JP3816227B2 - 流体圧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体のエネルギを機械を駆動する力に変換する流体圧装置に係り、特に、作動流体の圧力、流量、流れの方向をポンプ、各種制御弁を使用せずに制御し、シリンダなどのアクチュエータを作動させるようにした流体圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の油圧シリンダ10に圧油を供給する油圧ユニットの基本的な構成を示す回路図である。この油圧ユニットは、油圧シリンダ10に作動油を供給する油圧ポンプ12、流量制御弁13、圧力制御弁14、作動油を溜めるタンク15などから構成されているものである。
【0003】
このような従来の油圧ユニットでは、油圧シリンダ10のピストン11(またはプランジャ)を負荷に抗して前進させるときの圧力の制御を圧力制御弁14により行なうとともに、速度を流量調整弁13により制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧ポンプ12、流量制御弁13、圧力制御弁14などの組み込まれている油圧回路では、油圧シリンダ10に仕事をさせるのに必要な流量と圧力を確保するためには、油圧シリンダ10の最大速度を得るために十分必要な流量の作動油をポンプ12から供給する必要がある。また、圧力については、圧力が圧力制御弁14の設定圧に達すると、作動油の一部を戻り側に排出して必要な圧力を保持している。この圧力リリーフの動作のときに、大きなエネルギ損失が生じる。流量制御弁13で流量を絞る際にもエネルギ損失がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、ポンプや圧力制御弁、流量制御弁などを用いずに、シリンダ等のアクチュエータの作動流体の圧力、流量、流れの方向を制御するようにし、エネルギ効率の高い流体圧装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、流体のエネルギを機械的な仕事に変換する流体圧装置であって、第1の圧力室と第2の圧力室を有するアクチュエータと、前記アクチュエータの第1の圧力室に接続され、電動機駆動の第1のプランジャを有する第1の流体圧制御用シリンダと、前記アクチュエータの第2の圧力室に接続され、電動機駆動の第2のプランジャを有する第2の流体圧制御用シリンダと、第1プランジャと第2プランジャをそれぞれ単独に、または両方を同時に動作させて互いに逆方向に進退させるプランジャ駆動機構と、前記プランジャ駆動機構よる第1プランジャ、第2プランジャの進退動の速度を操作し、前記アクチュエータの第1圧力室、第2圧力室に給排する作動流体の圧力を制御をする流体圧サーボ制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、アクチュエータの作動に必要な流量の作動流体を所定圧に加圧し、アクチュエータの第1圧力室と第1流体圧制御用シリンダの間、およびアクチュエータの第2圧力室と第2流体圧制御用シリンダの間で移動させているだけであるので、流量制御弁で流量を絞るときに圧力損失が発生し、圧力制御弁で圧力をリリーフさせる際のエネルギ損失が大きい従来の油圧ユニットに較べて、エネルギロスを少なくすることができる。
【0008】
また、本発明では、 前記プランジャ駆動機構は、前記第1プランジャに連結する第1ボールネジと、この第1ボールネジを回転駆動する第1のサーボモータと、第2プランジャに連結する第2ボールネジと、この第2ボールネジを回転駆動する第2のサーボモータとを有し、一方のプランジャが最前進位置にあるときに、他方のプランジャは最後退位置にあるように各プランジャを逆方向に駆動するように構成される。
【0009】
これによれば、プランジャ径を適切な小さい径に選択することにより、プランジャの駆動機構のサーボモータや、ボールネジを小型化し、コンパクトな構成にすることができる。
【0010】
また、本発明では、前記流体圧制御手段は、前記アクチュエータの第1圧力室の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記アクチュエータの第2圧力室の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前記アクチュエータの第1圧力室、第2圧力室の圧力の目標値をそれぞれ設定する手段と、前記第1圧力検出手段または第2圧力検出手段からフィードバックした検出圧力と目標値とを比較し、前記アクチュエータの第1圧力室または第2圧力室の作動流体の圧力が目標値になるように第1サーボモータと第2サーボモータの速度を同時に制御し、または、目標値が設定された方の圧力室の作動流体の圧力を当該圧力検出手段からフィードバックし、圧力が目標値になるように第1または第2のサーボモータの速度を制御するサーボ制御手段と、を具備する
