JP4053797B2 - 整流器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式ガスメータ等の流路に交換可能に装着されるユニット化された整流器に関し、特に、装着が容易で装着安定性に秀れた整流器を提供することを課題としている。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子式ガスメータ等の流路には、流量検出精度を高める目的でメッシュユニット及び整流板ユニットを含む整流器が装着されることが知られている。そして、この整流器を交換可能にユニット化するというアイディアがあるが、従来の整流器及びその取り付け構造では、取り付け後にガタツキやズレが発生しやすく、器差変動等の性能変動を誘導しがちであった。このような問題点及びこの問題点を有する従来例を以下に図面を用いて説明する。
【0003】
図9は、従来の整流器が設置されたガスメータの一例を示す断面図である。図9に示すように、このガスメータは、箱型状の外形をしたガスメータ本体7の上面には、ガス供給源側及びガス消費源側に至るそれぞれのガス配管に連接される円筒状の流入口71及び流出口(付図示)が設けられている。流入口71からガスメータ本体7に形成された流路を経て流出口側に流出していく。この流路の途中には、断面凹状の外枠部に配設された整流板81を含む箱形状の整流器8を収容する整流器8の形状に対応した整流器収容部72が形成されている。この整流器収容部72の内壁にはセンサ孔73が設けられており、ここに測定面が配置されるように流量センサ74が取り付けられている。
【0004】
また、ガスメータ本体7の背面においては、整流器収容部72に装着された整流器8が、パッキン75を介して、裏面カバー76によって固定されている。この裏面カバー76は、ネジ止め部77により、ガスメータ本体7にネジ止め固定されている。また、ガスメータ本体7には、遮断弁装置、圧力検出器、感震器等の関連部品78や電池79が所定位置に配置されている。そして、このガスメータ本体7の表面には、各種電子部品を搭載する電子基板91を挟んで、表示部92、操作部93等が配設された表カバー9が覆設されている。
【0005】
そして、このような構成のガスメータにおいては、上記整流器8により整流されて流量センサ74により検出されたガスの流量を、ここでは図示しないマイコンにより積算して、その値を表示部92上に表示させる。また、流量等の異常時にはマイコンにより指令されて、流路が遮断弁装置により遮断される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記整流器収容部72は、組立時に整流器8を装着しやすくするために、整流器8の外形よりもやや大きめに形成されている。すなわち、整流器8と整流器収容部72の間にはすき間が形成されることになる。そして、組立時には、整流器8は、整流器収容部72に遊嵌された後、パッキン75を介して裏面カバー76によって押さえ付けられるのみである。
【0007】
したがって、輸送時の震動やパッキン75の経年変化等に伴い裏面カバー76による押圧力が低下すると、整流器8が上記すき間を遊動する、いわゆる整流器8のガタツキが発生しがちであった。この結果、計測精度が不安定になったり、メータの個体差や器差を発生させるという問題があった。また、整流器8を押さえ付けるためのパッキン75も必須であり、部品点数及び組立工数が増加するという問題もあった。
【0008】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、装着が容易であり、装着後にも長期にわたってガタツキが少ない整流器を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の整流器は、図1、図2及び図8に示すように、流量測定装置の流路途中の流量センサの設置箇所に対応して設けられた整流器収容部54にその開口部側から装着されて、前記流量センサにて流量検出される流体を整流する筒形の整流器1であって、前記整流器収容部54の一部を構成する少なくとも一対の対向する内壁に略平行な外側面を有し、前記外側面の縁部近傍には前記装着方向に対して略平行に延びるようにリブ(L1〜L3、L11等)が配設されており、前記リブは装着時に前記整流器収容部54の内壁に圧着されて潰れるように所定高さHの先細り形状をしており、その高さHは前記整流器収容部54の内壁と前記外側面とにより形成されるすきまの幅Gをやや超えるものであることを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、整流器収容部54の内壁に略平行な外側面の縁部近傍には、整流器収容部54への装着方向に略平行に延びるようにリブ(L1〜L3、L11等)が配設されている。したがって、これを利用して整流器1を所定位置にスムーズに誘導することができる。また、リブ(L1〜L3、L11等)は、リブは装着時に整流器収容部54の内壁に圧着されて潰れるように所定高さHの先細り形状をしており、その高さHは整流器収容部54の内壁と外側面とにより形成されるすきまの幅Gをやや超えるものである。したがって、整流器収容部54に対して整流器1を圧入するようにして、少ない力で容易に整流器1を装着することができる。