JP4051387B2 - マグネットスターラ - Google Patents
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Description
このようなマグネットスターラには、薬液等の液体を撹拌する場合や空気を撹拌する場合など様々な用途が考えられるが、特に液体や水蒸気を撹拌する用途がある場合においては、その支持軸の軸受には油を用いた軸受を採用することができない。その液体や水蒸気が軸受内に侵入して油が液体や水蒸気に混入するおそれがあるためである。
軸受に油を使わない構成のマグネットスターラについて、図4に基づいて説明する。
このマグネットスターラ10は、容器9内に貯留される液体を撹拌するための撹拌羽根12と、磁石14とが設けられたスターラ本体11と、スターラ本体11の回転を支持する支持軸16とを有している。
すなわち、スターラ本体11には、支持軸16の上端部が挿入される当接孔17が形成されており、スターラ本体11は単に支持軸16に載置されているだけの状態で支持軸16を中心に回転する。また、支持軸16の下端部は、容器の内底面9aに設けられた軸受孔8内に単に収納保持されており、支持軸16自体は回転しない構造となっている。
このように、支持軸16とスターラ本体11とを点接触で接触させるようにしたことで、スターラ本体11と支持軸16との間の摩擦抵抗を低減させている。
駆動装置のマグネット(図示せず)が回転駆動することにより、スターラ本体11は、駆動装置の回転駆動に伴って、支持軸16の上端部を支点として回転する。
すりこぎ運動の原理は明確に判明していないが、支持軸と当接孔の内壁面との間にわずかな隙間があるため、何らかの原因でスターラ本体の回転中心がずれてしまった場合、このずれた回転中心が、本来の回転中心の周囲を公転してしまうことにより生じるのではないかと考えられる(図5参照)。
さらに、スターラ本体の回転がスムーズではなくなるだけではなく、首振り運動の首振りの振幅が大きくなると、スターラ本体と支持軸との間の接触により異音が生じたり、スターラ本体が支持軸から外れてしまうといった課題があった。
上述したように、すりこぎ運動の発生は、支持軸の軸線方向に対してスターラ本体の回転中心がずれた場合、このずれた回転中心が本来の回転中心の周囲を公転することにあると考えられる。そこで、フリー回転部材を設けたことにより、スターラ本体の回転中心がずれたとしても、支持軸の他方側端部と当接孔の当接壁との間でフリー回転部材が傾いて、スターラ本体が本来の回転中心の周囲を公転しないようにしてそのずれた位置で回転し続ける。このため、すりこぎ運動の発生を防止することができる。
この構成を採用することによって、スターラ本体を支持軸から外したときに、フリー回転部材がスターラ本体から脱落しないようにすることができるので、再度スターラ本体を支持軸に装着しようとする際にはフリー回転部材の装着を考慮しなくともよいので、装着に手間をかけずに済む。
この構成を採用することによって、スターラ本体の回転中心がずれた場合でも、スターラ本体の当接孔の内壁面が支持軸の周囲のホルダ部材の弾性部材を介して、支持軸を押圧しするので、スターラ本体の回転中心が公転しようとする力を吸収するのですりこぎ運動の発生をさらに効果的に防止し、かつ支持軸が当接孔の内壁面との接触を繰り返すことがなく異音を生じさせたりすることがなくなる。
まず、図1に、本発明のマグネットスターラを搭載する恒温槽の全体構成を示す。
本実施例における恒温槽30は、たとえばフッ素系不活性液体を所定の温度に保つ機能を有するものであり、タンク31内にフッ素系不活性液体(以下、単に液体と称する場合がある)を貯留させる。そして、タンク31の外壁には、温度制御用の制御装置34が接続されて設けられている。
本実施形態での恒温槽30では、タンク31内で所定の温度に維持された液体は、半導体製造時の洗浄等に用いられる。
そして、タンク31の下方には、マグネットスターラ40を駆動させるための駆動装置35が設けられている。駆動装置35は、モータ36と、モータ36によって回転するマグネット37とから構成されている。モータ36がマグネット37を回転駆動することにより、タンク31内部のマグネットスターラ40を駆動させることができる。
