JP4053065B2 - 表面を超高分子量ポリエチレン繊維で被覆した釣糸 - Google Patents
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Description
しかしながら、かかる釣糸は被覆に使用している発泡ポリ塩化ビニルが釣糸の強度に寄与しないので、芯糸の強度を十分に強くしておかなければならない。また、ポリ塩化ビニルの発泡は技術的に難しく、製造工程が煩雑になるので、製品の価格にも影響し、勢い高価になってしまう。さらに、被覆に使用しているポリ塩化ビニルは、塩素原子を含んでいるために焼却時において問題視されているダイオキシンの原因となり得るので環境上好ましくないことから、業界全体が脱ポリ塩化ビニルの方向に向かっている。
糸は、汚れ等が付着しにくいため、釣糸表面がべたつくなどの問題を生じないことを知見した。そのため、釣糸が絡み合ったり、ひっついたりすることが少なくなり、その結果キャスティングが行いやすく、また釣糸の耐久性も向上する。さらに、最外層が超高分子量ポリエチレン繊維であるため、強度が強く、環境への負荷が小さいという優れた釣糸を製造することに成功した。
さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
[1] 最外層が、超高分子量ポリエチレン繊維で構成されていることを特徴とする釣糸、
[2] 最外層が、超高分子量ポリエチレン繊維で製紐されていることを特徴とする前記[1]に記載の釣糸、
[3] 釣糸が、内側から芯糸、鞘部分および最外層がこの順で積層されている3層構造の断面を有することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の釣糸、
[4] 釣糸が、内側から芯糸および最外層がこの順で積層されている2層構造の断面を有することを特徴とする前記[1] または[2]に記載の釣糸、
[5] 芯糸が、延伸可能なフィラメントからなることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の釣糸、
[6] 芯糸が、延伸不可能なフィラメントからなることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の釣糸、
[7] 釣糸が、フライラインまたはシューティングラインであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の釣糸、
に関する。
本発明の釣糸の最外層は、芯糸または鞘部分がある場合は鞘部分の周りを、超高分子量ポリエチレン繊維で製紐することにより形成されていることが好ましい。
本発明に係る釣糸がレベルラインである場合は、所望により芯糸の周りを上述の樹脂で被覆し鞘部分を形成し、ついで、芯糸、または鞘部分を形成した場合は鞘部分の周りに、超高分子量ポリエチレン繊維最外層を形成するという製造方法が本発明において好適に用いられる。
押出法としては、公知の方法に従ってよいが、例えばパイプ式押出被覆法が挙げられる。パイプ式押出被覆法について、以下に図1を用いて説明する。図1は、押出法に用いられ得る押出成形機のクロスヘッドを拡大した略示側面図である。
クロスヘッド導入部には減圧装置8が設置されており、ニップルホルダー9内を減圧し、芯糸1と被覆樹脂7が密着状態になる構造となっている。ニップルホルダー9に取付けられたパイプニップル10とダイス11の設定により、被覆された合成樹脂層の厚みを調節することができる。
クロスヘッド6により被覆成形された糸条12は、冷却水槽13により冷却される。この時クロスヘッド6の出口から冷却水槽13までの距離、すなわちエアギャップ14は約3〜5cm程度が好ましい。あまり広すぎると被覆樹脂7の熱影響により芯糸1の引張り強度が低下し、あまり狭すぎると芯糸1と被覆樹脂7の接着性能が得られない。
引取の速度は、好ましくは約100〜600m/分程度、より好ましくは約200〜400m/分程度である。引取の速度が遅すぎると、芯糸1がクロスヘッド6の温度により熱劣化するからである。また、速すぎると芯糸1と、被覆樹脂7との溶着に至らず接着性能は得られない。
接着剤としては、ホットメルト型接着剤が好ましい。また、低融点の熱可塑性樹脂としては、構成フィラメントの融点よりも低融点であればよく、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂などが挙げられる。
