JP4051693B2 - 電子材料の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子材料の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子材料のウェット洗浄において、簡単な装置を用いて、電子材料表面に付着した微粒子汚染、有機物汚染、金属汚染などを、効率よく除去することができる電子材料の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板、フォトマスク用石英基板などの電子材料に付着した微粒子汚染は、アンモニア水と過酸化水素水の混合液を用いる、いわゆるSC1洗浄により別工程において洗浄されていた。また、有機物汚染と金属汚染は、過酸化水素をベースとする強い酸化力を有する濃厚薬液を用い、高温で洗浄されていた。これらの洗浄法を採用した場合の多大な薬液コスト、リンス用の超純水コスト、廃液処理コスト、薬品蒸気を排気し新たに清浄空気を作る空調コストを低減し、さらに水の大量使用、薬物の大量廃棄、排ガスの放出などの環境への負荷を低減するために、近年ウェット洗浄工程の見直しが進められている。
本発明者らは、先に洗浄対象物及び洗浄目的に応じて、超純水又は超純水に塩酸、アンモニア、過酸化水素、重亜硫酸塩などを溶解した水に、オゾン、水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、塩素ガス、窒素ガス、希ガスなどの気体を溶解した省資源型の電子材料用洗浄水を開発した。これらの電子材料用洗浄水の中で、水素ガス又は酸素ガスを溶解した超純水は、電子材料に付着した微粒子汚染を除去する効果が大きく、オゾンを溶解した超純水は、電子材料に付着した有機物汚染及び金属汚染を除去する効果が大きい。このような洗浄水に、超音波を伝達しつつ電子材料の洗浄を行うと、各種の汚染物質の除去をいっそう効果的に行うことができる。
しかし、洗浄水に超音波を伝達しつつ洗浄を行うためには、超音波発振回路を備えた超音波照射ノズルなどが必要であり、特に、極めて微細な加工が施された電子材料の洗浄には、超音波がもたらすキャビテーション効果による被洗浄物の損傷を避けるために、1MHz程度以上の周波数の超音波が要求される。このために、簡単な装置を用いて、電子材料表面に付着した各種の汚染を効率よく除去することができる電子材料の洗浄方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子材料のウェット洗浄において、簡単な装置を用いて、電子材料表面に付着した微粒子汚染、有機物汚染、金属汚染などを、効率よく除去することができる電子材料の洗浄方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水を、ジェット流体として被洗浄物に噴射することにより、表面に付着した各種の汚染を効果的に除去し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)溶存水素濃度0.4mg/リットル以上に水素ガスを溶解した洗浄水を、バブルジェットノズル又はキャビテーション二重ノズルによって形成されたジェット流体として被洗浄物に噴射することを特徴とする電子材料の洗浄方法、及び、
(2)溶存酸素濃度12mg/リットル以上の酸素溶解洗浄水又は溶存オゾン濃度0.1mg/リットル以上のオゾンと酸素ガスの混合ガスを溶解した洗浄水を、バブルジェットノズル又はキャビテーション二重ノズルによって形成されたジェット流体として被洗浄物に噴射することを特徴とする電子材料の洗浄方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)洗浄水が、酸の添加によりpH7未満に調整されたものである第(1)項記載の電子材料の洗浄方法、及び、
(4)洗浄水が、アルカリの添加によりpH7以上に調整されたものである第(1)項記載の電子材料の洗浄方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の電子材料の洗浄方法においては、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水を、ジェット流体として被洗浄物に噴射する。使用する還元性ガスには特に制限はなく、例えば、水素ガスなどを挙げることができる。水素ガスを溶解して洗浄水とする場合、溶存水素の濃度は0.4mg/リットル以上であることが好ましく、0.7mg/リットル以上であることがより好ましく、1.0mg/リットル以上であることがさらに好ましい。溶存水素の濃度が0.4mg/リットル未満であると、洗浄効果が不十分となるおそれがある。
使用する酸化性ガスには特に制限はなく、例えば、酸素ガス、オゾンと酸素ガスの混合ガスなどを挙げることができる。酸素ガス又はオゾンと酸素ガスの混合ガスを溶解して洗浄水とする場合、溶存酸素の濃度は、12mg/リットル以上であることが好ましく、20mg/リットル以上であることがより好ましく、30mg/リットル以上であることがさらに好ましい。溶存酸素の濃度が12mg/リットル未満であると、洗浄効果が不十分となるおそれがある。また、溶存オゾンの濃度は、0.1mg/リットル以上であることが好ましく、0.5mg/リットル以上であることがより好ましく、1mg/リットル以上であることがさらに好ましい。溶存オゾンの濃度が0.1mg/リットル未満であると、洗浄効果が不十分となるおそれがある。