そして、装着完了後には、潰れて圧着されたリブ(L1〜L3、L11等)により、長期にわたり安定的に整流器1が所定位置に保持される。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の整流器は、図2に示すように、請求項1記載の整流器において、前記リブ(L1〜L3、L11等)が配設される前記縁部近傍は、前記リブが前記内壁に圧着されて潰れる際に十分な強度を有する筐体部材の厚みT1、T2に相当する部分であることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)が配設される縁部近傍は、リブが内壁に圧着されて潰れる際に十分な強度を有する筐体部材の厚みT1、T2に相当する部分であるので、装着時及び装着後に整流器1が変形することが少ない。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の整流器は、図1及び図2に示すように、請求項2記載の整流器において、前記リブ(L1〜L3、L11等)は、三角柱形状をしていることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)をシンプルな三角柱形状にしたので、リブの形成が容易なうえ、圧着されて容易にその先端部が潰れる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の整流器は、図8に示すように、請求項3記載の整流器において、前記リブ(L1〜L3、L11等)は、装着を円滑にするために前記装着方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面L1a、L2aを有することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)は、装着方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面L1a、L2aを有するので、整流器1の装着が更に容易になる。すなわち、上述のように、装着安定性を高めるため、リブ(L1〜L3、L11等)の高さHは上記すきまの幅Gをやや超えるように形成されているが、この傾斜面L1a、L2aを利用することによりスムーズに整流器1を圧入することができる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の整流器は、図2に示すように、請求項4記載の整流器において、断面凹状をした外枠部及びこの外枠部に配設された整流板14を有する整流板ユニット13と、前記整流板ユニット13を両側から挟むようにして取り付けられ、四角形筒状の外枠部及びこの外枠部に固着されたメッシュを有する第1及び第2メッシュユニット11及び12とから構成され、前記リブ(L1〜L3、L11等)は、前記第1及び第2メッシュユニット11及び12の外枠部の外側面に配設されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)は、整流板ユニット13を両側から挟む第1及び第2メッシュユニット11及び12の外枠部の外側面に配設されているので、圧着部位をより隅部に設定することが可能になる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の整流器は、図3(A)に示すように、請求項5記載の整流器において、前記リブ(L21等)は、更に整流板ユニット13にも配設されていることを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、リブ(L21等)は、更に整流板ユニット13にも配設されているので、上記第1及び第2メッシュユニット11及び12に配設されたリブ(L1〜L3、L11等)と相まって、整流器1の装着安定性が非常に高くなる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の整流器は、図3(B)に示すように、請求項4又は5記載の整流器において、前記リブ(L31等)は、前記外側面の縁部の全長にわたって連続的に延設されていることを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、リブ(L31等)は、前記外側面の縁部の全長にわたって連続的に延設されているので、整流器1の圧入及び所定位置への誘導がよりスムーズになるうえ、装着安定性も非常に高くなる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の整流器は、図3(C)に示すように、請求項4又は5記載の整流器において、前記リブ(L1、L51等)は、前記外側面の縁部の上部及び下部にそれぞれ配設されていることを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、リブ(L1、L51等)は、外側面の縁部の上部及び下部にそれぞれ配設されているので、圧着部位が効果的に分散されて、装着安定性も非常に高くなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の整流器の一実施形態について説明する。図1及び図2はそれぞれ、本発明の整流器の一実施形態を示す斜視図及び分解斜視図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態の整流器1は、第1及び第2メッシュユニット11及び12、並びに整流板ユニット13から構成される。これらユニット11、12及び13はそれぞれ別途に形成されて、これらが一体化されて一つの整流器1が形成される。このような整流器1は、例えば、後述するガスメータの流量センサが設置されている流路の途中に装着される。
