JP4289909B2 - 油圧ポンプの制御システムおよび荷受台昇降装置 - Google Patents

油圧ポンプの制御システムおよび荷受台昇降装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ポンプの制御システムおよび荷受台昇降装置に関し、例えば、荷台の後部に荷受台昇降装置が設備された貨物自動車に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
貨物自動車の荷台の後部に対する荷物の上げ下ろしを容易にするために、貨物自動車の荷台の後部に荷受台昇降装置が設備されている場合がある。この貨物自動車に設備される荷受台昇降装置としては、次のようなものがある。荷台に一端部が回動自在に支持されたリフトアームの自由端部には荷受台が回動自在に支持されており、荷台と荷受台との間には荷受台を開閉させるチルトシリンダ装置が介設されているとともに、荷受台を昇降させるリフトシリンダ装置が介設されている。荷受台をチルトシリンダ装置によって閉じる際および荷受台をリフトシリンダ装置によって上昇させる際には、チルトシリンダ装置およびリフトシリンダ装置は電動モータによって運転される油圧ポンプの圧油によって駆動される。他方、荷受台を開く際および荷受台を下降させる際には、チルトシリンダ装置およびリフトシリンダ装置は油圧ポンプによって駆動されずに荷受台の自重によって作動するようになっている。
【0003】
従来のこの種の荷受台昇降装置としては、荷受台の始動時および停止時の衝撃の発生を防止するために、荷受台の始動時にチルトシリンダ装置およびリフトシリンダ装置を緩起動させ、また、荷受台の停止時にチルトシリンダ装置およびリフトシリンダ装置を緩停止させるように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−301516号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の荷受台昇降装置においては、リフトシリンダ装置による荷受台の昇降作動時の緩起動および緩停止とチルトシリンダ装置による荷受台の開閉作動時の緩起動および緩停止とにおける速度制御はブリードオフ回路によって実施されており、その時の油圧ポンプの流量は電動モータに高価な回転センサを設置して電動モータの回転数を計測することによって算出されているために、製造コストが増加するという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は広義には、電動モータの回転数を測定する回転センサを省略することができる油圧モータを提供することにあり、より具体的には回転センサを省略した荷受台昇降装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
電動モータ(16)によって運転される油圧ポンプ(17)の制御システムであって、
前記油圧ポンプ(17)の吐出流量と前記電動モータ(16)の供給電圧と前記油圧ポンプ(17)の吐出圧力との関係を示すテーブル(Qp−Mv−P曲線)を記憶したメモリーを有するコントローラ(35)と、
前記電動モータ(16)の現在の供給電圧(Mv)を検出する端子(35a)と、
前記油圧ポンプ(17)の現在の吐出圧力(P)を検出する圧力センサ(36)と、
を備えており、
前記コントローラ(35)は、前記テーブル(Qp−Mv−P曲線)に前記現在の供給電圧(Mv)および前記現在の吐出圧力(P)を照合することにより、前記油圧ポンプ(17)の現在の吐出流量(Qp)を検索する、油圧ポンプの制御システム。
【0008】
前記した手段によれば、油圧ポンプの吐出流量は、油圧ポンプの吐出圧力と電動モータへの供給電圧とによって油圧ポンプの吐出流量を計算することができ、電動モータの回転センサを省略することができる。
【0009】
前記した課題を解決するための荷受台昇降装置は、次の通りである。
リフト部材(11)に支持された荷受台(12)と、前記リフト部材(11)を昇降させるアクチュエータ(15)と、電動モータ(16)によって運転されて前記アクチュエータ(15)に圧油を供給する油圧ポンプ(17)とを備えている荷受台昇降装置において、
前記油圧ポンプ(17)が前記手段に係る油圧ポンプの制御システムによって制御されることを特徴とする荷受台昇降装置。
【0010】
前記した手段によれば、油圧ポンプの吐出流量を吐出圧力と電動モータへの供給電圧によって求められるため、電動モータの回転数を測定する回転センサを省略しても荷受台昇降装置の上昇、閉駆動の速度制御や緩起動、緩停止を実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0012】
