以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
<全体の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転駆動されるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110乃至112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110乃至112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せが表示されることになる。絵柄の組合せは、複数種類の各入賞役に対応しており、そのような入賞役としては、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、再遊技等を挙げることができる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように水平3本と斜め2本の5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。
メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示してやることもできる。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン136a〜136cが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110乃至112を停止させるボタン型のスイッチである。136aを操作することによって左リール110が、136bを操作することによって中リール111が、136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。 各ストップボタン136a〜136cの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタン136a〜136cのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158、は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
上部ランプ190の近傍の左右にはスピーカーの音孔(図示せず)を設けられている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカーからの効果音を出力するための音孔(図示せず)が設けられている。背面スピーカーの音孔には、装飾が施されたスピーカーカバー173が装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
扉付表示装置180は、液晶表示装置(LCD)181が設けられており、このLCD181により、遊技に関する各種の情報の画像、例えば、ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面等の画像を表示することができる。扉付表示装置180は、LCD181の手前(前面)に開閉自在に設けられ、閉鎖時にLCD181の表示領域を全面的に遮蔽する扉役物183が設けられている。以下、その構成について図5を参照して説明する。図5は扉付表示装置180の構成例を示す図である。
扉役物183は、左右方向に移動可能に設けられた一対の扉部材183aを備え、障子状の扉を構成している。各扉部材183aは、LCD181の表示領域をそれぞれが半分づつ遮蔽するまで移動させることができ、遮蔽部材を構成している。そして、両者を当接させる位置まで移動すると全閉位置となり、LCD181の表示領域が完全に遮蔽される。一方、両者が図1に示す位置(全開位置)にあるときはLCD181の表示領域が完全に露出する。
各扉部材183aは、それぞれモータMからの駆動力を得て移動し、個別に開閉される。このため可動範囲以内であれば、いずれか一方の扉部材183aを任意の停止位置及び速度で移動させることができる。各扉部材183aは、その上下を図示しないガイドレール等の案内部材によって支持され、移動可能に設けられている。扉部材183aの上下縁部にはそれぞれモーターMの駆動力を伝達するためのラック183bが設けられている。各モーターMは、回転軸にピニオン歯車が取り付けられており、扉部材183aのラック183bと噛み合わさり扉部材183aに直線運動を行わせる。
各扉部材183aにモーターMを設けることで、扉部材183aを個別に動作させることができる。このためLCD181の表示領域を一方の扉部材183aで半分のみ遮蔽することができる。また、モーターMをステッピングモータ−とすることで扉部材183aを可動範囲以内で任意の停止位置で停止させることや、任意の速度で開閉させることもできる。
このように本実施形態では、LCD181の表示領域を全体的に遮蔽するように扉部材183aを設けているが、必ずしも表示領域を全体的に遮蔽可能とする必要はなく、表示領域の少なくとも一部を遮蔽可能としてもよい。また、本実施形態では障子状の扉役物183を採用したが、表示領域を遮蔽する遮蔽部材の構成としてはこれに限られず種々の構成が採用可能である。
<制御部>
図2を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、LCD180を制御するLCD表示制御部500と、で構成されている。
<主制御部300>
