JP4052808B2 - 双安定ポンプ及び液圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作動部へ圧力液体を供給する液体ポンプを電動モータで駆動する油圧装置等の液圧装置に関し、詳しくは、作動状態の制御に際して速度制御と力制御とを選択的に行う液圧装置に関する。
また、この発明は、そのような液圧装置への組み込みに好適な可変容量形液体ポンプに関し、詳しくは、ポンプ容量が切換状態によって容量可変範囲の上限か下限かの何れかで安定する液体ポンプである言わば双安定ポンプにも関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧装置によっては油圧アクチュエータ等の作動部を駆動する際にロッド等の可動部材がシリンダエンド等の作動限に達して作動力が急増したのを受けて作動状態の制御を速度制御から力制御へ自動切換すると好都合な場合があり、そのために、速度検出手段と圧力検出手段とを設けるとともに、その検出結果を帰還させて速度指令に検出速度を追従させる速度制御と圧力指令に検出圧力を追従させる力制御との何れか一方を選択して有効にするようになっているものがある。
【0003】
そして、そのような制御を行う油圧装置として、最近では、消費エネルギーが少なくて電動モータが小形化し易い等の利点から、定容量形油圧ポンプをサーボモータで駆動するハイブリッドシステムが増えてきており、さらに、制御指令に追従する速度制御・圧力制御等の制御が行い易いこと等の利点もかわれて、可変容量形油圧ポンプをサーボモータで駆動するものや、可変容量形油圧ポンプを可変速のブラシレスDC−DCモータで駆動するものも、提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、このような液圧装置では、電動モータの制御可能範囲と液体ポンプの制御可能範囲とを組み合わせた広い制御可能範囲を利用しているため、制御手法や制御条件が適切であれば理論上はエネルギー効率の向上などの最適化が達成されると期待される。
しかしながら、制御可能範囲が広く制御変数等も多い状況で、最適な制御条件等を定めるのは、一般に単純ではなく、面倒な設計作業や煩雑な動作確認等が必要となる。このため、作動条件が大幅に変化するような状況や、種々のアプリケーションに適合するものを素早く提供することが求められるような状況では、制御手段が複雑で設計や開発の負担が重いので、不都合である。
【0005】
そこで、電動モータの速度制御と液体ポンプの容量制御との組み合わせを採用するとともに、そうしたとしても、制御手段は簡素・簡便なものとなるように工夫することが課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を行う液圧装置を制御手段も含めて簡便に実現することを目的とする。
また、本発明は、そのような液圧装置に組み込むのに好適な液体ポンプを実現することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第4の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0007】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の双安定ポンプは、出願当初の請求項1に記載の如く、可変容量形液体ポンプにおいて、容量可変範囲の上限か下限かの何れかにポンプ容量を切り換える切換手段が設けられている、というものである。
また、このような双安定ポンプを組み込んだ第1の解決手段の液圧装置は、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の双安定ポンプと、これを駆動する電動モータと、前記双安定ポンプから圧力液体の供給を受ける作動部と、前記双安定ポンプの吐出流量またはそれに応じた前記作動部の可動部材の速度に対応した物理量を検出する第1検出手段と、第1制御量を前記電動モータの回転制御に供すれば、受けた又は生成した第1制御指令に前記第1検出手段の検出値を追従させるような前記第1制御量を生成する第1制御量演算手段と、前記液体ポンプの吐出圧力またはそれに応じて前記作動部に生じた力を検出する第2検出手段と、第2制御量を前記電動モータの回転制御に供すれば、受けた又は生成した第2制御指令に前記第2検出手段の検出値を追従させるような前記第2制御量を生成する第2制御量演算手段と、前記第1制御量と前記第2制御量との何れか一方を選択して前記電動モータの回転制御に供する選択手段と、その選択に対応して前記切換手段を作動させる切換作動手段とを備えたものである。
【0008】
このような第1解決手段の双安定ポンプを組み込んだ第1解決手段の液圧装置にあっては、電動モータによって液体ポンプである双安定ポンプが駆動されると双安定ポンプから作動部へ圧力液体が供給されて作動部では可動部材の駆動等がなされる。また、その速度等が第1検出手段によって検出され、その検出値に基づき第1制御量演算手段によって生成された第1制御量が選択手段によって前記電動モータの回転制御に供されると、速度指令等の第1制御指令に可動部材の速度等が追従し、速度制御が行われる。さらに、液体ポンプの吐出圧力や可動部材の推力等の力が第2検出手段によって検出され、その検出値に基づき第2制御量演算手段によって生成された第2制御量が選択手段によって前記電動モータの回転制御に供されると、圧力指令等の第2制御指令に吐出圧力等が追従し、力制御が行われる。こうして、電動モータの回転制御等に基づき速度制御と力制御とが選択的に行われる。
【0009】
また、その選択に対応して即ち第1制御量の選択されている速度制御時か第2制御量の選択されている力制御時かに対応して、切換作動手段によって切換手段が作動させられ、これに応じてポンプ容量も切り換えられる。すなわち、双安定ポンプは、速度制御時にポンプ容量が容量可変範囲の上限になり、力制御時にポンプ容量が容量可変範囲の下限になる。こうして、大流量の必要な速度制御時には液体ポンプの基本的な吐出能力を増強させる一方、少量で足りる力制御時には液体ポンプの基本的な吐出能力を抑えることで、過剰な圧力液体の供給が回避されるので、エネルギー消費の無駄が少なくなる。