【0027】
第1メッシュユニット11は、所定長の四角形筒状の外枠部、及びこの外枠部により形成される両開口面をそれぞれ覆い、本整流器1が装着される流路のガス流方向に対して垂直になるようにこの外枠部に固着されたメッシュ15A、15Bを有する。これら外枠部及びメッシュはそれぞれ、例えば、耐熱性プラスティック製及び金属製である。この第1メッシュユニット11の両側面縁部からは可撓性のある腕状の係止片111、113が突設されている。そして、これら係止片111、113のそれぞれの先端付近には内向する係止突起111a、113aが形成されている。
【0028】
また、第2メッシュユニット12も第1メッシュユニット11と同様の構成を有しており、所定長の四角形筒状の外枠部、及びこの外枠部により形成される内側開口面を覆い、本整流器1が装着される流路のガス流方向に対して垂直になるようにこの外枠に固着されたメッシュ15Cを有する。これら外枠部及びメッシュもそれぞれ、例えば、耐熱性プラスティック製及び金属製である。この第2メッシュユニット12の両側面縁部からも可撓性のある腕状の係止片122、124が突設されている。そして、これら係止片122、124のそれぞれの先端付近には内向する係止突起122a、124aが形成されている。
【0029】
一方、整流板ユニット13は、所定長で断面凹状をした外枠部、及びこの外枠部の内壁に流路の断面を均等に分割するようにそれぞれ等間隔で平行に配設された複数の薄い板状の整流板14を有する。これら外枠部及び整流板14は共に、例えば、耐熱性プラスティック製である。この整流板ユニット13には、対向する側面外壁がくりぬかれるようにして4つの係止溝131、132等(係止片113、124に対応する係止溝は付図示)が形成されている。詳細には、係止溝131は、上記係止片111の係止突起111aがスライド可能なスライド溝131b及び係止突起111aに対応した形状の係止凹部131aから構成される。また、整流板ユニット13の外枠部の対向する内壁には、薄板状の上記複数の整流板14がそれぞれスライド挿入される複数の溝135が形成されている。他の係止溝132等も同様であるのでここでは説明を省略する。
【0030】
そして、上記整流板ユニット13を両側から挟むように第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12が組付けられて整流器1が形成され、この整流器1は、図1の矢印で示す方向に圧入されて、後述するガスメータ本体の整流器収容部に装着される。この整流器1を構成する第1及び第2メッシュユニット11及び12の外枠部の外側面には、細長い三角柱状のリブL1、L2、L3及びL11等が延設されている。リブをシンプルな三角柱形状にすることにより、リブの形成が容易になるうえ、圧着されて容易にその先端部が潰れる。
【0031】
なお、ここでは図示しないが複数の同型状のリブが第1メッシュユニット11の他の側面、及び第2メッシュユニット12の前側面及び他の側面にも延設されている。すなわち、この例では計8つのリブが設けられていることになる。このようにリブL1〜L3、L11等は、整流板ユニット13を両側から挟む第1及び第2メッシュユニット11及び12の外枠部の外側面に配設されているので、圧着部位をより隅部に設定することが可能になり、装着安定性を高める一助となる。
【0032】
これらのリブL1、L2、L3及びL11等は、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の上記外側面の縁部近傍に、上記装着方向に対して略平行に延びるように配設されている。これらの材質は、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の材質と同様のものである。これらのリブL1、L2、L3及びL11等は、装着時にガスメータの収容部の内壁に圧着されて潰れるような先細り形状をしており、例えば上述のように細長い三角柱状をしており、その高さは収容部の内壁と整流器1の外側面とにより形成されるすきまの幅をやや超えるものである。この理由については後述する。
【0033】
また、これらのリブL1、L2、L3及びL11等は、図2に示すように、リブL1、L2、L3及びL11等が内壁に圧着されて潰れる際に十分な強度を有する筐体部材の厚みT1、T2に相当する部分に配設されている。したがって、装着時や装着後にリブL1、L2、L3及びL11等が内壁に圧着されても、整流器1の外形は変形することはない。よって、装着が容易であり、装着後の測定精度も安定する。なお、T3は整流器1の底面部の厚みを示している。
【0034】
