JP4052826B2 - マスクと露光対象基板との搬送に兼用できる搬送アーム及びそれを備えた露光装置 - Google Patents
マスクと露光対象基板との搬送に兼用できる搬送アーム及びそれを備えた露光装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造工程において露光対象基板であるガラス基板やカラーフィルタ等の面上にパターンを形成するプロキシミティ露光装置に係り、特に、パターン形成用のマスクと露光対象基板との搬送に兼用できる搬送アーム及びそれを備えた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、CRT(Cathode Ray Tube)に比べて薄型化、軽量化が可能であるため、CTV(Color Television)やOA機器等のディスプレイ装置として採用され、画面サイズも10型以上の大型化が図られ、より一層の高精細化及びカラー化が押し進められている。
【0003】
液晶ディスプレイは、フォトリソグラフィ技術によりガラス基板の表面に微細なパターンを描画して作られる。露光装置は、フォトマスクの微細パターンをガラス基板上に投影・転写するものである。露光装置としては、マスクパターンをレンズまたはミラーを用いてガラス基板上に投影するプロジェクション方式と、フォトマスクとガラス基板との間に微小なギャップを設けてマスクパターンをガラス基板上に転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式の露光装置は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能が劣るものの、照射光学系が非常にシンプルであり、スループットが高く、装置コストから見たコストパフォーマンスも優れており、生産性の高い量産用装置に適したものである。
【0004】
従来、プロキシミティ方式の露光装置として、例えば、ガラス基板搬送用の基板搬送系と、該基板搬送系の外側に配置されたフォトマスク搬送用のマスク搬送系などを備えるものが知られている。基板搬送系は、基板搬入ユニット、アライメントステージユニット、基板搬出ユニットなどを具備してなり、該基板搬入ユニットに設けられた搬送アームによってガラス基板をアライメントステージユニットに搬入する。このガラス基板は、その非露光面がアライメントステージユニットに設けられた露光チャックによって吸着保持される。一方、マスク搬送系は、オートマスクチェンジャ、マスクストッカなどを具備してなり、該オートマスクチェンジャに設けられた搬送アームによってマスクストッカからフォトマスクをアライメントステージユニットまで搬送する。このフォトマスクは、その非パターン形成面がアライメントステージユニットに設けられたマスクホルダによって吸着保持される。アライメントステージユニットでは、ガラス基板の搬入ずれ量を補正するプリアライメントと、フォトマスクとガラス基板との間隔を所定の微小ギャップ(セパレーションギャップ)に設定するプロキシミティギャップ制御と、フォトマスクとガラス基板とを高精度に重ね合わせるアライメントを行う。アライメントが完了した後に、照射光学系から露光光をフォトマスクに照射してマスクパターンをガラス基板面上に転写する露光処理を行う。露光処理の終了したガラス基板は基板搬出ユニットに設けられた搬送アームによってアライメントステージユニットから搬出される。
【0005】
上記の従来知られた露光装置おいて、基板搬送系では、スループットを向上するため、アライメントステージユニットに対してガラス基板の搬入・搬出のタクト作業を高速化しなければならないという命題がある。このため、基板搬送系では、搬送アームは、高速に駆動されることから、ガラス基板の非露光面を強固に保持できなければならない。従来、基板搬送系の搬送アームとして、ガラス基板を一対のアームによって保持するアーム部材を備え、該各アーム上にガラス基板の非露光面を吸着保持する複数の吸着パッドを設けたものがある。この搬送アームでは、各アームの複数の吸着パッドによってガラス基板の非露光面を吸着保持することにより、当該搬送アームの高速駆動によるガラス基板の変位を防止して、該ガラス基板の搬送安定性を確保している。一方、マスク搬送系では、フォトマスクに形成されているマスクパターンの損傷を防止しなければならないという命題がある。従来、マスク搬送系の搬送アームとして、フォトマスクを一対のアームによって保持するアーム部材を備え、該各アーム上にフォトマスクのパターン形成面の周辺部すなわちマスクパターンが形成されていないコーナー部を保持するマスク保持部を設けたものがある。この搬送アームでは、各アームのマスク保持部によってフォトマスクのパターン形成面のコーナー部を載置した状態に保持し、当該搬送アームをフォトマスクが動かないように低速に、かつ緩やかに駆動することにより、該フォトマスクの搬送安定性を確保している。すなわち、搬送アームを低速に、かつ緩やかに駆動することによってマスクパターンがマスク保持部に接触して損傷することを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の露光装置においては、基板搬送系とマスク搬送系とを備え、該各搬送系をそれぞれ独立した駆動装置によって駆動している。すなわち、基板搬送系では、基板搬入ユニットの搬送アームを基板搬入用の駆動装置によって駆動し、基板搬出ユニットの搬送アームを基板搬出用の駆動装置によって駆動している。