JP4049898B2 - 昇降式パネルを備える机 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、机本体の側辺部に、昇降式パネルが天板上に出没自在に設けられた昇降式パネルを備える机に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、机本体の側辺部に、昇降式パネルが天板上に出没自在に設けられた昇降式パネルを備える机としては、例えば実開昭63−52431号公報や実開昭63−85131号公報に開示されたもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような机におけるパネルにあっては、パネルが後側辺部全体に立設されるものであるため、例えば左右幅が長い机において机の後側辺部にパネルを立設しようとする場合、パネルの左右幅も長くなり、昇降装置を大型化しなければならず、コストがかかるとともに、その重量のためパネルの昇降操作が困難になるといった問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、机が大型化されても机の後側辺部にパネルを簡単な操作で立設及び収納することが出来る昇降式パネルを備える机を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の昇降式パネルを備える机は、上下方向に昇降自在な昇降式パネルが収納部からその上面板に形成された開口部を介して天板上に出没自在に設けられた昇降式パネルを備える机において、
前記机の後側辺部の収納部に、天板上に立設可能な複数のパネルがそれぞれ縦方向に分割されるように個々に昇降自在に設けられているとともに、前記パネルは、ヒンジ部で屈曲可能に連結された上部パネルと下部パネルとからなり、
前記下部パネルは、係止凹部の形成された係止片を備えるとともに、前記収納部内のガイドレールで案内されて上下方向に摺動自在に構成され、また一端が前記下部パネルに固着され、他端が巻取ローラに固着された巻バネとからなる定荷重バネ装置が設けられており、該定荷重バネ装置で前記パネルを上方に付勢しており、一方、収納部側には前記係止凹部に係止可能な係止杆が枢支され、かつ操作レバーで前記係止杆と前記係止凹部との係止と解除が可能となっており、前記パネルの上昇により前記ヒンジ部が前記上面板の上方に出現される所で前記係止杆と前記係止凹部との係止を行い、前記上部パネルを天板方向に屈曲させて前記天板上面の少なくとも一部に重合されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、それぞれ別々に昇降自在に設けられた複数のパネルを上昇させることで、机の所定の後側辺部にパネルを立設出来るようになっているので、長寸の側辺部においてもパネルを大型化することなく、かつ後側辺部において必要な箇所にのみパネルを簡単な操作で立設することが出来る。
また、複数のうちいずれかのパネルを屈曲させて天板上に重合させることで、パネルの上面が他の作業用天板として利用可能となるので、使用者が他の作業スペースに移動したり、机の近傍に別途作業スペースを設けることなく、天板上にて他の作業を平行して同時に、もしくは一時的に効率よく行うことが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1には本発明の実施例としての昇降式パネルを備える机1が示されており、2は天板、3は天板2上面に固設された製図台、4、4は天板2を支持する脚体、5、5’は天板2上に出没自在に設けられたパネルをそれぞれ示している。なお、6は製図台3に設けられた平行定規である。
【0009】
机1の後部には、図2、3に示されるように、机1の背板7、背板7前方の仕切板8、上面板9とからパネル5、5’の収納部Sが構成されており、パネル5、5’が収納可能になっている。本実施例におけるパネル5、5’は、上部パネル5a、5a’と下部パネル5b、5b’とに上下方向に分割されており、両パネル5a(5a’)、5b(5b’)とはダンパーヒンジ10により連結され、上部パネル5a、5a’が前方に屈曲可能になっている。
【0010】
下部パネル5b、5b’の背面側には背板7の左右側に上下方向に伸びる横断面略C字型のガイドレール11内に上下方向に摺動自在に嵌合される横断面略H型のガイド部材12(図4参照)が固着されており、パネル5、5’はこのガイドレール11にガイドされた状態で、上面板9に形成された開口部13を介して収納部S内と天板2上との間を昇降出来るようになっている。
【0011】
パネル5、5’には、収納部S内における仕切板8の上部に固着された巻取ローラ14と、一端が下部パネル5b、5b’の下端に固着され、他端が巻取ローラ14に固着された巻バネ15とからなる定荷重バネ装置16がそれぞれ設けられており、巻取ローラ14に巻き付こうとする力でパネル5、5’が上方に付勢されているので、使用者は小さな力でパネル5、5’を容易に上方に引き出すことが出来るとともに、パネル5、5’の急落下が防止されている。
【0012】