本発明方法において、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解する水の純度には特に制限はなく、被洗浄物に要求される表面清浄度に応じて選択することができる。すなわち、被洗浄物の表面清浄度の要求レベルに比して、実質的に汚染されていない純度を有する水に、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解して洗浄水を製造することができる。したがって、被洗浄物が特に厳密な清浄度を必要としない簡易な部材などである場合には、還元性ガス又は酸化性ガスを工業用水などに溶解して、洗浄水とすることができる。しかし、半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板、フォトマスク用石英基板、その他精密電子部品などの電子材料の表面を洗浄する場合には、十分な高純度を有する超純水に、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解することが好ましい。超純水は、25℃における電気抵抗率が18MΩ・cm以上であり、有機体炭素が10μg/リットル以下であり、微粒子が10,000個/リットル以下であることが好ましい。さらに、必要に応じて、洗浄水中の極微細な異物を、フィルターを用いて除去することもできる。
【0006】
本発明方法に用いる洗浄水の製造方法には特に制限はなく、例えば、水に還元性ガス又は酸化性ガスをバブリングして製造することもできる。しかし、還元性ガス又は酸化性ガスの溶解効率を高めるためには、水を脱気して溶存気体の飽和度を低下したのち、還元性ガス又は酸化性ガスを供給して、水に還元性ガス又は酸化性ガスを溶解させる方法が好ましい。ここに、気体の飽和度とは、水中に溶解している気体の量を、圧力105Pa、温度20℃における気体の溶解量で除した値である。例えば、水が圧力105Pa、温度20℃の窒素ガスと接して平衡状態にあるとき、水への窒素ガスの溶解量は19.2mg/リットルであるので、水中に溶解している気体が窒素ガスのみであって、その溶解量が19.2mg/リットルである水の飽和度は1.0倍であり、水中に溶解している気体が窒素ガスのみであって、その溶解量が9.6mg/リットルである水の飽和度は0.5倍である。
圧力105Pa、温度20℃で空気と接して平衡状態にある水は、窒素ガス14.9mg/リットル及び酸素ガス9.1mg/リットルを溶解して飽和度1.0倍の状態となっているので、脱気により気体の溶解量を窒素ガス1.5mg/リットル、酸素ガス0.9mg/リットルとした水の飽和度は0.1倍である。また、水が圧力105Pa、温度20℃の水素ガスと接して平衡状態にあるとき、水への水素ガスの溶解量は1.6mg/リットルであるので、水中に溶解している気体が水素ガスのみであり、その溶解量が0.8mg/リットルである水の飽和度は0.5倍である。さらに、水が圧力105Pa、温度20℃の酸素ガスと接して平衡状態にあるとき、水への酸素ガスの溶解量は44.0mg/リットルであるので、水中に溶解している気体が酸素ガスのみであり、その溶解量が22.0mg/リットルである水の飽和度は0.5倍である。
【0007】
本発明方法に用いる洗浄水の製造において、還元性ガス又は酸化性ガスを水に溶解するに際しては、あらかじめ水を脱気して飽和度を下げ、水中の気体溶解キャパシティーに空きを作ったのち、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解することが好ましい。洗浄水の製造においては、気体透過膜モジュールを多段に用いて溶存気体の除去及び還元性ガス又は酸化性ガスの溶解を行うことができる。例えば、気体透過膜モジュールを2段に設け、前段の気体透過膜モジュールを用いて全溶存気体を対象とする減圧膜脱気を行い、後段の気体透過膜モジュールを用いて還元性ガス又は酸化性ガスを溶解することができる。気体透過膜モジュールを2段に設けて、全溶存気体を対象とする減圧膜脱気と還元性ガス又は酸化性ガスの溶解を2段に行うことにより、還元性ガス又は酸化性ガスを無駄に放出することなく、ほぼ定量的に水に溶解することができる。
本発明方法に用いる洗浄水は、水又は少量の電解質を添加した水を電気分解することによっても製造することができる。水又は少量の電解質を添加した水の電気分解により、陰極において、水素ガスを溶解した洗浄水を得ることができ、陽極において、オゾン、酸素ガス、塩素ガスなどを溶解した洗浄水を得ることができる。
本発明方法においては、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水に、酸を添加することにより、pHを7未満に調整して使用することができる。pHを7未満に調整することにより、有機物汚染と金属汚染の除去効果を高めることができる。pH調整に使用する酸には特に制限はなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、炭酸などを挙げることができる。また、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水に、アルカリを添加することにより、pHを7以上に調整して使用することもできる。pHを7以上に調整することにより、微粒子汚染の除去効果を高めることができる。pH調整に使用するアルカリには特に制限はなく、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。洗浄水への酸又はアルカリの添加は、電子材料の洗浄の目的、すなわち、被洗浄物の汚染の状態などを考慮して選択することができる。さらに、本発明方法においては、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水に、ヒドラジンなどの還元剤や、過酸化水素、次亜塩素酸塩などの酸化剤を添加して使用することもできる。
