混合回路15に出力する。 次に、マイコン40は、局部発振周波数をf2+45.75MHzとする制御 電圧を局部発振回路14に出力する。すると、局部発振回路14は、局部発振周 波数f2+45.75MHzの局部発振信号を作成して混合回路15に出力する 。混合回路15は、高周波信号の周波数f2(MHz)と局部発振周波数f2+ 45.75MHzとの差45.75MHzの中間周波信号を作成してトラップ回 路20に出力する。
【0057】 トラップ回路20は、中間周波信号から中間周波信号から40.4MHzを中 心とした周波数の成分を除去し、VIF回路31に出力する。すると、図3の一 点鎖線で示したように、中間周波信号出力のカーブは低周波数側で急峻となり、 中間周波信号の音声成分から低周波数側の成分が除去される。すなわち、中間周 波信号の音声成分から隣接チャンネルの放送電波に由来する成分を除去すること ができるので、隣接チャンネルの妨害を防止することも可能となる。 VIF回路31は、トラップ回路20を通過した中間周波信号をIF−AGC 電圧に応じた中間周波増幅度合いで中間周波増幅し、検波回路33に出力する。
【0058】 そして、マイコン40が発振信号の発振周波数を45.75MHzとする制御 電圧をVCO回路32に出力し、VCO回路32は同制御電圧に対応する発振周 波数45.75MHzで発振信号を発振し、検波回路33に出力する。 検波回路33は、中間周波増幅された中間周波信号から45.75MHzの発 振信号に同期しながら映像検波を行い、所定の色復調処理を施してRGB信号を 分離し、カソードアンプ61に出力する。また、音声の信号については、中間周 波信号のうち音声成分と発振信号とを混合して4.5MHzの第二音声中間周波 信号を作成し、この第二音声中間周波信号からAUDIO信号を作成してオーデ ィオアンプ63に出力する。 すると、利用者は、受像管62とスピーカ64からテレビジョン放送を視聴す ることができる。
【0059】 このように、トラップ回路はチューナICから出力される中間周波信号から映 像成分の周波数を除去しないので、チューナICの他に、クロマICをテレビジ ョン放送用と音声FM放送用とで共有することが可能である。また、音声FM放 送の放送電波を受信する際に、中間周波信号の音声成分から隣接局の放送電波に 由来する成分を除去することができるので、受信する放送電波の選択度を向上さ せることができる。その際、トラップ回路に除去する周波数成分を変更させたり 、トラップ回路を複数設けたりする必要はない。したがって、クロマICのよう に中間周波信号を増幅、検波して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジ ョン放送用と音声FM放送用とで共有することが可能であるとともに、簡易な回 路構成にて、音声FM放送の放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度 を向上させることが可能となる。
【0060】 なお、テレビジョン放送受信時にも中間周波信号の音声成分から隣接チャンネ ルの放送電波に由来する成分を除去することができるので、隣接チャンネルの妨 害を防止することも可能となる。 また、音声FM放送受信時、隣接局に強い出力の放送電波があっても、受信す る放送電波の増幅度合いや中間周波信号の中間周波増幅度合いは小さくならない ので、弱い出力の放送電波でも受信することができる。
【0061】 (3)第二の実施形態における放送受信装置の概略構成: 図8は、本考案の第二の実施形態にかかる放送受信装置200の概略構成をブ ロック図により示している。なお、上述した放送受信装置100と構成の同じも のについては、同じ符号を付して説明を省略する。 図において、放送受信装置200は、概略、チューナIC10と、このチュー ナIC10に接続された第二トラップ回路121と、この第二トラップ回路12 1に接続されたSAWフィルタ120と、このSAWフィルタ120に接続され たクロマIC30と、チューナIC10とクロマIC30に接続されたマイコン 40とから構成されている。そして、チューナIC10、SAWフィルタ120 、VCO回路32、マイコン40が、それぞれ本考案にいうチューナ手段、フィ ルタ手段、可変発振手段、制御手段を構成する。また、VIF回路31と検波回 路33は、本考案にいう増幅検波手段を構成する。 本実施形態では、音声FM放送受信時に放送電波の選択度をさらに向上させる ために第二トラップ回路121を設けているが、第二トラップ回路121を設け なくても良好な選択度にて音声FM放送の放送電波を受信することが可能である 。
