JP4051149B2 - プリテンショナ - Google Patents

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    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R22/4628Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by fluid actuators, e.g. pyrotechnic gas generators
    • B60R2022/4642Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by fluid actuators, e.g. pyrotechnic gas generators the gas directly propelling a flexible driving means, e.g. a plurality of successive masses, in a tubular chamber

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両などのシートベルト装置のリトラクタに用いられ、車両急減速時に、ウエビングの巻取軸を強制的に回転させ、前記ウエビングを乗員拘束方向へ緊張させるプリテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のリトラクタ用プリテンショナとしては、ウエビングの緊急巻き取り構造の原理の観点から種々のものが知られている。例えば、転動体(質量体)をガス圧などで押し出す方式のもの、ワイヤを利用した、いわゆる「つるべ」方式のもの、ガス圧でぜんまいバネ状の部材を回転させる方式のもの、さらには、ガス圧で遊星歯車を回転駆動させる方式のものなどである。
【0003】
この各種の方式のプリテンショナのうち、転動体をガス圧などで押し出す方式のものとしては、例えば特開昭56-23972号、ドイツ特許公開「DE 195 12 660 A1」号、ドイツ特許公開「DE 196 02 549
A1」号などに記載のものが知られている。
【0004】
これらの転動体を備えたプリテンショナは、例えば特開昭56-23972号に代表されるように、車両の衝突時に複数の転動体を高圧ガスによってダクト内を圧送させ、この転動体を、リトラクタシャフトの周りに取り付けた駆動歯車に順次、係合させることにより、リトラクタシャフトにシートベルトを緊急に巻き取るためのトルクを与える構造を有している。
【0005】
前記転動体の付勢力を用いて、直接リトラクタシャフトを回転させる構造のプリテンショナは、十分な付勢力を発生させるには、転動体が移動するためのストローク、すなわち転動体の移動通路を長く設定する必要がある。このため、移動通路を単純に直線状に長く形成すると、プリテンショナ全体が特定方向に大型化してしまうので、通常は、その移動通路となるパイプをくねらせる、または渦巻き状に曲げて十分な長さのストロークを確保できるように努めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記移動通路を確保するプリテンショナは、パイプなどを複雑に曲げる分、その通路幅を湾曲部でも常に所定値に保持する必要があるなど、その加工工程が複雑であり、且つ高い加工精度が要求される部分が極めて多い。このため、製造コストが増加し、一方で、特定方向への大型化は回避できても、プリテンショナ全体の容積の増大による大型化は不可避である。また、移動通路の形状が複雑になる分、ガス漏れに対する対策も高いものが要求される。したがって、最終的には製造コストの増加及びサイズの大型化を招いていた。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、圧力により押し出される圧力伝達材の移動ストロークが短くても、ウエビングを巻き取るための十分なトルクを発生させて、ストローク長が長いときと同等のトルク発生機能を得る一方で、全体構造を小型化及び簡素化させて、車載の容易化を図るとともに製造コストを低減させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、車両急減速時に、ウエビングの巻取軸を強制的に回転させ、前記ウエビングを乗員拘束方向へ緊張させるプリテンショナであって、ハウジングに設けられた通路に移動可能に収容された移動体と、前記移動体に圧力を加え、当該移動体を移動させる圧力印加装置と、前記移動体の動きを周回運動に変えて回転トルクを発生させる増速機構と、前記回転トルクを前記巻取軸に伝達し、当該巻取軸を前記ウエビングの巻取り方向に回転させるクラッチ装置と、を備えたプリテンショナを提供するものである。
