JP4049862B2

JP4049862B2 - カバーキャップ

Info

Publication number: JP4049862B2
Application number: JP33769797A
Authority: JP
Inventors: 徹川上
Original assignee: Mitani Valve Co Ltd
Current assignee: Mitani Valve Co Ltd
Priority date: 1997-11-21
Filing date: 1997-11-21
Publication date: 2008-02-20
Anticipated expiration: 2017-11-21
Also published as: JPH11156251A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器のステム側に取り付けた状態で使用されるカバーキャップに関し、とくに操作部や噴射口カバー部を有する操作部材と、噴射用筒状部および本体筒状部を一体成形した本体部材との二つの部材からなり、非操作時には噴射口を覆って外部からの汚染などを防ぎ、操作時にはステムを押圧して内容物を噴射する機能を持つカバーキャップに関する。
【従来の技術】
【０００２】
図５及び図６は、容器から取り外すことなく内容物を噴射することができるカバーキャップを示す説明図である。図５は非操作状態、図６は操作状態を示している。
【０００３】
これらの図において、３はカバーキャップ、30は操作部材、30ａはカバーキャップ３の噴射口カバー部、30ｂはカバーキャップ３の後部壁、30ｃは操作時にカバーキャップ１が回動する回動軸、40はキャップ本体、40ａは操作時に押しボタン50を押圧する被操作レバー、40ｂはカバーキャップ本体40に設けた弾性性状の被操作レバー40ａの支持端、40ｃはマウンテンキャップと係合するキャップ本体40の縁部、50は押しボタン、50ａは噴射口、51はステム、52はマウンテンキャップ、53は容器をそれぞれ示している。
【０００４】
非操作状態（図５参照）では、マウンテンキャップ52と係合しているキャップ本体40およびこれに対して回動する操作部材30が一体となって容器53の上部全体を覆い、内外を遮断してステム51、押しボタン50や噴射口50ａを外力や外部からの汚染に対して保護している。
【０００５】
操作部材30の後部壁30ｂを図５の右上から矢印方向に押すと操作部材30は回動軸30ｃを中心に時計方向に回動する。このとき操作部材30の噴射口カバー部30ａは上方にはね上がって噴射口50ａを開放するとともに、操作部材30の後部壁30ｂは被操作レバー40ａを斜め前下方に加圧し、この被操作レバー40ａに係合している押しボタン50を押圧して内容物が噴射口50ａから噴射される（図６参照）。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のカバーキャップでは、操作部材と、被操作レバーを備えたキャップ本体とを別々の部材として作成し、また、ステムに連通する通路部（噴射口）を有して被操作レバーにより駆動される押しボタンをこれらの部材とは別に設けているので、ステム出力側に必要な部品点数が操作部材、キャップ本体、および押しボタンの計３点となり、その組立工程数が増え、製造コストの増加にもつながるという問題点があった。
【０００７】
また、操作部材の回動開始時に利用者がいくらかの抵抗感を受けるような操作機構となっていないので、子供などが誤って操作部材をわずかな力で押した場合にも内容物が噴射されてしまうという問題点があった。
【０００８】
そこで、本発明では、カバーキャップの本体部材として、ステムに連通する噴射用筒状部をも併せて一体成形したものを用いるとともに、噴射口カバー部を有する操作部材の一部でこの噴射用筒状部を押圧するような、全体として噴射用筒状部付きの本体部材と噴射口カバー部付きの操作部材との二つの部材からなるカバーキャップとすることにより、ステムに連通する噴射部およびこれに対するキャップ部、操作部の部品総数を従来の「３個」よりも少なくし、製造コストを下げることを目的とする。
【０００９】
また、わずかな操作力では内容物が噴射されないようにし、さらに操作部材が移動を始めてから内容物が噴射されるときへの変化を利用者がより感じ取れるようにして、誤動作防止を図ることを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を次のようにして解決する。