なお、上述のような構成の整流器1の組み立て時には、まず、複数の整流板14がそれぞれ、整流板ユニット13の複数の溝135にスライド挿入される。次に、上記係止片111、113の係止突起111a、113aを、係止溝131、132のスライド溝131b等上をスライドさせながら、係止凹部131a等まで誘導して、係止突起111a、113aを係止凹部131a等に係合させる。これによって、第1メッシュユニット11を整流板ユニット13に固定する。
【0035】
同様にして、第2メッシュユニット12の整流板ユニット13への固定時には、上記係止片122、124の係止突起122a、124aを、係止溝113等のスライド溝132b等上をスライドさせながら、係止凹部132a等まで誘導して、係止突起122a、124aを係止凹部132a等に係合させる。なお、この第2メッシュユニット12の整流板ユニット13への固定を、上記第1メッシュユニット11の整流板ユニット13への固定より先に行ってもよいし、組み立て時間節約のために、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12を同時に整流板ユニット13に固定するようにしてもよい。
【0036】
このようにして組み立てられた整流器1は、上述したリブL1、L2、L3及びL11等をガスメータ本体の収容部の内壁に圧着させて、それらの先端部を潰すようにして収容部に圧入する。リブL1、L2、L3及びL11等は三角柱状をしているので、その先端部が潰れやすく、少ない力で容易に整流器1を装着することができる。また、この潰れによって整流器1の固定も確実になる。このように固定された整流器1は、例えば、整流板ユニット13により上流側からのガス流を整流したり、メッシュユニット11、12によりガス流中に発生した渦を細かく砕いて流速分布を一様にしたり、ガスの逆流を防止したりする。
【0037】
次に、図3を用いて、本発明の整流器に係る他の実施形態について説明する。図3(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、本発明の整流器に係る他の実施形態を示す斜視図である。
【0038】
図3(A)に示す実施形態においては、上記図1及び図2で示した実施形態に加えて、整流板ユニット13の側面下部にもリブL21が延設されている。また、ここでは図示しないが、このリブL21と対向する他の側面下部にも、同型状のリブが形成されている。これらのリブL21等も、図2で示したような整流板ユニット13の厚みT3に相当する部分に形成されている。その理由は上述した通りである。これらリブL21等の形状及び延設方向は、図1及び図2で示したリブL1、L2、L3及びL11等と同等である。
【0039】
このように、リブL21等は、整流板ユニット13にも配設されているので、上記第1及び第2メッシュユニット11及び12に配設された上記リブL1〜L3、L11等と相まって、整流器1の装着安定性が非常に高くなる。
【0040】
また、図3(B)に示す実施形態においては、上記図1及び図2で示した実施形態におけるリブL1、L2、L3及びL11等の替わりに、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の外側面の縁部の全長にわたって連続的にリブL31、L32、L33、L34及びL41、L42、L43、L44が延設されている。これらのリブL31、L32、L33、L34及びL41、図2で示したような第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の厚みT1及びT2に相当する部分に形成されている。その理由は上述した通りである。また、これらリブL31、L32、L33、L34及びL41、L42、L43、L44の断面形状及び延設方向は、図1及び図2で示したリブL1、L2、L3及びL11等と同等である。
【0041】
このように、リブL31等は、前記外側面の縁部の全長にわたって連続的に延設されているので、整流器1の圧入及び所定位置への誘導がよりスムーズになるうえ、装着安定性も非常に高くなる。
【0042】
更に、図3(C)に示す実施形態においては、上記図1及び図2で示した実施形態に加えて、リブL51、L52、L53、L54及びL61、L62、L63、L64が延設されている。これらの設置部位は、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12上に形成された上記リブL1、L2、L3及びL11等の延設方向の延長上、すなわち、ユニット11及び12の外側面の縁部上部にそれぞれ、リブL1、L2、L3及びL11等と分散的に形成されている。これらリブL51、L52、L53、L54及びL61、L62、L63、L64もまた、第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の厚みに相当する部分に形成されている。その理由は上述した通りである。
【0043】
このように、リブL1、L51等は、整流器1(例えば、第1メッシュユニット11)の外側面の縁部の上部及び下部にそれぞれ配設されているので、圧着部位が効果的に分散されて、装着安定性も非常に高くなる。
【0044】
なお、上述の図3(A)、図3(B)及び図3(C)で示した特徴的なリブの形状及び配置は、適宜組み合わせてもよい。