図2に示されているように、本発明に係る荷受台昇降装置10は、貨物自動車1の荷台2の後端に設備されている。荷受台昇降装置10はリフト部材としてのリフトアーム11を一対備えており、両リフトアーム11、11は荷台2の後端部に左右対称形に配されて、それぞれの一端部が回動自在に支持されている。両リフトアーム11、11の自由端部間には荷受台12が回動自在に支持されている。荷受台12はアルミニウムや鉄等の耐腐食性および剛性を有する材料が使用されて、荷台2に対応した大きさの長方形のパネル形状に形成されている。荷受台12の上面における荷台2と反対側の端辺(以下、後端辺とする。)付近にはカートストッパ13が後端辺に沿って敷設されており、カートストッパ13は荷受台12に乗せられたカート等が脱落するのを防止するように構成されている。
【0013】
荷台2の後端辺下面と荷受台12の荷台側端辺である前端辺との間には、荷受台12を開閉させるための一対のチルトシリンダ装置14、14が左右対称形にそれぞれ介設されており、両チルトシリンダ装置14、14は開きスイッチ38または閉じスイッチ39の操作に応答して、荷受台12をリフトアーム11の荷受台12の支軸を回転中心にして垂直姿勢と水平姿勢との間を往復回動させるように構成されている。チルトシリンダ装置14はチルト下げスイッチ42またはチルト上げスイッチ43の操作に応答して、水平姿勢になっている荷受台12を約±10度の範囲で荷受台の先端を首振り動作をさせて荷受台の接地を容易に実行し得るように構成されている。また、荷台2の後端辺下面と両リフトアーム11、11の後端部との間には、荷受台12を昇降させるための一対のリフトシリンダ装置15、15が左右対称形にそれぞれ介設されており、両リフトシリンダ装置15、15はリフトアーム11をその荷台2側の支軸を回転中心にして回動させることにより、荷受台12を荷台2の高さ位置と接地位置との間で昇降させるように構成されている。
【0014】
次に、油圧回路および制御回路について説明する。図1に示されているように、チルトシリンダ装置14およびリフトシリンダ装置15にはいずれも単動形の油圧シリンダ装置が使用されている。チルトシリンダ装置14は電動モータの一例であるDCモータ16によって運転される油圧ポンプ17から供給された圧油により荷受台12を閉じるように作動する。また、リフトシリンダ装置15は油圧ポンプ17の圧油により荷受台12を上昇させるように作動する。なお、荷受台12を開く際には、チルトシリンダ装置14に供給された圧油を荷受台12の自重によって排出させることによって開くようになっている。また、荷受台12を下降させる際には、リフトシリンダ装置15に供給された圧油を荷受台12の自重で排出することにより下降させるようになっている。油圧ポンプ17の吸入ポートにはタンク18が接続されており、油圧ポンプ17の吐出ポートに接続された主油路19は途中からチルトシリンダ装置14への油路(以下、チルト用油路という。)20と、リフトシリンダ装置15への油路(以下、リフト用油路という。)21とに分岐されている。
【0015】
チルト用油路20にはチルトシリンダ装置14の伸縮を制御するための制御弁(以下、チルト用弁という。)22が介設されており、リフト用油路21にはリフトシリンダ装置15の伸縮を制御するための制御弁(以下、リフト用弁という。)23が介設されている。チルト用弁22およびリフト用弁23はいずれも、2ポート・2位置・スプリングオフセット・電磁切換弁によって構成されている。主油路19には制御弁(以下、下げ用弁という。)25および逆止弁24が直列に介設されている。
【0016】
主油路19には排出油路27が油圧ポンプ17および逆止弁24を迂回するように接続されている。排出油路27にはチルトシリンダ装置14およびリフトシリンダ装置15の短縮作動すなわち荷受台12が自重により開く作動および荷受台12が自重により下降する作動を制御するための制御弁(以下、排出用弁という。)28が介設されている。排出用弁28は流量比例弁によって構成されている。油圧ポンプ17と逆止弁24との間の主油路19の途中からは、リリーフ油路19aが分岐されて排出油路27に接続されており、リリーフ油路19aの途中にはリリーフ弁30が介設されている。
【0017】
DCモータ16はモータリレー29のリレースイッチ29aを介してバッテリー32に接続されている。バッテリー32はメインスイッチ33を介してコントローラ35の電源端子35aに接続されている。モータリレー29のリレーコイル29bはモータリレー端子35bに接続されている。
【0018】