（１）容器に取り付けられる本体部材（例えば後述の本体部材２０）および、当該本体部材に対して回動可能に設定される操作部材（例えば後述の操作部材１０）の、それぞれが一体成形された二つの部材からなるカバーキャップであって、
前記本体部材は、
前記容器のステム（例えば後述のステム５１）に連通する噴射用通路部（例えば後述の噴射用通路２２ｃ）およびその出力側の噴射口（例えば後述の噴射口２２ｂ）を有する噴射用筒状部（例えば後述の噴射用筒状部２２）と、
対向部分を備えた上側の開口部（例えば後述の開口部２１ａ）および、当該対向部分に形成されて前記操作部材を回動可能な態様で支持する受け部（例えば後述の突起２１ｂ）を有し、かつ、前記容器に取り付けて使用される本体筒状部（例えば後述の本体筒状部２１）と、
前記噴射用筒状部の噴射口側を前記本体筒状部に、当該噴射用筒状部が回動可能となる態様で連結する連結片部（例えば後述の連結部２３）と、
前記噴射用筒状部の、前記噴射口とは反対側の部分に形成されて、前記操作部材により押圧される被押圧片部（例えば後述の板状部２２ｅ）と、を有し、
前記操作部材は、
前記受け部に回動可能な態様で設定される回動基部（例えば後述の孔部１０ｅ）と、
当該回動基部よりも前記噴射口とは反対側の部分に形成された操作部（例えば後述の操作部１０ａ）と、
当該操作部が操作されていない非操作時には前記噴射口の前方および前記噴射用筒状部の上方を覆い、当該操作部の操作にともなって当該噴射口の前方を開放するカバー部（例えば後述の噴射口カバー部１０ｂなど）と、
前記非操作時には前記本体筒状部と係合し、前記操作部の操作にともなって当該係合状態から解除される係合作用部（例えば後述の凸状部１０ｄ）と、
前記非操作時には前記噴射用筒状部の両側部分を上方から挟み込んで保持し、前記操作部の操作にともなって当該保持状態が解除される保持片部（例えば後述の前方片部１０ｆ）と、
前記非操作時には前記被押圧片部から離間する態様で設定され、前記操作部の操作にともなって所定長だけ移動した後で当該被押圧片部に当接する押圧作用部（例えば後述の後方片部１０ｃ）と、
を有する。
【００１１】
本発明のカバーキャップは、操作部および噴射口カバー部を有して一体成形した操作部材と、噴射用筒状部と本体筒状部とを一体成形した本体部材との二つの部材からなる。
【００１２】
非操作時には噴射口は覆われた状態となって外部から保護される。また、このとき操作部材と本体筒状部とは係合しているので、操作部材は、利用者が誤って操作部にわずかに触れた程度では移動しない。
【００１３】
また、操作部材は、操作開始後も所定時間は噴射用筒状部に対し位置決めされているので、操作部材が所定距離だけ回動してから噴射用筒状部に当たるときの両者の位置関係も正確なものとなる。
【００１４】
操作時には、操作部材が所定長だけ移動してまず噴射口が開放され、つづいて噴射用筒状部およびステムを押圧することにより容器本体の内容物がステム、噴射用筒状部を経由して噴射される。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図１は、カバーキャップを組み立てる前の斜視図であり、図２は組み立てたカバーキャップの非操作時の説明図を示している。また、図３及び図４はカバーキャップの操作時の説明図を示している。
【００１６】
これらの図において、１はカバーキャップ、10は操作部材、10ａは操作部材の操作部、10ｂは操作部材の噴射口カバー部、10ｃは操作部材に形成した後方片部、10ｄは本体筒状部と係合する凸状部、10ｅは本体部材20の突起21ｂが入る孔部、10ｆは操作部材の内側両側面に設けられた前方片部、20は本体部材、21は本体筒状部、21ａは本体筒状部の開口部、21ｂは開口部21ａ内側に設けた突起、21ｃは容器53に係合する係合突起、21ｄは本体筒状部21の後方縁部、22は噴射用筒状部、22ａはノズル孔部材、22ｂは噴射口、22ｃは噴射用通路、22ｄは噴射用筒状部22のステム押圧部、22ｅは噴射用筒状部の、噴射口22ｂとは反対方向に形成された板状部、23は本体筒状部21と噴射用筒状部22との連結片部をそれぞれ示している。他の参照番号の内容はそれぞれ従来例で用いたものと同様である。
【００１７】