【0062】 本実施形態では、音声FM放送受信時に、マイコン40は、中間周波信号出力 回路13に中間周波信号の音声成分の中心周波数を所定のFM受信用周波数であ る42.359MHzまで上げさせるとともに、VCO回路32に発振信号を同 FM受信用周波数に対応する発振周波数46.859MHzまで上げさせる制御 を行う。なお、テレビジョン放送受信時には、中間周波信号の音声成分の中心周 波数は41.25MHzであり、発振信号の発振周波数は45.75MHzであ る。
【0063】 第二トラップ回路121は、混合回路15に接続されており、音声FM放送受 信時、この混合回路15から出力される中間周波信号から音声成分の中心周波数 よりも大きい周波数の成分を除去し、SAWフィルタ120に出力する。第二ト ラップ回路121は、例えば図9に示すように、所定の周波数成分を除去可能な トラップ121aと、スイッチ回路121bとを有し、混合回路15から出力さ れる中間周波信号を通過させる。なお、図では、混合回路15とSAWフィルタ 120とマイコン40を点線により示している。 図において、トラップ121aは、上述したトラップ回路20と同様、例えば コイルとコンデンサとからなる共振回路をグランドに接続して構成され、混合回 路15から出力される中間周波信号から音声成分の中心周波数よりも大きい周波 数の成分(例えば、中心周波数43.0MHz)を除去可能である。
【0064】 スイッチ回路121bは、チューナIC10に組み込まれない場合には、例え ばスイッチングトランジスタ等を組み合わせて構成することができる。このスイ ッチ回路121bは、切換スイッチを有しており、マイコン40のI/Oポート 45から出力される電圧レベルがハイレベルまたはローレベルの切換信号に基づ き、混合回路15から出力される中間周波信号をトラップ121aに通過させる かバイパスさせるかを切換スイッチにて切り換えることが可能となっている。そ して、マイコン40は、同切換信号を作成することにより、音声FM放送受信時 に中間周波信号をトラップ121aに通過させ、テレビジョン放送受信時に中間 周波信号をトラップ121aからバイパスさせる制御を行う。すると、音声FM 放送受信時に混合回路15からの中間周波信号出力は、図10の実線に示すよう に、音声成分の中心周波数42.359MHzよりも大きい周波数の成分が除去 され、中間周波信号出力のカーブは高周波数側で急峻となる。なお、第二トラッ プ回路121を通過する前の中間周波信号出力を点線により示している。 このように、第二トラップ回路121とマイコン40とは、音声FM放送の放 送電波を受信するとき、チューナIC10から出力される中間周波信号から音声 成分の中心周波数よりも大きい周波数の成分を除去してSAWフィルタ120に 出力する第二トラップ手段を構成する。
【0065】 SAWフィルタ120は、混合回路15から第二トラップ回路121を介して 出力された中間周波信号を通過させる広帯域のバンドパスフィルタである。SA Wフィルタ120は、圧電体基板にくし形電極が形成されており、中間周波信号 がくし形電極間を移動する際に所定周波数帯域外の成分が除去される。図11は 、SAWフィルタ120が通過させる中間周波信号の周波数特性を減衰度により 示している。なお、図の横軸は通過させる周波数であり、縦軸は中間周波信号の 減衰度であって、同縦軸では下となるほど減衰度が大きくなっている。図に示す ように、SAWフィルタ120は、テレビジョン放送受信時に、中間周波信号の 音声成分の中心周波数41.25MHzから映像成分の中心周波数45.75M Hzまでを含む周波数帯域を通過させる。このとき、音声成分の中間周波信号の 減衰度は映像成分の中間周波信号の減衰度よりも大きくなるように設定されてい る。 なお、SAWフィルタ120の代わりに、従来からテレビジョン用の回路に採 用されている種々の帯域フィルタ回路を適用することが可能である。
【0066】 ところで、従来の放送受信装置では、音声FM放送受信時に音声成分のみから なる中間周波信号は、SAWフィルタの減衰度が大きくされた中心周波数41. 25MHzの周波数分布とされてしまう。また、音声FM放送の放送電波の周波 数間隔は狭いところで200kHzと非常に狭いのに対し、SAWフィルタが通 過させる中間周波信号の周波数帯域はかなり広いため、音声FM放送の放送電波 の狭い周波数間隔に対応した選択度を十分に得ることができないことになり、隣 接局の放送電波の影響を受けてしまっていた。
【0067】 そこで、音声FM放送受信時、中間周波信号出力回路13に中間周波信号の音 声成分の中心周波数を42.359MHzまで上げさせ、SAWフィルタ120 の通過特性の良好な周波数帯域で中間周波信号を通過させるとともに、減衰度が 右下がりのカーブを描く周波数帯域C1で中間周波信号から隣接局の放送電波に 由来する成分を除去することにした。すると、図10の一点鎖線に示すように、 SAWフィルタ120からの中間周波信号出力のカーブは低周波数側で急峻とな り、テレビジョン放送受信時には中間周波信号から低周波数側である音声成分の みが除去され、音声FM放送受信時には音声成分のみからなる中間周波信号から 低周波数側の成分が除去される。その結果、テレビジョン放送用と音声FM放送 用とで信号処理用の回路を共有することが可能となる。
