JP4051659B2 - 光ディスク原盤露光方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク原盤露光装置における、光ディスク原盤露光方法および装置ならびに光ディスクメディアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量光ディスクメディアとして、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM等が注目されている。DVD規格においては、トラックピッチ:0.74μm、最小ピット長:0.4μmと、現行のCD規格トラックピッチ:1.6μm、最小ピット長0.87μmに比べ約半分の微少構造のプリフォーマットを光ディスク原盤上に形成しなければならなくなっている。記憶容量の増大化への要求により、今後益々、狭ピッチ化、小ピット化が求められ、より高精度、高品質な光ディスクカッティングマシンが必要となってきている。
【0003】
この様な状況のもとで、CLVフォーマットの光ディスク原盤の露光に際し、光ディスク原盤露光装置では、露光ビーム径(波長λ/開口数NA)を小さくする、すなわち露光レーザの波長(λ)を短くするか開口数(NA)を大きくするか、あるいは、超解像現象を利用して露光ビームの微少化を図る等のことが行われてきた。
また、従来より、フォトレジストを塗布したガラス原盤上に露光で記録ピットを形成していく場合、記録データ長の長短の違いにより形成されるピット形状に差が生じ、再生したときの変調度の差を生じるとともに、ジッタが増えるという不具合があった。
【0004】
例えば、特開平5−135412号公報に記載の技術では、このような問題を解決するために、露光ピット長に応じて露光光の強度を制御して、長いピットも短いピットも同じ変調度となるようピット形成することを提案している。
近年の高密度化は、形成されるピット間隔とトラックピッチを一層狭くしている。
【0005】
また、特開平9−259477号公報に記載の技術では、露光光のエアリーリングに関連し、トラック方向のピット密度に応じて露光ビームの強度と露光ピット長のエッジ位置を調整して、エアリーリングによる過剰露光を低減しピット記録信号通りのピットを形成し、再生信号におけるジッタの抑制を行っている。
以上の2つの場合は、いづれも現在露光しているトラックのトラック方向の露光ビーム強度および露光光のエアリーリングによる過剰露光を問題としている。
【0006】
また、特開平9−265627号公報に記載の技術では、上記2つと違い、ピット列の両側にグルーブが配置された光ディスクフォーマットの光ディスク原盤露光に際し、ピットに隣接するグルーブの深さが深くなることを問題とし、ピットに隣接するグルーブの露光ビーム強度を制御することによって、グルーブ形状を制御している。
【0007】
図11は、現像条件一定で、露光ビーム強度と形成されるピット幅あるいはグルーブ幅の関係を模式的に示した図である。
図11からも明らかなように、露光ビーム強度と形成されるピットあるいは溝の幅は、露光ビーム強度が小さいうちは露光ビーム強度の増加に伴い増加する(図中‘A領域‘)。すなわち、この領域で形成されるピットあるいはグルーブ幅は僅かな露光ビーム強度の変化でその形状が変わる。露光ビーム強度がある程度大きくなると(’B領域‘)露光ビーム強度が変化しても、ピットあるいはグルーブ幅はほとんど変わらない。
【0008】
また、特開平9−259477号公報、および特開平9−265627号公報に記載の各技術では、明細書中で述べられるグルーブ形状は、いわゆる‘V溝’と言われるもので、図11の‘A領域’で形成される溝である。従って、隣接して形成されるピットを露光する露光ビームのエアリーリングによる僅かな過剰露光によってグルーブ形状に変化が生じてしまい、問題となった。
【0009】
また、特開平10−69637号公報に記載のピット露光装置では、プリフォーマット信号のパルス幅を予め設定された補正量で補正するパルス幅調整回路と、プリフォーマット信号の信号レベルを予め設定された補正量で補正する信号レベル調整回路とを備えている。すなわち、プリフォーマット信号がセクタマーク部(円形)である場合とVFO部(楕円形)である場合とで、補正量を異なる値に設定している。しかし、周回前と周回後のエアリーリングによるグループ形状の変化については何も述べていない。