下部パネル5a、5a’の外側端部には、図3、図5(a)、(b)に示されるように先端に係止凹部17が形成されたL字型の係止片18が、係止凹部17がパネル5、5’の前方に突出するように固着されている。なお、係止凹部17の上下には、パネル5の前面Fから先端に突設された係止凹部17に向かって傾斜するテーパ面18aが形成されている。
【0013】
収納部S内上部左右側には、係止片18の係止凹部17に係止可能な係止杆19、19’がそれぞれ軸20、20’を介して枢支されている。この係止杆19、19’はパネル5、5’の前面F側に収納部Sの左右方向にわたって設けられ、係止片18、18’とともにパネルの保持手段を構成しており、また背板7に一端が固着されたバネ21により常時後方、すなわちパネル5、5’の前面Fに向かって付勢されている。さらに、係止杆19、19’と軸20、20’との連設部からは、係止杆19、19’を軸20、20’を介して回動操作可能な操作レバー23、23’が上面板9に形成された長穴22、22’を介して上面板9の上方まで延設されており、この操作により係止杆19、19’と係止凹部17との係止が解除されるようになっている。
【0014】
よって図5(b)に示されるように係止杆19はパネル5の昇降に伴い上昇もしくは下降してくる係止片18のテーパ面18aに押圧されて回動され、係止凹部17内に自動的に嵌入され、パネル5が所定の位置にて適宜保持されるようになっている。また、操作レバー23を図5(b)中2点鎖線で示される位置に倒せば、係止凹部17と係止杆19との係止が解除されるので、パネル5が昇降自在になる。
【0015】
また、上部パネル5a、5a’の前面Fの上端部には、図2に示されるように上部パネル5a、5a’が前方に屈曲された時に製図板3の上面3aに当接され、上面3aとパネル5aの前面Fとの間に所定空間を形成すべく突出部材24が固着されている。この突出部材24はゴム素材等により構成されており、当接された時に生じる衝撃が緩和されるようになっている。
【0016】
次に、このように構成された本発明の机1におけるパネル5の作用を図面に基づいて説明すると、パネル5、5’が収納部S内にある時、パネル5、5’の自重が定荷重バネ装置16による上方への付勢力よりも若干大きいため、パネル5、5’は図3の右側のパネル5に示されるような状態で収納されている。なお、上部パネル5a、5a’の上端部の一部は上面板9上に突出されている。
【0017】
ここでパネル5、5’を上昇させる場合、操作レバー23を図5(b)中2点鎖線で示す位置まで移動させると、係止片18の係止凹部17と係止杆19との係止が解除され、パネル5、5’は昇降自在となる。この時パネル5、5’は定荷重バネ装置16による上方への付勢作用により急速に下降することがなく、使用者は容易に上方へ引き出すことが出来る。
【0018】
さらにパネル5、5’が図3中左側に示されるパネルの位置まで上昇されると、上部パネル5a、5a’と下部パネル5b、5b’との分割部が上面板9の上方に出現され、上部パネル5a、5a’が前方に屈曲可能な状態になる。そして上部パネル5a、5a’を図2中実線で示されるように前方に屈曲して突出部材24が製図板3の上面3a上に当接されると、製図板3上が左右の上部パネル5a、5a’の後面Bによりそれぞれ覆われて、後面B上を他の目的に使用する天板として利用することが可能となる。
【0019】
この時突出部材24が所定長さを有していることにより、製図板3の上面3aと上部パネル5a、5a’の前面Fとの間に空間が構成されるので、製図板3の上面3a上の物品、例えば平行定規や書類、図面、鉛筆等が押し潰されることなく、作業途中で製図板3の上面3aを一旦整理することなく、他の作業を後面B上で行うことが可能となる。また、製図板3での作業に戻るときは、パネル5を立設させ、操作レバー23、23’を介してパネル5、5’を下降させればよい。
【0020】
また、この時下部パネル5b、5b’は最下部の係止片18の係止凹部17に係止杆19が嵌入されて係止状態にあるため、上部パネル5a、5a’の屈曲操作中において下部パネル5b、5b’が落下することがなく、また、ダンパーヒンジ10により上部パネル5a、5a’の急激な屈曲が防止されているので、確実に、かつ安全に上部パネル5a、5a’を屈曲させることが出来る。
【0021】
よって本実施例においては、通常時においてパネル5、5’は邪魔にならないように天板2下面の収納部S内に収納しておくことが可能であるとともに、必要に応じて所望のいずれか一方のパネル5(5’)を上昇させ、前方に屈曲させることで、製図板3の上面3a上に上部パネル5a(5a’)を敷設し、敷設された上部パネル5a(5a’)上面(後面B)を利用することが出来る。よって適宜作業中において、天板を必要とするような別の作業を一時的に行いたいような場合、使用者が他の場所へ移動することなく、また机の近傍位置のスペースを利用して他の机等を配設することなく、狭いスペース内において、複数の作業を効率よく行うことが出来る。
【0022】