【0010】
しかも、その液体ポンプは、可変容量形ポンプに切換手段を付加して実現できる簡素な双安定ポンプであり、その制御も、速度制御と力制御との選択に対応して切り換えるだけなので、簡便な手段にて行われる。また、そのようにしても、上述したように、速度制御や力制御は、電動モータの回転制御に対するフィードバック制御に基づいて遂行される。
【0011】
このように、作動状態の速度制御および力制御が選択的に行われるのを前提として、モータ回転速度およびポンプ容量を可変するに際して、ポンプ容量の可変を双安定ポンプの容量切換という簡便な手法にて行うようにしたことにより、動作上不都合なく制御条件が絞り込まれるので、最適条件の設定等が簡単になり、制御手段も簡素化される。
したがって、この発明によれば、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行う液圧装置等を制御手段も含めて簡便に実現することができる。
【0012】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の双安定ポンプは、出願当初の請求項2に記載の如く、回転駆動されて液体の吸入および吐出を行うポンプ本体と、その単位回転当たりの吐出容量を可変する容量可変機構と、この容量可変機構の受圧部に連通する導圧路に対して接続され吐出圧力等の高圧側の流路と吸入圧力等の低圧側流路とを連通させる切換弁とを備えたものである。
また、このような双安定ポンプを組み込んだ第2の解決手段の液圧装置は、出願当初の請求項5に記載の如く、この第2解決手段の双安定ポンプと、上記電動モータと、その回転制御手段と、上記作動部と、上記第1検出手段と、上記第1制御量演算手段と、上記第2検出手段と、上記第2制御量演算手段と、上記選択手段と、その選択に対応して前記切換弁を作動させる切換作動手段とを備えたものである。
【0013】
このような第2の解決手段の双安定ポンプにあっては、切換弁の作動状態に応じて、容量可変機構の受圧部に連通する導圧路に高圧側の流路と低圧側の流路との何れか一方が接続されると、容量可変機構によるポンプ容量が、増大または減少して、容量可変範囲の上限か下限かの何れかに落ち着く。これにより、上述した第1解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置が具現化されることとなる。
【0014】
しかも、その要点である切換手段が、容量可変機構に絡む導圧路に対して導入された切換弁にて具体化されているので、厄介な機構部・機械部分の改造は、液体ポンプだけ、それもその付加機構の一部だけで済ませることも可能であり、そのため、一層簡便に行うことができる。
したがって、この発明によれば、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行う液圧装置等を制御手段も含めて一層簡便に実現することができる。
【0015】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の双安定ポンプは、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第1の解決手段の双安定ポンプであって、上記第1解決手段における前記容量可変範囲の下限または上記第2解決手段における前記容量可変機構による容量可変範囲の下限を調節しうる下限調節手段が設けられたものである。
また、第3の解決手段の液圧装置は、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の第1,第2の解決手段の液圧装置に上記第3解決手段の双安定ポンプを組み込んだものである。
【0016】
容量可変範囲の下限が一般の可変容量形ポンプのように零または零に近いと、ポンプ容量がその下限になる力制御時に、吐出流量が少なくて済むとは言っても必要量を確保するには電動モータや液体ポンプが高速で回転しなければならないため、電動モータ等の機械効率が低下してしまいがちなところ、上記のような第3の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、容量可変範囲の下限が調節可能なので、それが零や略零よりも大きくなるよう調節することで、力制御時における電動モータや液体ポンプの回転状態を下げることが可能である。
【0017】
これにより、力制御時の機械効率が改善される。しかも、調節量を加減することで簡単に行うことができる。
したがって、この発明によれば、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行うようにしても制御手段も含めて簡便な液圧装置等について、力制御時の機械効率の低下も容易に防止することができる。
【0018】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の双安定ポンプは、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第3の解決手段の双安定ポンプであって、上記第1解決手段における前記切換手段または上記第2解決手段における前記切換弁の作動によってなされる前記容量可変範囲の上限から下限への切換に際してその切換速度を下げる切換緩和手段を備えたものである。
また、第4の解決手段の液圧装置は、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の第1〜第3の解決手段の液圧装置に上記第4解決手段の双安定ポンプを組み込んだものである。
【0019】
このような第4の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、作動部の作動状態についての制御が速度制御から力制御に切り替わる際に、それに対応してポンプ容量も容量可変範囲の上限から下限へ切り替わるが、その切換速度が切換緩和手段によって下げられるので、ポンプ吐出流量は穏やかに減少する。