また、マスク搬送系では、オートマスクチェンジャの搬送アームをマスク搬送用の駆動装置によって駆動している。このように、基板搬送系の2つの搬送アーム及びマスク搬送系の搬送アームをそれぞれ独立した駆動装置によって駆動するので、装置構造が複雑化して装置コストも高コストになるという問題があった。そこで、基板搬送系とマスク搬送系のいずれか一方の搬送アームをガラス基板とフォトマスクとの搬送に兼用し、該搬送アームを単一の駆動装置によって駆動することが考えられる。しかしながら、基板搬送系の搬送アームをフォトマスクの搬送に兼用しようとすると、フォトマスクのサイズによってはパターン形成面のマスクパターン領域内に上述した各アームの吸着パッドが位置することがある。この場合、吸着パッドがマスクパターン領域内を吸着保持することから、フォトマスクのマスクパターンが損傷してしまうという問題が生ずる。一方、マスク搬送系の搬送アームをガラス基板の搬送に兼用しようとすると、上述した各アーム部のマスク保持部によってガラス基板の非露光面のコーナー部を載置した状態に保持するので、ガラス基板を強固に保持することができず、ガラス基板の搬送安定性を確保できないという問題が生ずる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、マスクを損傷することなく保持できると共に、露光対象基板を強固に保持することのできる兼用タイプの搬送アーム及びそれを備えた露光装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る搬送アームは、パターン形成用のマスクに光を照射して露光対象基板の基板面上に所定のパターンを形成する露光装置において、前記マスクと前記露光対象基板との搬送に兼用するための搬送アームであって、露光対象基板とマスクとの搬送に共通して用いる搬送用のアーム部材と、前記アーム部材上に配置され、前記露光対象基板を吸着保持する複数の吸着パッドと、前記マスクのパターン形成面のコーナー部を保持するマスクアダプタであって、所定の位置に配置され、前記複数の吸着パッドのうち、該マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによって吸着保持されることにより該マスクのコーナー部を保持するマスクアダプタとを具えたものである。これによれば、アーム部材上において、複数の吸着パッドによって露光対象基板を吸着保持するので、露光対象基板を強固に保持でき、また、複数の吸着パッドのうち、マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによってマスクのパターン形成面のコーナー部を保持するので、搬送中のマスクパターンの損傷を防止できる。
【0009】
また、本発明に係る露光装置は、パターン形成用のマスクに光を照射して露光対象基板の基板面上に所定のパターンを形成する露光装置において、マスクと露光対象基板との搬送に兼用するための搬送アームであって、該露光対象基板と該マスクとの搬送に共通して用いる搬送用のアーム部材と、該アーム部材上に配置され、該露光対象基板を吸着保持する複数の吸着パッドと、該マスクのパターン形成面のコーナー部を保持するマスクアダプタであって、所定の位置に配置され、該複数の吸着パッドのうち、当該マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによって吸着保持されることにより当該マスクのコーナー部を保持するマスクアダプタとを備える搬送アームと、前記露光対象基板を搬送する場合に、前記複数の吸着パッドに該露光対象基板を吸着する吸着エアーを供給し、前記マスクを搬送する場合には、該マスクのコナー部に対応する吸着パッドに前記マスクアダプタを吸着する吸着エアーを供給する供給手段と、前記露光対象基板を搬送する場合と前記マスクを搬送する場合とに応じて前記アーム部材を所定の位置に移動するように駆動する駆動制御手段とを具えたものである。これによれば、露光対象基板を搬送する場合とマスクを搬送する場合とに応じてアーム部材を駆動制御手段によって所定の位置に移動するように駆動することができるので、装置構成を簡略化できると共に装置コストの低コスト化を図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る搬送アームAの一実施例の概略構成を示す斜視図である。
図1において、搬送アームAは、二点鎖線にて示されるフォトマスクMとガラス基板Pとの搬送に共通して用いるアーム部材1を備える。アーム部材1は、平板状の基部1aと、該基部1aから同方向に平行に延びる一対のアーム1bとを有して、平面形状がほぼコの字形状となるように形成される。一対のアーム1bには、ガラス基板Pの非露光面(図示例では、ガラス基板Pの下面)と対向する上面に、該アーム1bの長手方向に沿って複数の吸着パッド2a〜2hが配置されている。本例では、一対のアーム1bの先端側と後端側とに1つずつ吸着パッド2a及び2bを配置し、該各吸着パッド2a,2bとの間に、3つの近接した吸着パッド2c〜2e及び2f〜2hをほぼ等しい間隔をおいて配置している。また、一対のアーム1bには、先端側と後端側の各吸着パッド2a,2bの周辺に、マスクアダプタ3a〜3dの下面に設けられた一対のピン3a1〜3d1を収受する位置決め用の穴4a〜4dが穿設されている。
【0011】
アーム部材1は、一対のアーム1bにおいて、先端側及び後端側の吸着パッド2a,2bに連通する第1のエアー供給通路5aと、3つの近接した吸着パッド2c〜2e及び2f〜2hに連通する第2のエアー供給通路5bとを内部に備える。第1のエアー供給通路5aには、圧力センサPS1と電磁弁V1とが接続されている。また、第2のエアー供給通路5bには、圧力センサPS2と電磁弁V2とが接続されている。