【0045】
次に、上記図1、図2及び図3で示した整流器が装着されるガスメータの一例について図4〜図6を用いて説明する。図4、図5及び図6はそれぞれ、図1及び図2で示した整流器が装着されるガスメータのガスメータ本体の一例を示す平面図、背面図及び図4におけるXX線断面図である。
【0046】
上述した整流器1が装着されるガスメータは、図4、図5及び図6に示すガスメータ本体5と、ガスメータ本体5の正面側に覆設される図示しないガスメータカバーから構成される。なお、ここでは、ガスメータは、マイコンを装備して流量検出、すなわち、ガス使用量検出をしたり、ガス流異常を検出して異常処理等を行うことができる電子式ガスメータを想定している。
【0047】
図4、図5及び図6に示すように、ガスメータ本体5は箱型状の外形をしており、例えば、アルミダイキャスト製である。このガスメータ本体5の上面には、ガス供給源側及びガス消費源側に至るそれぞれのガス配管に連接される円筒状の流入口51及び流出口52が設けられている。流入口51から流入したガスは、正面からみてU字型のガスメータ本体5に形成された流路53を経て、流出口52側に流出していく。この流路53の途中には、上記整流器1の形状に対応した整流器1の整流器収容部54が形成されている。
【0048】
この整流器収容部54は、詳細には、整流器1を構成する第1メッシュユニット11、第2メッシュユニット12及び整流板ユニット13にそれぞれ対応する第1メッシュユニット収容部541、第2メッシュユニット収容部542及び整流板ユニット収容部543から構成されている。特に、整流板ユニット収容部543には、流路53を通過するガス流量を検出するための流量センサ、例えば、マイクロフローセンサ(不図示)の測定面に対応した円形状のセンサ孔544が設けられている。
【0049】
また、このガスメータ本体5には、遮断弁装置、圧力検出器、感震器等の関連部品55A、55B、55Cが所定位置に配置される。また、上記関連部品55A、55B、55Cや流量検出等の各種処理を行うマイコンに電源を供給する複数個の電池56が、ガスメータ本体5の中央部に配置される。更に、ガスメータ本体5には、上記関連部品55A、55B、55Cや、図示しない表面カバー、裏面カバーをネジ止め固定するための複数のネジ止部57A、57B、57C、57Dが設けられている。
【0050】
このような形状のガスメータ本体5に前述した整流器1が装着される。すなわち、整流器1は、ガスメータ本体5に形成された流路53の途中にある整流器収容部54に装着される。詳細には、図1に示す整流器1の一番上に配置される整流板141が、図5に示すガスメータ本体5の整流器収容部54のセンサ孔544に対向し、整流器1を構成する第1メッシュユニット11、第2メッシュユニット12及び整流板ユニット13が、整流器収容部54を構成する第1メッシュユニット収容部541、第2メッシュユニット収容部542及び整流板ユニット収容部543にそれぞれ対応するようにして、整流器1がガスメータ本体5の背面から装着される。
【0051】
そして、このようにして整流器1が装着されたガスメータ本体5の背面側には、ここでは図示しない裏面カバーが覆設されて、複数のネジ止部57Bを利用してネジ止めされる。この裏面カバーの覆設により、ガスメータ本体5の所定位置に装着された整流器1は、更に安定的に確実にガスメータ本体5に固定される。また、ガスメータ本体5の正面側にも同様に、ここでは図示しない積算流量を表示する表示器や上記マイコン等を搭載した電子基板を挟んで、表示窓部やリセットスイッチ等が配設された表面カバーが覆設されて、複数のネジ止め部57Dを利用してネジ止めされる。このようにして、図1〜図3で示したような整流器1が装着されたガスメータが組み立て完了する。
【0052】
なお、このようなガスメータでは、流量センサにより検出された流路53を通過するガス流量を、ここでは図示しないマイコンにより積算して、その値が表示器上に表示される。また、流量等の異常時にはマイコンにより指令されて、流路53が遮断弁装置により遮断される。
【0053】
更に、図7及び図8を用いて、整流器1が装着される整流器収容部54周りの構成について、説明を加える。図7(A)及び図7(B)はそれぞれ、整流器が装着された状態の整流器収容部周りの構成を示す平面図及びYY線断面図である。図8(A)及び図8(B)はそれぞれ、図7(A)のA部拡大平面図及び図7(B)のB部拡大断面図である。
【0054】
図7(A)及び図7(B)に示すように、整流器1がガスメータ本体5の整流器収容部54に装着された状態では、整流器1を構成する第1メッシュユニット11及び第2メッシュユニット12の側面にそれぞれ形成されたリブL1、L2、L3、L4、及びリブL11、L12、L13、L14のそれぞれの先端部が整流器収容部54の内壁に圧着されている。この圧着により装着後に整流器1がガタツキを防止している。また、整流器1を構成する第1メッシュユニット11、第2メッシュユニット12と、整流板ユニット13の高さは若干異なっており、この高さに対応して整流器収容部54も段差を有している。この高さの差異と段差とが係合するように、整流器1が整流器収容部54に圧入され、その上から図示しない裏面カバーが覆設されてネジ止め固定される。これにより、整流器1は、非常に安定的に収容部54に固定される。なお、図中、53及び544は前述した通り流路及びセンサ孔を示す。