【0008】
本発明の電子材料の洗浄方法においては、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水を、ジェット流体として被洗浄物に噴射する。本発明方法において、ジェット流体の形態には特に制限はなく、例えば、バブルジェット流体、キャビテーションジェット流体などを挙げることができる。図1は、バブルジェット流体用のノズルの断面図及びノズル出口形状を示す平面図である。バブルジェット流体用ノズルには、送水管1に洗浄水が高圧で送られ、送気管2に気体が高圧で送られ、ノズル3の中で洗浄水と気体が混合する。洗浄水と気体の混合により、気体が有しているエネルギーが洗浄水に移行するとともに、洗浄水が微細な水流となり、ノズル出口4から高エネルギーの水流として被洗浄物に噴射される。ノズルに送水する洗浄水の圧力は、2〜10kg/cm2であることが好ましく、4〜7kg/cm2であることがより好ましい。ノズルに送気する気体の圧力は、2〜10kg腹cm2であることが好ましく、3〜6kg/cm2であることがより好ましい。
図2は、キャビテーションジェット流体用のノズルの断面図及びノズル出口形状を示す平面図である。キャビテーションジェット流体用ノズルは、高圧水送水管5と低圧水送水管6を有し、いずれの送水管にも洗浄水が送水される。ノズル出口において、高圧水はノズル中央の小面積の開口部7より噴射され、低圧水はその周辺を囲む同心円状の大面積の開口部8より噴射される。高圧水と低圧水の流速比は、5:1〜20:1であることが好ましく、8:1〜15:1であることがより好ましい。高圧水と低圧水の流速に差を設けることにより、高圧水と低圧水の流れの界面において渦流が発生し、外気を巻き込んで気相からなるキャビティが成長する。成長したキャビティが破壊することにより、衝撃波が発生し、衝撃波を伴った水流として被洗浄物に噴射される。高圧水の圧力は、5〜100kg/cm2であることが好ましく、20〜80kg/cm2であることがより好ましい。低圧水の水圧は、0.5〜5kg/cm2であることが好ましく、1〜4kg/cm2であることがより好ましい。
本発明の電子材料の洗浄方法によれば、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水をジェット流体として被洗浄物に噴射することにより、微粒子汚染、有機物汚染、金属汚染などを効果的に除去することができるので、簡単な構造のジェットノズルを用いて、超音波発振器を用いた場合と同等又はそれ以上の優れた洗浄効果を得ることが可能となる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、洗浄効果は下記の方法により評価した。
(1)被洗浄物
(1−1)微粒子により汚染された被洗浄物
表面を酸化した直径6インチのシリコンウェーハを、直径1μm以下のアルミナ微粒子を含む超純水に3分間浸漬したのち超純水でリンスして、被洗浄物である微粒子により汚染されたシリコンウェーハを調製した。この汚染シリコンウェーハは、ウェーハ1枚当たり微粒子20,000個により汚染されていた。
(1−2)有機物及び銅により汚染された被洗浄物
表面を酸化した直径6インチのシリコンウェーハを、銅1mg/リットルを含む超純水に3分間浸漬したのち、有機系洗浄剤[NCW−601A、和光純薬工業(株)製]0.2重量%を含む純水に浸漬し、超純水でリンスして、被洗浄物である有機物及び銅により汚染されたシリコンウェーハを調製した。この汚染シリコンウェーハは、有機物1.0×1014炭素原子/cm2及び銅5.0×1014原子/cm2により汚染されていた。
(2)評価
(2−1)微粒子
レーザー散乱方式による基板上異物検査装置で微粒子を計測し、洗浄前後の微粒子数から微粒子汚染の除去率を求めた。
(2−2)有機物
FT−IR分析法により表面の炭素量を測定し、洗浄前後の測定値から有機物汚染の除去率を求めた。
(2−3)銅濃度
全反射蛍光X線分析法により表面の銅濃度を測定し、洗浄前後の銅濃度から銅汚染の除去率を求めた。
実施例1
水素ガスを溶解した洗浄水をバブルジェット流体として用いて、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
気体溶解膜モジュールを用いて、水素ガス1.0mg/リットルを溶解した超純水からなる洗浄水を調製した。図1に示す形状のバブルジェットノズルを、シリコンウェーハの表面から20mm離れた位置で、ウェーハの半径方向に10秒周期でスキャンするように設置した。このノズルに、洗浄水を水圧6kg/cm2、流量1リットル/分、清浄空気を空気圧5kg/cm2、流量2リットル/分で送り、汚染ウェーハを500rpmで回転させつつ、1分間洗浄を行った。洗浄後、超純水を流量800ml/分で10秒間送ってリンスし、さらにウェーハの回転速度を1,500rpmに高めて20秒間保持し、乾燥した。微粒子の除去率は、99%以上であった。
実施例2
酸素ガスを溶解した洗浄水をバブルジェット流体として用いて、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