【0068】 なお、中間周波信号出力回路13が出力する中間周波信号の音声成分の中心周 波数を42.359MHzとするのは一例にすぎず、SAWフィルタ120の特 性に応じて適宜変更可能である。テレビジョン放送受信時、中間周波信号の音声 成分の中心周波数は41.25MHzであり、映像信号の中心周波数は45.7 5MHzであるので、同音声成分の中心周波数は41.25〜45.75MHz の範囲で適宜設定可能であり、好ましくは42.0〜43.0MHzの範囲であ る。
【0069】 (4)第二の実施形態における放送受信装置の動作: 以下、本放送受信装置200の動作について説明する。 図12は、マイコン40が行う制御処理の概略をフローチャートにより示して いる。図において、まず、音声FM放送を受信するかどうかを判断する(ステッ プS205)。音声FM放送を受信するときは、ステップS210に進み、高周 波増幅回路12が作成する高周波信号の周波数を制御する。例えば、選局した音 声FM放送に対応する所望周波数がf1=90MHzである場合、高周波信号の 周波数をf1=90MHzとする制御電圧をD/A変換器64を介して高周波増 幅回路12に出力する。すると、高周波増幅回路12は、入力される制御電圧に 基づいて、アンテナ11を介して所望周波数f1に対応する放送電波を受信し、 増幅して高周波信号を作成し、混合回路15に出力する。
【0070】 次に、マイコン40は、局部発振信号の局部発振周波数をf1+42.359 MHzとする制御電圧をD/A変換器64を介して局部発振回路14に出力する (ステップS215)。すると、局部発振回路14は、PLL回路により放送電 波の所望周波数f1に対応する局部発振周波数f1+42.359MHzの局部 発振信号を作成して混合回路15に出力する。 高周波信号と局部発振信号が入力される混合回路15は、これらの信号を混合 して中間周波信号に変換し、第二トラップ回路121に出力する。ここで、音声 成分のみからなる中間周波信号の中心周波数は、高周波信号の周波数と局部発振 周波数との差42.359MHzとなる。すなわち、マイコン40は、音声FM 放送受信時、チューナIC10に中間周波信号の音声成分の中心周波数を41. 25MHzから所定のFM受信用周波数42.359MHzまで上げさせること になる。
【0071】 さらに、マイコン40は、上述したようにスイッチ回路121bの切換スイッ チをトラップ121a側に切り換えるハイレベルまたはローレベルの信号を作成 し、I/Oポート45を介してスイッチ回路121bに出力する(ステップS2 20)。切換スイッチはこの信号の入力によりトラップ121a側に切り換えら れるので、第二トラップ回路121は中間周波信号をトラップ121aに通過さ せ、所定範囲外の成分を遮断する。すると、図10の実線で示したように、中間 周波信号出力のカーブは高周波数側で急峻となり、中間周波信号から高周波数側 の成分が除去される。
【0072】 第二トラップ回路121から中間周波信号が入力されるSAWフィルタ120 は、図11における減衰度が右下がりのカーブを描く周波数帯域C1にて中間周 波信号から低周波数側の成分を除去し、VIF回路31に出力する。すなわち、 第二トラップ回路121やSAWフィルタ120により、中間周波信号の音声成 分から隣接局の放送電波に由来する成分を除去することができるので、受信する 放送電波の選択度を向上させることができる。 VIF回路31は、SAWフィルタ120を通過した中間周波信号を中間周波 増幅し、検波回路33に出力する。
【0073】 そして、マイコン40は、発振信号の発振周波数を42.359+4.5=4 6.859MHzとする制御電圧をD/A変換器44を介してVCO回路32に 出力し(ステップS225)、本フローを終了する。すると、VCO回路32は 、この制御電圧に対応する発振周波数46.859MHzで発振信号を発振し、 検波回路33に出力する。すなわち、マイコン40は、音声FM放送受信時、V CO回路32に発振信号を45.75MHzからFM受信用周波数に対応する発 振周波数46.859MHzまで上げさせることになる。 中間周波増幅された中間周波信号と発振信号が入力される検波回路33は、音 声成分のみからなる中間周波信号と発振信号とを混合して4.5MHzの第二音 声中間周波信号を作成し、オーディオアンプ63に出力する。 すると、利用者は、スピーカ64から音声FM放送を聴くことができる。