【0055】
また、図8(A)及び図8(B)の拡大図に示すように、例えば、リブL2の高さHは、整流器1の一部である第1メッシュユニット11の外側面と整流器収容部54の内壁とにより形成されるすきまの幅Gをやや超えるように形成されている。この高さHは、先細り形状、すなわち断面三角形状のリブL2の先端部が、整流器収容部54の内壁に圧着されて容易に潰れ、かつこの潰れにより整流器1が整流器収容部54にガタツキなく固定されるようにするため、予め試験等を通じて求められたものである。このリブL2の高さHは、リブの材質やすき間の幅Gを考慮して適宜変更可能である。なお、リブL1やここでは図示しない上述の各リブもこれと同様である。
【0056】
更に、図8(B)に示すように、リブL1及びL2はそれぞれ、装着を円滑にするために装着方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面L1a及びL2aを有する。この傾斜面L1a及びL2aによって、整流器1の装着作業がより容易になる。すなわち、上述したように、装着安定性を高めるため、リブL1及びL2の高さHは上記すきまの幅Gをやや超えるように形成されているが、この傾斜面L1a、L2aを利用することによりスムーズに整流器1を圧入することができるようになる。もちろん、圧入完了後には上述のようにリブが潰れて整流器収容部54の内壁に圧着されるので、整流器1がガスメータ本体5に長期にわたり安定的に固定される。なお、ここでは図示しない他の各リブも同様の傾斜面を有する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、本整流器1の外側面の縁部近傍に延設されたリブを利用して整流器1を所定位置にスムーズに誘導することができる。また、リブは装着時に整流器収容部54の内壁に圧着されて潰れるように所定高さHの先細り形状をしており、その高さHは整流器収容部54の内壁と外側面とにより形成されるすきまの幅Gをやや超えるものであるので、整流器収容部54に対して整流器1を圧入するようにして、少ない力で容易に整流器1を装着することができる。そして、装着完了後には、潰れて圧着されたリブにより、長期にわたり安定的に整流器1が所定位置に保持される。すなわち、本実施形態によれば、装着が容易であり、装着完了後にもガタツキが少ない整流器1が得られ、計測精度も安定する。更に、本整流器1が装着されるガスメータ等の流量計測装置の器差、個体差も小さくすることができる。
【0058】
なお、本発明は、上述した電子式ガスメータの他、旧来の膜式メータをはじめ、他の流量計測装置にも適用可能である。また、本発明は、整流器1の外形を上記実施形態に示したような箱形に限定するものでなく、整流器収容部54の内壁に略平行な外側面を有している整流器であれば同様に適用可能である。更に、リブの形状や配置も、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、整流器収容部54の内壁に略平行な外側面の縁部近傍には、整流器収容部54への装着方向に略平行に延びるようにリブ(L1〜L3、L11等)が配設されている。したがって、これを利用して整流器1を所定位置にスムーズに誘導することができる。また、リブ(L1〜L3、L11等)は、リブは装着時に整流器収容部54の内壁に圧着されて潰れるように所定高さHの先細り形状をしており、その高さHは整流器収容部54の内壁と外側面とにより形成されるすきまの幅Gをやや超えるものであるので、整流器収容部54に対して整流器1を圧入するようにして、少ない力で容易に整流器1を装着することができる。そして、装着完了後には、潰れて圧着されたリブ(L1〜L3、L11等)により、長期にわたり安定的に整流器1が所定位置に保持される。すなわち、本発明によれば、装着が容易であり、装着完了後にもガタツキが少ない整流器1が得られ、計測精度も安定する。更に、本整流器1が装着される計測装置の器差、個体差も小さくすることができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)が配設される縁部近傍は、リブが内壁に圧着されて潰れる際に十分な強度を有する筐体部材の厚みT1、T2に相当する部分であるので、装着時及び装着後に整流器1が変形することが少ない。したがって、本発明によれば、更に装着が容易になり、測定精度も安定する。
【0061】
請求項3記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)をシンプルな三角柱形状にしたので、リブの形成が容易になるうえ、圧着されて容易にその先端部が潰れるようになる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)は、装着方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面L1a、L2aを有するので、整流器1の装着が更に容易になる。すなわち、上述のように、装着安定性を高めるため、リブ(L1〜L3、L11等)の高さHは上記すきまの幅Gをやや超えるように形成されているが、この傾斜面L1a、L2aを利用することによりスムーズに整流器1を圧入することができるようになる。