これにより、容量可変範囲の下限が零より大きく調節されていることとも相俟って、速度制御から力制御への切換時にポンプによる液体供給状態が電動モータ等の加速性能を超えて急変するということは確実に阻止されるので、ポンプ容量の変更を速度制御から力制御への切換に連動して単純に行っても、不所望な衝撃を伴うような圧力変動等が生じることは無い。
したがって、この発明によれば、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行うようにしても制御手段も含めて簡便な液圧装置等について、力制御時の機械効率の低下を容易に防止するとともに、速度制御から力制御への切換時に衝撃等が発生するのを防止することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の双安定ポンプ及び液圧装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第3実施例により説明する。
図1〜図3に示した第1実施例は、上述した第1〜第4の解決手段を具現化したものであり、図4及び図5に示した第2実施例や、図6の第3実施例は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、筐体パネルや,ベース,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,Oリング等のシール部材,継手等の接続部材などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に主として記号やブロックで図示した。また、電気信号ラインと油圧のメインラインは細い実線で、油圧のパイロットラインは細い長破線で図示した。
【0021】
【第1実施例】
本発明の双安定ポンプ及び液圧装置の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、ポンプ構造等を示し、(a)が詳細ブロック図、(b)が一定速度で回転させたときの圧力−流量特性グラフ、(c)が斜板での容量可変方式の原理を示す要部斜視図、(d)が容量可変機構や切換弁等も付加した要部の断面図である。また、図2は、液圧装置の構成を示し、(a)が全体ブロック図、(b)がモータコントローラのブロック図である。さらに、図3は、モータドライバの回路図である。先ず、液体ポンプ5(双安定ポンプ)について説明し、その後で、それを組み込んだ液圧装置について述べる。
【0022】
液体ポンプ5は(図1参照)、斜板5hの傾転角を可変制御しうるアキシャルピストンポンプが良く用いられるが、可変容量形であれば、ラジアルピストンポンプやベーンポンプ等の他のタイプのものでも良い。いずれであっても、ポンプ軸5dを回転駆動されて液体の吸入および吐出を行うポンプ本体に、その単位回転当たりの吐出容量を可変する容量可変機構5aが付設されていて、容量可変機構5aや斜板5hの可動範囲が制約されなければ、液体ポンプ5の容量が制御可能範囲の上限に来たときポンプ軸5dの単位回転数当たり最大量を吐出し、液体ポンプ5の容量が制御可能範囲の下限に来たとき吐出量Qがほぼ零になるようになっている。
【0023】
アキシャルピストンポンプを例に詳述すると(図1(c),(d)参照)、ポンプ軸5dを介してシリンダブロック5fが電動モータ4によって回転駆動されると、シュープレート5gに一端の係止された幾つかのピストンが進退し、それに伴って、バルブプレートの吸い込みポート5eから油等の液体が吸い込まれるとともに、バルブプレートの吐き出しポート5cから液体が吐出されるようになっている。シュープレート5gの傾きを規定する斜板5h(ヨーク)は、傾動可能に支持され、その傾きが容量可変機構5aによって可変制御されるようになっている。容量可変機構5aは、斜板5hを押しながら進退移動しうる受圧部材を具えるとともに、導圧路5iに供給されたパイロット圧を適宜の連通路経由で上記の受圧部材に導いて、そのパイロット圧が高いと斜板5hの傾転角を変えてピストンの行程および吐出流量Qを零に近づけ、パイロット圧が低いと斜板5hの傾転角を逆向きに変えてピストンの行程および吐出流量Qを最大に近づけるようになっている。
【0024】
また(図1(a),(d)参照)、その導圧路5iの端にポートの一つを合わせて切換弁5b(切換手段)もポンプ本体に付設されている。切換弁5bは、後述するモータコントローラ20からの切換信号Aに応じて作動する2位置の電磁弁であり、その各ポートには、上記導圧路5iの他、ポンプの吐出ポート5cに連通していて吐出圧力Pを導く高圧側流路と、ポンプの吸込ポート5eに連通していて大気圧かそれより負圧の吸入圧力を導く低圧側流路も、連通するように接続されている。そして、切換信号Aがオフのときには、導圧路5iを低圧側流路に連通させ、これによってポンプ容量を容量可変機構5aによる容量可変範囲の上限に切り換える一方(図1(b)の実線グラフ参照)、切換信号Aがオンのときには、導圧路5iを高圧側流路に連通させ、これによってポンプ容量を容量可変機構5aによる容量可変範囲の下限に切り換えるようになっている(図1(b)の長破線グラフ参照)。
【0025】
さらに(図1(a),(d)参照)、その下限を調節可能とするために、ポンプ本体のうち容量可変機構5aと干渉するところに、当接位置調整ネジ機構5j(下限調節手段)も付設されている。当接位置調整ネジ機構5jは、斜板5hに関して上記の受圧部材とは反対側に設けられて、ネジ部材の先端が斜板5hに当接することで斜板5hの可動範囲を下限側から規制するようになっている。そのネジ部材は、ケーシングを貫いた状態で設けられ、ロックナットや図示しない適宜のシール部材等も付けられている。そして、その露出端を適宜な治具等で回すと、ネジ部材が斜板5hに向けて進退するので、斜板5hの下限側停止位置が変えられる。これにより、外部から容量可変機構5aによる容量可変範囲の下限を調節することができるようになっている(図1(b)の長破線グラフと短破線グラフと点線グラフとを参照)。
【0026】