そしてパネル5、5’が左右側にそれぞれ別途に移動可能に設けられているので、図6に示されるように、一方の上部パネル5a’のみを屈曲させ、他方のパネル5を収納状態(あるいはその逆)にすることが可能であるため、省スペース内において種々の作業を同時に行うことも可能となる。また、パネルが分割されることでパネル操作が容易になり、パネルを一時的に効率よく利用することが可能となる。
【0023】
さらに突出部材24により点支持されて製図板3とパネル5との間に所定空間が形成されるので、製図板3上の書類等を逐次片づけることなく、そのままの状態で瞬時にパネル5を利用することが出来る。
【0024】
また、係止杆19がバネ21により係止片18方向に付勢され、この係止片18にテーパ面18aが形成されていることで、パネル5を昇降させるだけで係止杆19と係止凹部17とが自動的に係止されるので、安全であるとともに、上面板9上に設けられた操作レバー23を操作するだけで簡単に係止解除出来るので、パネル5、5’を確実にかつ迅速に昇降・停止自在とすることが出来る。
【0025】
なお、特に図示しないが、係止片18を上部パネル5a、5a’に複数設ければ、パネル5、5’を天板2の後側辺部に立設した状態で保持することも可能となり、いずれかのパネルを必要に応じて目隠しパネルとして利用したり、前面Fを書類等をピンナップするピンナップボードとして利用することも出来るとともに、各パネルの高さ位置を変化させれば、パネルの吊持物や展示物を所望のレイアウトに変更できる。
【0026】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0027】
例えば、本実施例における2枚のパネル5、5’は机の後側辺部の左右側にそれぞれ設けられていたが、2枚以上のパネルにより構成されていてもよく、それぞれのパネルの長さ、形状等が種々に異なるパネルであってもよい。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての昇降式パネルを備える机の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1の机の一部破断側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】パネルのガイドレールの構造を示す斜視図である。
【図5】(a)はパネルを上昇させている状態の係止装置の作用を示す要部斜視図であり、(b)は(a)の状態からパネルを屈曲させる時の係止装置の作用を示す要部斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 机
2 天板
3 製図板
3a 上面
4 脚体
5、5’ パネル
5a、5a’ 上部パネル
5b、5b’ 下部パネル
6 製図板
6a 上面
7 背板
8 仕切板
9 上面板
10 ダンパーヒンジ
11 スライドレール
12 ガイド部
13 開口部
14 巻取ローラ
15 巻バネ
16 定荷重バネ装置
17 係止凹部(保持手段)
18 係止片
18a テーパ面
19、19’ 係止杆(保持手段)
20、20’ 軸
21 バネ
22、22’ 長穴
23、23’ 操作レバー
24、24’ 突出部材
B 後面
F 前面
S 収納部
Claims (1)
- 上下方向に昇降自在な昇降式パネルが収納部からその上面板に形成された開口部を介して天板上に出没自在に設けられた昇降式パネルを備える机において、
前記机の後側辺部の収納部に、天板上に立設可能な複数のパネルがそれぞれ縦方向に分割されるように個々に昇降自在に設けられているとともに、前記パネルは、ヒンジ部で屈曲可能に連結された上部パネルと下部パネルとからなり、
前記下部パネルは、係止凹部の形成された係止片を備えるとともに、前記収納部内のガイドレールで案内されて上下方向に摺動自在に構成され、また一端が前記下部パネルに固着され、他端が巻取ローラに固着された巻バネとからなる定荷重バネ装置が設けられており、該定荷重バネ装置で前記パネルを上方に付勢しており、一方、収納部側には前記係止凹部に係止可能な係止杆が枢支され、かつ操作レバーで前記係止杆と前記係止凹部との係止と解除が可能となっており、前記パネルの上昇により前記ヒンジ部が前記上面板の上方に出現される所で前記係止杆と前記係止凹部との係止を行い、前記上部パネルを天板方向に屈曲させて前記天板上面の少なくとも一部に重合されるようになっていることを特徴とする昇降式パネルを備える机。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21046898A JP4049898B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 昇降式パネルを備える机 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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- 1998-07-09 JP JP21046898A patent/JP4049898B2/ja not_active Expired - Fee Related
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