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、入賞役の内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入口ブロック134の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、ストップボタンのいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、メダル投入ボタン131、132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323が接続されている。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、各種制御データ等を記憶する記憶手段の一つである。MainCPU310は、バス370を介して、ROM312からプログラムや、各種制御データ等を読み込む。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、バス370を介して、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。本実施形態ではROM及びRAMを用いているが他の記憶手段を用いてもよいことはいうまでもない。この点は後述する副制御部400、LCD表示制御部500においても同様である。
また、リール110乃至112を回転駆動するモータ(図示省略)を制御するモータ制御部331、及び、メダル払出装置(いわゆるホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
演出用ランプ・表示器類340とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース340およびバス370を介してMainCPU310に接続され制御される。
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押されたストップボタン136a〜136cを示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ、音声出力、LCD表示装置等による演出の内容)を規定したコマンド等がある。
<副制御部400>
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
バックライトは、リール110〜112の絵柄を照らす発光手段で、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部は、上部ランプ190、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158、受け皿ランプをまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライトおよび演出用発光表示部は、出力インターフェース420、バス470を介してSubCPU410と接続されている。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御データに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカー(具体的には上部スピーカー及び背面スピーカー)462から音として出力される。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データをLCD表示制御部500へ送信する。この制御データに基づいて、LCD表示制御部500は、LCD180を表示制御する。LCD制御部500については後述する。
<LCD表示制御部500>
LCD・扉制御用SubCPU510は、副制御部400から送信された各種コマンドを入出力インターフェース530を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じてモーター制御部560へ制御パルスを出力して扉役物183を制御し、VDP制御用SubCPU520へは画像パターンコマンドを送信し、LCD181の表示制御を行う。
ROM511は、LCD・扉制御用SubCPU510の制御プログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。VDP・扉制御用SubCPU520は、LCD・扉制御用SubCPU510からの画像パターンコマンドから、画像データを特定し、VDP550へLCD181へ表示させるべき画像データを指示する。
ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー(以降VDP)550は、指定された画像データを外部接続されたROM552から読み込んで描画処理を行うと共にRGB信号に変換してLCD181に表示を行う。モーター制御部560は、LCD・扉制御用SubCPU510からの制御パルスに基づいてモーター駆動パルスを出力することで扉役物183の扉部材183aを移動させるモーターMの制御を行う。
<遊技の基本的制御処理>
図19は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。この処理は、CPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり実行を繰り返す。
主制御部300のリセットスイッチ(図示省略)が押下された状態で電源が投入された場合、先ずステップ101(S101)が実行される。なお、単に、電源を投入する場合は、以前の状態(電源を落とした時点の状態)から処理が開始される。
S101では、初期化処理を行う。ここでは、例えば、初期化コマンドを副制御部400に送信する等の処理を行う。S102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
S103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、S104において、投入されたメダル枚数に応じて、有効な入賞ライン114を確定する。S105では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。
S106では、S105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選データテーブルを用いて、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行う。入賞役抽選テーブルには、各入賞役毎に内部当選となる数値範囲が設定されており、S105で取得した乱数値と当該数値範囲と比較して内部当選の当否が定められる。数値範囲の大きさが各入賞役の内部当選の確率となる。
