JP3792394B2 - 射出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の射出装置に係り、特に、射出動作を行う射出用シリンダの流体圧駆動制御を改良した射出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機に使用される射出装置には、油圧式の他、電動式の射出装置がある。この電動式射出装置では、電動機の回転運動をボールネジなどの伝動機構によって、スクリュや射出プランジャの直進運動に変換している。
【0003】
この種の電動式射出装置では、電動機の出力でスクリュや射出プランジャを直動する方式なので、電動機の速度、トルクを制御することで射出速度や射出力などを制御することができる。したがって、射出速度や射出力の多様な変化のパターンに応じるためには、電動機にはできるだけ大容量の電動機が必要とされており、それにともないボールネジにも大容量のものが使用されている。
【0004】
図5は、従来の電動式射出装置の一例を示す。この電動式射出装置は、スクリュインライン式の射出装置で、10は、スクリュを示す。このスクリュ10は、樹脂の可塑化、計量を行うとともに、射出プランジャとしても働くスクリュである。スクリュ10は、バレル11に回転自在でかつ軸方向に前進および後退可能なように挿入されている。バレル11の外周部には、加熱用のヒータ12が設けられている。成形材料の樹脂は、バレル11の一端部に取り付けられたホッパ13からバレル11内部に投入され、スクリュ10の回転によって可塑化される。
14がスクリュ10の回転駆動部である。スクリュ10は、継手15を介して駆動軸16と連結されている。ハウジング17の内部には、駆動軸16を回転自在に支持するラジアル軸受18と、射出力の反力のスラスト荷重を受けるスラスト軸受19が内蔵されている。
【0005】
20は、駆動軸16を駆動する電動機を示す。この電動機の出力軸には、歯車21が取り付けられ、この歯車21と駆動軸に取り付けられている歯車22が噛み合っている。従って、電動機の回転動力は、歯車21、22を介して駆動軸16に伝動され、スクリュ10を回転させる。
【0006】
一方、射出工程では、スクリュ10を前進させ、計量工程ではスクリュ10を後退させるための電動駆動機構としては、回転駆動部14と連結しているボールネジ24とこれに螺合しているナット25と電動機26が設けられている。電動機26の出力軸には歯車27が設けられ、この歯車27がボールナット25側に取り付けられている歯車28に噛み合い、電動機26の回転運動をボールナット25に伝達している。
【0007】
このような電動式射出装置は、電動直動式であり、ボールネジ24とボールナット25には、射出力そのものが負荷される。このため、電動機26には、歯車27、28の減速比で決まる駆動トルクが負荷され、ボールネジ24と電動機26には大容量のものが必要であった。
【0008】
図6は、スクリュ10を前進および後退させるための電動駆動機構の各要素の小型化、小容量化を図るために、電動機30、歯車31、32からなる伝達機構、ボールナット33、ボールネジ34をそれぞれ二組並列に配置した射出装置である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図6の射出装置のように、並列な二組の電動駆動機構では、各組の機械的な平行度を正確に保ち、しかも、駆動制御を完全に同期させる必要がある。
しかし、実際問題としては、2台の電動機30、30の完全な同期運転は難しい。このため、ボールネジ34、34には、厳密にはアンバランスな推力が負荷されて偏荷重にさらされる。そして、しだいにアンバランス量が拡大されて、どちらか片方のボールネジ34に過大な負荷がかかり、摩耗を速めるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、スクリュまたは射出プランジャの前進後退動作を射出用流体圧シリンダで行い、射出用流体圧シリンダへ送る作動流体の方向、圧力、流量制御する制御用シリンダのプランジャの駆動にサーボモータを用いることにより、駆動機構のモータおよびボールネジの小型化、小容量化を達成する新しい流体圧駆動方式を採用した射出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、
樹脂材料を溶融し、射出プランジャまたはスクリュを後退させながら溶融樹脂の計量を行い、前記射出プランジャまたはスクリュを前進させ溶融樹脂を射出する射出装置において、