排出用弁28のソレノイドは電流検出用抵抗31を介してコントローラ35の電流検出端子35dに接続されているとともに、流量比例弁端子35eに接続されている。下げ用弁25のソレノイドはコントローラ35の下げ用弁端子35fに接続され、また、リフト用弁23のソレノイドはコントローラ35のリフト用弁端子35gに接続され、チルト用弁22のソレノイドはコントローラ35のチルト用弁端子35hに接続されている。
【0019】
主油路19にはチルト用油路20とリフト用油路21との接続部位の圧力を検出する圧力センサ36が接続されており、圧力センサ36の出力端はコントローラ35の圧力センサ端子35iに接続されている。
【0020】
コントローラ35の操作信号端子35jには操作ボックス37が接続されており、操作ボックス37には荷受台12の開き作動を指令するためのスイッチ(以下、開きスイッチという。)38と、荷受台12の閉じ作動を指令するためのスイッチ(以下、閉じスイッチという。)39と、荷受台12の下げ作動を指令するためのスイッチ(以下、下げスイッチという。)40と、荷受台12の上げ作動を指令するためのスイッチ(以下、上げスイッチという。)41と、荷受台12を水平の位置から±10度の範囲内において荷受台の先端部を下げるチルト下げスイッチ42と、先端部を持ち上げるチルト上げスイッチ43とがそれぞれ設置されている。
【0021】
図2に示されているように、コントローラ35の入力端には荷受台12の傾きを検出するチルトセンサ51と、荷受台12のリフト位置を検出するリフトセンサ52と、荷台2の水平に対する傾斜角度を検出する荷台傾斜角センサ53とが接続されている。チルトセンサ51は荷受台12とリフトアーム11の取付部に設置されており、リフトアーム11に対する荷受台12の傾きを測定することにより荷受台12の開き角度を検出するように構成されている。リフトセンサ52はリフトアーム11に介設されており、リフトアーム11の回動角度を検出することにより荷受台12の高さ位置を検出するように構成されている。荷台傾斜角センサ53は荷受台12の傾きを測定する基準となる荷台2の水平に対する傾斜角を測定するものであり、図2においては荷台2に取付けているように描かれているが、実際には荷台2に設置されているコントローラ35の基板の上に取り付けられている。
【0022】
コントローラ35はマイクロコンピュータ等によって構成されており、メモリーに記憶されたプログラムやテーブルの内容、圧力センサ36、チルトセンサ51、リフトセンサ52および荷台傾斜角センサ53の検出値に基づいてモータリレー29、排出用弁28、下げ用弁25、リフト用弁23、チルト用弁22の作動を制御するように構成されている。
【0023】
次に、以上の構成に係る荷受台昇降装置10の基本的な作動を説明する。
【0024】
図1において、メインスイッチ33がオンにされた状態において圧油を供給するための条件が成立した場合には、リレーコイル29bがコントローラ35によって励磁されてリレースイッチ29aがオンされる。これにより、バッテリー32の電圧がDCモータ16に印加され、油圧ポンプ17がDCモータ16によって回転駆動されるため、油圧ポンプ17の圧油が主油路19に送給される。コントローラ35は油圧ポンプ17の吐出流量をDCモータ16の駆動電圧と圧力センサ36の検出圧力値とを後述するテーブルに照合することによって求める。
【0025】
最初に、開きスイッチ38が操作された場合には、コントローラ35によってチルト用弁22のソレノイドが励磁されるとともに、下げ用弁25のソレノイドが励磁されて切り換えられ、チルトシリンダ装置14内の圧油が荷受台12の自重により排出され、チルト用弁22、下げ用弁25および排出用弁28を介してタンク18に戻される。
【0026】
次いで、下げスイッチ40が操作された場合には、コントローラ35によってリフト用弁23のソレノイドが励磁されるとともに、下げ用弁25のソレノイドが励磁されて切り換えられ、リフトシリンダ装置15内の圧油が荷受台12の自重により排出され、リフト用弁23、下げ用弁25および排出用弁28を介してタンク18に戻される。
【0027】
その後に、上げスイッチ41が操作された場合には、リフト用弁23のソレノイドがコントローラ35によって励磁されてリフト用弁23が切り換えられ、油圧ポンプ17からの圧油が主油路19およびリフト用油路21を経由してリフトシリンダ装置15に供給されて荷受台12が上昇される。
【0028】
最後に、閉じスイッチ39が操作された場合には、チルト用弁22のソレノイドがコントローラ35によって励磁されてチルト用弁22が切り換えられ、油圧ポンプ17からの圧油が主油路19およびチルト用油路20を経由してチルトシリンダ装置14に送給されて荷受台12が閉じられる。なお、荷受台12の開きスイッチ38および閉じスイッチ39は、荷受台12がリフトの上限に停止しているときにのみ操作できるようになっており、荷受台12をリフトの上限から下降させた位置では操作できないようになっている。