S107では、演出抽選を実行する。演出抽選は、演出を実行する/しない、演出を実行する場合の演出内容が抽選により決定される。本実施形態では、S106の内部抽選の結果に応じてこの演出抽選が実行される。例えば、内部抽選の結果毎に演出内容が複数種類設定されており、S106の内部抽選の結果に対応する演出内容の中から抽選でいずれかの演出内容が選択されることになる。
S108では、ROM312に格納されているリール停止制御テーブルを選択する。リール停止制御テーブルは、各リール110乃至112を停止制御するためのテーブルであり、S106の内部抽選の結果に応じて選択される。例えば、内部抽選の結果がハズレであった場合、いずれの入賞役の絵柄の組合せも揃わないように停止制御するテーブルが選択される。また、例えば、内部抽選の結果が、ある入賞役の内部当選であった場合は、その入賞役の絵柄の組合せが揃うことを許容するテーブルが選択される。
S109では、全リール110乃至112の回転を開始させる。S110では、ストップボタン136a乃至136cの受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S108で選択されたリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
S111では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞と判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、「7−7−7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。
S112では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。S113では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技の種類を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には、次回からBBゲームを開始できるよう準備し、BBゲームの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
S114では、遊技終了か否かを判断し、遊技終了の場合は、同図の処理を終了し、そうでなければ、S102に戻る。以上により1ゲームが終了し、以降、これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
なお、主制御部300から副制御部400には、必要に応じて、各種のコマンド(制御コマンド)が送信される。主制御コマンドとしては、例えば、以下のものが存在する。括弧内のステップは、送信タイミングを示す。すなわち、スタートレバー操作コマンド(スタートレバーの受け付けを示すコマンド:S103)、演出コマンド(演出抽選で決定した演出の内容を格納したコマンド:S107)、第1停止操作コマンド(第1停止操作が行われたリールを示す情報が格納され、第1停止操作が行われた時点で送信されるコマンド:S110)、第1リール停止コマンド(第1停止したリールを示す情報が格納され、第1リールの停止時に送信されるコマンド:S110)、同様な、第2停止操作コマンド、第2リール停止コマンド、第3停止操作コマンド、第3リール停止コマンド(S110)、入賞判定情報コマンド(入賞結果を格納したコマンド:S111)が存在する。
<演出実行制御>
次に、本実施形態のスロットマシン100の演出実行制御について説明する。図3は、本実施形態のスロットマシン100の演出実行制御を示す概念図である。本実施形態では、扉付表示装置180による多彩な演出が可能である。
スロットマシン100で実行される演出は、LCD181に動画等を表示することで行われる画像演出、スピーカー462から発生される音声や効果音による音演出、リールバックランプ、上部ランプ190、サイドランプ151〜156等のランプを用いた発光演出、扉役物183の開閉動作によってLCD181の表示内容を補完するために行われる補完演出とに分けられる。
これらの演出の実行制御は、副制御部400において行われている。副制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部300から遊技進行に応じて送信される制御コマンドに基づいて遊技の進行に応じた各種の演出を実行するようになっている。
ここで、例として遊技者に内部抽選結果(図19のS106)の示唆を行う期待感演出が実行された場合の演出制御について説明する。遊技の進行において、スタートレバー135を操作して、主制御部300において内部抽選処理が実行される(図19のS106)。内部抽選の結果、内部当選役が決定されると、主制御部300では、その内部当選役に応じて設定された複数の演出の中なら1つの演出態様が決定される、演出抽選処理が行われる(図19のS107)。
決定された演出態様は、演出コマンドとして副制御部400に送信される。副制御部400は、演出選択処理において、演出コマンドに応じた演出データを選択する。演出データは、遊技の進行に応じて演出を進行させるため、遊技操作毎に行われる演出の集合体で構成されている。遊技操作は、回転開始(スタートレバー135操作時)→第1停止操作時→第2停止操作時→第3停止操作時→メダル投入時の順となっている。本実施形態では、このようにLCD181に表示される画像の情報や、扉役物183を作動する制御情報といった各種演出データが、各遊技操作に対応して設定されている。