これによれば、それぞれプランジャを駆動する各サーボモータを連動させて、作動流体の流量、圧力を容易に正確にフィードバック制御することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による流体圧装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、アクチュエータとして油圧シリンダを用いる本発明の実施形態を示す。
【0012】
40は、片ロッド形の油圧シリンダである。この油圧シリンダ40にはピストン41が摺動自在に嵌合し、ピストンロッド42は、図示しない機械側の駆動軸に連結されている。油圧シリンダ40では、圧力室としてのシリンダ室は、ピストン41によってヘッド側のシリンダ室43とロッド側のシリンダ室44とに区画されている。
【0013】
45は、油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43のポートに接続されている第1の油圧制御用シリンダである。46は、油圧シリンダ40のロッド側シリンダ室44のポートに接続されている第2の油圧制御用シリンダである。
【0014】
油圧シリンダ40のヘッド側のシリンダ室43へ作動油を供給、排出する第1油圧制御用シリンダ45には、第1のプランジャ47が摺動自在に嵌合している。この第1プランジャ47には、雌ねじの形成された軸孔を持っており、この軸孔に第1のボールネジ48が螺合するようになっている。この第1ボールネジ48は、第1のサーボモータ50により回転駆動されるもので、カップリング51を介して第1サーボモータ50の駆動軸と連結されている。
【0015】
一方、油圧シリンダ40のロッド側のシリンダ室44へ作動油を供給、排出する第2油圧制御用シリンダ46は、この実施形態では、第1油圧制御用シリンダ45と同じシリンダ径とシリンダストロークをもったシリンダであるが、異なるサイズのシリンダであってもよい。第2プランジャ52の軸孔には第2のボールネジ53が螺合するようになっている。この第2ボールネジ53は、カップリング55を介して第2サーボモータ54の駆動軸と連結されている。
【0016】
なお、本実施形態では、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54から伝えられる回転運動は、それぞれ直接第1ボールネジ48、第2ボールネジ53により直線運動に変換して第1プランジャ47、第2プランジャ52に伝達するようにしているが、ボールネジ48、53とプランジャ47、52の間には他の伝動要素を介して直線運動を伝達するようにしてもよい。
【0017】
負荷に抗してピストン41を前進させる場合には、第1サーボモータ50が第1ボールネジ48を回転させることにより、第1プランジャ47を前進させ、圧油をヘッド側シリンダ室43に送る。他方、第2サーボモータ54が第2ボールネジ53を逆方向に回転させることにより、第2プランジャ52を後退させ、ロッド側シリンダ室44の圧油を排出させる。また、第2サーボモータ54は運転せず、第1サーボモータ50だけを単独に動作させることによっても、ピストン41を前進させることができる。この場合には、第2サーボモータ54はトルクは発生しないフリーな状態なので、第2プランジャ52は、ロッド側シリンダ室44から第2油圧制御用シリンダ46に戻された作動油に押されて後退するようになっている。
ピストン41を後退させる場合は、前進のときと反対の動作をするようになっている。
【0018】
図1に示すように、それぞれ第1プランジャ47と第2プランジャ52との位置関係は、第1プランジャ47が最後退位置にあるときには、第2プランジャ52は最前進位置にある。また、第1プランジャ47が最前進位置にあるときには、第2プランジャ52が最後退位置にある。第1プランジャ47と第2プランジャ52は、一方が前進すれば他方は後退するというように反対方向に移動するようになっている。
【0019】
このように油圧シリンダ40には、従来の油圧ユニットのように油圧ポンプ、方向切換弁や圧力制御弁、流量制御弁などから構成される油圧回路を用いずに、直接、第1油圧制御用シリンダ45と第2油圧制御用シリンダ46で作動油を所定の圧力に加圧することで、油圧シリンダ40を作動させることができる。
【0020】
