JP4050938B2 - 冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属めっき鋼板と冷延鋼板を同一の設備を用いて製造する冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄板鋼板の表面に溶融金属めっきを施した溶融金属めっき鋼板と、薄板鋼板に焼鈍処理を施して表面の酸化膜や加工特性を調節した冷延鋼板は、それぞれ別の製造経路を用いて製造されていた。
しかし、溶融金属めっき鋼板及び冷延鋼板の製造経路は、溶融金属めっき鋼板及び冷延鋼板の原鋼板である薄板鋼板を焼鈍する連続焼鈍装置の上流側に設けられた洗浄装置等、連続焼鈍装置の下流側に設けられた塗油装置、巻き取り装置等が殆ど同じ構成であるため、冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の製造には、兼用設備が使用されるようになっている。そのため、冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備には、連続焼鈍装置に設けられた最終熱処理炉の出口から出た薄板鋼板から冷延鋼板を製造するバイパス炉に案内する焼鈍用通板路に導く切り替えロールが最終熱処理炉の出口に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この切り替えロールは、溶融金属めっき装置に設けられた、例えば、亜鉛や錫等の溶融金属を貯留する溶融金属槽から溶融金属めっき用通板経路を経由して飛来してくる溶融金属のヒュームを主体とした異物が存在する雰囲気に常時曝されているため、切り替えロールの表面には異物が付着する。このため、切り替えロールで薄板鋼板を焼鈍用通板路に案内する場合、切り替えロールの表面に付着した異物により薄板鋼板の表面に、例えば押し疵等の疵が入り、得られる冷延鋼板に品質上問題が生じる。
そこで、切り替えロールの表面に付着した異物の除去を行う必要が生じるが、異物の除去を行うには製造ラインの停止が前提となるため、除去作業は品種切り替え等の製造ラインの休止時に合わせて行う必要がある。このため、異物の除去作業に長時間を要すると、製造ラインの休止時間が長くなったり、除去作業に多大の労力が必要となったりして、冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の製造に兼用設備を使用して設備効率を向上させるという本来の目的が達成できないという問題が生じる。
【0004】
また、切り替えロールの表面に異物が付着するのを根本的に解消する方法として、溶融金属めっき鋼板の製造時に、溶融金属めっき用通板路を介して溶融金属のヒュームを主体とした異物を吸引して強制的に外部に排出して切り替えロール周辺の雰囲気を清浄化することが考えられる。しかし、高温の溶融金属のヒュームは爆発の危険性が高く、切り替えロール周辺の雰囲気を清浄化するには防爆対策を含めて多大な設備投資が必要になるという問題が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、切り替えロール表面に異物が付着するのを防止して冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備としての設備効率を高位に安定化させることが可能な冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備は、薄板鋼板を焼鈍する連続焼鈍装置の最終熱処理炉から出た前記薄板鋼板の経路を溶融金属めっき用通板路、又は焼鈍用通板路のいずれかに切り替えて冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板を製造する冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備において、
前記最終熱処理炉の出口側の前記溶融金属めっき用通板路と前記焼鈍用通板路の分岐部に設けられて前記焼鈍用通板路に前記薄板鋼板を導き、溶融金属めっき鋼板製造時には使用されない切り替えロールは、溶融金属めっき鋼板製造時においても回転駆動されていると共に、該回転駆動する切り替えロールには、前記溶融金属めっき用通板路を通過した前記薄板鋼板に溶融金属めっきを施す溶融金属めっき装置から前記溶融金属めっき用通板路を経由して飛来してきた異物が前記切り替えロールの表面に付着するのを防止する掻き取り部材が一定の圧力で接触している。
【0006】