気体溶解膜モジュールを用いて、酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水からなる洗浄水を調製した。この洗浄水を用い、実施例1と同様にして汚染ウェーハの洗浄を行った。微粒子の除去率は、99%以上であった。
比較例1
水素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、実施例1と同じ洗浄を行った。微粒子の除去率は、41%であった。
実施例3
水素ガスを溶解した洗浄水をキャビテーションジェット流体として用いて、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
洗浄水は、実施例1と同じ水素ガス1.0mg/リットルを溶解した超純水を用いた。図2に示す形状の、中央に内径1mm、肉厚0.5mm、外側に内径4mm、肉厚1mmの同心円状の二重ノズルからなるキャビテーションジェットノズルを、シリコンウェーハの表面から20mm離れた位置で、ウェーハの半径方向に10秒周期でスキャンするように設置した。このノズルの内側及び外側に、洗浄水をそれぞれ流量600ml/分で送った。洗浄水の流速は、ノズルの内側が12.7m/秒、外側が1.06m/秒である。汚染ウェーハを500rpmで回転させつつ、1分間洗浄を行った。洗浄後、超純水を流量800ml/分で10秒間送ってリンスし、さらにウェーハの回転速度を1,500rpmに高めて20秒間保持し、乾燥した。微粒子の除去率は、99%以上であった。
実施例4
酸素ガスを溶解した洗浄水をキャビテーションジェット流体として用いて、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
実施例2と同じ酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水を用い、実施例3と同様にして汚染ウェーハの洗浄を行った。微粒子の除去率は、99%以上であった。
比較例2
水素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、実施例3と同じ洗浄を行った。微粒子の除去率は、45%であった。
比較例3
水素ガスを溶解した洗浄水に超音波を伝達しつつ、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
洗浄水は、実施例1と同じ水素ガス1.0mg/リットルを溶解した超純水を用いた。1.6MHzの超音波発振器を内蔵した超音波照射ノズルを、シリコンウェーハの表面から20mm離れた位置で、ウェーハの半径方向に10秒周期でスキャンするように設置した。このノズルに、洗浄水を流量1.2リットル/分で送り、汚染ウェーハを500rpmで回転させつつ、1分間洗浄を行った。洗浄後、超純水を流量800ml/分で10秒間送ってリンスし、さらにウェーハの回転速度を1,500rpmに高めて20秒間保持し、乾燥した。微粒子の除去率は、99%以上であった。
比較例4
酸素ガスを溶解した洗浄水に超音波を伝達しつつ、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
実施例2と同じ酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水を用い、比較例3と同様にして汚染ウェーハの洗浄を行った。微粒子の除去率は、99%以上であった。
比較例5
水素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、比較例3と同じ洗浄を行った。微粒子の除去率は、42%であった。
比較例6
水素ガスを溶解した洗浄水をスプレーして、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
洗浄水は、実施例1と同じ水素ガス1.0mg/リットルを溶解した超純水を用いた。スプレーノズルを、シリコンウェーハの表面から20mm離れた位置で、ウェーハの半径方向に10秒周期でスキャンするように設置した。このノズルに、洗浄水を流量1.2リットル/分で送り、汚染ウェーハを500rpmで回転させつつ、1分間洗浄を行った。洗浄後、超純水を流量800ml/分で10秒間送ってリンスし、さらにウェーハの回転速度を1,500rpmに高めて20秒間保持し、乾燥した。微粒子の除去率は、45%であった。
比較例7
水素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、実施例2と同じ酸素ガス30mg/リットルを溶解した洗浄水を用いて、比較例6と同じ洗浄を行った。微粒子の除去率は、43%であった。
比較例8
水素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、比較例6と同じ洗浄を行った。微粒子の除去率は、30%であった。
実施例1〜4及び比較例1〜8の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
第1表の結果から、洗浄水として水素ガス溶解水又は酸素ガス溶解水を用い、バブルジェット流体又はキャビテーションジェット流体として汚染ウェーハを洗浄すると、超音波ノズルを用いて洗浄した場合と同様に、ウェーハ表面に付着した微粒子の99%以上を除去し得ることが分かる。