射出プランジャまたはスクリュに連結される射出用流体圧シリンダと、
雌ねじの形成された軸孔を有する第1のプランジャと、前記軸孔に螺合する第1のボールネジと、前記第1ボールネジを回転駆動する第1のサーボモータとを有し、前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室に接続される第1の流体圧制御用シリンダと、
雌ねじの形成された軸孔を有する第2のプランジャと、前記軸孔に螺合する第2のボールネジと、前記第1ボールネジを回転駆動する第2のサーボモータとを有し、前記射出用流体圧シリンダの後退側シリンダ室に接続される第2の流体圧制御用シリンダと、
前記第1サーボモータと第2サーボモータの一方を単独で動作させ、または両方を同時に動作させ、第1プランジャと第2プランジャを互いに逆方向に進退させ、前記射出用流体圧シリンダに供給する作動流体の流量、圧力を制御する流体圧制御手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0014】
前記流体圧制御手段は、前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室の作動流体の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記射出用流体圧シリンダの後退側シリンダ室の作動流体の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室または後退側シリンダ室の圧力の目標値をそれぞれ設定する手段と、前記第1圧力検出手段または第2圧力検出手段からフィードバックした検出圧力と目標値とを比較し、射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室または後退側シリンダ室の作動流体の圧力が目標値になるように第1サーボモータと第2サーボモータの速度を同時に制御し、または、目標値が設定された方のシリンダ室の作動流体の圧力を当該圧力検出手段からフィードバックし、圧力が目標値になるように第1または第2サーボモータの速度を制御するサーボ制御手段とからなり、射出用流体圧シリンダへ供給する作動流体、排出する作動流体の圧力、流量がサーボモータの操作を通じて正確にフィードバック制御される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による射出装置の一実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態による射出装置の構成を示す断面図である。この射出装置では、図5及び図6の従来の射出装置と共通する構成要素には同一の参照番号を付している。
【0016】
スクリュ10は、樹脂の可塑化、計量を行うとともに、射出プランジャとしても働くスクリュである。スクリュ10は、バレル11に回転自在でかつ軸方向に前進および後退可能なように挿入されている。バレル11の外周部には、加熱用のヒータ12が設けられている。成形材料の樹脂は、バレル11の一端部に取り付けられたホッパ13からバレル11内部に投入され、スクリュ10の回転によって可塑化される。
【0017】
14がスクリュ10の回転駆動部である。スクリュ10は、継手15を介して駆動軸16と連結されている。ハウジング17の内部には、駆動軸16を回転自在に支持するラジアル軸受18と、射出力の反力のスラスト荷重を受けるスラスト軸受19が内蔵されている。
【0018】
20は、駆動軸16を駆動する電動機を示す。この電動機の出力軸には、歯車21が取り付けられ、この歯車21と駆動軸に取り付けられている歯車22が噛み合っている。従って、電動機の回転動力は、歯車21、22を介して駆動軸16に伝動され、スクリュ10を回転させる。
【0019】
40は、射出用の流体圧シリンダ、この実施形態では作動流体として圧油を使用する油圧シリンダである。射出用油圧シリンダ40にはピストン41が摺動自在に嵌合し、ピストンロッド42は、スクリュ10の回転駆動部14と連結されている。射出用油圧シリンダ40のシリンダ室は、ピストン41によってヘッド側のシリンダ室43とロッド側のシリンダ室44とに区画されている。本実施形態では、ヘッド側のシリンダ室43はスクリュ10を前進させる方の(前進側)シリンダ室であり、ロッド側のシリンダ室44は、スクリュ10を後退させる方の(後退側)シリンダ室である。
【0020】