本発明が対象とする、短ピットと長ピットのピット列から成る高密度フォーマットにおいては、短ピットは、図11の‘A領域’、長ピットは‘B領域’で形成される。従って、短ピットの形状は、隣接トラック上のピット形成露光ビームのエアリーリングの影響を受け易く、長ピット形状は隣接トラックピットのエアリーリングの影響を受け難い。
【0010】
図12は、短ピット形状への隣接トラック長ピット配置の影響を示す説明図である。
実際、図12に示すように、短ピット、長ピットおよびその中間長ピットがランダムに配置される。図から明らかなように、隣接するトラックに長ピットが有るか無いかによって、形成される短ピットの形状が異なってくる。隣接トラックに長ピットが存在する場合、ピットは通常より大きく形成されてしまう。隣接トラックが露光された際のエアリーリングによる短ピットの過剰露光が一因と考えられる。このエアリーリングの影響は、超解像現象を用いた場合は更に顕著に現れてくる。
【0011】
従来の課題は、このような、短ピットに対する隣接長ピットの露光ビームのエアリーリングによる過剰露光による短ピット形状変化を低減することである。
さらに、隣接するピットパターンが不特定となるCLVディスクフォーマット露光における、隣接する長ピットに対する短ピットに形状補正への対応が本発明の最終的な課題である。
従来技術による対処法では、隣接トラック上の不特定パターンの影響に対応することは不可能である。
【0012】
ここで、従来の光ディスク原盤露光装置の基本構成について説明しておく。
図13は、従来の光ディスクカッティングマシンの基本構成を示す図である。
図13において、1はフォトレジストを塗布したガラス原盤5を露光するための露光レーザ。2は露光レーザ1から出射されたレーザ光を整形し、フォーカスアクチュエータ4へ露光光を導く光学系。フォーカスアクチュエータ4は、入射した露光レーザ光を極小スポットに集光させ、絶えず、そのビームウエスト位置をフォトレジスト位置に保つようにフォーカス制御する。なお、フォーカス制御の為の光学系等は省略する。3は光変調器で、ガラス原盤5上にプリエンボスピットやグルーブを形成する信号を発生させるフォーマッタ15からの信号Foutに基づいて露光レーザ光の強度変調をする。フォーマッタ15は、光ディスク原盤上に形成されるピット列に対応した露光データ信号を出力する。
【0013】
16はフォーマッタ15を駆動するための基本クロックを発生する基本クロック発生器。ガラス原盤5は、エアスピンドルモータ6に吸着され回転させられる。これと同時に、フォーカスアクチュエータ4はエアスライダ8によって半径方向に移動させられる。また、7はエアスピンドルモータ6にとりつけられ、回転に応じパルス列を出力するエンコーダ。14は、露光スポットの半径位置を検出するためのリニアエンコーダ(リニアスケール)である。
【0014】
9,11は、それぞれ、スライダ8およびスピンドル6を駆動するためのドライバ。10,12は、駆動系コントローラ(パルスジェネレータ)13によって指示される移動および回転指令に対して、滑らかにそして精度良くスライダ8およびスピンドル6を追従させるための制御回路である。ここで、リニアスケール14の値をプリセットするための絶対位置を検出するためのセンサは省略してある。また、光ディスクカッティングマシンは各種ディスクフォーマットに対応して、2ビーム露光、露光ビームの蛇行等々の設定が必要になるが、それらに要する各種露光光学系等は、本発明に直接関係しないので記載を省略した。
【0015】
光変調器3は、従来では、ピット形成する/しないに対応した変調を行っていた。この光変調器3にピット形成する/しないに対応した電圧の中間的電圧を加えることにより、露光光強度を変化させることができ、ピット形状を変えることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来技術による対処法では、隣接トラック上の不特定パターンの影響に対応することは不可能である。
従来の問題点は、このような、短ピットに対する隣接長ピットの露光ビームのエアリーリングによる過剰露光による短ピット形状変化を低減できないことである。