また、切換弁5bには、オリフィスやチョーク状の小孔が貫通形成された雄ネジ部材からなる絞り5k(切換緩和手段)も装着されている。この絞り5kは、高圧側流路に連通するポートの奥にねじ込まれていて、切換信号Aのオン時に吐出ポート5cから導圧路5iへ流れ込む液体流量を少量に規制する。そして、その流量規制に基づいて、容量可変機構5aへのパイロット圧が吸入圧力から吐出圧力Pへ上昇する際にゆっくり上昇させ、それを受ける受圧部材もゆっくり移動させることで、切換弁5bによる容量可変範囲の上限から下限への切換に際してその切換速度を下げるようになっている。また、この絞り5kは、ポンプ本体から切換弁5bを外せば簡単にレンチ等のねじ回しで交換でき、それによってオリフィス径等の絞り量の変更等も容易にできるようになっているが、そのような必要の無い場合には、切換弁5bのスプールのエッジ部にテーパや切欠をつける等のことで、切換速度を緩和するようにしても良い。
【0027】
次に、上記の液体ポンプ5を組み込んだ液圧装置は(図2(a)参照)、メインコントローラ1(制御手段)が幾つかの駆動系に制御指令を出しながらアプリケーションに対応した順序制御を行うものであるが、その駆動系の一つに、上記の液体ポンプ5を電動モータ4で駆動するものが採用されている。その液体ポンプ5の吐出側には、適宜のゴムホースや金属管等の配管を介して油圧アクチュエータ等からなる作動部6が液圧駆動可能に接続され、作動部6の可動部材を駆動するのに必要な圧力液体が液体ポンプ5から作動部5へ供給されるようになっている。
【0028】
作動部6の典型例としては、油圧シリンダが挙げられるが、その場合、可動部材は、液体ポンプ5の吐出量Qにほぼ対応した速度で移動するピストンロッド等であり、作動限6aは、そのロッドが当接するシリンダエンドであったり、そのロッドの先で起こる金型への充填材の充満であったりする。その可動部材の移動速度を検出するために、作動部6には速度検出手段6b(第1検出手段)が付設されている。この速度検出手段6bは、ロータリエンコーダやリニアエンコーダ等の適宜な検出装置を用いて可動部材の速度Vf(第1検出手段の検出値)を検出するものであり、その検出先の可動部材には、磁石等の被検出子が付設されたり検出光通過用の切欠が形成されたりする。また、作動部6と液体ポンプ5との間の配管等には、液体ポンプ5の吐出圧力Pを検出するために、力検出手段6c(第2検出手段)が接続されている。それには検出圧力Pf(第2検出手段の検出値)を電気信号で帰還させるために圧電変換回路付きの圧力計等が採用されている。
【0029】
さらに、電動モータ4には、少なくとも電流制御・トルク制御の可能なサーボモータが採用され、それに駆動電流を供給しうるように、モータ制御用電子回路2が接続されている。電動モータ4とモータ制御用電子回路2との間には、電流制御・トルク制御を可能とするために、その駆動電流を検出するとともに電気信号(If)にしてモータ制御用電子回路2へ帰還させる電流検出手段4aが設けられている。その帰還信号を受けるモータ制御用電子回路2は、信号送受可能にメインコントローラ1と接続されていて、メインコントローラ1で生成された速度指令Vc(第1制御指令)を受けてこれに基づき速度制御を行うとともに、やはりメインコントローラ1で生成された圧力指令Pc(第2制御指令)を受けて圧力制御(力制御)を行うようになっている。
【0030】
そのため、モータ制御用電子回路2には、パワートランジスタ等を有して電動モータ4への駆動電流を生成するモータドライバ30と、そのパワートランジスタのオンオフ等を電動モータ4の各相に対応づけて制御するため例えば三相のパルス信号Up,Vp,Wpを生成してモータドライバ30へ送出するモータコントローラ20とが設けられている。このモータコントローラ20による電動モータ4の回転制御は、駆動電流Ifに基づくフィードバック制御である電流制御によって行われ、モータコントローラ20による速度制御や圧力制御は、その電流制御をマイナーループとした多重のフィードバックループにて行われるようになっている。
【0031】
モータコントローラ20は(図2(b)参照)、専用のアナログ回路やデジタル回路あるいは汎用のマイクロプロセッサシステム等の何れか又はそれらの組み合わせで具体化されており、それには、電流検出手段4aからの駆動電流Ifに加えて、速度検出手段6b及び力検出手段6cからの速度Vf及び圧力Pfも、それぞれ適宜の信号伝送用ケーブル等を介して帰還されるようになっている。モータコントローラ20には、速度制御を担うために、速度指令Vcと速度Vfとから速度制御量Vp(第1制御量)を生成する第1制御量演算手段21+22が設けられており、圧力制御を担うために、圧力指令Pcと圧力Pfとから圧力制御量Pp(第2制御量)を生成する第2制御量演算手段23+24が設けられており、電流制御を担うために、モータ回転制御手段27+28が設けられている。
【0032】
第1制御量演算手段21+22には、速度制御量Vpが電流指令Ipとしてモータ回転制御手段27+28へ送出されると速度指令Vcに速度Vfを追従させることとなるような速度制御量Vpを生成するために、すなわち速度Vfが速度指令Vcに近づいて一致するような速度制御量Vpを生成するために、速度指令Vcから速度Vfを減じて差ΔVを算出する減算回路等の速度誤差演算部21と、例えばPI制御を行うため差ΔVに対して適宜の増幅や積分等の処理も施して速度制御量Vpを生成する速度制御量演算部22とが設けられている。
【0033】
第2制御量演算手段23+24には、圧力制御量Ppが電流指令Ipとしてモータ回転制御手段27+28へ送出されると圧力指令Pcに圧力Pfを追従させることとなるような圧力制御量Ppを生成するために、すなわち圧力Pfが圧力指令Pcに近づいて一致するような圧力制御量Ppを生成するために、圧力指令Pcから圧力Pfを減じて差ΔPを算出する減算回路等の圧力誤差演算部23と、例えばPI制御を行うため差ΔPに対して適宜の増幅や積分等の処理も施して圧力制御量Ppを生成する圧力制御量演算部24とが設けられている。
【0034】