切り替えロールに掻き取り部材を設け、回転している切り替えロールの表面に掻き取り部材の先端を常時、一定の圧力で接触させることにより、溶融金属(例えば、亜鉛、錫等)のヒュームを主体とする異物が切り替えロールの表面に飛来しても、付着する前に直ちに掻き落とすことができる。このため、切り替えロールの表面に溶融金属のヒュームを主体とする異物が付着するのを防止することができ、切り替えロールの表面を常時清浄に保つことができる。
ここで、掻き取り部材としては、例えば、切り替えロールに接触する先端側がナイフエッジ状となった耐熱鋼製の板を使用することができる。また、掻き取り部材を回転している切り替えロールの表面に接触させる際の圧力としては、例えば、0、又は0を超えて2kg/cm2 以下である。この切り替えロールを、溶融金属めっき処理の操業中は、常時回転させておくことが異物の付着を少なくする。
【0007】
本発明に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備において、前記切り替えロールには、該切り替えロールの表面を加熱する加熱装置が設けられていることが好ましい。
切り替えロールが設けられている最終熱処理炉の出口側、すなわち、溶融金属めっき用通板路と焼鈍用通板路の分岐部の雰囲気温度は100〜500℃であり、溶融金属めっき鋼板の製造時には切り替えロールの表面の温度は350〜450℃となる。このため、溶融金属のヒュームと切り替えロール表面の間の温度関係で、溶融金属のヒュームが切り替えロールの表面に飛来した際、切り替えロールに熱を瞬時に奪われ凝結して付着する場合が考えられる。
そこで、切り替えロール近傍の雰囲気の温度を、例えば350〜500℃に加熱し、間接的に切り替えロールの表面を加熱することにより、切り替えロールの表面の温度を350〜450℃として、溶融金属のヒュームが切り替えロールの表面に飛来して接触した際に、瞬時に熱が奪われないようにすることができる。その結果、溶融金属のヒュームが切り替えロールの表面に飛来しても強固に付着することを防止できる。
【0008】
本発明に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備において、前記切り替えロールの表面には、前記溶融金属めっき装置から飛来した異物との反応性が低く耐熱性及び耐磨耗性を有した材料からなるコーティング層が形成されていることが好ましい。
切り替えロールの表面に、溶融金属のヒュームを主体とする異物との反応性が低い材料からなるコーティング層が形成されているので、異物が飛来し凝結して付着する際に、コーティング層との間に反応層が形成されず、異物とコーティング層との間の付着力を低下させることができる。なお、コーティング層の材質としては、例えば炭化タングステンとモリブデンのサーメット材を使用することができ、コーティング層の形成は溶射により行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備の概念図、図2(A)、(B)はそれぞれ同冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備における薄板鋼板の溶融金属めっき鋼板製造時の通板状況説明図、冷延鋼板製造時の通板状況説明図、図3は本発明の一実施の形態に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備の切り替えロールに設けた掻き取り部材の説明図である。
【0010】
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備10には、冷延鋼板15又は溶融金属めっき鋼板13の原鋼板である薄板鋼板11を焼鈍する連続焼鈍装置12と、連続焼鈍装置12から出た薄板鋼板11に溶融金属めっきを施して溶融金属めっき鋼板13を製造する溶融金属めっき装置14が設けられている。更に、冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備10には、溶融金属めっきを行わない冷延鋼板15を製造する冷延鋼板製造装置16と、製造された溶融金属めっき鋼板13及び冷延鋼板15を冷却して図示しない巻き取り装置側に搬送する冷却装置17が設けられている。
【0011】
連続焼鈍装置12は、例えば、水素5%及び窒素95%に調整された雰囲気中で薄板鋼板11の焼鈍処理を行うもので、薄板鋼板11を、例えば600〜800℃程度に加熱し複数の案内ロール17aを備えた加熱炉18と、加熱された薄板鋼板11の温度を均一化し複数の案内ロール18aを備えた均熱炉19と、均一温度となった薄板鋼板11を100〜500℃程度に徐冷し複数の案内ロール19aを備えた冷却炉20の3種の熱処理炉を有している。このような構成とすることにより、所定の搬送速度(例えば、30〜150m/分)で連続して搬送されてくる薄板鋼板11を、順次加熱し、均一温度に保持して、冷却することができる。その結果、最終熱処理炉である冷却炉20から出てきた薄板鋼板11は、焼鈍処理済の状態となっている。