電磁弁V1,V2は、真空ポンプなどの図示しない真空源に接続される。電磁弁V1は、その内部にエアー供給通路5aを開閉する弁体(図示せず)を備えている。また、電磁弁V2は、その内部にエアー供給通路5bを開閉する弁体(図示せず)を備えている。電磁弁V1,V2は、アーム部材1によってガラス基板Pを搬送する場合に、追って説明する制御ユニット15(図2及び図3参照)によって弁体がエアー供給通路5a,5bを開放するように制御される。このとき、真空源から負圧の吸着エアーが電磁弁V1,V2及びエアー供給通路5a,5bを通じてアーム部材1の全ての吸着パッド2a〜2hに供給されるので、該吸着パッド2a〜2hによってガラス基板Pの非露光面を吸着保持することができる。また、電磁弁V1は、アーム部材1によってフォトマスクMを搬送する場合に、制御ユニット15によって弁体がエアー供給通路5aを開放するように制御される。このとき、真空源から負圧の吸着エアーが電磁弁V1及びエアー供給通路5aを通じてアーム部材1の先端側及び後端側の吸着パッド2a,2bに供給されるので、該吸着パッド2a,2bによってマスクアダプタ3a〜3dを吸着保持することができる。
圧力センサPS1は、第1のエアー供給通路5a内の吸着エアー圧を検出するものである。すなわち、圧力センサPS1は、電磁弁V1及びエアー供給通路5aを通じて供給された吸着エアーによって吸着パッド2a,2bがマスクアダプタ3a〜3dを吸着保持したときの該エアー供給通路5a内の吸着エアー圧を検出し、その検出信号を制御ユニット15に出力する。圧力センサPS2は、第2のエアー供給通路5b内の吸着エアー圧を検出するものである。すなわち、圧力センサPS2は、電磁弁V2及びエアー供給通路5bを通じて供給された吸着エアーによって吸着パッド2c〜2hがガラス基板Pを吸着保持したときの該エアー供給通路5b内の吸着エアー圧を検出し、その検出信号を制御ユニット15に出力する。
なお、圧力センサPS1,PS2と電磁弁V1,V2は、必要に応じてアーム部材1の内部又は外部に配置してよい。
【0012】
また、アーム部材1には、搬送対象物がガラス基板Pであるか、フォトマスクMであるかを検出する検出センサSが配置される。本例では、検出センサSとして、例えば、光電センサを用いている。検出センサである光電センサSは、一方のアーム1b上において、先端側の吸着パッド2aに近接して配置されている。この光電センサSは、例えば、LEDなどの発光素子と、CCDリニアセンサなどの受光素子とを含んで構成される。
ところで、搬送対象物がガラス基板Pである場合、ガラス基板Pは、全ての吸着パッド2a〜2hによって一対のアーム1b上に吸着保持される。しかし、搬送対象物がフォトマスクMである場合には、フォトマスクMは、マスクアダプタ3a〜3dを介して一対のアーム1b上に保持される。このため、ガラス基板Pとアーム1b間に形成される隙間と、フォトマスクMとアーム1b間に形成される隙間とでは、該ガラス基板Pとアーム1b間に形成される隙間の方が、マスクアダプタ3a〜3dが介在していない分だけ、該フォトマスクMとアーム1b間に形成される隙間よりも小さい。
このように、搬送対象物がガラス基板Pである場合とフォトマスクMである場合とでは、アーム1bとの間に形成される隙間が異なる。このため、光電センサSでは、ガラス基板Pの非露光面、又はフォトマスクMのパターン形成面の非パターン形成領域に発光素子から光を照射し、該ガラス基板Pの非露光面、又はフォトマスクMのパターン形成面の非パターン形成領域で反射する反射光を受光素子の異なる位置で受光することになる。したがって、光電センサSでは、ガラス基板P、又はフォトマスクMから得られる反射光を受光素子の異なる位置で検出し、それぞれの検出信号を制御ユニット15に出力する。
【0013】
マスクアダプタ3a〜3dは、それぞれ、側面形状がほぼLの字状となるように形成され、フォトマスクMのパターン形成面(図示例では、フォトマスクMのの下面)と対向する上面に、当該パターン形成面のコーナー部を保持する凸状の保持部3a2〜3d2を備える。このマスクアダプタ3a〜3dは、アーム部材1の先端側と後端側の各吸着パッド2a,2bの位置と個々に対応するように図示しないマスクアダプタ用ホルダに取り外し自在に保持される。このマスクアダプタ3a〜3dは、例えば、図2に示されるように、ガラス基板Pを搬送する基板搬送ユニット11の上方に配置される。
【0014】
図2は、図1に示される搬送アームAを適用した露光装置Bの一実施例の概略構成を示す斜視図である。
図2において、露光装置Bは、ガラス基板Pを搬送する基板搬送ユニット11と、該基板搬送ユニット11の上方に配置されたマスクアダプタ3a〜3dと、フォトマスクMを取り外し自在に格納するマスクストッカ12と、搬送アームAのアーム部材1を備えるアーム駆動ユニット13と、アライメントステージユニット14と、露光装置全体を制御する制御ユニット15と、照射光学系を備える露光ユニット(図示せず)などを含んで構成される。基板搬送ユニット11は、例えば、ローラコンベア方式によってガラス基板Pを矢印にて示すY方向へ搬送する。基板搬送ユニット11において、アーム駆動ユニット13にガラス基板Pを供給する基板供給位置には、搬送アームAの一対のアーム1aが入り込む空間部11aが設けられる。マスクアダプタ3a〜3bは、基板搬送ユニット11の空間部11aの上方に、図示しないマスクアダプタ用ホルダによって着脱自在に保持されている。マスクストッカ12とアーム駆動ユニット13とアライメントステージユニット14は、それぞれ、基板搬送ユニット11の外側に配置される。例えば、マスクストッカ12とアーム駆動ユニット13は、基板搬送ユニット11に沿って並列に配置され、アライメントステージユニット14は、該アーム駆動ユニット13と基板搬送ユニット11の反対側で対向するように配置される。