作動油の流れの方向は、第1プランジャ47と第2プランジャ52の移動方向により決まり、油圧シリンダ40の速度、すなわち流量は、第1プランジャ47と第2プランジャ52のどちらか一方、または両方の移動速度で決まる。しかも、従来の油圧ユニットと異なり、油圧シリンダ40を作動させる流量だけ、所定圧に加圧された圧油を油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43と第1油圧制御用シリンダ45の間、およびロッド側シリンダ室44と第2油圧制御用シリンダ46の間で移動させているだけであるので、流量制御弁で流量を絞るときに圧力損失が発生し、圧力制御弁で圧力をリリーフさせる際のエネルギ損失が大きい従来の油圧ユニットに較べて、エネルギロスを少なくすることができる。
【0021】
また、油圧シリンダ40に仕事をさせるために、第1油圧制御用シリンダ45で発生する力は、ピストン41の受圧面積と第1プランジャ47の受圧面積との比に力が拡大されるので、油圧シリンダ40のピストン径にくらべて小さな直径の第1プランジャ47、第2プランジャ52を使用することができる。その場合、仕事に必要な力との関係で油圧シリンダ40のピストン径に対して、適切なプランジャ径を選択すればよい。
【0022】
次に、第1プランジャ47と第2プランジャ52を駆動する第1サーボモータ50、第2サーボモータ54の両方を同時に制御し、またはどちらか一方を制御し、油圧シリンダ40へ供給する圧油の圧力、流量、方向を制御するための油圧制御のブロック線図を図2に示す。
【0023】
図2において、60は、数値制御装置の演算装置を示す。この演算装置60は、予め定めた速度プログラムPから第1サーボモータ50、第2サーボモータ54に与える速度指令を演算する。この場合、油圧シリンダ40の作動速度と、前進する第1プランジャ47の移動速度とは、ピストン41のヘッド側シリンダ室43における受圧面積と、第1プランジャ47の受圧面積の比に反比例する関係にある。また、油圧シリンダ40の作動速度と後退する第2プランジャ52の移動速度とは、ピストン41のロッド側シリンダ室44における受圧面積と、第2プランジャ52の受圧面積の比に反比例する関係にある。また、油圧シリンダ40の作動速度は、油圧シリンダ40と、第1油圧制御用シリンダ45および第2油圧制御用シリンダ46との間でやりとりする圧油の流量と対応するので、流量が決まれば、第1プランジャ47の前進速度、第2プランジャ52の後退速度も決まり、それぞれ第1サーボモータ50または第2サーボモータ54に与えるべき速度指令も一義的に定まる。速度プログラムPは、このような関係に基づいて予め設定されて数値制御装置に入力される。
【0024】
演算装置60で演算された速度指令は、それぞれ第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を制御するサーボコントローラ61、62に分配されて入力される。サーボコントローラ61、62は、それぞれ第1サーボモータ50または第2サーボモータ54からフィードバックした速度が速度指令に一致するようにトルク指令を与える。
【0025】
なお、第2サーボモータ54を運転しないでトルクのかからない状態にしておく場合には、速度プログラムPは、油圧シリンダ40の作動速度に対応する速度指令を第1サーボモータ50にだけ与える。
【0026】
一方、油圧シリンダ40には、ヘッド側のシリンダ室43の圧油の圧力を検出する圧力検出器64と、ロッド側のシリンダ室44の圧油の圧力を検出する圧力検出器65が設けられており、それぞれ出力がフィードバックされて圧力設定器66、67によって設定される目標圧力値と比較する圧力制御のループが構成されている。それぞれ圧力の検出値と目標値との偏差は、速度指令に加算されて速度指令が補正されるようになっている。
【0027】
以下、油圧シリンダ40の動作と関連させながら、油圧制御の内容について説明する。
図3は、ピストン41の変位と油圧シリンダ40の圧力の関係を表した図である。この図3において、Paは、油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力を示す。Pbは、ロッド側シリンダ室44の圧油の圧力を示す。
【0028】
図3(a)に示すように、第1サーボモータ50だけを駆動してピストン41を負荷に抗して前進させる場合には、ヘッド側シリンダ室43の圧力は、目標圧力値Paに設定され、ロッド側シリンダ室44の圧力については制御しないので、目標値は設定されない。
【0029】
速度プログラムPに基づいて、演算装置60は、第1サーボモータ50のサーボコントローラ61には所定の速度指令を与えるが、第2サーボモータ54には、トルクフリーで回転するように、速度指令は与えられない。
【0030】