さらに、重要な問題点は、隣接するピットパターンが不特定となるCLVディスクフォーマット露光における、隣接する長ピットに対する短ピットに形状補正へ対応することができないことである。
【0017】
本発明の第1の目的は、短ピット形状の、隣接トラック上の長ピット露光ビームのエアリーリングの過剰露光による形状変化の影響を低減したピット形状形成を達成できる光ディスク原盤露光方法を提供することにある。
【0018】
本発明の第2の目的は、上記第1の目的を更に厳密に、短ピットと長ピットの相対的位置関係まで考慮して隣接トラック上の長ピット露光ビームのエアリーリングの過剰露光による形状変化の影響をより低減したピット形状形成を達成できる光ディスク原盤露光方法を提供することにある。
【0019】
本発明の第3の目的は、上記第1あるいは第2の目的の光ディスク原盤露光方法をCLVフォーマット露光に適応するにあたり、現トラックに対するCLV駆動時に、現トラックおよび隣接トラック上に配置されるピット列に対応した露光データ信号を送出可能なフォーマッタクロックを生成可能なパルスジェネレータを提供することにある。
【0020】
本発明の第4の目的は、上記第1あるいは第2の目的の光ディスク原盤露光方法をCLVフォーマット露光に適応するにあたり、現トラックに対するCLV駆動時に、現トラックおよび隣接トラック上に配置されるピット列に対応した露光データ信号を生成可能なフォーマッタシステムを提供することにある。
【0021】
本発明の第5の目的は、上記第3の目的のパルスジェネレータおよび第4の目的のフォーマッタシステムを用いて得られる、現トラックおよび隣接トラック上のピット露光データ信号に基づいて、短ピット形状の、隣接トラック上の長ピット露光ビームのエアリーリングの過剰露光による形状変化の影響を低減したピット形状の形成を達成できる光ディスク原盤露光方法を提供することにある。
【0022】
本発明の第6の目的は、上記第5の目的の光ディスク原盤露光方法を精度良く実現できる光ディスク原盤露光装置を提供することにある。
【0023】
本発明の第7の目的は、上記第6の目的の光ディスク原盤露光装置によって作製される、露光ビームのエアリーリングの隣接トラックへの影響を低減したピット形状を形成した光ディスクメディアを市場に提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明の光ディスク原盤露光方法は、フォトレジストを塗布したガラス基盤に、記録すべきピット情報に基づいて変調されたレーザ光を照射し、光ディスクの原盤を作製する光ディスク原盤露光方法において、隣接するトラック上に形成される長ピットに応じて短ピットの露光ビーム強度を制御することを特徴としている。
【0025】
上記第2の目的を達成するため、本発明の光ディスク原盤露光方法は、隣接するトラック上に形成される長ピットに対する短ピットの相対的位置関係に応じて、短ピットの露光ビーム強度を制御することを特徴としている。
【0026】
上記第3の目的を達成するため、本発明のパルスジェネレータは、上記記載の光ディスク露光方法で形成される各トラック長がフォーマット構成の最少単位の整数倍長あるいは有限数倍長であるCLVディスクフォーマット露光方法において、現トラックに対するCLV駆動制御時の、現トラックに対する露光データ信号送出クロックと1トラック前のトラックおよび1トラック後のトラックに対応した露光データ信号送出クロックを生成することを特徴としている。
【0027】
上記第4の目的を達成するため、本発明のフォーマッタシステムは、上記記載のパルスジェネレータのクロックに入力し、現トラックの露光信号によって形成されるピット配置に同期して、1トラック前の露光信号および1トラック後の露光信号が生成されることを特徴としている。
【0028】
上記第5の目的を達成するため、本発明のCLVディスクフォーマットの原盤露光方法は、上記記載のパルスジェネレータおよびフォーマッタシステムから得られる、現トラックの露光データ信号と1トラック前の露光データ信号と1トラック後の露光データ信号に基づいて、隣接するトラック上に形成される長ピットに応じて短ピットの露光ビーム強度を制御すること、そして、その場合に各トラック長がフォーマット構成の最少単位の整数倍長あるいは有限数倍長であることを特徴としている。