【0009】
この構造を備えたプリテンショナは、前記移動体の動きを周回運動に変える増速機構を備えているため、当該移動体の直線状の移動ストロークが短くても、ウエビングを巻き取るのために十分な回転トルクを発生させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係るプリテンショナを備えたシートベルト装置用リトラクタについて図面を参照して説明する。
【0011】
図1及び図2は、実施の形態1に係るシートベルト装置用リトラクタをその円周方向正面及び軸方向側面から見た状態を示す図、図3は、図1及び図2に示すリトラクタのプリテンショナを中心に示す図であり、図4のIII−III線に沿った断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図、図5は、図3及び図4に示すプリテンショナの帯体をクラッチ外輪に固定する方式を説明する図、図6は、図3及び図4に示すプリテンショナの直線状のシリンダを成すパイプとハウジングとの間のシール性を保持するネジ機構とその作用を説明する図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、実施の形態1に係るシートベルト装置用リトラクタ10は、車両ボディに取り付けるための板状のリトラクタベース12と、このリトラクタベース12上に固定されたリトラクタ本体14と、このリトラクタ本体14の軸方向の一端部に固設された緊急ロック機構16と、もう一端部に順次固設されたプリテンショナ18及び巻き取りばね装置20とを備える。
【0013】
リトラクタ本体12は、図示しないウエビングを巻き取りまたは引き出し自在な巻き取りリール22を備える。巻き取りリール22は、その巻取軸であるリトラクタシャフト24(図3参照)に連結された前記巻取りバネ装置20によりウエビングが巻き取られる方向に常時付勢されている。さらに、ウエビングが所定値以上の加速度で引き出されようとすると、リトラクタシャフト24の軸方向一端に連結している緊急ロック機構16が作動し、リトラクタシャフト24の回転が阻止され、ウエビングが引き出されないように設定されている。
【0014】
プリテンショナ18は、図3及び図4に示すように、そのケーシングとして、ハウジング26に蓋体としてキャップ28を気密に嵌め込むことにより形成している。このケーシングには、車両の衝突時等急な減速が発生したときに、ウエビングを強制的に巻き取って、該ウエビングの弛みを瞬時に解消するための機構が内蔵されている。以下、この機構を説明する。
【0015】
ハウジング26には、その一端側の側面からその内部に向けて浅い円柱状且つ2段状の開口が穿設されている。この開口の外側の段部Dを、シールバンド30を介してキャップ28で気密に塞ぐことにより、その内部にプリテンショナ用各種の機構を収容する空間26aが形成される。
【0016】
この収容空間26aの中心部には、軸方向に直交する端部の断面形状が6角形のリトラクタシャフト24(但し、中心部の断面は丸形)が回転自在に支持・貫通されており、このリトラクタシャフト24の周りに、図3及び図4に示すように、クラッチ装置32が設けられている。このクラッチ装置32は、小スリーブ34と、リテーナ36と、ローラピン38と、クラッチ外輪40と、を備えている。
【0017】
クラッチ外輪40は、内周面がカム面40aを形成し、その内周面側に、カム面40aに対向し且つ微小距離の隙間をローラピン38との間に形成するように小スリーブ34が配設されている。小スリーブ34は円盤状を成し、リトラクタシャフト24に固定されている。小スリーブ34の外周表面にはローレット34aが形成されている。
【0018】
リテーナ36もハウジング26に固定され、且つ、等角度位置に設けた4本のピン保持部100を備えた円盤状を成す。このピン保持部にはローラピン38をそれぞれ固設させるとともに、この4本のローラピン38をクラッチ外輪40のカム面40aに係止させている。
【0019】