また、それらに加えて、モータコントローラ20には、速度制御から圧力制御への切換を自動で行うために、しかも決定困難な閾値等が無くても切換判別が適切に行えるように、次のような選択手段25+26が設けられている。すなわち、選択手段25+26には、速度制御量Vpと圧力制御量Ppとの何れか一方を選択してモータ回転制御手段27+28に供するために、差ΔVと差ΔPとを入力してその大小を比較する比較部25と、その比較結果として得られる選択Sに基づいて差ΔVが差ΔPより小さいときには電流指令Ipとして速度制御量Vpを選択し差ΔVが差ΔPより大きいときには電流指令Ipとして圧力制御量Ppを選択してその電流指令Ipを電流制御部27に送出する選択切換部26とが設けられている。
【0035】
モータ回転制御手段27+28には、選択切換部26から電流指令Ipを受けるとともに電流検出手段4aから駆動電流Ifを受けて電流指令Icに駆動電流Ifを一致させるような制御信号を生成する電流制御部27と、その制御信号を受けてそれに適宜のパルス幅変調等の処理を行って三相パルス信号Up,Vp,Wpを生成するパルス幅変調部28(信号変換手段)とが設けられている。その三相パルス信号Up,Vp,Wpは、モータドライバ30へ送出されるようになっている。
【0036】
さらに、モータコントローラ20には、選択手段25+26の選択Sに対応して切換弁5bを作動させるために切換弁駆動回路29(切換作動手段)も設けられている。切換弁駆動回路29は、切換弁5bの電磁駆動部を励磁させるのに適した例えばリレー回路やパワートランジスタ回路であり、選択Sに対応して切換信号Aをオン/オフさせるようになっている。具体的には、選択Sが電流指令Ipに速度制御量Vpを選んでいるときには切換信号Aがオフで上述したようにポンプ容量が容量可変機構5aによる容量可変範囲の上限に切り換えられ、選択Sが電流指令Ipに圧力制御量Ppを選んでいるときには切換信号Aがオンでポンプ容量が容量可変機構5aによる容量可変範囲の下限に切り換えられるようになっている。
【0037】
また、モータドライバ30は、パルス信号Upに従って何れか一方が導通し他方が遮断する直列接続のトランジスタ対Q1,Q2と、同様にパルス信号Vpに従って交互に導通・遮断するトランジスタ対Q3,Q4と、パルス信号Wpに従って交互に導通・遮断するトランジスタ対Q5,Q6とを具えたインバータである。各トランジスタQ1〜Q6は、IGBT等のパワートランジスタからなり、フライホイールダイオードや図示しないスナバ回路等も必要に応じて適宜付加されている。また、3組のトランジスタ対は、商用の交流電流を直流に変換する電源部31から延びた正負一対の配線間に接続されていて、正側トランジスタQ1,Q3,Q5がオンして導通状態のとき電動モータ4の各相U,V,Wへ電流を流し込む一方、負側トランジスタQ2,Q4,Q6がオンして導通状態のとき電動モータ4の各相U,V,Wから電流を吸い込むようになっている。なお、これらのトランジスタとモータコントローラ20との間には、パルス信号Up,Vp,Wpに対応したベース電流を増幅生成するアンプや、対のトランジスタが同時にオンして短絡等の障害が起こるのを防止するための回路32等も付設されている。
【0038】
この第1実施例の双安定ポンプ及び液圧装置について、その使用態様及び動作を説明する。
【0039】
作動部6の可動部材が高速前進してから作動限6aに達して停止状態に近い微速で前進する場合を具体例とし、これに対応して、速度指令Vc及び圧力指令Pcがスタート時から前進および略停止まで正の一定値で与えられ、圧力指令Pcは速度指令Vcより大きいものとする。
【0040】
そうすると、作動限6aに達するまでは作動部6の可動部材がスムースに前進して圧力Pfが大きくならない一方で速度Vfが速度指令Vcに追従することから、差ΔVが差ΔPより小さい状態が維持されるので、比較部25からの選択Sによって速度制御が選択されるため、第1制御量演算手段21+22からの速度制御量Vpが電流指令Ipに用いられ、その速度制御によって速度Vfが速度指令Vcに追従させられる状態が維持される。
【0041】
また、その状態では、選択Sに従う切換弁駆動回路29によって切換信号Aがオフにされ、これで作動する切換弁5bによって、液体ポンプ5の容量が容量可変機構5aによる容量可変範囲の上限にされるので、電動モータ4が速度制御にて高速回転させられるのと相俟って、液体ポンプ5の吐出量Qは、増量されて、作動部6の可動部材を速度指令Vc対応速度で移動させるのに必要かつ十分な量に維持される(図1(b)の実線グラフ参照)。こうして、作動部6の可動部材が作動限6aに達するまではほぼ一定速度で前進する。しかも、ポンプ吐出能力をほぼ最大限に発揮しながらその全吐出量が無駄なく作動部の駆動に供給される。
【0042】
そして、作動部6の可動部材が作動限6aに達すると強い反力等を生じてその進行が止められるとともに圧力Pfが急激に上昇する一方で速度Vfが速度指令Vcに追従できなくなる。これに伴い、差ΔPは急減し、差ΔVは急増して、差ΔPが差ΔVを下回るようになる。すると、それに対応して、比較部25からの選択Sの内容が切り替わって、選択Sによって圧力制御が選択されるため、第2制御量演算手段23+24からの圧力制御量Ppが電流指令Ipに用いられ、その圧力制御によって圧力Pfが圧力指令Pcに追従させられるようになる。
【0043】
しかも、そのとき、選択Sに従う切換弁駆動回路29によって切換信号Aがオンされ、これで作動する切換弁5bによって、液体ポンプ5の容量が容量可変機構5aによる容量可変範囲の下限にされる。その際、絞り5kの働きによって切換弁5bがゆっくり切り替わるため、それに伴って液体ポンプ5の容量も容量可変機構5aによる容量可変範囲の上限から下限へゆっくりと変化することから、サーボコントロールすなわちモータコントローラ20による電動モータ4のフィードバック制御が、切換弁5bの作動によっては一時も不能にされることなく働くので、電動モータ4の回転速度が圧力制御にて適切な回転速度にされて、液体ポンプ5の容量が下げられるのとも相俟って、液体ポンプ5の吐出量Qは、ショックを生ずることなく減少して、作動部6の可動部材を微速前進させながら吐出圧力Pを圧力指令Pc対応圧力に維持するのに必要かつ十分な量に落ち着く(図1(b)の長破線グラフ参照)。
【0044】