なお、射出用油圧シリンダ40の組み込み態様には、シリンダ本体のヘッド側を回転駆動部14に連結するようにすることもある。この場合は、ロッド側シリンダ室44が前進側シリンダ室になり、ヘッド側シリンダ室43が後退側シリンダ室になる。
【0021】
45は、射出用油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43のポートに接続されている第1の油圧制御用シリンダである。46は、射出用油圧シリンダ40のロッド側シリンダ室44のポートに接続されている第2の油圧制御用シリンダである。
【0022】
射出用油圧シリンダ40のヘッド側のシリンダ室43へ作動油を供給、排出する第1油圧制御用シリンダ45には、第1のプランジャ47が摺動自在に嵌合している。この第1プランジャ47には、雌ねじの形成された軸孔を持っており、この軸孔に第1のボールネジ48が螺合するようになっている。この第1ボールネジ48は、第1のサーボモータ50により回転駆動されるもので、カップリング51を介して第1サーボモータ50の駆動軸と連結されている。
【0023】
一方、射出用油圧シリンダ40のロッド側のシリンダ室44へ作動油を供給、排出する第2油圧制御用シリンダ46は、この実施形態では、第1油圧制御用シリンダ45と同じシリンダ径とシリンダストロークをもったシリンダであるが、異なるサイズのシリンダであってもよい。第2プランジャ52の軸孔には第2のボールネジ53が螺合するようになっている。この第2ボールネジ53は、カップリング55を介して第2サーボモータ54の駆動軸と連結されている。
【0024】
なお、本実施形態では、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54から伝えられる回転運動は、それぞれ直接第1ボールネジ48、第2ボールネジ53により直線運動に変換して第1プランジャ47、第2プランジャ52に伝達するようにしているが、ボールネジ48、53とプランジャ47、52の間には他の伝動要素を介して直線運動を伝達するようにしてもよい。
【0025】
このように射出用油圧シリンダ40には、従来の油圧ユニットのように油圧ポンプ、方向切換弁や圧力制御弁、流量制御弁などから構成される油圧回路を用いずに、直接、第1油圧制御用シリンダ45または第2油圧制御用シリンダ46で加圧された圧油が供給される。スクリュ10を前進させる場合には、第1サーボモータ50が第1プランジャ47を前進させ、圧油をヘッド側シリンダ室43に送るとともに、第2サーボモータ54が第2プランジャ52を後退させ、ロッド側シリンダ室44の圧油を排出させる。また、第2サーボモータ54は運転せず、第1サーボモータ50だけを単独に動作させることによっても、スクリュ10を前進させることができる。この場合には、第2サーボモータ54はトルクは発生しないフリーな状態なので、第2プランジャ52は、ロッド側シリンダ室44から第2油圧制御用シリンダ46に戻された作動油に押されて後退するようになっている。
スクリュ10を後退させる場合は、前進のときと反対の動作をするようになっている。
【0026】
射出力は、射出用油圧シリンダ40の容量によるが、圧油を第1プランジャ47、第2プランジャ52で直接加圧するため、ピストン41の受圧面積とプランジャの受圧面積との比に力が拡大されるので、射出用油圧シリンダ40のピストン径にくらべて小さな直径の第1プランジャ47、第2プランジャ52を使用することができる。その場合、必要な射出力との関係で射出用油圧シリンダ40のピストン径に対して適切な径を選択すればよい。
【0027】
図1では、射出動作を開始する位置にそれぞれ第1プランジャ47と第2プランジャ52がある。すなわち、第1プランジャ47が最後退位置にあるときには、第2プランジャ52は最前進位置にある。また、計量工程では、これとは逆に、第1プランジャ47が最前進位置にあり、第2プランジャ52が最後退位置にある。第1プランジャ47と第2プランジャ52は、各工程を通じて、一方が前進すれば他方は後退するというように反対方向に移動するようになっている。
【0028】
このような第1プランジャ47と第2プランジャ52を駆動する第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を同時にまたは一方を制御し、射出用油圧シリンダ40へ供給する圧油の圧力、流量、方向を制御するための油圧制御のブロック線図を図2に示す。
【0029】