そこで、第1サーボモータ50に駆動されて第1プランジャ47が前進すると、第1油圧制御用シリンダ45の圧油は加圧されて、この圧油が油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43に供給されて、ピストン41を前進させる。他方、ロッド側シリンダ室44の作動油は、第2油圧制御用シリンダ46に排出されて、それにともない第2プランジャ52は後退しながら、トルクゼロでフリーに回転できる状態にある第2サーボモータ54を逆転させる。こうして油圧シリンダ40は、ヘッド側シリンダ室43の圧力Paがピストン41のヘッド側の受圧面積に作用する力で負荷に対して仕事を行う。
【0031】
仕事をする間の負荷の変動によって、油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力にも変動が生じる。このヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力は、圧力検出器64により検出される。そして、検出圧力はフィードバックされて、この検出圧力は圧力設定器66で設定してある設定値Paと比較される。その偏差は速度指令に加えられ、検出圧力が設定値よりも高い場合は、サーボコントローラ61は、第1サーボモータ50に与えるトルク指令入力の大きさを減じる。これによりトルクが減少し、ヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力は下がり目標値Paになるように制御される。他方、検出圧力が目標値Paよりも低い場合は、速度指令は変えずにそのままで第1サーボモータ50の速度制御を継続する。
【0032】
なお、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を共に駆動して、無負荷でピストン41を前進させる場合には、ロッド側のシリンダ室44の圧油の圧力をヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力Paよりも小さい所定の圧力に設定することにより、ピストン41の前進動作に対する抵抗を任意の大きさに制御することができる。
【0033】
次に、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を共に駆動して、負荷に抗してピストン40を前進させる場合には、図3(b)に示すように、油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力はPaに設定され、ロッド側のシリンダ室44の圧油の圧力は負圧である圧力Pbに設定される。
【0034】
前述と同じようにして、第1サーボモータ50は、第1プランジャ47を前進させ、第2サーボモータ54は、第2プランジャ52を後退させる。そして、第1油圧制御用シリンダ45から圧油が供給されるヘッド側のシリンダ室43の圧力は、前述したのと同じようにして圧力目標値のPaを越えないように制御される。第2油圧制御用シリンダ46に圧油が排出されるロッド側シリンダ室44の圧力は、設定した負圧の目標圧力Pbに一致するようにフィードバック制御される。
【0035】
両シリンダ室43、44の目標圧力Pa、Pbは、ピストン41の1ストロークの間、上記のように一定の場合だけでなく、所定の変化のパターンを予め設定しておき、ピストン41の位置に応じて変化させるようにしてもよい。
【0036】
こうして、油圧シリンダ40の両シリンダ室43、44の圧力をフィードバック制御していけば、その差圧Pa−Pbに相当する力で仕事をしながらピストン41は前進する。このように、第2サーボモータ54により第2プランジャ52を後退させてロッド側シリンダ室44の圧力を負圧に保つことにより、第1サーボモータ50とともに第2サーボモータ54にも仕事の負荷を担わせることができる。
【0037】
この負荷の負担割合は、目標圧力PaとPbの比であるため、例えば、両者を絶対値で1対1にすれば負荷を等分に分担させることができる。また、このように、ロッド側シリンダ室44の圧力を負圧に設定して、目標圧力の設定値の大きさに応じて第1サーボモータ50と第2サーボモータで負荷を分担できるということは、サーボモータ50、54を小容量化できることにつながる。また、2台のサーボモータの運転を厳密に同期させる必要はなく、それぞれ目標圧力に一致するように運転すればよいため、モータの動力を伝達するボールネジ48、53に過負荷を本来的にかからなくすることができる。
【0038】
上記のような圧力制御おいて、負荷の急激な増大により、圧力の制御が追従できずに、ヘッド側シリンダ室43の圧力が増大することがあり得る。この事態を放置すると、サーボモータ50、54に異常な負荷がかかるため、次のようにして、圧力が最大圧力を越えないように負荷の急上昇により圧力が増大する方のヘッド側シリンダ室43の圧力が最大圧力を越えないように過負荷を防止することができる。