図１に示すように、カバーキャップ１は、開口部21ａを上部に形成した本体筒状部21、およびその開口部21ａ内部に設けた噴射用筒状部22からなる本体部材20と、開口部21ａの開閉操作ができる操作部材10とから構成されている。なお、本体筒状部21と噴射用筒状部22は連結片部23によって連結されていて、本体部材20は一体成形されている。
【００１８】
本体部材20の開口部21ａ内側には操作部材10の孔部10ｅと係合する突起21ｂを設け、噴射用筒状部22には、ステム押圧部22ｄ、噴射用通路22ｃやノズル孔部材22ａが嵌め込まれた噴射口22ｂなどを形成するとともに、操作時に操作部材10の後方片部10ｃが当接する板状部22ｅを設けている。
【００１９】
操作部材10には、噴射口カバー部10ｂや操作部10ａを形成し、非操作時に噴射用筒状部22を保持する前方片部10ｆや噴射用筒状部22の板状部22ｅを押圧する後方片部10ｃを設け、本体部材20の突起21ｂが係合する孔部10ｅや本体筒状部21の後方縁部21ｄと係合する凸状部10ｄを形成している。
【００２０】
図２に示すように、本体部材20と操作部材10を組み立てたカバーキャップ１は、本体部材20の突起21ｂが操作部材10の孔部10ｅ内を回動できるような状態で係合し、噴射用筒状部22は操作部材10の前方片部10ｆの間に入り込んで保持され、操作部材10の噴射口カバー10ｂの下端部が連結片部23の端に当接し、凸状部10ｄは本体筒状部21の後方縁部21ｄに係合した状態となる。
【００２１】
また、カバーキャップ１は本体筒状部21の係合突起21ｃがマウンテンキャップ52に係合し、噴射用通路の下端部22ｄはステム51に位置決めされて嵌合し、容器53に取り付けられる。本体筒状部21は容器53の側面から起立した状態となり、操作部材10は噴射口22ｂや本体筒状部21の開口部21ａを覆うので、カバーキャップ１の外観はちょうど容器の蓋のようなかたちになり、内容物や噴射機構を外力や外部からの汚染から保護する。
【００２２】
非操作時には、操作部材10の後方片部10ｃの下端部分と板状部22ｅとの間は所定長Ｌだけあいているで、操作部材10の後方片部10ｃが噴射用筒状部22の板状部22ｅに当接することはなくステム51は押圧されない。なお、凸状部10ｄは本体筒状部21の後方縁部21ｄに係合した状態となっている。
【００２３】
操作部10ａを指などで押すと、突起21ｂを軸に操作部材10の孔部10ｅが時計回りに回動し、凸状部10ｄが本体筒状部21の後方縁部21ｄを乗り越えて本体筒状部21の内側に入り込み、それと同時に操作部材10の後方片部10ｃの下端部がＬだけ下動して板状部22ｅに当接する。このとき操作部材10の前方片部10ｆは、上動することにより噴射用筒状部22の保持を解除し、噴射口カバー10ｂは噴射用筒状部21の噴射口22ｂを開放する。しかしながら、後方片部10ｃは板状部22ｅをまだ積極的に押圧しないので、ステム51は押圧されず内容物は噴射されない。
【００２４】
図３および図４に示すように操作部10ａをさらに深く押すと、操作部材10は突起21ｂを軸に時計回りにさらに回動し、噴射口カバー10ｂは噴射口22ｂを開放した状態のままで、後方片部10ｃが板状部22ｅを押圧する。噴射用筒状部22は連結片部23によって本体筒状部22と一体であり、またその噴射用通路22ｃの下端部22ｄがステム51に嵌合しているので、連結用片部23を軸に時計回りに回動するようなかたちになり、ステム51を押圧して内容物は噴射用通路22ｃを通って噴射口22ｂから噴射される。
【００２５】
操作時に利用者は、片部10ｆが噴射用筒状部22の保持を解除した変化や、凸状部10ｄが本体筒状部21の後方縁部21ｄを乗り越えて本体筒状部21の内側に入り込む変化、および操作部材が噴射用筒状部を押圧し始めるときの抵抗感を感じ取ることができる。
【００２６】
なお、操作部材10側に突起21ｂを設け、本体部材20に孔部10ｅを形成するようにしてもよく、また、操作部材10に形成した凸状部10ｄは本体筒状部21の側に形成してもよい。
【００２７】
本発明のカバーキャップは、内容物とともにあらかじめ充填してある圧縮ガスの作用により内容物を外部に噴射するエアゾール方式、流入弁および吐出し弁の作用によって内容物をいったん貯留空間部に取り込んで外部に噴射する蓄圧方式のいずれにも用いることができる。
【００２８】
【発明の効果】
本発明のカバーキャップは、ステムに連通する噴射用筒状部をも併せて一体成形したものを本体部材として用いるとともに、噴射口カバー部を有する操作部材の一部でこの噴射用筒状部を押圧するようにして、全体として噴射用筒状部付きの本体部材と噴射口カバー部付きの操作部材との二つの部材から構成しているので、部品総数を従来よりも少なくし、製造コストを下げることができる。