【0029】
上記第6の目的を達成するため、本発明の光ディスク原盤露光装置は、上記記載のパルスジェネレータおよびフォーマッタシステムおよびこれらによって得られる露光データ信号および隣接トラックの露光データ信号に基づいて露光ビーム強度制御を行う回路を搭載したことを特徴としている。
【0030】
上記第7の目的を達成するため、本発明のCLVディスクメディアは、上記記載の光ディスク原盤露光装置によって製作され、隣接するトラック上に形成される長ピットに応じて短ピットの露光ビーム強度を制御し、短ピットの形状に補正された光ディスク原盤から得られる、各トラック長がフォーマット構成の最少単位の整数倍長あるいは有限数倍長であることを特徴とするCLVディスクフォーマットを搭載したことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
1は、1の実施例を示す隣接トラック上のピット配置図である。図1においては、露光中のトラック(N)とそれに隣接するトラック(N−1、N+1)上の短ピット(Ps1、Ps2、Ps3)と、これに隣接する長ピット(Pl-1、Pl-2、Pl+1)と、この時の短ピットの露光ビーム強度制御の例を示している。図中‘A’は隣接トラックにピットが無い場合に適正なピット形状を形成する露光ビーム強度である。また、図中‘B’は隣接するトラックの一方に長ピットが配置される時、適正な短ピット形状とする為に、減少を必要とされる平均的露光ビーム強度量である。この場合、短ピットPs1は周回前に長ピットの影響があり、短ピットPs3は周回前と周回後の両方で長ピットの影響がある場合の本実施例の方法について説明する。
【0032】
今、短ピット Ps1、Ps2、Ps3を露光しようとしているとすると、Ps1およびPs3の1トラック前の隣接位置には Pl-1およびPl-2という長ピットが既に露光されており、短ピット Ps1、Ps3が露光される領域は長ピットPl-1およびPl-2の露光時に、その露光ビームのエアリーリングによって露光されている。従って、この時点で、短ピットPs1を露光するときは露光ビーム強度を‘A−B’に設定する。一方、短ピットPs3の露光に関しては、現時点から1トラック後、再び隣接長ピットPl+1によって過剰露光されることになるので‘A−2B’の露光ビーム強度で露光する。Ps2については、隣接長ピットが無いので‘A’の露光ビーム強度で露光する。このような露光ビーム強度制御を行うことにより、最終的に形成される短ピット Ps1、Ps2、Ps3は、隣接長ピットの露光ビームのエアリーリングによる過剰露光の影響を低減したピット形状として得ることができる。
【0033】
2は、第2の実施例を示す短ピット露光ビーム強度制御の説明図である。
図2では、露光中のトラック(N)とそれに隣接するトラック(N−1、N+1)上の短ピット(Ps1、Ps2、Ps3)と、これに隣接する長ピット(Pl-1、Pl-2)と、この時の短ピットの露光ビーム強度制御の例を示している。図中‘A’‘B’は前出の図1の説明と同じである。図2(a)では、図1と同じように、Ps3は周回後にも長ピットの影響を受けるため、Ps2に対しては、露光ビーム強度`A’で露光し、Ps1に対しては、`2/3・A'で露光し、Ps3に対しては、`1/3・A'で露光している。
【0034】
今、短ピット Ps1、Ps2、Ps3を露光しようとしているとすると、Ps2については前出と同様、露光ビーム強度‘A’で露光する。Ps1及びPs3の露光ビーム強度は、本実施例では前出の露光ビーム強度制御とは異なる。図4(b)が前出の第1の実施例であり、図4(c)が本実施例による露光ビーム強度を示している。
図3、4は、第2の実施例の参考図である。図3,4に示されるように、短ピットPs1とPs3とそれぞれの隣接長ピットとの相対的位置関係をみると、Ps1は隣接長ピットPl-1のほぼ中央位置に配置され、Ps3は隣接長ピットPl-2のほぼ露光開始位置にある。この位置関係を考えた場合、一般的に短ピットが隣接長ピットの中央付近にある場合(Ps1)の方が、短ピットが隣接長ピットの前後端付近にある場合より長ピット露光ビームのエアリーリングによる短ピット形成領域への過剰露光量は大きくなる。なお、図3では、周回後に露光される長ピット列はない場合を考えている。