【0039】
この場合、ヘッド側シリンダ室43の圧力を検出する圧力検出器64の出力は、比較部70を介して演算装置60にフィードバックされる。この比較部70では、最大圧を設定するための最大圧設定器71で設定した設定値Psと、検出圧力とが比較され、圧力上昇が監視される。もし、検出圧力が急激に増大し設定値Psに達したら、演算装置はその比較結果に基づいて、第1サーボモータ50のサーボコントローラ61に速度を減少させる速度指令を出力する。これにより、第1プランジャ47の前進速度が遅くなる結果、圧力は減少し、圧力の上昇を防ぐことができる。このようにして、過負荷が働いた場合に第1サーボモータ50を保護することが可能となる。
【0040】
また、別の方法としては次のようにしてもよい。すなわち、検出圧力が急激に増大し設定値Psに達したら、演算装置60は、その比較結果に基づいて、第2サーボモータ54のサーボコントローラ62に、速度プログラムPで指令された後退速度とは関わりなく、強制的に第2プランジャ52を速い速度で後退させるための速度指令を与えるようにしてもよい。この過負荷防止の動作によれば、第1サーボモータ50に過負荷が働いた場合の保護を第1サーボモータ50の速度を減らすことなく、第2サーボモータ54に負荷を分担させることで実現できる。
【0041】
また、上記の速度指令の制御を第1サーボモータ50と第2サーボモータ54の両方について同時に行うようにしてもよい。
【0042】
次に、ピストン41を後退させる場合には、図3(c)で示すように、油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力をPa、ロッド側シリンダ室44の圧油の圧力はPaよりも大きなPbにそれぞれ目標圧力が設定される。
【0043】
ピストンが前進する場合と同じようにして、それそれヘッド側シリンダ室43、ロッド側シリンダ室44の検出圧力をフィードバックし、それぞれ検出圧力が目標圧力に一致するように速度指令がサーボコントローラ61、62に与えられ、サーボコントローラ61、62は、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54にそれぞれ目標圧力に一致させるようなトルク指令を出力する。こうして、第2プランジャ52は前進して第2油圧制御用シリンダ46から圧力Pbの圧油を油圧シリンダのロッド側シリンダ室44に供給する。他方、第1プランジャ47は後退して、第2ヘッド側シリンダ室43から圧力Paの圧油が第1油圧制御用シリンダ45に排出される。
【0044】
また、第2サーボモータ54は運転せずにトルクフリーで回転するようにしておき、第1サーボモータ50に所定の速度指令を与えて回転させことによっても、ピストン41を後退させることができる。この場合は、ピストン41が後退する間は、ヘッド側シリンダ室43の検出圧力だけをフィードバックし、検出圧力が目標圧力Paに一致するように速度指令がサーボコントローラ61に与えられ、サーボコントローラ61は、第1サーボモータ50に目標圧力に一致させるようなトルク指令を出力する。こうして、第1プランジャ47は後退して、圧油が第1油圧制御用シリンダ45に排出されるが、ヘッド側シリンダ室43では圧力が設定値にPaに保たれ、この圧力が背圧として作用する。
【0045】
他方、ロッド側シリンダ室44では、ピストン41の後退により減圧されるので、第2油圧制御用シリンダ46内の作動油はロッド側シリンダ室44に吸引され、これにより、第2プランジャ52は前進する。
【0046】
以上、本発明について、油圧により片ロッド形のシリンダを作動させる実施の形態を挙げて説明したが、本発明は、種々の流体圧作動(空気圧を含む)のアクチュエータの動作制御に適用することができる。例えば、アクチュエータとしては、両ロッド形のシリンダでもよいし、ロータリ式の流体圧アクチュエータにも適用可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0048】
従来のようにポンプ、流量制御弁、圧力制御弁、方向制御弁を用いずに、アクチュエータと、電動駆動のプランジャで直接加圧する流体圧制御用シリンダとの相互間でそれぞれ所定圧に加圧した作動流体を移動させることでアクチュエータの動作を制御できるので、流体圧装置の構成要素を簡素化できるとともに、流量を絞ったり、圧力をリリーフさせるといったエネルギ損失の生じる動作がないので、エネルギ効率を大幅に向上させることができる。
【0049】