【0074】 一方、テレビジョン放送の放送電波を受信する場合、マイコン40は、ステッ プS205にて音声FM放送を受信しないと判断し、ステップS230〜S24 5のフローに従ってテレビジョン放送の放送電波を受信する従来通りの制御を行 う。 すなわち、高周波信号の周波数を所望周波数f2にする制御電圧を作成し、高 周波増幅回路12に出力する(ステップS230)。すると、高周波増幅回路1 2は、所望周波数f2に対応する放送電波を受信し、増幅して高周波信号を作成 し、混合回路15に出力する。 次に、局部発振周波数をf2+45.75MHzとする制御電圧を局部発振回 路14に出力する(ステップS235)。すると、局部発振回路14は、所望周 波数f2に対応する局部発振周波数f2+45.75MHzの局部発振信号を作 成して混合回路15に出力する。混合回路15は、45.75MHzの中間周波 信号を作成して第二トラップ回路121に出力する。
【0075】 さらに、マイコン40は、スイッチ回路121bの切換スイッチをバイパス側 に切り換える信号を作成してスイッチ回路121bに出力する(ステップS24 0)。すると、第二トラップ回路121は中間周波信号をトラップ121aに通 過させず、SAWフィルタ120に出力する。すなわち、テレビジョン放送受信 時には、中間周波信号の音声成分から高周波数側の成分が除去されないので、中 間周波信号の映像成分に影響を与えない。SAWフィルタ120は、通過する中 間周波信号から所定周波数帯域外の妨害成分を除去し、VIF回路31に出力す る。VIF回路31は、中間周波信号を中間周波増幅し、検波回路33に出力す る。
【0076】 そして、マイコン40は、発振信号の発振周波数を45.75MHzとする制 御電圧をVCO回路32に出力し(ステップS245)、本フローを終了する。 すると、VCO回路32は、45.75MHzの発振信号を検波回路33に出力 する。検波回路33は、中間周波増幅された中間周波信号から映像検波を行い、 RGB信号を分離してカソードアンプ61に出力する。また、音声の信号につい ては、中間周波信号のうち音声成分と発振信号とを混合して4.5MHzの第二 音声中間周波信号を作成し、この第二音声中間周波信号からAUDIO信号を作 成してオーディオアンプ63に出力する。 すると、利用者は、受像管62とスピーカ64からテレビジョン放送を視聴す ることができる。
【0077】 このように、テレビジョン放送受信時、SAWフィルタはチューナICから出 力される中間周波信号を所定の周波数帯域に制限するので、隣接チャンネルの妨 害を防止してテレビジョン放送用の映像・音声信号を作成することができる。ま た、音声FM放送受信時、マイコンがチューナICに音声成分のみからなる中間 周波信号の中心周波数を所定のFM受信用周波数まで上げさせ、SAWフィルタ は出力される中間周波信号を通過特性の良好な周波数帯域で通過させるとともに 、中間周波信号から音声成分の中心周波数よりも低周波数側の周波数成分を除去 する。すると、音声FM放送受信時、中間周波信号から隣接局の放送電波に由来 する成分を除去することができ、受信する放送電波の選択度を向上させることが できる。なお、第二トラップ回路があることにより、さらに選択度を向上させる ことができる。そして、SAWフィルタに制限する周波数帯域を変更させたり、 SAWフィルタを複数設けたりする必要がない。
【0078】 以上説明したように、本考案によると、種々の使用態様により、中間周波信号 を増幅、検波して映像信号と音声信号を作成する回路をテレビジョン放送用と音 声FM放送用とで共有することが可能であるとともに、簡易な回路構成にて、音 声FM放送の放送電波を受信する際に受信する放送電波の選択度を向上させるこ とが可能な放送受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施形態にかかる放送受信装置
を適用した音声FM放送受信兼用テレビジョンの概略構
成を示すブロック図である。
【図2】放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】テレビジョン放送の放送電波を受信するときの
中間周波信号の周波数分布を示す図である。
【図4】音声FM放送の放送電波を受信するときの中間
周波信号の周波数分布を示す図である。
【図5】トラップ回路の概略を示す回路図である。
【図6】トラップ回路が除去する周波数成分を示す図で
ある。
【図7】マイコンが行うAGC電圧の制御処理の概略を
示すフローチャートである。
【図8】本考案の第二の実施形態にかかる放送受信装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図9】第二トラップ回路の概略を示す回路図である。
【図10】音声FM放送の放送電波を受信するときの中
間周波信号の周波数分布を示す図である。