また、クラッチ外輪40の外周面には、増速機構としての帯体44をほぼ3重に巻き付けた、ぜんまいバネ状の機構を装備している。この帯体44は例えば鋼などの、所定幅及び長さの金属材料で形成されており、ぜんまいバネ状に巻き付けることでバネ性を持たせている。具体的には、帯体44の一端を、例えば図5(a)に示すように、クラッチ外輪40の外周面に設けたフック40bに引っ掛けるフック式で固定される。なお、これに代えて、図5(b)に示すように、スポット溶接WDにより帯体44の一端をクラッチ外輪40の外周面に固定してもよい。この帯体44を複数回(例えば図4に示すようにほぼ3周)、図4における時計方向に巻き回した後、もう一端を収容空間26aの段部Dの肉厚部内部に挿入・固定する。このとき、帯体44の段部側への固定位置が、図4に示すように、時計9時の方向になるように設定する。
【0020】
またハウジング26内部には、その下側から上側に向けて、両端開口で角状のパイプ46が挿入されている。このパイプ46は、後に詳述するが、コロ50を移動可能に収容する通路としての役割を果たす。このパイプ46の上端は、図4に示すように収容空間26aに臨み、その先端位置は、上述した帯体44の時計9時方向に空間を横切る部分に対向させている。またパイプ46の下端は、ハウジング26の底面から穿設されるプラグ48によりハウジング内部で封止されている。さらに、パイプ46の内部はシリンダとして機能し、このパイプ46内には移動体として、転動体である円筒状のコロ50が複数、互いに当接し且つ転動自在な状態で1列に挿入されている。この複数のコロ50のうち、一番下側のコロ50は台座51に載せられている。この台座51もパイプ46内を摺動自在に挿入されるとともに、その台座51の底面は、後述する加圧ガスの押圧力を受け易いようにフラットに形成されている。
【0021】
このため、一方の側からコロ50に圧力を加えると、その圧力は反対側のコロに伝わり、この複数個のコロ50が列体として一体に、パイプ46(シリンダ)内を移動可能になっている。このコロ50の列が移動してパイプ46から前述した収容空間26aに抜けるとき、その先頭のコロ50は前述した帯体44を押しながら、且つ、この帯体44の巻き回して形成した円周軌道OB(図4参照)を周回することになる。すなわち、ハウジング26は、パイプ46に連通し且つクラッチ装置32の外周部との間に周回状の溝が形成されており、前記帯びたい44は、この周回状の溝を周回する。
【0022】
パイプ46の下端部には横孔LHが穿設され、この横孔LHに連通して横方向に流路CPが穿設されている。さらに、圧力印加装置として、横置形の加圧ガス発生装置52が、流路CPに連通する状態で装備されている。この加圧ガス発生装置52は、電極53と、点火装置54と、高圧ガス発生剤56とを備えて構成される。この電極53には、車両の衝突時に発生する急激な加速度を検出するショックサンサからの信号を伝える点火信号伝達用ハーネスが接続されている。ショックセンサから点火信号が電極53に伝えられると、点火装置54が高圧ガス発生剤56を発火させて高圧ガスが瞬時に発生される。
【0023】
また、このプリテンショナ18のハウジング26には、図1に示すように、その緊急ロック機構側の側面から、複数のコロ50を収容するためのシリンダ状のコロ収容部59が突設されている。このコロ収容部59の内部空間は、ハウジング26内に形成される円周軌道OBの略終点位置で当該軌道に連通している。このため、円周軌道OBを略1周したコロ50は、運動方向を周回方向からその終点位置で横向きに変えてコロ収容部59に収容される。
【0024】
また、収容部59を特に設けないで、終点に到着後も圧力を加え続けているようにすることもできる。
【0025】
さらに、ハウジング26に嵌挿したパイプ46には、加圧ガス発生装置52から発生された高圧ガスに対するシール性を向上させる機構が装備されている。具体的には、図6(a)及び図6(b)に示すように、加圧ガス発生装置52とは反対側のハウジング外側面からネジ60をねじ込み可能になっている。このため、例えば図6(a)に示すように、プリテンショナ取り付け時などにパイプ46が斜めになると、パイプ46の外周面とハウジング26のパイプ挿入口の内周面との間に僅かな隙間GPができ易い。この隙間GPが形成されると、加圧ガスが漏れるので、そのような場合にはネジ60のねじ込み量を多くし、図6(b)に示すように、パイプ46をハウジング26のパイプ挿入口の内周面に押し付ける。これにより、加圧ガス供給口である横孔LH側の隙間が無くなり、加圧ガスに対するシール性が著しく向上する。
【0026】