その状態では、一般に吐出流量Qの変動が小さいので、電動モータ4の回転は、概ね、液体ポンプ5の容量に逆比例して決まる。そこで、圧力制御時のモータ回転速度が高すぎて電動モータ4や液体ポンプ5の機械効率が良くないときには、当接位置調整ネジ機構5jの調節を行って容量可変機構5aによる容量可変範囲の下限を上げる。そうすると、モータ回転速度が同じであれば吐出流量Qは増加するのであるが(図1(b)における短破線グラフや点線グラフ参照)、フィードバック制御によって、吐出流量Qは必要量に維持され、代わりにモータ回転速度が低下する。
【0045】
こうして、圧力制御時には圧力Pfの変動が抑制され、速度制御時には速度Vfの変動が抑制されて、何れの制御状態でも、制御指令Vc,Pcに追従する制御が的確に行われる。しかも、メインコントローラ1は、モータ制御用電子回路2に対して制御指令Vc,Pcを与えれば良く、液体ポンプ5の容量を直接制御する必要がないので、簡素なもので足りる。また、差ΔV,ΔPの大小比較に基づいて切換判定を行うようにもしたことにより、所定の閾値等が無くても確実に速度制御から力制御への自動切換が安定して行われる。
【0046】
さらに、その切換判定時に生成された選択Sを利用して直截的に切換信号Aも生成されるので、液体ポンプ5の容量制御を担うモータコントローラ20も、簡素なもので済む。
その結果、ポンプ構造ばかりかメインコントローラ1やモータコントローラ20についても複雑化を招くことなく、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を行う液圧装置を具現化することができるうえ、エネルギー効率の向上まで達成することができる。
【0047】
【第2実施例】
本発明の双安定ポンプ及び液圧装置の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図4は、液圧装置の構成を示し、(a)が全体ブロック図、(b)がモータコントローラの一部のブロック図である。また、図5は、ポンプ構造等を示し、(a)が詳細ブロック図、(b)が圧力−流量特性のグラフである。
【0048】
この液圧装置が上述した第1実施例のものと相違するのは、電動モータ4がサーボモータからオープン制御の誘導電動機41に変えられた点と、それに伴いモータコントローラ20がそれ用のモータコントローラ42になった点である。
また、この双安定ポンプ5が上述した第1実施例のものと相違するのは、上限調節手段5mが追加されている点である。
【0049】
誘導電動機41には(図4(a)参照)、安価で一般的なかご形三相誘導電動機等が採用され、オープン制御なので、すなわち誘導電動機41自体およびその直前直後からの検出を伴ったフィードバック制御が行われないので、電流検出手段4aは省かれている。もっとも、モータ回転制御以外のところのフィードバック制御までは排除しないので、誘導電動機41の先に設けられた液体ポンプ5や作動部6には速度検出手段6bや力検出手段6cが設けられており、その検出(Pf,Vf)に基づくフィードバック制御は、モータコントローラ42にも引き継がれている。
【0050】
モータコントローラ42がモータコントローラ20と相違するのは、モータ回転制御の部分であり、電流制御部27及びパルス幅変調部28が次の電圧制御発振回路(VCO)43及び三相変換部44にて置き換えられている。すなわち(図4(b)参照)、モータコントローラ42では、選択切換部26に後続して、電流指令Ipを制御電圧として入力しそれに応じて発振周波数を変えるVCO43と、その発振信号から互いに位相のずれた3つの発振信号を生成してインバータであるモータドライバ30に送出する三相変換部44とが設けられていて、駆動電流Ifの帰還が無くても、誘導電動機41の回転速度を可変しうるようになっている。
【0051】
上限調節手段5mは(図5(a)参照)、当接位置調整ネジ機構5jと同様に外部からの操作にて斜板5hへの当接端を進退させうるものであれば当接位置調整ネジ機構5jと同一構造のものでも異なる構造のものでも良いが、当接位置調整ネジ機構5jとは反対側から斜板5hに当接するところに設置されていて、外部から容量可変機構5aによる容量可変範囲の上限を調節することができるようになっている(図5(b)の長破線グラフと短破線グラフと点線グラフとを参照)。
【0052】
この場合、誘導電動機41の回転制御がオープン制御なので誘導電動機41における滑り量によって誘導電動機41の回転速度は多少変動するが、許容範囲を超えて大きく変動しない限り、検出(Pf,Vf)に基づくモータコントローラ42のフィードバック制御によって吸収されるので、それ以外の動作等は、第1実施例について上述したのとほぼ同様のものとなる。そこで、サーボモータを廃して誘導電動機41をインバータ30でオープン制御する安価な液圧装置であっても、ポンプ構造ばかりか制御手段についても複雑化を招くことなく、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を行う液圧装置を具現化することができるうえ、エネルギー効率の向上まで達成することができる。しかも、この場合、容量可変機構5aによる容量可変範囲に関してその下限ばかりか上限も調節しうるようになっているので、圧力制御時の動作条件に加えて速度制御時の動作条件についても、種々の動作環境・状況に適合させるのが容易になっている。
【0053】
【第3実施例】
図6にフローチャートを示した本発明の液圧装置は、上述した第1実施例と同じものを別の形態で具体化したものである。すなわち、モータコントローラ20にコンピュータが用いられ、第1,第2制御量演算手段や、選択手段、モータ回転制御手段などが、プログラム処理にて具体化されたものである。コンピュータには、汎用のマイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサ等が採用され、シリアルやパラレルのデジタルデータ入出力回路が内蔵または外付けされる。また、A/D変換回路やD/A変換回路も必要なだけ付設される。
【0054】