また、プランジャ径を適切な小さい径に選択することにより、プランジャの駆動機構の電動機や、ボールネジを小型化し、コンパクトな構成にすることができる。
【0050】
さらに、それぞれプランジャを駆動する電動機としてはサーボモータを用い、各サーボモータを連動させて作動流体の流量、圧力を容易に正確にフィードバック制御することができる。
【0051】
しかも、2台のサーボモータの厳密な同期運転を必要とせず、誤差は圧力のフィードバック制御の制御ループの中で吸収され、ボールネジに異常な過負荷を与えて摩耗を速めることを回避できる。また、負荷の変動に伴う急激な圧力上昇を防ぐために最大圧を越えないように圧力を制御することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体圧装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の流体圧装置における作動流体の圧力、流量の制御のブロック線図。
【図3】アクチュエータにおける圧力の設定の例を示す図。
【図4】従来の油圧ユニットの基本的な構成要素を示す回路図。
【符号の説明】
40 油圧シリンダ(アクチュエータ)
41 ピストン
43 ヘッド側シリンダ室(第1圧力室)
44 ロッド側シリンダ室(第2圧力室)
45 第1油圧(流体圧)制御用シリンダ
46 第2油圧(流体圧)制御用シリンダ
47 第1プランジャ
48 第1ボールネジ
50 第1サーボモータ
52 第2プランジャ
53 第2ボールネジ
54 第2サーボモータ
Claims (4)
- 流体のエネルギを機械的な仕事に変換する流体圧装置であって、
第1の圧力室と第2の圧力室を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータの第1の圧力室に接続され、電動機駆動の第1のプランジャを有する第1の流体圧制御用シリンダと、
前記アクチュエータの第2の圧力室に接続され、電動機駆動の第2のプランジャを有する第2の流体圧制御用シリンダと、
第1プランジャと第2プランジャをそれぞれ単独に、または両方を同時に動作させて互いに逆方向に進退させるプランジャ駆動機構と、
前記プランジャ駆動機構よる第1プランジャ、第2プランジャの進退動の速度を操作し、前記アクチュエータの第1圧力室、第2圧力室に給排する作動流体の圧力を制御をする流体圧サーボ制御手段と、
を備えることを特徴とする流体圧装置。 - 前記プランジャ駆動機構は、
前記第1プランジャに連結する第1ボールネジと、この第1ボールネジを回転駆動する第1のサーボモータと、第2プランジャに連結する第2ボールネジと、この第2ボールネジを回転駆動する第2のサーボモータとを有し、
一方のプランジャが最前進位置にあるときに、他方のプランジャは最後退位置にあるように各プランジャを逆方向に駆動することを特徴とする請求項1に記載の流体圧装置。 - 前記流体圧サーボ制御手段は、
前記アクチュエータの第1圧力室の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
前記アクチュエータの第2圧力室の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
前記アクチュエータの第1圧力室、第2圧力室の圧力の目標値をそれぞれ設定する手段と、
前記第1圧力検出手段または第2圧力検出手段からフィードバックした検出圧力と目標値とを比較し、前記アクチュエータの第1圧力室または第2圧力室の作動流体の圧力が目標値になるように第1サーボモータと第2サーボモータの速度を同時に制御し、または、目標値が設定された方の圧力室の作動流体の圧力を当該圧力検出手段からフィードバックし、圧力が目標値になるように第1または第2のサーボモータの速度を制御するサーボ制御手段と、
を具備することを特徴とする請求項2に記載の流体圧装置。 - 前記アクチュエータは、片ロッド形の流体圧シリンダからなり、前進側シリンダ室の圧力が、予め設定された最大圧を越えないようにそれぞれ第1サーボモータまたは第2サーボモータをそれぞれ単独にまたは同時に制御する過負荷防止手段を有することを特徴とする請求項3に記載の流体圧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07439598A JP3816227B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 流体圧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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