図2において、60は、数値制御装置の演算装置を示す。この演算装置60は、射出速度の変化のパターンについて予め定めた速度プログラムPから速度指令を演算する。この場合、射出速度、つまりスクリュ10の前進速度は、射出用油圧シリンダ40のピストン41の移動速度と同じである。射出速度と前進する第1プランジャ47の移動速度とは、ピストン41のヘッド側シリンダ室43における受圧面積と、第1プランジャ47の受圧面積の比に反比例する関係にある。また、射出速度と後退する第2プランジャ52の移動速度は、ピストン41のロッド側シリンダ室44における受圧面積と、第2プランジャ52の受圧面積の比に反比例する関係にある。また、射出速度は、射出用油圧シリンダ40に供給する圧油の流量と対応するので、射出速度が決まれば、第1プランジャ47の前進速度、第2プランジャ52の後退速度も決まり、それぞれ第1サーボモータ50、第2サーボモータ54に与えるべき速度指令も一義的に定まる。速度プログラムPは、このような関係とその製品ごとの射出条件に応じて予め設定されて数値制御装置に入力される。
【0030】
演算装置60で演算された速度指令は、それぞれ第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を制御するサーボコントローラ61、62に分配されて入力される。サーボコントローラ61、62は、それぞれ第1サーボモータ50、第2サーボモータ54からフィードバックした速度が速度指令に一致するようにトルク指令を与える。
【0031】
なお、第2サーボモータ54を運転しないでトルクのかからない状態にしておく場合には、速度プログラムPは、射出速度に対応する速度指令を第1サーボモータ50にだけ与える。
【0032】
一方、射出用油圧シリンダ40には、ヘッド側のシリンダ室43の圧油の圧力を検出する圧力検出器64と、ロッド側のシリンダ室44の圧油の圧力を検出する圧力検出器65が設けられており、それぞれ出力がフィードバックされて圧力設定器66、67によって設定される目標圧力値と比較する圧力制御のループが構成されている。それぞれ圧力の検出値と目標値との偏差は、速度指令に加算されて速度指令が補正されるようになっている。
【0033】
以下、射出装置の動作と関連させながら、油圧制御の内容について説明する。
図3は、スクリュー10の位置と射出用シリンダ40の圧力の関係を表した図である。この図3において、Paは、射出用シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力を示し、Pbは、ロッド側シリンダ44の圧油の圧力を示す。
図3(a)に示すように、射出工程において、第1サーボモータ50により第1油圧制御シリンダ45だけを駆動してスクリュ10を前進させる場合には、ヘッド側シリンダ室43の圧力Paは、射出圧力の目標圧力Pに設定され、ロッド側シリンダ室44の圧力については制御しないので、目標値は設定されない。
【0034】
速度プログラムPに基づいて、演算装置60は、第1サーボモータ50のサーボコントローラ61には所定の速度指令を与えるが、第2サーボモータ54には、トルクフリーで回転するように、速度指令は与えられない。
【0035】
そこで、第1サーボモータ50に駆動されて第1プランジャ47が前進すると、第1油圧制御用シリンダ45の圧油は加圧されて、この圧油が射出用シリンダ40のヘッド側シリンダ室43に供給されて、スクリュ10が前進する。他方、ロッド側シリンダ室44の作動油は、第2油圧制御用シリンダ46に排出されて、それにともない第2プランジャ52は後退しながら、トルクゼロでフリーに回転できる状態にある第2サーボモータ54を逆転させる。こうしてスクリュー10は、ヘッド側シリンダ室43の圧力Paがピストン41のヘッド側の受圧面積に作用する力を射出力として樹脂を金型内に射出する。
【0036】
金型内では樹脂流動に対する抵抗があり、スクリュ10の受ける負荷に変動がある。この負荷の変動によって、射出用油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力にも変動が生じる。このヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力は、圧力検出器64により検出される。そして、検出圧力はフィードバックされて、この検出圧力は圧力設定器66で設定してある設定値Paと比較される。その偏差は速度指令に加えられ、検出圧力が設定値よりも高い場合は、サーボコントローラ61は、第1サーボモータ50に与えるトルク指令入力の大きさを減じる。これによりトルクが減少し、ヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力は下がり目標値Paになるように制御される。他方、検出圧力が目標値Paよりも低い場合は、速度指令は変えずにそのままで第1サーボモータ50の速度制御を継続する。