【0035】
従って、短ピットが隣接長ピットの中央付近配置されるときは減少を必要とされる平均的露光ビーム強度量(‘B’)より若干多めに減少させる(図4中、
‘B+’>‘B’である。)。また、短ピットが隣接長ピットの前後端付近にある場合は、減少を必要とされる平均的露光ビーム強度量(‘B’)より若干少な目に減少させる(図4中、‘B−’<‘B’>)(図4(c)参照)。このような露光ビーム強度制御を行うことにより、最終的に形成される短ピット Ps1、Ps2、Ps3は、請求項1に記載の露光ビーム強度制御によって得られる短ピット形状よりも、更に、隣接長ピットの露光ビームのエアリーリングによる過剰露光の影響を低減したピット形状として得ることができる。
【0036】
図5は、隣接トラック間のトラック長変化を示す図であり、図6は隣接トラック間の時間軸の変化を示す図である。
CLVディスクフォーマットでは、トラックに沿って1回転する毎にその線路長は‘2πP’(Pはトラックピッチ)づつ長くなる。今、各トラックの長さを比べてみると図5に示すようになる。説明を簡単にする為に、図ではNトラックの長さを‘2πP’長のm倍長としている。この時、N+1トラックは‘2πP’長のm+1倍長、N−1トラックは‘2πP’長にm―1倍長となる。以上のことを、今、NトラックにおいてCLV駆動動作を行っているとして、Nトラックからみて、同一時刻に隣接するN+1およびN−1トラックとの時間関係は図6のようになる。すなわち、内周側は対応する時間が長く、外周側は対応する時間が短いことになる。
【0037】
‘2πP’長がフォーマット構成の最少単位(cb;チャンネルビット)相当でNf0個であったとすると、Nトラックからみてトラック1回転の時間に、N−1トラックはNトラックよりNf0個少なく、N+1トラックはNトラックよりNf0個多くフォーマットされていることになる。本実施例では、各トラック長がフォーマット構成の最少単位の整数倍長あるいは有限数倍長であるCLVディスクフォーマットの露光方法に関する発明であるので、Nトラックにおける、ある半径位置におけるトラック長は‘1cb長’相当で整数個あるいは有限小数個として求まる。その値をここでNt個とする。
【0038】
図7は、本発明によるパルスジェネレータの構成図である。
図7に示される、各トラックのフォーマッタクロック発生回路23〜25は、CLV駆動を行っているNトラックに対応したフォーマッタクロック発生回路23〜25においては、1cb相当の周波数の数倍の周波数を与えるパルスジェネレータ(基本クロック発生器)22の基本クロック‘Fclk‘を分周し、1トラックの‘cb’相当数Nt個のパルス列を生成する。1トラックあたりNf0個多いパルス列を送出するN+1トラックフォーマッタクロック発生回路23では、Nトラックフォーマッタクロック発生回路24において、Nt個のパルス列を生成したと同じパルスジェネレータの基本クロック‘Fclk‘からNt+Nf0個のパルス列を生成する。
【0039】
1トラックあたりNf0個少ないパルス列を送出するN―1トラックフォーマッタクロック発生回路25では、同様にNt―Nf0個のパルス列を生成する。このように、パルスジェネレータの基本クロック‘Fclk’を用い、これを分周してNt個、あるいはNt+Nf0個あるいはNt―Nf0個の分周パルスをえることは、うるう周期(Fclkの分周数を1増やしたり減らしたりさせて得られる周期)のパルスを混在させて生成することにより任意に実現できる。この各トラックに対応したフォーマッタクロック発生回路23〜25の出力を、それぞれCLKn+1,CLKn,CLKn−1とする。
【0040】
第3の実施例では、それぞれのパルス列に1トラック相当の露光ピットデータ信号分のディレイをもたせた露光ピットデータ信号を載せて送出することにより、現在露光中のNトラック上のピット露光データ信号と1トラック前に露光した露光データ信号と、1トラック後に露光する露光データ信号を得ることができることになる。
【0041】
図8は、本発明によるフォーマッタシステムの構成図である。