延伸方法は、特に限定されず、液体または気体中で加熱しながら延伸するなど公知の方法が採用され得る。延伸は、1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよい。また、延伸時の温度は、構成フィラメントの種類または糸条の太さ等によって異なるので一概にはいえない。具体的には、延伸時の温度は、約120〜300℃程度、好ましくは約130〜250℃程度、より好ましくは約130〜200℃程度、さらに好ましくは約130〜170℃程度である。
ついで、得られたテーパー状糸条の鞘部分の周りに超高分子量ポリエチレン繊維からなる最外層を形成することにより、本発明に係る釣糸を製造できる。該最外層を形成する方法としては、上述したレベルラインの製造方法と全く同様の方法が採用される。
他の延伸条件については、上述のレベルラインを製造する際の延伸条件と同様である。
上記PBO繊維は、公知またはそれに準ずる方法で製造できる。また、例えば市販の繊維、例えばザイロン(商品名 東洋紡株式会社製)を用いることもできる。
全芳香族ポリエステル繊維は、公知またはそれに準ずる方法で製造でき、また、例えばベクトラン(商品名、株式会社クラレ製)などの市販品を用いることもできる。
芯糸としてダイニーマ 150d/140F(東洋紡績株式会社製)4本を用いて、これらを製紐機で角打ちにて製紐して、原料芯糸を製造した。これを溶融したウレタンが入っているバスに通し、余剰のウレタンを除いた後、乾燥させて、芯鞘構造の糸を得た。さらに、最外層を形成する糸として、ダイニーマ 150d/140F(東洋紡績株式会社製)16本を用いて、これらを製紐機で丸打ちにて製紐して、原料糸条を製造した。これを170℃に加熱した加熱炉に送り込み、送り込みローラーと巻き取りローラーの速度を調整して、延伸速度比が1から3になるように、延伸速度を直線的に漸増させて延伸した。得られた本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、全長が27mで、糸条の一端が12号、他端が4号の滑らかなテーパー状を有していた。
芯糸として、ザイロン(東洋紡績株式会社製)4本を用いて、丸打ちにて製紐した。鞘部分を形成する樹脂として、ポリエチレンを用いた。ザイロンのリールを繰り出し装置に乗せて、ザイロンを連続して繰り出しができるようにした。
ザイロンは、予熱装置を通して加熱後、押出成形機5のクロスヘッド6へと導入した。この時の予熱温度を70〜80℃に保った。
図1に示すように、クロスヘッド6では、押出成形機5により200℃で溶融されたポリエチレンの被覆樹脂7を、加熱されたザイロン上に被覆させた。
クロスヘッド導入部には減圧装置8が設置されており、ニップルホルダー9内を減圧しザイロンとポリエチレンの被覆樹脂7が密着状態になる構造となっている。ニップルホルダー9に取付けられたパイプニップル10とダイス11の設定は、ザイロンの繊度と被覆厚(0.01cm)にあわせて設定した。
クロスヘッド6により被覆成形された糸条12は、冷却水槽により冷却させた。この時クロスヘッド6の出口から冷却水槽までの距離、すなわちエアギャップは、6.5cmとした。
冷却水槽で冷却された糸条12は、引取装置により引き取った。この時の速度は200m/分であった。次に、巻取装置により巻き取りリールに巻き取った。
最後に、最外層を形成する糸として、ダイニーマ 150d/140F(東洋紡績株式会社製)16本を用いて、これらを製紐機で丸打ちにて製紐して、レベルライン状の糸条を製造した。得られたレベルラインの釣糸は、表面が滑らかで、断面の周長が一定であった。
実施例1および2で得られた釣糸、さらに、比較として、芯糸が超高分子量ポリエチレン繊維で、鞘部分がポリウレタン樹脂で被覆されている釣糸を用意した。これら3種類の釣糸を大阪湾でフライフィッシングを行うのと同様にキャスティングを繰り返した。2時間経過すると、比較例の釣糸は、ラインがべたつきだし、キャスティング性能およびフィーリングを維持できなくなった。これに対し、本発明にかかる釣糸は、その時点でかかる不都合は生じなかった。
6 クロスヘッド
7 被覆樹脂
8 減圧装置
9 ニップルホルダー
10 パイプニップル
11 ダイス
12 糸条
Claims (2)
- 内側から、延伸可能なフィラメントからなる芯糸、鞘部分および超高分子量ポリエチレン繊維から構成されている最外層をこの順で積層させて3層構造の断面を有するレベルラインとし、次いで該レベルラインを延伸処理してテーパー状に形成することを特徴とするフライフィッシング用釣糸の製造方法。
- フライフィッシング用釣糸が、フライラインまたはシューティングラインであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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