【0015】
アーム駆動ユニット13は、アーム部材1を搭載し、かつ、該アーム部材1を駆動するX軸、Z軸、θ軸の3軸を備えるアーム駆動テーブル13aと、該各軸を個別に回転駆動する駆動モータを備える駆動部13bなどを含んで構成される。ここに、X軸とは、基板搬送ユニット11、マスクストッカ12、アライメントステージユニット14のそれぞれに対してアーム部材1を進退移動するための駆動軸のことである。また、Z軸とは、基板搬送ユニット11、マスクストッカ12、アライメントステージユニット14のそれぞれに対してアーム部材1を昇降移動する駆動軸のことである。また、θ軸とは、上記のZ軸回りにアーム部材1を回動する駆動軸のことである。このアーム駆動ユニット13は、ガラス基板Pを搬送する場合、及びフォトマスクMを搬送する場合に、図3に示される制御ユニット15の制御部15cによって駆動部13bの駆動モータが駆動制御される。
【0016】
アライメントステージユニット14は、マスクホルダ14aと、露光チャック14bと、チルティングZステージ14cと、ガラス基板アライメントステージ14dなどを含んで構成される。マスクホルダ14aは、アーム部材1によって搬送されてくるフォトマスクMの非パターン形成面の周辺部を吸着保持する。露光チャック14bは、アーム部材1によって搬送されてくるガラス基板Pの非露光面を吸着保持する。チルティングZステージ14cは、露光チャック14bを平行に昇降動する粗動ステージと、露光チャック14b上でガラス基板Pをチルティングしてプロキシミティギャップ制御を行う3点接触型のチルト駆動モータとから構成される。ガラス基板アライメントステージ14dは、露光チャック14bをX方向に移動するX軸ステージと、露光チャック14bをY方向に移動するY軸ステージと、露光チャック14bをθ方向に移動するθ軸ステージなどで構成される。上記のアライメントステージユニット14では、露光ユニットの照射光学系から照射される露光光によってフォトマスクMのマスクパターンをガラス基板Pに露光する前に、露光前処理として、搬送アームAによるガラス基板Pの搬入ずれ量を補正するプリアライメント、フォトマスクMとガラス基板Pとの間隔を所定の微小ギャップ(セパレーションギャップ)に設定するプロキシミティギャップ制御、フォトマスクMとガラス基板Pとを高精度に重ね合わせるアライメントなどを行うが、この露光前処理は、前述した従来の露光装置と同じであるため、その説明を省略する。
【0017】
図3は、図2に示される露光装置Bのアーム駆動ユニット13の駆動制御系の一実施例を示す制御ブロック図である。
図3において、制御ユニット15は、入出力回路15aと、メモリ部15bと、制御部15cなどを備える。入出力回路15aは、圧力センサPS1,PS2、光電センサSからの検出信号をA/D変換(アナログ−ディジタル変換)するA/D変換回路や、電磁弁V1,V2、アーム駆動ユニット13の駆動部13bの制御に必要な所定の回路などを含んで構成される。ROMやRAMを含んで構成されるメモリ部15bには、アーム駆動ユニット13の駆動部13bの駆動制御に必要とされるプログラム及び各種基準データ(設定データ)が記憶されている。制御部15cは、MPUなどから構成されてなり、メモリ部15bに記憶されているプログラムを実行して、アーム駆動ユニット13の駆動部13bにおける駆動モータの駆動制御や電磁弁V1,V2の開閉制御に必要な判定処理や、該駆動モータの駆動制御や該電磁弁V1,V2の開閉制御などの各種処理を行う。
【0018】
図3、図4及び図5を参照して、アーム駆動ユニット13のアーム部材1によるガラス基板Pの搬送動作の一実施例を説明する。
図4は、アーム部材1によるガラス基板Pの搬送動作の一実施例を示す図、図5は、アーム部材1がガラス基板Pを吸着保持した状態を示す図である。
図4(a)において、アーム駆動ユニット13は、図3に示される制御ユニット15の制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を実線で示す待機位置から基板搬送ユニット11に向けて矢印にて示すX方向へ移動させる。これによって、アーム部材1は、待機位置から一点鎖線にて示す位置すなわち一対のアーム1bが基板搬送ユニット11の空間部11aに入り込む位置まで移動する。このとき、アーム1bは、ガラス基板Pの非露光面と対向する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。また、制御部15cよって、図5に示される電磁弁V1,V2は、内部の弁体がエアー吸引通路5a,5bを開放するように制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、基板搬送ユニット11の空間部11aから同図(a)に矢印にて示すZ方向の所定の位置まで上昇する。例えば、アーム駆動テーブル13aは、図2に示される基板搬送ユニット11とマスクアダプタ3a〜3d間の所定の位置(図4(a)に一点鎖線にて示す位置すなわち図4(b)に示されるアライメントステージユニット14の露光チャック14b上の位置)まで上昇する。また、電磁弁V1,V2は、内部の弁体がアーム部材1のエアー吸引通路5a,5bを開放するので、該エアー吸引通路5a,5bには真空源から負圧の吸着エアーが供給される。アーム駆動テーブル13aの上昇過程において、アーム部材1のアーム1bがガラス基板Pの非露光面に当接する。その際に、ガラス基板Pは、図5に示されるように、その露光面が上記の吸着エアーによってアーム部材1の全ての吸着パッド2a〜2hに吸着保持される。