【0012】
溶融金属めっき装置14には、最終熱処理炉である冷却炉20の出口に接続され薄板鋼板11を溶融金属めっき装置14側に案内する溶融金属めっき用通板路21が設けられている。なお、溶融金属めっき用通板路21の入口側には、冷却炉20の出口から排出された焼鈍処理済の薄鋼鋼板11を溶融金属めっき用通板路21に案内する案内ロール22が設けられている。
また、溶融金属めっき装置14には、溶融金属めっき用通板路21を通ってきた薄板鋼板11が浸漬される溶融金属めっき液23を貯留している溶融金属槽24と、溶融金属めっきが施された薄板鋼板11、すなわち溶融金属めっき鋼板13を溶融金属槽24から排出させるために溶融金属めっき鋼板13の搬送方向を変更させるポットロール25が設けられている。
更に、溶融金属めっき装置14には、溶融金属槽24から排出された溶融金属めっき鋼板13を再度加熱する加熱機の一例である誘導加熱機26と、誘導加熱された溶融金属めっき鋼板13の合金化処理を行う合金化保持炉27と、合金化処理が行われた溶融金属めっき鋼板13を冷却する冷却機の一例である気水冷却機28と、気水冷却後の溶融金属めっき鋼板13に対して最終冷却処理を行う冷却装置17に溶融金属めっき鋼板13を案内する案内ロール29、30が設けられている。
【0013】
冷延鋼板製造装置16には、最終熱処理炉である冷却炉20の出口に接続され薄板鋼板11を冷延鋼板製造装置16側に案内する焼鈍用通板路31と、それに続くバイパス炉32が設けられている。更に、冷延鋼板製造装置16には、焼鈍用通板路31に搬送された薄板鋼板11の搬送方向を変更する案内ロール33と、バイパス炉32より搬送されてきた薄板鋼板11、すなわち冷延鋼板15に対して最終冷却処理を行う冷却装置17に冷延鋼板15を案内する案内ロール34が設けられている。
【0014】
また、溶融金属めっき用通板路21と、焼鈍用通板路31が接続される冷却炉20の出口の分岐部35には、冷却炉20から出た薄板鋼板11を焼鈍用通板路31に導く、例えば耐熱鋳鋼製の切り替えロール36が設けられている。そして、切り替えロール36には、溶融金属めっき装置14から溶融金属めっき用通板路21を経由して飛来してきた溶融金属のヒュームを主体とする異物が切り替えロール36の表面に付着するのを防止する掻き取り部材の一例である耐熱鋼製の掻き取り板37が設けられている。
【0015】
掻き取り板37は、図3に示すように、切り替えロール36に接触する先端側がナイフエッジ状に加工されている。そして、掻き取り板37の基端側はアーム38に固着され、掻き取り板37とアーム38との固着部は軸受39により支持されている。また、アーム38の基端側は、連結ピン40を介して、駆動機構の一例であるエアシリンダー41のピストン42の先端側に連結されている。
このような構成とすることにより、エアシリンダー41を駆動してピストン42を進退させると、軸受39を支点としてアーム38が回動し、このアーム38に固着した掻き取り板37もアーム38に連動して回動することになる。その結果、ピストン42が前進すると、掻き取り板37の先端側が切り替えロール36の表面から離脱し、ピストン42が後退すると、掻き取り板37の先端側が切り替えロール36の表面に接触し推圧することになる。なお、エアシリンダー41の圧力を調整することにより、掻き取り板37の先端側が切り替えロール36の表面を推圧する際の圧力を調整することができる。
【0016】
また、切り替えロール36の表面には、例えば、炭化タングステンとモリブデンのサーメット材からなるコーティング層が溶射により形成されている。炭化タングステンとモリブデンのサーメット材のように、亜鉛や錫との反応性が低い材料からなるコーティング層を切り替えロール36の表面に形成することにより、溶融亜鉛や溶融錫を貯留している溶融金属槽24から発生した亜鉛や錫のヒュームを主体とした異物が飛来し凝結しても強固に付着することはない。このため、掻き取り板37を切り替えロール36の表面、すなわち炭化タングステンとモリブデンのサーメット材のコーティング層に接触させ推圧すると、容易に異物を除去することができる。
【0017】