そして、遊技操作に応じた制御コマンドを主制御部300から受信することを契機に、設定された演出を順次実行してゆくようになっている。演出の実行は、演出実行制御処理で行われる。演出実行制御処理は、選択された演出データを、各デバイスに応じて配分されたRAM412上の領域に展開する処理を行う。展開されたデータは、所定の時間周期で実行される割り込み処理で各デバイスへ送信される。割り込み処理は、演出データを割り込み時間周期で順次各デバイスに送信することで演出全体の同期と実行時間を制御している。
ここで演出データの内、LCD181に表示する画像の情報と扉役物183の制御情報に関する演出データは、LCD表示制御部500へと送信される。LCD表示制御部500は、受信した演出データに基づいて、LCD181と扉役物183を制御する。以下、この点を詳細に説明する。
まず、演出データは、LCD・扉制御用SubCPU510へ入力される。LCD・扉制御用SubCPU510は、画像・扉制御ROM511から演出データに応じた画像パターンデータと、扉パターンデータとを読み込む。画像パターンデータはLCD181に表示させる一連の画像を示すデータであり、扉パターンデータはLCD181に表示される画像に対応して扉役物183を制御するためのデータであり、扉部材183aを移動するための情報である。このように本実施形態では、LCD181に表示する画像に関連付けて扉役物183を制御する情報をROM511に記憶するようにしている。
画像パターンデータ・扉パターンデータは、副制御部400と同様にRAM上に展開され、LCD表示制御部500で実行される割り込み処理により、VDP制御用CPU520、モーター制御部560へと送信される。VDP制御用CPU520は、LCD181の画像表示を制御するVDP550を制御する専用のCPUである。VDP制御用CPU520は、画像制御ROM522から画像パターンを構成するパターンデータを読み込み。パターンデータに設定されている画像データをVDP550へ送信する。VDP550は画像データROM552から画像データを読み込み描画処理、デジタルアナログ変換処理等を行いLCD181に画像を出力する。
モーター制御部560は、LCD・扉制御用SubCPU510からの制御パルスに基づいてモータードライバ等によってモーター駆動パルスを生成し、扉役物183を駆動するモーターMへ供給し、扉役物183を駆動制御する。
図4に演出データの説明図を示す。演出データは、図中左の表に示すようにパターン番号、実行時間、繰返し回数で構成されている。操作毎に行われる演出を構成する演出データは、図中左の表に示すように楽音制御データ(SOUND××)、ランプ発光制御データ(LUMP××)、画像・扉制御データ(MOVIE××)で構成されている。
この演出データを実行時間に沿って展開すると中央に示す図になる。楽音制御データは、図に示すようにスピーカーL・Rの効果音パターンを1900msの時間に渡り再生するように構成されている。音を発生しないところは「0」、音を発生する箇所については「A」「B」と言ったように効果音データが配置されている。これらのデータを時間の経過に応じて順次実行することで図中右に示すようにスピーカーL・Rから効果音を発生させる。
ランプ発行制御データは、例えば、4箇所のLED(発光単位)を発光制御するデータの場合、時間の経過に対して発光させるLED1〜4に発光信号「1」を出力するように構成されたビット配列データとなっている。時間の経過と共に発光信号が変化することで図中右に示すようにLED1〜4の発光場所を変化させている。
画像・扉制御データは、LCD表示制御部500に対して、表示させる画像(動画)のパターン番号、実行時間、繰返し回数を送信して画像表示制御を行う。LCD表示制御部500は、受信したデータに基づいて、画像データと扉パターンデータとを設定する。そして、画像データは、設定されてパターンに基づいて図中に示す順序でVDP550に与えられる。VDP550は、与えられた画像データを画像データROM552から読み出してLCD181に表示させる。画像データは、図に示すように00〜03に大まかに分割されていると共に、その中で更に細分化されている。このため、細分化されたData1〜9の単位でLCD181に表示させることもできる。
扉パターンデータは、画像パターンに関連付けて設定されている。扉パターンデータは、説明の便宜上、全開、全閉、半開等表示しているが、具体的には、停止位置(0:全開位置〜202:全閉位置)や移動速度(0.1pps〜1000pps)といった制御情報が設定される。したがって任意の停止位置、移動速度を指定して動作させることもできるが、予め使用する動作をパターン化し、そのパターンを指定することで容易に制御できるようになっている。
効果音、ランプ、画像及び扉役物による補完演出は、時間経過に基づいて分割されたデータで構成されているので、データ毎に実行時間を設定することで容易に同期制御することができる。また、データ自体は、効果音、ランプ、画像等と個別に保持しているので効果音のみの修正や発光場所の変更、画像の差し替え等は個別に修正することができる。また、実行時間配分や、発生タイミングも個別に調整することができる。
<扉付表示装置180による演出の具体例>
(予告演出例1)
次に本実施形態のスロットマシン100の予告演出例について説明する。図7は、遊技者の期待感を煽る予告演出例である。予告演出は、スロットマシン100の内部抽選結果を遊技者に暗示する演出形態である。本実施形態では遊技者の操作毎に段階的に報知を行っていくことにより、一回の遊技全体を通じて遊技者の興趣を向上する。
遊技開始すなわちスタートレバー135の操作が行われ、リール110乃至112の回転が開始させる際、図7(a)に示すように一対の扉部材183aの双方が遮蔽位置へ移動し、一旦扉役物183がLCD181の表示領域全体を遮蔽する。扉役物183により表示領域が遮蔽されている間、LCD181の表示領域では、図示しない第1の画像から図7(b)に示す第2の画像へ、画像の切り替えが行われている。画像の切り替え終了後、一対の扉部材183aが、非遮蔽位置に移動し、扉役物183が全開して表示領域全体が露出する。