【図11】SAWフィルタが通過させる中間周波信号の
周波数特性を減衰度により示す図である。
【図12】マイコンが行う制御処理の概略を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
10…チューナIC 11…アンテナ 12…高周波増幅回路 13…中間周波信号出力回路 14…局部発振回路 15…混合回路 20…トラップ回路 30…クロマIC 31…中間周波増幅(VIF)回路 32…VCO回路 33…検波回路 34…AGC回路 35…同期回路 40…マイコン 41…CPU 42…ROM 43…RAM 44…D/A変換器 45…I/Oポート 50…IICバス 100,200…放送受信装置 120…SAWフィルタ 121…第二トラップ回路

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレビジョン放送と音声FM放送の双方
    の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づ
    いて映像信号と音声信号とを作成して出力する放送受信
    装置であって、 上記放送電波を受信し、増幅して出力する高周波増幅回
    路と、 この高周波増幅回路からの出力に基づいて、音声成分を
    映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間周波信号
    に変換して出力する中間周波信号出力回路と、 この中間周波信号出力回路から出力される中間周波信号
    から、同中間周波信号の音声成分の中心周波数よりも小
    さい周波数の成分を除去するトラップ回路と、 このトラップ回路にて上記周波数の成分を除去された中
    間周波信号を中間周波増幅する中間周波増幅回路と、 この中間周波増幅回路にて増幅された中間周波信号を検
    波して上記映像信号と音声信号とを出力する検波回路と
    を具備することを特徴とする放送受信装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の放送受信装置にお
    いて、 上記検波回路にて検波された中間周波信号の強さに応じ
    たAGC電圧を作成して出力するAGC回路と、音声F
    M放送の放送電波を受信するときには同AGC回路に同
    AGC電圧を変化させないマイコンとが設けられ、 上記高周波増幅回路は、上記AGC電圧に応じて上記放
    送電波を増幅し、 上記中間周波増幅回路は、上記AGC電圧に応じて上記
    中間周波信号を中間周波増幅することを特徴とする放送
    受信装置。
  3. 【請求項3】 テレビジョン放送と音声FM放送の双方
    の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づ
    いて映像信号と音声信号とを作成して出力する放送受信
    装置であって、 上記放送電波を受信し、映像成分と音声成分とで異なる
    周波数分布の中間周波信号に変換して出力するチューナ
    手段と、 このチューナ手段から出力される中間周波信号から音声
    成分の周波数分布のうち所定の周波数成分を除去するト
    ラップ手段と、 このトラップ手段にて上記周波数成分を除去された中間
    周波信号に基づいて中間周波増幅し、検波して上記映像
    信号と音声信号とを出力する増幅検波手段とを具備する
    ことを特徴とする放送受信装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載の放送受信装置にお
    いて、 上記トラップ手段は、上記中間周波信号から、同中間周
    波信号の音声成分の中心周波数に対して上記映像成分の
    周波数分布とは反対側となる周波数の成分を除去するこ
    とを特徴とする放送受信装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項4に記載の放送受信装置にお
    いて、 上記チューナ手段は、上記音声成分を上記映像成分より
    も小さい周波数の分布とし、 上記トラップ手段は、上記中間周波信号から、同中間周
    波信号の音声成分の中心周波数よりも小さい周波数の成
    分を除去することを特徴とする放送受信装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項3〜請求項5のいずれかに記
    載の放送受信装置において、 上記チューナ手段は、受信した上記放送電波を増幅して
    上記中間周波信号に変換し、 上記増幅検波手段にて検波された中間周波信号の強さに
    応じて上記チューナ手段に上記放送電波の増幅度合いを