ガラス基板Pが吸着パッド2a〜2hに吸着保持されると、図5に示される圧力センサPS2及び光電センサSは、制御ユニット15に検出信号を出力する。制御部15cでは、圧力センサPS2からの検出信号を入力し、該検出信号の検出値と所定の判定基準値(例えば、大気圧の値)とを比較し、該検出値が判定基準値よりも小さい場合に、全ての吸着パッド2a〜2hによってガラス基板Pを吸着保持したことを判定する。また、制御部15cでは、光電センサSからの検出信号を入力し、該検出信号の検出値とガラス基板Pとアーム1b間の隙間に応じた所定の判定基準値とを比較し、該検出値と判定基準値とがほぼ等しい場合に、搬送対象物としてガラス基板Pを吸着保持したことを判定する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、一点鎖線にて示される所定の位置から同図(a)に矢印にて示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度(図示例では、ほぼ180度)だけ回転する。
【0019】
図4(b)において、アーム駆動テーブル13aが同図(a)に示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度だけ回転すると、アーム部材1はアライメントステージユニット14の露光チャック14bの真上に移動する。アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、同図(b)に矢印にて示す−Z方向へアーム部材1と共に下降する。
【0020】
図4(c)において、アーム駆動テーブル13aが同図(b)に示す−Z方向へ搬送アームAと共に下降すると、アーム部材1の一対のアーム1b,1bは露光チャック14bに設けられた一対の溝部14b1,14b1内に入り込む。このとき、図5に示される電磁弁V1,V2は、制御ユニット15の制御部15cによって内部の弁体がエアー吸引通路5a,5bを閉塞するように制御される。これにより、アーム部材1の全ての吸着パッド2a〜2hへの吸着エアーの供給が停止されるので、ガラス基板Pが露光チャック14b上に載置される。
これによって、アーム部材1によるガラス基板Pの搬送が完了する。このガラス基板Pは、露光チャック14b上に吸着保持される。
ガラス基板Aの搬送が完了すると、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、図4(c)に矢印にて示す−X方向へアーム部材1を移動する。
【0021】
図4(d)において、アーム部材1が同図(c)に示す−X方向に移動すると、アーム部材1は実線にて示す位置まで移動する。アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、同図(d)に矢印にて示す−θ方向へアーム部材1と共に回転して、一点鎖線にて示す位置すなわち図4(a)に実線にて示す位置まで戻る。
【0022】
次に、図3、図4、図6及び図7を参照して、アーム駆動ユニット13のアーム部材1によるフォトマスクMの搬送動作の一実施例を説明する。
図6は、アーム部材1によるフォトマスクMの搬送動作の一実施例を示す図、図7は、アーム部材1がフォトマスクMをマスクアダプタ3a〜3dによって保持した状態を示す図である。
図6(a)において、アーム駆動ユニット13は、図3に示される制御ユニット15の制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1と共に矢印にて示すZ方向に上昇する。これによって、アーム駆動テーブル13aは、実線にて示す位置から一点鎖線にて示す位置すなわちマスクアダプタ3a〜3dの近傍まで上昇する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を同図(a)に矢印にて示すX方向へ移動させる。これによって、アーム部材1は、図7に示す吸着パッド2a,2bがマスクアダプタ3a〜3dに対向する位置まで移動する。
【0023】
図6(b)において、アーム駆動テーブル13aは、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。また、制御部15cよって、図7に示される電磁弁V1は、内部の弁体がエアー吸引通路5aを開放するように制御される。電磁弁V1は、内部の弁体がアーム部材1のエアー吸引通路5aを開放するので、該エアー吸引通路5aには真空源から負圧の吸着エアーが供給される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1と共にZ方向に上昇する。この上昇過程において、図1に示されるアーム部材1の穴4a〜4dにマスクアダプタ3a〜3dのピン3a1〜3d1が入り込む。これによって、マスクアダプタ3a〜3dは、アーム部材1の一対のアーム1b,1bの対応する吸着パッド2a,2bに位置決めされ、その状態で上記の吸着エアーによって当該吸着パッド2a,2bに吸着保持される。