LCD181の表示領域には2人のキャラクタ画像が表示され、予告演出が行われる。左側のキャラクタが、「ベル」に内部当選していることを暗示する。右側のキャラクタが「スイカ」に内部当選していることを暗示する。この予告演出は、内部抽選結果が、「ベル」「スイカ」のいずれかである可能性があることを遊技者に報知している。
遊技者がストップボタン136a〜136cのいずれかを操作して、リールの第1停止操作を行うと、扉役物183が作動し、左側の扉部材183aがLCD181の表示領域の左半分を遮蔽するように遮蔽位置へ移動する(図7(c))。この動作により、表示領域の右側のみが遊技者に視認されることとなり、内部当選結果が「スイカ」の可能性が高いことを報知する。
次に、遊技者がリールの第2停止操作を行うと、今度は、第1停止操作で遮蔽した左側の扉部材183aが非遮蔽位置へ移動し、右側の扉部材183aが表示領域の左半分を遮蔽するように遮蔽位置へ移動する。この動作により、表示領域の左側のみが遊技者に視認されることとなり、内部当選結果が「ベル」の可能性が高いことを報知する。
次に、遊技者がリールの第3停止操作を行うと、右側の扉部材183aが非遮蔽位置へ移動すると共に左側の扉部材183aが、左側のキャラクタ位置までの遮蔽位置へ移動する。左側の扉部材183aの移動と共にLCD181の表示領域では、左側のキャラクタが跳ね飛ばされて遠方に飛ばされる演出が行われる。LCD181の表示領域では、最終結果として右側のキャラクタが残るので内部当選結果が「スイカ」であったことを報知する。
本例では、遊技開始時に扉役物183で表示領域全体を一旦遮蔽することにより、LCD181の表示領域で画像の切り替えが行われることを遊技者に見えないようにしている。扉役物183で遮蔽することなく表示領域の画像切り替えを行えば、急に全く異なる画面が瞬時に表示されるだけであり、期待感演出の導入部分としての盛り上がりに欠けるものとなる。
一方、本例のように扉役物183により表示領域を一旦遮蔽することで、次に扉役物183が開いたときに何が表示されるのかを期待させることが可能になる。本物の扉を模した扉部材183aが遮蔽することで、単にLCD181の表示領域に扉を描画する以上のインパクトを遊技者に与えると共に、切り替えられる画像への期待感を高める効果も発揮する。
同様に、敢えて2つのキャラクタの表示されている表示領域のうち、いずれか一方のキャラクタの表示されている表示領域を遮蔽することで表示内容をより盛り上げる補完的な役割を扉役物183が担っている。
最終表示結果(図7(d))では、一方のキャラクタが閉まる左側の扉部材183aに弾き飛ばされるような表示態様、すなわち、弾き飛ばされるキャラクタ画像の移動に併せて左側の扉部材183aを移動させる補完演出を行わせることで、LCD181の表示内容と扉役物183とが連携して一つの演出を完成させるという今までに無い連動演出形態を行わせることができる。このように本例では表示内容の興趣を一層高めることができる。
(予告演出例2)
図8は、他の予告演出の形態例を示す。本例も前述の予告演出と同様に遊技者に内部当選結果の報知を行う演出形態である。本例では、表示領域の表示内容に応じて扉役物183に協調動作を行わせることで演出を盛り上げる。また、遊技の開始時に内部当選結果の報知を行うことで遊技者が内部当選役を狙い打ちできるようにするものである。
本例では、図8(a)に示すように、遊技開始時にLCD181の表示画像を地震が発生したかのように周期的に振動動作させ、キャラクタ画像もいっしょに揺らされるように表示するとともに何か異変があるかのように「?」を表示する。
扉役物183は、表示領域の振動に合わせるようにして小刻みに左右に振動させる。すなわち、各扉部材183aを左右に振動させ、表示領域と扉役物183とが一体になって周期的な動作を行うことにより単にLCD191の画像だけで地震を表現するよりも、本物らしい地震を表現することができる。
そして、図8(b)に示すように、遊技者によるリールの第1〜3停止操作のいずれかのタイミングで、内部当選した入賞絵柄がキャラクタの頭上から落ちてきてキャラクタを押しつぶす。落ちてくる絵柄の大きさで内部当選の期待の大きさを表すようにしてもよい。このように扉役物183に協調動作を行わせることで表示内容とあわせてより実感のある演出を行うことができる。このように本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
(予告演出例3)
図9は、他の予告演出の形態例を示す。本例も前述の予告演出と同様に遊技者に内部当選結果の報知を行う演出形態である。また、遊技の開始時に内部当選結果の報知を行うことで遊技者が内部当選役を狙い打ちできるようにするものである。
本例では、遊技開始時に図9(a)に示すように、扉役物183を全閉してLCD181の表示領域を遮蔽した状態から図9(b)に示すように扉役物183を全開し、LCD181の表示領域に3人のキャラクタ画像を表示する。各キャラクタの頭上には遊技者に判るようにいずれのキャラクタが当りに相当するかを報知する。続いて、扉部材183aを移動させて各キャラクタのうち、いずれかのキャラクタのみが順次若しくはランダムに選択して表示されるように、選択されたキャラクタ以外のキャラクタ画像の表示領域を遮蔽する(図9(c)及び(d))。
この際、LCD181は、選択されたキャラクタを強調するため、その画像を図9(b)の場合よりも拡大表示する。この拡大表示は、扉役物183の可動範囲を補うための拡大表示である。その点では、扉役物183の可動範囲の制限を補う目的で表示領域の制御が行われている。例えば、図9(b)の表示例では3人のキャラクタ画像が表示されているが、中央のキャラクタ画像を扉部材183aで隠し、両脇のキャラクタ画像のいずれかのみを表示しようとする場合、本実施形態では個々の扉部材183aが最大でLCD181の表示領域の半分しか遮蔽できないため、図9(b)のキャラクタ画像の大きさのままでは中央のキャラクタ画像のみを隠すことができない。しかし、選択されたキャラクタ画像を拡大表示すること、すなわち、LCD181の表示領域の半分を用いて表示することで、中央のキャラクタ画像を隠すことができ、扉役物183の可動範囲を補うことができる。