パルスジェネレータから得られる、Nトラックおよび、N+1トラック、N−1トラックに対応した露光データ信号列に相当したパルス列を、それぞれ入力とするNトラック露光ピットデータ信号発生回路33、N+1トラック露光ピットデータ信号発生回路32、N−1トラック露光ピットデータ信号発生回路34から構成され、N+1トラック露光ピットデータ信号発生回路32から順次1トラック毎に(スピンドルの回転毎に)それぞれ、露光ピットデータ信号出力を開始することにより、1トラック相当のディレイをもった露光ピットデータ信号列PSn,PSn+1,PSn−1が出力される
【0042】
第4の実施例では、露光ピットデータPSnを実際にピットとして形成するに際して、フォーマッタシステムから同時に出力される、1トラック前の露光ピットデータ信号と1トラック後に露光する露光ピットデータ信号から、短ピットとその時の隣接長ピットデータ信号検出することにより、短ピット露光ビーム強度制御を実施することができる。
【0043】
図9は、第5の実施例を示す短ピット露光ビーム強度制御回路の構成図である。
図9では、その前段に図8が、さらにその前段に図7が設けられている。
1トラック相当の露光データのディレイをもった露光ピットデータ信号列PSn,PSn+1,PSn−1を入力とし、これらのデータは一旦シフトレジスタ41〜43上に展開され、短ピット露光に際し、隣接露光ピットデータPSn+1,PSn−1上に長ピットデータがあるかどうかを検定し、それぞれの場合に応じて第1、2の実施例の構成動作で説明したような露光ビーム強度制御を施したピット露光信号Poutを出力する。各シフトレジスタ41〜43のシフトクロックはCLKn+1,CLKn,CLKn−1、である。
【0044】
図10は、第6の実施例を示す光ディスク原盤露光装置の構成図である。
第3の実施例に記載のパルスジェネレータ、および第4の実施例に記載のフォーマッタシステム、およびこれらによって得られる露光データ信号および隣接トラックの露光データ信号に基づいて、露光ビーム強度制御を行う回路を搭載している。
これにより、短ピット露光時の隣接長ピットの有り無しによる短ピット露光ビーム強度制御をした短ピット露光が可能となる。
図10において、図13の従来の回路に比べて異なる点は、パルスジェネレータ13からCLKn−1,CLKn,CLK+1のフォーマット信号送出クロックがフォーマッタシステム15に送出され、フォーマッタシステム15からPSn−1,PSn,PSn+1のピット露光データ信号が短ピット露光ビーム強度制御回路17に送出され、そして、短ピット露光ビーム強度制御回路17から光変調器3に変調信号が送出される点である。
【0045】
図10に示される光ディスク原盤露光装置によって作製される光ディスク原盤により作製される光ディスクメディアは、隣接長ピットがある場合は短ピット露光ビーム強度制御を行って露光が行われており、長ピットの露光ビームのエアリーリングの影響を低減した短ピット形状が形成されている。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のように効果を奏する。
(1)本発明の光ディスク原盤露光方法では、隣接トラックに配置される長ピットに応じて露光ビーム強度を制御するので、隣接トラック上の長ピット露光に影響されない最適な短ピット形状を形成できる。従って、本発明によれば、CAVディスクフォーマット露光における、隣接する長ピットに対する短ピットの形状補正も同様に可能である。
【0047】
本発明の光ディスク原盤露光方法では、短ピットと隣接長ピットの相対位置関係を考慮した短ピット露光ビーム強度制御がおこなわれるので更に適正な短ピット形状を形成できる。従って、本発明によれば、CAVディスクフォーマット露光における、隣接する長ピットに対する短ピットの形状補正も同様に可能である。
【0048】
ルスジェネレータでは、現トラックに対するCLV駆動時に、現トラックおよび隣接トラック上の露光ピットに対応したクロックを生成できるので、フォーマッタに対して、現トラックおよび隣接トラック上の露光データ信号送出クロックを供給することができる。
【0049】
フォーマッタシステムでは、パルスジェネレータ出力を入力とし、現トラックに対し正確に隣接トラック上の露光ピットデータ信号を生成出来るので、実際に露光した時の現トラックと隣接トラックの短ピットと隣接長ピットの関係を得ることができる。
【0050】