マスクアダプタ3a〜3dが吸着パッド2a,2bによ吸着保持されると、図7に示される圧力センサPS1は、制御ユニット15に検出信号を出力する。制御部15cでは、圧力センサPS1からの検出信号を入力し、該検出信号の検出値と所定の判定基準値(例えば、大気圧の値)とを比較し、該検出値が判定基準値よりも小さい場合に、吸着パッド2a,2bによってマスクアダプタ3a〜3dを吸着保持したことを判定する。この判定結果によって、アーム駆動テーブル13aは、さらにZ方向に上昇してマスクアダプタ3a〜3dをマスクアダプタ用ホルダから取り外した後に停止する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を同図(a)に矢印にて示す−X方向へ移動させる。これによって、アーム部材1は、マスクアダプタ3a〜3dを保持した状態で元の位置まで戻る。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、同図に矢印にて示す−Z方向にアーム部材1と共に下降して、一点鎖線にて示す位置すなわちアーム部材1の待機位置までに戻る。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、一点鎖線にて示される所定の位置から矢印にて示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度(図示例では、ほぼ90度)だけ回転する。
【0024】
図6(c)において、アーム駆動テーブル13aが同図(b)に示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度だけ回転すると、アーム部材1はマスクストッカ12の正面に移動する。アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を矢印にて示すX方向へ移動させる。これによって、アーム部材1は、図7に示すマスクアダプタ3a〜3dがマスクストッカ12内のフォトマスクM(図示例では、最下段のフォトマスクM)のパターン形成面のコーナー部に対向する位置まで移動する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1と共にZ方向に上昇する。この上昇過程において、図7に示されるマスクアダプタ3a〜3dはフォトマスクMのパターン形成面のコーナー部を保持する。
フォトマスクMがマスクアダプタ3a〜3dに保持されると、図7に示される光電センサSは、制御ユニット15に検出信号を出力する。制御部15cでは、光電センサSからの検出信号を入力し、該検出信号の検出値とフォトマスクMとアーム1b間の隙間に応じた所定の判定基準値とを比較し、該検出値と判定基準値とがほぼ等しい場合に、搬送対象物としてフォトマスクMを保持したことを判定する。この判定結果によって、アーム駆動テーブル13aは、さらにZ方向へ上昇してフォトマスクMをマスクストッカ12から取り外した後に停止する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を同図(c)に−X方向へ移動する。これにより、アーム部材1は、フォトマスクMをマスクアダプタ3a〜3dによって保持した状態で一点鎖線にて示す元の位置まで戻る。
【0025】
図6(d)において、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、同図に矢印にて示す−Z方向にアーム部材1と共に下降して、一点鎖線にて示す位置すなわちアーム部材1の待機位置までに戻る。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、一点鎖線にて示される所定の位置から矢印にて示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度(図示例では、ほぼ90度)だけ回転する。
【0026】
図6(e)において、アーム駆動テーブル13aが同図(d)に示すθ方向へアーム部材1と共に所定の角度だけ回転すると、アーム部材1はアライメントステージユニット14に対向する位置に移動する。アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を実線で示す位置から矢印にて示すZ方向へ移動させる。これによって、アーム駆動テーブル13aは、実線にて示す位置から一点鎖線にて示す位置すなわちマスクホルダ14aの近傍まで上昇する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を矢印にて示すX方向へ移動させる。これにより、アーム部材1は、図7に示すフォトマスクMがマスクホルダ14aの真下まで移動する。
これによって、アーム部材1によるフォトマスクMの搬送が完了する。このフォトマスクMは、マスクホルダ14aによって吸着保持される。
フォトマスクMの搬送が完了すると、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、同図(e)に矢印にて示す−Z方向の所定の位置まで下降する。例えば、アーム搬送テーブル13aは、同図(e)に示されるマスクホルダ14aと露光チャック14b間の所定の位置(図6(f)に一点鎖線にて示す位置すなわち図6(a)に示されるマスクアダプタ3a〜3dを配置した位置と同じ高さ位置)まで下降する。
【0027】