マグネットスターラ40は、撹拌羽根42を有するスターラ本体44と、スターラ本体44の回転を支持する支持軸46とを具備している。
スターラ本体44にはマグネット47が設けられており、タンク31の外部に設けられた駆動装置35のマグネット37によって、スターラ本体44がマグネット47の磁力を利用して支持軸46に対して回転する。
また、支持軸46の下端部は、タンク31の内底面31aに設けられた軸受孔48に圧入され、固定されている。
下側部材52は、支持軸46の外径よりも大径の内径を有している側壁部52aと、支持軸46の上端部を覆うように形成されている上壁部52bとから構成される。上壁部52bの中心部には、フリー回転部材60を貫通させるための小孔57が形成されている。
また、支持軸46の上端面には、下方に向けて徐々に小径となるように形成された凹部62が形成されている。
フリー回転部材60は、支持軸46の凹部62とスターラ本体44の凹部56のみに接触し、軸線を中心にして自由に回転可能に設けられている。
抜け止め部材76は、中心に支持軸46を非接触状態で貫通可能な径を有する貫通孔78が形成されており、支持軸46を貫通しつつもホルダ部材70が当接孔50から抜け落ちないように設けられている。
スターラ本体44は、回転軸の周囲にマグネット47が配置されており、マグネット47の重量の関係もあって、回転時に重量バランスがうまくとれないこともある。したがって、スターラ本体44の回転中に重量バランスが崩れて、スターラ本体44の回転中心が支持軸46の上端部からずれてしまう場合もある。
しかし、本実施形態によれば、スターラ本体44の回転中心がずれたとしても、両端部がスターラ本体44の凹部56内と支持軸46の凹部62内に当接しているフリー回転部材60が、スターラ本体44の回転中心をそのずれた位置で維持するように傾く。これによりスターラ本体44の回転中心がずれた位置のまま、回転を維持させることができ、スターラ本体44は良好に回転し続けられるものと考えられる。
31 タンク
31a 内底面
34 制御装置
35 駆動装置
36 モータ
37 マグネット
40 マグネットスターラ
42 撹拌羽根
44 スターラ本体
46 支持軸
47 マグネット
48 軸受孔
50 当接孔
52 下側部材
52b 上壁部
52a 側壁部
53 上側部材
54、77 ボルト
56、62 凹部
57 小孔
60 フリー回転部材
64 上端部
66 下端部
68 大径部
70 ホルダ部材
72 Oリング(弾性部材)
74 溝
76 抜け止め部材
78 貫通孔
Claims (4)
- 容器内壁面から容器内へ向けて突出するように設けられている支持軸と、
マグネットを有し、前記支持軸の先端部が一方側から進入する当接孔が形成され、前記支持軸により回転自在に支持されているスターラ本体とを具備するマグネットスターラにおいて、
前記支持軸の先端部の端面に対向する前記当接孔内の当接面には、他方側に向けて徐々に小径となる第1の凹部が形成され、
前記支持軸の先端部の端面には、一方側に向けて徐々に小径となる第2の凹部が形成され、
他端部が前記第1の凹部内の壁面に当接し、一端部が前記第2の凹部内の壁面に当接して軸線方向に対して自由に回転可能となるフリー回転部材が、前記第1の凹部と前記第2の凹部との間に設けられていることを特徴とするマグネットスターラ。 - 前記フリー回転部材の外周面には、外方に突出する大径部が形成されており、
前記当接孔内には、前記フリー回転部材の大径部の一方側の面と当接する抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマグネットスターラ。 - 前記支持軸の外壁面の周囲を覆うホルダ部材が設けられ、該ホルダ部材の外壁面と当接孔の内壁面との間には弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のマグネットスターラ。
- 前記弾性部材は、Oリングであって、前記ホルダ部材の外壁面に形成された溝部内に装着されていることを特徴とする請求項3記載のマグネットスターラ。
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