その処理について詳述すると、先ず速度指令Vc,速度Vf,圧力指令Pc,圧力Pf,駆動電流Ifがデジタル値に変換されて入力され(ステップS1)、それらから差ΔV及び差ΔPが算出される(ステップS2)。次に差ΔVと差ΔPとが比較されて(ステップS3)、差ΔVが差ΔPより小さいときには差ΔVやそれ以前の積分値等から速度制御量Vpが算出されて電流指令Ipにされる(ステップS4)とともに切換信号Aがオフにされる(ステップS5)一方、差ΔVが差ΔPより大きいときには差ΔPやそれ以前の積分値等から圧力制御量Ppが算出されて電流指令Ipにされる(ステップS6)とともに切換信号Aがオンにされる(ステップS7)。それから、電流指令Ipと駆動電流Ifとの差を無くすような駆動電流値が算出され(ステップS8)、その算出値に基づくパルス幅変調処理にて三相パルス信号Up,Vp,Wpが生成されそれがモータドライバ30に送出される(ステップS9)。このモータコントローラ20は、それら一連の処理が所定周期で繰り返されるようになっている。
【0055】
この場合、ステップS2で速度誤差演算部21及び圧力誤差演算部23の処理が行われ、ステップS3で比較部25の処理が行われ、ステップS4で速度制御量演算部22及び選択切換部26の処理が行われ、ステップS6で圧力制御量演算部24及び選択切換部26の処理が行われ、ステップS5,S7で切換弁駆動回路29に対する出力処理が行われ、ステップS8で電流制御部27の処理が行われ、ステップS9でパルス幅変調部28の処理が行われるので、その動作結果は、第1実施例について説明したのと同様になる。
【0056】
【その他】
なお、上記実施例では、作動部6がシリンダ等の油圧アクチュエータの場合を述べたが、この発明の適用は、それに限られず、油圧モータや他のアクチュエータであっても良い。例えば、ボールネジ等の回転直進運動変換機構とラムシリンダ等の加圧機構との組み合わせや、減速ギヤ等を介在させて連結された揺動機構などもよく用いられる。また、その応用も、例えば、プレス装置やダイキャストマシーンの他、ガラス用成形機や,工作機,射出成形機,圧入部品装着装置,移載装置,ロボットアーム等、種々の分野で可能である。さらに、液体は、油圧が普及しており使い易いが、油圧に限られるもので無く、例えばアプリケーションの特質や制約事項等にもよるが、水や、化学合成された液体、異種液体の混合液、粉粒材の混入液などを用いても良い。
【0057】
また、その他の各構成要素についても付言すると、第1検出手段には、上述した速度検出手段6bのように速度Vfを直接求めるものの他、加速度や位置など速度算出の基礎となる物理量を測定するものも利用可能であり、あるいは液体ポンプ5の吐出流量Qを測定する流量計等も使用することができる。そのポンプ吐出流量Qの検出も、流体容積を計る直接的な手段の他、流路における差圧や動圧を測定して流量に変換演算するものや、液体ポンプ5の容量と回転速度とを測定して吐出流量Qを算出するもの等、間接的な手段であっても良い。液体ポンプ5の容量は、例えばアキシャルピストンポンプなら斜板に対して傾転角センサを設ける等のことで求められ、その場合でも、速度制御時は高速回転のため、ポンプ吐出流量Qを推定する演算結果の誤差も少ないので、適切な検出値が得られる。第2検出手段には、圧力を検出するプレッシャーゲージ等の他、液体ポンプ5の吐出圧力Pに応じて作動部6に生じた力を検出するものも使用可能であり、力Pfとして作動部6の作動力等を検出する場合には、ロードセル等が採用され、推力を生じる作動部材やそれを受ける部材等に付設される。トルクを検出する場合にはトルク計なども用いられる。
【0058】
さらに、速度制御量演算部22や圧力制御量演算部24には、上述したPI制御の他、PID制御やベクトル制御なども適宜採用され、その手法は適宜のハードウェアやソフトウェアを用いた一般的な設計技術にて具体化される。VCO43や三相変換部44も、上述したようなアナログ回路に限らず、デジタルのカウンタ回路やコンピュータのプログラム処理に基づくもので良く、パルス幅変調等を伴うものであっても良い。電動モータ4がサーボモータの場合、それには、ブラシレスDCサーボモータでは永久磁石同期モータ等が用いられ、誘導モータではかご形誘導モータが多用される。
【0059】
また、上記の各実施例では、メインコントローラ1とモータ制御用電子回路2とが別のユニットに分離されていたが、これに限られるものでなく、メインコントローラ1とモータ制御用電子回路2が同じユニットに纏められていても良く、あるいはメインコントローラ1とモータコントローラ20とが同じユニットでも良い。あるいは同じコンピュータシステムに纏められていても良く、そのような場合は、速度指令Vcや圧力指令Pcはモータ制御用電子回路2内で生成され、ボード間や回路ブロック間あるいはルーチン間で引き渡されることもある。
【0060】
また、上記の各実施例では、液体ポンプ5から作動部6への液体流路に方向制御弁やリリーフ弁等の存在を明示しなかったが、この発明は、それらの存在を否定するものでは無く、方向制御弁等が組み込まれていても良い。また、作動部の可動部材の往復動や安全確保等のためや、その他の必要に応じて、適宜、種々の油圧回路等が接続されていても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、双安定ポンプの容量切換にて制御条件を絞り込んでおくようにしたことにより、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行う液圧装置等を制御手段も含めて簡便に実現することができたという有利な効果が有る。
【0062】
また、本発明の第2の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、制御条件の絞り込みに役立つポンプ容量の切換が切換弁にてなされるようにしたことにより、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行う液圧装置等を制御手段も含めて一層簡便に実現することができたという有利な効果を奏する。
【0063】
さらに、本発明の第3の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、容量可変範囲の下限を調節して力制御時における電動モータや液体ポンプの回転状態を下げうるようにもしたことにより、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行うようにしても制御手段も含めて簡便な液圧装置等について、力制御時の機械効率の低下も容易に防止することができたという有利な効果が有る。