これに対して、単なる超純水を洗浄水として用いた場合は、バブルジェット流体としても、キャビテーションジェット流体としても微粒子の除去率は低く、また、水素ガス溶解水又は酸素ガス溶解水を用いても、ジェット流体としての物理的作用を及ぼさないと、微粒子の除去率は低い。
実施例5
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水をバブルジェット流体として用いて、有機物及び銅により汚染されたウェーハを洗浄した。
気体溶解膜モジュールを用いて、オゾン2mg/リットル及び酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水からなる洗浄水を調製した。この洗浄水を用いて、実施例1と同じ条件で、有機物及び銅により汚染されたウェーハの洗浄を行った。有機物の除去率は98%、銅の除去率は99%以上であった。
比較例9
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、実施例5と同じ洗浄を行った。有機物の除去率は25%であり、銅の除去率は10%以下であった。
実施例6
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水をキャビテーションジェット流体として用いて、有機物及び銅により汚染されたウェーハを洗浄した。
実施例5と同じオゾン2mg/リットル及び酸素ガス30mg/リットルを溶解した洗浄水を用いて、実施例3と同じ条件で、有機物及び銅により汚染されたウェーハの洗浄を行った。有機物の除去率は99%、銅の除去率は99%以上であった。
比較例10
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、実施例6と同じ洗浄を行った。有機物の除去率は30%であり、銅の除去率は10%以下であった。
比較例11
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水に超音波を伝達しつつ、有機物及び銅により汚染されたウェーハを洗浄した。
実施例5と同じオゾン2mg/リットル及び酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水を用い、比較例3と同様にして汚染ウェーハの洗浄を行った。有機物の除去率は98%であり、銅の除去率は99%以上であった。
比較例12
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、比較例11と同じ洗浄を行った。有機物の除去率は30%であり、銅の除去率は10%以下であった。
比較例13
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水をスプレーして、微粒子により汚染されたウェーハを洗浄した。
実施例5と同じオゾン2mg/リットル及び酸素ガス30mg/リットルを溶解し洗浄水を用い、比較例6と同じ条件で、有機物及び銅により汚染されたウェーハの洗浄を行った。有機物の除去率92%であり、銅の除去率は98%であった。
比較例14
オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水の代わりに、超純水を用いて、比較例13と同じ洗浄を行った。有機物の除去率、銅の除去率ともに、10%以下であった。
実施例5〜6及び比較例9〜14の結果を、第2表に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
第2表の結果から、洗浄水としてオゾン及び酸素ガスを溶解した超純水を用い、バブルジェット流体又はキャビテーションジェット流体として汚染ウェーハを洗浄すると、超音波ノズルを用いて洗浄した場合と同様に、ウェーハ表面に付着した有機物及び銅の98〜99%若しくはそれ以上を除去し得ることが分かる。
これに対して、単なる超純水を洗浄水として用いた場合は、バブルジェット流体としても、キャビテーションジェット流体としても有機物の除去率は低く、銅の除去率は極めて低い。また、オゾン及び酸素ガスを溶解した洗浄水を用いても、ジェット流体としての物理的作用を及ぼさないと、有機物の除去率が低くなる。
【0014】
【発明の効果】
本発明方法によれば、還元性ガス又は酸化性ガスを溶解した洗浄水を用いる洗浄において、簡単な構造のジェットノズルを用いて、超音波発振器を用いた場合と同等又はそれ以上の優れた洗浄効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、バブルジェット流体用のノズルの断面図及び平面図である。
【図2】図2は、キャビテーションジェット流体用のノズルの断面図及び平面図である。
【符号の説明】
1 送水管
2 送気管
3 ノズル
4 ノズル出口
5 高圧水送水管
6 低圧水送水管
7 小面積の開口部
8 大面積の開口部
Claims (2)
- 溶存水素濃度0.4mg/リットル以上に水素ガスを溶解した洗浄水を、バブルジェットノズル又はキャビテーション二重ノズルによって形成されたジェット流体として被洗浄物に噴射することを特徴とする電子材料の洗浄方法。
- 溶存酸素濃度12mg/リットル以上の酸素溶解洗浄水又は溶存オゾン濃度0.1mg/リットル以上のオゾンと酸素ガスの混合ガスを溶解した洗浄水を、バブルジェットノズル又はキャビテーション二重ノズルによって形成されたジェット流体として被洗浄物に噴射することを特徴とする電子材料の洗浄方法。
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