図6(f)において、アーム駆動テーブル13aが同図(e)に示す−Z方向の所定の位置まで下降すると、アーム部材1はマスクホルダ14aと露光チャック14b間の所定の位置まで下降する。アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、実線にて示される所定の位置から矢印にて示す−θ方向へアーム部材1と共に所定の角度(図示例では、ほぼ180度)だけ回転する。アーム搬送テーブル13aが−θ方向へアーム部材1と共に所定の角度だけ回転すると、アーム部材1は一点鎖線にて示す位置すなわちマスクアダプタ3a〜3dを配置した位置の下方に移動する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのθ軸用駆動モータが正回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、θ軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1と共に矢印にて示すZ方向に上昇する。この上昇過程において、マスクアダプタ3a〜3dがマスクアダプタ用ホルダに保持される。このとき、図5に示される電磁弁V1は、制御ユニット15の制御部15cによって内部の弁体がエアー吸引通路5bを閉塞するように制御される。これにより、図5に示されるアーム部材1の先端側及び後端側の吸着パッド2a,2bへの吸着エアーの供給が停止される。そして、アーム駆動テーブル13aは、マスクアダプタ3a〜3dをマスクアダプタ用ホルダにセットした後に停止する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、図1に示されるマスクアダプタ3a〜3dのピン3a1〜3d1がアーム部材1の穴4a〜4bから抜け出る位置までアーム部材1と共に矢印にて示す−Z方向に下降する。
次に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのX軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。図示していないが、アーム駆動テーブル13aは、X軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1を元の位置に移動する。しかる後に、アーム駆動ユニット13は、制御部15cよって駆動部13bのZ軸用駆動モータが逆回転方向へ回転するように駆動制御される。これによって、アーム駆動テーブル13aは、Z軸用駆動モータが駆動制御されることにより、アーム部材1と共に元の位置すなわち図6(a)に実線にて示す位置に戻る。
【0028】
本実施の形態に示す搬送アームAによれば、アーム部材1において、複数の全ての吸着パッド2a〜2hによってガラス基板Pの非露光面を吸着保持するので、ガラス基板Pを強固に保持することができ、また、アーム部材1の先端側及び後端側の吸着パッド2a,2bにより吸着保持したマスクアダプタ3a〜3dによってフォトマスクMのパターン形成面のコーナー部を保持するので、搬送中のマスクパターンの損傷を防止することができる。
また、本実施の形態に示す露光装置Bによれば、ガラス基板Pを搬送する場合に、制御ユニット15によってアーム駆動ユニット13を駆動制御することにより、アーム部材1を基板搬送ユニット11の基板供給位置とアライメントステージユニット14の露光チャック14bに移動し、フォトマスクMを搬送する場合には、制御ユニット15によってアーム駆動ユニット13を駆動制御することにより、アーム部材1をマスクアダプタ3a〜3dの配置位置とマスクストッカ12とアライメントステージユニット14のマスクホルダ14aとに移動する。すなわち、ガラス基板Pを搬送する場合とフォトマスクMを搬送する場合とに応じてアーム部材1を制御ユニット15及びアーム駆動ユニット13によって所定の位置に移動するように駆動できるので、装置構成を簡略化できると共に装置コストの低コスト化を図れる。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る搬送アームによれば、アーム部材上において、複数の吸着パッドによって露光対象基板の非露光面を吸着保持するようにしたので、露光対象基板を強固に保持することができ、また、複数の吸着パッドのうち、マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによってマスクのパターン形成面のコーナー部を保持するようにしたので、搬送中のマスクパターンの損傷を防止することができる、という優れた効果を奏する。
また、本発明に係る露光装置によれば、露光対象基板を搬送する場合とマスクを搬送する場合とに応じてアーム部材を駆動制御手段によって所定の位置に移動するように駆動できるので、装置構成を簡略化できると共に装置コストの低コスト化を図れる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る搬送アームの一実施例の概略構成を示す斜視図。
【図2】 本発明に係る搬送アームを適用した露光装置の一実施例の概略構成を示す斜視図。
【図3】 図2に示される露光装置のアーム駆動ユニットの駆動制御系の一実施例を示す制御ブロック図。
【図4】 アーム部材によるガラス基板の搬送動作の一実施例を示す図。
【図5】 アーム部材がガラス基板を吸着保持した状態を示す図。
【図6】 アーム部材によるフォトマスクの搬送動作の一実施例を示す図。