【0029】
前述した荷受台の上昇作動に際して緩起動および緩停止が実施される場合には、荷受台の上昇速度を規定するリフトシリンダ装置15の流量について図3に示されたシーケンス制御が実行される。図3において、縦軸にはリフトシリンダ装置15の流量(m3 /分)が取られており、横軸にはリフトシリンダ装置15のストロークに依存するリフトセンサ52の出力値であるリフト角度が取られている。図3中、60は上昇開始点、61は緩起動範囲、62は緩起動速度から等速度への速度変換点(以下、緩起動変換点という。)、63は等速上昇範囲、64は等速度から緩停止速度への速度変換点(以下、緩停止変換点という。)、65は緩停止範囲、66は上昇終了点を示している。ここで、各点の値はリフト角値で表される。上昇終了点66は車高に無関係に一定であるので、リフト角が零であるとする。上昇開始点60は車高の変動に追従して変動するが、車高に無関係に一定であるとする。緩起動変換点62は上昇開始点60に緩起動範囲61を加算することにより設定される。緩停止変換点64は上昇終了点に緩停止範囲65を減算することにより設定される。
【0030】
なお、油圧ポンプ17の吐出流量をQp、流量比例弁(排出用弁)28の制御流量をQvとすると、リフトシリンダ装置15の流量(目標流量)Qcは、次式(1)によって求められる。
Qc=Qp−Qv・・・(1)
また、ポンプの押し退け容積をVr、DCモータ16の回転数をNとすると、油圧ポンプ17の吐出流量Qpは、次式(2)によって求められる。
Qp=Vr×N・・・(2)
【0031】
しかし、本実施の形態においては、DCモータ16の回転数を測定する回転センサが設置されていないので、DCモータ16の回転数Nから油圧ポンプ17の吐出流量Qpを求めることができない。そこで、本実施の形態においては、図4に示されたシーケンスフローにより、油圧ポンプ17の吐出圧力とDCモータ16の給電電圧とによってポンプ流量Qpを求めるものとした。
【0032】
一般に、DCモータで駆動される油圧ポンプの吐出流量特性はDCモータの供給電圧と油圧ポンプの吐出圧力によって求めることができる。そこで、本実施の形態においては、図5に示されているように、油圧ポンプ17の吐出流量QpとDCモータ16の供給電圧Mvと油圧ポンプ17の吐出圧力Pとの関係曲線を実験やコンピュータのシュミレーション等の実験的手法によって予め求めて、コントローラ35のメモリーにテーブルとして記憶させておき、検出されたDCモータ16の供給電圧Mvと油圧ポンプ17の吐出圧力Pとによってコントローラ35がテーブルからポンプ流量Qpを検索して求めるように構成した。なお、図5において、X軸には油圧ポンプ17の吐出圧力P(MPa)が、Y軸にはDCモータ16の供給電圧Mv(V)が、Z軸には油圧ポンプ17の吐出流量Qp(m3 /分)がそれぞれ取られている。
【0033】
次に、図3の緩起動変換点62における油圧ポンプ17の現在の吐出流量QpをDCモータ16の現在の給電電圧Mvと油圧ポンプ17の現在の吐出圧力Pとによって求める場合を、図3〜図6によって説明する。なお、緩起動変換点62における油圧ポンプ17の現在の吐出流量Qpは、例えば、緩起動変換点62のフィードバック制御に使用することができる。
【0034】
図3に示されたシーケンスフローにおいて緩起動変換点62に達すると、図4に示された流量検出フローがスタートする。供給電圧検出ステップS1においては、電源端子35aの電圧がDCモータ16の現在の給電電圧Mvとして検出される。ポンプ吐出圧力検出ステップS2においては、圧力センサ36の出力圧力が油圧ポンプ17の現在の吐出圧力Pとして検出される。流量テーブル検索S3においては、コントローラ35が図5に示されたQp−Mv−P曲線であってメモリーに記憶されたテーブルに現在の給電電圧Mvと現在の吐出圧力Pとを照合することにより、油圧ポンプ17の現在の吐出流量Qpを検索する。
【0035】
この際、Qp−Mv−P曲線は実験的手法によって作成されたデータであるために、図5に示されているように、吐出流量Qpを点として検索することができない。そこで、コントローラ35は流量補完計算ステップS4において、図6に示された補完計算を実行する。この補完計算により、油圧ポンプ17の現在の吐出流量Qpを絶対値として求めることができる。
【0036】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0037】
1) 油圧ポンプの吐出流量を吐出圧力とDCモータの供給電圧とによって求めることにより、DCモータの回転数を測定する回転センサを省略することができるので、荷受台昇降装置ひいては荷受台昇降装置付き貨物自動車のイニシャルコストやランニングコスト等のコストを低減することができる。