次に、この実施形態の動作について説明する。いま、車両に載った乗員がウエビングを装着しているが、このとき車両に急減速が生じていないとする。このときは、加圧ガス発生装置52は作動しないから、パイプ46で形成されるシリンダ内の複数個のコロに加圧ガスの押圧力は作用せず、図7に示す初期状態にある。パイプ46内のコロ列の先頭のコロ50Aは、収容空間26a内の円周軌道OBを時計9時の方向に横断する帯体44にその頭を抑えられ、その適度な下方向への付勢力によりコロ列全体が静止している。
【0027】
そして、この初期状態の場合、図7に示すように、ローラピン38と小スリーブ34は離間しているので、クラッチ装置32はプリテンショナ18には何ら関与せず、巻き取りバネ装置20のによりウエブングが引き出され、巻き取り自在になっている。
【0028】
この初期状態において、車両に衝突時の急激な速度減が生じたとする。これにより、加圧ガス発生装置50は瞬時に加圧ガスを発生し、この加圧ガスが流路CP及び横孔LHを通ってパイプ46で形成されるシリンダに瞬時に供給される。
【0029】
このため、複数のコロ50から成るコロ列にその下方から急激な押圧力が作用し、そのコロ列全体がパイプ46内を上方に向かって瞬時の内に押し出される。
【0030】
この押し出しの力は、初期状態においてコロ列を付勢していた帯体44の力に優るので、コロ列は、図8に例示するように、帯体44の横断部の中間部を押しながらパイプ46から収容空間26a、つまり周回軌道OBへと移動する。すなわち、パイプ46内での直進運動から円周軌道OBに沿った周回運動に変わる。
【0031】
このとき帯体44は、その一端がハウジングに固定され、且つ、もう一端は1回以上巻きまわした上でクラッチ外輪40に固定されている。このため、周回運動に移行したコロ列により押された帯体44は、その押された分、すなわちコロ列の移動距離の2倍の長さ分だけクラッチ外輪側の帯体部分を引き込む。これにより、クラッチ外輪40がその引き込み量に対応した角度だけ回転する。つまり、帯体44は「つるべ」方式で2倍の増速作用を発揮し、クラッチ外輪40をその増速状態で図8の矢印A方向に回転させる。
【0032】
これにより、クラッチ外輪のカム面40aがローラピン38を内方に押し、ローラピン38は小スリーブ34に噛み込み、クラッチ装置32が噛み合う(図8参照)。これにより、帯体44で代表される増速機構(即ちプリテンショナー18)とリトラクタシャフト24とが結合し、クラッチ装置32の回転と一体にリトラクタシャフト24も矢印A方向に回転する。
【0033】
コロ列の回転が進むにつれて、図8の矢印A1〜A3方向に示すように、帯体44による引き込み量も多くなり、リトラクタシャフト24の回転は一気に進む。
【0034】
この回転トルクによって、リトラクタシャフト24が嵌合されたウエビングの巻き取りリール22が強制的に回転し、ウエビングが極めて短時間の内に巻き取られる。そして、周回を終えた複数のコロ50は、この周回軌道OBの略終点位置で開口しているコロ収容部59に向きを変えて入り、順次、収容される。
【0035】
このように、実施の形態1に係るプリテンショナによれば、コロによる転動体列と「つるべ」方式の帯体を中心とする増速機構とを組み合わせるという従来には無いユニークな構造を採用したので、転動体列を収容するシリンダ(パイプ)のストロークが少なくて済む。これにより、シリンダを形成するパイプを従来のように曲げてストローク量を稼ぐという構成にする必要が無く、直線状の短いものでも十分な付勢力を確保することができる。したがって、プリテンショナ全体が小形化されて車載条件が緩和されるとともに、加工工程も簡単化され、加工精度の高いという効果がある。これにより、強いては製造コストを低減させることができる。
【0036】
また、圧力を保持するシリンダ部分が直線状であるので、加圧ガスのシール構造も容易化される。特に、実施の形態1では、ネジ60を使って簡単な構造及び操作で、シリンダを成すパイプとハウジングとの隙間が加圧ガス供給側に形成されるのを防止しているので、加圧ガスに対する好適なシール性が確保されている。これにより、車両急減速時などのプリテンショナ作動時にウエビングの巻き取りの確実化に寄与している。
【0037】
また、本実施形態のプリテンショナは従来の他方式のプリテンショナに対しても優位性を発揮する。例えば、ワイヤを用いた「つるべ」方式のみのもの(例えば特開平8-26070号、米国特許第4,450,759号)に対しては、ガス圧のシールの面が有利である、といった利点がある。また、ガス圧により引き出しバンドをぜんまいバネ状に広げて回転させたり、またガス圧により遊星歯車そのものを回転させる方式のもの(例えば特開平8-216834号、特開平6-344861号)に比べて、ガス圧のシールの点で有利である。