最終的に各扉部材183aが遮蔽位置(中途の遮蔽位置)に移動して停止し、3つのキャラクタのうち、一つのキャラクタのみが表示され、他のキャラクタは扉部材183aにより遮蔽される。最終的に表示されたキャラクタが当りに該当するキャラクタであれば所定の入賞役に入賞していることなる。
以上のように、画像が拡大され、強調表示が行われている表示領域、すなわち遊技者に注目させたい特定の画像の表示領域以外の表示領域を遮蔽するように扉部材183aを移動させることで、注目してもらいたい表示領域のみを遊技者に見せることができる。このため遊技者により強調表示を注視させることができる。このように本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
<透過演出>
次に、透過演出について説明する。図10に透過演出例を示す。本例の場合、LCD181の遮蔽時にLCD181の表示画像が透けて見えるようにしたものである。この透過演出に用いられる扉部材183aは、透過性を有する材料で構成するが、例えば、扉を形成するフレーム部分と、フレーム部分に貼り付けられた透過部材とで構成される。透過部材は、例えば、半透明のシート部材からなり、LCD181の表示領域を遮蔽しても完全に遮光することなく表示内容をある程度確認できる透過性を有するものを挙げることができる。
透過部材の例としては、有色透明の材料を用いる場合や、有色透明又は無色透明の材料の表面に、凹凸等を施す場合が挙げられる。具体的には、例えば、透明なシートに紫外線硬化樹脂を印刷し、所定時間紫外線を照射することで樹脂を硬化させ印刷面に光拡散面となる凹凸を形成させることにより光をある程度透過するシートを作成し、これを用いることができる。紫外線の照射時間によって凹凸の粗さや大きさが異なるすなわち透過性の異なるシートとすることができる。紫外線硬化樹脂の印刷範囲だけを半透明にすることもできる。さらに紫外線硬化樹脂に白色の顔料を混入することで曇りガラス風のシートが作成できる。同様に顔料の混入比率によって透過性を異ならせることもできる。
扉部材183aが透過性を有することにより、LCD181の表示領域を透過させることで、LCD181の表示内容が、丁度、障子に浮かび上がる影を模したように見せることもできる。
図10(a)の例では、LCD181の表示領域にキャラクタ等の画像が表示されているが、遊技者は表示されたキャラクタを遮蔽位置にある扉部材183a越しに見るため輪郭がぼやけて見え、どの種類のキャラクタが表示されているかの判別を難しいものとしている。
また、図10(b)の例では、扉部材183aが遮蔽位置にある場合に、LCD181の表示画像をシルエット画像として表示したもので、表示領域のキャラクタを黒単一色で表示したものである。このように表示することで、扉部材183aに浮かび上がる影のような表示が可能となる。
図10(c)は、図10(a)及び(b)の態様から扉部材183aを非遮蔽位置へ移動し、扉役物183を全開した態様を示す図である。図10(b)の態様から図(c)の態様へ移行する場合には、扉部材183aを開く直前にシルエット画像から本来の画像に表示切り替えすることで(本例では輪郭はそのままで黒単一色から有色へ切り替える)、違和感が無く、しかも視覚的に効果的な演出とすることができる。
このように、透過性を有する扉部材183aを用いて表示領域を暈して表示させることで、遊技者に表示領域で表示されている内容に興味を持たせることができる。従って本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
(発展演出)
次に、発展演出例について説明する。発展演出は、一の予告演出による演出終了後に、他の演出パターンへと移行する演出形態を言う。すなわち、リールの第3停止操作後の演出に引き続いて行われる演出形態である。多くの場合、発展演出では、移行する演出パターンが複数設定されており、その中のいずれかが選択される。本例では、発展演出においても扉役物183を用いて演出の移行を違和感なく行うようにしている。
図7の第3停止時において入賞役の予告演出が完結し、発展演出が開始される。図11に発展演出例を示す。図11(a)は図7(e)と同じもので、第3停止時の演出形態を示している。そして、発展演出では、最終表示された右側のキャラクタを、別のキャラクタが出てきて跳ね飛ばす演出を行う(図11(b))。
そして、遮蔽位置にある左側の扉部材183aが非遮蔽位置へ移動する。左側の扉部材183aの移動により、開放された表示領域にはキャラクタが表示されており発展演出の種類を報知する(図11(c))。ここでは、発展演出の一つに設定されているバトル演出へと移行することがこのキャラクタによって報知される。続いて、所定の演出が実行され(図11(d))、結果表示が行われる直前に扉役物183が、表示領域の全てを遮蔽する(図11(e))。
その裏側では、結果表示の画面切り替えが行われ、続いて扉役物183が全開となる。最終勝者のキャラクタが表示されて演出は終了する(図11(f))。キャラクタの種類に応じて設定された遊技結果と入賞判定結果とを比較して遊技者は、内部当選結果を推定する。以上のように、演出の切り替わりや、結果表示される直前を扉役物183で遮蔽し、演出結果に対する期待感を高めることができる。このように本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
<連続演出>
次に、連続演出例について説明する。連続演出とは、複数遊技に渡って連続性を持った内容の演出を言い、3〜5ゲーム程度に渡り実行される。基本的に複数の最終的な演出結果が用意されており、遊技を進めて行くにしたがって、いずれかの演出結果にたどり着くようになっている。連続演出中は、遊技毎にその遊技で演出が、完結する場合と次回遊技に演出結果が持ち越される場合とに分かれており、連続演出の初めの方の遊技では、演出内容がバッドエンディング(遊技者にとって悪い結果)で終了し、内部当選結果がハズレである場合が多い。すなわち、連続演出が継続するほどに、特別な入賞役に内部当選している可能性が高くなるように設定されている。最終的に表示結果が、グッドエンディング(遊技者によって良い結果)であれば特別入賞役等の内部当選が確定するようにすることができる。