【0037】
次に、射出工程において、第1サーボモータ50、第2サーボモータ54を共に駆動してスクリュ10を前進させる場合には、図3(b)に示すように、射出用油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力はPaに設定され、ロッド側シリンダ室44の圧油の圧力はPbに設定される。
【0038】
前述と同じようにして、第1サーボモータ50は、第1プランジャ47を前進させ、第2サーボモータ54は、第2プランジャ52を後退させる。そして、第1油圧制御用シリンダ45から圧油が供給されるヘッド側のシリンダ室43の圧力は、前述したのと同じようにして圧力目標値のPaを越えないように制御される。第2油圧制御用シリンダ46に圧油が排出されるロッド側シリンダ室44の圧力は、負圧の目標圧力Pbに一致するようにフィードバック制御される。
【0039】
このように、第2サーボモータ54により第2プランジャ52を後退させてロッド側シリンダ室44の圧力を負圧に保つことにより、第1サーボモータ50とともに第2サーボモータ54にも射出力の負荷を担わせることができる。
【0040】
この負荷の負担割合は、目標圧力PaとPbの比であるため、例えば、両者を絶対値で1対1にすれば負荷を等分に分担させることができる。また、このように、ロッド側シリンダ室44の圧力を負圧に設定して、目標圧力の設定値の大きさに応じて第1サーボモータ50と第2サーボモータ54で負荷を分担できるということは、サーボモータ50、54を小容量化できることにつながる。また、2台のサーボモータの運転を厳密に同期させる必要はなく、それぞれ目標圧力に一致するように運転すればよいため、モータの動力を伝達するボールネジ48、53に過負荷を本来的にかからなくすることができる。
【0041】
以上、射出工程におけるサーボモータ50、54による射出用油圧シリンダ40の圧力制御を単純化して説明したが、次に、射出速度との関連について図4を参照しながら説明する。
【0042】
図4は、射出速度をVpで示すような段階的に変化するように制御しながらスクリュ10を前進させて射出を行うときの、射出圧力Pの変化を示す図である。
実際の射出工程では、Vpで示すように射出速度が変化するように射出動作が必要とされる。このような射出速度のパターンに応じて、速度プログラムPを作成して演算装置60に入力する。演算装置60は、この速度プログラムから、曲線Vpで示すような射出速度の変化を実現するための速度指令をそれぞれ第1サーボモータ50と第2サーボモータ54の両方に与え、第1プランジャ47と第2プランジャ52の移動速度、つまり第1油圧制御用シリンダ45から射出用油圧シリンダ40に送る圧油の流量と第2油圧制御用シリンダ46に戻す圧油の流量を制御する(第1サーボモータだけを運転する場合には、第1油圧制御用シリンダ45から射出用油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43に送る圧油の流量を制御する。)。
【0043】
このような射出速度の変化にともなう樹脂の流動抵抗の変化により、圧力損失等が生じて実際にスクリュ10が樹脂に加える射出圧力はPで示すように変化する。この間、第1サーボモータ50と第2サーボモータ54で射出力の負荷を等分に分担するためには、速度指令Vpで指令されている第1サーボモータ50と第2サーボモータ54をトルクの絶対値が等しくなるように制御すればよい。
【0044】
このように成形品の品質要求に応じて、射出速度を変化させて樹脂を射出する場合、流動抵抗その他の負荷の急激な増大により、圧力の制御が追従できずに、例えば、位置x1で急に射出圧力が増大することがあり得る。この事態を放置すると、サーボモータ50、54に異常な負荷がかかるため、次のようにして、圧力が最大圧力を越えないように負荷の急上昇により圧力が増大する方のヘッド側シリンダ室43の圧力が最大圧力を越えないように過負荷を防止することができる。
【0045】