【００２９】
また、非操作時には噴射口は覆われた状態となって外部から保護され、このとき操作部材と本体筒状部とは係合しているので、操作部材は、利用者が誤って操作部にわずかに触れた程度では移動せず、内容物噴射の誤動作防止を図ることができる。
【００３０】
また、操作時には、操作部材が所定長移動してから噴射用筒状部を押圧するようにしているので操作部材の移動初期の間は内容物が噴射されることはなく、利用者も操作部材が噴射用筒状部の押圧を開始するときの抵抗感を感じ取ることができる。
【００３１】
また、操作部材は、操作開始後も所定時間は噴射用筒状部に対し位置決めされているので、操作部材が所定距離だけ回動してから噴射用筒状部に当たるときの両者の位置関係を正確なものにすることがてきる。
【００３２】
また、本発明のカバーキャップは二つの部材からなるので、これらを着色により色分けするなどして用途に応じて使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の、カバーキャップの斜視図である。
【図２】本発明の、カバーキャップの非操作状態を示す説明図である。
【図３】本発明の、カバーキャップの操作状態を示す斜視図である。
【図４】本発明の、カバーキャップの操作状態を示す説明図である。
【図５】従来の、カバーキャップの非操作状態を示す説明図である。
【図６】従来の、カバーキャップの操作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１・・・・・カバーキャップ
10・・・・・操作部材
10ａ・・・・操作部
10ｂ・・・・噴射口カバー部
10ｃ・・・・後方片部
10ｄ・・・・凸状部
10ｅ・・・・孔部
10ｆ・・・・前方片部
20・・・・・本体部材
21・・・・・本体筒状部
21ａ・・・・開口部
21ｂ・・・・突起
21ｃ・・・・容器に係合する係合突起
21ｄ・・・・本体筒状部の後方縁部
22・・・・・噴射用筒状部
22ａ・・・・ノズル孔部材
22ｂ・・・・噴射口
22ｃ・・・・噴射用通路
22ｄ・・・・ステム押圧部
22ｅ・・・・板状部
23・・・・・本体筒状部と噴射用筒状部との連結部
３・・・・・カバーキャップ
30・・・・・操作部材
30ａ・・・・カバーキャップの噴射口カバー部
30ｂ・・・・カバーキャップの後部壁
30ｃ・・・・カバーキャップの回動軸
40・・・・・カバーキャップ本体
40ａ・・・・弾性レバー
40ｂ・・・・弾性レバーの支持端
40ｃ・・・・カバーキャップ本体の縁部
50・・・・・押しボタン
50ａ・・・・噴射口
51・・・・・ステム
52・・・・・マウンテンキャップ
53・・・・・容器

Claims

容器に取り付けられる本体部材および、当該本体部材に対して回動可能に設定される操作部材の、それぞれが一体成形された二つの部材からなるカバーキャップであって、
前記本体部材は、
前記容器のステムに連通する噴射用通路部およびその出力側の噴射口を有する噴射用筒状部と、
対向部分を備えた上側の開口部および、当該対向部分に形成されて前記操作部材を回動可能な態様で支持する受け部を有し、かつ、前記容器に取り付けて使用される本体筒状部と、
前記噴射用筒状部の噴射口側を前記本体筒状部に、当該噴射用筒状部が回動可能となる態様で連結する連結片部と、
前記噴射用筒状部の、前記噴射口とは反対側の部分に形成されて、前記操作部材により押圧される被押圧片部と、を有しており、
前記操作部材は、
前記受け部に回動可能な態様で設定される回動基部と、
当該回動基部よりも前記噴射口とは反対側の部分に形成された操作部と、
当該操作部が操作されていない非操作時には前記噴射口の前方および前記噴射用筒状部の上方を覆い、当該操作部の操作にともなって当該噴射口の前方を開放するカバー部と、
前記非操作時には前記本体筒状部と係合し、前記操作部の操作にともなって当該係合状態から解除される係合作用部と、
前記非操作時には前記噴射用筒状部の両側部分を上方から挟み込んで保持し、前記操作部の操作にともなって当該保持状態が解除される保持片部と、
前記非操作時には前記被押圧片部から離間する態様で設定され、前記操作部の操作にともなって所定長だけ移動した後で当該被押圧片部に当接する押圧作用部と、を有している、
ことを特徴とするカバーキャップ。