    変更させるとともに、音声FM放送の放送電波を受信す
    るときには同放送電波の増幅度合いを変更させない自動
    利得制御手段が設けられていることを特徴とする放送受
    信装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項3〜請求項6のいずれかに記
    載の放送受信装置において、 上記増幅検波手段にて検波された中間周波信号の強さに
    応じて上記増幅検波手段に上記中間周波信号の中間周波
    増幅度合いを変更させるとともに、音声FM放送の放送
    電波を受信するときには同中間周波信号の中間周波増幅
    度合いを変更させない自動利得制御手段が設けられてい
    ることを特徴とする放送受信装置。
  8. 【請求項8】 テレビジョン放送と音声FM放送の双方
    の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づ
    いて映像信号と音声信号とを作成して出力する放送受信
    装置であって、 上記放送電波を受信し、増幅して出力する高周波増幅回
    路と、 この高周波増幅回路からの出力に基づいて、上記音声成
    分を上記映像成分よりも小さい周波数の分布とした中間
    周波信号に変換して出力するとともに、同音声成分の中
    心周波数を変更可能な中間周波信号出力回路と、 この中間周波信号出力回路から出力される中間周波信号
    を所定の周波数帯域に制限するSAWフィルタと、 このSAWフィルタにて周波数帯域を制限された中間周
    波信号を中間周波増幅する中間周波増幅回路と、 発振信号を発振するとともに、同発振信号の発振周波数
    を変更可能なVCO回路と、 上記発振信号の発振周波数に基づいて上記中間周波増幅
    回路にて増幅された中間周波信号を検波して上記映像信
    号と音声信号とを出力する検波回路と、 音声FM放送の放送電波を受信するとき、上記中間周波
    信号出力回路に上記音声成分の中心周波数を所定のFM
    受信用周波数まで上げさせるとともに、上記VCO回路
    に上記発振信号を同FM受信用周波数に対応する発振周
    波数まで上げさせる制御を行うマイコンとを具備するこ
    とを特徴とする放送受信装置。
  9. 【請求項9】 テレビジョン放送と音声FM放送の双方
    の放送電波を受信可能であり、受信した放送電波に基づ
    いて映像信号と音声信号とを作成して出力する放送受信
    装置であって、 上記放送電波を受信し、映像成分と音声成分とで異なる
    周波数分布の中間周波信号に変換して出力するととも
    に、同音声成分の中心周波数を変更可能なチューナ手段
    と、 このチューナ手段から出力される中間周波信号を所定の
    周波数帯域に制限するフィルタ手段と、 発振信号を発振するとともに、同発振信号の発振周波数
    を変更可能な可変発振手段と、 上記発振信号の発振周波数に基づいて上記フィルタ手段
    にて周波数帯域を制限された中間周波信号を中間周波増
    幅し、検波して映像信号と音声信号とを出力する増幅検
    波手段と、 音声FM放送の放送電波を受信するとき、上記チューナ
    手段に上記音声成分の中心周波数を所定のFM受信用周
    波数に変更させるとともに、上記可変発振手段に上記発
    振信号を同FM受信用周波数に対応する発振周波数に変
    更させる制御を行う制御手段とを具備することを特徴と
    する放送受信装置。
  10. 【請求項10】 上記請求項9に記載の放送受信装置に
    おいて、 上記チューナ手段は、上記音声成分を上記映像成分より
    も小さい周波数の分布とし、 上記FM受信用周波数は、テレビジョン放送の放送電波
    を受信するときの上記中間周波信号の音声成分の中心周
    波数よりも大きく設定され、 上記制御手段は、音声FM放送の放送電波を受信すると
    き、上記チューナ手段に上記音声成分の中心周波数を所
    定のFM受信用周波数まで上げさせるとともに、上記可
    変発振手段に上記発振信号を同FM受信用周波数に対応
    する発振周波数まで上げさせる制御を行うことを特徴と
    する放送受信装置。
  11. 【請求項11】 上記請求項10に記載の放送受信装置
    において、 音声FM放送の放送電波を受信するとき、上記チューナ
    手段から出力される中間周波信号から音声成分の中心周
    波数よりも大きい周波数の成分を除去して上記フィルタ
    手段に出力する第二トラップ手段が設けられていること
    を特徴とする放送受信装置。
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