更に、切り替えロール36の周囲には、薄板鋼板11の通過を妨げない位置に、切り替えロール36の表面を加熱するための複数の加熱装置43(図2では2機)が設けられている。加熱装置43により、切り替えロール36の表面の温度を、例えば、350〜450℃程度に加熱すると、異物が切り替えロール36の表面に飛来し接触した際に瞬時に熱が奪われることがなく、異物が切り替えロール36の表面に強固に付着することを防止できる。その結果、掻き取り板37を切り替えロール36の表面、すなわち炭化タングステンとモリブデンのサーメット材のコーティング層に接触させ推圧すると、更に容易に異物を除去することができる。
なお、符号44、45は、冷却炉20から排出される際の薄板鋼板11の搬送方向を変更するための案内ロールである。また、符号46は、掻き取り板37により除去された異物を受ける異物受である。
【0018】
次に、本発明の一実施の形態に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備10を使用した溶融金属めっき鋼板13、及び冷延鋼板15の製造方法について説明する。
連続焼鈍装置12で600〜800℃程度に加熱され焼鈍処理された薄板鋼板11は、溶融金属めっきを施した溶融金属めっき鋼板13を製造する溶融金属めっき装置14、又は冷延鋼板15を製造する冷延鋼板製造装置16の何れかの装置に通板されて、それぞれの製品となる。
【0019】
溶融金属めっき装置14に薄板鋼板11を通板して溶融金属めっき鋼板13を製造する場合、図2(A)に示すように、案内ロール44、45を介して搬送された薄板鋼板11は、案内ロール22から溶融金属めっき用通板路21を通って溶融金属めっき液23を入れた溶融金属槽24内に設けられたポットロール25に案内され、薄板鋼板11の表面には溶融した亜鉛、錫等のめっきが施される。表面にめっきが施された薄板鋼板11、すなわち、溶融金属めっき鋼板13は、次いで誘導加熱機26により再度加熱されて合金化保持炉27に搬送され、合金化処理が行われた後、気水冷却機28で冷却されて、案内ロール29、30を介して冷却装置17に送られて最終冷却が行われ、巻き取り装置に搬送される。
【0020】
溶融金属めっき鋼板13の製造中、溶融金属めっき液23を貯留している溶融金属槽24で発生した溶融金属のヒュームを主体とした異物が溶融金属めっき用通板路21を経由して飛来し切り替えロール36の表面に付着する。ここで、切り替えロール36は加熱装置43で、切り替えロール36の表面の温度が、例えば、350〜450℃程度に加熱されている。このため、異物が切り替えロール36の表面に飛来し接触しても瞬時に熱が奪われることがなく、異物が切り替えロール36の表面に強固に付着しない。また、切り替えロール36の表面には、亜鉛、錫と反応性が低い炭化タングステンとモリブデンのサーメット材からなるコーティング層が形成されており、異物が切り替えロール36の表面に付着し難くしている。
更に、切り替えロール36は、図示しない回転駆動機構により薄板鋼板11の搬送速度に同期した周速が切り替えロール36の表面で得られるように所定の回転速度で回転しており、この切り替えロール36の表面には先端側がナイフエッジ状となった掻き取り板37が常時接触し推圧している。このため、切り替えロール36の表面に異物が飛来し付着しても、切り替えロール36の表面との付着力は小さく、直ちに掻き取り板37により除去される。従って、切り替えロール36の表面は常に清浄に保たれることになる。
【0021】
一方、冷延鋼板製造装置16に薄板鋼板11を通板して冷延鋼板15を製造する場合、図2(B)に示すように、案内ロール44、45を介して搬送された薄板鋼板11は、切り替えロール36を介して焼鈍用通板路31に案内され、更に案内ロール33により搬送方向が変更されてバイパス炉32に送られ、冷延鋼板15となる。得られた冷延鋼板15は、バイパス炉32の出口側に設けられた案内ロール34を介して冷却装置17に搬送し、最終冷却処理を行って巻き取り装置に搬送する。
なお、溶融金属槽24から飛来して切り替えロール36の表面に付着した異物は、掻き取り板37により付着しても直ちに掻き取られるため、切り替えロール36の表面は常に清浄に保たれている。このため、溶融金属めっき鋼板13の製造を停止し、切り替えロール36を使用して薄板鋼板11の進行経路を変更し、冷延鋼板15の製造を直ちに実施することができる。更に、切り替えロール36の表面には異物が存在していないため、切り替えロール36に案内されて焼鈍用通板路31を通過する薄板鋼板11の表面には押し疵が生じない。
【0022】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、掻き取り部材として耐熱鋼製の掻き取り板を使用したが、砥石、耐磨耗性セラミック材を使用した掻き取り板、耐熱鋼製のブラシを使用することも可能である。また、切り替えロールの表面に溶射により炭化タングステンとモリブデンのサーメット材からなるコーティング層を形成したが、溶融金属槽から飛来する異物との反応性が低く耐熱性及び耐磨耗性を有したセラミック系のロールを用いることも可能である。