【0064】
また、本発明の第4の解決手段の双安定ポンプ及び液圧装置にあっては、液体供給状態が電動モータ等の加減速性能を超えて急変することが無いようにもしたことにより、モータ回転速度およびポンプ容量を可変して作動状態の速度制御および力制御を選択的に行うようにしても制御手段も含めて簡便な液圧装置等について、力制御時の機械効率の低下を容易に防止するとともに、速度制御から力制御への切換時に衝撃が発生するのを防止することもできたという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の双安定ポンプ及び液圧装置の第1実施例について、ポンプ構造等を示し、(a)が詳細ブロック図、(b)が圧力−流量特性のグラフ、(c)が斜板での容量可変方式の原理を示す要部斜視図、(d)が容量可変機構や切換弁等も付加した要部の断面図である。
【図2】 液圧装置の構造を示し、(a)が全体ブロック図、(b)がモータコントローラのブロック図である。
【図3】 モータドライバの回路図である。
【図4】 本発明の双安定ポンプ及び液圧装置の第2実施例について、(a)が全体ブロック図、(b)がモータコントローラの一部のブロック図である。
【図5】 ポンプ構造等を示し、(a)が詳細ブロック図、(b)が圧力−流量特性のグラフである。
【図6】 本発明の双安定ポンプ及び液圧装置の第3実施例について、モータコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインコントローラ(応用向け順序制御手段)
2 モータ制御用電子回路(電動モータの制御駆動装置)
4 電動モータ(サーボモータ)
4a 電流検出手段(モータトルク検出手段)
5 液体ポンプ(切換弁付き可変容量形ポンプ、双安定ポンプ)
5a 容量可変機構(斜板傾転機構)
5b 切換弁(電磁弁、切換手段)
5i 導圧路(液体流路、パイロット圧を導く連通路)
5j 当接位置調整ネジ機構(ストッパー、下限調節手段)
5k 絞り(オリフィス、チョーク、切換緩和手段)
6 作動部(油圧モータやシリンダユニット等のアクチュエータ)
6a 作動限
6b 速度検出手段(速度センサ、流量センサ、第1検出手段)
6c 力検出手段(圧力センサ、推力センサ、第2検出手段)
20 モータコントローラ(制御回路、電動モータの電子制御装置)
21 速度誤差演算部(流量・速度制御手段、第1制御量演算手段)
22 速度制御量演算部(流量・速度制御手段、第1制御量演算手段)
23 圧力誤差演算部(力制御手段、第2制御量演算手段)
24 圧力制御量演算部(力制御手段、第2制御量演算手段)
25 比較部(判定手段、選択手段)
26 選択切換部(スイッチ、セレクタ、モータ回転制御の選択手段)
27 電流制御部(モータトルク制御部、サーボモータ回転制御手段)
28 パルス幅変調部(制御信号変換部、サーボモータ回転制御手段)
29 切換弁駆動回路(AC・DC・固体リレー回路、切換作動手段)
30 モータドライバ(インバータ、パワー回路、電動モータの駆動装置)
41 誘導電動機(オープン制御の電動モータ)
42 モータコントローラ(制御回路、電動モータの電子制御装置)
43 VCO(電圧制御発振、オープン制御でのモータ回転制御手段)
44 三相変換部(制御信号変換部、オープンなモータ回転制御手段)

Claims (4)

  1. 容量可変範囲の上限か下限かの何れかにポンプ容量を切り換える切換手段が可変容量形液体ポンプに設けられた双安定ポンプと、これを駆動する電動モータと、前記双安定ポンプから圧力液体の供給を受ける作動部と、前記双安定ポンプの吐出流量またはそれに応じた前記作動部の可動部材の速度に対応した物理量を検出する第1検出手段と、別体の制御手段から受けた第1制御指令に前記第1検出手段の検出値を追従させる第1制御量を生成する第1制御量演算手段と、前記液体ポンプの吐出圧力またはそれに応じて前記作動部に生じた力を検出する第2検出手段と、前記制御手段から受けた第2制御指令に前記第2検出手段の検出値を追従させる第2制御量を生成する第2制御量演算手段と、前記第1制御量と前記第2制御量との何れか一方を選択して前記電動モータの回転制御に供する選択手段と、その選択に対応して前記切換手段を作動させる切換作動手段とを備えた液圧装置。
  2. 回転駆動されて液体の吸入および吐出を行うポンプ本体と,その単位回転当たりの吐出容量を可変する容量可変機構と,この容量可変機構の受圧部に連通する導圧路に対して接続され吐出圧力等の高圧側の流路と吸入圧力等の低圧側流路とを連通させる切換弁とを具備した双安定ポンプと、これを駆動する電動モータと、前記双安定ポンプから圧力液体の供給を受ける作動部と、前記双安定ポンプの吐出流量またはそれに応じた前記作動部の可動部材の速度に対応した物理量を検出する第1検出手段と、別体の制御手段から受けた第1制御指令に前記第1検出手段の検出値を追従させる第1制御量を生成する第1制御量演算手段と、前記液体ポンプの吐出圧力またはそれに応じて前記作動部に生じた力を検出する第2検出手段と、前記制御手段から受けた第2制御指令に前記第2検出手段の検出値を追従させる第2制御量を生成する第2制御量演算手段と、前記第1制御量と前記第2制御量との何れか一方を選択して前記電動モータの回転制御に供する選択手段と、その選択に対応して前記切換弁を作動させる切換作動手段とを備えた液圧装置。
  3. 前記容量可変範囲の下限または前記容量可変機構による容量可変範囲の下限を調節しうる下限調節手段を前記双安定ポンプに設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された液圧装置。
  4. 前記切換手段または前記切換弁での前記容量可変範囲の上限から下限への切換に際してその切換速度を下げる切換緩和手段を前記双安定ポンプに設けたことを特徴とする請求項3記載の液圧装置。
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