本発明の光ディスク原盤露光方法では、実際に連続露光中に在って、パルスジェネレータおよびフォーマッタシステムから得られる、露光中の現トラックにおける露光信号と1トラック前に露光した露光信号及び1トラック後に露光する露光信号を基に露光ビーム強度を制御出来るので、隣接トラック上のピット露光に影響されない最適なピット形状を連続して形成していくことができる。
【0051】
ディスク原盤露光装置では、パルスジェネレータおよびフォーマッタシステムを搭載し、これらから得られる露光データ信号および隣接トラックの露光データ信号に基づいて露光ビーム強度の制御を行う回路を搭載しているので、隣接長ピットに影響されない短ピットの露光ができる。
【0052】
ディスクメディアでは、短ピット形状が隣接長ピットの有り/無しに係わらず適正に形成されているので、短ピットの再生信号の変調度に差を生じる、あるいはジッタが増えるという不具合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す隣接トラック上のピット配置図である。
【図2】 本発明の第2の実施例を示す隣接長ピットを考慮した短ピット露光ビーム強度制御方法の説明図である。
【図3】 同じく第2の実施例を示す隣接トラック上のピット配置図である。
【図4】 同じく第2の実施例を示す隣接長ピットを考慮した短ピット露光ビーム強度制御方法の説明図である。
【図5】 本発明の3〜5実施例を示す隣接トラック間のトラック長変化の説明図である。
【図6】 同じく、NトラックにおけるCLV駆動動作時の隣接トラック間の時間軸の変化を示す図である。
【図7】 同じく、本発明によるパルスジェネレータの構成図である。
【図8】 本発明の第4の実施例を示すフォーマッタシステムの構成図である。
【図9】 本発明の第5の実施例を示す短ピット露光ビーム強度制御回路の構成図である。
【図10】 本発明の第6の実施例を示す光ディスク原盤露光装置の構成図である。
【図11】 本発明が適用される露光ビーム強度とピットまたはグループ形態(幅)の関係を示す特性図である。
【図12】 短ピット形態への隣接トラック長ピット配置の影響を示す図である。
【図13】 従来の光ディスクカッティングマシンの構成図である。
【符号の説明】
Ps1, Ps2,Ps3…短ピット、P1-1,P1-2…長ピット、21…コントローラ、22…基本クロック発生器、31…コントローラ、23…N+1トラック・フォーマッタクロック発生回路、24…Nトラック・フォーマッタクロック発生回路、25…N−1トラック・フォーマッタクロック発生回路、32…N+1トラック・露光ピットデータ信号発生回路、33…Nトラック・露光ピットデータ信号発生回路、34…N−1トラック・露光ピットデータ信号発生回路、41,42,43…シフトレジスタ、44…コントローラ、1…露光レーザ、2…露光光学系、3…光変調器、4…フォーカスアクチュエータ、5…ガラス原盤、6… エアスピンドルモータドライバ、7…エンコーダ、8…エアスライドモータ、9…スライドモータドライバ、10…スライダ制御回路、11…スピンドルモータドライバ、12…スピンドル制御回路、13…パルスジェネレータ、14…リニアエンコーダ、15…フォーマッタシステム、16…基本クロック発生器、17…短ピット露光ビーム強度制御回路。

Claims (1)

  1. フォトレジストを塗布したガラス基盤に、変調されたレーザ光を照射して短ピットを形成する際、該短ピットの記録対象のトラックに隣接する周回前の第1のトラックおよび周回後の第2のトラックにおける当該短ピットを形成すべき位置の隣接位置の長ピットの記録状況に応じて前記レーザ光のレーザパワーの制御を行う光ディスク原盤露光方法であって、
    前記第1,第2のトラックのいずれか一方のみに長ピットが形成され他方には長ピットが形成されない場合は、前記第1,第2のトラックのいずれにも長ピットが形成されない場合のレーザパワーより所定量減じたレーザパワーで記録を行い、
    前記第1,第2のトラックの双方に長ピットが形成される場合は、前記第1,第2のトラックのいずれにも長ピットが形成されない場合のレーザパワーより、前記所定量の2倍を減じたレーザパワーで記録を行う
    ことを特徴とする光ディスク原盤露光方法。
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