【0038】
なお、その他の変形が既述の実施の形態1に加えられることが妨げられるものではない。例えば、転動体としては、円筒コロの他に球状のものを使用することができる。また、増速機構の中心部を成す帯体の代わりに、ワイヤを用いてもよい。
【0039】
以上説明した構造をまとめると、実施の形態1に係るプリテンショナは、ハウジングが、前記シリンダに連通し且つ前記クラッチ装置の外周部との間に形成された周回状の溝を有し、前記増速機構は前記溝に収容されたぜんまいバネ状体を備え、このバネ状体はその一端を前記クラッチ装置の外周部に固定した状態で当該クラッチの円周状の外周部に沿って少なくとも1周巻き付けるとともに、もう一端を前記ハウジングの溝の側面に固定し、前記圧力に付勢された前記複数の移動体がそのバネ状体の一部を押しながら前記溝を周回できるように構成した構造とすることが好ましい。
【0040】
さらに好適には、前記シリンダをパイプ部材で形成し、このパイプ部材を前記ハウジング内に埋設して形成する構造を有し、このパイプ部材の前記圧力印加装置からの圧力媒体が導入される部分に、前記ハウジングとパイプ部材との圧力媒体導入側の当接状態を気密に保持する手段を設けることである。これにより、上述した主目的と合わせて、移動体を押し出す圧力を伝達するときの圧力媒体に対するシールの確実化を図り、且つ、そのシール構造を簡素化できる。
【0041】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係るプリテンショナについて、図面を参照して説明する。
【0042】
図9は、実施の形態2に係るプリテンショナの図4と同じ状態を示す図、図10は、図9に示すプリテンショナの粘性体の移動と増速機構の中心を成す帯体の回転とを説明する図である。
【0043】
なお、実施の形態2では、実施の形態1に係るプリテンショナと同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
実施の形態2に係るプリテンショナの、実施の形態1に係るプリテンショナと異なる点は、移動体としてコロの代わりに粘性体を使用した点である。
【0045】
実施の形態2に係るプリテンショナは、図9及び図10に示すように、パイプ46と、パイプ46下端部に穿設された横孔LHと、この横孔LHに連通して横方向に穿設された流路CPには、粘性体150が収容されている。また、加圧ガス発生装置52と流路CPとの間には、フィルム状のシール部材またはゴム等の弾性部材で作られたシール部材160が設けられている。このシール部材160によって、粘性体150が加圧ガス発生装置52側に流出しないようになっている。一方、粘性体150の内部空間26a側は、収容空間26a内の円周軌道OBを時計9時の方向に横断する帯体44に阻止されている。このため、通常時は、粘性体150は、図9に示す状態を維持している。
【0046】
また、収容空間26aには、緊急ロック機構側の側面から、粘性体150を収容するための粘性体収容部159が形成されている。この粘性体収容部159の内部空間は、ハウジング26内に形成される円周軌道OBの略終点位置で当該軌道に連通している。このため、円周軌道OBを略1周した粘性体150は、運動方向を周回方向からその終点位置で横向きに変えて粘性体収容部159に収容される。
【0047】
粘性体150は、油、グリース、またはこれらに任意の固形物を混合したもの、ゼリー状ゲル化物など、種々の材料を使用することができる。
【0048】
また、シール部材160は、フィルム状のほか、シート状、ワッペン状、ブロック状など、粘性体150の漏れを防止可能であれば、簡単なシール機構を用いることができる。
【0049】
この構成を備えたプリテンショナは、車両に衝突時の急激な速度減が生じた場合、加圧ガス発生装置50は瞬時に加圧ガスを発生し、この加圧ガスの急激な押圧力によりシート状シール部材160が破られて、この押圧力が粘性体150を加圧する。ブロック状シール部材は、そのまま押されて移動して粘性体150を押圧駆動する。加圧された粘性体150は、パイプ46内(シリンダ内)を上方に向かって瞬時に押し出される。
【0050】