図12に連続演出例を示す。遊技開始時に扉役物183が一旦閉まり(図12a)、連続演出への画像切り替えを行い、扉役物183が開放する(図12(b))。表示領域には、2人のキャラクタが宇宙船に乗って冒険に出かける画像が表示され、その冒険のストーリに沿った演出が開始される。最初の遊技では、キャラクタが宇宙船に乗り込んで宇宙へ出発する表示内容となっている。ここで宇宙船に乗り込んで宇宙へ旅立つことができればグッドエンディングとなり、次遊技へと演出が継続される。逆に宇宙船発射の際に宇宙船が故障した場合は、バッドエンディングとなり、連続演出が終了する。
演出継続であった場合、次遊技開始時に再び扉役物183が閉じて(図12(c))、画像切り替えが行われた後、扉役物183が開かれる(図12(d))。次は、冒険の過程で、敵宇宙船と遭遇し、敵宇宙船との対決になる演出が開始される。ここでは、遊技者によるリールの停止操作毎にキャラクタ側の宇宙船が敵宇宙船を攻撃するシーンが展開される。全リール停止後、敵宇宙船が撃破されればグッドエンディングとなり次遊技へと演出が継続する。逆に敵宇宙船の反撃を受けて撃墜された場合は、バットエンディングとなり連続演出は終了する。
次遊技では、同様に扉役物183の開閉が行われて(図12(e)及び(f))、宇宙船が惑星に着陸する演出から開始される。惑星には、宝箱が置いてあり、宇宙船から降りたキャラクタが宝箱に駆け寄って宝箱の蓋を開ける(図12(f))。宝箱から宝物が出てくればグッドエンディングとなり連続演出が完結する。この場合は、特別な入賞役に内部当選していることが確定する。遊技者に明確に報知する場合は、宝箱の蓋を開けたときに「BONUS確定」といった表示を行えばよい。逆に宝箱の中が空っぽであった場合は、バットエンディングとなって連続演出が終了し、内部当選結果がハズレであったことを報知する。
複数遊技に渡る演出を行う場合、演出が切れ目なく実行されると遊技の進行と演出との関係が不明確になり遊技者に演出の真意が伝わらないだけでなく、却って遊技者を混乱させることになる。本例のように遊技毎に扉の開閉を行い画像切り替えを行わせることで遊技の開始と演出の開始との対応を遊技者に明確に把握させることができる。このように本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
<扉付表示装置180の他の構成例1>
図6は、扉付表示装置180の他の構成例を示す図である。本例では、遮蔽部材として扉形状のシールS1及びS2を採用し、これを透明かつ無端の2枚のシートベルトB1及びB2上にそれぞれ貼り付けている。シートベルトB1及びB2は案内ロールR1乃至R4及びR5乃至R8により、それぞれ張設・ガイドされて循環的に移動可能になっている。案内ロールR1及びR6には、各々のシートベルトB1及びB2を移動させるモーターMがそれぞれ装着され、各モータMの回転駆動により、各シートベルトB1及びB2を個別に移動できるようにしている。
各シートベルトB1及びB2は、LCD181の前面で重なるように配置されている。右扉に相当するシートベルトB2が内側でループを形成し、左扉に相当するシートベルトB1が外側でループを形成する。各モーターMを駆動させることでシートベルトB1及びB2を移動させ、扉シールS1及びS2をLCD181の前面に位置させることで、その表示領域を遮蔽することができる。尚、シートベルトB1及びB2の扉シールS1及びS2以外の領域に他のキャラクタ等のシールを設けて表示させることもできる。
<扉付表示装置180の他の構成例2>
次に本発明のスロットマシン100の扉付表示装置の更に他の実施形態について説明する。図13乃至図15に本実施形態における扉付表示装置の構成を示す。遮蔽装置700は、回動動作によりLCD181の表示領域を遮蔽する機構となっている。
LCD181および遮蔽装置700は、スロットマシン100の外殻にあたるパネル680等(図15参照)の裏面に設けられている。パネル680等には、イラスト681や模様が描かれており、LCD181の表示領域にあたる部分に開口部690が設けられ、表示領域を外部より観察可能に構成されている。
遮蔽装置700は、揺動部材730と、揺動部材730を回動させる駆動手段であるモーターMとで構成されている。揺動部材730は、遮蔽板731と、遮蔽板731とモータMの回転軸とを連結するアーム部材732とで構成されている。遮蔽板731は、アーム部材732の回転半径に沿って湾曲した形状となっている。モータMとしてはステッピングモータを想定する。ステッピングモーターとすることで、揺動部材730を任意の速度と停止位置で停止制御することができる。無論、ソレノイド等を用いて揺動部材730を駆動するようにしてもよい。本実施形態によれば扉付表示装置を簡単な構成で安価に提供することができる。この扉付表示装置を複数設けることで表現力も多様化することができる。
次に本実施形態の扉付表示装置を用いた演出形態例について説明する。図15は、本実施形態の扉付表示装置を使用したスロットマシン100の上部正面図である。本実施形態の扉付表示装置は、上部のパネル680に描かれたキャラクタ681の目にあたる部分の背後に設けられている。
パネル680に描かれたキャラクタ681の瞳にあたる部分を開口部690とし、開口部690に臨ませたLCD181の表示領域が観察可能となっている。遮蔽装置700は、駆動させることによって揺動部材730を上下方向に昇降させ、開口部690を遮蔽したり、開口したりする。すなわち、遮蔽装置700は、キャラクタ681の瞼の役割をし、LCD181は、キャラクタ681の瞳の役割を行っている。揺動部材730で開口部690が遮蔽されている場合は、あたかもキャラクタ681が目を瞑っているように見え、逆に開口部690が開放している場合は、表示装置181に表示される瞳の画像により、キャラクタ681が目を開けているように見えることになる。本実施形態では、扉付表示装置は両方の瞳に装着されている。