【0023】
【発明の効果】
請求項1、2記載の冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備においては、切り替えロールには、溶融金属めっき装置から溶融金属めっき用通板路を経由して飛来してきた異物が切り替えロール表面に付着するのを防止する掻き取り部材が設けられているので、切り替えロール表面を常時清浄に保つことができ、安価な設備費で冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備で製造する冷延鋼板の品質を確保することが可能になると共に、切り替えロールに付着した異物の除去作業が不要となって、冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備としての設備効率を高位に安定化させることが可能となる。
【0024】
特に、請求項2記載の冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備においては、切り替えロールには、切り替えロールの表面を加熱する加熱装置が設けられているので、溶融金属のヒュームを主体とする異物が切り替えロールの表面に飛来しても凝結により強固に付着することがなく、掻き取り部材で直ちに除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備の概念図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備における薄板鋼板の溶融金属めっき鋼板製造時の通板状況説明図、冷延鋼板製造時の通板状況説明図である。
【図3】同冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備の切り替えロールに設けた掻き取り部材の説明図である。
【符号の説明】
10:冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備、11:薄板鋼板、12:連続焼鈍装置、13:溶融金属めっき鋼板、14:溶融金属めっき装置、15:冷延鋼板、16:冷延鋼板製造装置、17:冷却装置、17a:案内ロール、18:加熱炉、18a:案内ロール、19:均熱炉、19a:案内ロール、20:冷却炉、21:溶融金属めっき用通板路、22:案内ロール、23:溶融金属めっき液、24:溶融金属槽、25:ポットロール、26:誘導加熱機、27:合金化保持炉、28:気水冷却機、29、30:案内ロール、31:焼鈍用通板路、32:バイパス炉、33、34:案内ロール、35:分岐部、36:切り替えロール、37:掻き取り板、38:アーム、39:軸受、40:連結ピン、41:エアシリンダー、42:ピストン、43:加熱装置、44、45:案内ロール、46:異物受

Claims (2)

  1. 薄板鋼板を焼鈍する連続焼鈍装置の最終熱処理炉から出た前記薄板鋼板の経路を溶融金属めっき用通板路、又は焼鈍用通板路のいずれかに切り替えて冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板を製造する冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備において、
    前記最終熱処理炉の出口側の前記溶融金属めっき用通板路と前記焼鈍用通板路の分岐部に設けられて前記焼鈍用通板路に前記薄板鋼板を導き、溶融金属めっき鋼板製造時には使用されない切り替えロールは、溶融金属めっき鋼板製造時においても回転駆動されていると共に、該回転駆動する切り替えロールには、前記溶融金属めっき用通板路を通過した前記薄板鋼板に溶融金属めっきを施す溶融金属めっき装置から前記溶融金属めっき用通板路を経由して飛来してきた異物が前記切り替えロールの表面に付着するのを防止する掻き取り部材が一定の圧力で接触していることを特徴とする冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備。
  2. 請求項1記載の冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備において、前記切り替えロールには、該切り替えロールの表面を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする冷延鋼板と溶融金属めっき鋼板の兼用設備。
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