【0038】
2) 図6に示された補完計算を実行することにより、油圧ポンプの吐出流量Qpの絶対値を求めることができるので、油圧ポンプの吐出流量Qpを精密に制御することができる。
【0039】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、図6に示された補完計算は省略してもよい。
【0041】
荷受台を昇降させるリフト用アクチュエータおよび荷受台を回動させるチルト用アクチュエータはシリンダ装置によって構成するに限らず、油圧モータ等によって構成してもよい。
【0042】
以上の説明では荷受台昇降装置に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、本発明に係る油圧ポンプは、油圧シリンダ装置や油圧モータ等の油圧アクチュエータの駆動に使用される電動モータによって運転される油圧ポンプ全般に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、油圧ポンプの吐出流量を吐出圧力と電動モータの駆動電圧とによって求めることにより、電動モータの回転数を測定する回転センサを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である荷受台昇降装置の油圧回路および制御回路を示す回路図である。
【図2】荷受台昇降装置全体の斜視図である。
【図3】リフトシリンダ装置の上昇作動のシーケンスチャートである。
【図4】流量検出フローチャートである。
【図5】Qp−Mv−P曲線を示すグラフである。
【図6】流量補完計算を説明するための各説明図である。
【符号の説明】
1…貨物自動車、2…荷台、10…荷受台昇降装置、11…リフトアーム(リフト部材)、12…荷受台、13…カートストッパ、14…チルトシリンダ装置、15…リフトシリンダ装置、16…DCモータ、17…油圧ポンプ、18…タンク、19…主油路、19a…リリーフ油路、20…チルト用油路、21…リフト用油路、22…チルト用弁、23…リフト用弁、24…逆止弁、25…下げ用弁、27…排出油路、28…排出用弁、29…モータリレー、29a…リレースイッチ、29b…リレーコイル、30…リリーフ弁、31…電流検出用抵抗、32…バッテリー、33…メインスイッチ、35…コントローラ、35a…電源端子、35b…モータリレー端子、35d…電流検出端子、35e…流量比例弁端子、35f…下げ用弁端子、35g…リフト用弁端子、35h…チルト用弁端子、35i…圧力センサ端子、35j…操作信号端子、36…圧力センサ、37…操作ボックス、38…開きスイッチ、39…閉じスイッチ、40…下げスイッチ、41…上げスイッチ、42…チルト下げスイッチ、43…チルト上げスイッチ、51…チルトセンサ、52…リフトセンサ、53…荷台傾斜角センサ、60…上昇開始点、61…緩起動範囲、62…緩起動速度から等速度への速度変換点(緩起動変換点)、63…等速上昇範囲、64…等速度から緩停止速度への速度変換点(緩停止変換点)、65…緩停止範囲、66…上昇終了点。

Claims (3)

  1. 電動モータ(16)によって運転される油圧ポンプ(17)の制御システムであって、
    前記油圧ポンプ(17)の吐出流量と前記電動モータ(16)の供給電圧と前記油圧ポンプ(17)の吐出圧力との関係を示すテーブル(Qp−Mv−P曲線)を記憶したメモリーを有するコントローラ(35)と、
    前記電動モータ(16)の現在の供給電圧(Mv)を検出する端子(35a)と、
    前記油圧ポンプ(17)の現在の吐出圧力(P)を検出する圧力センサ(36)と、
    を備えており、
    前記コントローラ(35)は、前記テーブル(Qp−Mv−P曲線)に前記現在の供給電圧(Mv)および前記現在の吐出圧力(P)を照合することにより、前記油圧ポンプ(17)の現在の吐出流量(Qp)を検索する、油圧ポンプの制御システム。
  2. 前記コントローラ(35)は、補完計算することにより、前記現在の吐出流量(Qp)を特定することを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプの制御システム。
  3. リフト部材(11)に支持された荷受台(12)と、前記リフト部材(11)を昇降させるアクチュエータ(15)と、電動モータ(16)によって運転されて前記アクチュエータ(15)に圧油を供給する油圧ポンプ(17)とを備えている荷受台昇降装置において、
    前記油圧ポンプ(17)が請求項1の油圧ポンプの制御システムによって制御されることを特徴とする荷受台昇降装置。
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