この場合、ヘッド側シリンダ室43の圧力を検出する圧力検出器64の出力は、比較部70を介して演算装置60にフィードバックされる。この比較部70では、最大圧を設定するための最大圧設定器71で設定した設定値Psと、検出圧力Paとが比較され、圧力上昇が監視される。もし、検出圧力Paが急激に増大し設定値Psに達したら、演算装置60はその比較結果に基づいて、第1サーボモータ50のサーボコントローラ61に速度を減少させる速度指令を出力する。これにより、第1プランジャ48の前進速度が遅くなり、射出速度は例えば、図4でVp1で示すように減少し、圧力の上昇を防ぐことができる。
【0046】
別の方法としては次のようにしてもよい。すなわち、検出圧力Paが急激に増大し設定値Psに達したら、演算装置60は、その比較結果に基づいて、第2サーボモータ54のサーボコントローラ62に、速度プログラムPで指令された後退速度とは関わりなく、強制的に第2プランジャ52を速い速度で後退させるための速度指令を与えるようにしてもよい。また、上記の速度指令の制御を第1サーボモータ50と第2サーボモータ54の両方について同時に行うようにしてもよい。
【0047】
次に、計量工程での動作について説明する。
射出工程が完了すると、次の成形サイクルで射出する樹脂材料を可塑化しこれを計量する工程に移る。この計量工程では、スクリュ10を電動機20により回転させ、スクリュ10の螺旋の溝を通って移送される樹脂材料をヒータ12の加熱と、回転するスクリュ10から受けるせん断エネルギによって溶融させる。スクリュ10の先端に送られた溶融樹脂の圧力を受けて、スクリュ10は後退する。
【0048】
このスクリュ10が後退する間は、溶融樹脂を混練するために、図3(c)で示すように、射出用油圧シリンダ40のヘッド側シリンダ室43の圧油の圧力をPaに設定し、これを背圧としてスクリュ10に加える。
【0049】
この計量工程では、第2サーボモータ54は運転せずにトルクフリーで回転するようにしておき、第1サーボモータ50に所定の速度指令を与えて回転させる。そして、スクリュ10が後退する間は、ヘッド側シリンダ室43の検出圧力をフィードバックし、検出圧力が目標圧力Paに一致するように速度指令がサーボコントローラ61に与えられ、サーボコントローラ61は、第1サーボモータ50に目標圧力に一致させるようなトルク指令を出力する。こうして、第1プランジャ47は後退して、圧油が第1油圧制御用シリンダ45に排出されるが、ヘッド側シリンダ室43では圧力が設定値にPaに保たれ、この圧力が背圧としてスクリュ10に作用する。
【0050】
他方、ロッド側シリンダ室44では、ピストン41の後退により減圧されるので、第2油圧制御用シリンダ46内の作動油はロッド側シリンダ室44に吸引され、これにより、第2プランジャ52は前進する。
【0051】
以上、本発明について、スクリュインライン式の射出装置に本発明を適用した実施形態を挙げて説明したが、スクリュプリプラタイプやプランジャタイプの射出装置のように、射出用流体圧シリンダに連結した射出プランジャを前進させて溶融樹脂を射出する形式の射出装置にも同じようにして本発明を適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
電動駆動のボールねじが直接螺合するプランジャで流体圧制御用シリンダを直接加圧し、射出用流体圧シリンダの作動流体を供給するようにしているので、プランジャ径を適切な小さい径に選択することにより、プランジャの駆動機構を小型化し、既存の流体圧式射出装置を利用してコンパクトに構成することができる。
【0053】
また、それぞれプランジャを駆動する電動機としてはサーボモータを用い、各サーボモータを連動させて射出用流体圧シリンダに供給する作動流体の流量、圧力を容易に正確に制御することができる。そして、スクリュまたは射出プランジャにかかる射出力の負荷をそれぞれサーボモータで分担できるため、前記のプランジャ径の選択と相俟って大容量のサーボモータを必要としない。
【0054】
しかも、後退側のシリンダ室の負圧の大きさに応じて負荷の負担割合を変えられることや、制御対象が射出用流体圧シリンダへ給排する作動流体の圧力、流量であるため、機械的な駆動伝達を並列した機構にくらべて2台のサーボモータの厳密な同期運転を必要とせず、誤差は圧力のフィードバック制御の制御ループの中で吸収され、ボールネジに異常な過負荷を与えて摩耗を速めることを回避できる。また、負荷の変動に伴う急激な圧力上昇を防ぐために最大圧を越えないように圧力を制御することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明による射出装置の射出用流体圧シリンダに供給する作動流体の圧力、流量等を制御する制御のブロック線図。