【図7】 アーム部材がフォトマスクをマスクアダプタによって保持した状態を示す図。
【符号の説明】
1 アーム部材
2a〜2h 吸着パッド
3a〜3d マスクアダプタ
3a1〜3d1 ピン
4a〜4d 穴
5a,5b エアー供給通路
11 基板搬送ユニット
12 マスクストッカ
13 アーム駆動ユニット
13a アーム駆動テーブル
13b 駆動部
14 アライメントステージユニット
14a マスクホルダ
14b 露光チャック
A 搬送アーム
B 露光装置
M フォトマスク
P ガラス基板
PS1,PS2 圧力センサ
S 光電センサ
V1,V2 電磁弁
Claims (6)
- パターン形成用のマスクに光を照射して露光対象基板の基板面上に所定のパターンを形成する露光装置において、前記マスクと前記露光対象基板との搬送に兼用するための搬送アームであって、
露光対象基板とマスクとの搬送に共通して用いる搬送用のアーム部材と、
前記アーム部材上に配置され、前記露光対象基板を吸着保持する複数の吸着パッドと、
前記マスクのパターン形成面のコーナー部を保持するマスクアダプタであって、所定の位置に配置され、前記複数の吸着パッドのうち、該マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによって吸着保持されることにより該マスクのコーナー部を保持するマスクアダプタと
を具えた搬送アーム。 - 前記複数の吸着パッドのうち、前記マスクのコーナー部に対応する吸着パッドに連通する第1のエアー供給通路と、該マスクのコーナー部に対応する吸着パッドを除く他の吸着パッドに連通する第2のエアー供給通路と、前記複数の吸着パッドで前記露光対象基板を吸着保持するときは、前記第1エアー供給通路と前記第2のエアー供給通路とを通じて吸着エアーを供給し、前記マスクのコーナー部に対応する吸着パッドで前記マスクアダプタを吸着保持するときは、前記第1のエアー供給通路を通じて吸着エアーを供給する供給手段とをさらに具える請求項1に記載の搬送アーム。
- 前記露光対象基板を吸着保持したときの前記第2のエアー供給通路内の吸着エアー圧を検出する第1の検出手段と、前記マスクアダプタを吸着保持したときの前記第1のエアー供給通路内の吸着エアー圧を検出する第2の検出手段とをさらに具える請求項2に記載の搬送アーム。
- 前記アーム部材は、前記マスクのコーナー部に対応する吸着パッドの周辺に、当該吸着パッドに吸着保持される前記マスクアダプタを位置決めする位置決め部を具える請求項1乃至3のいずれかに記載の搬送アーム。
- パターン形成用のマスクに光を照射して露光対象基板の基板面上に所定のパターンを形成する露光装置において、
マスクと露光対象基板との搬送に兼用するための搬送アームであって、該露光対象基板と該マスクとの搬送に共通して用いる搬送用のアーム部材と、該アーム部材上に配置され、該露光対象基板を吸着保持する複数の吸着パッドと、該マスクのパターン形成面のコーナー部を保持するマスクアダプタであって、所定の位置に配置され、該複数の吸着パッドのうち、当該マスクのコーナー部に対応する吸着パッドによって吸着保持されることにより当該マスクのコーナー部を保持するマスクアダプタとを備える搬送アームと、
前記露光対象基板を搬送する場合に、前記複数の吸着パッドに該露光対象基板を吸着する吸着エアーを供給し、前記マスクを搬送する場合には、該マスクのコナー部に対応する吸着パッドに前記マスクアダプタを吸着する吸着エアーを供給する供給手段と、
前記露光対象基板を搬送する場合と前記マスクを搬送する場合とに応じて前記アーム部材を所定の位置に移動するように駆動する駆動制御手段と
を具えた露光装置。 - 前記供給手段から供給された吸着エアーによって前記複数の吸着パッドが前記露光対象基板を吸着したときの吸着エアー圧を検出し、検出信号を出力する第1の検出手段と、前記供給手段から供給された吸着エアーによって前記マスクのコーナー部に対応する吸着パッドが前記マスクアダプタを吸着したときの吸着エアー圧を検出し、検出信号を出力する第2の検出手段と、前記複数の吸着パッドに吸着保持された前記露光対象基板を検出し、検出信号を出力すると共に、前記マスクアダプタに保持された前記マスクを検出し、検出信号を出力する第3の検出手段と、前記駆動制御手段として、前記アーム部材を所定の位置に移動するアーム駆動手段と、該アーム駆動手段及び前記供給手段を制御する制御手段とを備え、前記露光対象基板を搬送する場合に、前記制御手段は、前記露光対象基板の供給位置に前記アーム部材を移動するように前記アーム駆動手段を駆動制御し、前記複数の吸着パッドに吸着エアーを供給するように前記供給手段を制御し、前記第1の検出手段の検出信号に基づき前記露光対象基板を吸着保持したことを判定し、前記第3の検出手段の検出信号に基づき当該露光対象基板を搬送すべき位置に該アーム部材を移動するように該アーム駆動手段を駆動制御し、前記マスクを搬送する場合には、前記制御手段は、前記マスクアダプタの配置位置に該アーム部材を移動するように該アーム駆動手段を駆動制御し、前記第2の検出手段の検出信号に基づき前記マスクアダプタを吸着保持したことを判定し、その判定結果に基づいて前記マスクのストッカ位置に該アーム部材を移動するように該アーム駆動手段を駆動制御し、前記第3の検出手段の検出信号に基づき前記マスクを保持したことを判定し、その判定結果に基づいて当該マスクを搬送すべき位置に該アーム部材を移動するように該アーム駆動手段を駆動制御する請求項5に記載の露光装置。
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