この押し出しの力は、初期状態において粘性体150を付勢していた帯体44の力に優るので、粘性体150は、図10に例示するように、帯体44の横断部の中間部を押しながらパイプ46から収容空間26a、すなわち周回軌道OBへと移動する。すなわち、パイプ46内の直進運動から円周軌道OBに沿った周回運動に変わる。これにより、実施の形態1に係るプリテンショナと同様に、クラッチ装置32の回転と一体にリトラクタシャフト24が矢印A方向に回転し、この回転トルクによって、リトラクタシャフト24が嵌合されたウエビングの巻き取りリール22が強制的に回転し、ウエビングが極めて短時間の内に巻き取られる。そして、周回を終えた粘性体150は、この周回軌道OBの略終点位置で開口している粘性体収容部159に収容される。収容部150は、特に設けないで圧力を加え続けるようにしてもよい。
【0051】
このように、実施の形態2に係るプリテンショナも、実施の形態1に係るプリテンショナと同様の作用・効果を得ることができる。
【0052】
また、実施の形態2に係るプリテンショナは、コロ50の代わりに粘性体150を使用したため、前記作用・効果に加え、パイプ46や収容空間26aの断面形状を同一にする必要がないので、これらの形状を変化させることができる。また、図11に示すように、粘性体150の通路146を途中で分岐してプリテンショナの増速機構144を複数設けて駆動力を均等にし、リトラクタシャフト24の回転バランスを向上させることもできる。
【0053】
さらにまた、実施の形態2に係るプリテンショナは、加圧ガス発生装置50からのガス圧を液圧(粘性体150の圧力)に変える方式をとっているため、例えば、パイプ46の外周面と、ハウジング26のパイプ挿入口の内周面との間に多少の隙間があっても、粘性体150自身の粘性により、粘性体150がそこから漏れる心配が低減されるので、シールの簡略化を行うことができる。したがって、前記のような隙間をなくすために行われる加工精度の向上、シール剤、Oリングの使用など、各種の処理や工夫を省くことが可能となる。したがって、製造コストを削減することもできる。
【0054】
そしてまた、粘性体150を用いたことによりシールの簡略化が可能となるという利点から、例えば、図12及び図13に示すように、パイプ46に代えて、キャップ48とハウジング26とを一体にして通路となる溝147を掘り、そこに蓋148を設けた構造とすることもできる。この蓋148は、例えば、ネジ149などにより、ハウジング26に固定することができる。この構造によりプリテンショナを構成する部品点数を少なくすることができる。なお、図13は、図12のXIII−XIII線に沿った断面の一部を示す図である。
【0055】
この構造にすれば、ハウジング26を、例えば、ダイキャストで製造し、蓋147をプレス加工で製造することができるため、形状の自由度を大きくすることができる。また、粘性体150を使用したことから、ハウジング26と蓋147との間にパッキンなどのシール材を用いなくても、帯体44に十分な押圧力を与えることが可能である。
【0056】
また、図14及び図15に示すように、丸パイプ246を曲げ加工・拡管加工して、ガス発生器54の収納部まで一体に製作したものを、アルミダイキャストや樹脂等で作られたハウジング26に埋め込んで、蓋148で固定することもできる。
【0057】
パイプを曲げ加工すると、内径がつぶれるため、転動体が通るような加工精度を得るのが大変であるが、粘性体を使用すれば、この加工精度は問題にならない。ブロック状の弾性シール部材160が通過できればよい。また、図9に示すようなシート状のシール部材であれば、さらに加工精度の許容が大きくなる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリテンショナは、ハウジングに設けられた通路に移動可能に収容された移動体と、前記移動体に圧力を加え、当該移動体を移動させる圧力印加装置と、前記移動体の動きを周回運動に変えて回転トルクを発生させる増速機構と、前記回転トルクを前記巻取軸に伝達し、当該巻取軸を前記ウエビングの巻取り方向に回転させるクラッチ装置とを備えているため、圧力により押し出される移動体の直線状の移動ストロークが短くても、シートベルト巻き取りのための十分なトルクを発生させて、ストローク長が長いときと同等のトルク発生機能を得る一方で、全体構造を小形化および簡素化させて、車載の容易化を図るとともに製造コスト低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートベルト装置用リトラクタの円周方向外側から見た正面図である。