【図3】スクリュ位置と射出用流体圧シリンダの設定圧力の関係を示す図。
【図4】射出工程におけるスクリュ位置と速度変化および射出圧力の変化を示す図。
【図5】従来の電動式射出装置の構成を示す断面図。
【図6】従来の電動式射出装置の他の例の構成を示す断面図。
【符号の説明】
10 スクリュ
11 バレル
12 ヒータ
13 ホッパ
14 回転駆動部
16 駆動軸
20 電動機
40 射出用油圧(流体圧)シリンダ
41 ピストン
43 前進側シリンダ室
44 後退側シリンダ室
45 第1油圧(流体圧)制御用シリンダ
46 第2油圧(流体圧)制御用シリンダ
47 第1プランジャ
48 第1ボールネジ
50 第1サーボモータ
52 第2プランジャ
53 第2ボールネジ
54 第2サーボモータ

Claims (5)

  1. 樹脂材料を溶融し、射出プランジャまたはスクリュを後退させながら溶融樹脂の計量を行い、前記射出プランジャまたはスクリュを前進させ溶融樹脂を射出する射出装置において、
    射出プランジャまたはスクリュに連結される射出用流体圧シリンダと、
    雌ねじの形成された軸孔を有する第1のプランジャと、前記軸孔に螺合する第1のボールネジと、前記第1ボールネジを回転駆動する第1のサーボモータとを有し、前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室に接続される第1の流体圧制御用シリンダと、
    雌ねじの形成された軸孔を有する第2のプランジャと、前記軸孔に螺合する第2のボールネジと、前記第1ボールネジを回転駆動する第2のサーボモータとを有し、前記射出用流体圧シリンダの後退側シリンダ室に接続される第2の流体圧制御用シリンダと、
    前記第1サーボモータと第2サーボモータの一方を単独で動作させ、または両方を同時に動作させ、第1プランジャと第2プランジャを互いに逆方向に進退させ、前記射出用流体圧シリンダに供給する作動流体の流量、圧力を制御する流体圧制御手段と、
    を具備することを特徴とする射出装置。
  2. 前記流体圧制御手段は、
    前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室の作動流体の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、
    前記射出用流体圧シリンダの後退側シリンダ室の作動流体の圧力を検出する第2の圧力検出手段と、
    前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室、後退側シリンダ室の圧力の目標値をそれぞれ設定する手段と、
    前記第1圧力検出手段または第2圧力検出手段からフィードバックした検出圧力と目標値とを比較し、射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室または後退側シリンダ室の作動流体の圧力が目標値になるように第1サーボモータおよび第2サーボモータの速度を同時に制御し、または、目標値が設定された方のシリンダ室の作動流体の圧力を当該圧力検出手段からフィードバックし、圧力が目標値になるように第1または第2のサーボモータの速度を制御するサーボ制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項に記載の射出装置。
  3. 射出工程では、前記サーボ制御手段は、前記第1サーボモータだけを動作させ、前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室の圧力を目標値になるように制御することを特徴とする請求項に記載の射出装置。
  4. 射出工程では、前記射出用流体圧シリンダの後退側シリンダ室の圧力が負圧に設定され、前記サーボ制御手段は、前記後退側シリンダ室の負圧の大きさに応じて射出力の負荷を第1サーボモータと第2サーボモータとで分担するように、両シリンダ室の圧力を同時に制御することを特徴とする請求項に記載の射出装置。
  5. 前記射出用流体圧シリンダの前進側シリンダ室の作動流体の圧力が、予め設定された最大圧を越えないようにそれぞれ第1サーボモータまたは第2サーボモータをそれぞれ単独にまたは両者を同時に制御する過負荷防止手段を有することを特徴とする請求項に記載の射出装置。
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