図16〜図18に本実施形態の扉付表示装置の要部であるキャラクタ681の瞳部分の拡大図を示す。図16に示すように開口部690の裏面にある揺動部材730がモーターMによって上限位置まで移動している場合は、開口部690は全開となる。表示装置181の表示領域には、キャラクタ681の瞳が表示されており、パネル680の絵と一体化してキャラクタ681の目が開いているかのように見えることになる。
図17は、揺動部材730を中間位置まで下げた状態の図である。表示装置181の表示をそのままに、揺動部材730を中間位置まで下降させて停止することで、キャラクタ681の目は半開き状態になりあたかも眠そうな目をしているように見せることができる。図18は、揺動部材730で開口部690を完全に遮蔽した時の図である。この状態においては、キャラクタ681の目が完全に閉じているように見えることになる。
以上のように、本実施形態では、遮蔽装置を瞼、表示装置をキャラクタの瞳とし、表示領域の変更を、瞼を閉じる補完動作によって違和感なく行えるようになっている。
(演出例)
次に、本実施形態による演出形態例について説明する。第一の演出形態としては、内部当選結果の予告演出例について説明する。通常遊技時においては、開口部690を揺動部材730で遮蔽し、キャラクタ681が眠っているように見せる。遊技において、内部抽選の結果をいずれかの入賞役に内部当選した場合、揺動部材730を上限位置に移動させるとともに表示領域に内部当選役に応じた色の瞳を表示させる。たとえば、黄色の入賞絵柄組合せに内部当選している場合は、黄色の瞳が表示される。赤い入賞絵柄であれば赤い瞳となる。ここで、一方の瞳だけで演出が行われる場合と、両方に瞳で演出が行われる場合とで報知信頼度を異ならせるようにすることができる。また、瞳の色を入賞絵柄の色に変化させるタイミングも遊技者のリール停止操作タイミングに合わせて変化させるようにしてもよい。
また、瞳の画像はLCD181で描画されてることから、LCD181により直接絵柄を表示させるようにすることもできる。また、「$」「ハートマーク」「○」「×」「?」といった図形表示を行えば、曖昧ではあるものの遊技者に何らかの遊技結果が導出される可能性を暗示させることも可能である。両方の瞳を異なる色で表示させることで2つの入賞役のうちいずれかに内部当選しているといった報知形態とすることもできる。最後のリールを停止操作したときに内部当選していない絵柄側の揺動部材730を下限位置に移動させ、瞳を閉じることで、残った方が内部当選していた入賞役であったことを報知する。
また、瞳の色のみではなく、瞳自体に動きを持たせた表示を行うことで細かな変化を演出させることもできる。内部当選した入賞役の配当の多い場合と少ない場合とで瞳を動かす回数を変化させてもよい。また、動かし方を上下方向や円を描くように動かすようにしてもよい。瞳を左右にキョロキョロと動かしてみたり、停止操作を追うように瞳を動かしてみたりすることでキャラクタ681の表情も豊かに表現することができる。
第2の演出形態として、前兆演出例について説明する。前兆演出は、特別な入賞役への入賞や、特別な遊技状態が開始されることが近いことを遊技者に報知する演出形態であり、特定の演出が発生する頻度を高くする事が一般的に行われる。本実施形態では、遮蔽機構700を用いて前兆演出を行わせる。特別な入賞役への入賞が近くなると、揺動部材730を上限位置に駆動して、通常時閉じていた瞳が、数ゲームに渡り開くように制御する。単に数ゲーム間に渡り開くだけではなく、遊技者の停止操作時に瞬きするように揺動部材730を駆動制御する。瞬きは、遊技操作に応じて常に起こるものではなく、あらかじめ定められたパターンに基づいて制御が行われる。瞬きの回数が多ければ、特別入賞役への入賞の期待度が高く、少ない場合は期待度が低くなるようにパターンを設定する。また、3回連続で発生すれば特別入賞役入賞が確定するといったパターンを設定してもよい。
以上の他にも特定の遊技状態に移行する過程を揺動部材730の停止位置で報知させるような演出形態も考えられる。閉じていた目が徐々に遊技を進行するにしたがって開いてくるように制御する。最終的に全開位置まで開いて、キャラクタが目を覚ましたら、特別な遊技状態に移行する。
本実施形態の扉付表示装置によれば、パネルデザイン等と組み合わせてキャラクタの一部を構成させ、キャラクタに変化を持たせた報知態様とすることができる。併せて、キャラクタを立体的な形状として各部例えば口や手等を可動式にすることでより変化を持たせることもできる。このように本例でも表示内容の興趣を一層高めることができる。
100 スロットマシン、110〜112 リール、113 リール表示窓、114 入賞ライン、120 入賞ライン表示ランプ、121 スタートランプ、122 再遊技ランプ、123 告知ランプ、124 メダル投入ランプ、125 メダル投入枚数表示ランプ、126 払出枚数表示器、127 遊技回数表示器、128 貯留枚数表示器、129 演出用ランプ、131、132 メダル投入ボタン、133 メダル投入口ブロック、135 スタートレバー、136 ストップボタンユニット、138 精算ボタン、139 キー孔、151、152 サイドランプ、153・154 中央ランプ、155・156 腰部ランプ、157・158 下部ランプ、160 受け皿、165 メダル払出口、170 灰皿ユニット、180 扉役物付表示装置、190 上部ランプ、201 キャビネット、300 主制御部、310 MainCPU、311 乱数発生器、312・411・521・522 ROM、313・412・531 RAM、320 メダルセンサ、321 スタートレバーセンサ、322 ストップボタンセンサ、323 メダル投入ボタンセンサ、360・430 入力インターフェース、330・450・530 入出力インターフェース、331・560モーター制御部、332 ホッパー制御部、340・350・420 出力インターフェース、370・470・519 バス、400 副制御部、410 SubCPU、460 楽音信号形成部、461 アンプ、462 スピーカー、500 LCD表示制御部、510 LCD・扉制御用SubCPU、520 VDP制御用SubCPU、550 VDP