【0063】
請求項5記載の発明によれば、リブ(L1〜L3、L11等)は、整流板ユニット13を両側から挟む第1及び第2メッシュユニット11及び12の外枠部の外側面に配設されているので、圧着部位をより隅部に設定することが可能になり、より装着安定性を高めるための一助となる。
【0064】
請求項6記載の発明によれば、リブ(L21等)は、更に整流板ユニット13にも配設されているので、上記第1及び第2メッシュユニット11及び12に配設されたリブ(L1〜L3、L11等)と相まって、整流器1の装着安定性が非常に高くなる。
【0065】
請求項7記載の発明によれば、リブ(L31等)は、前記外側面の縁部の全長にわたって連続的に延設されているので、整流器1の圧入及び所定位置への誘導がよりスムーズになるうえ、装着安定性も非常に高くなる。
【0066】
請求項8記載の発明によれば、リブ(L1、L51等)は、外側面の縁部の上部及び下部にそれぞれ配設されているので、圧着部位が効果的に分散されて、装着安定性も非常に高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の整流器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の整流器の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】図3(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、本発明の整流器に係る他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】図1及び図2で示した整流器が装着されるガスメータのガスメータ本体の一例を示す平面図である。
【図5】図1及び図2で示した整流器が装着されるガスメータのガスメータ本体の一例を示す背面図である。
【図6】図4におけるXX線断面図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)はそれぞれ、整流器が装着された状態の整流器収容部周りの構成を示す平面図及びYY線断面図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)はそれぞれ、図7(A)のA部拡大平面図及び図7(B)のB部拡大断面図である。
【図9】図9は、従来の整流器が設置されたガスメータの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 整流器
11 第1メッシュユニット
12 第2メッシュユニット
13 整流板ユニット
14 整流板
15A、15B、15C メッシュ
L1、L2、L3、L11 リブ

Claims (8)

  1. 流量測定装置の流路途中の流量センサの設置箇所に対応して設けられた整流器収容部にその開口部側から装着されて、前記流量センサにて流量検出される流体を整流する筒形の整流器であって、
    前記整流器収容部の一部を構成する少なくとも一対の対向する内壁に略平行な外側面を有し、
    前記外側面の縁部近傍には前記装着方向に対して略平行に延びるようにリブが配設されており、前記リブは装着時に前記整流器収容部の内壁に圧着されて潰れるように所定高さの先細り形状をしており、その高さは前記整流器収容部の内壁と前記外側面とにより形成されるすきまの幅をやや超えるものである
    ことを特徴とする整流器。
  2. 請求項1記載の整流器において、
    前記リブが配設される前記縁部近傍は、前記リブが前記内壁に圧着されて潰れる際に十分な強度を有する筐体部材の厚みに相当する部分である
    ことを特徴とする整流器。
  3. 請求項2記載の整流器において、
    前記リブは、三角柱形状をしている
    ことを特徴とする整流器。
  4. 請求項3記載の整流器において、
    前記リブは、装着を円滑にするために前記装着方向に対して所定角度だけ傾斜した傾斜面を有する
    ことを特徴とする整流器。
  5. 請求項4記載の整流器において、
    断面凹状をした外枠部及びこの外枠部に配設された整流板を有する整流板ユニットと、前記整流板ユニットを両側から挟むようにして取り付けられ、四角形筒状の外枠部及びこの外枠部に固着されたメッシュを有する第1及び第2メッシュユニットとから構成され、
    前記リブは、前記第1及び第2メッシュユニットの外枠部の外側面に配設されている
    ことを特徴とする整流器。
  6. 請求項5記載の整流器において、
    前記リブは、更に整流板ユニットにも配設されている
    ことを特徴とする整流器。
  7. 請求項4又は5記載の整流器において、
    前記リブは、前記外側面の縁部の全長にわたって連続的に延設されている
    ことを特徴とする整流器。
  8. 請求項4又は5記載の整流器において、
    前記リブは、前記外側面の縁部の上部及び下部にそれぞれ配設されている
    ことを特徴とする整流器。
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