【図2】このリトラクタをその軸方向から見た、一部破断した側面図である。
【図3】このリトラクタのプリテンショナを中心に示す、図4中のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図3中のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】帯体のクラッチ外輪に固定する方式を説明する図である。
【図6】直線状のシリンダを成すパイプとハウジングとの間のシール性を保持するネジ機構とその作用を説明する図である。
【図7】転動体を成すコロの列の移動と増速機構の中心を成す帯体の回転とを説明する図である。
【図8】転動体を成すコロの列の移動と増速機構の中心を成す帯体の回転とを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るプリテンショナの図4と同じ状態を示す図である。
【図10】図9に示すプリテンショナの粘性体の移動と増速機構の中心を成す帯体の回転とを説明する図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るプリテンショナの図4と同じ状態を示す図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るプリテンショナの図4と同じ状態を示す図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った断面の一部を示す図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係るプリテンショナの一部を示す断面図である。
【図15】図14の、図13と同じ状態を示す図である。
【符号の説明】
10 リトラクタ
18 プリテンショナ
24 リトラクタシャフト
26 ハウジング
26a 収容空間
28 蓋体
32 クラッチ装置
44、144 帯体(ぜんまいバネ状体、増速機構)
46 パイプ(シリンダ)
50 コロ(転動体)
52 加圧ガス発生装置(圧力印加装置)
60 ネジ
OB 周回軌道
146 通路
147 溝
148 蓋
150 粘性体
160 シール部材

Claims (7)

  1. 車両急減速時に、ウエビングの巻取軸を強制的に回転させ、前記ウエビングを乗員拘束方向へ緊張させるプリテンショナであって、
    ハウジングに設けられた通路に移動可能に収容された複数の移動体と、前記移動体に圧力を加え、当該移動体を移動させる圧力印加装置と、前記移動体の動きを周回運動に変えて回転トルクを発生させる増速機構と、前記回転トルクを前記巻取軸に伝達し、当該巻取軸を前記ウエビングの巻取り方向に回転させるクラッチ装置と、を備え、
    前記増速機構は、一端が前記クラッチ装置に固定され且つ他端が前記ハウジングに固定されると共に、当該クラッチ装置の外周面に巻き付けられた帯体を有し、
    前記移動体は、互いに当接し且つ転動自在な状態で1列に収容されてなる、
    プリテンショナ。
  2. 前記移動体は、前記移動を行った際に、前記帯体を押圧すると共に、前記クラッチ装置の外周面に巻き付けられた帯体の円周軌道を移動する請求項1記載のプリテンショナ。
  3. 前記帯体は、前記移動体に押圧されて、当該移動体の移動距離の2倍の長さ分が、前記クラッチ装置の外周面に沿って引き込まれ、前記クラッチ装置は、前記帯体の引き込み量に対応した角度で回転する請求項2記載のプリテンショナ。
  4. 前記移動体は、コロまたは球状のものからなる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプリテンショナ。
  5. 前記移動体は、粘性体からなる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプリテンショナ。
  6. 前記帯体を複数配設すると共に、前記通路を分岐してなり、当該分岐された各々の通路を移動した粘性体が当該各々の帯体を押圧する請求項5記載のプリテンショナ。
  7. 前記帯体は、金属材料から形成され、バネ性を有してなる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のプリテンショナ。
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